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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103824
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】開閉体補強具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
E06B9/17 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218692
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】河尻 武
(57)【要約】      (修正有)
【課題】開閉体を十分に補強できる開閉体補強具を提供する。
【解決手段】一方側部2Aと他方側部2Bが左側の縁部に沿う収納状態と、他方側部2Bが一方側部2Aを支点に開閉面の面方向に沿って左側の縁部から離れる方向に揺動した展開状態と、を切替可能に構成される長尺状の補強部材2と、補強部材2の一方側部2Aと他方側部2Bの間に取り付けられ、展開状態のときに開閉体に係止する係止部と、を備える開閉体補強具1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側と外側を仕切る構造物に形成され、該構造物における上下方向で対向する上側の縁部及び下側の縁部と、左右方向で対向する左側の縁部及び右側の縁部で規定された開口を塞ぐ戸状の開閉体を補強する開閉体補強具であって、
前記開閉体の内側又は外側に設けられ、前記開閉体の開閉面の面方向に沿って長尺状に形成される補強部材と、
該補強部材に取り付けられる係止部と、を備え、
前記補強部材は、長尺方向の一方側部と他方側部とを備え、前記他方側部が前記一方側部を支点に前記開閉面の面方向に沿って揺動するように、前記一方側部が左側の縁部及び右側の縁部の一方の縁部に対して、前記開閉面に垂直な揺動軸によって枢支されており、前記他方側部が前記一方の縁部に接近して長尺方向が前記一方の縁部の長手方向に沿った収納状態と、該収納状態から前記他方側部が前記一方の縁部から離れる方向に揺動した展開状態と、を切替可能に構成され、
前記係止部は、前記補強部材の前記一方側部と前記他方側部の間に取り付けられ、前記展開状態のときに前記開閉体に係止するように構成されている開閉体補強具。
【請求項2】
内側と外側を仕切る構造物に形成され、該構造物における上下方向で対向する上側の縁部及び下側の縁部と、左右方向で対向する左側の縁部及び右側の縁部で規定された開口を塞ぐ戸状の開閉体を補強する開閉体補強具であって、
前記開閉体の内側又は外側に設けられ、前記開閉体の開閉面の面方向に沿って長尺状に形成される補強部材と、
該補強部材に取り付けられる係止部と、を備え、
前記補強部材は、長尺方向の一方側部と他方側部とを備え、前記他方側部が前記一方側部を支点に前記開閉面の面方向に沿って揺動するように、前記一方側部が上側の縁部及び下側の縁部の一方の縁部に対して、前記開閉面に垂直な揺動軸によって枢支されており、前記他方側部が前記一方の縁部に接近して長尺方向が前記一方の縁部の長手方向に沿った収納状態と、該収納状態から前記他方側部が前記一方の縁部から離れる方向に揺動した展開状態と、を切替可能に構成され、
前記係止部は、前記補強部材の前記一方側部と前記他方側部の間に取り付けられ、前記展開状態のときに前記開閉体に係止するように構成されている開閉体補強具。
【請求項3】
前記係止部は、前記補強部材が前記展開状態で前記開閉体に係止し、前記補強部材が前記収納状態で前記開閉体への係止を解除するように構成され、
前記補強部材の前記展開状態と前記収納状態の切替に伴い、前記係止部は、前記係止と前記係止の解除を切替可能に構成される請求項1又は2に記載の開閉体補強具。
【請求項4】
前記開閉体は、前記係止部が係止可能な被係止部を備え、
前記係止部は、前記被係止部の内側又は外側に係止する係止本体部を備え、
前記補強部材が前記展開状態で、前記係止本体部が前記被係止部に係止し、前記補強部材が前記収納状態で、前記係止本体部が前記被係止部への係止を解除するように構成される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の開閉体補強具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側と外側を仕切る開閉体を補強する開閉体補強具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉体としての例えば窓や通路を仕切るシャッターの補強構造として、特許文献1に記載されたものが存在する。この補強構造は、前記シャッターと、該シャッターより内側又は外側で、前記シャッターの左右に延びる閂と、該閂を左右両側から支持する一対の閂案内部と、を備える。前記構成の補強構造によれば、前記シャッターの外側又は内側で、前記閂が前記一対の閂案内部に支持されることにより、例えば、強風で撓んだ前記シャッターが前記閂に当接するため、前記シャッターを補強できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-170462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載された補強構造では、撓んだシャッターが前記閂に当接することで、前記シャッターを補強する。そのため、例えば、前記閂がシャッターよりも内側に配置された状態において、外側からの強風で前記シャッターが内側に煽られた場合は、前記補強構造では、前記閂が前記シャッターの内側で前記一対の閂案内部に支持されているだけなので、前記閂に接触するまで前記シャッターの撓みを許容することになる。