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特開2022-103597ドロワ制御装置、ドロワ制御方法およびドロワ制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103597
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】ドロワ制御装置、ドロワ制御方法およびドロワ制御システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
G07G1/00 321C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218330
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000107642
【氏名又は名称】スター精密株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100172498
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀幸
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 直人
(72)【発明者】
【氏名】牧田 莉奈
(72)【発明者】
【氏名】杉山 裕一
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA04
3E142BA05
3E142BA16
3E142FA48
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】ドロワ装置の開放が、ドロワ開コマンド処理によるものか、それ以外の方法によるものかを高精度に判別できるドロワ制御装置を提供する。
【解決手段】ドロワ制御装置1は、コマンドを受信するコマンド受信部12と、ドロワ装置8の接続有無を検出する接続検出部14と、ドロワ開コマンドを受信したらドロワ開コマンド処理を開始し、接続検出部14の検出結果が接続であった場合はドロワ装置8を開放するためのドロワ開放信号を送信して処理実行フラグをセットし、検出結果が接続無であった場合はドロワ開コマンド処理を終了するコマンド処理部111と、ドロワ装置8の開閉状態を示す開閉信号を受信する開閉信号受信部15と、開閉信号が開放状態を示すものであった場合、処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたか否かを判別する開要因判別部113とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト端末からのコマンドを受信するコマンド受信部と、
ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出部と、
前記コマンド受信部が前記ドロワ装置の開放を指示するドロワ開コマンドを受信したらドロワ開コマンド処理を開始し、前記接続検出部の検出結果が接続有であった場合は該ドロワ装置を開放するためのドロワ開放信号を送信して処理実行フラグをセットし、該検出結果が接続無であった場合は該ドロワ開コマンド処理を終了するコマンド処理部と、
前記ドロワ装置の開閉状態を示す開閉信号を該ドロワ装置から受信する開閉信号受信部と、
前記開閉信号受信部が受信した前記開閉信号が開放状態を示すものであった場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ開コマンド処理により前記ドロワ装置が開放されたか否かを判別する開要因判別部と、を備えたことを特徴とするドロワ制御装置。
【請求項2】
前記処理実行フラグがセットされてから所定時間経過したことに応じて、セットされた該処理実行フラグをクリアするフラグクリア部を備えていることを特徴とする請求項1記載のドロワ制御装置。
【請求項3】
前記接続有無を示す接続有無情報を前記ホスト端末に送信する状態情報送信部を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のドロワ制御装置。
【請求項4】
前記状態情報送信部は、前記接続有無情報と、前記開閉状態を示す開閉情報と、前記開要因判別部の判別結果を示すドロワ開要因情報とを前記ホスト端末に送信するものであることを特徴とする請求項3に記載のドロワ制御装置。
【請求項5】
前記接続有無を示す接続有無情報と、前記開閉状態を示す開閉情報と、前記開要因判別部の判別結果を示すドロワ開要因情報とが保存されるドロワ状態保存部と、
前記接続有無情報の変化および前記開閉情報の変化を監視する状態監視部と、
前記状態監視部が前記接続有無情報と前記開閉情報のうち少なくとも一方が変化したことを検出した場合に、前記ドロワ状態保存部が保存している、該接続有無情報、該開閉情報および前記ドロワ開要因情報を、前記ホスト端末に送信する状態情報送信部とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のドロワ制御装置。
【請求項6】
ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出部と、
前記接続有無を示す情報をホスト端末に送信する状態情報送信部と、を備えていることを特徴とするドロワ制御装置。
【請求項7】
ホスト端末からのコマンドを受信するコマンド受信ステップと、
ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出ステップと、
前記コマンド受信ステップにおいて前記ドロワ装置の開放を指示するドロワ開コマンドを受信したら開始され、前記接続検出ステップにおける検出結果が接続有であった場合は該ドロワ装置を開放するためのドロワ開放信号を送信して処理実行フラグをセットし、該検出結果が接続無であった場合は処理を終了するドロワ開コマンド処理ステップと、
前記ドロワ装置の開閉状態を示す開閉信号を受信する開放信号受信ステップと、
前記開放信号受信ステップにおいて受信した前記開閉信号が開放状態を示すものであった場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ開コマンド処理ステップにより該ドロワ装置が開放されたか否かを判別する開要因判別ステップとを備えたことを特徴とするドロワ制御方法。
【請求項8】
ホスト端末とドロワ制御装置とを備えたドロワ制御システムであって、
前記ドロワ制御装置は、
前記ホスト端末からのコマンドを受信するコマンド受信部と、
ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出部と、
前記コマンド受信部が前記ドロワ装置の開放を指示するドロワ開コマンドを受信したらドロワ開コマンド処理を開始し、前記接続検出部の検出結果が接続有であった場合は該ドロワ装置を開放するためのドロワ開放信号を送信して処理実行フラグをセットし、該検出結果が接続無であった場合は該ドロワ開コマンド処理を終了するコマンド処理部と、
前記ドロワ装置の開閉状態を信号レベルによって示す開閉信号を該ドロワ装置から受信する開閉信号受信部と、
前記開閉信号受信部が受信した前記開閉信号が開閉状態の変化を示した場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ装置の開閉状態の変化が前記ドロワ開コマンド処理により生じたか否かを判別する要因判別部と、
前記要因判別部の判別結果を示す情報および前記信号レベルを示す情報を前記ホスト端末に送信する状態情報送信部と、を備えたものであり、
