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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103846
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】睡眠環境制御システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 21/02 20060101AFI20220701BHJP
   A61M 21/00 20060101ALI20220701BHJP
   F24F 11/66 20180101ALI20220701BHJP
   A61G 7/043 20060101ALI20220701BHJP
   A61G 7/057 20060101ALI20220701BHJP
   A47C 17/04 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
A61M21/02 G
A61M21/00 B
F24F11/66
A61G7/043
A61G7/057
A47C17/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218735
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】安藤 萌
(72)【発明者】
【氏名】宮内 隆
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 貴哉
【テーマコード(参考)】
3L260
4C040
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AA13
3L260AA16
3L260BA26
3L260CA04
3L260FA01
3L260JA11
4C040AA01
4C040AA10
(57)【要約】
【課題】就寝中のユーザに応じた睡眠環境を提供する。
【解決手段】制御空間内の人体の生体情報をネットワークを介して取得する生体情報取得部と、前記睡眠環境を調整する装置と前記ネットワークを介して接続して前記装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、入眠から起床の時間帯において、前記生体情報取得部で取得した前記生体情報に応じた睡眠環境になるように前記装置を制御する、睡眠環境制御システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御空間内の人体の生体情報をネットワークを介して取得する生体情報取得部と、
前記制御空間内の睡眠環境を調整する装置と前記ネットワークを介して接続して前記装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、入眠から起床の時間帯において、前記生体情報取得部で取得した前記生体情報に応じた前記睡眠環境になるように前記装置を制御する、睡眠環境制御システム。
【請求項2】
前記生体情報は、就寝中の人体の体温を含み、
前記制御部は、前記制御空間内の空気調和機と前記ネットワークを介して接続し、入眠から起床の時間帯において、前記体温に応じて前記空気調和機を制御することで制御空間内の前記睡眠環境を調整する、
請求項1に記載の睡眠環境制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記制御空間の照明装置と前記ネットワークを介して接続し、現在の時刻が入眠時刻として設定された時刻に近づくにつれて前記制御空間内の照度が低下するように前記照明装置を制御する、
請求項1または2に記載の睡眠環境制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記制御空間の開閉体を開閉する開閉装置と前記ネットワークを介して接続し、現在の時刻が起床時刻として設定された時刻になった場合には、前記開閉装置を制御して前記開閉体を開状態に動作させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の睡眠環境制御システム。
【請求項5】
前記生体情報に基づいて、前記制御空間内の電動ベッドに就寝している人の床ずれの可能性の有無を判定する判定部を備え、
制御部は、前記電動ベッドと前記ネットワークを介して接続し、前記判定部によって前記床ずれの可能性があると判定された場合には、前記電動ベッドを制御して前記就寝中の人の寝返りを支援する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の睡眠環境制御システム。
【請求項6】
前記制御部と前記装置とを接続するゲートウェイをさらに備え、
前記ゲートウェイは、1つ以上の前記装置と通信する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の睡眠環境制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、睡眠環境制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
