IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横山 陽子の特許一覧

<>
  • 特開-カードセット 図1
  • 特開-カードセット 図2
  • 特開-カードセット 図3
  • 特開-カードセット 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103664
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】カードセット
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/02 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
A63F1/02 A
A63F1/02 B
A63F1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218428
(22)【出願日】2020-12-28
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】714002187
【氏名又は名称】横山 陽子
(72)【発明者】
【氏名】横山 陽子
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ツボ(経穴)の効能を切り口とし、一目でツボ(経穴)の場所が確認できる形で、かるたのようなゲーム性の要素を活用し、他の人と交流をしながら、遊び感覚でツボ(経穴)を押せるツールを提供する。
【解決手段】複数枚のカード片からなるツボ学習用カードセットであって、各カード片には、ツボの効能、前記ツボの名前、前記ツボの場所を示した絵、前記ツボのジャンル、及び、前記ツボの場所の説明の少なくとも一つが記載され、前記ツボの場所を示した絵がツボの単位を用いて示されている場合は、当該ツボの場所を計ることが可能な実寸大の目盛りが付いていることを特徴とするツボ学習用カードセット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のカード片からなるツボ学習用カードセットであって、
各カード片には、ツボの効能、前記ツボの名前、前記ツボの場所を示した絵、前記ツボのジャンル、及び、前記ツボの場所の説明の少なくとも一つが記載され、前記ツボの場所を示した絵がツボの単位を用いて示されている場合は、当該ツボの場所を計ることが可能な実寸大の目盛りが付いていることを特徴とするツボ学習用カードセット。
【請求項2】
かるたの絵札としても使うことが可能な請求項1記載のツボ学習用カードセット。
【請求項3】
読み札と取り札とからなり、一音につき1セットの読み札及び取り札が用意されている請求項2に記載のツボ学習用カードセット。
【請求項4】
前記読み札の一方の面には、読み札の文章、ツボの名前、及び、当該ツボの効能が記載されており、他方の面には、前記ツボの場所を示した絵、及び前記ツボの場所の説明が記載されており、
前記取り札の一方の面には、前記ツボの場所を記載した絵、及び、前記ツボの場所の説明が記載されており、他方の面には、前記ツボの名前、及び、前記ツボの効能が記載されている請求項3に記載のツボ学習用カードセット。
【請求項5】
ツボの効能から、該当するツボが描かれたカード片を検索できる効能別の一覧表をさらに有する、請求項1~4のいずれかに記載のツボ学習用カードセット。
【請求項6】
身体の部位とツボの効能から、該当するツボが描かれたカード片を検索できる一覧図をさらに有する、請求項1~5のいずれかに記載のツボ学習用カードセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、50~60代の身体の不調を感じ始めた人たちが、かるたのような遊びを通じて、ツボ(経穴)を押すきっかけを得ることができる、かるた形式のツボ学習用カードセットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なかるたのゲームは、読み札(文字札)と取り札(絵札)からなり、ともに46枚ずつの札で構成されている。また、一音につき一セットの読み札・取り札が用意されている。そして、読み札にあわせた取り札を取ってその枚数を競う競技となっている。
