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特開2022-103680情報処理システム、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103680
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 30/12 20220101AFI20220701BHJP
【FI】
G06K9/03 J
G06K9/03 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218457
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏貴
【テーマコード(参考)】
5B064
【Fターム(参考)】
5B064AA01
5B064AB03
5B064BA01
5B064EA11
5B064EA26
5B064FA02
5B064FA04
5B064FA05
5B064FA06
(57)【要約】
【課題】 OCR認識結果の修正作業をより効率的に行うこと
【解決手段】 OCR処理の結果に対する修正候補を提示し、提示された候補の中からOCR処理の結果に対する修正内容を選択することで、OCR処理の結果を修正する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
OCR処理を実行するOCR手段と、
前記OCR手段によるOCR処理の結果に対する修正候補を提示する候補提示手段と、
前記OCR手段によるOCR処理の結果に対する修正を受け付ける修正受付手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記修正受付手段は、前記候補提示手段により修正候補が提示された画面において、修正を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記修正受付手段により受け付けた修正内容を、修正前の情報と対応付けて記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記候補提示手段は、前記OCR手段によるOCR処理の結果と類似する前記記憶手段に記憶された修正前の情報に対応付けられた修正内容を、修正候補として提示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記候補提示手段は、前記OCR手段によりOCR処理を行った項目の項目名と類似する項目名に係る修正内容を、修正候補として提示することを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記候補提示手段は、前記OCR手段によりOCR処理を行った項目と対応付けられた項目に係る修正内容を、修正候補として提示することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
情報処理システムのOCR手段が、OCR処理を実行するOCR工程と、
前記情報処理システムの候補提示手段が、前記OCR工程によるOCR処理の結果に対する修正候補を提示する候補提示工程と、
前記情報処理システムの修正受付手段が、前記OCR工程によるOCR処理の結果に対する修正を受け付ける修正受付工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
OCR処理を実行するOCR手段と、
前記OCR手段によるOCR処理の結果に対する修正候補を提示する候補提示手段と、
前記OCR手段によるOCR処理の結果に対する修正を受け付ける修正受付手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
主に金融や保険業界において、複数の手書き帳票を効率よく処理するために、自動文字認識システムが利用される。
【0003】
このような文字認識システムでは、OCR技術が利用されているが、OCRでは認識結果が必ずしも期待通りになるわけではない。そのため、想定どおりの文字列として認識されない場合、OCR結果の目視確認によって誤った認識結果に対して手入力で修正を施す必要がある。項目数の多い帳票にOCR処理をかけると修正作業に多くの時間がかかってしまう。
【0004】
特許文献1には、OCR結果にある不適切な値を修正した際、修正した値を学習することでOCR結果の精度を向上させる技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-126796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、OCR結果にある不適切な値を修正した際、修正した値を学習することでOCR結果の精度を向上させる技術が記載されている。
【0007】
しかし、この技術では「項目名」と「値」によって学習結果を蓄積しているため、「項目名」は異なっているが値は同一の内容が記入される項目には適用できないという課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、OCR認識結果の修正作業をより効率的に行うことを可能にする仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理システムは、OCR処理を実行するOCR手段と、前記OCR手段によるOCR処理の結果に対する修正候補を提示する候補提示手段と、前記OCR手段によるOCR処理の結果に対する修正を受け付ける修正受付手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、OCR認識結果の修正作業をより効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】OCRシステムのシステム構成の一例を示す図
図2】情報処理装置のハードウエア構成を示す図
図3】情報処理システムの機能を示す図
図4】帳票種別画像をサーバ装置103に送信しテンプレートとして登録する処理を示すフローチャート
図5】OCR処理を示すフローチャート
図6】OCR結果の修正内容をサーバ装置103に登録する処理を示すフローチャート
図7】ステップS515の処理の詳細を示すフローチャート
図8】帳票種別が登録されたテーブルを示す図
