(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103844
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】体温測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/01 20060101AFI20220701BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220701BHJP
G01K 13/20 20210101ALI20220701BHJP
【FI】
A61B5/01 100
A61B5/00 102A
G01K13/20 361D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218733
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】520371574
【氏名又は名称】株式会社グッドケア
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】束原 幸俊
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB01
4C117XE48
4C117XG34
4C117XG40
(57)【要約】 (修正有)
【課題】正対した被測定者の体温を測定して表示する体温測定装置において、被測定者の体温を表示する表示画面を、被測定者と正対する場所とは別の場所でも視認可能とすることにより、被測定者の体温を把握したい別人がその把握を容易にできる体温測定装置を提供する。
【解決手段】被測定者に向けて被測定者の体温を表示する被測定者用表示器20と、被測定者の体温を把握したい監視者に向けて設けられ、前記被測定者用表示器20で表示されるのと同じ体温を表示する監視者用表示器30とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正対した被測定者の体温を測定して表示する体温測定装置であって、
被測定者に向けて被測定者の体温を表示する被測定者用表示器と、
被測定者の体温を把握したい監視者に向けて設けられ、前記被測定者用表示器で表示されるのと同じ体温を表示する監視者用表示器とを備える
体温測定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記被測定者用表示器及び前記監視者用表示器は、一体に構成され、前記被測定者用表示器及び前記監視者用表示器は、それぞれの表示面を互いに反対向きとされている
体温測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体温測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、不特定多数の人を受け入れる施設では、入場者の健康状態を把握するため、入場者の体温をチェックする場合がある。このとき非接触型の放射温度計を用いた体温測定装置が使用されることが多い(特許文献1参照)。係る体温測定装置は、内蔵のカメラにより被測定者(入場者)を撮影して表示画面に映し、被測定者の映像がカメラに正対した状態で表示画面内の決められた位置に入ったとき、カメラと一体化された放射温度計により被測定者の体温を測定し、その体温を表示画面内に表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記体温測定装置では、体温を表示する表示画面が被測定者に正対しているため、被測定者は、自らの体温を知ることができるが、体温を把握したい施設側の係員は、体温を把握するためには、表示画面が見える位置に移動するか、被測定者から体温を聞き取る必要がある。
【0005】
本発明の課題は、正対した被測定者の体温を測定して表示する体温測定装置において、被測定者の体温を表示する表示画面を、被測定者と正対する場所とは別の場所でも視認可能とすることにより、被測定者の体温を把握したい別人がその把握を容易にできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1発明は、正対した被測定者の体温を測定して表示する体温測定装置であって、被測定者に向けて被測定者の体温を表示する被測定者用表示器と、被測定者の体温を把握したい監視者に向けて設けられ、前記被測定者用表示器で表示されるのと同じ体温を表示する監視者用表示器とを備える。
【0007】
第1発明によれば、被測定者は、自らの体温を被測定者用表示器により把握することができ、被測定者の体温を把握したい監視者は、監視者に向けて表示する監視者用表示器により被測定者の体温を把握することができる。そのため、被測定者の体温を把握したい監視者が被測定者用表示器の表示により被測定者の体温を把握するために移動するようなことを不要とし、被測定者から体温を聞き取ることも不要とすることができる。従って、監視者は、被測定者の体温を容易、且つ確実に把握することができる。
【0008】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記被測定者用表示器及び前記監視者用表示器は、一体に構成され、前記被測定者用表示器及び前記監視者用表示器は、それぞれの表示面を互いに反対向きとされている。
【0009】
