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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103883
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20220701BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
A61L2/10
C02F1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218782
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 俊範
(72)【発明者】
【氏名】常盤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】稲岡 夏希
【テーマコード(参考)】
4C058
4D037
【Fターム(参考)】
4C058AA20
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK28
4C058KK32
4C058KK46
4D037AA01
4D037AA02
4D037AA09
4D037AB03
4D037BA18
(57)【要約】
【課題】流体に紫外線を均一に照射して十分に殺菌できる殺菌装置を提供すること。
【解決手段】殺菌装置は、流体を収容するための略球状の貯留部と、前記貯留部に開口し、前記貯留部内に前記流体を供給するための供給口と、前記貯留部に開口し、前記貯留部内の前記流体を取り出すための取出口と、前記貯留部内に紫外線を照射する光源と、を有する。前記貯留部は、前記供給口における前記流体の流動方向において上流側に位置する略半球状の第1半貯留部と、下流側に位置する略半球状の第2半貯留部と、を含む。前記供給口は、前記第1半貯留部に開口し、前記取出口は、前記第2半貯留部に開口する。前記供給口において前記貯留部に接続される供給流路の内面の延在方向に直交する仮想平面に前記供給口および前記取出口を投影したとき、前記供給口の重心と前記取出口の重心とは離間している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体に紫外線を照射して前記流体を殺菌処理する殺菌装置であって、
前記流体を収容するための略球状の貯留部と、
前記貯留部に開口し、前記貯留部内に前記流体を供給するための供給口と、
前記貯留部に開口し、前記貯留部内の前記流体を取り出すための取出口と、
前記貯留部内に紫外線を照射する光源と、
を有し、
前記貯留部は、前記供給口における前記流体の流動方向において上流側に位置する略半球状の第1半貯留部と、下流側に位置する略半球状の第2半貯留部と、を含み、
前記供給口は、前記第1半貯留部に開口し、
前記取出口は、前記第2半貯留部に開口し、
前記供給口において前記貯留部に接続される供給流路の内面の延在方向に直交する仮想平面に前記供給口および前記取出口を投影したとき、前記供給口の重心と前記取出口の重心とは離間している、
殺菌装置。
【請求項2】
前記仮想平面に前記供給口および前記取出口を投影したとき、前記供給口と前記取出口とは離間している、請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記光源は、前記第2半貯留部側に配置されている、請求項1または請求項2に記載の殺菌装置。
【請求項4】
前記貯留部の重心は、前記供給口の重心と前記取出口の重心とを結ぶ直線から離間している、請求項1~3のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項5】
前記貯留部の重心は、前記供給口と前記取出口との間に位置しない、請求項4に記載の殺菌装置。
【請求項6】
前記仮想平面に前記供給口、前記取出口および前記貯留部を投影したとき、前記供給口の重心および前記貯留部の重心を結ぶ直線と、前記取出口の重心および前記貯留部の重心を結ぶ直線とのなす角度は、75~165°の範囲内である、請求項1~5のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項7】
前記供給口は、供給流路に接続されており、
前記供給口における前記流体の流動方向に沿い、かつ前記貯留部の重心を含む断面における、前記供給流路の内面と前記貯留部の内面との接続部において、前記供給流路の内面の一部は、前記接続部における前記貯留部の内面の接線と一致するように、前記貯留部の内面と滑らかに連続して配置されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項8】
前記取出口は、前記光源から出射された紫外線が直接到達しない位置に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項9】
前記貯留部を構成する壁は、紫外線を透過させる窓を含み、
前記光源は、前記窓を通して前記貯留部内に紫外線を照射する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【請求項10】