【0003】
通常のいろはかるたでは、読み札、取り札ともに表面のみで、裏面には記載がなく、読み札、取り札ともに表面は、冒頭のひらがな一文字が大きく描かれて表示されており、札を判別しやすいデザインとなっている。また、大きさは手のひらに収まるA8サイズ(52×74mm)の札が多い。
【0004】
上記いろはかるたの他のかるたの種類として代表的なものは小倉百人一首、郷土かるたなどがある。近年では、国旗かるた、英語かるた、四字熟語かるたなど、様々なかるたがある。また、医療分野のかるたでは、骨かるた、感染症かるたなどが出ている。だが、これらはすべて学ぶ、暗記するという切り口で作られたもので、参加者が取り札を取って、その枚数を競うものである。
【0005】
従来から、カードを利用した遊びを通じて学習効果を高めることを目的としたかるたやトランプなどのカードが種々発明され、特許出願されている。特許文献1には、数字の概念がまだ形成されていない視覚障害者を含む幼児が、穴があいたカードを使い、トランプゲーム形式の遊びを通じて、数を学習するものが開示・登録されている。特許文献2には、低学年児に加算・減算の概念を理解させるように工夫された通常のカード形態のトランプカードが開示され、特許登録となっている。特許文献3では、低学年児向けに遊びながら九九を学べるかるたが開示されているほか、特許文献4には、かるた遊びを通じて、突起がある形のカードを用いてテーブルマナーを学べるものが開示されている。
【0006】
また、特許文献5では、カードゲーム形式ではないが、鍼灸の学生用にツボ(経穴)の名前で整理された専門的な内容のカードが開示されており、現在は『パーフェクトツボ(経穴)暗記カード 国際標準経穴対応版』(森ノ宮医療学園出版部)として市販されている。こちらは、専門的な内容であるため、一般の方が使用するには適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6454022号公報
【特許文献2】特許第3768276号公報
【特許文献3】特開2019-090960号公報
【特許文献4】特開2019-124852号公報
【特許文献5】実用新案登録2010-006485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、コロナ渦の影響で自宅で過ごす時間が長く、十分な運動をできていない人が多い。座っている時間が長いと、体内で酸素や栄養分を運ぶ血液の流れが悪くなり、身体の不調が出やすくなる。そのような状況を手軽に室内で改善できる方法の一つがツボ(経穴)を押すことになる。この手法は、皮膚の表面にあるツボ(経穴)を自分の指で押して刺激を与えるだけであり、その刺激により、血液の流れが改善される。よって、ツボ(経穴)を押すことは、医療機関にかかる前に、いつでもどこでも誰もが自分でできる簡単な健康改善方法とも言える。
【0009】
しかしながら、一般的なツボ(経穴)の解説書(書籍や雑誌)などでは、ツボの名前やツボがある部位から分類をして、紹介している場合が多い。つまり、ツボ(経穴)の名前の漢字が読めず、難しそうな印象がついてしまう。
【0010】
