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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103847
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】防犯システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20220701BHJP
   G08B 13/08 20060101ALI20220701BHJP
   E05B 41/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08B13/08
E05B41/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218736
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】田代 達一郎
(72)【発明者】
【氏名】倉林 慶太
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA03
5C084AA12
5C084BB01
5C084BB21
5C084CC02
5C084CC03
5C084EE01
5C084FF02
5C084FF03
5C084HH10
5C084HH12
5C084HH13
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA25
5C087BB02
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD20
5C087DD24
5C087DD29
5C087DD30
5C087EE06
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG84
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの負担を軽減した防犯システムを提供する。
【解決手段】防犯システム1は、予め登録された登録者の位置情報を取得する第1情報取得部31と、建物内の扉及び窓の少なくともいずれかの開閉体の開閉状態と解施錠状態との両方又はいずれかをネットワークを介して取得する第2情報取得部32と、第1情報取得部が取得する位置情報に基づいて登録者が建物を含む指定範囲の外に存在するか否かを判定するデータ管理部34と、すべての登録者が指定範囲の外に存在すると判定された場合において、開閉体の開状態または解錠状態を検出した場合には、予め指定された通信端末に対してアラームを通知する通知部36と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された登録者の位置情報を取得する第1情報取得部と、
建物内の扉及び窓の少なくともいずれかの開閉体の開閉状態と解施錠状態との両方又はいずれかをネットワークを介して取得する第2情報取得部と、
前記第1情報取得部が取得する前記位置情報に基づいて前記登録者が前記建物を含む指定範囲の外に存在するか否かを判定するデータ管理部と、
すべての前記登録者が前記指定範囲の外に存在すると判定された場合において、前記開閉体の開状態または解錠状態を検出した場合には、予め指定された通信端末に対してアラームを通知する通知部と、
を備える防犯システム。
【請求項2】
前記データ管理部によって前記指定範囲の外にすべての登録者が存在すると判定された場合には、前記建物内への不法侵入を検知する防犯モードに移行するモード切替部と、
前記防犯モードに移行する際には、全ての開閉体を閉状態及び施錠状態に制御する制御部と、
を備える請求項1に記載の防犯システム。
【請求項3】
前記通知部は、前記防犯モードに移行する際に、全ての開閉体のうち、開状態及び解錠状態のいずれかの状態の開閉体がある場合には、前記通信端末に対して通知し、
前記制御部は、前記通信端末から施錠の指示を受信した場合には、全ての開閉体を閉状態及び施錠状態に制御する、
請求項2に記載の防犯システム。
【請求項4】
前記通知部は、前記防犯モード中に、一つ以上の前記開閉体が開状態及び解錠状態のいずれかの状態に移行した場合には、前記通信端末に対してアラームを通知する、
請求項2又は3に記載の防犯システム。
【請求項5】
前記制御部と前記開閉体を動作させる開閉装置とを接続するゲートウェイをさらに備え、
前記ゲートウェイは、前記開閉装置と通信する、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の防犯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防犯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