快適な睡眠をユーザに提供すために、ユーザの睡眠時に温度制御を行う空気調和機が開示されている。この空気調和機は、吹出し空気温度に基づいて圧縮機の回転数を制御する。これにより、暖房運転時に吹出し空気温度が就寝者にとって熱い温度になることもなく、空気調和機は、快適な睡眠環境を作ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-192450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より快適な睡眠環境をユーザに提供するには、就寝中のユーザに応じた睡眠環境が提供される必要がある。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、就寝中のユーザに応じた睡眠環境を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、制御空間内の人体の生体情報をネットワークを介して取得する生体情報取得部と、前記制御空間内の睡眠環境を調整する装置と前記ネットワークを介して接続して前記装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、入眠から起床の時間帯において、前記生体情報取得部で取得した前記生体情報に応じた前記睡眠環境になるように前記装置を制御する、睡眠環境制御システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態の睡眠環境制御システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態の睡眠環境制御システムの動作のフローチャートである。
図3】第2の実施形態の睡眠環境制御システムの概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る睡眠環境制御システムを、図面を用いて説明する。
【0009】
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る睡眠環境制御システム1は、家、病院、介護施設などの建物100に設置された制御空間110内の複数の装置200を無線で遠隔操作が可能なシステムである。この制御空間110とは、例えば、寝室である。
【0010】
複数の装置200は、制御空間110内の睡眠環境を調整する装置である。睡眠環境制御システム1を利用するユーザは、制御空間110内で就寝する。睡眠環境とは、ユーザが就寝する際の制御空間110内の環境である。例えば、睡眠環境は、制御空間110内の温度を含む。睡眠環境は、制御空間110内の湿度や照度を含んでもよい。
【0011】
第1の実施形態の一例として、制御空間110内には、空気調和機200-1、照明装置200-2、及び開閉装置200-3が設置されている。空気調和機200-1は、制御空間内100の温度及び湿度を調整する。照明装置200-2は、制御空間内100の照度を調整する。照明装置200-2は、例えば、LED(light emitting diode)照明である。開閉装置200-3は、制御空間110内に設けられた開閉体を開閉して、太陽光を制御空間110内に取り入れる。開閉装置200-3は、制御空間110内に設けられた開閉体を開閉して、室外の空気を制御空間110内に取り入れる。開閉体とは、カーテン、ブラインド、窓(天窓を含む)などである。なお、空気調和機200-1、照明装置200-2、及び開閉装置200-3のそれぞれを区別しない場合には、「装置200」と称する。
【0012】
環境計測装置300は、制御空間110内に設置されている。環境計測装置300は、制御空間110内の睡眠環境を計測する。例えば、環境計測装置300は、制御空間110内の温度及び湿度を計測する。環境計測装置300は、制御空間110内の照度や二酸化炭素量や一酸化炭素量を計測してもよい。環境計測装置300は、計測した温度、湿度、照度及び二酸化炭素量や一酸化炭素量(以下、「環境データ」という。)を睡眠環境制御システム1に送信する。
【0013】
生体情報検出装置400は、ユーザの生体情報を計測する。ユーザの生体情報は、少なくともユーザの体温を含む。ユーザの生体情報は、心拍数や呼吸数やノムノンレム睡眠等の情報を含んでもよい。生体情報検出装置400は、生体情報を計測するにあたって、複数のセンサを備えもよく、それらのセンサが別体であってもよい。生体情報検出装置400は、生体情報を計測するにあたって、人体にセンサ素子を接触させる接触型センサを用いてもよいし、人体にセンサ素子を接触させない非接触型センサを用いてもよい。例えば、生体情報検出装置400は、生体情報を計測するウェアラブル端末であってもよい。また、生体情報検出装置400は、サーマルカメラを用いて体温を計測してもよい。生体情報検出装置400は、計測した生体情報を睡眠環境制御システム1に送信する。
【0014】
第1の実施形態に係る睡眠環境制御システム1の構成の一例について説明する。図1に示すように、睡眠環境制御システム1は、ゲートウェイ10、通信端末20及び情報処理装置30を備える。
【0015】
