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特開2022-103758洗浄剤組成物と香料組成物からなる繊維製品用洗濯物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103758
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物と香料組成物からなる繊維製品用洗濯物品
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/50 20060101AFI20220701BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20220701BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20220701BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
C11D3/50
C11D17/04
C11D1/66
C11B9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218589
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 寛也
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 晋
【テーマコード(参考)】
4H003
4H059
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC03
4H003AC08
4H003AC12
4H003BA12
4H003BA21
4H003DA01
4H003EB02
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB07
4H003EB09
4H003ED02
4H003ED03
4H003ED28
4H003ED29
4H003FA13
4H003FA26
4H003FA30
4H059BC10
4H059BC23
4H059DA09
4H059EA36
(57)【要約】
【課題】本発明は、洗濯時に洗浄剤組成物と香料組成物を混合する際、混合方法によらず使用性の良好な繊維製品用洗濯物品を提供することを目的とする。
【解決手段】容器に充填されている洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物が充填されている容器とは別の容器に充填されている香料組成物との組合せからなる繊維製品用洗濯物品であって、
前記洗浄剤組成物が、30質量%以上の(A)界面活性剤を含有し、
前記香料組成物が、(a)香料成分及び(b)非イオン性界面活性剤を含有する、
繊維製品用洗濯物品。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に充填されている洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物が充填されている容器とは別の容器に充填されている香料組成物との組合せからなる繊維製品用洗濯物品であって、
前記洗浄剤組成物が、30質量%以上の(A)界面活性剤を含有し、
前記香料組成物が、(a)香料成分及び(b)非イオン性界面活性剤を含有する、
繊維製品用洗濯物品。
【請求項2】
前記香料組成物が、5~65質量%の(b)非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1に記載の繊維製品用洗濯物品。
【請求項3】
前記香料組成物が、1~65質量%の(c)炭素数2~8のアルコール、分子量100~100000のポリエーテル、炭化水素油、炭素数8以上の脂肪酸、炭素数10以上の脂肪族アルコール、及びアルコール脂肪酸エステルから選択される1種以上を更に含有する、請求項1又は2に記載の繊維製品用洗濯物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品用洗濯物品に関する。詳細には、本発明は、使用性の良好な繊維製品用洗濯物品に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯時、消費者の嗜好に合わせた香りの種類や強度を提供するために、繊維処理剤とは別の容器に充填された香料組成物を利用して、消費者自身で香りの種類や強度を調整する方法が考えられる。特許文献1には、洗浄工程で洗浄剤を、すすぎ工程で洗浄剤とは別容器の香料組成物を投入する方法が開示されている。また、特許文献2には、柔軟剤組成物と香料含有製品からなる繊維処理用物品において、柔軟剤組成物と香料含有製品を洗濯機の投入口やすすぎ工程で混合する方法が開示されている。
しかしながら、予約洗濯や自動投入型洗濯機での使用の際、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する必要があるが、混合した際の影響については分かっていない。また、洗浄剤組成物と香料組成物を予め洗濯機の投入口等で混合する以外にも、洗濯槽内で混合させる使用方法を同時に両立可能な洗浄剤組成物と香料組成物の組み合わせについては知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-169898号公報
【特許文献2】特開2020-023776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、洗濯時に洗浄剤組成物と香料組成物を混合する際の上記課題に対し、混合方法によらず使用性の良好な繊維製品用洗濯物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、界面活性剤濃度を所定の濃度に調整した洗浄剤組成物と、非イオン性界面活性剤を含有する香料組成物との組合せにより、混合方法によらず使用性の良好な繊維製品用洗濯物品を提供できることを見出した。ここで、使用性が良好とは、例えば、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する場合でも、外観安定性及び/又は低温流動性が良好であることや、洗浄剤組成物と香料組成物を洗濯槽内での水中で混合する場合でも、香料の繊維へのむら付きを抑えられることを意味し得る。
【0006】
本発明は、例えば、下記〔1〕~〔3〕に関するものである。
〔1〕容器に充填されている洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物が充填されている容器とは別の容器に充填されている香料組成物との組合せからなる繊維製品用洗濯物品であって、
前記洗浄剤組成物が、30質量%以上の(A)界面活性剤を含有し、
前記香料組成物が、(a)香料成分及び(b)非イオン性界面活性剤を含有する、
繊維製品用洗濯物品。
〔2〕前記香料組成物が、5~65質量%の(b)非イオン性界面活性剤を含有する、前記〔1〕に記載の繊維製品用洗濯物品。