不審者による建物の侵入を防止する防犯システムに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この防犯システムでは、ユーザが建物内に誰もいないことを確認した後に警備設定手段を操作することによって警備エリアが警備状態に設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-110316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記防犯システムでは、建物内のユーザが存在するか否か判定できないため、ユーザが警備設定手段の操作を行う必要がある。警備設定手段の操作は、ユーザにとって負担である。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザの負担を軽減した防犯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、予め登録された登録者の位置情報を取得する第1情報取得部と、建物内の扉及び窓の少なくともいずれかの開閉体の開閉状態と解施錠状態との両方又はいずれかをネットワークを介して取得する第2情報取得部と、前記第1情報取得部が取得する前記位置情報に基づいて前記登録者が前記建物を含む指定範囲の外に存在するか否かを判定する判定部と、すべての前記登録者が前記指定範囲の外に存在すると判定された場合において、前記開閉体の開状態または解錠状態を検出した場合には、予め指定された通信端末に対してアラームを通知する通知部と、を備える防犯システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の防犯システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態のユーザ情報を説明する図である。
図3】本実施形態の開閉体ステータス情報を説明する図である。
図4A】本実施形態のユーザステータス情報の第1の例を説明する図である。
図4B】本実施形態のユーザステータス情報の第2の例を説明する図である。
図5】本実施形態の建物ステータス情報を説明する図である。
図6】本実施形態の情報処理装置の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る防犯システムを、図面を用いて説明する。
【0009】
本実施形態に係る防犯システム1は、家、病院、介護施設などの建物100に設置された一つ以上の開閉体200の開閉状態または解施錠状態をネットワーク経由で検出する。解施錠状態は、施錠されているか否かを示す状態である。
【0010】
開閉体200は、扉及び窓の少なくともいずれかである。本実施形態では、建物100には、複数の開閉体200-k(k=1、2、…-n:nは2以上の整数)を有する。ハイフン以下の符号は、複数の同じ種類の構成要素を互いに区別するものである。複数の同じ種類の構成を互いに区別しない場合には、ハイフン以下の符号を省略する場合がある。
【0011】
図1に示す例では、建物100には、開閉体200-1~200-3が設置されている。開閉体200-1及び開閉体200-2は、建物100に設置された窓である。開閉体200-3は、玄関扉である。
【0012】
建物100には、開閉体200ごとに施錠装置300が設置されている。施錠装置300-kは、開閉体200-kの施錠を行う。施錠装置300は、電気錠であってもよいし、手動錠であってもよい。電気錠は、電気を用いて開閉体の施錠を行うことができればよい。電気錠は、開閉体の解錠の機能を有してもよい。電気錠は、クレメンス錠やシリンダー錠を、電気を利用して施錠できる装置も含む。本実施形態の一例として、建物100に設置されている全ての施錠装置300が電気錠である場合について説明する。
【0013】
建物100には、開閉体200ごとに施錠センサ400が設置されている。施錠センサ400-kは、開閉体200-kの施錠の有無を検出する。例えば、施錠センサ400-kは、施錠装置300-kに接続されている。
【0014】
建物100には、開閉体200ごとに開閉装置500が設置されている。開閉装置500-kは、開閉体200-kを開状態又は閉状態に動作させる。この開閉装置500-kは、開閉体200-kが開状態か閉状態かを判別可能である。
【0015】
本実施形態に係る防犯システム1の構成の一例について説明する。図1に示すように、防犯システム1は、ゲートウェイ10、通信端末20及び情報処理装置30を備える。
【0016】
ゲートウェイ10は、情報処理装置30と複数の施錠センサ400-kとを接続する。例えば、ゲートウェイ10は、複数の施錠センサ400-kと第1ネットワークNW1に接続し、情報処理装置30と第2ネットワークNW2を介して接続する。ゲートウェイ10は、中継器を介さずに施錠センサ400-kと第1ネットワークNW1経由で無線通信してもよい。ゲートウェイ10は、複数の施錠センサ400-kと情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。
【0017】
