(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022103938
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】機能実行装置及び機能実行装置のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220701BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220701BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G06F3/12 331
G06F3/12 303
G06F3/12 357
G06F3/12 385
B41J29/38
H04N1/00 127Z
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020218863
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 和英
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN27
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC51
5C062AE08
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF01
5C062AF12
5C062AF18
(57)【要約】
【課題】第1の外部装置で文字化けする可能性がある名称を含む第1の機能設定情報が第1の外部装置に送信されることを抑制する技術を提供する。
【解決手段】機能実行装置は、1個以上の機能設定情報がメモリに記憶されている状態において、第1の外部装置から、第1の外部装置で利用される言語を示す言語コードを含む送信要求を受信する送信要求受信部と、送信要求が第1の言語コードを含む場合に、1個以上の機能設定情報のうちの第1の機能設定情報を第1の外部装置に送信する機能設定情報送信部であって、第1の機能設定情報は、第1の言語コードによって示される第1の言語で記述されている第1の名称を含む機能設定情報である、機能設定情報送信部と、を備える。送信要求が第1の言語コードとは異なる第2の言語コードを含む場合に、第1の機能設定情報は第1の外部装置に送信されない。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能実行装置であって、
1個以上の機能設定情報がメモリに記憶されている状態において、第1の外部装置から、前記第1の外部装置で利用される言語を示す言語コードを含む送信要求を受信する送信要求受信部であって、前記1個以上の機能設定情報のそれぞれは、当該機能設定情報を識別するための名称と、前記機能実行装置に機能を実行させるための機能実行条件と、を含み、前記送信要求は、前記1個以上の機能設定情報の送信を要求するコマンドである、前記送信要求受信部と、
前記送信要求が第1の言語コードを含む場合に、前記1個以上の機能設定情報のうちの第1の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信する機能設定情報送信部であって、前記第1の機能設定情報は、前記第1の言語コードによって示される第1の言語で記述されている第1の名称を含む機能設定情報である、前記機能設定情報送信部と、を備え、
前記送信要求が前記第1の言語コードとは異なる第2の言語コードを含む場合に、前記第1の機能設定情報は前記第1の外部装置に送信されない、機能実行装置。
【請求項2】
前記メモリは、前記1個以上の機能設定情報のそれぞれについて、当該機能設定情報と、当該機能設定情報に含まれる前記名称を記述している言語を示す言語コードと、を対応付けて記憶しており、
前記機能設定情報送信部は、前記送信要求が前記第1の言語コードを含む場合に、前記第1の言語コードに対応付けて前記メモリに記憶されている前記第1の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信する、請求項1に記載の機能実行装置。
【請求項3】
前記機能実行装置は、さらに、
第2の外部装置から、前記第1の機能設定情報と前記第1の言語コードとを含む登録要求を受信する登録要求受信部と、
前記第2の外部装置から前記登録要求が受信される場合に、前記第1の機能設定情報と前記第1の言語コードとを対応付けて前記メモリに記憶させる記憶制御部と、を備える、請求項2に記載の機能実行装置。
【請求項4】
前記機能設定情報送信部は、さらに、
前記送信要求が前記第1の言語コードを含む場合に、前記1個以上の前記機能設定情報のうちの第2の機能設定情報であって、前記第1の言語コードによって示される前記第1の言語とは異なる第2の言語で記述されている第2の名称を含む前記第2の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信し、
前記送信要求が前記第2の言語コードを含む場合に、前記第1の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信せずに、前記第2の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項5】
前記メモリは、さらに、前記機能実行装置の管理者を識別する管理者識別情報を記憶しており、
前記送信要求は、さらに、第1のユーザ識別情報を含み、
前記機能実行装置は、さらに、
前記送信要求が前記第2の言語コードを含む場合に、前記送信要求に含まれる前記第1のユーザ識別情報と、前記メモリ内の前記管理者識別情報と、が一致するのか否かを判断する第1の判断部を備え、