〔3〕前記香料組成物が、1~65質量%の(c)希釈剤を更に含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の繊維製品用洗濯物品。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する場合でも、外観安定性が良好である繊維製品用洗濯物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する場合でも、低温流動性が良好である繊維製品用洗濯物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗浄剤組成物と香料組成物を洗濯槽内での水中で混合する場合でも、香料の繊維へのむら付きを抑えられる繊維製品用洗濯物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する場合でも、外観安定性及び低温流動性が良好である繊維製品用洗濯物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する場合でも、外観安定性が良好であり、かつ洗浄剤組成物と香料組成物を洗濯槽内での水中で混合する場合でも、香料の繊維へのむら付きを抑えられる繊維製品用洗濯物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する場合でも、低温流動性が良好であり、かつ洗浄剤組成物と香料組成物を洗濯槽内での水中で混合する場合でも、香料の繊維へのむら付きを抑えられる繊維製品用洗濯物品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、洗浄剤組成物に対して予め香料組成物を洗濯機の投入口等で混合する場合でも、外観安定性及び低温流動性が良好であり、かつ洗浄剤組成物と香料組成物を洗濯槽内での水中で混合する場合でも、香料の繊維へのむら付きを抑えられる繊維製品用洗濯物品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の繊維製品用洗濯物品は、容器に充填されている洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物が充填されている容器とは別の容器に充填されている香料組成物との組み合わせからなる。本発明の繊維製品用洗濯物品は、洗浄剤組成物と香料組成物との組み合わせのみからなるものに限定されるわけではなく、適宜、他の構成要素を含んでもよい。
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物は、(A)界面活性剤を含有し、香料組成物は、(a)香料成分及び(b)非イオン性界面活性剤を含有する。
【0009】
洗浄剤組成物
[(A)成分]
洗浄剤組成物において、(A)成分は界面活性剤であり、繊維製品に対する洗浄力を発揮するものである。
(A)成分の例としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。(A)成分は、1種類の成分であってもよく、複数種類の成分の混合物であってもよい。
(A)成分としては、洗浄力を高める観点から、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選択される1種以上が好ましい。ノニオン界面活性剤としては洗浄剤組成物の香料組成物との混合後の外観安定性や、香りのむら付き抑制効果の観点から、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。また、再汚染防止性の観点からアニオン界面活性剤と併用することがさらに好ましい。アニオン界面活性剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
【0010】
<ノニオン界面活性剤>
(A)成分におけるノニオン界面活性剤としては、従来、繊維製品用等の洗浄剤組成物に用いられているノニオン界面活性剤を用いることができる。
このようなノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加体、高級アミン(炭素数8~22のアルキル基を有するアミン)のアルキレンオキシド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の組み合わせを用いてもよい。
【0011】
(A)成分におけるノニオン界面活性剤としては、上記の中でも、洗浄剤組成物の香料組成物との混合後の外観安定性や、香りのむら付き抑制効果の観点から、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(A1)で表される化合物(以下、「化合物(A1)」ということがある)、下記一般式(A2)で表される化合物(以下、「化合物(A2)」ということがある)が挙げられる。
化合物(A1)は、脂肪酸アルキル(アルケニル)エステルである。
化合物(A2)は、アルコール型ノニオン界面活性剤である。
11-C(=O)O-[(EO)s/(PO)t]-(EO)u-R12・・・(A1)
13-O-[(EO)v/(PO)w]-(EO)x-H・・・(A2)
【0012】
一般式(A1)中、R11は炭素数7~22の炭化水素基であり、R12は炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、sはEOの平均繰り返し数を表し、3~20の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、uはEOの平均繰り返し数を表し、0~20の数である。tが1以上である場合、[(EO)s/(PO)t]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。
なお、平均繰り返し数は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる。
【0013】
一般式(A2)中、R13は炭素数7~22の炭化水素基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、vはEOの平均繰り返し数を表し、3~20の数であり、wはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、xはEOの平均繰り返し数を表し、0~20の数である。wが1以上である場合、[(EO)v/(PO)w]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。
なお、平均繰り返し数は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる。
【0014】
一般式(A1)において、R11の炭化水素基の炭素数は、8~22が好ましく、9~21が好ましく、10~21がより好ましく、11~18がさらに好ましい。R11の炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、不飽和結合を有していても有していなくてもよい。
12におけるアルキル基の炭素数は、1~6であり、1~3が好ましい。
12におけるアルケニル基の炭素数は、2~6であり、2~3が好ましい。
s+uは3~20が好ましく、5~18がより好ましい。s+uが上記下限値以上であると、ノニオン界面活性剤自体の原料臭気の劣化を抑制しやすい。s+uが上記上限値以下であると、HLB値を抑制でき、皮脂汚れに対する塗布洗浄性を向上しやすい。
なお、HLB値とは、界面活性剤の水と油への親和性の程度を表す値である。HLB値は0~20までの値をとり、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高い。
tは0~6の数であり、0~3が好ましい。上記上限値以下であると、液体洗浄剤の高温下での保存安定性が保たれる傾向にある。
【0015】
一般式(A2)において、R13の炭素数は10~22が好ましく、10~20がより好ましく、10~18がさらに好ましい。
13は直鎖の炭化水素基であってもよく、分岐鎖の第1級の炭化水素基及び直鎖の第2級炭化水素基から選ばれる基であってもよい。
13が直鎖の炭化水素基である場合、v+xは3~20が好ましく、5~18がより好ましく、6~18がさらに好ましく、11~18が特に好ましい。wは0~6の数であり、0~3が好ましい。
13が分岐鎖の第1級の炭化水素基及び直鎖の第2級炭化水素基から選ばれる基である場合、v+xは3~8が特に好ましく、wは0が好ましい。
【0016】
エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
付加モル数分布は、ノニオン界面活性剤を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6-15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、エチレンオキシドやプロピレンオキシドの付加モル数分布が比較的狭い分布となる傾向にある。
【0017】