前記ホスト端末は、前記状態情報送信部から送信された、前記要因判別部の判別結果を示す情報および前記信号レベルを示す情報に基づいて、前記ドロワ装置が前記ドロワ開コマンド処理により開放されたか否かを判定する判定部を備えていることを特徴とするドロワ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドロワ装置を制御するドロワ制御装置、ドロワ制御方法およびドロワ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POSシステムやキャッシュレジスタなどには、硬貨、紙幣および金券などを収納するキャッシュドロワなどのドロワ装置が用いられている。このドロワ装置を制御するために、ドロワ制御装置やドロワ制御装置とホスト端末とを備えたドロワ制御システムを用いる場合がある。ドロワ制御装置は、独立して用いられる他、プリンタなどの、POSシステムの周辺機器に組み込まれることもある。ドロワ制御装置は、ホスト端末からドロワ開コマンドを受信した場合、ドロワ開コマンド処理を開始してドロワ開放信号を送信する。これにより、ドロワ装置が開放されて収納トレイに金銭を出し入れ可能な開放状態になる。また、鍵などを用いて手動でドロワ装置を開放することもある。POSシステムまたはキャッシュレジスタでドロワ装置を使用している場合、通常はドロワ開コマンドを用いてドロワ装置を開放する。これに対し、盗難などの不正が行われる場合は手動でドロワ装置が開放されることが多い。このため、ドロワ装置が、ホスト端末からのドロワ開コマンドに応じて開始されるドロワ開コマンド処理で開放されたのか、それ以外の方法で開放されたのかを判別する判別手段をドロワ制御システムに設けることがある(例えば、特許文献1等参照)。この特許文献1のドロワ制御システムは、ドロワ開コマンドを受信したら、ドロワ開コマンド処理を開始し、開放開始フラグをセットしてドロワ装置を開放し、その後ドロワ装置が閉塞されたら開放開始フラグをクリアしている。そして、このドロワ制御システムは、一定周期毎にドロワ装置の開閉状態を検出し、ドロワ装置が開放状態であることを検出したら開放開始フラグを確認し、開放開始フラグがセットされていなければドロワ開コマンド処理以外の方法で開放したと判別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-143761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のドロワ制御システムは、ドロワ開コマンドを受信したらドロワ装置がドロワ制御装置に接続されているか否かに関わらずドロワ開コマンド処理を開始して開放開始フラグをセットし、その後ドロワ装置が一旦開放状態になってから閉塞状態になるまで開放開始フラグがセットされたままになる。このため、ドロワ制御装置にドロワ装置が接続されていないときにドロワ開コマンドをドロワ制御装置が受信した場合は、開放開始フラグがセットされた状態が維持され続ける。そして、その状態でドロワ制御装置に閉塞状態のドロワ装置が接続され、ドロワ開コマンド処理以外の方法でドロワ装置を開放すると、フラグがセットされているのでドロワ開コマンド処理による開放であると誤って判別されてしまう。つまり、ドロワ開コマンド処理による開放か、それ以外の方法による開放かの判別精度が低いといった問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、ドロワ装置の開放が、ドロワ開コマンド処理によるものか、それ以外の方法によるものかを高精度に判別できるドロワ制御装置、ドロワ制御方法およびドロワ制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決する本発明のドロワ制御装置は、ホスト端末からのコマンドを受信するコマンド受信部と、
ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出部と、
前記コマンド受信部が前記ドロワ装置の開放を指示するドロワ開コマンドを受信したらドロワ開コマンド処理を開始し、前記接続検出部の検出結果が接続有であった場合は該ドロワ装置を開放するためのドロワ開放信号を送信して処理実行フラグをセットし、該検出結果が接続無であった場合は該ドロワ開コマンド処理を終了するコマンド処理部と、
前記ドロワ装置の開閉状態を示す開閉信号を該ドロワ装置から受信する開閉信号受信部と、
前記開閉信号受信部が受信した前記開閉信号が開放状態を示すものであった場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ開コマンド処理により前記ドロワ装置が開放されたか否かを判別する開要因判別部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
このドロワ制御装置によれば、前記ドロワ開コマンドを受信しても、前記接続検出部の検出結果が接続無であった場合は前記処理実行フラグがセットされていない状態で前記ドロワ開コマンド処理が終了する。従って、そのドロワ開コマンド処理の後に前記ドロワ装置が接続され、次いで該ドロワ装置が開放された場合でも、前記開要因判別部は、前記ドロワ開コマンド処理による開放か、それ以外の方法による開放かを正しく判別できる。
【0008】
ここで、開要因判別部は、前記開閉信号受信部が受信した前記開閉信号が閉塞状態を示すものから開放状態を示すものに変化した場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ開コマンド処理により前記ドロワ装置が開放されたか否かを判別するものであってもよい。
【0009】
このドロワ制御装置において、前記処理実行フラグがセットされてから所定時間経過したことに応じて、セットされた該処理実行フラグをクリアするフラグクリア部を備えていてもよい。
【0010】
このドロワ制御装置では、前記ドロワ開放信号を送信したものの、何らかの要因で前記ドロワ装置が開放状態にならなかった場合でも、所定時間経過することで前記処理実行フラグがクリアされる。これにより、その後、ドロワ開コマンド処理以外の方法でドロワ装置が開放されたときに、ドロワ開コマンドによる開放と誤って判別されてしまうことを防止できる。
【0011】
ここで、前記フラグクリア部は、前記接続検出部の検出結果が接続無であった場合に前記処理実行フラグをクリアするものであってもよい。また、前記フラグクリア部は、前記開閉信号受信部が受信した前記開閉信号が開放状態を示すものから閉塞状態を示すものに変化した場合に前記処理実行フラグをクリアするものであってもよい。
【0012】
さらに、このドロワ制御装置において、前記接続有無を示す接続有無情報を前記ホスト端末に送信する状態情報送信部を備えた態様であってよい。
【0013】
この態様によれば、前記ホスト端末は、前記接続有無情報を利用して前記ドロワ装置の状況を詳細に解析できる。
【0014】
また、このドロワ制御装置において、前記状態情報送信部は、前記接続有無情報と、前記開閉状態を示す開閉情報と、前記開要因判別部の判別結果を示すドロワ開要因情報とを前記ホスト端末に送信するものであってもよい。
【0015】
こうすることで、前記ホスト端末は、前記接続有無情報に加え前記開閉情報と前記ドロワ開要因情報を利用して前記ドロワ装置の状況をより詳細に解析できる。
【0016】
ここで、前記状態情報送信部は、前記コマンド受信部が受信した前記コマンドがステータス問い合わせコマンドであるときに前記ホスト端末に前記接続有無情報、前記開閉情報および前記ドロワ開要因情報を送信するものであってもよい。
【0017】
また、このドロワ制御装置において、前記接続有無を示す接続有無情報と、前記開閉状態を示す開閉情報と、前記開要因判別部の判別結果を示すドロワ開要因情報とが保存されるドロワ状態保存部と、
前記接続有無情報の変化および前記開閉情報の変化を監視する状態監視部と、
前記状態監視部が前記接続有無情報と前記開閉情報のうち少なくとも一方が変化したことを検出した場合に、前記ドロワ状態保存部が保存している、該接続有無情報、該開閉情報および前記ドロワ開要因情報を、前記ホスト端末に送信する状態情報送信部とを備えていてもよい。
【0018】
前記ドロワ装置が、開放状態と閉塞状態との間で状態変化した場合や接続無と接続有との間で状態変化した場合、前記ホスト端末がすぐに前記接続有無情報、前記開閉情報および前記ドロワ開要因情報を入手することができる。また、前記ドロワ装置の状態変化を前記ホスト端末が正しく認識できる。
【0019】
また、本発明のドロワ制御装置は、ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出部と、
前記接続有無を示す情報をホスト端末に送信する状態情報送信部と、を備えていることを特徴とする。
【0020】
このドロワ制御装置によれば、前記ホスト端末は、前記接続有無情報を用いて前記ドロワ装置の状況を詳細に解析できる。
【0021】
上記目的を解決する本発明のドロワ制御方法は、ホスト端末からのコマンドを受信するコマンド受信ステップと、
ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出ステップと、
前記コマンド受信ステップにおいて前記ドロワ装置の開放を指示するドロワ開コマンドを受信したら開始され、前記接続検出ステップにおける検出結果が接続有であった場合は該ドロワ装置を開放するためのドロワ開放信号を送信して処理実行フラグをセットし、該検出結果が接続無であった場合は処理を終了するドロワ開コマンド処理ステップと、
前記ドロワ装置の開閉状態を示す開閉信号を受信する開放信号受信ステップと、
前記開放信号受信ステップにおいて受信した前記開閉信号が開放状態を示すものであった場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ開コマンド処理ステップにより該ドロワ装置が開放されたか否かを判別する開要因判別ステップとを備えたことを特徴とする。
【0022】
このドロワ制御方法によれば、前記ドロワ開コマンドを受信しても、前記接続検出部の検出結果が接続無であった場合は前記処理実行フラグがセットされていない状態で前記ドロワ開コマンド処理ステップが終了する。従って、前記ドロワ装置の開放が、前記ドロワ開コマンド処理ステップによるものか、それ以外の方法によるものかを正しく判別できる。