ゲートウェイ10は、情報処理装置30と1つ以上の装置200とを接続する。例えば、ゲートウェイ10は、1つ以上の装置200と無線通信する。第1の実施形態のゲートウェイ10は、空気調和機200-1、照明装置200-2、及び開閉装置200-3のそれぞれと情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。例えば、ゲートウェイ10は、空気調和機200-1、照明装置200-2、及び開閉装置200-3と第1ネットワークNW1を介して接続され、情報処理装置30と第2ネットワークNW2を介して接続される。
【0016】
ゲートウェイ10は、情報処理装置30と環境計測装置300とを接続する。ゲートウェイ10は、環境計測装置300と情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。ゲートウェイ10は、情報処理装置30と生体情報検出装置400とを接続する。ゲートウェイ10は、生体情報検出装置400と情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。例えば、ゲートウェイ10は、環境計測装置300及び生体情報検出装置400と第1ネットワークNW1を介して接続され、情報処理装置30と第2ネットワークNW2を介して接続される。
【0017】
第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、BLE等を用いてもよい。
【0018】
第1の実施形態では、一例として第1ネットワークNW1と第2ネットワークNW2とは、異なる通信ネットワークである。例えば、第1ネットワークNW1は、Wi-FiやBLEである。例えば、第2ネットワークNW2は、無線LANである。
【0019】
通信端末20は、情報処理装置30に対して無線又は有線で通信を行うことにより情報を送受する。第1の実施形態では、通信端末20は、情報処理装置30に対して第3ネットワークNW3を介して無線通信する。第3ネットワークNW3は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第3ネットワークNW3は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第3ネットワークNW3は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee、Wi-Fi、BLE等を用いてもよい。第3ネットワークNW3は、第2ネットワークNW2と同じネットワークであってもよい。
【0020】
通信端末20は、例えば、ユーザが携帯可能な携帯情報端末である。例えば、通信端末20は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末及びノートパソコンのいずれかである。通信端末20は、ウェアラブル端末等であってもよい。通信端末20は、ユーザが携帯可能であるか否かには特に限定されない。例えば、通信端末20は、コンピュータであってもよい。以下の説明では、通信端末20が携帯情報端末である場合について説明する。
【0021】
通信端末20は、操作部21、表示部22及び処理部23を備える。
【0022】
操作部21は、ユーザにより操作される。操作部21は、ユーザによる操作を受け付けると、その受け付けた操作に応じた操作信号を処理部23に出力する。例えば、操作部21は、タッチパネルやボタンなどである。第1の実施形態の一例では、操作部21は、表示部22と一体で構成されているタッチパネルである。例えば、ユーザは、操作部21を操作することで自身の入眠時刻及び起床時刻を通信端末20に入力することができる。通信端末20は、入力された入眠時刻及び起床時刻の情報を情報処理装置30に送信することで情報処理装置30にユーザの入眠時刻及び起床時刻を設定することができる。
【0023】
ユーザは、操作部21を操作することで情報処理装置30によって動作させたい装置200(以下、「動作装置」という。)を選択することができる。通信端末20は、操作部21によって選択された動作装置の情報(以下、「装置情報」という。)を情報処理装置30に送信することで情報処理装置30によって制御される装置200を設定することができる。
【0024】
表示部22は、情報を表示する。例えば、表示部22は、タッチパネル式の表示画面を備えている。
【0025】
処理部23は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部23は、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30から得られた情報を表示部22に表示する。処理部23は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部23は、操作部21から得られた操作信号に応じた情報(例えば、入眠時刻、起床時刻及び装置情報)を、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30に送信する。例えば、処理部23の機能は、事前にインストールされたアプリケーションによって実行される。
【0026】
