(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103845
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20220701BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20220701BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20220701BHJP
E05F 15/71 20150101ALI20220701BHJP
E05F 15/72 20150101ALI20220701BHJP
【FI】
G08B25/00 510F
G08B21/10
H04M11/04
E05F15/71
E05F15/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218734
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】田代 達一郎
(72)【発明者】
【氏名】倉林 慶太
【テーマコード(参考)】
2E052
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052AA04
2E052BA04
2E052EA00
2E052EB01
2E052GA05
2E052GC02
2E052GC06
2E052GD03
2E052KA08
2E052KA27
5C086AA12
5C086AA13
5C086AA32
5C086BA01
5C086BA13
5C086DA15
5C086EA08
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA10
5C087AA19
5C087BB11
5C087BB18
5C087DD02
5C087DD20
5C087DD37
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF03
5C087FF13
5C087GG08
5C087GG12
5C087GG14
5C087GG19
5C087GG22
5C087GG36
5C087GG59
5C087GG70
5C087GG83
5K201BA03
5K201CC08
5K201EB06
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED08
(57)【要約】
【課題】気象及び地震の少なくともいずれかに応じた対策を行うことできる情報処理システムを提供することである。
【解決手段】気象及び地震のいずれかまたは両方に関する情報に基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する第1判定部と、前記所定の条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して通信端末にアラームを通知可能な通知部と、前記所定の条件が成立したと判定された場合には、建物に設置された1つ以上の装置を動作させる動作条件が成立するか否かを判定する第2判定部と、前記動作条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して1つ以上の前記装置に対して、予め設定された非常事態時の動作を実行させる制御部と、を備える、情報処理システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気象及び地震のいずれかまたは両方に関する情報に基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する第1判定部と、
前記所定の条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して通信端末にアラームを通知可能な通知部と、
前記所定の条件が成立したと判定された場合には、建物に設置された1つ以上の装置を動作させる動作条件が成立するか否かを判定する第2判定部と、
前記動作条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して1つ以上の前記装置に対して、予め設定された非常事態時の動作を実行させる制御部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記動作条件が成立したと判定された場合には、1つ以上の前記装置に対して蓄電、貯水及び貯湯の少なくともいずれかの動作を前記非常事態時の動作として実行させる、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1判定部によって前記所定の条件の成立が解除された場合には、前記非常事態時の動作を停止する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記装置は、前記建物に設けられた開閉体を開閉する装置であって、
前記制御部は、前記動作条件が成立した場合には、1つ以上の前記開閉体を前記非常事態時の動作として開状態または閉状態のいずれかの状態に動作させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1判定部によって前記所定の条件の成立が解除された場合には、前記開閉体を前記非常事態時の動作を実行する前の状態に戻す、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記所定の条件が断水及び停電の少なくともいずれかの事態が起こる可能性を示す第1条件と、建物の安全性に影響を及ぼす可能性を示す第2条件とを含み、