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルにおいて、エチレンオキシドの付加モル数が異なる化合物の分布(付加モル数分布)の割合を示すナロー率は、20質量%以上が好ましい。ナロー率の上限値は実質的に80質量%以下が好ましい。ナロー率は、20~60質量%がより好ましい。ナロー率が高いほど良好な洗浄力が得られるが、高すぎると低温での保存安定性が低下するおそれがあることから、ナロー率は25~40質量%がさらに好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル等のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のナロー率は、下記の数式(S)で求められる値である。
【0018】
【数1】
【0019】
式(S)において、smaxは、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤中に最も多く存在するアルキレンオキシド付加体におけるアルキレンオキシドの付加モル数(式(A1)中のs+t+uの値)を示す。
iはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。
Yiは、式(S)で表される成分全体の中に存在するアルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。
【0020】
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物中の(A)成分としてのノニオン界面活性剤の含有量は、該洗浄剤組成物の総質量に対し、15質量%以上であり、15~60質量%が好ましく、15~50質量%がより好ましく、15~40質量%がさらに好ましい。
洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄剤組成物の香料組成物との混合後の外観安定性や、香りのむら付き抑制効果が良好であり、洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、香料組成物の洗浄剤組成物中での溶解性が悪化することを防ぐことができ、洗浄剤組成物の香料組成物との混合後の低温流動性がより良好である。
【0021】
<アニオン界面活性剤>
(A)成分におけるアニオン界面活性剤としては、従来、繊維製品用等の洗浄剤組成物に用いられているアニオン界面活性剤を用いることができる。洗浄剤組成物中、(A)成分としてアニオン界面活性剤を含むことで、再汚染防止性を向上しやすい。ここで、再汚染とは、洗浄中に被洗物から洗浄液中に移行した汚れが、再び被洗物に付着することをいう。
(A)成分におけるアニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α-オレフィンスルホン酸又はその塩;直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩;α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩;アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
本明細書において、高級脂肪酸とは、炭素数8~22の脂肪酸を意味する。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0022】
上記のうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8~16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が好ましく、直鎖アルキル基の炭素数10~14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が特に好ましい。
アルキル基の炭素数が上記範囲内であれば、再汚染防止性により優れる。アルキル基としては、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基が挙げられる。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、アルキルベンゼンを無水硫酸でスルホン化する方法が挙げられる。
【0023】
α-オレフィンスルホン酸又はその塩としては、炭素数10~20のα-オレフィンスルホン酸又はその塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数10~20のアルキル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
【0024】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を有し、平均1~10モルのエチレンオキシドを付加したアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩)が好ましい。また、炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9~9.9/0.1)を平均0.5~10モル付加した、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩として、炭素数10~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有し、平均1~10モル(より好ましくは平均1~5モル)のアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。
【0025】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、例えば、下記一般式(A3)で表される化合物(以下、「化合物(A3)」ということがある)が挙げられる。
14-O-[(EO)p/(PO)q]-SO3 -+ ・・・(A3)
【0026】
一般式(A3)中、R14は炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、pはEOの平均繰り返し数を表し、0以上の数であり、qはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、0<p+qである。M+は対カチオンである。
【0027】
14の炭素数は、8~20であり、10~20が好ましく、12~14がより好ましい。R14としては、例えば、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。これらの中でもドデシル基が好ましい。
EOの平均繰り返し数は、0以上であり、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましい。また、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下がさらに好ましく、1.5以下が特に好ましい。
POの平均繰り返し数は0~3が好ましく、0がより好ましい。
+としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミンから誘導されるカチオン等が挙げられる。
(EO)p/(PO)qにおいて、EOとPOはランダム付加であってもよくブロック付加であってもよい。
【0028】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させるか、クロルスルホン酸を反応させる方法が挙げられる。
【0029】
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩としては、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有し、平均1~10モルのエチレンオキシドを付加したアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩)が好ましい。また、炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比がエチレンオキシド/プロピレンオキシド=0.1/9.9~9.9/0.1)を平均0.5~10モル付加した、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩が好ましい。
【0030】