また、ツボ(経穴)の場所の説明には専門用語の単位が入っていることが多いため、専門知識がないと正しい場所を理解しにくい。ツボ(経穴)の場所を探すときの計り方は2種類あり、骨格を基準として部位ごとに寸法を決める計り方「骨度法」と、手の指の大きさを用いた寸法の計り方である「同心寸法」がある。わかりやすい計り方は、後者であり、こちらのツボの計り方は、親指の幅1本分を「1寸」、人差し指、中指、薬指の幅の3本分の一番太いところを「2寸」、人差し指から小指までの一番太いところ4本分を「3寸」という長さの基準が設けられ、「寸」という単位で表現される。よって、ツボ(経穴)の場所の説明では、「○○骨から1寸半」などという形で記載されており、親指の幅1本と親指半分の長さを指定されるなど、実際にツボ(経穴)の場所を探す際に探しにくい。このような単位を元にツボ(経穴)の場所を記されているため、専門家向けのツボ(経穴)の資材は多いが、専門用語を省いた形でまとめている、一般向けのツボ(経穴)資材は、非常に少ない。
【0011】
上記に加え、多くの人が知りたいと情報であるツボ(経穴)の「効能」を切り口にわかりやすくまとめた書籍や資材が少ないという現状がある。よって、身体の不調を改善したいと思う人が、検索しやすい形でまとめられた資材が少なく、ツボ(経穴)を押して改善しようと思わなくなっており、ツボ(経穴)を押すことは、広く一般に普及していない。
【0012】
そこで、本発明者は、ツボ(経穴)の難しそうというイメージのハードルを下げるべく、かるたのような遊びを通じてツボの位置を教示してツボ押しをさせれば、専門的な知識がない人でも、ツボ(経穴)を押すことができ、その場で健康増進につなげることもできるのではないかと考えた。
【0013】
上記特許文献1~3で示されるカードの場合、子供向けに数字の概念や加算・減算や分数、九九を学習するものであり、あくまで脳トレにとどまるものであり、いずれも子供向けであり、その場で身体を動かして“健康増進”という目的には合致していない。
【0014】
上記特許文献4で示されるテーブルマナーかるたの場合も、子供向けにかるたを使ってテーブルマナーを学習するものであり、実際にその場でテーブルマナーを実践できるわけではない。
【0015】
また、上記カードゲーム形式ではない「ツボ(経穴)暗記カード」は、専門家向けであり、ツボ(経穴)の名前の暗記に重点が置かれているため、カードゲームの形態で得られるゲーム性の要素は少ない。よって、専門知識を持たない、とくに身体の不調が出始める50~60代の人向けにツボ(経穴)の効能を切り口とした形で、ツボ(経穴)押しを遊び感覚で体験できるツールの出現が望まれていた。
【0016】
本発明は上述の点に考慮してなされたものであり、かるたやカードゲームの要素を活用しつつ、普段ツボ(経穴)を押さない、身体の不調を感じる人が、遊びながら容易に、自分の気になる症状の“ツボ(経穴)を押す”ことができることができるツボ学習用カードセットであって、かるたのような遊びを通じて、皆と交流をしながら、健康意識を高めることができるツールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決すべく、本発明は、下記(1)~(6)に記載のツボ学習用カードセットを提供する。
(1)複数枚のカード片からなるツボ学習用カードセットであって、各カード片には、ツボの効能、前記ツボの名前、前記ツボの場所を示した絵、前記ツボのジャンル、及び、前記ツボの場所の説明の少なくとも一つが記載され、前記ツボの場所を示した絵がツボの単位を用いて示されている場合は、当該ツボの場所を計ることが可能な実寸大の目盛りが付いていることを特徴とするツボ学習用カードセット。
(2)かるたの絵札としても使うことが可能な(1)に記載のツボ学習用カードセット。
(3)読み札と取り札とからなり、一音につき1セットの読み札及び取り札が用意されている(2)に記載のツボ学習用カードセット。
(4)前記読み札の一方の面には、読み札の文章、ツボの名前、及び、当該ツボの効能が記載されており、他方の面には、前記ツボの場所を示した絵、及び前記ツボの場所の説明が記載されており、
前記取り札の一方の面には、前記ツボの場所を記載した絵、及び前記ツボの場所の説明が記載されており、他方の面には、前記ツボの名前、及び、前記ツボの効能が記載されている(3)に記載のツボ学習用カードセット。
(5)ツボの効能から、該当するツボが描かれたカード片を検索できる効能別の一覧表をさらに有する(1)~(4)のいずれかに記載のツボ学習用カードセット。