図9】OCR定義設定が登録されたテーブルを示す図
図10】OCR結果に対する修正内容が登録されたテーブルを示す図
図11】OCR認識結果に対する修正を受け付ける画面
図12】帳票種別画像が保存されたフォルダのイメージ図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明における情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0014】
本発明の実施形態におけるOCRシステムは、帳票を読み取り帳票画像データを生成するドキュメントスキャナ101、ドキュメントスキャナ101によって得られたデータを表示するクライアント端末102、取得した帳票画像データに対してOCR処理を行うサーバ装置103からなる。
【0015】
ドキュメントスキャナ101、クライアントPC102、サーバ装置103はLAN104を介して接続し、データの通信を行う。
【0016】
図2は、本発明のクライアントPC102、サーバ装置103として適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、情報処理装置は、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0018】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0019】
ROM202あるいは外部メモリ213は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0020】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ213からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0021】
入力コントローラ205は、キーボード210や不図示のマウス等のポインティングデバイス等の入力装置からの入力を制御する。入力装置がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0022】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0023】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作を受け付け可能な装置については、入力装置も提供する。
【0024】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0025】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0026】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の4G回線、5G回線等を用いた通信が可能である。
【0027】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ212上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ212上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0028】
次に図3を用いて、本実施形における情報処理システムの機能について説明する。
【0029】
ドキュメントスキャナ101のスキャン画像送信部301は、帳票などをスキャンして得られた画像をクライアント端末102に送信する機能を備える。
【0030】
クライアント端末102の画像データ受信部311は、スキャン画像送信部301から送信された画像を受信する。
【0031】
画像表示部312は、画像データ受信部311により受信した画像を表示する機能を備える。
【0032】
OCR設定情報入力部313は、ユーザの操作に基づき、OCR対象領域などの設定情報の入力を受け付ける。
【0033】
帳票種別登録指示部314は、サーバ装置103に対して帳票種別画像を送信し、OCR処理を行うためのテンプレートとして登録する。
【0034】
帳票OCR処理指示部315は、画像データ受信部311において受信した画像に対してOCR処理を行うようサーバ装置103に対して指示を出す。
【0035】
処理結果表示部316は、図11に一例を示す、OCR処理の結果を表示し、OCR結果に対する修正を受け付ける画面を表示する。
【0036】
サーバ装置103の帳票種別登録受付部321は帳票種別登録指示部314における指示に基づき、帳票種別の登録を受け付ける。
【0037】
帳票種別データ格納部322は、帳票種別登録受付部321で受け付けた帳票種別ごとのデータを格納する。登録された帳票種別ごとのデータを図8に示す。図8に示す通り、帳票種別を識別するIDとともに登録される。
【0038】
帳票OCR受付部323は、帳票OCR処理指示部315から帳票をOCR処理する旨の指示を受け付ける。
【0039】
OCR処理部324は、帳票OCR受付部323により受け付けた指示に基づき、帳票に対してOCR処理を実行する。
【0040】
OCR結果送信部325は、OCR処理部324による処理結果をサーバ装置103に送信する。
【0041】
次に図4図7のフローチャートを用いて、本発明の実施形態におけるOCRシステムが実行する処理について説明する。
【0042】
図4のフローチャートは、クライアント端末102がドキュメントスキャナ101でスキャンした帳票種別画像をサーバ装置103に送信し、OCR処理を行うためのテンプレートとして登録する処理のフローチャートである。
【0043】
ステップS401では、クライアント端末102はドキュメントスキャナ101から帳票種別画像データを受け取る。帳票種別画像データは、記入されていない帳票をスキャンした画像データであり、OCR処理を行うためのテンプレートとなるデータである。
【0044】
ステップS402では、クライアント端末102はステップS401で受信した帳票種別画像を画面表示する。そして、表示した画面を介して、ユーザからOCR対象となる領域等の設定を受け付ける。
【0045】
ステップS403では、クライアント端末102はステップS402でユーザにより受け付けたOCR定義設定を取得する。
【0046】