前記機能設定情報送信部は、前記送信要求が前記第2の言語コードを含み、かつ、前記第1のユーザ識別情報と前記管理者識別情報とが一致すると判断される場合に、前記第2の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信し、
前記送信要求が前記第2の言語コードを含み、かつ、前記第1のユーザ識別情報と前記管理者識別情報とが一致しないと判断される場合に、前記第2の機能設定情報は前記第1の外部装置に送信されない、請求項4に記載の機能実行装置。
【請求項6】
前記メモリは、さらに、前記1個以上の機能設定情報のそれぞれについて、当該機能設定情報と、当該機能設定情報に含まれる前記名称を記述している言語を示す言語コードと、当該機能設定情報を前記メモリに記憶させたユーザを識別するユーザ識別情報と、を対応付けて記憶しており、
前記送信要求は、さらに、第1のユーザ識別情報を含み、
前記機能実行装置は、さらに、
前記送信要求が前記第2の言語コードを含む場合に、前記送信要求に含まれる前記第1のユーザ識別情報と、前記第2の機能設定情報に対応付けて前記メモリに記憶されている第2のユーザ識別情報と、が一致するのか否かを判断する第2の判断部を備え、
前記機能設定情報送信部は、前記送信要求が前記第2の言語コードを含み、かつ、前記第1のユーザ識別情報と前記第2のユーザ識別情報とが一致すると判断される場合に、前記第2の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信し、
前記送信要求が前記第2の言語コードを含み、かつ、前記第1のユーザ識別情報と前記第2のユーザ識別情報とが一致しないと判断される場合に、前記第2の機能設定情報は前記第1の外部装置に送信されない、請求項4又は5に記載の機能実行装置。
【請求項7】
前記機能設定情報送信部は、さらに、前記送信要求が前記第2の言語コードを含む場合に、前記第1の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信せずに、特定の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信し、
前記特定の機能設定情報は、前記第1の機能設定情報に含まれる第1の機能実行条件と、前記第1の名称とは異なる所定の名称であって、前記第2の言語コードによって示される第2の言語で記述されている前記所定の名称と、を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項8】
前記メモリは、さらに、前記1個以上の機能設定情報のそれぞれについて、当該機能設定情報と、当該機能設定情報の送信に関係する送信情報と、を対応付けて記憶しており、
前記送信情報は、機能設定情報の送信が許可されていることを示す許可情報と、機能設定情報の送信が制限されていることを示す制限情報と、のどちらかを示し、
前記機能実行装置は、さらに、前記送信要求が前記第2の言語コードを含み、かつ、前記1個以上の前記機能設定情報のうちの第3の機能設定情報に対応付けて前記メモリに記憶されている前記送信情報が前記許可情報である場合に、前記第3の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信し、
前記第3の機能設定情報は、前記第1の言語コードによって示される前記第1の言語とは異なる第3の言語で記述されている第3の名称を含む機能設定情報であり、
前記送信要求が前記第2の言語コードを含み、かつ、前記第3の機能設定情報に対応付けて前記メモリに記憶されている前記送信情報が前記制限情報である場合に、前記第3の機能設定情報は前記第1の外部装置に送信されない、請求項1から7のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項9】
機能実行装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記機能実行装置のコンピュータを、
1個以上の機能設定情報がメモリに記憶されている状態において、第1の外部装置から、前記第1の外部装置で利用される言語を示す言語コードを含む送信要求を受信する送信要求受信部であって、前記1個以上の機能設定情報のそれぞれは、当該機能設定情報を識別するための名称と、前記機能実行装置に機能を実行させるための機能実行条件と、を含み、前記送信要求は、前記1個以上の機能設定情報の送信を要求するコマンドである、前記送信要求受信部と、
前記送信要求が第1の言語コードを含む場合に、前記1個以上の機能設定情報のうちの第1の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信する機能設定情報送信部であって、前記第1の機能設定情報は、前記第1の言語コードによって示される第1の言語で記述されている第1の名称を含む機能設定情報である、前記機能設定情報送信部と、として機能させ、
前記送信要求が前記第1の言語コードとは異なる第2の言語コードを含む場合に、前記第1の機能設定情報は前記第1の外部装置に送信されない、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、機能設定情報を外部装置に送信可能な機能実行装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信装置とMFP(Multi-Function Peripheralの略)とを備える画像形成システムが開示されている。MFPは、通信装置から、IPP(Internet Printing Protocolの略)に従ったGet-Printer-Attributesを受信すると、印刷プリセットを通信装置に送信する。通信装置は、MFPから印刷プリセットを受信すると、当該印刷プリセットの名称を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