前記貯留部の内面は、紫外線の反射率が80%以上である紫外線反射面を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体に紫外線を照射して前記流体を殺菌処理する殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線を用いて液体などの流体を殺菌処理できることは広く知られている。たとえば、特許文献1には、軸方向に延びる流路に対して、上記軸方向に紫外線を照射して、流路内を流れる流体を殺菌する流体殺菌装置が記載されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に記載の流体殺菌装置は、紫外線を出射する半導体発光素子を含む光源と、殺菌対象の流体が軸方向に流れる流路を有する筐体と、を有する。上記光源は、筐体の軸方向の一端部に配置される。上記筐体は、上記一端部から他端部に向けて流路の断面積が徐々に大きくなるテーパ構造を有する。当該テーパ構造は、上記半導体発光素子の配向角に合わせた傾斜を有している。また、上記筐体の他端部に、流体の流れを整える整流手段が設けられている。
【0004】
特許文献1では、筐体が半導体発光素子の配向角に合わせた傾斜を有するテーパ構造を有することにより、光源から遠い位置まで紫外線を到達させることができ、かつ、整流手段で流れを整えた流体に紫外線を照射することで、流体に万遍なく紫外線が照射されるので、殺菌効果を高めることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-98055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の殺菌装置には、流体に紫外線を均一に照射する観点、および流体の圧力損失を低減する観点から改善の余地がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、流体に紫外線を均一に照射して十分に殺菌できる殺菌装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施の形態に係る殺菌装置は、流体に紫外線を照射して前記流体を殺菌処理する殺菌装置であって、前記流体を収容するための略球状の貯留部と、前記貯留部に開口し、前記貯留部内に前記流体を供給するための供給口と、前記貯留部に開口し、前記貯留部内の前記流体を取り出すための取出口と、前記貯留部内に紫外線を照射する光源と、を有し、前記貯留部は、前記供給口における前記流体の流動方向において上流側に位置する略半球状の第1半貯留部と、下流側に位置する略半球状の第2半貯留部と、を含み、前記供給口は、前記第1半貯留部に開口し、前記取出口は、前記第2半貯留部に開口し、前記供給口において前記貯留部に接続される供給流路の内面の延在方向に直交する仮想平面に前記供給口および前記取出口を投影したとき、前記供給口の重心と前記取出口の重心とは離間している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、流体に紫外線を均一に照射して十分に殺菌できる殺菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る殺菌装置の斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る殺菌装置の断面斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る殺菌装置の透過斜視図である。
図4図4は、仮想平面に供給口、取出口および貯留部を投影したときの、供給口と取出口との位置関係を示す投影図である。
図5図5は、実施の形態に係る殺菌装置の貯留部内における流体の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る殺菌装置について説明する。
【0012】
(殺菌装置の構成)
図1~3は、本発明の一実施の形態に係る殺菌装置100の構成を示す図である。図1は、殺菌装置100の斜視図である。図2は、殺菌装置100の断面斜視図である。図3は、殺菌装置100の貯留部110の近傍の透過斜視図である。図4は、仮想平面(後述)に供給口120、取出口130および貯留部110を投影したときの、供給口120と取出口130との位置関係を示す投影図である。
【0013】
図1および図2に示されるように、殺菌装置100は、流体に紫外線を照射して流体を殺菌処理する殺菌装置であって、殺菌対象の流体を収容するための貯留部110と、貯留部110に開口した供給口120と、貯留部110に開口した取出口130と、貯留部110内に紫外線を照射する光源140と、を有する。
【0014】
貯留部110は、流体を収容するための略球状の空間である。貯留部110は、供給口120における流体の流動方向(図2における矢印A方向)において上流側に位置する略半球状の第1半貯留部111と、下流側に位置する略半球状の第2半貯留部112と、を含む。本実施の形態では、貯留部110は、第1半貯留部111を含む第1部材101と、第2半貯留部112を含む第2部材102とを接合することで、貯留部110が形成される。本実施の形態では、第1部材101のフランジと第2部材102のフランジとを複数の螺子を用いて接合している。なお、第2部材102には、さらに第3部材103も接合される。第2部材102と第3部材103も複数の螺子を用いて接合される。
【0015】
貯留部110の周囲の壁は、流れる流体の圧力によって変形または破損しないように構成されている。貯留部110の周囲の壁は、例えば金属または樹脂により構成されている。また、貯留部110内の流体に対して効率よく紫外線を照射する観点からは、貯留部110(第1半貯留部111および第2半貯留部112)の内面は、光源140から照射される紫外線の反射率が80%以上である紫外線反射面を含むことが好ましい。たとえば、貯留部110の内面をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やアルミニウムなどの紫外線に対して高い反射率を有する材料で構成することで、貯留部110の内面を紫外線反射面とすることができる。本実施の形態では、第1部材101および第2部材102は、いずれもPTFEで構成されている。