処理部23は、アプリケーションが起動すると、情報処理装置30から生体情報を取得して、取得した生体情報を表示部22に表示可能である。処理部23は、アプリケーションが起動すると、情報処理装置30から環境データを取得する。処理部23は、取得した環境データを表示部22に表示可能である。処理部23は、ユーザの就寝中の生体情報及び環境データを時系列で表示部22に表示可能である。処理部23は、ユーザの現在の生体情報及び環境データを表示部22に表示可能である。
【0027】
第1の実施形態に係る情報処理装置30の概略構成の一例について説明する。情報処理装置30は、生体情報取得部31、睡眠環境取得部32、設定部33、格納部34、及び制御部35を備える。情報処理装置30は、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。
【0028】
生体情報取得部31は、制御空間110内のユーザ(人体)の生体情報を、第2ネットワークNW2を介して取得する。第1の実施形態では、生体情報取得部31は、生体情報検出装置400が計測した生体情報をゲートウェイ10経由で取得する。
【0029】
睡眠環境取得部32は、制御空間110内の睡眠環境を、第2ネットワークNW2を介して取得する。第1の実施形態では、睡眠環境取得部32は、環境計測装置300が計測した環境データをゲートウェイ10経由で取得する。
【0030】
設定部33は、通信端末20からの情報に基づいて、ユーザの入眠時刻及び起床時刻を格納部34に格納する。設定部33は、ユーザの入眠時刻及び起床時刻を設定する。設定部33は、通信端末20からの装置情報に基づいて、動作装置の情報を格納部34に格納する。設定部33は、複数の装置200の中から、動作装置を設定する。
【0031】
格納部34には、生体情報取得部31で取得された生体情報が時系列で格納される。格納部34には、睡眠環境取得部32で取得された環境データが時系列で格納される。格納部34には、ユーザの入眠時刻と起床時刻との情報が格納される。格納部34には動作装置の情報(装置情報)が格納される。格納部34には、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」という。)が格納されている。ユーザ情報とは、情報処理装置30が提供するサービスを利用するユーザの情報であって、予め格納部34に登録されている。ユーザ情報は、認証情報と建物情報とがユーザごとに対応付けられている。例えば、認証情報とは、通信端末20が第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30にログインするための情報である。例えば、認証情報は、ユーザの識別情報(例えば、ID)とパスワードとを有する。建物情報は、建物100を識別する情報である。例えば、複数の建物100-1~建物100-nのうち、ユーザが建物100-mを利用する者である場合には、そのユーザの認証情報と、建物情報10-mとが対応付けられている。なお、建物100-mを利用する者とは、建物100-mに住んでいる者や建物100を管理する者である。このユーザ情報によってユーザ認証が行われ、ユーザが利用する建物100が特定される。
【0032】
制御部35は、睡眠環境を調整する装置200とネットワークNW2を介して接続して、動作装置として設定された装置200を制御する。制御部35は、格納部34に設定された入眠時刻から起床時刻の時間帯において、生体情報に応じた睡眠環境になるように動作装置を制御する。
【0033】
例えば、制御部35は、入眠時刻から起床時刻の時間帯において、睡眠環境取得部32が取得した睡眠環境が、生体情報に応じた睡眠環境になるように装置を制御してもよい。一例として、制御部35は、入眠時刻から起床時刻の時間帯において、生体情報取得部31で取得した生体情報である体温に応じて空気調和機200-1を制御することで制御空間110内の温度を調整する。情報処理装置30は、より快適な睡眠環境をユーザに提供することができる。
【0034】
制御部35は、制御空間110内の照明装置200-2とネットワークNW2を介して接続する。制御部35は、現在の時刻が入眠時刻として設定された時刻に近づくにつれて制御空間110内の照度が低下するように照明装置200-2を制御する。情報処理装置30は、ユーザの心地よい入眠を実現できる。
【0035】
制御部35は、制御空間110内の開閉体を開閉する開閉装置200-3とネットワークNW2を介して接続する。制御部35は、現在の時刻が起床時刻として設定された時刻になった場合には、開閉装置200-3を制御して開閉体を開状態に動作させる。情報処理装置30は、ユーザの目覚めのよい起床を実現できる。
【0036】
情報処理装置30は、1つ以上のサーバによって構成されてもよい。例えば、情報処理装置30は、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、及びクライアントサーバを備えてもよい。例えば、アプリケーションサーバは、生体情報取得部31、睡眠環境取得部32、設定部33、及び制御部35の機能を備える。例えば、データベースサーバは、装置200から得られた装置情報や気象情報などを格納する。クライアントサーバは、ユーザのユーザ情報を格納する。例えば、アプリケーションサーバは、データベースサーバ及びクライアントサーバのそれぞれとAPI(Application Programming Interface)を用いてデータを送受する。