MFPに登録されている印刷プリセットの名称を記述している言語と、通信装置で利用される言語(即ち通信装置のOSに設定されている言語)と、が異なり得る。この場合、通信装置において当該印刷プリセットの名称が文字化けする可能性がある。
【0005】
本明細書は、第1の外部装置で文字化けする可能性がある名称を含む第1の機能設定情報が第1の外部装置に送信されることを抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される機能実行装置は、1個以上の機能設定情報がメモリに記憶されている状態において、第1の外部装置から、前記第1の外部装置で利用される言語を示す言語コードを含む送信要求を受信する送信要求受信部であって、前記1個以上の機能設定情報のそれぞれは、当該機能設定情報を識別するための名称と、前記機能実行装置に機能を実行させるための機能実行条件と、を含み、前記送信要求は、前記1個以上の機能設定情報の送信を要求するコマンドである、前記送信要求受信部と、前記送信要求が第1の言語コードを含む場合に、前記1個以上の機能設定情報のうちの第1の機能設定情報を前記第1の外部装置に送信する機能設定情報送信部であって、前記第1の機能設定情報は、前記第1の言語コードによって示される第1の言語で記述されている第1の名称を含む機能設定情報である、前記機能設定情報送信部と、を備え、前記送信要求が前記第1の言語コードとは異なる第2の言語コードを含む場合に、前記第1の機能設定情報は前記第1の外部装置に送信されなくてもよい。
【0007】
上記の構成によると、機能実行装置は、第1の外部装置から、第1の言語コードを含む送信要求を受信する場合に、第1の機能設定情報を第1の外部装置に送信する。第1の機能設定情報の名称に利用される第1の言語コードと、第1の外部装置で利用される第1の言語コードと、が一致するため、第1の外部装置に第1の名称が文字化けすることなく表示される。一方、機能実行装置は、第1の外部装置から、第2の言語コードを含む送信要求を受信する場合に、第1の機能設定情報を第1の外部装置に送信しない。第1の機能設定情報の名称に利用される第1の言語コードと、第1の外部装置で利用される第2の言語コードと、が一致しない場合、第1の外部装置において第1の機能設定情報の名称が文字化けする可能性がある。従って、第1の外部装置で文字化けする可能性がある名称を含む第1の機能設定情報が第1の外部装置に送信されることを抑制することができる。
【0008】
上記の機能実行装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の機能実行装置と第1の外部装置を備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】プリセット情報が登録されるケースAのシーケンス図を示す。
【
図6】印刷が実行されるケースBのシーケンス図を示す。
【
図7】印刷設定画面が表示されるケースC、ケースDのシーケンス図を示す。
【
図9】第2実施例において、印刷設定画面が表示されるケースEのシーケンス図を示す。
【
図10】第3実施例に係るIPP処理のフローチャートを示す。
【
図11】第3実施例において、印刷設定画面が表示されるケースFのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成;
図1)
図1に示すように、通信システム2は、プリンタ10と、複数個のPC100A~100Dと、を備える。プリンタ10と各PC100A~100Dは、同じLAN(Local Area Networkの略)4に所属しており、LAN4を介して相互に通信可能である。
【0011】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ちPC100A~100Dの周辺装置)である。プリンタ10は、さらに、ウェブサーバ機能を実行可能である。ウェブサーバ機能は、外部機器がプリンタ10内のウェブサーバにアクセスすることに応じて、ウェブページを表わすウェブページデータを外部機器に送信する機能である。なお、プリンタ10は、これらの機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、通信インターフェース(以下ではインターフェースを「I/F」と記載する)20と、制御部30と、を備える。
【0012】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネル(即ち、操作部)としても機能する。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。通信I/F20は、LAN4に接続されている。通信I/F20は、無線I/Fであってもよいし、有線I/Fであってもよい。
【0013】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、ユーザテーブル38と、プリセットテーブル40と、言語判定テーブル42と、を記憶している。
【0014】
(PC100A~100Dの構成)
PC100Aは、プリンタ10の管理者によって利用されるPCである。各PC100B~100Dは、プリンタ10の管理者とは異なるユーザ、即ち、一般ユーザによって利用されるPCである。PC100B、100Dは、同じユーザによって利用されるPCであり、異なるロケーションに設置されているPCである。PC100A~100Dには、それぞれ、当該PCを利用するユーザを識別するためのユーザ名「U1」、「U2」、「U3」、「U2」が記憶されている。
【0015】