【0023】
ここで、前記開要因判別ステップは、前記開放信号受信ステップにおいて受信した前記開閉信号が閉塞状態を示すものから開放状態を示すものに変化した場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ開コマンド処理ステップにより該ドロワ装置が開放されたか否かを判別するステップであってもよい。
【0024】
上記目的を解決する本発明のドロワ制御システムは、
ホスト端末とドロワ制御装置とを備えたドロワ制御システムであって、
前記ドロワ制御装置は、
前記ホスト端末からのコマンドを受信するコマンド受信部と、
ドロワ装置の接続有無を検出する接続検出部と、
前記コマンド受信部が前記ドロワ装置の開放を指示するドロワ開コマンドを受信したらドロワ開コマンド処理を開始し、前記接続検出部の検出結果が接続有であった場合は該ドロワ装置を開放するためのドロワ開放信号を送信して処理実行フラグをセットし、該検出結果が接続無であった場合は該ドロワ開コマンド処理を終了するコマンド処理部と、
前記ドロワ装置の開閉状態を信号レベルによって示す開閉信号を該ドロワ装置から受信する開閉信号受信部と、
前記開閉信号受信部が受信した前記開閉信号が開閉状態の変化を示した場合、前記処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、前記ドロワ装置の開閉状態の変化が前記ドロワ開コマンド処理により生じたか否かを判別する要因判別部と、
前記要因判別部の判別結果を示す情報および前記信号レベルを示す情報を前記ホスト端末に送信する状態情報送信部と、を備えたものであり、
前記ホスト端末は、前記状態情報送信部から送信された、前記要因判別部の判別結果を示す情報および前記信号レベルを示す情報に基づいて、前記ドロワ装置が前記ドロワ開コマンド処理により開放されたか否かを判定する判定部を備えていることを特徴とする。
【0025】
このドロワ制御システムによれば、前記ドロワ制御装置は、前記ドロワ開コマンドを受信しても、前記接続検出部の検出結果が接続無であった場合は前記処理実行フラグがセットされていない状態で前記ドロワ開コマンド処理を終了する。従って、そのドロワ開コマンド処理の後に前記ドロワ装置が前記ドロワ制御装置に接続され、次いで該ドロワ装置が開放された場合でも、前記判定部は、該ドロワ開コマンド処理による開放か、それ以外の方法による開放かを正しく判別できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ドロワ装置の開放が、ドロワ開コマンド処理によるものか、それ以外の方法によるものかを高精度に判別できるドロワ制御装置、ドロワ制御方法およびドロワ制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に相当するドロワ制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図1に示したドロワ制御装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図3】ドロワ開放信号により動作する回路の構成と接続信号を生成するための回路の構成を示す回路図である。
図4図1に示したドロワ制御装置の動作を示すフローチャートである。
図5図4に示したドロワ状態情報取得処理の動作を示すフローチャートである。
図6図4に示したドロワ開コマンド処理の動作を示すフローチャートである。
図7図4に示したドロワステータス通知処理の動作を示すフローチャートである。
図8図1に示したドロワ制御装置における通常時の動作を示すタイミングチャートである。
図9図1に示したドロワ制御装置におけるドロワ装置接続前後の動作を示すタイミングチャートである。
図10】第2実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワ状態情報取得処理の動作を示す、図5と同様のフローチャートである。
図11】第2実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワステータス通知処理の動作を示す、図7と同様のフローチャートである。
図12】第3実施形態のドロワ制御装置1の機能構成を示す、図2と同様の機能ブロック図である。
図13】第3実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワ状態情報取得処理の動作を示す、図5と同様のフローチャートである。
図14】第3実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワステータス通知処理の動作を示す、図7と同様のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明の一実施形態であるドロワ制御装置は、POSシステムのホスト端末とドロワ装置それぞれに接続され、ホスト端末からのコマンドに従ってドロワ装置を制御するものである。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に相当するドロワ制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、ドロワ制御装置1は、ドロワ装置8とドロワインターフェース80によって接続されている。また、ドロワ制御装置1は、ホスト端末9にホストインターフェースケーブル90によって接続されている。このドロワ制御装置1とホスト端末9とホストインターフェースケーブル90によってドロワ制御システム10が形成されている。ドロワインターフェース80は、ドロワ制御装置1とドロワ装置8それぞれに着脱可能に取り付けられている。ドロワインターフェース80を取り外すことで、ドロワ制御装置1とドロワ装置8は非接続状態になる。以下、ドロワ制御装置1とドロワ装置8の非接続状態を接続無と称し、ドロワ制御装置1とドロワ装置8が接続された状態を接続有と称することがある。また、ホストインターフェースケーブル90を取り外すことで、ドロワ制御装置1とホスト端末9は非接続状態になる。なお、ドロワ制御装置1とホスト端末9は無線により接続してもよい。また、ドロワ制御装置1とドロワ装置8それぞれに独立して電源が供給されている場合、ドロワ制御装置1とドロワ装置8も無線により接続してもよい。なお、ホスト端末9はタブレット端末やPCなどの入力機能および表示機能を有するデバイスにより構成されるのが望ましい。
【0031】
ドロワ装置8は、ソレノイド81と開閉検出スイッチ82とを備えている。ソレノイド81は、閉塞状態のドロワ装置8を開放状態にするためのものである。このソレノイド81は、駆動電流が流れることで駆動する。ソレノイド81の駆動により現金などを収容する収納トレイが押し出しされ、ドロワ装置8は開放状態になる。開閉検出スイッチ82は、ドロワ装置8が開放状態か閉塞状態かを検出するためのものである。開閉検出スイッチ82の検出結果は、ドロワ装置8の開閉状態を示す開閉信号として、ドロワインターフェース80を介してドロワ制御装置1に送信される。
【0032】
ホスト端末9は、ドロワ開コマンドやステータス問い合わせコマンドなどの各種コマンドをホストインターフェースケーブル90を介してドロワ制御装置1に送信する。また、ホスト端末9は、ホストインターフェースケーブル90を介して、ドロワ制御装置1に保存されている後述する内部ステータス情報などをドロワ制御装置1から受信する。
【0033】
ドロワ制御装置1は、CPU101と、不揮発性メモリ102と、揮発性メモリ103とを備えている。CPU101は、不揮発性メモリ102に記憶されたプログラムに従って、ドロワ制御装置1の動作を制御する。また、CPU101は、ドロワインターフェース80を介してドロワ装置8との間で信号の送受信を行うとともに、ホストインターフェースケーブル90を介してホスト端末9との間で相互にデータ通信を行う。CPU101の内部には、時間を計測するタイマー1011が設けられている。不揮発性メモリ102は、上述したプログラムが記憶されたROMで構成されている。揮発性メモリ103は、ドロワ制御装置1が起動している間に使用するデータが保存されるRAMで構成されている。なお、不揮発性メモリ102および揮発性メモリ103は、CPU101内に組み込まれていてもよい。
【0034】
図2は、図1に示したドロワ制御装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0035】
図2に示すように、ドロワ制御装置1は、機能構成として、制御部11と、コマンド受信部12と、接続検出部14と、開閉信号受信部15と、状態情報送信部16と、ドロワ状態保存部17とを備えている。これらの機能構成は、図1に示したCPU101が揮発性メモリ103を利用しつつ不揮発性メモリ102に記憶されたプログラムに従って動作することで実現される。