よって、前記シャッターの補強として不足する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、前記シャッターなどの開閉体を十分に補強できる開閉体補強具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、内側と外側を仕切る構造物に形成され、該構造物における上下方向で対向する上側の縁部及び下側の縁部と、左右方向で対向する左側の縁部及び右側の縁部で規定された開口を塞ぐ戸状の開閉体を補強する開閉体補強具であって、前記開閉体の内側又は外側に設けられ、前記開閉体の開閉面の面方向に沿って長尺状に形成される補強部材と、該補強部材に取り付けられる係止部と、を備え、前記補強部材は、長尺方向の一方側部と他方側部とを備え、前記他方側部が前記一方側部を支点に前記開閉面の面方向に沿って揺動するように、前記一方側部が左側の縁部及び右側の縁部の一方の縁部に対して、前記開閉面に垂直な揺動軸によって枢支されており、前記他方側部が前記一方の縁部に接近して長尺方向が前記一方の縁部の長手方向に沿った収納状態と、該収納状態から前記他方側部が前記一方の縁部から離れる方向に揺動した展開状態と、を切替可能に構成され、前記係止部は、前記補強部材の前記一方側部と前記他方側部の間に取り付けられ、前記展開状態のときに前記開閉体に係止するように構成されている開閉体補強具である。
【0007】
上記構成によれば、前記他方側部が前記左側の縁部又は前記右側の縁部から離れる方向に揺動することで、前記補強部材が前記収納状態から前記展開状態に切り替わるため、前記係止部が前記開閉体に係止でき、前記開閉体の撓みを防止できる。
【0008】
また、本発明は、内側と外側を仕切る構造物に形成され、該構造物における上下方向で対向する上側の縁部及び下側の縁部と、左右方向で対向する左側の縁部及び右側の縁部で規定された開口を塞ぐ戸状の開閉体を補強する開閉体補強具であって、前記開閉体の内側又は外側に設けられ、前記開閉体の開閉面の面方向に沿って長尺状に形成される補強部材と、該補強部材に取り付けられる係止部と、を備え、前記補強部材は、長尺方向の一方側部と他方側部とを備え、前記他方側部が前記一方側部を支点に前記開閉面の面方向に沿って揺動するように、前記一方側部が上側の縁部及び下側の縁部の一方の縁部に対して、前記開閉面に垂直な揺動軸によって枢支されており、前記他方側部が前記一方の縁部に接近して長尺方向が前記一方の縁部の長手方向に沿った収納状態と、該収納状態から前記他方側部が前記一方の縁部から離れる方向に揺動した展開状態と、を切替可能に構成され、前記係止部は、前記補強部材の前記一方側部と前記他方側部の間に取り付けられ、前記展開状態のときに前記開閉体に係止するように構成されていてもよい。
【0009】
上記構成によれば、前記他方側部が前記上側の縁部又は前記下側の縁部から離れる方向に揺動することで、前記補強部材が前記収納状態から前記展開状態に切り替わるため、前記係止部が前記開閉体に係止でき、前記開閉体の撓みを防止できる。
【0010】
また、前記係止部は、前記補強部材が前記展開状態で前記開閉体に係止し、前記補強部材が前記収納状態で前記開閉体への係止を解除するように構成され、前記補強部材の前記展開状態と前記収納状態の切替に伴い、前記係止部は、前記係止と前記係止の解除を切替可能に構成されていてもよい。
【0011】
上記構成の開閉体補強具によれば、前記補強部材の展開状態と収納状態の切替に伴い、前記係止部が前記開閉体への係止と該係止の解除を切替可能に構成されるため、作業者は、前記補強部材の状態を切り替えるだけで、前記係止部の前記開閉体への係止と該係止の解除を切り替えることができる。
【0012】
また、前記開閉体は、前記係止部が係止可能な被係止部を備え、前記係止部は、前記被係止部の内側又は外側に係止する係止本体部を備え、前記補強部材が前記展開状態で、前記係止本体部が前記被係止部に係止し、前記補強部材が前記収納状態で、前記係止本体部が前記被係止部への係止を解除するように構成されてもよい。
【0013】
上記構成によれば、前記補強部材が展開状態で、前記係止本体部が前記被係止部に係止し、前記補強部材が収納状態で、前記係止本体部が前記被係止部への係止を解除するように構成されるため、作業者は、前記補強部材の状態を切り替えるだけで、前記係止本体部の前記被係止部への係止と該係止の解除を切り替えることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明の開閉体補強具によれば、前記補強部材を前記収納状態から前記展開状態に切り替え、前記補強部材の前記一方側部と前記他方側部の間に取り付けられた前記係止部を前記開閉体に係止させることで、前記開閉体の撓みを防止できるため、前記開閉体を十分に補強できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る開閉体補強具における補強部材の収納状態の正面図を示す。
図2】本実施形態の補強部材の収納状態における右側面図を示す。
図3】本実施形態の補強部材の収納状態における係止部の拡大図を示す。
図4】本実施形態の補強部材の展開状態における正面図を示す。
図5】本実施形態の補強部材の展開状態における右側面図を示す。
図6】本実施形態の補強部材の展開状態における係止部の拡大図を示す。
図7】本実施形態の係止本体部の被係止部への係止と係止を解除した状態を示す図で、(a)は係止本体部が被係止部への係止が解除している状態を示し、(b)は係止本体部が被係止部へ係止している状態を示す。
