(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103612
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】運動器具及び運動器具に組み込まれる凸部材並びに運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
A63B 23/04 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
A63B23/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218352
(22)【出願日】2020-12-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社ウェルファン(運動器具の販売) 令和2年1月10日 株式会社カイロベーシック(運動器具の販売) 令和2年1月10日 天空堂(運動器具の販売) 令和2年1月11日 株式会社古荘本店(運動器具の販売) 令和2年1月16日 株式会社山水(運動器具の販売) 令和2年1月20日 咲希(運動器具の販売) 令和2年1月23日 杉山 茂(運動器具の販売) 令和2年1月25日 山本 昌史(運動器具の販売) 令和2年2月2日 株式会社オーレ(運動器具の販売) 令和2年2月6日 小松運送(運動器具の販売) 令和2年2月10日 新鹿沼駅前整体院(運動器具の販売) 令和2年2月23日 株式会社スロー風土(運動器具の販売) 令和2年2月28日 常盤ゴム株式会社(運動器具の販売) 令和2年2月28日 自然療法整体院(運動器具の販売) 令和2年3月8日 株式会社オリエンタルメディスン(運動器具の販売) 令和2年3月12日 株式会社エムピイエス(運動器具の販売) 令和2年3月24日 岡嶋 武(運動器具の販売) 令和2年3月27日 石田 正明(運動器具の販売) 令和2年3月28日 パソコン八代(運動器具の販売) 令和2年3月29日 株式会社ミスト(運動器具の販売) 令和2年3月29日 有限会社石坂商店(運動器具の販売) 令和2年3月31日 青木 聡(運動器具の販売) 令和2年3月31日 田▲崎▼はりきゅう整骨院(運動器具の販売) 令和2年3月31日 石川 貴人(運動器具の販売) 令和2年3月31日 株式会社生き方マネジメント(運動器具の販売) 令和2年4月1日 株式会社メリーナ(運動器具の販売) 令和2年4月1日 株式会社ハーモニーサッポロ(運動器具の販売) 令和2年4月7日 有限会社ユミヤ家具(運動器具の販売) 令和2年4月11日 エコアット岡山(運動器具の販売) 令和2年4月20日 オーガニックガーデンいのちの樹(運動器具の販売) 令和2年4月30日 株式会社まる優(運動器具の販売) 令和2年5月13日 株式会社ライトスタッフ(運動器具の販売) 令和2年5月25日 有限会社宮沢衣料品店(運動器具の販売) 令和2年6月2日 株式会社しらかわ工芸社(運動器具の販売) 令和2年8月4日
(71)【出願人】
【識別番号】516227560
【氏名又は名称】健幸ライフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172225
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 宏行
(72)【発明者】
【氏名】本村 真祐
(57)【要約】
【課題】使用者がジグリングによる運動を行う際に生じるこすれ音を低減することができる運動器具及び運動器具に組み込まれる凸部材並びに運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法を提供する。
【解決手段】運動器具1は、円弧部4bを有し、使用者が両足を交互に上下させることで所定範囲に亘って回動する本体部4と、本体部4の円弧部4bに形成された凹部と凹部に嵌め合わされる凸部材3と、を備え、本体部4は木材から成り、凸部材3が凹部に接触する凸部側接触面はプラスティック樹脂から成る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧部を有し、使用者が両足を交互に上下させることで所定範囲に亘って回動する本体部と、
前記本体部の前記円弧部に形成された凹部と、
前記凹部に嵌め合わされる凸部と、を備え、
前記本体部は木材から成り、
前記凸部が前記凹部に接触する凸部側接触面は、プラスティック樹脂から成る、運動器具。
【請求項2】
前記凸部は中空部を有し、前記中空部には補強部が設けられる、請求項1に記載の運動器具。
【請求項3】
前記凸部は、第1の壁部と、前記第1の壁部に所定間隔をあけて対向する第2の壁部と、を含み、