アルカンスルホン酸又はその塩としては、炭素数は10~20のアルカンスルホン酸又はその塩が挙げられ、炭素数14~17のアルカンスルホン酸又はその塩が好ましく、第2級アルカンスルホン酸又はその塩が特に好ましい。
α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩としては、炭素数10~20のα-スルホ脂肪酸エステル塩が好ましい。
【0031】
アニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルカンスルホン酸又はその塩、及びα-オレフィンスルホン酸又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
これらの中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、2種以上を併用することがさらに好ましい。
【0032】
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物中の(A)成分としてのアニオン界面活性剤の含有量は、該洗浄剤組成物の総質量に対し、5質量%以上であり、5~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましく、10~30質量%がさらに好ましい。
【0033】
<カチオン界面活性剤>
(A)成分におけるカチオン界面活性剤としては、従来、繊維製品用等の洗浄剤組成物に用いられているカチオン界面活性剤を用いることができる。
このようなカチオン界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物中の(A)成分としてのカチオン界面活性剤の含有量は、該洗浄剤組成物の総質量に対し、0~10質量%が好ましく、0~5質量%がより好ましい。
【0034】
<両性界面活性剤>
(A)成分における両性界面活性剤としては、従来、繊維製品用等の洗浄剤組成物に用いられている両性界面活性剤を用いることができる。
このような両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物中の(A)成分としての両性界面活性剤の含有量は、該洗浄剤組成物の総質量に対し、0~10質量%が好ましく、0~5質量%がより好ましい。
【0035】
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量は、該洗浄剤組成物の総質量に対し、30質量%以上であり、30~80質量%が好ましく、30~75質量%がより好ましく、30~70質量%がさらに好ましい。洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、洗浄剤組成物の香料組成物との混合後の外観安定性や、香りのむら付き抑制効果が良好であり、洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、香料組成物の洗浄剤組成物中での溶解性が悪化することを防ぐことができ、洗浄剤組成物の香料組成物との混合後の低温流動性がより良好である。
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物中の(A)成分としては、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤から選択される1種以上が好ましく、ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤の比率は10以下が好ましく、0.5~5がより好ましく、1~3.5以下がさらに好ましい。ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤の比率が上記上限下限値の範囲内であると、洗浄剤組成物の香料組成物との混合後の低温流動性がより良好である。
【0036】
[洗浄剤組成物中の任意成分]
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、従来、液体洗浄剤に配合されるものであればよく、例えば、水、溶剤、キレート剤、洗浄性ポリマー、ハイドロトロープ剤、酵素、酵素安定化剤、風合い向上剤、蛍光増白剤、再汚染防止剤、パール剤、香料、色素、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤、消臭剤、安定化剤、洗浄ビルダー等が挙げられる。
【0037】
<水>
洗浄剤組成物は、水を含有してもよい。水の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対して、25~60質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましい。
【0038】
<溶剤>
溶剤としては、従来、衣料用などの液体洗浄剤に用いられている溶剤であればよく、例えば、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、3-メトキシ-3-メチルブタノールなどが挙げられる。溶剤は、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、3-メトキシブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシ-2-メチルブタノール、3-メトキシ-1-メチルブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテートが好ましい。これらは成分自体の臭気が少ない上、液安定性を向上しやすい。
【0039】
<キレート剤>
キレート剤としては有機キレート剤が挙げられる。キレート剤としては、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、エタンヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキシメチレンスルホン酸等の有機ホスホン酸誘導体又はこれらの塩等が挙げられる。中でも、クエン酸、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウムが、低温安定性の観点からより好ましい。キレート剤は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
【0040】
<洗浄性ポリマー>
洗浄性ポリマーとしてはポリカルボン酸系ポリマー及び/又はその塩が挙げられ、具体的には、ポリアクリル酸及びその塩、ポリマレイン酸及びその塩、アクリル酸-マレイン酸コポリマー及びその塩、炭化水素-アクリル酸コポリマー及びその塩、炭化水素-マレイン酸コポリマーなどが挙げられる。塩は、一部でも全部でも良く、塩としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩やアルカノールアミン等の有機アミン塩が好ましい。
【0041】
<ハイドロトロープ剤>
洗浄剤組成物は、ハイドロトロープ剤を含有することで、液安定性のさらなる向上を図れる。ハイドロトロープ剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系溶剤、エタノール等のアルコール系溶剤、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸又はその塩が挙げられる。
【0042】
<酵素>
洗浄剤組成物が任意酵素を含有していると、皮脂洗浄力やタンパク洗浄力のさらなる向上を図れる。任意酵素としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ等が挙げられる。任意酵素としては、食べ物汚れの一部であるタンパク質分解の観点から、プロテアーゼがより好ましい。これらの任意酵素は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
任意酵素の含有量は酵素製剤として、洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~1.5質量%が好ましい。任意酵素の含有量は、製剤としての含有量である。
【0043】
<酵素安定化剤>