図8】本実施形態の補強部材の傾動状態における右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、本発明に係る開閉体補強具の一実施形態について説明する。
【0017】
以下の説明に際しては、図1の上下を「上下方向」として特定し、左右を「左右方向」として特定する。また、図1における紙面に垂直な方向を「内外方向」として特定する。
【0018】
本発明に係る開閉体補強具は、例えば、構造物に形成された開口を塞ぐ窓や扉や雨戸、シャッターなどの開閉体を内側又は外側から補強する。本実施形態では、開閉体補強具1が開閉体7より内側に配置されている場合、すなわち、図1に示すように、開閉体補強具1が内側から開閉体7を補強する場合を想定して説明する。
【0019】
構造物Xは内側と外側を仕切る。構造物Xとしては、例えば、床と、該床に立設されて空間を仕切る壁が該当する。この構造物Xには、図1に示すように、上下方向で対向する上側の縁部X10及び下側の縁部X11(具体的には、床の床面)と、左右方向で対向する左側の縁部X13及び右側の縁部X12で囲われた開口Yが規定される。なお、本実施形態では、上側の縁部X10と下側の縁部X11の長手方向は左右方向であり、左側の縁部X13と右側の縁部X12の長手方向は上下方向である。
【0020】
開閉体7は、前記開口Yを塞ぐ。この開閉体7は、開口Yを塞ぐ開閉面7aを備える。図1、4に示すように、本実施形態の開閉体7は開閉面7aとして、開口Yの内側から塞ぐ内面7bと、開口Yを外側から塞ぐ外面(図示しない)とを備える。
【0021】
開閉体7は戸状である。本実施形態の開閉体7は、対向する左側の縁部X13と右側の縁部X12に支持され、上下方向にスライドすることで、開口Yの開閉を行う。そのため、本実施形態の開閉体7は、引戸状である。また、本実施形態の開閉体7は、構造物Xにおいて、上側の縁部X10よりも上側に取り付けられた図示しない開閉体収納部に収納可能で、且つ前記開閉体収納部から下側に引出可能に構成されている。なお、開閉体7は、対向する上側の縁部X10と下側の縁部X11に支持され、左右方向にスライドしてもよい。また、開閉体7は開き戸状に構成されていてもよい。
【0022】
開閉体7は、後述する係止部3が係止可能な被係止部703を備える。本実施形態の開閉体7は、図1、4に示すように、被係止部703としての板部70を備える。そして、前記板部70を複数連結することで、内面7b(開閉面7a)が構成される。具体的に、本実施形態の板部70は、図1、4に示すように、上下よりも左右に長い板状に形成されている。また、この板部70は、図3、6に示すように、板部70同士を連結する連結部701と、前記連結部701の間をつなぐ腹部700を備える。前記連結部701は、板部70の上側と下側の端で渦巻くことで板部70同士を連結するように構成され、前記腹部700よりも内側に突出している。一方で、腹部700は、上下方向の端が前記連結部701に連続すると共に、外側に湾曲するように構成されている。そのため、本実施形態の板部70は、上側と下側の縁が内側に突出する凹状に形成されている。すなわち、本実施形態の開閉体7は、被係止部703として凹状の板部70を備え、この被係止部703に後述する係止本体部30が係止することにより、開閉体に係止部3が係止する。
【0023】
本実施形態の開閉体補強具1は、図1、2、4、5、8に示すように、開閉体7よりも内側に配置されている。この開閉体補強具1は、上下方向に沿って配置されている。具体的に、図1では、二つの開閉体補強具1がそれぞれ、左側の縁部X13と右側の縁部X12に取り付けられている。そのため、本実施形態では、二つの開閉体補強具1が開閉体7を補強するように構成されている。よって、以下では、図1に示す二つの開閉体補強具1のうち、左側の開閉体補強具1について説明すると共に、共通する構成については右側の開閉体補強具1に兼用する。
【0024】
開閉体補強具1は、図1に示す収納状態と、図4に示す展開状態とを切替可能に構成される補強部材2と、該補強部材2に取り付けられる係止部3を備える。また、本実施形態の補強部材2は、図2に示す直立状態と、図8に示す傾動状態に切替可能とを構成されている。なお、本実施形態では、収納状態と直立状態は同一である。
【0025】
補強部材2は、開閉体7の開閉面7aの面方向に沿って長尺状に形成されている。また、補強部材2は、長尺方向の一方側部2Aと他方側部2Bを備える。本実施形態の補強部材2は、図1にて上下方向に沿って延びる補強本体21と、前記補強本体21を縁部(X10、X11、X12、X13)に取り付ける支持部20と、補強本体21を支える脚部22を備える。
【0026】
支持部20は、補強本体21を構造物Xの縁部(X10、X11、X12、X13)に対して枢支する。本実施形態の支持部20は、図1、2、4、5に示すように、左側の縁部X13の上端に配置されている。具体的に、支持部20は、縁部に取り付けられる平面視コ字状の支持本体200と、前記支持本体200に取り付けられ、後述する補強本体21を枢支する軸支部201を備える。
【0027】
本実施形態の支持本体200は、図2、4に示すように、縁部に固定される支持固定部200Aと、該支持固定部200Aが固定される縁部とは反対側の縁部に延び、後述する軸支部201を支持する一対の支持部材200Bと、を備える。支持固定部200Aは平板状に形成され、左側の縁部X13の上側に固定されている。一方で、一対の支持部材200Bは、支持固定部200Aから右側の縁部X12に向けて延びるように突出している。具体的には、一対の支持部材200Bは、図2、4に示すように、隙間に後述する弾性部材201Bと補強本体21を配置できるように、内外方向で間隔をあけて配置されている。また、前記一対の支持部材200Bには、後述する支持軸201Aaを内外方向に挿通するための挿通孔(図示しない)が形成されている。