各PC100A~100DのOS(Operating Systemの略)には、各PC100A~100Dで利用される言語を示す言語コードが設定されている。PC100A、100C、100DのOSには、英語に対応する言語コード「en」が設定されている。PC100BのOSには、日本語に対応する言語コード「ja」が設定されている。
【0016】
各PC100A~100Dは、インターネット上のサーバからインストールされたIPP(Internet Printing Protocolの略)プログラム(図示省略)を備える。IPPプログラムは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocolの略)に従ったIPPコマンドを生成して、当該コマンドをプリンタ10に送信するためのプログラムである。本実施例では、上記のサーバは、プリンタ10のベンダとは異なる事業者によって提供されるものである。ただし、変形例では、上記のサーバは、プリンタ10のベンダによって提供されるものであってもよい。なお、各PC100A~100Dは、サーバからIPPプログラムをインストールすることなく、IPPを予めサポートしていてもよい。
【0017】
(各テーブル38、40、42の内容;
図2)
続いて、
図2を参照して、プリンタ10内のユーザテーブル38、プリセットテーブル40、及び、言語判定テーブル42の内容を説明する。
【0018】
ユーザテーブル38では、プリンタ10を利用する1以上のユーザのそれぞれについて、ユーザ名と、パスワードと、権限情報と、が対応付けて記憶される。各情報は、プリンタ10の管理者によって、例えば、プリンタ10のウェブサーバ機能を利用して登録される。ユーザ名及びパスワードは、個々のユーザの認証に利用される情報である。権限情報は、「Owner」及び「Guest」のどちらかを示す情報である。「Owner」は、プリンタ10の管理者であることを示す情報であり、「Guest」は、プリンタ10の管理者とは異なるユーザ、即ち、一般ユーザであることを示す情報である。
【0019】
プリセットテーブル40には、1個以上のプリセット情報(例えば、PI1、PI2、PI3)が記憶される。プリセット情報は、印刷設定情報と、登録ユーザ名と、言語コードと、を含む。プリセット情報は、プリセット名と、印刷条件情報と、を含む。本明細書において、各プリセット名のかっこ内に示されている言語は、プリセット名が記述されている言語を理解し易くするために示されている情報であり、PCの表示部には表示されない文字データである。印刷条件情報は、印刷設定項目「印刷種類」に対応する印刷条件(「片面」又は「両面」)と、印刷設定項目「色数」に対応する印刷条件(「モノクロ」又は「カラー」)と、を含む。変形例では、印刷条件情報は、その他の印刷設定項目(例えば、画質、用紙サイズ、用紙種別、印刷部数、後処理工程等)を含んでいてもよい。また、印刷条件情報は、印刷設定項目「印刷種類」、及び、印刷設定項目「色数」のうちの少なくとも一方を含んでいなくてもよい。登録ユーザ名は、当該ユーザ名を含むプリセット情報を登録したユーザに対応するユーザ名である。
【0020】
言語判定テーブル42では、言語コードと、対象言語と、が対応付けて記憶されている。対象言語は、当該対象言語に対応する言語コードが設定されているPCにおいて、プリセット名が正しく表示される言語を示す情報である。言語コード「en」に対応する対象言語は、言語コード「en」によって示される言語である英語のみを含む。即ち、言語コード「en」が設定されているPCでは、英語によって記述されているプリセット名が、文字化けすることなく表示される。また、言語コード「ja」に対応する対象言語は、言語コード「ja」によって示される言語である日本語に加えて、英語を含む。即ち、言語コード「ja」が設定されているPCでは、英語、及び、日本語によって記述されているプリセット名が、文字化けすることなく表示される。
【0021】
(IPP処理;
図3)
続いて、
図3を参照して、プリンタ10のCPU32によって実行されるIPP処理について説明する。CPU32は、PCからIPPコマンドが受信される場合に、
図3の処理を開始する。なお、プリンタ10によって実行される以下の全ての通信は、通信I/F20を介して実行される。従って、以下では、「通信I/F20を介して」という説明を省略する。
【0022】
S10において、CPU32は、受信されたIPPコマンドがGet-Printer-Attributesコマンド(以下では「GPA」と記載する)であるのか否かを判断する。GPAは、能力情報の送信をプリンタ10に要求するコマンドである。GPAは、GPAの送信元PCのOSに設定されている言語コード(例えば、「en」、「ja」)を含む。CPU32は、受信済みのIPPコマンドがGPAである場合(S10でYES)に、S12に進む。一方、CPU32は、受信済みのIPPコマンドがGPAでない場合(S10でNO)に、S40に進む。
【0023】
S12において、CPU32は、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれているのか否かを判断する。CPU32は、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれている場合(S12でYES)に、S14に進む。一方、CPU32は、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれていない場合(S12でNO)に、S20に進む。
【0024】
S20において、CPU32は、認証画面をPCに表示させるための認証情報要求をPCに送信する。認証画面は、ユーザ名及びパスワードをユーザに入力させるための画面である。CPU32は、S20が終了すると、
図3の処理を終了する。
【0025】