酵素安定化剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂、ギ酸又はその塩、安息香酸、乳酸又はその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類等が挙げられる。
【0044】
<風合い向上剤>
風合い向上剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンが挙げられる。
【0045】
<蛍光増白剤>
蛍光増白剤は、白色衣類の白度向上を目的として添加される薬剤である。蛍光増白剤としては、例えば、ジスチリルビフェニル型の蛍光増白剤が挙げられる。
【0046】
<再汚染防止剤>
再汚染防止剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0047】
<パール剤>
パール剤としては、例えば、クラリアント社製の商品名「SRN-100」等が挙げられる。
【0048】
<ソイルリリース剤>
ソイルリリース剤としては、例えば、BASF社製の商品名「HP20」等が挙げられる。
【0049】
<香料>
香料としては、例えば、特開2002-146399号公報の表11~18に記載の香料組成物A、B、C、D等が挙げられる。
【0050】
<色素>
色素としては、いずれも商品名として、例えば、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP-GR等の汎用の色素や顔料が挙げられる。
【0051】
<pH調整剤>
pH調整剤としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。これらの中でも、液体洗浄剤の液体安定性をより良好にしやすくする観点から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムがより好ましい。pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】
<酸化防止剤>
酸化防止剤としては、特に限定はされないが、洗浄力と液体安定性が良好であることから、フェノール系酸化防止剤が好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤、dl-α-トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤がより好ましく、モノフェノール系酸化防止剤、高分子型酸化防止剤がさらに好ましい。モノフェノール系酸化防止剤の中では、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。高分子型フェノール系酸化防止剤の中では、dl-α-トコフェロールが特に好ましい。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0053】
<防腐剤>
防腐剤としては、例えば、ダウ社製の商品名「ケーソンCG」、ロンザ社製の商品名「AN-1000」、ソー社製の商品名「MBS」、クラリアント社製の商品名「NIPACIDE BIT 20」等が挙げられる。
【0054】
[洗浄剤組成物を充填するための容器]
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物は、容器に収容されており、容器入り液体洗浄剤製品として用いることができる。このような容器としては、傾注容器、ポンプ容器、スクイズ容器、トリガー容器等が挙げられる。
【0055】
[洗浄剤組成物の粘度]
洗浄剤組成物は、B型粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて、測定温度25℃、回転数60rpmの条件で回転開始から30秒後に測定したときの粘度が、1000mPa・s以下であることが好ましく、800mPa・s以下であることがより好ましく、700mPa・s以下であることがさらに好ましく、400mPa・s以下が特に好ましい。
洗浄剤組成物の粘度が上記範囲内であると、香料組成物と混合後も流動しやすい。
【0056】
[洗浄剤組成物のpH]
洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、4~9が好ましく、6~9がより好ましい。pHが前記の好ましい範囲であると、液体洗浄剤組成物の外観安定性が良好に維持されやすくなり、香料のむら付きを抑制できる。
なお、洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、試料を25℃に調整し、pHメーター(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製の製品名「HM-30G」を使用)等により測定される値を示す。
【0057】
香料組成物
[(a)成分]
香料組成物において、(a)成分は香料成分である。
(a)成分としては、特に制限はなく、繊維製品用液体洗剤、柔軟・仕上げ剤組成物に一般的に使用される香料成分を、目的に応じて適宜選択することができる。香料は、1種類の香料成分であってもよく、複数種類の香料成分の混合物であってもよい。また、香料は、香料成分単独であってもよく、香料成分と他の成分(例えば、溶剤)とを含む香料組成物であってもよい。
香料成分の具体例としては、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナールなどが挙げられる。
フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノールや、イソオイゲノールなどが挙げられる。
アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1-デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン(特に、d-リモネン)、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトールなどが挙げられる。
ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサンなどが挙げられる。
ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類などが挙げられる。
テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ-ヨノン)、カンフェンや、ボルネオールなどが挙げられる。
天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油などの精油が挙げられる。
動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香などが挙げられる。
【0058】
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物中の(a)成分の含有量は、該香料組成物の総質量に対し、20~70質量%が好ましく、20~60質量%がより好ましく、25~40質量%がさらに好ましい。香料組成物中の(a)成分の含有量が20~70質量%の範囲内であると、香りの強度の調整が容易になり得る。
【0059】
[(b)成分]
香料組成物において、(b)成分は非イオン性界面活性剤である。(b)成分を用いることにより、洗浄剤組成物と香料組成物との混合時の相溶性及び/又は低温流動性が良好になる。
(b)成分としては、アルキレンオキシド付加型非イオン性界面活性剤が挙げられ、アルキレンオキシド付加型ノニオン界面活性としては、例えば、多価アルコール、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸から誘導されるものを用いることができる。具体的には、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンひまし油、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドなどが挙げられる。ここで、「オキシアルキレン」は、アルキレンオキシド付加物であることを示す。好ましくは、「オキシアルキレン」は、オキシエチレンであり、これはエチレンオキシド付加物であることを示す。