【0028】
軸支部201は、軸本体部201Aと、弾性部材201Bを備える。軸本体部201Aは、前記一対の支持部材200Bに挿通することで支持本体200に取り付けられている。具体的には、本実施形態の軸本体部201Aは、図2に示すように、略円柱状の支持軸201Aaとナット201Abにより構成され、前記支持軸201Aaを前記一対の支持部材200Bそれぞれの挿通孔に内外方向で挿通した状態で、前記一対の支持部材200Bの外側からナット201Abが前記支持軸201Aaに締め付けられることで取り付けられている。この支持軸201Aaは、後述する補強本体21の貫通孔(図示しない)に貫通されることで、前記補強本体21を開閉体7の開閉面7aに沿って揺動可能に枢支する。すなわち、本実施形態の支持軸201Aaは、開閉面7aに垂直な揺動軸として構成されている。また、この支持軸201Aaは弾性部材201Bに挿通されている。具体的に、弾性部材201Bは、図2、4の左側の支持部材200Bと後述する補強本体21に挟まれた状態で、前記支持軸201Aaを挿通している。なお、本実施形態の弾性部材201Bは、延びる方向に弾性する圧縮ばねである。この弾性部材201Bは、図8に示すように、補強部材2の他方側部2Bを開閉体7から離れる方向(具体的には、内側)に傾動させた際に圧縮し、該開閉体補強具1を図2に示す状態に戻すときに弾性する。
【0029】
補強本体21は、長尺状に形成されている。具体的に、本実施形態の補強本体21は、H鋼により構成されている。そのため、本実施形態の補強本体21は、図1、4に示すように、左側の縁部X13側に配置された一方枠部21aと右側の縁部X12側に配置された他方枠部21bと、一方枠部21aと他方枠部21bを連結する連結部21cを備える。
【0030】
本実施形態の補強本体21の上端側には、連結部21cを内外方向に貫通する貫通孔(図示しない)が形成されている。この貫通孔には、前述した支持軸201Aaが挿通される。そのため、本実施形態の補強本体21は、図2、5に示すように、支持部20により支持される。また、この貫通孔は断面円形状に形成されている。よって、補強本体21は、支持軸201Aaを中心として、開閉体7の面に沿って揺動可能である。すなわち、本実施形態では、弾性部材201Bに挿通され、内外方向に延びる軸本体部201Aを補強本体21の貫通孔に貫通させ、左側の縁部X13に取り付けられる支持本体200により軸支部201が支持されることで、補強部材2の一方側部2Aが構成されている。そのため、前記一方側部2Aが左側の縁部X13に対して、前記開閉面7aに垂直な揺動軸(具体的には、支持軸201Aa)によって枢支されている。よって、後述する他方側部2Bが前記一方側部2Aを支点に開閉面7aの面方向に沿って揺動する。
【0031】
補強本体21は、後述する係止部3が取付けられる取付部210aを備える。この取付部210aは、図2、3、5、6に示すように、補強本体21(具体的には、連結部21c)のうち、開閉体7と対向する面に形成されている。また、取付部210aは、補強本体21の中端に形成されている。本実施形態の取付部210aは、連結部21cを内外方向で貫通する挿通孔210aとして形成されている。この挿通孔210aには、後述する係止取付部31が挿入される。具体的に、本実施形態の挿通孔210aは、図1、3に示すように補強部材2が収納状態のときに、後述する軸部310aが伸縮部材311の伸びによって上側に押され、図4、6に示すように、補強部材2が展開状態のときに、前記軸部310aが伸縮部材311を圧縮することで下側に下がることができるよう形成されている。
【0032】
本実施形態の補強本体21の下端側には、後述する脚部22を取り付けるための取付孔211が形成されている。この取付孔211は、後述する脚部22が上下方向にスライドすることで、補強部材2の長尺方向の長さを変化させることができるように、上下方向に長い長孔として形成されている。
【0033】
脚部22は、補強本体21を支持する。この脚部22は、図1、2、4、5、8に示すように、補強本体21を支える脚本体部220と、該脚本体部220を補強本体21に取り付ける脚取付部221と、を備える。脚本体部220は、構造物Xの縁部(本実施形態では、下側の縁部X11)に当接される脚骨部220Aと、前記脚骨部220Aと前記脚取付部221を接続する脚関節部220Bと、を備える。本実施形態の脚骨部220Aは、略直方体状に形成されている。そして、脚骨部220Aの下面部220Aaは、図1、2、4、5に示すように、下側の縁部X11(具体的には、地面)に当接される。そのため、本実施形態の脚骨部220Aは、下面部220Aaが平面状に形成されている。一方で、脚骨部220Aの上面部220Abには、脚関節部220Bが設けられている。
【0034】
脚関節部220Bは、脚取付部221と脚本体部220を接続する。具体的に、本実施形態の脚関節部220Bは、図2に示すように、内外方向で脚取付部221に軸止めされている。そのため、脚本体部220は、前記脚取付部221に対して左右方向に揺動可能に構成されている。
【0035】
脚取付部221は、脚本体部220を補強本体21に取り付ける。本実施形態の脚取付部221は、図1、2に示すように、略長尺体状に構成され、補強本体21の下端側で、前記連結部21cの取付孔211と重なるように軸止めされている。そのため、この脚取付部221を取付孔211の上下方向に摺動させることで、脚部22を上下方向にスライドできる。よって、本実施形態の補強部材2の他方側部2Bは、上下方向での長さを変えることができる。すなわち、本実施形態では、脚取付部221が補強本体21の取付孔211に軸止めされ、補強本体21の下端側に脚部22が取り付けられることで、補強部材2の他方側部2Bが構成されている。