【0036】
コマンド受信部12は、ホスト端末9からの各種コマンドを受信し、受信したコマンドを制御部11に伝達する。接続検出部14は、接続信号を受信することでドロワ制御装置1にドロワ装置8が接続されているか否かを検出する。すなわち、接続検出部14は、ドロワ装置8の接続有無を検出する。開閉信号受信部15は、開閉検出スイッチ82が検出したドロワ装置8の開閉状態を示す開閉信号を受信する。この開閉信号は、ドロワ装置8の開閉状態によって出力レベルが切り換わる信号である。本実施形態の開閉検出スイッチ82は、ドロワ装置8が開放状態であることを検出しているときにHighレベルの信号を送信し、ドロワ装置8が閉塞状態であることを検出しているときにLowレベルの信号を送信する。なお、ドロワ装置8の種類によっては、このHighレベルの信号とLowレベルの信号の意味が逆のものがある。これに対応するために、開閉検出スイッチ82の信号レベル(High/Low)に対応するドロワ装置8の状態(開放状態/閉塞状態)の意味を、ドロワ制御装置1に設けられたディップスイッチまたはメモリスイッチなどで切り換え可能に構成してもよい。状態情報送信部16は、ドロワ状態保存部17に保存されている内部ステータス情報をホスト端末9に送信する。ドロワ状態保存部17は、接続検出部14の検出結果によって得られるドロワ装置8の接続有無を示す接続有無情報、開閉信号受信部15が受信した開閉信号によって得られるドロワ装置8の開閉状態を示す開閉情報、および後述する開要因判別部113の判別結果を示すドロワ開要因情報を含む内部ステータス情報が保存される。このドロワ状態保存部17は、揮発性メモリ103によって実現する機能部位であるため、ドロワ制御装置1の電源が遮断されると保存された内部ステータス情報は消去される。
【0037】
制御部11は、コマンド処理部111と、状態監視部112と、開要因判別部113と、フラグクリア部114とを備えている。コマンド処理部111は、コマンド受信部12から伝達された各種コマンドを判別し、コマンドに応じた処理を実行する。このコマンドには、ドロワ開コマンドやステータス問い合わせコマンドなどがある。これらのコマンドに対する処理の内容は後に詳述する。状態監視部112は、ドロワ装置8の接続有無情報とドロワ装置8の開閉情報を監視する。そして、状態監視部112が接続有無情報と開閉情報のうち少なくとも一方が変化したことを検出した場合、状態情報送信部16は、ドロワ状態保存部17に保存されている内部ステータス情報をホスト端末9に送信する。開要因判別部113は、開閉信号受信部15が受信した信号が閉塞状態を示すものから開放状態を示すものに変化した場合、後述する処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、ドロワ装置8の開放がホスト端末9からのドロワ開コマンドに応じて実行されたものか否かを判別する。コマンド処理部111は、ドロワ開コマンドに応じてドロワ開コマンド処理を実行し、所定の条件を満たしている場合に処理実行フラグをセットする。フラグクリア部114は、ドロワ開コマンドに応じてコマンド処理部111が実行したドロワ開コマンド処理においてセットした処理実行フラグを、セットされてから所定時間経過したことに応じてクリアする。また、フラグクリア部114は、接続検出部14の検出結果が接続無であった場合や開閉信号受信部15が受信した開閉信号が開放状態を示すものから閉塞状態を示すものに変化した場合にも処理実行フラグをクリアする。なお、処理実行フラグは、揮発性メモリ103を利用してセットされるので、ドロワ制御装置1の電源が遮断されるとセットされた処理実行フラグはクリアされる。
【0038】
図3は、ドロワ開放信号により動作する回路の構成と接続信号を生成するための回路の構成を示す回路図である。図3には、開閉検出スイッチ82と、開閉検出スイッチ82からの信号を受信する第3GPIO1014も示されている。また、図3には、ドロワインターフェース80内に設けられた、ソレノイド81への入出力ラインおよび開閉検出スイッチ82からの信号を受信する受信ラインも示されている。
【0039】
図3に示すように、ドロワ制御装置1は、接続されているドロワ装置8のソレノイド81に24Vの電力を供給している。CPU101に設けられた第2GPIO1013を通してドロワ開放信号が送信されることで、FETまたはトランジスタなどで構成されたスイッチング素子131がオンし、ソレノイド81に駆動電流が流れる。駆動電流が流れるとソレノイド81が駆動されてドロワ装置8に設けられた収納トレイが押し出しされてドロワ装置8は開放される。なお、ドロワ開放信号は、ドロワ開コマンド処理において所定の条件を満たしている場合に第2GPIO1013を通して送信される。ドロワ装置8の接続信号は、ソレノイド81に供給されている24Vを分圧回路141が分圧することで生成される。ドロワ装置8が接続されていない場合、接続信号として第1GPIO1012に0Vが入力される。ドロワ装置8が接続されている場合、接続信号として第1GPIO1012に3.3Vが入力される。この接続信号を接続検出部14(図2参照)が受信することでドロワ装置8の接続有無が検出される。この接続検出部14による検出が、接続検出ステップの一例に相当する。
【0040】
次に、ドロワ制御装置1の動作を説明する。図4は、図1に示したドロワ制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0041】
ドロワ制御装置1は、図5に示すドロワ状態情報取得処理を定期的に実施する。図4に示すように、ドロワ制御装置1は、まず前回のドロワ状態情報取得処理からあらかじめ設定された時間経過したか否かを判定する(ステップS1)。このあらかじめ設定された時間経過は、ドロワ状態情報取得処理の開始時にタイマー1011をスタートすることで計測される。ステップS1では、例えば電源投入時など前回のドロワ状態情報取得処理が実施されていない場合もあらかじめ設定された時間経過したと判断する。なお、前回のドロワ状態情報取得処理が実施されていないことは、ドロワ状態保存部17に内部ステータス情報が無いこと又はタイマー1011がスタートされていないことで判断できる。本実施形態では、このあらかじめ設定された時間は20msecにしている。前回のドロワ状態情報取得処理からあらかじめ設定された時間経過している場合(ステップS1でYES)、ドロワ制御装置1は、図5に示すドロワ状態情報取得処理を開始し(ステップS2)、ステップS3に進む。前回のドロワ状態情報取得処理からあらかじめ設定された時間経過していない場合(ステップS1でNO)、ドロワ状態情報取得処理を開始することなくステップS3に進む。
【0042】
ステップS3では、コマンド受信部12がドロワ開コマンドを受信しているか否かを判定する。ドロワ開コマンドを受信していたら(ステップS3でYES)、ドロワ制御装置1は、図6に示すドロワ開コマンド処理を開始し(ステップS4)、ステップS5に進む。このステップS3でYESである場合が、コマンド受信ステップの一例に相当する。ドロワ開コマンドを受信していない場合(ステップS3でNO)、ドロワ開コマンド処理を開始することなくステップS5に進む。
【0043】
ステップS5では、コマンド受信部12がステータス問い合わせコマンドを受信しているか否かを判定する。ステータス問い合わせコマンドを受信していたら(ステップS5でYES)、ドロワ制御装置1は、図7に示すドロワステータス通知処理を開始し(ステップS7)、ステップS1に戻る。ステータス問い合わせコマンドを受信していない場合(ステップS5でNO)、状態監視部112がドロワ装置8の状態変化を検出しているか否かを判定する(ステップS6)。状態監視部112は、ドロワ状態保存部17に保存されている内部ステータス情報のうち、ドロワ装置8の接続有無情報またはドロワ装置8の開閉情報が変化したか否かによりドロワ装置8の状態変化を検出している。より具体的には、後述するドロワ状態情報取得処理において、ドロワ状態保存部17に保存されている前回の接続有無情報および開閉情報に対して、今回保存した接続有無情報および開閉情報のうちの少なくとも一方が異なっている場合、状態監視部112は、ドロワ装置8の状態が変化したと判断する。状態監視部112がドロワ装置8の状態変化を検出したら(ステップS6でYES)、ドロワ制御装置1は、図7に示すドロワステータス通知処理を開始し(ステップS7)、ステップS1に戻る。また、状態監視部112がドロワ装置8の状態変化を検出していない場合(ステップS6でNO)、ドロワ開コマンド処理を開始することなくステップS1に戻る。ドロワ制御装置1は、以上の動作を電源が遮断されるまで繰り返し実行する。
【0044】
図5は、図4に示したドロワ状態情報取得処理の動作を示すフローチャートである。
【0045】