【0016】
貯留部110の内径Wは、特に限定されないが、例えば20~60mm程度である。貯留部110の内径Wを20~60mm程度とすることにより、光源140として1個のUV-C LEDのみを用いた場合であっても、貯留部110内の流体を十分に殺菌することができる。
【0017】
供給口120は、貯留部110に開口し、貯留部110内に流体を供給するための開口部である。取出口130は、貯留部110に開口し、貯留部110内の殺菌された流体を取り出すための開口部である。供給口120は、貯留部110の中でも第1半貯留部111に開口し、取出口130は、貯留部110の中でも第2半貯留部112に開口する。取出口130は、貯留部110(第2半貯留部112)において、光源140から出射された紫外線が直接到達しない位置に配置されていることが好ましい。本実施の形態では、供給口120は、供給流路121に接続されており、取出口130は、取出流路131に接続されている。また、本実施の形態では、供給流路121の供給口120の近傍の部分および取出流路131の取出口130の近傍の部分は、互いに平行である。
【0018】
本実施の形態では、供給口120は、供給流路121に接続されている。換言すれば、供給流路121の貯留部110への開口部が、供給口120である。供給口120(供給流路121)は、貯留部110内に貯留部110の壁に沿って滑らかに流体を供給できるように配置されていることが好ましい。本実施の形態では、供給口120における流体の流動方向(図2における矢印A方向)に沿い、かつ貯留部110の重心を含む断面における、供給流路121の内面と貯留部110の内面との接続部122において、供給流路121の内面の一部は、接続部122における貯留部110の内面の接線と一致するように、貯留部110の内面と滑らかに連続して配置されている。
【0019】
また、本実施の形態では、取出口130は、取出流路131に接続されている。換言すれば、取出流路131の貯留部110への開口部が、取出口130である。取出口130(取出流路131)は、貯留部110内から貯留部110の壁に沿って滑らかに流体を取り出せるように配置されていることが好ましい。本実施の形態では、取出口130における流体の流動方向(図2における矢印B方向)に沿い、かつ貯留部110の重心を含む断面における、取出流路131の内面と貯留部110の内面との接続部132において、取出流路131の内面の一部は、接続部132における貯留部110の内面の接線と一致するように、貯留部110の内面と滑らかに連続して配置されている。
【0020】
供給流路121の内面と貯留部110の内面との接続部122、および取出流路131の内面と貯留部110の内面との接続部132において段差を無くすことにより、球状の貯留部110の壁面に沿った流体の流れを作ることができるとともに、貯留部110内で流体を一定の方向に回転させながら滞留させた後に流体を取り出すことができる。これにより、流体に紫外線が均一に照射されるので、流体の十分な殺菌を行うことができる。
【0021】
供給口120(供給流路121)の内径Wおよび取出口130(取出流路131)の内径Wは、特に限定されないが、殺菌性能を維持しつつ流体の圧力損失を低減する観点からは、貯留部110の内径Wに対して、25~40%の範囲内であることが好ましい。供給口120の内径Wおよび取出口130の内径Wを大きくすることで、殺菌装置100における流体の圧力損失を低減することができる。一方、供給口120の内径Wおよび取出口130の内径Wを小さくすることで、供給口120から供給された流体が貯留部110内に留まる時間が長くなり、殺菌性能を向上させることができる。
【0022】
図4に示されるように、供給口120において貯留部110に接続される供給流路121の内面の延在方向(図2における矢印A方向)に直交する仮想平面に供給口120、取出口130および貯留部110を投影したとき、供給口120の重心と取出口130の重心とが離間するように、供給口120および取出口130は配置されている。本実施の形態では、上記のように投影したときに、供給口120と取出口130とが離間するように、供給口120および取出口130は配置されている。このように供給口120および取出口130を配置した場合、図5に示されるように、供給口120から貯留部110内に供給された流体は、取出口130に直線的に向かうことなく、貯留部110内を何度も旋回した上で取出口130に到達する。したがって、流体は、十分な量の紫外線を照射され、十分に殺菌された上で取出口130に到達する。なお、本実施の形態では、上記のように投影したときに、窓150(光源140)は、供給口120および取出口130と重ならないように配置されている。なお、本実施の形態では、図4に示されるように、上記仮想平面に投影したとき、供給口120、取出口130、窓150および貯留部110は、いずれも円形である。したがって、供給口120の重心は、供給口120の中心と一致し、取出口130の重心は、取出口130の中心と一致し、貯留部110の重心は、貯留部110の中心と一致する。
【0023】
本実施の形態では、図3に示すように、貯留部110の重心(図3において貯留部110の中央にある黒点)は、供給口120の重心(図3において供給口120の中央にある黒点)と取出口130の重心(図3において取出口130の中央にある黒点)とを結ぶ直線から離間している。また、貯留部110の重心は、供給口120と取出口130との間に位置していない。
【0024】