前記制御部は、前記第1条件が成立した場合には、前記動作条件が成立したことを条件として、蓄電池による蓄電、浴槽への貯水及び貯湯器による貯湯の少なくともいずれかの動作を実行させ、
前記制御部は、前記第2条件が成立した場合には、前記動作条件が成立したことを条件として、住宅に設けられた開閉体を開状態または閉状態のいずれかの状態に動作させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記制御部と1つ以上の前記装置とを接続するゲートウェイをさらに備え、
前記ゲートウェイは、1つ以上の前記装置と通信する、
請求項1から請求項6いずれか一項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
家や病院などの建物には、窓やシャッターなどの開閉体や給湯器などの様々な装置が設けられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
大雨や暴風などが発生する場合には、ユーザは、窓やシャッターを閉めて大雨や暴風から建物を守るための対策を行う必要がある。大雨や暴風、地震などが発生した場合には断水や停電などの災害が発生する可能性がある。ユーザは、大雨や暴風、地震などが発生した場合には、災害が発生することを想定して事前に建物内において水や電気などを確保する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザは、建物にどのような装置が設置されているのかを把握していない場合がある。ユーザが外出中である場合には、建物に設置された装置を動作させることが困難である場合がある。その結果、気象又は地震に応じた対策を行うことができない場合がある。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、気象及び地震の少なくともいずれかに応じた対策を行うことできる情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、気象及び地震のいずれかまたは両方に関する情報に基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する第1判定部と、前記所定の条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して通信端末にアラームを通知可能な通知部と、前記所定の条件が成立したと判定された場合には、建物に設置された1つ以上の装置を動作させる動作条件が成立するか否かを判定する第2判定部と、前記動作条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して1つ以上の前記装置に対して、予め設定された非常事態時の動作を実行させる制御部と、を備える、情報処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の第1の装置群の緊急事態動作のフローチャートである。
【
図3】本実施形態の第2の装置群の緊急事態動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る情報処理システムを、図面を用いて説明する。
【0010】
本実施形態に係る情報処理システム1は、家、病院、介護施設などの建物100に設置された複数の装置200を無線で遠隔操作するシステムである。
【0011】
例えば、複数の装置200は、大別して、第1の装置群210と第2の装置群220とに分類される。第1の装置群210は、例えば断水や停電などの災害時において情報処理システム1が遠隔操作するグループである。例えば、第1の装置群210は、蓄電池200-1、給湯器200-2、及び浴槽装置200-3などである。蓄電池200-1は、建物100に設置された発電装置(例えば、太陽光発電)が発電した電力を蓄電したり、商用電力を蓄電したりする。給湯器200-2は、湯を沸かして給湯したり、貯湯したりする。浴槽装置200-3は、湯を浴槽に溜めることできる。浴槽装置200-3は、浴槽を洗浄する機能を有してもよい。
【0012】
例えば、第2の装置群220は、大雨や暴風が発生する場合などに情報処理システム1が遠隔操作するグループである。第2の装置群220は、窓やシャッターカーテンなどの開閉体を開閉する装置を含む。例えば、第2の装置群220は、電動シャッター装置200-4、電動開閉窓装置200-5、電動シェード装置200-6及び電動カーテン装置200-7を備える。電動シャッター装置200-4は、シャッターを電動で開閉する装置である。電動開閉窓装置200-5は、窓を電動で開閉する装置である。この窓とは、天窓を含む。電動シェード装置200-6は、窓の室外側に設けられるシェードを開閉する装置である。なお、電動シェード装置200-6は、シェードの他にオーニングを開閉してもよい。電動カーテン装置200-7は、窓に設けられるカーテンやブラインドを開閉する装置である。
【0013】
本実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例について説明する。
図1に示すように、情報処理システム1は、ゲートウェイ10、通信端末20及び情報処理装置30を備える。
【0014】