図5に示すように、ドロワ状態情報取得処理では、まず接続検出部14がドロワ装置8の接続有無を検出してその検出結果によって得られる接続有無情報を取得する。また、開閉信号受信部15が開閉信号を受信してその開閉信号によって得られる開閉情報を取得する(ステップS21)。このステップS21は、開放信号受信ステップの一例に相当する。そして、前回のドロワ状態情報取得処理において保存した接続有無情報、開閉情報およびドロワ開要因情報を前回の内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に残したまま、今回のドロワ状態情報取得処理において取得した接続有無情報および開閉情報を新たな内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に保存する(ステップS22)。
【0046】
次に、今回保存した内部ステータス情報における接続有無情報が接続有であるか否かを判定する(ステップS23)。接続有無情報が接続有でない場合、すなわち接続無である場合(ステップS23でNO)、処理実行フラグをフラグクリア部114がクリアし(ステップS24)、ドロワ状態情報取得処理を終了する。なお、既に処理実行フラグがクリアされている場合は、そのままドロワ状態情報取得処理を終了する。接続有無情報が接続有である場合(ステップS23でYES)、前回の内部ステータス情報の開閉情報と、今回保存した内部ステータス情報における開閉情報とを比較し、変化が生じているか否かを判定する(ステップS25)。このステップS25では、例えば電源投入後最初のドロワ状態情報取得処理時などドロワ状態保存部17に前回保存した内部ステータス情報が存在しない場合は変化が生じていると判断する。開閉情報に変化が生じていない場合(ステップS25でNO)、ドロワ状態情報取得処理を終了する。開閉情報に変化が生じている場合(ステップS25でYES)、今回保存した内部ステータス情報における開閉情報が開放であるか否かを判定する(ステップS26)。開閉情報が開放でない場合、すなわちドロワ装置8が閉塞されている場合(ステップS26でNO)、上述したステップS24を実行し、ドロワ状態情報取得処理を終了する。
【0047】
開閉情報が開放である場合(ステップS26でYES)、処理実行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS27)。処理実行フラグがセットされていない場合、すなわち処理実行フラグがクリアされている場合(ステップS27でNO)、ドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8が開放されたことを示すドロワ開要因情報を新たな内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に保存し(ステップS28)、ドロワ状態情報取得処理を終了する。処理実行フラグがセットされている場合(ステップS27でYES)、処理実行フラグをクリアする(ステップS29)。そして、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたことを示すドロワ開要因情報を新たな内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に保存し(ステップS30)、ドロワ状態情報取得処理を終了する。以上説明したステップS27~S30は、開要因判別部113によって実行されるステップであり、開要因判別ステップの一例に相当する。
【0048】
図6は、図4に示したドロワ開コマンド処理の動作を示すフローチャートである。
【0049】
図6に示すように、ドロワ開コマンド処理では、まずドロワ状態保存部17に保存されている最新の内部ステータス情報における接続有無情報が接続有であるか否かを判定する(ステップS41)。接続有無情報が接続無である場合(ステップS41でNO)、ドロワ開コマンド処理を終了する。接続有無情報が接続有である場合(ステップS41でYES)、ドロワ開放信号を送信し(ステップS42)、処理実行フラグをセットする(ステップS43)。これらのステップS41~S43は、コマンド処理部111によって実行される処理であり、ドロワ開コマンド処理ステップの一例に相当する。その後、所定時間が経過するまで待機する(ステップS44)。所定時間経過は、処理実行フラグのセット時にタイマー1011をスタートすることで計測される。この所定時間は、ステップS42でドロワ開放信号を送信してから、ソレノイド81が動作してドロワ装置8が開放状態になり、開閉検出スイッチ82が開放状態を検出して開放状態を示す信号を送信するのに十分な時間である。本実施形態では、この所定時間を2.0secにしている。所定時間が経過したら(ステップS44でYES)、処理実行フラグをクリアし(ステップS45)、ドロワ開コマンド処理を終了する。なお、既に処理実行フラグがクリアされている場合は、そのままドロワ開コマンド処理を終了する。これらのステップS44とS45は、フラグクリア部114によって実行される処理である。なお、ドロワ開放信号を送信したら必ずドロワ装置8が開放状態になることが見込める場合などには、これらのステップS44とS45は省略してもよい。
【0050】
図7は、図4に示したドロワステータス通知処理の動作を示すフローチャートである。
【0051】
図7に示すように、ドロワステータス通知処理では、まずドロワ状態保存部17に保存されている最新の内部ステータス情報における接続有無情報が接続有であるか否かを判定する(ステップS71)。接続有無情報が接続無である場合(ステップS71でNO)、ドロワが非接続状態であることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS72)、ドロワステータス通知処理を終了する。ドロワの接続有無の情報は、表1に示すように1bitのデータを用いて送信される。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=0を状態情報送信部16から送信する。
【0052】
【表1】
【0053】
接続有無情報が接続有である場合(ステップS71でYES)、ドロワ状態保存部17に保存されている最新の内部ステータス情報における開閉情報が開放であるか否かを判定する(ステップS73)。開閉情報が開放でない場合(ステップS73でNO)、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ装置8が閉塞状態であることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS74)、ドロワステータス通知処理を終了する。ドロワ装置8が閉塞状態であることを示す情報は、ドロワの接続有無の情報とは別に、表2に示すように2bitのデータを用いて送信される。この2bitのデータには、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたか否かを示す情報も含まれている。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=1を送信し、それとは別にドロワ装置8が閉塞状態であることを示す情報としてbit1=0、bit2=0を状態情報送信部16から送信する。なお、ドロワ制御装置1は、電源投入後、初期動作を実行する。その初期動作実行時にコマンド受信部12がステータス問い合わせコマンドを受信したら、ドロワ制御装置1の初期動作が完了し、最初のドロワ状態情報取得処理を実行してからドロワステータス通知処理を実行する。こうすることで、ドロワ制御装置1は、ドロワ装置8のステータスについてホスト端末9に正しい情報を送信できる。ただし、初期動作実行時にコマンド受信部12がステータス問い合わせコマンドを受信したら、初期動作であることを示す情報をホスト端末9に送信してもよく、不揮発性メモリ102に保存されている特定のステータス情報をホスト端末9に送信してもよい。
【0054】
【表2】
【0055】
開閉情報が開放である場合(ステップS73でYES)、ドロワ状態保存部17に保存されている最新の内部ステータス情報におけるドロワ開要因情報がドロワ開コマンド処理による開放か否かを判定する(ステップS75)。ドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8が開放されたことを示す情報である場合(ステップS75でNO)、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理以外の方法により開放された開放状態であることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS76)、ドロワステータス通知処理を終了する。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=1を送信し、それとは別にドロワ装置8がドロワ開コマンド処理以外の方法により開放された開放状態であることを示す情報としてbit1=1、bit2=0を状態情報送信部16から送信する。