【0037】
例えば、情報処理装置30は、格納部34に格納されたユーザ情報の認証情報と、通信端末20から得られた認証情報とを照合し、照合が成功した場合には、通信端末20からのアクセスを許可する。そして、情報処理装置30は、例えば、格納部34に格納されたユーザ情報に基づいて、ユーザが利用している建物100を判別する。
【0038】
情報処理装置30における睡眠環境を制御する処理の動作の流れを、図2を用いて説明する。図2に示す例では、建物100-mの各装置200が動作装置である。
【0039】
制御部35は、入眠時刻から所定時間前の時刻から制御空間110内の照明装置200-2を制御して、制御空間110内の照度を徐々に下げる(ステップS101)。例えば、制御部35は、入眠時刻に制御空間110内の照度が設定値になるように段階的又は連続的に照度を下げる。
【0040】
制御部35は、現在の時刻が入眠時刻か否かを判定する(ステップS102)。制御部35は、現在の時刻が入眠時刻に到達すると、睡眠モードに移行する。睡眠モードに移行すると、生体情報取得部31は、制御空間110内のユーザ(人体)の生体情報の取得を開始する(ステップS103)。また、睡眠モードに移行すると、睡眠環境取得部32は、制御空間110内の環境データの取得を開始する(ステップS103)。
【0041】
制御部35は、環境データによって制御空間110内の睡眠環境を把握する。制御部35は、一定周期ごとに得られる体温の情報に応じて空気調和機200-1を制御する(ステップS104)。例えば、放射冷却などで夜間や明け方において気温が低下する。そのため、ユーザの体温が低下し、ユーザは寒さで起きてしまう場合がある。制御部35は、ユーザの体温の低下を検出すると、その低下に応じて制御空間110内の気温を高くする。これにより、制御部35は、快適な睡眠環境を提供できる。
【0042】
睡眠するには、体温が高いと、うまく体を冷やす事ができず、入眠することができない場合がある。ステップS104の制御は、ユーザが入眠してから所定時間が経過した後に行ってもよい。制御部35は、ユーザの体温に合わせて制御空間110内の気温を低くしてもよい。例えば、制御部35は、予め設定された範囲内にユーザの体温が収まるように、制御空間110内の気温を制御してもよい。
【0043】
制御部35は、現在の時刻が起床時刻か否かを判定する(ステップS105)。制御部35は、現在の時刻が起床時刻ではないと判定した場合には、ステップS104に戻る。一方、制御部35は、現在の時刻が起床時刻であると判定した場合には、睡眠モードを解除して制御空間110内の照度を上げる(ステップS106)。例えば、制御部35は、現在の時刻が起床時刻であると判定した場合には、照明装置200-2を制御して照度を上げる。例えば、制御部35は、現在の時刻が起床時刻であると判定した場合には、開閉装置200-3を制御して開閉体を開状態に制御してもよい。開閉体が開状態に制御されることで太陽光が制御空間110内に入射し、制御空間110内の照度が上がる。ステップS106では、制御部35は、照明装置200-2と開閉装置200-3との少なくともいずれかを制御すればよい。情報処理装置30は、ユーザの目覚めのよい起床を提供できる。
【0044】
第1の実施形態の睡眠環境制御システム1は、生体情報取得部31及び制御部35を備える。生体情報取得部31は、制御空間110内の人体の生体情報をネットワークNW2を介して取得する。制御部35は、睡眠環境を調整する装置200とネットワークNW2を介して接続して装置200を制御する。制御部35は、入眠から起床の時間帯において、生体情報取得部31で取得した生体情報に応じた睡眠環境になるように装置200を制御する。
【0045】
このような構成により、睡眠環境制御システム1は、就寝中のユーザに応じた睡眠環境が提供することができる。
【0046】
制御部35は、生体情報に応じて制御空間110内の空気調和機200-1を制御することで制御空間内の温度や湿度などの睡眠環境を調整してもよい。このような構成により、睡眠環境制御システム1は、就寝中のユーザの温度や湿度に応じた睡眠環境が提供することができる。
【0047】
制御部35は、現在の時刻が入眠時刻として設定された時刻に近づくにつれて制御空間110内の照度が低下するように照明装置200-2を制御してもよい。制御部35は、制御空間110内の温度と照度とを調整することで、快適な入眠環境及び睡眠環境を提供することができる。
【0048】
制御部35は、現在の時刻が起床時刻になると、制御空間110内の照度を所定の照度まで高くしてもよい。このような構成により、制御部35は、快適な起床環境を提供することができる。
【0049】
制御部35は、生体情報に基づいて入眠したか否かを判定してもよい。この場合には、制御部35は、生体情報に基づいて入眠したと判定した時刻を入眠時刻として設定する。ユーザは、入眠する際に通信端末20を操作してもよい。この場合には、制御部35は、通信端末20が操作された時刻を入眠時刻として設定する。
【0050】
<第2の実施形態>
第2の実施形態の睡眠環境制御システム1Aについて説明する。以下の説明において、第1の実施形態で説明した内容と同様の機能を有する部分については、同様の名称および符号を付するものとし、その機能に関する具体的な説明は省略する。