(b)成分としては、1分子あたりアルキレンオキシドが平均2モル~100モル附加された非イオン性界面活性剤が好ましく、より好ましくはアルキレンオキシドの平均付加モル数が5~80、さらに好ましくは10~60、特に好ましくは20~50、最も好ましくは20~40である。
【0060】
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物中の(b)成分の含有量は、該香料組成物の総質量に対し、5~65質量%が好ましく、10~65質量%がより好ましく、15~60質量%がさらに好ましい。香料組成物中の(b)成分の含有量が5~65質量%の範囲内であると、香料の分散を改善することができる。
【0061】
[(c)成分]
香料組成物は、(c)成分として希釈剤を含んでもよい。(c)成分を用いることにより、洗浄剤組成物と香料組成物との混合時の低温流動性がより向上し得る。
(c)成分としては、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール等の炭素数2~8のアルコール;ポリエチレングリコール1000等の分子量100~100000のポリエーテル;スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油;パルミチン酸、ステアリン酸、カプリル酸、カプリン酸等の炭素数8以上の脂肪酸;ステアリルアルコール等の炭素数10以上の脂肪族アルコール;ペンタエリスリトール脂肪酸エステルやトリグリセリド、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等のアルコールと脂肪酸のエステル化物(アルコール脂肪酸エステル)等が挙げられる。
(c)成分としてはアルコール脂肪酸エステルが好ましく、アルコール脂肪酸エステルにおけるアルコールとしては、1価又は2価以上のアルコールであればよく、2価以上の多価アルコールが好ましい。具体的には、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、スクロースなどが挙げられる。
(c)成分のアルコール脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、アルキル鎖長が8~24の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が好ましく、具体的には、クエン酸、2-エチルヘキサン酸、カプリル酸、カプリン酸、イソノナン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、エイコサン酸などが挙げられる。
【0062】
(c)成分におけるアルコール脂肪酸エステルとしては、室温で液体のものが好ましく、例えば、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ジステアリン酸トリエチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、グリセリンジアセテート、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリル酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸エチレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ジステアリン酸トリエチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、グリセリンジアセテート、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリルが好ましく、より好ましくはトリカプリル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、グリセリンジアセテート、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリルであり、さらに好ましくは、トリカプリル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、特に好ましくは、トリカプリル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、最も好ましくはトリ(カプリル/カプリン酸)グリセリルである。
(C)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0063】
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物中の(c)成分の含有量は、該香料組成物の総質量に対し、1~65質量%が好ましく、5~65質量%がより好ましく、5~55質量%がさらに好ましい。香料組成物中の(c)成分の含有量が1~65質量%の範囲内であると、使用者の嗜好性に合わせた香り強度に調整でき、また、分離や析出等の問題が生じず好ましい。
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物中の(c)成分に対する(b)成分の質量比b/cは、0.01~20が好ましく、0.01~15がより好ましく、0.05~15がさらに好ましい。b/cが上記下限値以上であると、洗浄剤組成物と香料組成物との混合後の低温流動性がより良好であり、b/cが上記上限値以下であると、洗浄剤組成物と香料組成物との混合後の外観安定性がより良好である。
【0064】
[香料組成物中の任意成分]
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(a)~(c)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分としては、繊維製品用液体洗剤、液体柔軟・仕上げ剤組成物に一般的に配合される成分を挙げることができる。具体例としては、水、キレート剤、水溶性塩類、染料及び/又は顔料、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、消臭剤、スキンケア成分などが挙げられる。以下、いくつかの任意成分について詳細に説明する。
【0065】
<水>
香料組成物は、水を含有してもよい。水としては、水道水、精製水、純水、蒸留水、イオン交換水など、いずれも用いることができる。なかでもイオン交換水が好適である。水の配合量は特に限定されず、所望の成分組成を達成するために適宜配合することができる。水の含量は、香料組成物の総質量に対して、例えば、30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
【0066】
<キレート剤>
キレート剤は保存安定性を向上させるために配合され得る。キレート剤としては有機キレート剤が挙げられ、具体的には、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、イソセリンジ酢酸(ISDA)、β-アラニンジ酢酸(ADAA)、セリンジ酢酸(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、1,3-プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA-OH)、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ジカルボキメチルグルタミン酸(CMGA)、(S,S)-エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)又はこれらの塩等が挙げられ、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、イソセリンジ酢酸(ISDA)、β-アラニンジ酢酸(ADAA)、セリンジ酢酸(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)又はこれらの塩が好ましく、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、イミノジコハク酸(IDS)又はこれらの塩がより好ましく、MGDA又はその塩が特に好ましい。キレート剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