S14において、CPU32は、GPA内のユーザ名及びパスワードを利用して、ユーザ認証を実行する。CPU32は、GPA内のユーザ名及びパスワードの組合せがユーザテーブル38に記憶されている場合、即ち、ユーザ認証が成功する場合に、S14でYESと判断し、S16に進む。以下では、ユーザ認証に成功したユーザ名のことを「認証済みユーザ名」と記載することがある。一方、CPU32は、GPA内のユーザ名及びパスワードの組合せがユーザテーブル38に記憶されていない場合、即ち、ユーザ認証が失敗する場合に、S14でNOと判断し、S30に進む。
【0026】
S16において、CPU32は、送信処理(
図4)を実行する。送信処理は、能力情報をPCに送信するための処理である。能力情報は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)を含む。また、能力情報は、1個以上の印刷設定情報を含み得る。CPU32は、S16が終了すると、
図3の処理を終了する。
【0027】
S30において、CPU32は、ユーザ認証が失敗したことを示すメッセージを含むエラー通知画面をPCに表示させるための認証エラー情報をPCに送信する。CPU32は、S30が終了すると、
図3の処理を終了する。
【0028】
また、S40において、CPU32は、受信されたIPPコマンドがSet-Printer-Attributesコマンド(以下では「SPA」と記載する)であるのか否かを判断する。SPAは、プリセット情報の登録、又は、プリセット情報の消去をプリンタ10に要求するコマンドである。SPAは、認証済みユーザ名と、GPAの送信元PCのOSに設定されている言語コードと、を含む。また、SPAは、1個以上の印刷設定情報を含み得る。CPU32は、受信済みのIPPコマンドがSPAである場合(S40でYES)に、S42に進む。一方、CPU32は、受信済みのIPPコマンドがSPAでない場合(S40でNO)に、S50に進む。S40でNOと判断されるIPPコマンドは、Validate-Jobコマンド(以下では「VJ」と記載する)等である。
【0029】
S50において、CPU32は、受信済みのIPPコマンドに従った各種処理を実行する。CPU32は、S50が終了すると、
図3の処理を終了する。
【0030】
S42において、CPU32は、登録対象の印刷設定情報がSPAに含まれているのか否かを判断する。CPU32は、SPA内に存在すると共に送信済みの能力情報内に存在しない印刷設定情報がある場合に、当該印刷設定情報を登録対象の印刷設定情報として特定し、S42でYESと判断し、S44に進む。一方、CPU32は、送信済みの能力情報内に存在すると共にSPA内に存在しない印刷設定情報がある場合に、当該印刷設定情報を消去対象の印刷設定情報として特定し、S42でNOと判断し、S46に進む。
【0031】
S44において、CPU32は、登録対象の印刷設定情報を含むプリセット情報をプリセットテーブル40に登録するための登録処理を実行する。具体的には、CPU32は、登録対象の印刷設定情報と、SPA内の言語コードと、を対応付けてプリセットテーブル40に記憶する。次いで、CPU32は、登録対象の印刷設定情報に対応する登録ユーザ名として認証済みユーザ名をプリセットテーブル40に記憶する。CPU32は、S44が終了すると、
図3の処理を終了する。
【0032】
S46において、CPU32は、プリセットテーブル40から、消去対象の印刷設定情報を含むプリセット情報を消去する。CPU32は、S46が終了すると、
図3の処理を終了する。
【0033】
(送信処理;
図4)
続いて、
図4を参照して、
図3のS16で実行される送信処理について説明する。S110において、CPU32は、S10で受信したGPAに含まれる言語コード(例えば、「en」、「ja」)を特定する。
【0034】
S112において、CPU32は、プリセットテーブル40から、1個のプリセット情報(以下では、「対象プリセット情報」と記載する)を特定する。
【0035】
S114において、CPU32は、対象プリセット情報内の言語コードを特定する。
【0036】
S120において、CPU32は、S110で特定したGPA内の言語コードと、S114で特定した対象プリセット情報内の言語コードと、が一致するのか否かを判断する。CPU32は、言語コードが一致する場合(S120でYES)に、S150に進む。一方、CPU32は、言語コードが一致しない場合(S120でNO)に、S122に進む。
【0037】
S150において、CPU32は、対象プリセット情報内の印刷設定情報を送信印刷設定情報と特定する。
【0038】
S122において、CPU32は、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名に対応付けられている権限情報が「Owner」であるのか否かを判断する。CPU32は、認証済みユーザ名に対応付けられている権限情報が「Guest」である場合(S122でNO)に、S124に進む。一方、CPU32は、認証済みユーザ名に対応付けられている権限情報が「Owner」である場合(S122でYES)に、S124をスキップして、S130に進む。
【0039】
S124において、CPU32は、認証済みユーザ名と、対象プリセット情報内の登録ユーザ名と、が一致するのか否かを判断する。CPU32は、認証済みユーザ名と登録ユーザ名とが一致する場合(S124でYES)に、S130に進む。一方、CPU32は、認証済みユーザ名と登録ユーザ名とが一致しない場合(S124でNO)に、S130~S134をスキップして、S140に進む。
【0040】
S130において、CPU32は、対象プリセット情報内のプリセット名を特定する。
【0041】
S132において、CPU32は、S130で特定したプリセット名を表わす文字データ(文字列)を解析して、当該プリセット名が記述されている言語(例えば、英語、日本語)を特定する。