第2発明によれば、被測定者と監視者が互いに向き合う関係となる場合には、被測定者及び監視者は、被測定者用表示器及び監視者用表示器に表示される被測定者の体温をそれぞれ正面で見ることができる。また、被測定者用表示器及び監視者用表示器が一体に構成されているため、装置全体をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】第1実施形態の被測定者用表示器の正面図である。
【
図3】第1実施形態の監視者用表示器の正面図である。
【
図4】第1実施形態の電気回路を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第2実施形態の監視者用表示器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態の構成>
図1は、本発明の第1実施形態である体温測定装置100を示す。体温測定装置100は、支持台10により被測定者用表示器20と監視者用表示器30とが互いに反対向きに支持して構成されている。被測定者用表示器20及び監視者用表示器30は、共に表示面20a、30aが互いに反対側の斜め上方に向けて支持されている。従って、被測定者用表示器20及び監視者用表示器30は、被測定者と監視者が体温測定装置100を挟んで向き合っている場合、被測定者と監視者の間に挟んで使用される。また、被測定者用表示器20及び監視者用表示器30は、支持台10に対し、それぞれ自在継手11、12を介して固定されている。そのため、被測定者用表示器20及び監視者用表示器30は、それぞれの表示面20a、30aの方向を任意に調整可能とされている。
【0012】
図2は、被測定者用表示器20の表示面20a側を示す。その表示面20aでは、被測定者用ディスプレイ21が多くの面積を占めている。被測定者用ディスプレイ21の上方には、放射温度計を成す温度センサ22、発光ダイオードによるライト23、CCDイメージセンサを用いたイメージセンサ24が設けられている。また、被測定者用ディスプレイ21の下方には、距離センサ25が設けられている。なお、温度センサ22、ライト23、及びイメージセンサ24は、同機能の別種類のものを用いてもよい。
【0013】
図3は、監視者用表示器30の表示面30a側を示す。その表示面30aの全体が監視者用ディスプレイ31とされている。
【0014】
図4は、体温測定装置100の電気回路を示す。制御回路40には、温度センサ22、イメージセンサ24、距離センサ25の各信号が取り込まれている。一方、制御回路40は、被測定者用ディスプレイ21、監視者用ディスプレイ31、ライト23に作動信号を出力している。
【0015】
被測定者用表示器20の前に被測定者が来て、その姿をイメージセンサ24が捉えると、制御回路40は、被測定者用ディスプレイ21及び監視者用ディスプレイ31に、イメージセンサ24が撮影した被測定者の画像を被測定者画像21b及び31aとしてそれぞれ表示する。同時に、制御回路40は、ライト23を発光させて、被測定者の顔を明るく照らす。更に、制御回路40は、距離センサ25からの信号により被測定者用表示器20から被測定者までの距離を検出する。その検出距離が、温度センサ22が被測定者の額付近の体温を測定するのに適した距離となると、温度センサ22により被測定者の体温を測定する。距離センサ25による検出距離が、温度センサ22が被測定者の体温を測定するのに適した距離となると、被測定者用ディスプレイ21の表示枠21a内に被測定者の顔が丁度収まるように設定されている。従って、被測定者は、自らの顔が表示枠21a内に収まるように被測定者用表示器20に対する距離を調整することにより、体温の測定が可能となる。温度センサ22によって測定された被測定者の体温は、被測定者用ディスプレイ21内で体温表示21cとして表示される。同時に、被測定者の体温は、監視者用ディスプレイ31内で体温表示31bとして表示される。
【0016】
<第1実施形態の作用、効果>
第1実施形態によれば、被測定者は、正対する被測定者用表示器20の被測定者用ディスプレイ21内で体温表示21cにより自らの体温を把握することができる。また、被測定者の体温を把握したい監視者は、監視者に向けて表示する監視者用表示器30の監視者用ディスプレイ31内で体温表示31bにより被測定者の体温を把握することができる。そのため、被測定者の体温を把握したい監視者が被測定者用表示器20の表示により被測定者の体温を把握するために移動するようなことを不要とし、被測定者から体温を聞き取ることも不要とすることができる。従って、監視者は、被測定者の体温を容易、且つ確実に把握することができる。
【0017】
また、監視者用表示器30の監視者用ディスプレイ31には、体温表示31bと同時に被測定者画像31aも表示される。そのため、被測定者とその体温とを確認しながら被測定者の体温を把握することができる。
【0018】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態である体温測定装置100の監視者用表示器130を示す。第2実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、第1実施形態の監視者用表示器30を監視者用表示器130に置換した点である。その他の構成は、第2実施形態においても第1実施形態と同一であり、同一構成についての再度の説明は省略する。
【0019】