ステップS404では、クライアント端末102は、ステップS401で取得した帳票種別画像データとステップS403で取得したOCR定義設定とを、サーバ装置103に送り帳票種別登録処理の開始を指示する。
【0047】
ステップS405では、サーバ装置103は、クライアント端末102から送信された帳票種別画像データとOCR定義設定とを受け取る。
【0048】
ステップS406では、サーバ装置103は、ステップS405で受信したOCR定義設定と、帳票種別画像とを保存する。
【0049】
図9は、ステップS406で保存されたOCR定義設定を示す図である。図9に示す通り、OCR定義設定は、帳票種別を識別する帳票種別ID、帳票種別ごとにOCR対象となる項目を識別する項目ID、当該項目の名称である項目名、OCR対象の領域を示す座標である領域座標、同一項目分類IDにより構成されている。
【0050】
図12は、帳票種別画像が保存されたフォルダのイメージ図である。
【0051】
次に、図5を用いてOCR処理について説明する。
【0052】
図5のフローチャートは、クライアント端末102がドキュメントスキャナ101でスキャンした帳票画像をサーバ装置103に送信してOCR処理を行うフローチャートである。
【0053】
ステップS501では、クライアント端末102は、ドキュメントスキャナ101から帳票画像データを受け取る。帳票画像データは複数枚受け取ることができる。
【0054】
ステップS502では、クライアント端末102は、ステップS501で受信した帳票画像をサーバ装置103に送り、OCR処理の開始を指示する。
【0055】
サーバ装置103におけるOCR処理の内容(ステップS508~S517)は、後述する。
【0056】
ステップS503では、クライアント端末102は、サーバ装置103からOCR処理結果を受信する。
【0057】
ステップS504では、クライアント端末102は、ステップS503で受信したOCR処理結果を表示する。なお、複数の帳票画像についてOCR処理をした場合は、1枚ずつ表示するものとする。
【0058】
表示画面の一例を図11に示す。
【0059】
ステップS505では、クライアント端末102は、図11に示す画面を介して、ユーザからOCR結果に対する修正を受け付ける。
【0060】
ステップS506では、クライアント端末102は、ステップS505で受け付けたOCR修正結果をサーバ装置103に送信する。
【0061】
ステップS507では、クライアント端末102は、ステップS501で複数枚の帳票を受け取っており、後続の帳票画像が残っている場合は、処理をステップS504に移行し、次の帳票画像に対する処理を進める。
【0062】
次に、サーバ装置103におけるOCR処理(ステップS508~S517)について説明する。
【0063】
ステップS508では、サーバ装置103は、クライアント端末102から帳票画像データを受け取る。
【0064】
ステップS509では、サーバ装置103は、帳票画像があらかじめ登録されている帳票種別のどれに該当するかを判定する。具体的な判定方法としては、例えば、ステップS508で取得した帳票画像データと、図4のフローチャートの処理により登録された帳票種別画像とを比較し、最も類似度の高い帳票種別画像に係る種別であると特定する。
【0065】
ステップS510では、サーバ装置103は、図9のテーブルを用いて、ステップS509で特定された帳票種別のOCR定義設定を参照し、OCR読み取り対象項目の一つを参照する。
【0066】
ステップS511では、サーバ装置103は、OCR読み取り対象項目情報の領域座標を参照する。
【0067】
ステップS512では、サーバ装置103は、帳票画像から、ステップS511で取得した領域座標の画像を切り出し、OCR対象項目画像とする。
【0068】
ステップS513では、サーバ装置103は、ステップS512で切り出したOCR対象項目画像に対してOCR読み取り処理を実行する。OCR読み取り処理は同サーバ内で処理しても、インターネットを経由してアクセス可能なAPIサービスを利用してもよい。
【0069】
ステップS514では、サーバ装置103は、ステップS513におけるOCR読み取り処理によって認識した結果をOCR対象項目の認識結果としてメモリ上に保持する。
【0070】
ステップS515では、サーバ装置103は、図10に示すデータテーブルよりOCR認識結果修正候補を取得する。ステップS515の処理の詳細は、図7のフローチャートを用いて後述する。
【0071】
ステップS516では、サーバ装置103は、OCR定義設定に未処理のOCR読み取り対象項目が存在すればステップS510に移動する。そうでなければステップS517に移動する。
【0072】
ステップS517では、サーバ装置103は、帳票画像とOCR読み取り対象項目すべてについての認識結果とそれに対する修正候補をクライアント端末102に送信する。
【0073】
次に、図6を用いてクライアント端末102により受け付けたOCR結果の修正内容をサーバ装置103に登録する処理を説明する。
【0074】
図6のフローチャートは、クライアント端末102がステップS506で送信したOCR結果の修正内容をサーバ装置103に送信して格納する処理を行うフローチャートである。
【0075】
ステップS601では、サーバ装置103は、クライアント端末102からOCR結果の修正結果を受け取る。
【0076】
ステップS602では、サーバ装置103は受け取ったOCR結果の修正内容を図10に示すデータテーブルに保存する。
【0077】
次に、図7のフローチャートを用いて、ステップS515の処理の詳細を説明する。
【0078】
図7のフローチャートは、サーバ装置103がOCR認識結果に対する修正の候補を図10のデータテーブルに保存されたデータをもとにリストアップする処理のフローチャートである。
【0079】
ステップS701では、サーバ装置103は、ステップS514においてメモリ上に保持されたOCR認識結果である文字列と類似する文字列の修正結果文字列を図10から取得する。
【0080】
この際、帳票種別や項目名は参照せず、認識結果文字列のみで比較して抽出する。認識結果文字列が類似しているということは、同じ修正をする可能性が高いため、修正の候補として利用できることになる。
【0081】