【0042】
S134において、CPU32は、言語判定テーブル42において、S110で特定した言語コードに対応づけられている対象言語がS132で特定した言語を含むのか否かを判断する。CPU32は、対象言語が特定済みの言語を含む場合(S134でYES)に、S150に進む。一方、CPU32は、対象言語が特定済みの言語を含まない場合(S134でNO)に、S140に進む。
【0043】
S140において、CPU32は、対象プリセット情報内の印刷設定情報を非送信印刷設定情報と特定する。
【0044】
S160において、CPU32は、プリセットテーブル40内の全てのプリセット情報に対してS114~S150の処理が実行されたのか否かを判断する。CPU32は、全てのプリセット情報に対して処理が実行されていないと判断する場合(S160でNO)に、S112に戻る。一方、CPU32は、全てのプリセット情報に対して処理が実行されたと判断する場合(S160でYES)に、S170に進む。
【0045】
S170において、CPU32は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)と、送信印刷設定情報と特定された印刷設定情報と、を含む能力情報を生成し、当該能力情報をPCに送信する。なお、CPU32は、プリセットテーブル40内の全ての印刷設定情報が非送信印刷設定情報と特定された場合、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件のみを含む能力情報を生成し、当該能力情報をPCに送信する。CPU32は、S170が終了すると、
図4の処理を終了する。
【0046】
(具体的なケースA~ケースD;
図5~
図7)
図5~
図7を参照して、
図3、
図4の処理によって実現される具体的なケースA~ケースDについて説明する。
【0047】
(ケースA;
図5)
図5を参照して、PC100Cを利用するユーザ(即ち一般ユーザ)が、プリセット情報を登録するケースAについて説明する。ケースAの初期状態では、プリンタ10のプリセットテーブル40に、2個のプリセット情報PI1、PI2が記憶されている(
図2参照)。また、プリンタ10のユーザテーブル38には、ユーザ名U1、U2、U3のそれぞれに対応するパスワード、及び、権限情報が記憶されている(
図2参照)。
【0048】
PC100Cは、T10において、印刷設定画面を表示するための操作を受付けると、T12において、PC100CのOSに設定されている言語コード「en」を含むGPAをプリンタ10に送信する。
【0049】
プリンタ10は、T12において、PC100CからGPAを受信すると(
図3のS10でYES)、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれていないと判断し(S12でNO)、T14において、認証情報要求をPC100Cに送信する(S20)。
【0050】
PC100Cは、T14において、プリンタ10から認証情報要求を受信すると、T16において、認証画面を表示する。次いで、PC100Cは、T18において、ユーザ名U3及びパスワードP3の入力を受付けると、T20において、ユーザ名U3とパスワードP3と言語コード「en」とを含むGPAをプリンタ10に送信する。
【0051】
プリンタ10は、T20において、PC100CからGPAを受信すると(S10でYES)、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれていると判断し(S12でYES)、T22において、GPA内のユーザ名U3及びパスワードP3の組合せがユーザテーブル38に記憶されているために、ユーザ認証が成功したと判断する(S14でYES)。次いで、プリンタ10は、T20で受信したGPA内に含まれる言語コード「en」を特定し(
図4のS110)、プリセットテーブル40に記憶されている2個のプリセット情報PI1、PI2の中から、プリセット情報PI1を特定し(S112)、プリセット情報PI1内の言語コード「ja」を特定する(S114)。次いで、プリンタ10は、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI1内の言語コード「ja」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U3に対応付けられている権限情報が「Guest」であると判断し(S122でNO)、認証済みユーザ名U3とプリセット情報PI1内の登録ユーザ名U2とが一致しないと判断する(S124でNO)。この場合、プリンタ10は、プリセット情報PI1内の印刷設定情報PSI1(プリセット名「第1のプリセット名(日本語)」、印刷種類「両面」、色数「カラー」)を非送信印刷設定情報と特定する(S140)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内の1個のプリセット情報PI2に対して、S114~S150の処理が実行されていないと判断し(S160でNO)、プリセット情報PI2に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI2内の言語コード「ja」を特定し(S112)、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI2内の言語コード「ja」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U3に対応付けられている権限情報が「Guest」であると判断し(S122でNO)、認証済みユーザ名U3とプリセット情報PI1内の登録ユーザ名U2とが一致しないと判断し(S124でNO)、プリセット情報PI2内の印刷設定情報PSI2(プリセット名「第2のプリセット名(英語)」、印刷種類「両面」、色数「モノクロ」)を非送信印刷設定情報と特定する(S140)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内の2個のプリセット情報PI1、PI2に対して、S114~S150の処理が実行されたと判断する(S160でYES)。この場合、プリンタ10は、1個の送信印刷設定情報も特定されていないと判断し、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)のみを含む能力情報を生成し、T24において、能力情報をPC100Cに送信する(S170)。