ゲートウェイ10は、情報処理装置30と1つ以上の装置200とを接続する。例えば、ゲートウェイ10は、中継器を介さずに1つ以上の装置200と直接的に無線通信する。ゲートウェイ10は、中継器を介さずに複数の装置200と情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。例えば、ゲートウェイ10は、複数の装置200と第1ネットワークNW1に接続し、情報処理装置30と第2ネットワークNW2を介して接続される。ただし、これに限定されず、ゲートウェイ10は、中継器を介して装置200と接続してもよい。
【0015】
第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、BLE等を用いてもよい。
【0016】
本実施形態では、一例として第1ネットワークNW1と第2ネットワークNW2とは、異なる通信ネットワークである。例えば、第1ネットワークNW1は、Wi-FiやBLEである。例えば、第2ネットワークNW2は、無線LANである。
【0017】
通信端末20は、情報処理装置30に対して無線又は有線で通信を行うことにより情報を送受する。通信端末20は、建物100の内部又は外部に設けられる。本実施形態では、通信端末20は、情報処理装置30に対して第3ネットワークNW3を介して無線通信する。第3ネットワークNW3は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第3ネットワークNW3は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第3ネットワークNW3は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee、Wi-Fi、BLE等を用いてもよい。なお、第3ネットワークNW3は、第2ネットワークNW2と同じネットワークであってもよい。
【0018】
通信端末20は、例えば、ユーザが携帯可能な携帯情報端末である。例えば、通信端末20は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末及びノートパソコンのいずれかである。通信端末20は、ウェアラブル端末等であってもよい。通信端末20は、ユーザが携帯可能であるか否かには特に限定されない。例えば、通信端末20は、コンピュータであってもよい。以下の説明では、通信端末20が携帯情報端末である場合について説明する。
【0019】
通信端末20は、操作部21、表示部22及び処理部23を備える。
【0020】
操作部21は、ユーザにより操作される。操作部21は、ユーザによる操作を受け付けると、その受け付けた操作に応じた操作信号を処理部23に出力する。例えば、操作部21は、タッチパネルやボタンなどである。本実施形態の一例では、操作部21は、表示部22と一体で構成されているタッチパネルである。
【0021】
表示部22は、情報を表示する。例えば、表示部22は、タッチパネル式の表示画面を備えている。
【0022】
処理部23は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部23は、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30から得られた情報を表示部22に表示する。処理部23は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部23は、操作部21から得られた操作信号に応じた情報を、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30に送信する。例えば、処理部23の機能は、事前にインストールされたアプリケーションによって実行される。
【0023】
処理部23は、アプリケーションが起動すると、情報処理装置30から情報を取得する。処理部23は、建物100に設置された複数の装置200の情報(以下、「装置情報」という。)を表示部22に表示可能である。装置情報とは、装置200のエラーの有無、装置200が稼働しているか否かの情報、開閉体の開閉状態などである。装置情報は、蓄電池が蓄電している電力量、浴槽内に湯が溜まっているか否か、給湯機内の貯湯量などの情報を含んでもよい。
【0024】
本実施形態に係る情報処理装置30の概略構成の一例について説明する。情報処理装置30は、取得部31、格納部32、第1判定部33、通知部34、第2判定部35、及び制御部36を備える。情報処理装置30は、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。
【0025】
取得部31は、建物100が設置されている地域の気象及び地震のいずれかまたは両方に関する情報を取得する。例えば、取得部31は、建物100を含む地域の気象情報及び地震情報のいずれか又は両方の情報を公開している外部のサーバにアクセスすることで、その気象情報及び地震情報の少なくともいずれかを取得する。例えば、外部のサーバとは、気象庁及び気象庁以外の企業の少なくともいずれかが運用しているサーバである。
【0026】
気象情報は、現在の時刻tから先の複数の時刻である予測時刻t+1,…,t+nと、その複数の予測時刻t+1,…,t+nごとの地域の気象の予測情報K(K+1,…,K+n)とが、対応付けられた情報を含む。気象の予測情報とは、例えば、気温、湿度、気圧、雨量及び風速の少なくとも一つの予測値を含む。気象の予測情報は、天気の予測であってもよい。天気とは、晴れ、曇り、雨、雪のような気象状態である。気象情報とは、大雨注意報、暴風注意報などの気象に関する注意報を含んでもよい。
【0027】
地震情報は、建物100が設置されている地域に地震があったことを示す地震速報を含み、その地域の震度の情報を含んでもよい。