【0056】
最新の内部ステータス情報におけるドロワ開要因情報がドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたことを示す情報である場合(ステップS75でYES)、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理により開放された開放状態であることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS77)、ドロワステータス通知処理を終了する。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=1を送信し、それとは別にドロワ装置8がドロワ開コマンド処理により開放された開放状態であることを示す情報としてbit1=1、bit2=1を送信する。
【0057】
次に、このドロワ制御装置1の動作をタイミングチャートを用いて説明する。図8は、図1に示したドロワ制御装置における通常時の動作を示すタイミングチャートである。図8において、Aが付された符号はドロワ制御装置1内部の処理動作を示し、Bが付された符号はドロワ装置8の状態を示し、Cが付された符号は揮発性メモリ103に保存されている情報を示し、Dが付された符号はホスト端末9が取得したドロワ装置8のステータス情報を示す。
【0058】
B1に示すようにドロワ制御装置1にドロワ装置8が接続されている通常時に、コマンド受信部12がドロワ開コマンドを受信したら、A1に示すようにドロワ開コマンド処理が実行される。この実行により、B2に示すようにドロワ装置8は開放状態になるとともに、C1に示すように処理実行フラグがセットされる。その後、A2に示すように定期的に実行されているドロワ状態情報取得処理が実行されると、C3に示すように内部ステータス情報の開閉情報として開放がドロワ状態保存部17に記憶され、C4に示すように内部ステータス情報のドロワ開要因情報としてドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたことを示す情報がドロワ状態保存部17に記憶される。また、C1に示すように処理実行フラグはクリアされる。このドロワ状態情報取得処理が実行されることで、状態監視部112が開閉情報の変化を検出するため、A3に示すようにドロワステータス通知処理が実行される。このドロワステータス通知処理により、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理により開放された開放状態であることを示す情報がホスト端末9に送信される。これによりホスト端末9は、D1に示すようにドロワ制御装置1にドロワ装置8が接続されていること、D2に示すようにドロワ装置8が開放されたことおよびD3に示すようにドロワ装置8がドロワ開コマンド処理により開放されたことをドロワ装置8のステータス情報として取得できる。
【0059】
図9は、図1に示したドロワ制御装置におけるドロワ装置接続前後の動作を示すタイミングチャートである。図9においてA~Dが付された符号は、図8と同一である。
【0060】
B1に示すようにドロワ制御装置1にドロワ装置8が接続されていない時に、コマンド受信部12がドロワ開コマンドを受信したら、A1に示すようにドロワ開コマンド処理が実行される。しかしながら、ドロワ装置8が接続されていないため、処理実行フラグはセットされずに、ドロワ開コマンド処理は終了になる。次いで、A2に示すように定期的に行われるドロワ状態情報取得処理が実行されるが、最初のドロワ状態情報取得処理では、C2に示すように内部ステータス情報の接続有無情報として接続無がドロワ状態保存部17に記憶されてドロワ状態情報取得処理が終了する。なお、C1に示すように処理実行フラグは既にクリアされているのでそのまま維持される。
【0061】
次に、B1に示すようにドロワ制御装置1に閉塞状態のドロワ装置8が接続され、A2に示すように次のドロワ状態情報取得処理が実行されると、C2に示すように内部ステータス情報の接続有無情報に接続有が記憶される。そしてC3に示すように内部ステータス情報の開閉情報として閉塞がドロワ状態保存部17に記憶される。また、このドロワ状態情報取得処理が実行されることで、状態監視部112が接続有無情報の変化を検出するため、A3に示すようにドロワステータス通知処理が実行される。このドロワステータス通知処理により、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ装置8が閉塞状態であることを示す情報がホスト端末9に送信される。これによりホスト端末9は、D1に示すようにドロワ制御装置1にドロワ装置8が接続されたこと、D2に示すようにドロワ装置8が閉塞状態であることをドロワ装置8のステータス情報として取得できる。
【0062】
その後、B2に示すようにドロワ装置8が手動により開放され、A2に示すようにその次のドロワ状態情報取得処理が実行されると、C3に示すように内部ステータス情報の開閉情報として開放がドロワ状態保存部17に記憶され、C4に示すように内部ステータス情報のドロワ開要因情報としてドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8が開放されたことを示す情報がドロワ状態保存部17に記憶される。このドロワ状態情報取得処理が実行されることで、状態監視部112が開閉情報の変化を検出するため、A3に示すようにドロワステータス通知処理が実行される。このドロワステータス通知処理により、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理以外の方法により開放された開放状態であることを示す情報がホスト端末9に送信される。これによりホスト端末9は、D1に示すようにドロワ制御装置1にドロワ装置8が接続されていること、D2に示すようにドロワ装置8が開放されたことおよびD3に示すようにドロワ装置8がドロワ開コマンド処理以外の方法により開放されたことをドロワ装置8のステータス情報として取得できる。
【0063】
この実施形態のドロワ制御装置1によれば、コマンド受信部12がドロワ開コマンドを受信してドロワ開コマンド処理を開始しても、ドロワ装置8が接続されていない場合はそのままドロワ開コマンド処理を終了する。このため、ドロワ装置8が接続されていないのに処理実行フラグがセットされてしまうことがない。その結果、ドロワ装置8の接続前にドロワ開コマンド処理を実行し、次いでドロワ装置8が接続され、その後ドロワ装置が開放されても、その開放がドロワ開コマンド処理によるものかそれ以外の方法によるものかを正しく判別できる。また、フラグクリア部114を備えているので、ドロワ開放信号を送信したものの、例えば収納トレイが閉塞方向に押し付けられていたりドロワ装置8に構造的な障害が生じているなどの要因でドロワ装置8が開放状態にならなかった場合でも、処理実行フラグがセットされたままになってしまうことがない。これにより、次にドロワ開コマンド処理以外の方法でドロワ装置8の開放された場合でも、ドロワ装置8の開放がドロワ開コマンド処理以外の方法であることを正しく判別できる。また、ホスト端末9に接続有無情報と開閉情報とドロワ開要因情報を送信しているので、ホスト端末9は、ドロワ装置8の状況を詳細に解析できる。これにより、例えばドロワ装置8に不正が行われた際などの状況が把握しやすくなる。また、状態監視部112によって接続有無情報または開閉情報が変化したことに応じてドロワステータス通知処理を開始しているので、ドロワ装置8に状態変化が生じたら変化したことをホスト端末9がすぐに認識できる。また、ドロワ装置8の状態変化をホスト端末9が正しく認識できる。さらに、開閉状態を示す情報をbit1とし、ドロワ開要因情報をbit2とした2bitのデータを用いてドロワ装置8の開閉に関わる情報をホスト端末9に送信しているので、ドロワ開要因情報が不要なホスト端末9は、bit1のみ参照すれば開閉状態を認識できる。また、ホスト端末9が、開閉状態の情報として1bitのデータしか対応できないものであっても、bit1にドロワ装置8の開閉状態の情報が設定されているので、構成を変更することなくドロワ装置8の開閉状態は認識できる。加えて、ドロワ制御装置1にドロワ装置8が接続された際にドロワステータス通知処理を実行するので、ドロワ装置8が開放状態でドロワ制御装置1に接続されたのか閉塞状態でドロワ制御装置1に接続されたのかをホスト端末9が認識できる。
【0064】
次に、第2実施形態のドロワ制御装置1について説明する。これより後の説明では、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。この第2実施形態は、ドロワ装置8の接続検出が何らかの原因で失敗した場合やその接続検出が機能しない場合でも、ホスト端末9に開閉情報とドロワ開要因情報を送信できるようにした実施形態である。
【0065】