(6)身体の部位とツボの効能から、該当するツボが描かれたカード片を検索できる一覧図をさらに有する(1)~(5)のいずれかに記載のツボ学習用カードセット。
【発明の効果】
【0018】
本発明のカードによれば、カードゲームの要素を活用しつつ、普段ツボ(経穴)を押さない、身体の不調を感じる人が、遊びながら容易に、自分の気になる症状の“ツボ(経穴)を押す”ことができる。
【0019】
本発明のツボ学習用カードセットは、複数枚のカード片を有し、各カード片には、ツボの効能と、ツボの名前とツボの場所を示した絵と説明が専門用語を除いた形で記載され、ツボの場所を計ることが可能な実寸大の目盛りが付いている、ツボを学べるカードセットである。
【0020】
また、ツボ(経穴)の場所を探すのに、指の幅を使って長さを計ることは部位によっては使いにくいため、平均的な男女の指の幅で長さの基準となる目盛りをあらかじめ取り札(図1 A)に記載することで、カードを用いて場所を探すことが可能になり、専門知識がなくてもツボ(経穴)の場所を探しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1、Aは、ツボ(経穴)学習用カードセット(ツボ学習用かるた)のカード1(取り札)を示す平面図であり、Bは、ツボ(経穴)学習用カードセット(ツボ学習用)かるたのカード1(取り札)を示す裏面図である。
図2図2、Aは、ツボ(経穴)学習用カードセット(ツボ学習用かるた)のカード2(読み札)を示す平面図であり、Bは、ツボ(経穴)学習用カードセット(ツボ学習用かるた)のカード2(読み札)を示す裏面図である。
図3図3は、ツボ(経穴)の効能別一覧表を示す平面図である。
図4図4は、ツボ(経穴)の部位別・効能別一覧図を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、複数枚のカード片からなるツボ学習用カードセットであって、
各カード片には、ツボの効能、前記ツボの名前、前記ツボの場所を示した絵、及び、前記ツボの場所の説明が記載され、前記ツボの場所を示した絵がツボの単位を用いて示されているツボの場合は、当該ツボの場所を計ることが可能な実寸大の目盛りが付いていることを特徴とするツボ学習用カードセットである。
【0023】
本発明のツボ学習用カードセットの一例を図1図2に示す。
まず、取り札として使われるカード1と読み札として使われるカード2の共通のルールを記載する。
図1、Aは本発明の一実施形態である、かるたカード(40枚)内の1枚の取り札のかるたカード1を示す平面図であり、図1、Bはかるたカード1の裏面図、図2、Aは読み札のかるたカード2の平面図、図2、Bはかるたカード2の裏面図である。
【0024】
この実施形態のカードセットは、取り札と読み札のカードがセットになっている。そして、図1、A、図2、Aに示すように、取り札と読み札の一方の面(表面)には、最初のひらがな一文字(図1図2の例では「り」)を大きく記載しているとともに、ツボ(経穴)の場所のイラストを記載(1)し、専門用語を使わない形でのツボの場所の説明文を記載している(2)。また、一方の面(表面)には、ツボ(経穴)の場所のイラストが描かれ、他方の面(もう片方の面)にはツボ(経穴)の効能が記載されている。
【0025】
また、図1、Bに示すように、取り札の裏(他方の面)には、ツボ(経穴)の名前(7)とそのツボ(経穴)の効能(8)を記載している。
このような構成を有することから、 効能を切り口にカードセットのみ使ってゲームをすることで、かるたのようなゲームを行ないながら、様々なツボ(経穴)を学び、その場で参加者全員がツボ(経穴)を押すことができる。
【0026】
また、取り札(図1、A)の表面(一方の面)でのみ、ツボ(経穴)を大きく分類したジャンル(5)が示されており、枠はそのジャンルごとで色分けをされている。そのほか、ツボの単位を用いて示されているツボの場合は、ツボの場所を計ることが可能な実寸大の目盛りが男性用(1)と女性用(3)が付いている。