前記補強部は、前記第1の壁部と前記第2の壁部に架設された複数の板部材で構成される、請求項2に記載の運動器具。
【請求項4】
前記凸部が装着されるベース部をさらに備え、
前記凸部の前記中空部には肉厚部が設けられ、
前記凸部は前記ベース部に形成された凹部に装着され、
前記肉厚部には前記ベース部を介して締結部材が締結される、請求項2又は3に記載の運動器具。
【請求項5】
前記凸部が装着されるベース部をさらに備え、
前記中空部の長手方向における両側の位置には第1の肉厚部と第2の肉厚部が形成され、
前記凸部の一部は前記ベース部に形成された凹部に装着され、
前記第1の肉厚部及び前記第2の肉厚部の夫々には前記ベース部を介して締結部材が締結される、請求項2又は3に記載の運動器具。
【請求項6】
前記複数の板部材は前記第1の肉厚部と第2の肉厚部に挟まれた位置にある、請求項5に記載の運動器具。
【請求項7】
ベース部上で回動自在に設けられた本体部に使用者が両足を載置させ、この状態で該両足を交互に上下させることで前記本体部を所定の範囲に亘って回動させる運動器具に組み込まれる凸部材であって、
前記凸部材は前記ベース部に装着された状態で前記本体部に形成された凹部に嵌め合わされ、
前記凸部材が前記凹部に接触する凸部側接触面は、プラスティック樹脂から成る、運動器具に組み込まれる凸部材。
【請求項8】
ベース部に装着された凸部材に嵌め合わせた本体部に使用者が両足を載置させ、この状態で該両足を交互に上下させることで前記本体部を所定の範囲に亘って回動させる運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法であって、
前記凸部材はプラスティック樹脂から成り、
前記本体部は木材から成り、
前記ベース部には前記凸部材が装着される凹部が形成され、
前記凸部材には肉厚部が設けられ、
前記ベース部に前記凸部材が装着された状態で、前記締結部材によって前記ベースと前記肉厚部を締結させる、運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法。
【請求項9】
前記ベース部には、前記ベース部の下面から前記凹部の底部にかけて貫通する孔部が形成され、
前記肉厚部には孔部が形成され、
前記ベース部に前記凸部が装着された状態では、前記ベース部に形成された孔部と前記肉厚部に形成された孔部とが連通し、前記ベース部に形成された孔部と前記肉厚部に形成された孔部に前記締結部材を螺合させる、請求項8に記載の運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者が両足を交互に上下させる運動に供する運動器具及び運動器具に組み込まれる凸部材並びに運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血行の促進やストレス解消、運動不足の簡易的な解消手段として、両足を交互に小刻みに上下させる運動・動作、いわゆる「貧乏ゆすり」が効果的であるといわれている(以下、この動作を「ジグリング」と称する)。ジグリングは数年前より、車椅子での生活を余儀なくされている高齢者の運動不足を解消する手段として注目されてきた。ここ最近では、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行を受けて在宅で勤務する者、外出を控える者が急増したが、これらの者の運動不足を解消する手段としても注目を集めている。
【0003】
本出願人はこれまでに、椅子等に着座した姿勢でジグリングを簡単に行える足踏み器具を提案している(例えば特許文献1)。特許文献1には、載置部に載置された使用者の両足が交互に動作することで所定範囲に亘って回動する本体部と、本体部の一部を除去することによって形成された凹部に嵌め合わされる凸部と、を備えた運動器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来技術では、本体部と凸部の素材が木材であったため、ジグリング中に本体部(凹部)と凸部との接触によって生じるこすれ音が大きく、周囲への配慮に欠けるという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、使用者がジグリングによる運動を行う際に生じるこすれ音を低減することができる運動器具及び運動器具に組み込まれる凸部材並びに運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の運動器具は、円弧部を有し、使用者が両足を交互に上下させることで所定範囲に亘って回動する本体部と、前記本体部の前記円弧部に形成された凹部と、前記凹部に嵌め合わされる凸部と、を備え、前記本体部は木材から成り、前記凸部が前記凹部に接触する凸部側接触面は、プラスティック樹脂から成る。