ゲートウェイ10は、情報処理装置30と複数の施錠装置300-kとを接続する。例えば、ゲートウェイ10は、複数の施錠装置300-kと第1ネットワークNW1に接続し、情報処理装置30と第2ネットワークNW2を介して接続する。ゲートウェイ10は、中継器を介さずに施錠装置300-kと第1ネットワークNW1経由で無線通信してもよい。ゲートウェイ10は、複数の施錠装置300-kと情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。ただし、ゲートウェイ10は、手動錠には接続されない。
【0018】
ゲートウェイ10は、情報処理装置30と複数の開閉装置500-kとを接続する。例えば、ゲートウェイ10は、複数の開閉装置500-kと第1ネットワークNW1に接続し、情報処理装置30と第2ネットワークNW2を介して接続する。ゲートウェイ10は、中継器を介さずに開閉装置500-kと第1ネットワークNW1経由で無線通信してもよい。ゲートウェイ10は、複数の開閉装置500と情報処理装置30との情報のやり取りを中継する。
【0019】
第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第1ネットワークNW1及び第2ネットワークNW2は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、BLE等を用いてもよい。
【0020】
本実施形態では、一例として第1ネットワークNW1と第2ネットワークNW2とは、異なる通信ネットワークである。例えば、第1ネットワークNW1は、Wi-FiやBLEである。例えば、第2ネットワークNW2は、無線LANである。
【0021】
通信端末20は、情報処理装置30に対して無線又は有線で通信を行うことにより情報を送受する。本実施形態では、通信端末20は、情報処理装置30に対して第3ネットワークNW3を介して無線通信する。第3ネットワークNW3は、無線通信の伝送路(例えば、無線LAN)であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。第3ネットワークNW3は、携帯電話回線網などの移動体通信網、無線パケット通信網、インターネット及び専用回線又はそれらの組み合わせであってもよい。例えば、第3ネットワークNW3は、省電力広域ネットワーク(LPWAN:Low-power Wide-area)を用いてもよいし、短距離無線通信規格であるZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、BLE等を用いてもよい。第3ネットワークNW3は、第2ネットワークNW2と同じネットワークであってもよい。
【0022】
通信端末20は、例えば、ユーザが携帯可能な携帯通信端末である。例えば、通信端末20は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末及びノートパソコンのいずれかである。通信端末20は、ウェアラブル端末等であってもよい。通信端末20は、ユーザが携帯可能であるか否かには特に限定されない。例えば、通信端末20は、コンピュータであってもよい。本実施形態では、通信端末20が携帯通信端末である場合について説明する。
【0023】
通信端末20は、操作部21、表示部22、位置情報取得部23、処理部24を備える。
【0024】
操作部21は、ユーザにより操作される。操作部21は、ユーザによる操作を受け付けると、その受け付けた操作に応じた操作信号を処理部24に出力する。例えば、操作部21は、タッチパネルやボタンなどである。本実施形態の一例では、操作部21は、表示部22と一体で構成されているタッチパネルである。
【0025】
表示部22は、情報を表示する。例えば、表示部22は、タッチパネル式の表示画面を備えている。
【0026】
位置情報取得部23は、通信端末20の現在位置の情報(以下、「位置情報」という。)Pを取得する。例えば、位置情報取得部23は、GPS(Global Positioning System)を用いることで、通信端末20の位置情報Pをグローバル座標で取得してもよい。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、位置情報取得部23は、RFIDや磁気センサなどを利用して自己位置を取得してもよい。本実施形態では、位置情報取得部23における位置情報Pを取得方法には特に限定されず、種々の公知技術を用いて通信端末20の位置情報Pを取得可能である。
【0027】
処理部24は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部24は、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30から得られた情報を表示部22に表示する。処理部24は、プロセッサ、メモリ及び通信用インタフェースを含んでいる。処理部24は、操作部21から得られた操作信号に応じた情報を、第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30に送信する。処理部24は、位置情報取得部23が取得した位置情報Pを第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30に送信する。例えば、処理部24の機能は、事前にインストールされたアプリケーションによって実行される。