キレート剤の各含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、香料組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5%、より好ましくは0.01~3%である。
【0067】
<染料及び/又は顔料>
染料及び顔料は、それぞれ組成物の外観を向上するために配合され得る。
染料及び顔料共に、繊維製品用液体柔軟・仕上げ剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6-123081号公報、特開平6-123082号公報、特開平7-18573号公報、特開平8-27669号公報、特開平9-250085号公報、特開平10-77576号公報、特開平11-43865号公報、特開2001-181972号公報や特開2001-348784号公報などに記載されている染料も用いることができる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料又は反応性染料が好ましい。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
染料及び顔料の各含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、香料組成物の総質量に対し、好ましくは1~50ppm、より好ましくは1~30ppmである。
【0068】
<防腐剤>
防腐剤は、主に、組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合され得る。防腐剤としては、繊維製品用液体柔軟・仕上げ剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましく、具体的には、ダウケミカル社製のケーソンCG-ICPなどが挙げられる。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましく、具体的には、クラリアント(株)製のニッパサイド、(株)ロンザ製のプロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL、プロキセルLV、プロキセルCRL、プロキセルNBZ、プロキセルAMや、プロキセルB20などが挙げられる。安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、香料組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001~1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
【0069】
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、組成物を紫外線から保護するために配合され得る。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮する成分である。紫外線吸収剤としては、繊維製品用液体柔軟・仕上げ剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリルや、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸エチル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルや、p-メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸や、2、2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4-t-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、香料組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
【0070】
<抗菌剤>
抗菌剤は、組成物の保存性を高めるために配合され得る。抗菌剤としては、繊維製品用液体柔軟・仕上げ剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。 抗菌剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
【0071】
<消臭剤>
消臭剤は、組成物の消臭効果の向上を図るために配合され得る。消臭効果の向上を図る技術として、(1)シリカゲルや活性炭等を利用して臭気を吸着させる方法(物理的消臭法);(2)悪臭や異臭成分と化学的に反応(中和、付加、縮合、酸化等)させて無臭化する方法(化学的消臭法);(3)芳香性物質の発する香気によって悪臭や異臭を隠蔽し感じにくくする方法(感覚的消臭法);(4)抗菌剤によって、悪臭発生の原因になる微生物の増殖を抑える方法(生物的消臭法)があり、これらの技術のうち、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。消臭剤としては、繊維製品用液体柔軟・仕上げ剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。消臭剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
【0072】
[香料組成物の粘度]
香料組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、100mPa・s以下であることが好ましい。なお、ここで示す粘度はB型粘度計(トキメック社製)を用いて、原液を25℃で測定した場合の数値である。
【0073】
[香料組成物のpH]
香料組成物のpHは、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、4.0~8.0であることが好ましい。pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
【0074】
[香料組成物を充填する容器]
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物を含有させる容器は、特に限定されないが、材質は、プラスチック、ガラス、陶器、金属等が挙げられる。容器の容量は、5~100mlが好ましく、5~50mLがより好ましい。
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物の容器としては、容器から直接組成物を滴下するもの、スポイト付きのキャップを備えた容器、ポンプディスペンサーを備えた容器等が使用でき、例えば、特開2018-167840号公報に記載のスポイト付きのキャップを備えた容器、特開2005―132466号公報に記載のポンプディスペンサーを備えた容器等が挙げられる。
【0075】
[使用方法]
<洗浄剤組成物の使用方法>
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の液体洗剤と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯機の洗浄剤投入口に入れたり、洗濯機内に投入したり、被洗物に直接塗付したり、たらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
【0076】
<香料組成物の使用方法>
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物は、高濃度の香料濃縮物であり得るため、使用量を変更することで容易に香りの強度を調整可能であり、また複数の香りの香料組成物を組み合せることで、好みの香りを家庭で作り上げる楽しみが得られるものである。使用方法の一例としては、以下のような工程手順である。
工程例1:洗浄剤組成物の容器で直接、または別容器の中で事前に、或いは洗濯機の投入口等で、洗浄剤組成物と香料組成物を混合する工程
洗浄剤組成物/香料組成物の配合比は、特に限定されないが、1~500が好ましく、10~500がより好ましく、30~500が更に好ましい。