【0052】
PC100Cは、T24において、プリンタ10から能力情報を受信すると、T30において、印刷設定画面D1を表示する。
図8に示すように、印刷設定画面D1は、プリセット名を選択するためのプリセット名選択欄と、「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」に対応する4個のチェックボックスと、OKボタンと、キャンセルボタンと、プリセット消去ボタンと、を含む。能力情報に1個の印刷設定情報も含まれていない場合、プリセット名選択欄は空欄になっており、「片面」、「モノクロ」のそれぞれに対応するチェックボックスにチェックが付与されている。PC100Cは、T32において、「カラー」に対応するチェックボックスへのチェックの付与を受け付け、T34において、プリセット選択欄のプルダウンの選択を受け付けると、T36において、プリセット選択画像N1を印刷設定画面D1上に表示する。
図8に示すように、プリセット選択画像N1は、新たなプリセット情報の登録を受け付ける新規登録画像を含む。なお、受信済みの能力情報が1個以上の印刷設定情報を含む場合、プリセット選択画像N1は、選択可能なプリセット名の一覧を示す一覧画像を含む。PC100Cは、T38において、新規登録画像の選択を受け付けると、T40において、入力画像N2を印刷設定画面D1上に表示する。
図8に示すように、入力画像N2は、プリセット名を入力する入力欄と、OKボタンと、キャンセルボタンと、を含む。PC100Cは、T42において、プリセット名「第3のプリセット名(英語)」の入力を受け付け、OKボタンの選択を受け付けると、T50において、ユーザ名U3とパスワードP3と言語コード「en」とを含むGPAをプリンタ10に送信する。T52は、T24と同様である。なお、変形例では、登録対象のプリセット名を入力した後に、印刷条件を設定可能であってもよい。
【0053】
PC100Cは、T52において、プリンタ10から能力情報を受信すると、T42で入力されたプリセット名「第3のプリセット名(英語)」と、T32で設定された印刷条件情報「片面」及び「カラー」と、が対応付けられている印刷設定情報PSI3を生成し、T54において、ユーザ名U3と、パスワードP3と、印刷設定情報PSI3と、言語コード「en」と、を含むSPAをプリンタ10に送信する。
【0054】
プリンタ10は、T54において、PC100CからSPAを受信すると(
図3のS40でYES)、SPA内に存在すると共にT52で送信した能力情報に存在しない印刷設定情報PSI3を登録対象の印刷設定情報として特定する(S42でYES)。次いで、プリンタ10は、登録対象の印刷設定情報PSI3と、SPA内の言語コード「en」と、を対応付けてプリセットテーブル40に記憶する。次いで、プリンタ10は、印刷設定情報PSI3に対応する登録ユーザ名としてユーザ名「U3」をプリセットテーブル40に記憶する。これにより、T56において、プリセット情報PI3がプリセットテーブル40に登録される(S44)(
図2参照)。次いで、プリンタ10は、T60において、プリセット情報PI3の登録が完了したことを示す登録完了情報をPC100Cに送信する。上述のように、プリンタ10は、PC100Cから、登録対象の印刷設定情報PSI3と言語コード「en」とを含むSPAを受信する場合に、印刷設定情報PSI3と言語コード「en」とを対応付けてメモリ34内のプリセットテーブル40に記憶する。このような構成によると、管理者は、印刷設定情報PSI3がメモリ34内のプリセットテーブル40に記憶された後に、印刷設定情報PSI3に対応付けて言語コード「en」をメモリ34内のプリセットテーブル40に記憶させなくてもよい。従って、管理者の利便性を向上させることができる。
【0055】
(ケースB;
図6)
続いて、
図6を参照して、PC100Aを利用して、プリセットテーブル40内のプリセット情報PI3を利用した印刷処理が実行されるケースBについて説明する。ケースBの初期状態は、ケースAの後の状態、即ち、プリセットテーブル40には、プリセット情報PI1、PI2、PI3が記憶されている(
図2参照)。
【0056】
T110~T122は、通信対象がPC100Aである点を除いて、
図5のT10~T22と同様である。なお、本ケースでは、PC100Aは、T118において、ユーザ名U1とパスワードP1の入力を受け付けると、T120において、ユーザ名U1とパスワードP1と言語コード「en」とを含むGPAをプリンタ10に送信する。
【0057】
プリンタ10は、T122において、ユーザ認証が成功すると(