【0028】
処理部24は、アプリケーションが起動すると、情報処理装置30から情報を取得して、建物100に設置された開閉体200-kの開閉状態及び施錠の有無(以下、「開閉体情報」という。)を表示部22に表示可能である。
【0029】
ユーザは、通信端末20を操作することで、開状態の開閉体200-kを閉状態に移行させることができる。ユーザは、通信端末20を用いて、解錠状態の開閉体200-kの施錠を遠隔から行うことができる。
【0030】
本実施形態に係る情報処理装置30の概略構成の一例について説明する。情報処理装置30は、第1情報取得部31、第2情報取得部32、格納部33、データ管理部34、モード切替部35、通知部36、及び制御部37を備える。情報処理装置30は、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。
【0031】
第1情報取得部31は、予め登録された登録者の位置情報Pを取得する。登録者は、情報処理装置30に登録されているユーザである。
【0032】
第2情報取得部32は、建物100内の扉及び窓の少なくともいずれかの開閉体200-kの開閉状態と解施錠状態との両方又はいずれかを第2ネットワークNW2を介して取得する。本実施形態の一例では、第2情報取得部32は、開閉装置500-kから開閉体200-kの開閉状態を第2ネットワークNW2を介して取得する。第2情報取得部32は、施錠装置300-kから開閉体200-kの解施錠状態を、第2ネットワークNW2を介して取得する。
【0033】
格納部33には、ユーザ情報DB(データベース)330、開閉体ステータスDB331、ユーザステータスDB332、及び建物ステータスDB333を備える。
【0034】
ユーザ情報DB330には、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」という。)が格納されている。ユーザ情報とは、情報処理装置30が提供するサービスを利用するユーザの情報であって、予めユーザ情報DB330に登録されている。前記登録者は、ユーザ情報がユーザ情報DB330に登録されている者である。図2に例示するように、ユーザ情報は、ユーザを識別する識別情報(以下、「ユーザID」という。)と、そのユーザが利用する建物100に関する情報とが対応付けられた情報である。建物100に関する情報とは、建物100を識別する建物IDと、建物100の位置を示す位置情報Tと、を含む。
【0035】
建物100を利用する者とは、その建物100に住んでいる者や建物100を管理する者である。ユーザIDにパスワードが対応付けられて登録されてもよい。例えば、ユーザIDとパスワードとは、通信端末20が第3ネットワークNW3を介して情報処理装置30にログインするための認証情報である。
【0036】
例えば、図2に示すように、建物ID「A」の建物100の住居者が、ユーザID「0001」のユーザと、ユーザID「0002」のユーザとである場合には、建物ID「A」に対してユーザID「0001」とユーザID「0002」とが対応付けられる。建物ID「B」の建物100の住居者が、ユーザID「0003」のユーザと、ユーザID「0004」のユーザとである場合には、建物ID「B」に対してユーザID「0003」とユーザID「0004」とが対応付けられる。
【0037】
開閉体ステータスDB331には、図3に例示するように、開閉体200の現在のステータスの情報(以下、「開閉体ステータス情報」という。)が建物100ごとに格納される。開閉体ステータス情報は、開閉ステータスと施錠ステータスと備える。開閉ステータスは、開閉体200が開状態又は閉状態かを示す情報である。施錠ステータスは、開閉体200の施錠が行われているか否かを示す情報である。開閉体ステータスDB331には、開閉体ステータス情報の他に、開閉体200の種別や設置位置を示す情報が開閉体200ごとに対応付けられてもよい。開閉体200の種別を示す情報とは、窓や玄関扉などである。開閉体の設置位置を示す情報とは、例えば、寝室の窓、リビングの窓などである。
【0038】
ユーザステータスDB332には、ユーザの現在のステータスの情報(以下、「ユーザステータス情報」という。)がユーザごとに格納される。ユーザステータス情報は、ユーザが利用する建物100に、そのユーザが在宅か外出中かを示す情報である。建物ID「A」の各ユーザがともに外出中である場合には、図4Aに例示するユーザのユーザステータス情報は、ともに「外出中」である。建物ID「B」のユーザのうち、ユーザID「0003」が外出しており、ユーザID「0004」のユーザが外出していない場合には、図4Bに例示するように、ユーザID「0003」のユーザステータス情報が「外出中」であり、ユーザID「0004」のユーザステータス情報が「在宅」である。