また、本実施の形態では、図4に示すように、上記仮想平面に供給口120、取出口130および貯留部110を投影したとき、供給口120の重心(図4において供給口120の中央にある黒点)および貯留部110の重心(図4において貯留部110の中央にある黒点)を結ぶ直線と、取出口130の重心(図4において取出口130の中央にある黒点)および貯留部110の重心を結ぶ直線とのなす角度αは、75~165°の範囲内であることが好ましく、120~150°の範囲内であることがより好ましい。角度αを上記の範囲内とすることで、十分な殺菌性能を維持しつつ流体の圧力損失をより低減することができる。ここで2つの直線がなす角度とは、2つの直線がなす2つの角度のうち小さい方の角度を意味する。
【0025】
光源140は、貯留部110内の流体に紫外線を照射する。光源140は、貯留部110内の流体に直接紫外線を照射してもよいし、窓やミラーなどの他の部材を介して貯留部110内の流体に紫外線を照射してもよい。本実施の形態では、貯留部110を構成する壁は、紫外線を透過させる窓150を含み、光源140は、窓150を通して貯留部110内に紫外線を照射する。光源140の種類は、紫外線を出射できれば特に限定されない。光源140の例には、発光ダイオード(LED)、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、レーザーダイオード(LD)が含まれる。本実施の形態では、光源140は、発光ダイオード(LED)である。光源140が出射する紫外線の波長は、特に限定されない。光源140が出射する紫外線の波長は、効果的に殺菌する観点から、200nm以上350nm以下が好ましく、200nm以上280nm以下がより好ましい。すなわち、光源140から出射される紫外線は、紫外線C波(UVC)が好ましい。市販されている光源140の例には、ピーク波長が280nmの紫外線発光ダイオードであるNCSU334A(日亜化学工業株式会社)が含まれる。また、ピーク波長が280nmの紫外線発光ダイオードの他の例には、KLARAN(旭化成株式会社)、ZEU110BEAE(スタンレー電気株式会社)が含まれる。
【0026】
光源140の位置は、貯留部110内の流体に紫外線を照射できれば特に限定されないが、第2半貯留部に配置することで、より殺菌性能を向上させることができる。本実施の形態では、光源140は、第2半貯留部112側に配置されている。より具体的には、光源140は、第3部材103に設けられた凹部の内部(第2半貯留部112を構成する壁の内部)に、光源140の光軸が供給口120および取出口130のいずれにも交差しないように配置されている。
【0027】
窓150は、貯留部110の壁面の一部として配置されており、光源140から出射された紫外線を貯留部110の内部へ透過させる。窓150の材料は、紫外線を透過させることができ、かつ必要な強度を有していれば、特に限定されない。殺菌性能を向上させる観点からは、窓150の材料は、波長200nm以上350nm以下の紫外線を透過させる材料であることが好ましく、200nm以上280nm以下の紫外線を透過させる材料であることがより好ましい。窓150の材料の例には、石英(SiO)、サファイア(Al)および非晶質のフッ素系樹脂などが含まれる。
【0028】
また、窓150の形状は、光源140から出射された紫外線を貯留部110内に到達させることができれば特に限定されず、平板状であってもよいし、貯留部110の内面に合わせた形状であってもよい。本実施の形態では、窓150は、平板状であり、第2部材102に設けられた凹部の内部に配置されている。窓150の外径Wは、光源140から出射された紫外線を貯留部110の内に到達させることができれば特に限定されない。たとえば、窓150の外径Wは、貯留部110の内径Wの大きさに対して、20~50%の大きさであることが好ましい。窓150の外径Wを大きくすることで、貯留部110内の広い範囲に紫外線を直接照射することができる。一方、窓150の外径Wを小さくすることで、貯留部110の内面に占める紫外線反射面の割合を大きくすることができる。
【0029】
(殺菌装置の使用方法)
次に、本実施の形態に係る殺菌装置100の使用方法について説明する。
【0030】
光源140から紫外線を出射させた状態で、殺菌対象の流体(例えば水)を供給口120から貯留部110内に導入するとともに、貯留部110内の流体を取出口130から取り出す。このとき、供給口120(供給流路121)側を加圧して流体を移動させてもよいし、取出口130(取出流路131)側を減圧して流体を移動させてもよい。前述のとおり、本実施の形態に係る殺菌装置100では、貯留部110の形状を略球状とし、かつ供給口120および取出口130を所定の条件を満たすように配置したため、殺菌対象の流体は、貯留部110内を旋回しつつ紫外線を照射され、十分に殺菌された状態で取出口130から取り出される。
【0031】
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る殺菌装置100によれば、貯留部110の形状を略球状とし、かつ供給口120および取出口130を所定の条件を満たすように配置したため、十分な殺菌性能を維持しつつ流体の圧力損失を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本実施の形態に係る殺菌装置は、例えば、浄水や農業用水、食品用洗浄水、各種洗浄水、浴場の水、プールの水などの殺菌において有用である。
【符号の説明】
【0033】
100 殺菌装置
101 第1部材
102 第2部材
103 第3部材
110 貯留部
111 第1半貯留部
112 第2半貯留部
120 供給口
121 供給流路
122 接続部
130 取出口
131 取出流路
132 接続部
140 光源
150 窓
図1
図2
図3
図4
図5