【0028】
格納部32には、取得部31で取得された気象情報や地震情報が格納されてもよい。格納部32には、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」という。)が格納されている。ユーザ情報とは、情報処理装置30が提供するサービスを利用するユーザの情報である。ユーザ情報は、予め格納部32に登録されている。例えば、ユーザ情報は、認証情報と建物情報とがユーザごとに対応付けられている。認証情報とは、通信端末20が第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30にログインするための情報である。例えば、認証情報は、ユーザの識別情報(例えば、ID)とパスワードとを有する。建物情報は、建物100を識別する情報である。例えば、複数の建物100-1~建物100-nのうち、ユーザが建物100-mを利用する者である場合には、そのユーザの認証情報と、建物情報10-mとが対応付けられている。建物100-mを利用する者とは、建物100-mに住んでいる者や建物100を管理する者である。
【0029】
第1判定部33は、気象及び地震のいずれかまたは両方に関する情報に基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する。例えば、第1判定部33は、気象情報及び地震情報のいずれかまたは両方に基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する。例えば、所定の条件は、情報処理装置30によって第1の装置群210及び第2の装置群220の少なくともいずれかを装置を制御する必要があるか否かを判定する条件である。例えば、所定の条件は、断水及び停電の少なくともいずれかの事態が起こる可能性を示す第1条件と、住宅の安全性に影響を及ぼす可能性を示す第2条件とを含んでもよい。第1条件と第2条件とは、一部の条件が重なってもよい。例えば、以下の(a)から(e)のいずれかの場合に、所定の条件が成立したと判定される。
【0030】
(a)大雨注意報、暴風注意報などの気象に関する注意報を取得した場合。
(b)地震情報を取得した場合。
(c)雨量及び風速の少なくともいずれかが設定値を超えた場合。
(d)雨又は雪の気象情報を取得した場合。
(e)震度が設定値を超えた場合。
【0031】
第1条件とは、例えば、(a)、(b)、(e)の少なくともいずれかである。第2条件とは、例えば、(a)、(c)、(d)の少なくともいずれかである。
【0032】
通知部34は、第1判定部33によって所定の条件が成立したと判定された場合には、第3ネットワークNW3を介して通信端末20にアラームを通知可能である。具体的には、通知部34は、建物100-mにおいて、第1判定部33によって第所定の条件が成立したと判定された場合には、第3ネットワークNW3を介して、建物100-mのユーザの通信端末20に所定の条件が成立したことを示すアラームを通知する。アラームには、(a)から(e)のうち、どの条件が成立したのかの情報を含んでもよい。通知部34によるアラームの通知は、ユーザの通信端末20から解除可能である。
【0033】
第2判定部35は、第1条件が成立したと判定された場合には、建物100-mの1つ以上の装置200を動作させる動作条件が成立するか否かを判定する。例えば、動作条件は、建物100-mの第1の装置群210及び第2の装置群220の少なくともいずれかに、予め設定された緊急事態時の動作(以下、「緊急事態動作」という。)を実行させる条件である。
【0034】
緊急事態動作は、非常事態時に装置200が取るべき動作である。第1の装置群210の緊急事態動作について説明する。第1の装置群210の緊急事態動作は、蓄電池200-1による蓄電、浴槽装置200-3による浴槽への貯水、貯湯器212による貯湯の少なくともいずれかの動作である。
【0035】
第2の装置群220の緊急事態動作について説明する。第2の装置群220の緊急事態動作は、建物100に設けられた開閉体を開状態または閉状態のいずれかの状態に動作させる動作である。例えば、電動シャッター装置200-4の緊急事態動作は、シャッターを全閉状態に制御する動作である。電動開閉窓装置200-5の緊急事態動作は、窓を全閉状態に制御する動作である。電動シェード装置200-6の緊急事態動作は、シェードやオーニングを全開状態に制御する動作である。電動カーテン装置200-7の緊急事態動作は、カーテンやブラインドを全閉状態に制御する動作である。緊急事態動作とは、開閉体を所定の状態(以下、「緊急時状態」という。)に制御する動作である。
【0036】
動作条件の成立とは、例えば、通知部34によってアラームが通知された後に、建物100-mのユーザの通信端末20から制御開始の指令を取得した場合である。動作条件の成立とは、緊急事態動作を実行可能であることであってもよい。すでに開閉体が緊急時状態である場合には、緊急事態動作を実行しても意味がない。動作条件の成立とは、複数の開閉体のうち、緊急時状態ではない開閉体があること、蓄電池200-1が満充電ではないこと、浴槽への貯水が行われていないこと、貯湯器212による貯湯が行われていないことのいずれかであってもよい。
【0037】
制御部36は、動作条件が成立したと判定された場合には、第1ネットワークNW1及びゲートウェイ10を介して1つ以上の装置200に対して、予め設定された非常事態動作を実行させる。例えば、制御部は、所定の条件のうち、第1条件が成立し、且つ、動作条件が成立した場合には、第1の装置群210に対して蓄電、貯水及び貯湯の少なくともいずれかの動作を非常事態動作として実行させる。制御部は、所定の条件のうち、第2条件が成立し、且つ、動作条件が成立した場合には、第2の装置群220に対して全ての開閉体を非常事態動作として緊急時状態に動作させる。