【0039】
建物ステータスDB333には、建物100の現在のステータスの情報(以下、「建物ステータス情報」という。)が建物100ごとに格納される。建物ステータス情報は、全てのユーザが外出中か否かを示す情報である。例えば、建物ID「A」の建物100のユーザのユーザステータ情報が図4Aに例示するユーザステータス情報である場合には、建物ID「A」の建物100の建物ステータス情報は、図5に示すように、例えば「全員外出」である。例えば、建物ID「B」の建物100のユーザのユーザステータ情報が図4Bに例示するユーザステータス情報である場合には、図5に示すように、建物ID「B」の建物100の建物ステータス情報は、例えば「在宅」である。
【0040】
データ管理部34は、ユーザ情報DB(データベース)330、開閉体ステータスDB331、ユーザステータスDB332、及び建物ステータスDB333に登録されている情報を管理する。
【0041】
データ管理部34は、通信端末20からの情報に基づいてユーザ情報DBのユーザ情報を更新する。データ管理部34は、第2情報取得部32で取得された開閉状態と解施錠状態とに基づいて開閉体ステータスDB331における開閉体200-kの開閉体ステータス情報を更新する。
【0042】
データ管理部34は、第1情報取得部31で取得されたユーザの位置情報Pと、そのユーザが利用する建物100の位置情報Tと、に基づいて、ユーザステータスDB332のユーザステータス情報を更新する。例えば、データ管理部34は、第1情報取得部31で取得されたユーザの位置情報Pが、そのユーザが利用する建物100の位置情報Tを含む指定範囲の外か否かを判定する。データ管理部34は、第1情報取得部31で取得されたユーザの位置情報Pが、そのユーザが利用する建物100の位置情報Tを含む指定範囲の外である場合には、そのユーザのユーザステータス情報を「外出中」に更新する。データ管理部34は、第1情報取得部31で取得されたユーザの位置情報Pが、そのユーザが利用する建物100の位置情報Tを含む指定範囲内である場合には、そのユーザのユーザステータス情報を「在宅」に更新する。
【0043】
データ管理部34は、第1情報取得部31で取得されたユーザの位置情報Pと、そのユーザが利用する建物100の位置情報Tと、に基づいて、すべてのユーザが指定範囲の外に存在するか否かを判定する。データ管理部34は、建物100のすべてのユーザが指定範囲の外に存在すると判定した場合には、その建物100の建物ステータス情報を「全員外出」に更新する。データ管理部34は、建物100のすべてのユーザのうち、一人でも指定範囲内に存在すると判定した場合には、その建物100の建物ステータス情報を「在宅」に更新する。例えば、データ管理部34は、ユーザステータスDB332のユーザステータス情報に基づいて、建物ステータス情報を更新してもよい。
【0044】
モード切替部35は、データ管理部34によって指定範囲の外にすべてのユーザが存在すると判定された場合には、建物100内への不法侵入を検知する防犯モードに移行する。例えば、モード切替部35は、ある建物100の建物ステータス情報が「全員外出」である場合には、その建物100(以下、「警戒対象」という。)内への不法侵入を検知する防犯モードに移行する。本実施形態では、モード切替部35は、データ管理部34によって指定範囲の外にすべてのユーザが存在すると判定され、建物100内の全ての開閉体200が施錠状態である場合に移行する。ただし、これに限定されず、モード切替部35は、全ての開閉体200が施錠状態ではなくても、データ管理部34によって指定範囲の外にすべてのユーザが存在すると判定された場合に防犯モードに移行してもよい。
【0045】
通知部36は、警戒対象のすべてのユーザが指定範囲の外に存在すると判定された場合において、警戒対象に設置された一つ以上の開閉体200が開状態または解錠状態である場合には、予め指定された通信端末20に対して第1アラームを通知する。この第1アラームは、施錠忘れを通知する情報である。第1アラームは、開状態または解錠状態である開閉体200の種別や設置位置を示す情報を含んでもよい。例えば、通知部36は、防犯モードに移行する際に、警戒対象に設置された一つ以上の開閉体200が開状態または解錠状態である場合には、第1アラームを通知する。
【0046】
通知部36は、警戒対象に設置された開閉体200のうち、防犯モードに移行した後において開状態または解錠状態に移行した開閉体200を検出した場合には、予め指定された通信端末20に対して第2アラームを通知する。この第2アラームは、不法侵入の可能性があることを通知する情報である。第2アラームは、開状態または解錠状態に移行した開閉体200の種別や設置位置を示す情報を含んでもよい。
【0047】