【0027】
読み札(図2)の一方の面(表面)には、図2、Aに示すように、対となる読み札表面のひらがな一文字(図1の例では「り」)と同じひらがな一文字(図2の例では「り」)を大きく記載しているとともに、その文字で始まるツボの効能についての読み句(「このツボ(経穴)を押すとこのようないいことがある」というニュアンスの文章)、図2の例では「理由なく、くだすような急な腹痛。そんなとき!」を記載されている(9)。
【0028】
また、読み札の一方の面(表面)には、そのほか、ツボ(経穴)の名前(10)と効能(11)も記載されているので、参加者が取り札を探している間、読手がツボ(経穴)の効能をアナウンスすることが可能であり、参加者がよりツボ(経穴)に興味を持てる工夫が追加されている。また、読み札の他方の面(裏面)には、図2、Bに示すように、読み手が取り手にツボ(経穴)の場所を容易に説明しやすいよう、ツボ(経穴)の場所のイラストが描かれているほか(12)、その場所の説明が簡単に記載されており(13)、ゲームのスムーズな進行を計ることができる。また、読み札の裏面に記載されたイラスト(12)は、遠くからでも視認性が良くなるよう、輪郭線を強めに線描のみで描いている。
【0029】
また、本発明のツボ学習用カードセットは、カードセットとは別にツボ(経穴)の効能別一覧表(図3)とツボ(経穴)の部位別一覧表(図4)も入っていることが好ましい。それらと取り札とを使って、ひとりで遊ぶことも可能である。図3のツボ(経穴)の効能別一覧表では、ツボ(経穴)の効能別に該当するツボ(経穴)の名前が記載されており、ひとつの効能から、ツボ(経穴)を検索することが可能である。図4はツボ(経穴)の場所を記載した上で、ツボ(経穴)の効能が記載されているため、ツボ(経穴)の場所と複数の効能の組み合わせから目当てのツボ(経穴)を探すことができる。また、車いすの人やテーブルに座って行なう場合、足下のツボ(経穴)を押しにくいが、そのようなツボ(経穴)を省いて目的のツボ(経穴)を探すことができる。
【0030】
ツボ(経穴)の効能を裏面に記載し、ツボ(経穴)の場所を表面に記載したカードを使ってゲームをすることで、かるたのようなゲームを行ないながら、様々なツボ(経穴)を学び、その場で参加者全員がツボ(経穴)を押すことができる。
【0031】
本発明のツボ学習用カードセットにおいては、代表的なツボ(経穴)の効能が2~4種、各カード片に記載されていることが好ましい。これにより、複雑なツボ(経穴)の効能を整理して理解することができる。
【0032】
また、ツボ(経穴)の押し方については、別途、説明補助資材(動画や紙で作られた読み手用説明補助資材、ツボ簡易的な説明書など)がついており、専門知識がない人でも、ツボの押し方を説明できるようになっている。ゲームを行なう前に読み手がその資材を用いて参加者にツボの探し方・押し方を説明し、専門知識がない人でも、ツボの押し方・探し方を理解できるよう、配慮されている。
【実施例0033】
以下、本実施形態に係るツボのカードセットを用いたゲーム(遊び方) の例(ゲーム例1からゲーム例4)を具体的に説明する。
ゲーム例1は、競技かるたのように一人の読み手に対して、取り手が並べられた取り札を競い合って取るものである。だが、取り手である参加者が交流をしながらツボを押すことに重点がおかれているため、取り札を取った枚数の数を競うゲームではない。なお、以下で説明するツボのカードセットを用いたゲームは、一例であり、これに限定されるものではない。
【0034】
[ゲーム例1.複数の人で遊ぶ場合:読み手が必要]
ゲーム例1では、図1のかるたカードセット(取り札)と、図2のかるたカードセット(読み札)を用いて、下記のようなルールでゲームを進行させる。この遊び方があるため、本発明を「ツボかるた」と名付けている。
(1)参加者(取り手)の前に取り札をツボ(経穴)の部位が描かれた面(図1、A)を上にした状態で複数枚並べる。この際、テーブルで行なう場合は、足下にあるツボの札を省く。