【0008】
本発明の運動器具に組み込まれる凸部材は、ベース部上で回動自在に設けられた本体部に使用者が両足を載置させ、この状態で該両足を交互に上下させることで前記本体部を所定の範囲に亘って回動させる運動器具に組み込まれる凸部材であって、前記凸部材は前記ベース部に装着された状態で前記本体部に形成された凹部に嵌め合わされ、前記凸部材が前記凹部に接触する凸部側接触面は、プラスティック樹脂から成る。
【0009】
本発明の運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法は、ベース部に装着された凸部材に嵌め合わせた本体部に使用者が両足を載置させ、この状態で該両足を交互に上下させることで前記本体部を所定の範囲に亘って回動させる運動器具におけるベース部に対する凸部材の取り付け方法であって、前記凸部材はプラスティック樹脂から成り、前記本体部は木材から成り、前記ベース部には前記凸部材が装着される凹部が形成され、前記凸部材には肉厚部が設けられ、前記ベース部に前記凸部材が装着された状態で、前記締結部材によって前記ベースと前記肉厚部を締結させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用者がジグリングによる運動を行う際に生じるこすれ音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)本発明の一実施の形態における運動器具の模式的な分解斜視図(b)本発明の一実施の形態における運動器具の模式的な斜視図
【
図2】(a)本発明の一実施の形態における運動器具の
図1で示すA-A’断面図(b)本発明の一実施の形態における運動器具の
図1で示すB-B’断面図(c)本発明の一実施の形態における運動器具の
図1で示すC-C’断面図(d)本発明の一実施の形態における運動器具の
図1で示すD-D’断面図
【
図3】(a)(b)本発明の一実施の形態における運動器具を構成するベース部と凸部材の模式的な部分断面図
【
図4】本発明の一実施の形態における運動器具を構成する凸部材の底面図
【
図5】本発明の一実施の形態における運動器具の模式的な構造説明図
【
図6】(a)(b)本発明の一実施の形態における運動器具の使用例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~
図5を参照して、本発明の実施の形態1における運動器具の構成を説明する。
図2(a),(b),(c),(d)は、
図1で示すA-A’断面図、B-B’断面図、C-C’断面図、D-D’断面図である。
図3(a),(b)は、後述するベース部2の部分断面図と凸部材3の断面図である。
【0013】
運動器具1は、使用者の両足を踵側から交互に小刻みに上下させる運動・動作、すなわち使用者の両足の運動(ジグリング)に供するものであり、ベース部2、凸部材3(凸部)、本体部4を含んで構成される。ベース部2と本体部4は例えば、杉やゴムの木などの木材から成る。凸部材3は例えば、ポリプロピレンなどの平滑なプラスティック樹脂から成る。以下、本体部4の長手方向をX軸方向と称し、X軸と水平面内で直交する方向をY軸方向と称し、XY平面に対して直交する方向をZ軸方向と称する。
【0014】
ベース部2は床面F(
図6)に設置される矩形の板状部材である。ベース部2の第1の面である上面2a側には、凸部材3に対応するサイズの凹部(ベース部側凹部)5が形成されている。凸部材3の下部側を凹部5に挿入させることで、ベース部2に凸部材3が装着される。
【0015】
図3(a)において、ベース部2には、ベース部2の下面2bから凹部5の底面5aにかけて貫通した複数(ここでは2個)の孔部6が形成されている。孔部6には、凸部材3をベース部2に固定させる際に用いるネジなどの締結部材7(
図3(b))が螺合される。
【0016】
図1~
図3において、凸部材3は円柱状の部材を平滑面に対して直交する方向から切断することで、正面視して円弧状(半円状)に成形したものである。
図4は凸部材3を下方からみた底面図である。
図3及び
図4において、凸部材3は面内方向に広がる領域を有する第1の壁部8及び第2の壁部9を含んで構成される。第1の壁部8と第2の壁部9は所定間隔をあけて対向している。
【0017】
第1の壁部8と第2の壁部9は、曲面形状の曲面部10を介して結合されている。第1の壁部8、第2の壁部9、曲面部10の夫々は、表面が平滑なプラスティック樹脂から成る。
【0018】
ベース部2の凹部5に挿入される側である凸部材3の下面3a側(底面側)は開口している。すなわち、凸部材3は第1の壁部8、第2の壁部9、曲面部10によって閉囲された内部空間11(中空部)を有する。
【0019】