制御部37は、防犯モードに移行する際には、警戒対象に設置された全ての開閉体200を閉状態及び施錠状態に制御する施錠制御を実行してもよい。例えば、制御部37は、警戒対象に設置された全ての開閉体200のうち、開状態又は解錠状態の開閉体200-kが存在する場合には、第1ネットワークNW1を介して開閉装置500-kに閉動作を実行させ、施錠装置300-kに施錠を実行させる。制御部37は、防犯モードに移行する際に施錠制御を実行してもよいし、通信端末20から施錠の指示を受信した場合に施錠制御を実行してもよい。
【0048】
情報処理装置30は、1つ以上のサーバによって構成されてもよい。例えば、情報処理装置30は、アプリケーションサーバ、データサーバ、及びクライアントサーバを備えてもよい。例えば、アプリケーションサーバは、第1情報取得部31、第2情報取得部32、データ管理部34、モード切替部35、通知部36、及び制御部37の機能を備える。例えば、データサーバは、開閉体ステータスDB331、ユーザステータスDB332、及び建物ステータスDB333を格納する。クライアントサーバは、ユーザ情報DB330を格納する。例えば、アプリケーションサーバは、データベースサーバ及びクライアントサーバのそれぞれとAPI(Application Programming Interface)を用いてデータを送受する。
【0049】
例えば、情報処理装置30は、ユーザ情報DB330に格納されたユーザ情報の認証情報と、通信端末20から得られた認証情報とを照合し、照合が成功した場合には、通信端末20からのアクセスを許可する。情報処理装置30は、ユーザ情報に基づいて、ユーザが利用している建物を判別することができる。
【0050】
情報処理装置の動作の流れを、図6を用いて説明する。図6に示す例では、建物ID「A」の建物100(以下、「建物100-A」という。)の防犯システム1の防犯対象である。
【0051】
第1情報取得部31は、予めユーザ情報DB330に登録された建物100-Aの全てのユーザ(登録者)の位置情報Pを取得する(ステップS101)。データ管理部34は、第1情報取得部31で取得された位置情報Pに基づいて、全てのユーザが建物100-Aに存在しないか否かを判定する(ステップS102)。例えば、データ管理部34は、第1情報取得部31で取得された全てのユーザの位置情報Pが、建物100-Aの位置情報Tを含む指定範囲外に存在するか否かを判定する。データ管理部34は、第1情報取得部31で取得された全てのユーザの位置情報Pが、建物100-Aの位置情報Tを含む指定範囲外に存在する場合には、全てのユーザが建物100-Aに存在しないと判定する。
【0052】
データ管理部34は、全てのユーザが建物100-Aに存在しないと判定した場合には、建物100-Aに設置された各開閉体200の開閉ステータス情報を確認する(ステップS103)。全てのユーザが建物100-Aに存在しないと判定した場合とは、例えば、建物100-Aの建物ステータス情報が「在宅」から「全員外出」に切り替わった場合である。データ管理部34は、建物100-Aに設置された複数の開閉体200のうち、閉体ステータス情報が開状態又は解錠状態である開閉体200があるか否かを判定する(ステップ104)。例えば、通知部36は、開状態又は解錠状態である開閉体200があると判定された場合には、例えば建物100-Aのユーザ全員に第1アラームを通知する(ステップS105)。第1のアラームは、「リビングの窓が開いています。閉めますか?」などの情報を含んでもよい。第1アラームの通知は、建物100-Aのユーザによって解除可能である。通知部36は、第1アラームの通知が不要である設定が予め行われている場合には、第1のアラームの通知を行わない。
【0053】
ユーザは、第1のアラームの通知を受け取り、施錠を行うと判断した判断した場合には、通信端末20の表示部22に表示される所定のアイコンをタッチ操作する。通信端末20は、所定のアイコンがタッチ操作されると、施錠の実行を指示する施錠指示を情報処理装置30に送信する。制御部37は、施錠指示を受信すると、建物100-Aの全ての開閉体200を閉状態にして施錠させる施錠制御を実行する(ステップS106)。ステップS106において、制御部37は、施錠指示を受信せずに、建物100-Aの全ての開閉体200を閉状態にして施錠させる施錠制御を実行してもよい。
【0054】
ステップS104において、データ管理部34は、建物100-Aに設置された複数の開閉体200の全てが解錠状態である場合には、ステップS105及びステップS106を実行せずにステップS107に移行する。ステップS107において、モード切替部35は、防犯モードに移行する。
【0055】
侵入者が建物100に侵入する場合には、侵入者は、窓や扉などの開閉体200の施錠を解除したり、開閉体200を閉状態から開状態にしたりする。防犯モードに移行した後に、通知部36は、建物100-Aに設置された複数の開閉体200のうち、開状態または解錠状態になった開閉体200を検出したか否かを判定する(ステップS108)。通知部36は、開状態または解錠状態になった開閉体200を検出した場合には、予め指定された通信端末20に対して第2アラームを通知する(ステップS109)。例えば、開状態または解錠状態になった開閉体200を検出するとは、建物100-Aの複数の開閉体200のうち、いずれかの開閉体200の開閉体ステータス情報が、「開状態」または「解錠状態」になった場合である。