【0036】
以上、本実施形態の補強部材2は、図1に示すように、他方側部2Bが左側の縁部X13に接近し、長尺方向が左側の縁部X13の長手方向に沿った収納状態と、図4に示すように、前記収納状態から前記他方側部2Bが左側の縁部X13から離れる方向に揺動する展開状態に切替可能に構成されている。
【0037】
また、本実施形態の補強部材2は、一方側部2Aを支点として他方側部2Bが開閉体7から離れる方向に傾動可能に構成されている。具体的には、補強本体21の下端側を内側に動かすことで、補強本体21の上端側が弾性部材201Bを、図2の左側の支持部材200B側に圧縮するため、図8に示すように、補強部材2の他方側が開閉体7から離れる方向に傾動できる。
【0038】
係止部3は、開閉体7に係止することにより開閉体7を補強する。この係止部3は、図2に示すように、前記補強部材2の一方側部2Aと他方側部2Bとの間に取り付けられている。本実施形態の係止部3は、補強本体21の中途位置において、開閉体7の方へ突設している。また、本実施形態の係止部3は、被係止部703の内側に係止する係止本体部30と、前記補強本体21に取り付けられる係止取付部31を備える。
【0039】
係止本体部30は、図3に示すように、基台30aと、クリップ部30bと、付勢部材30cを備える。基台30aは、一方の端部が後述する係止軸部310に取り付けられ、他方の端部にクリップ部30bが取付けられている。クリップ部30bは、上下の連結部701の間に内嵌する一対の爪部300を備える。
【0040】
爪部300は、図3、5に示すように、外縁が開閉体7の開閉面7aに垂直な軸から離れる方向に突出する基端側凸部300aと、前記基端側凸部300aから先端側に連続し、外縁が前記基端側凸部300aよりも前記垂直な軸側に近い先端側凹部300bと、先端に形成された先端部300cとを備える。前記先端部300cの外縁は、前記先端側凹部300bよりも前記垂直な軸から離れる方向に突出している。
【0041】
本実施形態においては、図3、6に示すように、対向する一対の爪部300の内縁に、付勢部材30cが挟まれている。この付勢部材30cは、爪部300の内縁から突出する付勢軸部300dに外嵌している。この付勢部材30cは、一対の爪部300の間隔を離す方向に付勢する圧縮ばねである。そのため、付勢部材30cは、爪部300の内縁を開閉体7の開閉面7aに垂直な軸から離れる方向に押す。よって、爪部300の間の距離は一定に保たれ、クリップ部30bは一定の幅に保たれている。
【0042】
係止部3は、図1に示すように、前記補強部材2が収納状態で開閉体7(具体的には、被係止部703)への係止を解除するように構成されている。本実施形態では、図1、3、7(a)に示すように、左側のクリップ部30bにおいて、上側の爪部300が右側に、下側の爪部300が左側に傾いている。また、補強部材2の収納状態において、先端側凹部300bの一部が上下の連結部701に当接し、先端部300cが連結部701よりも腹部700側に配置されることで、一対の爪部300(具体的には、先端側凹部300bと先端部300c)が上下の連結部701の間に嵌っている。なお、右側のクリップに部ついては、上側の爪部300が左側に、下側の爪部300が右側に傾いている。
【0043】
係止部3は、図4に示すように、補強部材2が展開状態のときに前記開閉体7に係止するように構成されている。本実施形態では、図6に示すように、補強部材2の展開状態で、一対の爪部300が上下方向で対向するとともに、先端側凹部300bの外縁全体が連結部701に当接する。また、先端部300cの外縁が左右方向に沿って配置されている。
【0044】
したがって、係止部3は、補強部材2の展開状態と収納状態の切替に伴い、開閉体7への係止と係止の解除を切替可能に構成されている。よって、係止本体部30は、補強部材2が展開状態で被係止部703に係止し、補強部材2が収納状態で被係止部703への係止を解除する。具体的には、係止本体部30は、開閉体7の被係止部703に対する向きが変わることで、被係止部703への係止と係止の解除を切り替える。そして、係止本体部30は、補強部材2の展開状態と収納状態との間の揺動によって、被係止部703に対する向きが変わる。
【0045】
本実施形態の係止本体部30は、開閉体7の被係止部703への係止が解除した状態において、該被係止部703に対して接近と離間を可能に構成されている。具体的には、図3、7(a)に示すように、補強部材2が直立状態(収納状態)のとき、一対の爪部300(具体的には、先端側凹部300bと先端部300c)が上下の連結部701の間に嵌っている。そのため、補強本体21の下端側を開閉体7よりも内側に動かすことで、係止本体部30も内側に動くため、図8に示すように、係止本体部30を被係止部703から抜くことができる。よって、補強部材2を傾動状態に切り替えることで、係止本体部30は、被係止部703から離間する。なお、被係止部703から抜けた係止本体部30において、付勢部材30cが一対の爪部300を開閉体7の開閉面7aに垂直な軸から離れる方向に押すことで、クリップ部30bの幅が大きくなる。
【0046】
一方で、補強部材2を傾動状態から直立状態に切り替えることに伴い、係止本体部30は、図2に示すように、被係止部703に嵌まる。具体的には、補強本体21の下端側を開閉体7側に近付けることで、一対の爪部300(具体的には、先端側凹部300bと先端部300c)が板部70側に近付く。そして、先端部300cが上下の連結部701にあたることで、一対の爪部300の間が近付き、クリップ部30bの幅が狭くなることで、付勢部材30cが収縮する。そして、一対の爪部300が連結部701の上下方向の間に内嵌する。すなわち、係止本体部30は、被係止部703への係止が解除された状態で被係止部703に接近する。