例えば、ステップS514においてメモリ上に保持されたOCR認識結果文字列が「田中 太郎」の場合、図10において、ID「C001」の認識結果文字列は「由中 太朗」であるため、認識結果文字列同士が類似している。よってID「C001」の修正結果文字列「田中 太朗」を修正候補として利用できる。
【0082】
このように、過去にユーザにより修正された結果を用いることで、ユーザによる修正内容を踏まえた適切な内容に修正することが可能となる。
【0083】
ステップS702では、サーバ装置103は、ステップS514においてメモリ上に保持されたOCR認識結果にかかる項目名と類似する項目名にかかる修正結果文字列を図10のデータテーブルから取得する。
【0084】
その際、同一の案件IDを持つデータの中から取得するものとする。
【0085】
なお、案件IDについては、クライアント端末102においてユーザにより指定されるものであり、サーバ装置103に対してOCR指示が送信される際(S502)に、帳票画像等とあわせてサーバ装置103に送信される情報である。
【0086】
このように、同じ案件として投入された帳票の項目名の類似した項目であれば、内容も同じ可能性が高いため、修正の候補として利用することができる。
【0087】
例えば、項目名が「住所」、OCR認識結果文字列が「束品川」、案件IDが「D002」の場合、図10において、ID「C002」は案件IDが一致しており、帳票種別ID「A002」、項目ID「1002」から図9を参照すると項目名は「現住所」である。「住所」と「現住所」は類似した項目名といえるため、ID「C002」の修正結果文字列「東品川」を修正候補として利用できる。
【0088】
認識結果同士は「束品川」と「車呂リ」と類似していない(一文字も一致していない)ため、ステップS701では修正候補を導き出せないケースだが、項目名の類似によって修正候補を導き出すことができている。
【0089】
ステップS703では、サーバ装置103は、ステップS514においてメモリ上に保持されたOCR認識結果にかかる項目名と同一の項目であると設定された項目にかかる修正結果文字列を図10のデータテーブルから取得する。
【0090】
その際、同一の案件IDを持つデータの中から取得するものとする。
【0091】
同一の項目であるか否かの設定は、図9の同一項目分類IDに設定されている。図9において同一のIDが設定された項目同士が同一の項目である。なお、同一項目分類IDは、ステップS402においてユーザにより設定を受け付けるものとする。
【0092】
同一項目分類IDは、ユーザにより項目同士が同じ内容であると定義された設定のため、一方の修正結果はもう一方でも同様の修正が必要になる可能性が高いといえ、修正の候補として利用できる。
【0093】
例えば、OCR認識結果文字列が「十由式」で帳票種別ID「A002」、項目ID「1001」の項目である場合、図9においてその項目は帳票種別ID「A001」、項目ID「1001」の項目と同一分類IDに設定している。今回の案件IDが「D003」の場合、図10において、帳票種別ID、項目ID、案件IDが一致しているID「C003」は同一項目の修正結果ということになるため、修正結果文字列「古田 武」を修正候補として利用できる。このケースではOCR認識結果文字列が「十由 式」と「吉田 武」と類似しておらず、項目名も「氏名」と「申請者」で一致していないため
ステップS701、S702では修正候補を導き出せないケースだが、同一項目として設定することで修正候補を導き出すことができている。
【0094】
以上のステップS701~S703で取得した修正結果文字列をOCR認識結果修正候補とする。
【0095】
図11はクライアント端末102において、OCR認識結果修正を行うための画面である。
【0096】
OCR認識結果修正画面は、OCR認識結果修正テキストボックス701、OCR認識結果修正候補プルダウン702、OCR認識結果修正確定ボタン703からなる。
【0097】
OCR認識結果修正テキストボックス701は、OCR認識結果の修正を行うためのテキストボックスである。デフォルト値としてOCR認識結果文字列を設定しており、認識結果に不備があった場合、入力内容を手入力で変更できる。
【0098】
OCR認識結果修正候補プルダウン702は、OCR認識結果修正候補を表示(提示)するプルダウンメニューである。ステップS701~S703によって取得したOCR認識結果修正候補を一覧で表示(提示)する。表示したOCR認識結果のうちの任意の候補の選択を受け付けると、OCR認識結果修正テキストボックス701の値が選択された文字列に書き換わる。
【0099】
OCR認識結果修正確定ボタン703は、OCR認識結果修正テキストボックス701に入力されたOCR結果修正内容を確定するボタンである。
【0100】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0101】
また、本発明におけるプログラムは、図4図7に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図4図7の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図4図7の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0102】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0103】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0104】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0105】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0106】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0107】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0108】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0109】
101 ドキュメントスキャナ
102 クライアント端末
103 サーバ装置
104 LAN
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12