(2)読み手が「読み手用 説明補助資材」を用いて、ツボの押し方を参加者(取り手)に説明をする。
(3)読み手が読み札(図2、A)を読む。読み札の文章には、ツボの効能が盛り込まれているため、例えば、肩こりの場合、肩こりに効くツボ(経穴)が描かれた取り札を参加者に探すように促す仕組みになっている。
(4)読み手が読んだ札に該当する取り札(図1、A)を参加者が探して取る。そして、参加者は取り札に記載されたツボ(経穴)のイラストより、ツボ(経穴)がある場所を確認する。
(5)参加者が取り札を裏返して(図1、B)、今回取った取り札の効能を確認する。
(6)読み手が読み札を裏返し(図2、B)、参加者にツボの場所を説明し、皆でその部位にあるツボを押す。
【0035】
以下、ゲーム例2から4は、一人で遊ぶ場合を説明する。この場合は「取り札(図1)」と「ツボ(経穴)の効能別一覧表(図3)」と「ツボ(経穴)の部位・効能別一覧図(図4)」を使用する。
【0036】
[ゲーム例2.一人で遊ぶ場合 1:一つの効能からツボ(経穴)を見つける]
「取り札(図1)」と「ツボ(経穴)の効能別一覧表(図3)」を用いる。
「ツボ(経穴)の効能別一覧表(図3)」より、自分の気になる症状を探す。
例えば「肩こり」が気になるようであれば、肩こりの欄(14)を見て、「肩こり」に該当する取り札が、がいかんという名前の「く」、けんせいという名前の「け」、てんちゅうという名前の「て」、ひゃくえという名前の「ひ」、ごうこくという名前の「み」、ようちという名前の「よ」の取り札が該当することがわかる(濁音が冒頭にあるツボ(経穴)の名前のみ、違うひらがなを冒頭に当てている)。
取り札のカードセットから、「く」「け」「て」「ひ」「み」「よ」を探す。
ツボの説明書を参考にしながら、肩こりに効くツボ(経穴)を、効能を実感しながら押す。
【0037】
[ゲーム例3.一人で遊ぶ場合 2:部位と複数の効能からツボ(経穴)を見つける]
「取り札(図1)」と「ツボ(経穴)の部位別・効能別一覧図(図4)」を用いる。
「ツボ(経穴)の部位別・効能別一覧図(図4)」より、ツボを押しやすい部位と自分の気になる症状から、興味がもてるツボ(経穴)を探す。
例えば、食後、お腹がすっきりしない場合など「消化不良」が気になるようであれば、お腹の部位で該当するツボ(経穴)がないかを探す。「不眠、むくみ、夏バテ、消化不良」に効く、ちゅうかんという名前の「ち」の取り札が該当することがわかる(16)。
「ツボ(経穴)の効能別・効能別一覧図(図4)」を見ても、ツボ(経穴)がある詳細な場所がわからないため、取り札のカードセットより、「ち」の取り札を探す。
ツボの説明書を参考にしながら、消化不良に効くツボを、効能を実感しながら押す。
【0038】
[ゲーム例4.一人で遊ぶ場合 3:複数の効能の組み合わせからツボ(経穴)を見つける]
「取り札(図1)のみ」を用いる。
取り札を効能が記載されている面(図1、B)を上にして、束に重ねて置く。そして1枚ずつ、取り札に描かれた複数の効能(図1、B)を確認し、自分の気になる症状がないか探す。
例えば、効能で「下痢、胃の痛み、膝の痛み」と記載されている取り札(図1、B)の中の「下痢と胃の痛み」が気になる場合、その取り札を表に返して(図1、A)、ツボ(経穴)がある場所の確認をする。
ツボの説明書を参考にしながら、下痢と胃の痛みに効くツボを、効能を実感しながら押す。
【0039】
一般的なかるたの場合、取った札の枚数を競うものだが、本実施形態の場合、取った札のツボ(経穴)を参加者で押して楽しみ、交流するものになる。言い換えれば、ゲームをスムーズに進めることで、ゲームの楽しさを実感しながら、同時に“ツボ(経穴)”に触れることができるので、参加者に効果的に“ツボ(経穴)”を教え、健康増進することができる。
【0040】
本実施形態のカードは、一般向けのツボ(経穴)のわかりやすい資材が少ない中、視覚的にツボ(経穴)の効能と場所を確認することが可能なツールである。遊び感覚で、ツボ(経穴)押しを行なうため、手軽にできる楽しいものと認識され、ツボ押しを日常的に行なうきっかけとなるなど、より健康意識を高めることができるようになる。