【0051】
図3は、睡眠環境制御システム1Aの構成例を示す図である。睡眠環境制御システム1は、図1に示した第1の実施形態の睡眠環境制御システム1と比較すると、床ずれを抑制する機能を有する点が異なる。
【0052】
荷重センサ500は、電動ベッド600に設けられている。荷重センサ500の計測結果は、ゲートウェイ10経由で情報処理装置30Aに送信される。
【0053】
電動ベッド600は、前記就寝中の人体の寝返りを支援する寝返り機能を有する。電動ベッド600は、ゲートウェイ10経由で情報処理装置30Aに制御される。
【0054】
第2の実施形態に係る睡眠環境制御システム1Aの構成の一例について説明する。図3に示すように、睡眠環境制御システム1Aは、ゲートウェイ10、通信端末20及び情報処理装置30Aを備える。情報処理装置30Aは、生体情報取得部31、睡眠環境取得部32、設定部33、格納部34、判定部40及び制御部35Aを備える。情報処理装置30Aは、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。
【0055】
判定部40は、生体情報取得部31で取得した生体情報に基づいて、制御空間110内の電動ベッド600に就寝している人の床ずれの可能性の有無を判定する。ただし、これに限定されず、判定部40は、荷重センサ500の計測結果に基づいて電動ベッド600に就寝している人の床ずれの可能性の有無を判定してもよい。例えば、判定部40は、生体情報及び荷重センサ500の計測結果の少なくともいずれかに基づいてユーザが電動ベッド600に寝ているか否かを判定する。判定部40は、電動ベッド600に寝ている時間が所定時間を超える場合には、床ずれの可能性の有ると判定する。
【0056】
制御部35Aは、電動ベッド600とネットワークNW2を介して接続する。制御部35Aは、判定部40によって床ずれの可能性があると判定された場合には、電動ベッド600を制御して就寝中の人の寝返りを支援する。
【0057】
情報処理装置30Aにおける睡眠環境を制御する処理は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
第2の実施形態の睡眠環境制御システム1Aは、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、床ずれの可能性の有無を判定して、床ずれの可能性がある場合には、電動ベッド600を制御して就寝中の人の寝返りを支援する。これにより、睡眠環境制御システム1Aは、床ずれを抑制することができる。
【0059】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0060】
例えば、情報処理装置30,30Aは、プロセッサを備える。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)である。例えば、情報処理装置30は、マイクロコントローラであってもよい。情報処理装置30,30Aは、不揮発性の半導体及び揮発性の半導体の少なくともいずれか一方を備えもてよい。情報処理装置30,30Aは、プロセッサがプログラムを実行することによって実現されてもよい。情報処理装置30の構成要素のうち少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0061】
例えば、上記ハードウェアは、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくともいずれかである。上記プログラムは、予め記憶装置に格納されていてもよい。前記記憶装置は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)及びフラッシュメモリの少なくともいずれかである。前記プログラムは、着脱可能な記憶媒体に格納されてもよい。この場合には、前記プログラムは、記憶媒体がドライブ装置に装着されることによって前記記憶装置にインストールされてもよい。前記記憶媒体は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記録媒体は、ROMなどである。
【0062】
上記実施形態において、制御部35,35Aは、開閉装置200-3を制御してパッシブ換気を行ってもよい。例えば、制御部35,35Aは、建物内外の温度と湿度の情報及び天気や二酸化炭素量や一酸化炭素量などの情報に基づいて、窓を開けてパッシブ空調を行うか、空気調和機200-1による空調制御を行うかを判定してもよい。また、パッシブ空調を実行した場合には、制御部35,35Aは、窓の開状態の時間と温度及び湿度とを時系列で計測してもよい。制御部35,35Aは、窓が開状態である場合に、温度及び湿度の変化を示したグラフを通信端末20に提供してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…睡眠環境制御システム、10…ゲートウェイ、20…通信端末、30,30A…情報処理装置、31…生体情報取得部、32…睡眠環境取得部、33…設定部、34…格納部、35,35A…制御部、40…判定部
図1
図2
図3