【0056】
防犯モード時において、開状態または解錠状態になった開閉体200が検出されていない場合に、データ管理部34は、新たに得られた建物100-Aの全てのユーザの位置情報Pに基づいて、全てのユーザが建物100-Aに存在しないか否かを判定する(ステップS110)。全てのユーザが建物100-Aに存在しないと判定された場合には、防犯モードが継続される。少なくともいずれかのユーザが建物100-Aに存在すると判定された場合には、モード切替部35は、防犯モードを解除する(ステップS111)。少なくともいずれかのユーザが建物100-Aに存在すると判定された場合とは、建物100-Aのすべてのユーザのうち、一人以上のユーザのユーザステータス情報が「在宅中」になった場合である。
【0057】
以上、説明したように、防犯システム1は、第1情報取得部31、第2情報取得部32、データ管理部34及び通知部36を備える。第1情報取得部31は、予め登録された登録者の位置情報Pを取得する。第2情報取得部32は、建物100内の扉及び窓の少なくともいずれかの開閉体200の開閉状態と解施錠状態との両方又はいずれかをネットワークを介して取得する。データ管理部34は、第1情報取得部31が取得する位置情報Pに基づいて登録者が建物100を含む指定範囲の外に存在するか否かを判定する。通知部36は、すべての登録者が指定範囲の外に存在すると判定された場合において、開閉体200の開状態または施錠の解錠状態を検出した場合には、予め指定された通信端末20に対してアラームを通知する。このアラームは、第1のアラームであってもよいし、第2のアラームであてもよいし、その両方であってもよい。
【0058】
防犯システム1は、ユーザの位置情報に基づいて登録者が建物100を含む指定範囲の外に存在するか否かを判定するため、ユーザによる警戒設定操作が不要である。防犯システム1は、ユーザの負担を軽減することができる。
【0059】
防犯システム1は、登録者が建物100を含む指定範囲の外に存在すると判定した場合には、防犯犯モードに移行してもよい。防犯システム1は、防犯モードに移行する際には、全ての開閉体200を閉状態及び施錠状態に制御してもよい。防犯システム1は、窓や扉の施錠の忘れがあった場合でも、開閉体200の施錠を行うことができる。
【0060】
防犯システム1は、防犯モード中に開状態及び解錠状態になった開閉体200を検出した場合には、通信端末20に第2アラームを通知してもよい。防犯システム1は、警戒設定操作が行われなかった場合でも、第2アラームを通知することができるため防犯性の低下を抑制できる。
【0061】
防犯システム1は、防犯モード中に登録者が一人でも建物100を含む指定範囲内に存在すると判定した場合には、防犯モードを解除してもよい。防犯システム1は、ユーザの負担を軽減することができる。
【0062】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0063】
例えば、情報処理装置30は、プロセッサを備える。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)である。例えば、情報処理装置30は、マイクロコントローラであってもよい。情報処理装置30は、不揮発性の半導体及び揮発性の半導体の少なくともいずれか一方を備えもてよい。情報処理装置30は、プロセッサがプログラムを実行することによって実現されてもよい。情報処理装置30の構成要素のうち少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0064】
例えば、上記ハードウェアは、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくともいずれかである。上記プログラムは、予め記憶装置に格納されていてもよい。前記記憶装置は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記憶装置は、HDD(Hard Disk Drive)及びフラッシュメモリの少なくともいずれかである。前記プログラムは、着脱可能な記憶媒体に格納されてもよい。この場合には、前記プログラムは、記憶媒体がドライブ装置に装着されることによって前記記憶装置にインストールされてもよい。前記記憶媒体は、非一過性の記憶媒体である。例えば、前記記録媒体は、ROMなどである。
【符号の説明】
【0065】
1…防犯システム、10…ゲートウェイ、20…通信端末、30…情報処理装置、31…第1情報取得部、32…第2情報取得部、33…格納部、34…データ管理部、35…モード切替部、36…通知部、37…制御部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6