工程例2:洗濯槽内の水中で洗浄剤組成物と香料組成物とを混合する工程(洗浄剤組成物と香料組成物は予め混合されていても、されていなくてもよい)
洗浄剤組成物/香料組成物の配合比は、特に限定されないが、1~500が好ましく、10~500がより好ましく、30~500が更に好ましい。
【0077】
[製造方法]
<洗浄剤組成物の製造方法>
本発明の繊維製品用洗濯物品において、洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されず、各成分を混合することにより製造することができる。
【0078】
<香料組成物の製造方法>
本発明の繊維製品用洗濯物品において、香料組成物の製造方法は特に限定されず、各成分を混合することにより製造することができる。
【0079】
[繊維製品]
本発明の繊維製品用洗濯物品により洗濯され得る繊維製品は、特に制限されるものではなく、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、マクラカバー等が挙げられる。また、対象とする繊維製品の素材も、特に限定されないが、例えば、綿、絹、麻、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の化学繊維でもよい。
【実施例0080】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
【0081】
[洗浄剤組成物]
<(A)成分>
・A-1:ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(一般式(A1)において、R11が炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R12がメチル基、sが15、tが0、uが0である化合物)
A-1成分は 特開2000-144179号公報に記載の合成方法に準じて以下のとおり合成した。組成が2.5MgO・Al2O3・zH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名「キョーワード300」)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土および珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してA-1成分を得た。
・A-2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(化合物(A2)において、R13が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、vが15、wが0、xが0である化合物)
A-2成分は下記方法により合成した。プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO-1214(商品名)224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p-トルエンスルホン酸を加えて中和し、A-2成分を得た。
・A-3:炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(ライオン株式会社製、商品名「ライポン(登録商標)LH-200」)
・A-4:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(化合物(A3)において、R14が炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基、pが1、qが0、M+がナトリウムイオンである化合物)
A-4成分は下記方法により合成した。容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム0.8gとを仕込み、前記オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりA-4成分を得た。
【0082】
<任意成分>
・95%合成エタノール(純正化学株式会社製)
・3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(株式会社クラレ製、商品名「ソルフィット(ファイングレード)」)
【0083】
[香料組成物]
<(a)成分>
・a-1:下記表1に示す組成を有する香料組成物
【表1】
【0084】
<(b)成分>
・b-1:テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(30EO)(NIKKOL GO-430NV、日光ケミカルズ株式会社製)
・b-2:テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(4EO)(NIKKOL GO-4V、日光ケミカルズ株式会社製)
・b-3:モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)(NIKKOL TO-10V、日光ケミカルズ株式会社製)
・b-4:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40EO)(NIKKOL HCO-40、日光ケミカルズ株式会社製)
【0085】
<(c)成分>
・c-1:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(NIKKOLトリエスターF-810、日光ケミカルズ株式会社製)
・c-2:ミリスチン酸イソプロピル(試薬 東京化成工業製)
・c-3:スクワラン(試薬 東京化成工業製)
【0086】
[洗浄剤組成物の調製方法]
(A)成分及び任意成分を混合し、更にバランス用イオン交換水を混合して、洗浄剤組成物を調製した。調製した洗浄剤組成物の組成は、下記表2に示すとおりである。
【0087】
[香料組成物の調製方法]
(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を混合して、香料組成物を調製した。調製した香料組成物の組成は、下記表2に示すとおりである。
【0088】
[評価方法]
<香りのむら付き>
二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)の洗濯槽中、水30Lに上記のとおり調製した洗浄剤組成物10gを添加し、上記のとおり調製した香料組成物0.4gを更に添加し、よく混合した。評価布(綿タオル(東進社製))3枚を入れ10分間洗浄、3分間すすぎ、5分間脱水後、25℃、40%RHの恒温恒湿条件下で24時間乾燥させた後の評価用処理布3枚の香気強度を、下記の点数表に従って官能評価し、各処理布毎に専門パネラー8人の平均点を算出した。3枚の処理布の平均点から、エクセル関数STDEVを用いて標準誤差を算出し、下記評価基準に従って香りのむら付きを評価した。結果を下記表2における「香りのむら付き」の項で示した。
<点数表>
0点:無臭
1点:やっと検知できる程度の香り
2点:何の香りか分かる程度の香り
3点:楽に感知できる香り
4点:強い香り
5点:強烈な香り
<評価基準>
○○:標準誤差が0.1未満
○ :標準誤差が0.1以上0.5未満
× :標準誤差が0.5以上
【0089】
<混合後の外観安定性>
上記のとおり調製した洗浄剤組成物10gに対し、上記のとおり調製した香料組成物0.4gを添加し、よく混合した。混合後の外観を下記評価基準に従って目視にて評価した。結果を下記表2における「混合後の外観安定性」の項で示した。
<評価基準>
○○:混合後、透明(10秒以内)
○ :混合後、透明~半透明(10秒以上かかる)
× :白濁・分離、または析出物あり
【0090】
<混合後の低温流動性>
上記のとおり調製した洗浄剤組成物10gを試験管内(φ1cm)に量り採り、上記のとおり調製した香料組成物0.4gを添加し、よく混合した。試験管を-5℃に調温し、90°倒立した際の外観を下記評価基準に従って目視にて評価した。結果を下記表2における「混合後の低温流動性」の項で示した。
<評価基準>
○○:流動性あり(10秒以内に試験管から液が垂れる)
○ :流動性あり(10秒以上かかるが、試験管から液が垂れる)
× :流動性なし
― :混合後の外観が悪いため評価せず
【0091】
【表2】