【0047】
係止取付部31は、図2、3に示すように、係止本体部30に取り付けられる係止軸部310と、係止部3が取付部210a(具体的には、挿通孔)の上下方向に動く状態を維持するための伸縮部材311を備える。係止軸部310は、左右方向の幅が前記補強本体21の取付部210aと略同一に構成され、前記挿通孔210aに挿通可能な軸部310aと、前記軸部310aを前記挿通孔210aに挿通した状態で固定する軸固定部310b(具体的には、ナット)と、を備える。本実施形態では、図3に示すように、軸部310aを前記挿通孔210aに挿通した状態で、軸固定部310bを軸部310aの先端側と基端側から固定することにより、係止軸部310が取付部210aに取り付けられている。なお、軸部310aのうち、挿通孔210aに挿入されている部分は四角柱状に形成されている。そのため、軸部310aが開閉体7の開閉面7aに垂直な軸を中心に回ることが防止される。
【0048】
伸縮部材311は、挿通孔210aに挿通された軸部310aを上下方向に移動させる。この伸縮部材311は、内外方向に延びる軸部310aより下側に配置されている。具体的に、この伸縮部材311は、一端が挿通孔210aを規定する連結部21cに固定され、他端が開口する筒状の下筒部311aと、一端が軸部310aに取り付けられ、他端側が前記下筒部311aに内嵌している筒状の上筒部311bと、下筒部311a及びこれに内嵌している上筒部311bの連通する筒内に収容され、伸びるように弾性する圧縮ばね311cと、から構成されている。そのため、本実施形態の伸縮部材311では、図3に示すように、連通する筒内で圧縮ばね311cが弾性することで、上筒部311bが上側に押し上げられることにより、軸部310aを支持している。
【0049】
補強部材2が収納状態のとき、係止取付部31は挿通孔210aの上側に配置される。具体的には、係止軸部310は、圧縮ばね311cの弾性により、上筒部311bが挿通孔210aの上側に押し上げられることにより、挿通孔210aの上側に配置されている。一方で、補強部材2が展開状態のとき、係止取付部31は挿通孔210aの下側に移動される。具体的には、補強部材2の他方側部2Bが、開閉体7の開閉面7aに沿って揺動することに伴い、挿通孔210aが左側の縁部X13から離れる方向に動きながら、上側に移動する。ところで、補強部材2が収納状態から展開状態に切り替わる際、係止軸部310は、図3、6に示すように、係止本体部30が上下の連結部701の間に嵌っているため、上側には移動しない。そのため、補強部材2が展開状態に切り替わる際は、挿通孔210aが上側に動くことにより、下筒部311aが上筒部311bに外嵌した状態で係止軸部310側に近付きながら、圧縮ばね311cを圧縮する。そのため、伸縮部材311が縮むと共に、係止軸部310が相対的に、挿通孔210aの下側に移動する。
【0050】
以上が、本実施形態の開閉体補強具1の構成の説明である。続いて、本実施形態の開閉体補強具1で開閉体7を補強する手順について説明する。
【0051】
本実施形態の開閉体補強具1で開閉体7を補強する場合は、係止部3を開閉体7に係止させる必要がある。そのためには、本実施形態の開閉体補強具1を、図1に示す状態から図4に示す状態に変化させる必要がある。具体的に、図1に示すように、本実施形態の開閉体補強具1が上下方向に沿って延びる状態のとき、補強部材2は収納状態にある。そして、補強部材2が収納状態のとき、係止本体部30は、被係止部703への係止が解除された状態にある。そのため、他方側部2Bを開閉面7aの面方向に沿って左側の縁部X13から離れる方向に揺動することで、補強部材2を展開状態に切り替え、係止本体部30を被係止部703に係止させる。
【0052】
本実施形態では、図1、2に示すように、補強部材2の収納状態において、脚骨部220Aの下面部220Aaは下側の縁部X11(具体的には、床面)に当接している。そのため、まず、脚部22を補強本体21の上側にスライドさせて、補強部材2の他方側部2Bを上下方向で短くする。
【0053】
続いて、補強部材2の他方側部2Bを、開閉体7の開閉面7aの面方向に沿って、左側の縁部X13から離れる方向(具体的には、右の縁部側)に揺動させる。ここで、本実施形態では、図2に示すように、開閉面7aに垂直な支持軸201Aaが連結部21cの貫通孔に挿通することにより、補強本体21が支持部20に支持されている。そのため、補強本体21の下端側を右側の縁部X12に向かうように揺動させることで、補強部材2の他方側部2Bが右側の縁部X12側に揺動する。
【0054】
ところで、本実施形態では、前記補強部材2の他方側部2Bの揺動に伴い、補強部材2に取り付けられる係止部3も揺動する。具体的に、図1、3、7(a)に示すように、補強部材2が収納状態のとき、上下の連結部701の間に内嵌した一対の爪部300は、上側の爪部300が右側に傾き、下側の爪部300が左側に傾いた状態にある。そして、先端側凹部300bの一部が上下の連結部701に当接し、先端部300cが連結部701よりも腹部700側に配置されている。その状態から、前記補強部材2の揺動に伴い、係止本体部30が右の縁部側に動くとともに、一対の爪部300が被係止部703に対して反時計回りに回動し、上下方向で対向する。これにより、図7(b)に示すように、付勢部材30cが付勢してクリップ部30bの幅を広がり、先端側凹部300bの外縁全体が連結部701に当接し、先端部300cの外側が左右方向に沿うように延びる。このようにして、係止本体部30が被係止部703に係止を解除した状態から係止した状態に切り替える。
【0055】