第1実施形態の監視者用表示器30が監視者用ディスプレイ31に体温表示21cと共に被測定者の被測定者画像21bを表示しているのに対し、第2実施形態の監視者用表示器130では、表示面130aの監視者用ディスプレイ131に体温表示131aのみを表示するようにしている。そのため、第2実施形態では、第1実施形態に比べて監視者用表示器130を小型化することができる。
【0020】
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態である体温測定装置200を示す。第3実施形態が第1実施形態に対して特徴とする点は、第1実施形態において独立して構成されていた被測定者用表示器20と監視者用表示器30を一体化した点である。それに応じて支持台210の構成も変更されている。その他の構成は、第3実施形態においても第1実施形態と同一であり、同一構成についての再度の説明は省略する。
【0021】
図6のように、体温測定装置200は、一体型表示器250を備える。一体型表示器250は、表裏両面が表示面250a、250bとされ、支持台210により支持されている。表示面250aには、被測定者用ディスプレイ221が設けられている。また、表示面250bには、図示を省略したが、監視者用ディスプレイが設けられている。監視者用ディスプレイは、第1実施形態における監視者用ディスプレイ31と同様に構成されている。
【0022】
被測定者用ディスプレイ221の上方には、放射温度計を成す温度センサ222、発光ダイオードによるライト223、イメージセンサ224が設けられている。ライト223は、左右方向の両端に一対設けられている。また、被測定者用ディスプレイ221の下方には、距離センサ225が設けられている。
【0023】
被測定者用ディスプレイ221は、表示面250aの中で多くの面積を占めている。被測定者用ディスプレイ221は、イメージセンサ224が撮影した被測定者画像221bを表示する。また、被測定者用ディスプレイ221は、被測定者画像221bを縁取るように表示枠221aを表示する。表示枠221aは、距離センサ225によって検出される被測定者との距離が温度センサ222により被測定者の体温測定に適した距離となると、被測定者画像221bを縁取る位置となる。従って、被測定者は、自らの被測定者画像221bを縁取る位置に表示枠221aが表示されるように一体型表示器250に対する自らの距離を調整することにより、体温の測定が可能となる。温度センサ222によって測定された被測定者の体温は、被測定者用ディスプレイ221内で体温表示221cとして表示される。同時に、被測定者の体温は、表示面250bにも表示される。
【0024】
第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果を達成することができる。しかも、体温測定装置200は、一体型表示器250の表裏両面が表示面250a、250bとされ、表示面250a、250bに被測定者用ディスプレイ221、監視者用ディスプレイがそれぞれ設けられている。そのため、装置全体をコンパクトに構成することができる。
【0025】
<第4実施形態>
図7は、本発明の第4実施形態である体温測定装置300を示す。第4実施形態が第3実施形態(
図6参照)に対して特徴とする点は、体温測定装置300を2つ折りに折り畳み可能な一体型表示器350により構成した点である。その他の構成は、第4実施形態においても第3実施形態と同一であり、同一構成についての再度の説明は省略する。
【0026】
図7のように、一体型表示器350は、2つ折りに折り畳まれて、折り畳みの両外側に表示面350a、350bが形成されている。表示面350aには、被測定者用ディスプレイ321が設けられている。また、表示面350bには、監視者用ディスプレイ(図示略)が設けられている。各表示面350a、350bは、第3実施形態の各表示面250a、250bと同様に構成されている。表示面350aの各構成部材には、第3実施形態の表示面250aにおいて対応する各構成部材の符合に「100」を足した符号を付している。
【0027】
第4実施形態においても、第3実施形態と同様の作用、効果を達成することができる。
【0028】
<他の実施形態>
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、上記実施形態では、被測定者用ディスプレイと監視者用ディスプレイとは、互いに反対方向に向けて表示するようにしたが、互いに異なる方向であれば、方向は特定されない。また、上記実施形態では、被測定者用ディスプレイに被測定者画像と体温とを表示したが、体温のみを表示し、被測定者画像を表示しない構成としてもよい。更に、上記実施形態では、被測定者用表示器において、温度センサ、ライト、イメージセンサ、及び距離センサを被測定者用ディスプレイと一体としたが、それぞれの一部若しくは全てが別体とされてもよい。
【符号の説明】
【0029】
100、200、300 体温測定装置
10、210 支持台
11、12 自在継手
20 被測定者用表示器
20a 表示面
21、221、321 被測定者用ディスプレイ
21a、221a、321a 表示枠
21b、221b、321b 被測定者画像
21c、221c、321c 体温表示
22、222、322 温度センサ
23、223、323 ライト
24、224、324 イメージセンサ
25、225、325 距離センサ
30、130 監視者用表示器
30a、130a 表示面
31、131 監視者用ディスプレイ
31a 被測定者画像
31b、131a 体温表示
40 制御回路
250、350 一体型表示器
250a、250b、350a、350b 表示面