【0038】
制御部36は、第1の装置群210に対して蓄電、貯水及び貯湯の少なくともいずれかの非常事態動作を指示した後に、第1判定部33によって第1条件の成立が解除された場合には、非常事態動作を停止してもよい。
【0039】
制御部36は、第2の装置群220に対して緊急事態動作を指示した後に、第1判定部33によって第2条件の成立が解除された場合には、開閉体の開閉状態を、非常事態動作を実行する前の状態に戻してもよい。
【0040】
情報処理装置30は、1つ以上のサーバによって構成されてもよい。例えば、情報処理装置30は、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、及びクライアントサーバを備えてもよい。例えば、アプリケーションサーバは、取得部31、第1判定部33、通知部34、第2判定部35、及び制御部36の機能を備える。例えば、データベースサーバは、装置200から得られた装置情報や気象情報などを格納する。クライアントサーバは、ユーザのユーザ情報を格納する。例えば、アプリケーションサーバは、データベースサーバ及びクライアントサーバのそれぞれとAPI(Application Programming Interface)を用いてデータを送受する。
【0041】
例えば、情報処理装置30は、格納部32に格納されたユーザ情報の認証情報と、通信端末20から得られた認証情報とを照合し、照合が成功した場合には、通信端末20からのアクセスを許可する。そして、情報処理装置例えば、30は、格納部32に格納されたユーザ情報に基づいて、ユーザが利用している建物を判別する。
【0042】
第1の装置群210の緊急事態動作を実行させる処理の流れを、
図2を用いて説明する。
図2に示す例では、建物100-mの各装置200が緊急事態動作の制御対象である。
【0043】
取得部31は、建物100が設置されている地域の気象情報及び地震情報を取得する(ステップS101)。第1判定部33は、気象情報及び地震情報の少なくともいずれかに基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する(ステップS102)。所定の条件が成立しない場合には、ステップS101に戻る。ここで、
図2に示す例では、所定の条件の成立は、第1条件の成立である。第1条件が成立すると、通知部34は、第3ネットワークNW3を介して、建物100-mのユーザの通信端末20にアラームを通知する(ステップS103)。
【0044】
情報処理装置30からのアラームが通信端末20に通知されると、ユーザは、緊急事態動作を実行するか否かを判断する。ユーザは、緊急事態動作を実行すると判断した場合には、通信端末20の表示部22に表示される所定のアイコンをタッチ操作する。通信端末20は、所定のアイコンがタッチ操作されると。緊急事態動作の実行を指示する緊急事態動作指示を情報処理装置30に送信する。
【0045】
第2判定部35は、通知部34による通知が行われた後に、第1の装置群210の動作条件が成立するか否かを判定する(ステップS104)。例えば、第2判定部35は、緊急事態動作指示を取得した場合には、動作条件が成立したと判定してもよい。第2判定部35は、蓄電池200-1が満充電ではないこと、浴槽への貯水が行われていないこと、貯湯器212による貯湯が行われていないことのいずれかである場合には、動作条件が成立したと判定してもよい。動作条件が成立しなかった場合には、ステップS101に戻る。
【0046】
制御部36は、第2判定部35によって動作条件が成立したと判定された場合には、蓄電池200-1に対して蓄電させ、浴槽装置200-3に対して浴槽に貯水させ、給湯器200-2に対して貯湯させる非常事態動作を実行させる(ステップS105)。
【0047】
非常事態動後において、第1判定部33は、新たに得られた気象情報及び地震情報の少なくともいずれかに基づいて、予め設定された第1条件が解除されたか否かを成立するか否かを判定する(ステップS106)。第1判定部33は、発表されていた注意報が解除されたり、雨量や風速が設定値以下になったりした場合には、第1条件の成立が解除されたと判定して非常時動作を停止する(ステップS107)。第1判定部33は、第1条件の成立が解除されてないと判定した場合には、ステップS105に戻り、非常時動作を継続する。
【0048】
第2の装置群220の緊急事態動作を実行させる処理の流れを、
図3を用いて説明する。
図3に示す例では、建物100-mの複数の装置200が緊急事態動作の制御対象である。
【0049】
取得部31は、建物100が設置されている地域の気象情報及び地震情報を取得する(ステップS201)。第1判定部33は、気象情報及び地震情報の少なくともいずれかに基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する(ステップS202)。所定の条件が成立しない場合には、ステップS201に戻る。
図3に示す例では、所定の条件の成立は、第2条件の成立である。第2条件が成立すると、通知部34は、第3ネットワークNW3を介して、建物100-mのユーザの通信端末20にアラームを通知する(ステップS203)。
【0050】