ここで、本実施形態では、図4に示すように、前記補強部材2の他方側部2Bの揺動に伴い、挿通孔210aが左側の縁部X13から離れる方向に動きながら、上側に動く。一方で、一対の爪部300が上下の連結部701の間に内嵌しているため、係止部3は上側に移動しない。よって、図6に示すように、前記補強部材2の他方側部2Bの揺動に伴い、挿通孔210aの下面が伸縮部材311を圧縮しながら係止軸部310側に近付くことにより、係止軸部310が相対的に、挿通孔210aの下側に配置される。
【0056】
その後、脚部22をスライドして、補強部材2の他方側部2Bを長くする。そして、脚骨部220Aの下面部220Aaを地面と当接させるため、脚関節部220Bを支点として、脚本体部220を開閉体7の面に沿って揺動させる。これにより、本実施形態の開閉体補強具1を図1に示す状態から図4に示す状態に変化できる。よって、係止本体部30が被係止部703に係止するため、本実施形態の開閉体補強具1で開閉体7を補強できる。なお、開閉体補強具1を図4に示す状態から図1に示す状態に変化させる場合は、上記手順と逆の手順行う。
【0057】
続いて、直立状態の補強部材2を傾動状態に切り替える場合について説明する。
【0058】
本実施形態において、例えば、内側と外側をつなぐ場合は、開閉体7をスライドさせる必要がある。ここで、補強部材2が直立状態のとき、係止本体部30は係止が解除された状態で開閉体7の被係止部703に嵌っている。そのため、開閉体7をスライドする場合、直立状態にある補強部材2を傾動状態に切り替え、係止本体部30を被係止部703から抜く必要がある。
【0059】
直立状態の補強部材2を傾動状態に切り替える場合、まず、脚部22をスライドさせて、補強部材2の他方側部2Bを短くする。その後、一方側部2Aを支点として、他方側部2Bを開閉体7から離れる方向に傾動させる。本実施形態では、補強本体21の上端側が弾性部材201Bを図2、8に示す左の支持部材200B側に圧縮しながら、補強本体21の下端側を内側に動かす。
【0060】
このとき、係止本体部30が被係止部703から離れる。具体的に、係止部3による被係止部703への係止が解除された状態では、図7(a)に示すように、上側の爪部300が右側に傾き、下側の爪部300が左側に傾いた状態にある。また、先端側凹部300bの一部が上下の連結部701に当接し、先端部300cが連結部701よりも腹部700側には配置されることで、一対の爪部300(具体的には、先端側凹部300bと先端部300c)が上下の連結部701の間に嵌っている。そのため、補強本体21の下方側が内側に動くことにより、一対の爪部300も内側に動くため、係止本体部30は被係止部703から抜ける。その後、付勢部材30cが付勢してクリップ部30bの幅を広げる。
【0061】
ここで、本実施形態では、伸縮部材311が挿通孔210aに挿入されている。そのため、図8に示すように、伸縮部材311が伸びることで、被係止部703から抜けた後において、係止軸部310と係止本体部30は挿通孔210aの下側に下がることが防止される。
【0062】
最後に、軸を取付孔211の下側にスライドさせることで脚部22を伸ばし、補強部材2を長くするとともに、脚骨部220Aの下面部220Aaを下側の縁部X11(床面)に当接させる。このようにして、本実施形態では、直立状態の補強部材2を傾動状態に切り替える。一方で、傾動状態の補強部材2を直立状態に切り替える際には、上記手順と逆の手順を行う。
【0063】
ここで、傾動状態の補強部材2を直立状態に切り替える場合、係止部3は開閉体7に接近する方向に動く。このとき、先端部300cが上下の連結部701にあたることで、一対の爪部300の間が近付き、クリップ部30bの幅が狭くなることで、付勢部材30cが収縮する。よって、一対の爪部300が連結部701の上下方向に内嵌する。したがって、係止本体部30が被係止部703への係止を解除された状態で被係止部703に嵌る。
【0064】
以上、本実施形態の開閉体補強具1によれば、前記他方側部2Bが開閉面7aに沿って、前記左側の縁部X13から離れる方向に揺動することで、前記補強部材2が前記収納状態から前記展開状態に切り替わるため、前記係止部3が前記開閉体7に係止でき、前記開閉体7の撓みを防止できる。具体的には、補強部材2を収納状態から展開状態に切り替えた際に、係止を解除した状態の係止本体部30が被係止部703に係止するため、被係止部703としての板部70が撓むことを防止できる。
【0065】
また、本発明の開閉体補強具1は、前記補強部材2の展開状態と収納状態の切替に伴い、前記係止部3が前記開閉体7への係止と該係止の解除を切替可能に構成されるため、作業者は、前記補強部材2の状態を切り替えるだけで、前記係止部3の前記開閉体7への係止と該係止の解除を切り替えることができる。
【0066】
また、本発明の開閉体補強具1によれば、前記補強部材2が展開状態で、前記係止本体部30が前記被係止部703に係止し、前記補強部材2が収納状態で、前記係止本体部30が前記被係止部703への係止を解除するように構成されるため、作業者は、前記補強部材2の状態を切り替えるだけで、前記係止本体部30の前記被係止部703への係止と該係止の解除を切り替えることができる。
【0067】
また、図6図7に示すように、係止本体部30が被係止部703に係止した状態では、先端側凹部300bが連結部701に当接し、先端部300cが連結部701よりも腹部700側に配置される。そのため、例えば、開閉体7が外側に動くときは、連結部701が凹部内の先端凸部に当たるので、係止部3が開閉体7から外れることを防止できる。一方で、開閉体7が内側に動くときには、連結部701が基端側凸部300aに当たるので、係止部3が開閉体7から外れることを防止できる。
【0068】
本実施形態の開閉体補強具1は、直立状態(収納状態)から傾動状態に切り替えることができるため、開閉体7をスライドさせて開口した際に、開閉体補強具1は縁部側に配置されるため、開閉体補強具1が開口Yを通る作業者などの妨げになることを防止できる。