図10は、第2実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワ状態情報取得処理の動作を示す、図5と同様のフローチャートである。
【0066】
図10に示すように、第2実施形態のドロワ制御装置1は、図5に示したステップS23を省略している点が、先の実施形態のドロワ状態情報取得処理と異なる。ステップS23を省略することで、万一ドロワ装置8の接続検出が失敗した場合やその接続検出が機能しない場合でも、ステップS25以降の処理が実行されるので、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたか否かの判定を実施することができる。
【0067】
図11は、第2実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワステータス通知処理の動作を示す、図7と同様のフローチャートである。
【0068】
図11に示すように、第2実施形態のドロワ制御装置1は、図7に示したステップS72に代えて、ステップS81~S85の処理を実行している点が、先の実施形態のドロワステータス通知処理と異なる。接続有無情報が接続無である場合(ステップS71でNO)、ドロワ状態保存部17に保存されている最新の内部ステータス情報における開閉情報が開放であるか否かを判定する(ステップS81)。開閉情報が開放でない場合(ステップS81でNO)、ドロワ装置8が非接続状態であることを示す情報およびドロワ装置8が閉塞状態であることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS82)、ドロワステータス通知処理を終了する。すなわち、表1に示す情報としてbit1=0を、表2に示す情報としてbit1=0、bit2=0を状態情報送信部16から送信する。
【0069】
開閉情報が開放である場合(ステップS81でYES)、ドロワ状態保存部17に保存されている最新の内部ステータス情報におけるドロワ開要因情報がドロワ開コマンド処理による開放か否かを判定する(ステップS83)。ドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8が開放されたことを示す情報である場合(ステップS83でNO)、ドロワ装置8が非接続状態であることを示す情報およびドロワ開コマンド処理以外の方法により開放された開放状態であることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS84)、ドロワステータス通知処理を終了する。すなわち、表1に示す情報としてbit1=0を、表2に示す情報としてbit1=1、bit2=0を状態情報送信部16から送信する。
【0070】
最新の内部ステータス情報におけるドロワ開要因情報がドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたことを示す情報である場合(ステップS83でYES)、ドロワ装置8が非接続状態であることを示す情報およびドロワ開コマンド処理により開放された開放状態であることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS85)、ドロワステータス通知処理を終了する。すなわち、表1に示す情報としてbit1=0を、表2に示す情報としてbit1=1、bit2=1を状態情報送信部16から送信する。
【0071】
この第2実施形態では、先の実施形態における効果に加え、ドロワ装置8の接続検出が正常に機能しない場合でも、ホスト端末9に開閉情報とドロワ開要因情報を送信することができるといった効果も奏する。ただし、接続検出が正常に動作し、かつドロワ装置8が非接続状態であるときには、本来なら表1に示す情報のみを送信すれば足りるが、この第2実施形態では表1に示す情報に加え表2に示す情報もホスト端末9に送信してしまうといったデメリットも存在する。
【0072】
続いて、第3実施形態のドロワ制御装置1およびホスト端末9について説明する。ドロワ装置8の開閉検出スイッチ82には、開放状態を検出したらHighレベルの信号を送信し、閉塞状態を検出したらLowレベルの信号を送信するものと、逆に開放状態を検出したらLowレベルの信号を送信し、閉塞状態を検出したらHighレベルの信号を送信するものがある。この第3実施形態は、開閉信号受信部15が受信した開閉信号の信号レベルに対応するドロワ装置8の開閉状態の関係情報がドロワ制御装置1の不揮発性メモリ102または揮発性メモリ103に記憶されていない場合の実施形態である。すなわち、ドロワ制御装置1が、開閉信号の意味を理解できない場合の実施形態ともいえる。
【0073】
図12は、第3実施形態のドロワ制御装置1の機能構成を示す、図2と同様の機能ブロック図である。
【0074】
図12に示すように、第3実施形態のドロワ制御装置1では、開要因判別部113の代わりに要因判別部115が設けられ、ホスト端末9に判定部91が設けられている点が先の実施形態の機能構成と異なる。上述したように、この第3実施形態では、開閉信号受信部15が受信した開閉信号の信号レベルとドロワ装置8の開閉状態との関係情報を、ドロワ制御装置1が有していない。このため、ドロワ制御装置1は、ドロワ装置8の開閉状態を認識できない。要因判別部115は、開閉信号受信部15が受信した開閉信号が開閉状態の変化を示した場合、処理実行フラグがセットされているか否かに基づいて、その開閉状態の変化がドロワ開コマンドに応じて生じたか否かを判断する。換言すれば、要因判別部115は、開閉信号の信号レベルがHighレベルとLowレベルの間で切り換わった場合、ドロワ装置8の開閉状態が不明のまま、状態変化がドロワ開コマンド処理によるものか、それ以外によるものかを判別する。ホスト端末9には不図示の不揮発性メモリなどのメモリや不図示のCPUなどが設けられており、そのCPUがホスト端末9内のメモリを参照しつつプログラムを実行することで判定部91が実現されている。ホスト端末9内のメモリには、開閉信号の信号レベルとドロワ装置8の開閉状態との関係情報が記憶されている。判定部91は、その関係情報と要因判別部115の判別結果を示す情報および信号レベルを示す情報に基づいて、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたか否かを判定する。
【0075】
図13は、第3実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワ状態情報取得処理の動作を示す、図5と同様のフローチャートである。
【0076】
図13に示すように、この第3実施形態のドロワ状態情報取得処理では、まず接続検出部14がドロワ装置8の接続有無を検出してその検出結果によって得られる接続有無情報を取得する。また、開閉信号受信部15が開閉信号を受信してその開閉信号の信号レベルを示す情報を取得する(ステップS210)。以下、開閉信号の信号レベルを示す情報を開閉信号情報と称する。このステップS210は、開放信号受信ステップの一例に相当する。そして、前回のドロワ状態情報取得処理において保存した接続有無情報、開閉信号情報および後述するドロワ状態変化要因情報を前回の内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に残したまま、今回のドロワ状態情報取得処理において取得した接続有無情報および開閉信号情報を新たな内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に保存する(ステップS220)。
【0077】
ステップS250では、前回の内部ステータス情報の開閉信号情報と、今回保存した内部ステータス情報における開閉信号情報とを比較し、変化が生じているか否かを判定する。このステップS250では、例えば電源投入後最初のドロワ状態情報取得処理時などドロワ状態保存部17に前回保存した内部ステータス情報が存在しない場合は変化が生じていると判断する。開閉信号情報が開閉状態の変化を示していない場合(ステップS250でNO)、つまり開閉信号の信号レベルがHighレベルとLowレベルの間で切り換わっていない場合、ドロワ状態情報取得処理を終了する。開閉信号情報が開閉状態の変化を示している場合(ステップS250でYES)、つまり開閉信号の信号レベルがHighレベルとLowレベルの間で切り換わっている場合、先の実施形態におけるステップS26を省略してステップS27を実行する。
【0078】