情報処理装置30からのアラームが通信端末20に通知されると、ユーザは、緊急事態動作を実行するか否かを判断する。ユーザは、緊急事態動作を実行すると判断した場合には、通信端末20の表示部22に表示される所定のアイコンをタッチ操作する。通信端末20は、所定のアイコンがタッチ操作されると、緊急事態動作指示を情報処理装置30に送信する。
【0051】
第2判定部35は、ステップS104と同様に、通知部34による通知が行われた後に、第2の装置群220の動作条件が成立するか否かを判定する(ステップS204)。情報処理装置30は、動作条件が成立しなかった場合には、ステップS201に戻る。
【0052】
制御部36は、第2判定部35によって動作条件が成立したと判定された場合には、緊急時状態ではない開閉体をすべて緊急時状態に動作させる非常事態動作を実行させる(ステップS205)。
【0053】
非常事態動後において、第1判定部33は、新たに得られた気象情報の少なくともいずれかに基づいて、予め設定された第2条件が解除されたか否かを成立するか否かを判定する(ステップS206)。例えば、第1判定部33は、発表されていた注意報が解除されたり、雨量や風速が設定値以下になったりした場合には、第2条件の成立が解除されたと判定する。通知部34は、第2条件が解除されたと判定された場合には、非常事態動作が行われる前の状態に開閉体を動作させる復旧動作を実行するか否かの問い合わせを建物100-mのユーザの通信端末20に通知する(ステップS207)。ユーザは、復旧動作を実行すると判断した場合には、通信端末20の表示部22に表示される所定のアイコンをタッチ操作する。通信端末20は、所定のアイコンがタッチ操作されると、復旧動作の実行を指示する復旧動作指示を情報処理装置30に送信する。
【0054】
制御部36は、復旧動作を実行するか否かを判定する(ステップS208)。例えば、制御部36は、復旧動作指示を通信端末20から受信した場合には、復旧動作を実行すると判定する。制御部36は、復旧動作を実行すると判定した場合には、ステップS205にて緊急事態動作を実行させた装置200に対して復旧動作を指示する(ステップS209)。一方、制御部36は、復旧動作指示を受信せず復旧動作を実行しないと判定した場合には、現状の状態を継続させる(ステップS210)。
【0055】
以上、説明したように、情報処理システム1は、第1判定部33、通知部34、第2判定部35、及び制御部36を備える。第1判定部33は、気象及び地震のいずれかまたは両方に関する情報に基づいて、予め設定された所定の条件が成立するか否かを判定する。通知部34は、所定の条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して通信端末にアラームを通知可能である。第2判定部35は、所定の条件が成立したと判定された場合には、1つ以上の装置200を動作させる動作条件が成立するか否かを判定する。制御部36は、動作条件が成立したと判定された場合には、ネットワークを介して1つ以上の装置200に対して、予め設定された非常事態時の動作を実行させる。
【0056】
このような構成によれば、気象及び地震の少なくともいずれかに応じた対策を行うことできる。
【0057】
制御部36は、動作条件が成立したと判定された場合には、1つ以上の装置200に対して蓄電、貯水及び貯湯の少なくともいずれかの動作を非常事態時の動作として実行させてもよい。このような構成により、情報処理システム1は、ユーザが家にいない場合であっても停電や断水などの災害の発生を推定して、その災害に対する対策を行うことができる。
【0058】
制御部36は、動作条件が成立した場合には、1つ以上の開閉体を非常事態時の動作として開状態または閉状態のいずれかの状態に動作させてもよい。このような構成により、情報処理システム1は、ユーザが家にいない場合であっても大雨や暴風から建物を守ることができる。
【0059】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0060】
例えば、情報処理装置30は、プロセッサを備える。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)である。例えば、情報処理装置30は、マイクロコントローラであってもよい。情報処理装置30は、不揮発性の半導体及び揮発性の半導体の少なくともいずれか一方を備えもてよい。情報処理装置30は、プロセッサがプログラムを実行することによって実現されてもよい。情報処理装置30の構成要素のうち少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0061】
例えば、上記ハードウェアは、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくともいずれかである。上記プログラムは、予め記憶装置に格納されていてもよい。前記記憶装置は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)及びフラッシュメモリの少なくともいずれかである。前記プログラムは、着脱可能な記憶媒体に格納されてもよい。この場合には、前記プログラムは、記憶媒体がドライブ装置に装着されることによって前記記憶装置にインストールされてもよい。前記記憶媒体は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記録媒体は、ROMなどである。
【符号の説明】
【0062】
1…情報処理システム、10…ゲートウェイ、20…通信端末、30…情報処理装置、31…取得部、32…格納部、33…第1判定部、34…通知部、35…第2判定部、36…制御部、200…装置