凸部材3の下面3aの両側であって、内部空間の両側を仕切る位置には第1の肉厚部12及び第2の肉厚部13が設けられている。本実施の形態では、第1の肉厚部12及び第2の肉厚部13は曲面部10の両端部に形成されているが、第1の壁部8又は第2の壁部9に形成されてもよく、これらに接合されていてもよい。凸部材3をベース部2の凹部5に対し最も深い位置まで挿入させた状態では、第1の肉厚部12と第2の肉厚部13は凹部5の底面5aに接触する(
図3(b))。
【0020】
図3(a)において、第1の肉厚部12、第2の肉厚部13の夫々には孔部14,15が形成されている。孔部14,15の一端は凸部材3の下面3aから開口しており、他端は有底である。第1の肉厚部12と第2の肉厚部13を凹部5の底面5aに接触させた状態では、ベース部2に形成された孔部6と、第1の肉厚部12と第2の肉厚部13の夫々に形成された孔部14,15は連通する。この状態から、締結部材7をベース部2の下面2b側から孔部6,14(15)に螺合させることで、凸部材3はベース部2に対して強固に固定される。すなわち、第1の肉厚部12と第2の肉厚部13には、ベース部2を介して締結部材7が螺合される。
【0021】
凸部材3が有する内部空間11には、複数の板部材16が所定間隔をあけて上下方向に設けられている。板部材16の長手方向における一端部は曲面部10と接合され、板部材16の他端部は第1の壁部8、第2の壁部9の下端(言い換えれば凸部材3の下面3a)と同一レベルに位置する。
図4において、板部材16の幅方向における両端部は、第1の壁部8と第2の壁部9に接合される。複数の板部材16は、凸部材3を補強するための補強部として機能し、第1の壁部8と第2の壁部9に架設される。また、複数の板部材16は、第1の肉厚部12と第2の肉厚部13に挟まれた位置にある。なお、凸部材3に形成する肉厚部の数は1つでもよい。
【0022】
本体部4はベース部2上を所定範囲に亘って回動する回動体であり、例えば円柱状の部材を平滑面に対して直交する方向から切断することで、正面視して円弧状(半円状)に成形されている。これにより、本体部4は切断面が平滑面4aとなっており、且つ、本体部4の平滑面4aを除く周方向に沿って円弧部4bが形成されている。
【0023】
図2(a)において、本体部4は円弧部4b(曲面)を部分的に除去することにより、所定範囲に亘って形成された凹部(本体部側凹部)17を有する。詳細には、円弧部4b(曲面)の頂部Tを起点に周方向に沿って部分的に除去することによって、凹部17が形成されている。凹部17を形成する本体部4の内壁17aは、例えば粗面加工によって「粗」となっている。
【0024】
凹部17は、ベース部2から露出する凸部材3の部分を収容できるサイズを有する。言い換えれば、曲面部10の殆どが凹部17を形成する内壁17aにより覆われる。
図2(d)において、ベース部2に装着された凸部材3を本体部4の凹部17に嵌合(収容)させた状態では、凸部材3の曲面部10の上面と本体部4の凹部17を形成する内壁17aとの間に所定幅のクリアランス(遊び代)が生じる。
【0025】
図5に示すように、凹部17の幅方向の長さ寸法s1は、凸部材3の幅方向の長さ寸法s2と略同一或いは若干大きく設定されている。また、凹部17の長手方向の長さ寸法s3は、凸部材3の長手方向の長さ寸法s4と略同一或いは若干大きく設定されている。したがって、凹部17を介して本体部4を凸部材3に嵌合させた状態では、本体部4の水平面内方向(
図1に示すXY方向)への移動が規制される。
【0026】
本体部4は、凹部17を介して凸部材3に嵌合された状態において、ベース部2及び凸部材3に対して、円弧部(曲面)4bに沿って所定範囲に亘って回動自在に支持される(
図2(d)に示す矢印a)。第1の壁部8、第2の壁部9、曲面部10の夫々の表面は、凹部17(内壁17a)に接触する凸部側接触面となっている。また、凹部17を形成する内壁17aは、凸部材3に接触する凹部側接触面となっている。
【0027】
本体部4の平滑面4aは、使用者の両足L1,L2(
図6)が載置される載置部となっている。なお、使用者の両足L1,L2が接触する平滑面4a上の位置に、ゴムシート等の滑り止め部材を設けてもよく、或いは平滑面に複数の溝を形成してもよい。
【0028】
本実施の形態における運動器具1は以上のように構成される。次に
図6を参照して、運動器具1の使用例を説明する。まず
図6に示すように、使用者は運動器具1を床面F上に載置する。なお、ジグリング開始前における運動器具1の基本姿勢は、本体部4の円弧部4bの頂部T(
図2(a)がベース部2に最も接近する位置、言い換えれば平滑面4aが水平となる位置にある(
図2(d))。
【0029】
次いで使用者は、一方の足L1と他方の足L2のそれぞれを平滑面4a(載置部)の両側に載置する。次いで