【0069】
図8に示すように、補強部材2の他方側部2Bを開閉体7から離れる方向に揺動させることで、係止部3を開閉体7の被係止部703から取り外すことができるため、開口Yを開閉するに際して、係止部3が開閉体7のスライドの妨げなることを防止できる。
【0070】
図1、4、8に示すように、補強部材2がいずれの状態にあるときも、脚部22が延びて、脚骨部220Aの下面部220Aaが地面に面するため、補強部材2が作業者の意図しない揺動を行う事を防止できる。
【0071】
また、本実施形態では、係止取付部31が備える伸縮部材311が、下筒部311aと、該下筒部311aに内嵌している上筒部311bと、前記下筒部311aと上筒部311bの連通する筒内で弾性する圧縮ばね311cと、から構成されているため、図8に示すように、収納状態の補強部材2の他方側部2Bを開閉体7から離れる方向に揺動させ、係止本体部30を被係止部703から抜いた場合、圧縮ばね311cの弾性により、伸びた伸縮部材311が係止軸部310を支えるため、係止軸部310が挿通孔210aの下側に下がることを防止できる。
【0072】
係止部3は凹部に対して収納状態で係止を解除し、展開状態で係止するため、前記開閉体補強具1の状態を切り替えることに伴って、係止部3と開閉体7の係止と係止の解除が連動するため、作業者は開閉体7を揺動させるだけで係止部3の係止と係止の解除を切り替えることができる。
【0073】
本実施形態の開閉体補強具1において、揺動可能な他方側部2Bが下側に取り付けられているため、作業者は補強部材2を揺動させやすい。
【0074】
また、本実施形態の開閉体補強具1では、補強部材2が展開状態のとき、先端側凹部300bの外縁の全体が連結部701に当接し、先端部300cの外縁が前記連結部701よりも腹部700側で左右方向に沿って配置されている。そのため、例えば、台風などにより開閉体7が外側に引っ張られたときでも、連結部701が先端部300cに当接するため、開閉体7が外側に撓むことを防止できる。一方で、開閉体7を内側に押すような風が吹いた際には、連結部701が基端側凸部300aに当接するため、開閉体7が内側に撓むことを防止できる。
【0075】
なお、本発明の開閉体補強具1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々の変更を加えることができるのは勿論である。
【0076】
上記実施形態では、図1に示すように、開閉体補強具1が左右両方に配置されている場合について説明したが、例えば、開閉体補強具1は、右側又は左側の一方にのみ配置されていてもよい。また、上記実施形態では、一方側部2Aが左側の縁部X13の上側に配置されている場合について説明したが、これに限らず、一方側部2Aは左側の縁部X13の中途部分又は下側に配置されていてもよい。
【0077】
上記実施形態では、開閉体補強具1が内側から開閉体7を補強する場合について説明したが、これに限らず、例えば、開閉体補強具1は開閉体7を外側から補強し、又は内側と外側の両方から補強してもよい。
【0078】
上記実施形態では、補強部材2の他方側部2Bが一方側部2Aよりも下側に配置されていたが、これに限らず、例えば、他方側部2Bが一方側部2Aよりも上側に配置されていてもよい。
【0079】
上記実施形態では、補強部材2を左側の縁部X13(又は右側の縁部X12)の近傍に枢支する場合について説明したが、これに限定されず、補強部材2を上側又は下側の縁部X11に枢支することもできる。具体的には、例えば、上側の縁部X10の左端に配置された支持部20が補強本体21の左端を支持し、開閉体7の開閉面7aに沿って、補強本体21の右端が上側の縁部X10から離れる方向に揺動することで展開状態に切り替えるように構成されていてもよい。また、この場合、被係止部703は、上下方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とするように構成されていることが考えられる。
【0080】
上記実施形態では、図1図7に示すように、収納状態や係止部3を取り外した状態において、脚部22(具体的には、脚骨部220A)が地面に当接するように構成されていたが、これに限らず、例えば、開閉体補強具1は脚部22を備えず、補強部材2は、収納状態及び展開状態において、地面に当接しないように構成されていてもよい。
【0081】
上記実施形態では、上下方向で伸縮可能な脚部22について説明したが、例えば、脚部22は、上記構成に加えて、伸縮した脚部22を固定する固定機構を備えてもよい。これにより、脚部22を伸縮した状態で固定できるため、例えば、図1に示す収納状態において、脚部22を短くさせた後、補強部材2を展開状態にする際において、脚部22を固定機構で固定させることにより、作業者の意図しない脚部22の伸びが補強部材2の揺動の妨げになることを防止できる。
【0082】
上記実施形態では、係止部3が爪部300、被係止部703が凹状の板部70としたが、これに限らず、例えば、係止部3が凹部、被係止部703が凸部(爪部300)であってもよい。すなわち、上記実施形態では、係止本体部30が被係止部703に内嵌することにより、係止部3が開閉体7に係止する場合について説明したが、これに限らず、係止本体部30が被係止部703に外嵌するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1:開閉体補強具、2:補強部材、3:係止部、30:係止本体部、X:構造物、7:開閉体、70:板部、703:被係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8