処理実行フラグがセットされていない場合(ステップS27でNO)、ドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8の状態変化が生じたことを示すドロワ状態変化要因情報を新たな内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に保存し(ステップS280)、ドロワ状態情報取得処理を終了する。以下、ドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8の状態変化が生じたことを示すドロワ状態変化要因情報をコマンド外開閉状態変化情報と称することがある。処理実行フラグがセットされている場合(ステップS27でYES)、処理実行フラグをクリアする(ステップS29)。そして、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8の状態変化が生じたことを示すドロワ状態変化要因情報を新たな内部ステータス情報としてドロワ状態保存部17に保存し(ステップS300)、ドロワ状態情報取得処理を終了する。以下、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8の状態変化が生じたことを示すドロワ状態変化要因情報をコマンド開閉状態変化情報と称することがある。以上説明したステップS27,S280,S29,S300は、要因判別部115によって実行されるステップであり、要因判別ステップの一例に相当する。なお、本実施形態のドロワ装置8はコマンド処理によって閉塞状態にすることは不可能な構成である。このため、ドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8の状態変化が生じていると判別される場合(ステップS27でYES)、ドロワ装置8は、ドロワ開コマンド処理による開放状態であると判別できる。すなわち、要因判別部115は、ドロワ装置8がドロワ開コマンド処理による開放状態であるか、それ以外の状態であるかを区別できるという意味では開要因判別部ともいえる。
【0079】
図14は、第3実施形態のドロワ制御装置1におけるドロワステータス通知処理の動作を示す、図7と同様のフローチャートである。
【0080】
図14に示すように、接続有無情報が接続有である場合(ステップS71でYES)、ドロワ状態保存部17に保存されている最新の内部ステータス情報における開閉信号情報がHighレベルであるか否かを判定する(ステップS730)。開閉信号情報がHighでない場合(ステップS730でNO)、最新の内部ステータス情報におけるドロワ状態変化要因情報がコマンド開閉状態変化情報であるか否かを判定する(ステップS91)。ドロワ状態変化要因情報がコマンド開閉状態変化情報でない場合、すなわちコマンド外開閉状態変化情報である場合(ステップS91でNO)、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がLowレベルであることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS93)、ドロワステータス通知処理を終了する。ドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がLowレベルであることを示す情報は、ドロワの接続有無の情報とは別に、表3に示すように2bitのデータを用いて送信される。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=1を送信し、それとは別にドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がLowレベルであることを示す情報としてbit1=0、bit2=0を状態情報送信部16から送信する。この表3に示すデータが、要因判別部115の判別結果を示す情報および開閉信号の信号レベルを示す情報の一例に相当する。なお、表3のデータは、Bit1がHighレベルかLowレベルかを示し、Bit2がコマンドによる状態かコマンド以外の方法による状態変化かを示すものになっている。従って、ホスト装置9がどちらか一方の情報のみを必要とする場合、ホスト装置9は、Bit1とBit2うちの一方を確認するだけで必要な情報を得ることができる。
【0081】
【表3】
【0082】
ドロワ状態変化要因情報がコマンド開閉状態変化情報出である場合(ステップS91でYES)、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がLowレベルであることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS93)、ドロワステータス通知処理を終了する。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=1を送信し、それとは別にドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がLowレベルであることを示す情報としてbit1=0、bit2=1を状態情報送信部16から送信する。
【0083】
開閉信号情報がHighレベルである場合(ステップS730でYES)、最新の内部ステータス情報におけるドロワ状態変化要因情報がコマンド開閉状態変化情報であるか否かを判定する(ステップS750)。ドロワ状態変化要因情報がコマンド開閉状態変化情報でない場合、すなわちコマンド外開閉状態変化情報である場合(ステップS750でNO)、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がHighレベルであることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS760)、ドロワステータス通知処理を終了する。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=1を送信し、それとは別にドロワ開コマンド処理以外の方法によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がHighレベルであることを示す情報としてbit1=1、bit2=0を状態情報送信部16から送信する。
【0084】
ドロワ状態変化要因情報がコマンド開閉状態変化情報出である場合(ステップS750でYES)、ドロワ装置8が接続されていることを示す情報およびドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がHighレベルであることを示す情報をホスト端末9に送信し(ステップS770)、ドロワステータス通知処理を終了する。ここでは、ドロワの接続有無を示す情報としてbit1=1を送信し、それとは別にドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8の状態変化が生じて開閉信号がHighレベルであることを示す情報としてbit1=1、bit2=1を状態情報送信部16から送信する。以上説明した、ステップS92、S93、S760およびS770は、状態情報送信ステップの一例に相当する。なお、上述したように、本実施形態のドロワ装置8はコマンド処理によって閉塞状態にすることは不可能な構成であるため、ステップS92とステップS770のうち、コマンド処理による閉塞状態を示すことになる一方のステップは使用されないことになる。
【0085】
図12に示したホスト端末9の判定部91は、ドロワ制御装置1の状態情報送信部16から送信されたドロワ装置8のステータス情報と、ホスト端末9の不図示のメモリに保存されている、開閉信号の信号レベルとドロワ装置8の開閉状態との関係情報とを取得する。そして、それらの情報に基づいて、ドロワ装置8が開放状態であるか閉塞状態であるかと、開放状態である場合はドロワ開コマンド処理によりドロワ装置8が開放されたか否かを判定する。この判定部91による判定は、判定ステップの一例に相当する。また、判定部91は、判定結果をホスト端末9のメモリに保存する。
【0086】
この第3実施形態では、ドロワ制御システム10として、先の実施形態における効果と同様の効果を奏する。また、ドロワ装置8の種類による開閉検出スイッチ82の信号レベルの相違にドロワ制御装置1が対応している必要がないので、ドロワ制御装置1の汎用性が高まる。
【0087】
本発明は上述の実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形を行うことが出来る。たとえば、本実施形態では、ドロワ制御装置1を、ドロワ装置8とは別体として設けたが、ドロワ装置8にドロワ制御装置1が組み込まれていてもよい。また、ドロワ制御装置1は、例えばプリンタなどの他の周辺機器に組み込まれていてもよく、ホスト端末9に組み込まれていてもよい。
【0088】
なお、以上説明した実施形態や各変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、他の実施形態や他の変形例に適用してもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 ドロワ制御装置
8 ドロワ装置
9 ホスト端末
12 コマンド受信部
14 接続検出部
15 開閉信号受信部
111 コマンド処理部
113 開要因判別部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14