図6(a)に示すように、使用者が一方の足L1を踵側から下方に動かすことで、本体部4は凹部17と凸部材3との嵌合を維持しつつ矢印b方向に回動するとともに、他方の足L2が上方に移動する。
【0030】
次いで
図6(b)に示すように、使用者が他方の足L2を踵側から下方に動かすことで、本体部4は凹部17と凸部材3との嵌合を維持しつつ矢印c方向に回動するとともに、一方の足L1が上方に移動する。そして、使用者が一方の足L1と他方の足L2を小刻みに交互に上下させることで(ジグリング)、本体部4は往復により回動する(矢印b→矢印c→矢印b→矢印c・・・)。
【0031】
本体部4の回動時においては、凹部17のエッジ部E1,E2に凸部材3がそれぞれ接触することで、本体部4の長手方向(X軸方向)への移動が規制される。また、本体部4の幅方向(Y軸方向)への移動も、前述のとおり凸部材3に本体部4が接触することで規制される。すなわち、本実施の形態における運動器具1によれば、ジグリング時における本体部4のXY方向(水平面内方向)への移動が規制される。
【0032】
また、使用者が運動器具1を使用してジグリングによる運動を行う際、凸部材3と本体部4の凹部17を形成する内壁17aは互いに接触する。例えば、凸部材3を構成する第1の壁部8、第2の壁部9は面内方向に広がる領域を有するので、内壁17aと面接触しながらこすれるケースが起こり得る。
【0033】
従来の運動器具では、本体部4と凸部材3に相当する部材は互いに表面が「粗」の木材から成っていたため、これらの部材が接触(面接触)する際の「こすれ音」が大きく、音漏れの観点から運動器具1を使用する際は周囲に配慮する必要があった。これに対し本実施の形態における運動器具1によれば、凸部材3が本体部4(凹部17を形成する内壁17a)に接触する凸部側接触面は平滑なプラスティック樹脂から成るため、「こすれ音」を低減させることができる。
【0034】
本発明における運動器具1は本実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で設計変更が可能である。例えば、凸部材3の表面(第1の壁部8、第2の壁部9、曲面部10)に、平滑なプラスティック樹脂から成るシート部材を貼付してもよい。かかる場合、該シート部材の表面が凸部側接触面となる。また、内壁17a(凹部側接触面)を平滑なプラスティック樹脂で形成してもよいし、内壁17aにプラスティック樹脂から成るシート部材を貼付してもよい(かかる場合、凸部材3は木製でもよい)。さらに、凸部側接触面と凹部側接触面の両方を平滑なプラスティック樹脂で形成してもよい。
【0035】
すなわち、本実施の形態における運動器具1は、円弧部4bを有し、使用者が両足を交互に上下させることで所定範囲に亘って回動する本体部4と、本体部4の円弧部4bに形成された凹部17と、凹部17に嵌め合わされる凸部材3(凸部)と、を備え、本体部4は木材から成り、凹部17が凸部材3に接触する凹部側接触面及び又は凸部材3が凹部17に接触する凸部側接触面はプラスティック樹脂から成る。また、本実施の形態における運動器具1に組み込まれる凸部材3は、ベース部2上で回動自在に設けられた本体部4に使用者が両足L1,L2を載置させ、この状態で該両足L1,L2を交互に上下させることで本体部4を所定の範囲に亘って回動させる運動器具1に組み込まれる凸部材3であって、凸部材3はベース部2に装着された状態で本体部4に形成された凹部17に嵌め合わされ、凸部材3が凹部17に接触する凸部側接触面は、プラスティック樹脂から成る。さらに、本実施の形態におけるベース部2に対する凸部材3の取り付け方法は、ベース部2に装着された凸部材3に嵌め合わせた本体部4に使用者が両足L1,L2を載置させ、この状態で該両足L1,L2を交互に上下させることで本体部4を所定の範囲に亘って回動させる運動器具1におけるベース部2に対する凸部材3の取り付け方法であって、凸部材3はプラスティック樹脂から成り、本体部は木材から成り、ベース部2には凸部材3が装着される凹部5が形成され、凸部材3には肉厚部(第1の肉厚部12,第2の肉厚部13)が設けられ、ベース部2に凸部材3が装着された状態で、締結部材7によってベース部2と肉厚部を締結させる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、使用者がジグリングによる運動を行う際に生じるこすれ音を低減することができ、個人住宅、オフィス、高齢者施設を含む様々な施設(屋外施設を含む)で運動不足を解消するツールとして特に有用である。
【符号の説明】
【0037】
1 運動器具
2 ベース部
3 凸部材
4 本体部
5 凹部
4b 円弧部
7 締結部材
8 第1の壁部
9 第2の壁部
11 内部空間
12 第1の肉厚部
13 第2の肉厚部
16 板部材
17 凹部