【0041】
また、普段気になる症状があるが、医療機関を受診するほどでもないときの予防や対策としても、手軽に活用することが可能である。
【0042】
元気な高齢者が集まる施設(老人クラブ)などで、取り札のみを使い、裏面に記載された効能の組み合わせを表にしたカード片を複数並べ、気になる効能のカードを選択して、そのカードを表に返して、ツボの場所を確認しながら、一緒にツボを押し、身体の不調について話題を共有するなど、コミュニケーションツールとしての利用も可能である。
【0043】
雑誌や書籍では、必要な情報のみ集めて整理しないといけない手間がでてくるが、本発明の場合、効能一覧表から、必要な効能をもつカードのみ、すぐに情報を取り出すことが可能である。また、必要なカード片のみ、目立つ場所に置いておき、時間があるときに押してみるなど、空き時間を有効に活用しながら、健康増進に取り組むことが可能である。
【0044】
介護施設のレクリエーションでは、かるたが日常的に行なわれているが、本発明の場合、通常のかるたとは違い、取り札をとって終わりになるのではなく、参加者でツボ(経穴)押しを行うという「身体を動かせる」部分が新しく、健康増進に役立てることが可能である。
【0045】
そのほか、元気な高齢者が集う施設で利用されることも想定し、テーブルの上に並べる際に見やすい大きさを考え「葉書サイズ」で制作をしているため、取り札として使用するカード面を確認しやすく、大きめの文字を使用しているため、取り札の区別をしやすい。
【0046】
また、本実施形態の場合、ツボ(経穴)のジャンルを大きく4つに分け(「心が落ち着くツボ」を緑色の枠、「胃腸の調子を整えるツボ」を朱色の枠、「身体のお悩み関連のツボ」を青色の枠、「元気がでるツボ」を桃色の枠)、取り札(図1)を4色かるたにすることで、ツボを理解しやすくなっている。元気がないときに、桃色の枠の「元気がでるツボ」を押すなど、高齢者にも視認性が良くなり、遊び方の幅も広がっている。
【0047】
なお、本実施形態では、「ツボ(経穴)の効能別一覧表(図3)」「「ツボ(経穴)の部位別・効能別一覧表(図4)」が備えられて、一覧表から効能を切り口にカードと連携されているので、効能及びツボ(経穴)の位置の一方から容易に他方が検索可能となる。
【0048】
さらに、本実施形態では一覧表は紙等のシート状のものを想定していたが、これらを電子化し、容易に効能を切り口とした形で検索ができるソフトウェアとして提供しても良い。
【0049】
本発明のツボ学習用カードセットとしては、上述したものに限定されず、例えば、百人一種などでよく見られる、小さなサイズのカードではなく、葉書サイズ以上の大きめのカードに大きな文字を使用し、わかりやすいイラストを用いてツボ(経穴)の場所を示したカードを必要な枚数セットにし、わかりやすくツボを大きく分類し色分けをしたものや、一覧表から効能を切り口にカードと連携されており、容易に検索可能としたもの、あるいは、これらを電子化し、容易に効能を切り口とした形で検索ができるソフトウェアであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1・・・ツボ(経穴)を計る際の実寸大の男性用の目盛り
2・・・ツボ(経穴)の場所のイラスト
3・・・ツボ(経穴)を計る際の実寸大の女性用の目盛り
4・・・ツボ(経穴)の場所の説明
5・・・ツボ(経穴)のジャンル
6・・・ツボ(経穴)のイラスト上のツボを計る基準
7・・・ツボ(経穴)の名前
8・・・ツボ(経穴)の効能
9・・・読み札の文章
10・・・ツボ(経穴)の名前
11・・・ツボ(経穴)の効能
12・・・ツボ(経穴)の場所のイラスト
13・・・ツボ(経穴)の場所の説明
14・・・ツボ(経穴)の効能
15・・・ツボ(経穴)の名前
16・・・ツボ(経穴)の効能
17・・・ツボ(経穴)の名前
図1
図2
図3
図4