図4のS14でYES)、プリセットテーブル40に記憶されている3個のプリセット情報PI1、PI2、PI3の中から、プリセット情報PI1を特定し(S112)、プリセット情報PI1内の言語コード「ja」を特定する(S114)。次いで、プリンタ10は、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI1内の言語コード「ja」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U1に対応付けられている権限情報が「Owner」であると判断し(S122でYES)、プリセット情報PI1内のプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」を特定する(S130)。次いで、プリンタ10は、プリセット名「第1のプリセット名(日本語)」を表わしている文字データを解析して、プリセット名「第1のプリセット名(日本語)」が日本語で記述されていることを特定する(S132)。文字データを解析して言語を判定する手法には、公知の手法が用いられる。例えば、文字データからコードポイントを特定し、Unicode Character Databaseと呼ばれる対応表を利用して、該当する範囲のブロック名を取得し、何語圏の文字であるのかを特定する。次いで、プリンタ10は、言語判定テーブル42において、言語コード「en」に対応づけられている対象言語が日本語を含まないと判断し(S134でNO)、プリセット情報PI1内の印刷設定情報PSI1を非送信印刷設定情報と特定する(S140)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI2に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI2内の言語コード「ja」を特定し(S112)、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI2内の言語コード「ja」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U3に対応付けられている権限が「Owner」であると判断し(S122でYES)、プリセット情報PI1内のプリセット名「第2のプリセット名(英語)」を特定する。次いで、プリンタ10は、プリセット名「第2のプリセット名(英語)」を表わしている文字データを解析して、プリセット名「第2のプリセット名(英語)」が英語で記述されていることを特定する(S132)。プリセット情報PI2に含まれる言語コードが「ja」であり、「第2のプリセット名」が英語で記述されている場合とは、例えば、「第2のプリセット名」がアルファベットで記述されている場合である。次いで、プリンタ10は、言語判定テーブル42において、言語コード「en」に対応づけられている対象言語が英語を含むと判断し(S134でYES)、プリセット情報PI2内の印刷設定情報PSI2を送信印刷設定情報と特定する(S150)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内のプリセット情報PI3に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI3内の言語コード「en」を特定し(S112)、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI3内の言語コード「en」とが一致すると判断し(S120でYES)、プリセット情報PI3内の印刷設定情報PSI3を送信印刷設定情報と特定する(S150)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内の全てのプリセット情報PI1、PI2、PI3に対して、S114~S150の処理が実行されたと判断する(S160でYES)。この場合、プリンタ10は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)と、送信印刷設定情報として特定された印刷設定情報PSI2、PSI3と、を含む能力情報を生成し、T124において、能力情報をPC100Bに送信する(S170)。
【0058】
PC100Bは、T124において、プリンタ10から能力情報を受信すると、T130において、印刷設定画面を表示する。当該画面は、プリセット名「第2のプリセット名(英語)」がプリセット名選択欄に記述されている点、及び、「両面」に対応するチェックボックスにチェックが付与されている点を除いて、
図8の印刷設定画面D1と同様である。PC100Bは、T132において、プリセット選択欄のプルダウンの選択を受け付けると、プリセット選択画像を印刷設定画面上に表示する。本ケースのプリセット選択画像は、選択可能なプリセット名の一覧を示す一覧画像を含む点を除いて、
図8のプリセット選択画像N1と同様である。PC100Bは、T136において、プリセット名「第3のプリセット名(英語)」の選択を受け付けると、T124で受信した能力情報内において、プリセット名「第3のプリセット名(英語)」を含む印刷設定情報PSI3を特定する。そして、PC100Bは、特定済みの印刷設定情報PSI3内の印刷条件情報「片面」、「カラー」を特定し、T140において、印刷設定画面上の印刷設定を特定済みの印刷条件情報に適合させる。PC100Bは、T142において、OKボタンの選択を受け付けると、T150において、IPPに従ったVJをプリンタ10に送信する。VJは、印刷設定(即ち、「片面」、「カラー」)を含む。
【0059】
プリンタ10は、T150において、PC100BからVJを受信すると、VJに含まれる印刷設定(即ち、「片面」、「カラー」)を実行可能であると判断し、T152において、200OKをPC100Bに送信する(S50)。200OKは、IPPで定義されているコマンドではなく、HTTPで定義されているコマンドであり、具体的には、処理が正常に完了したことを示すコマンドである。
【0060】
PC100Bは、T152において、プリンタ10から200OKを受信すると、T154において、IPPに従ったCreate-Jobコマンド(以下では「CJ」と記載する)をプリンタ10に送信する。CJは、印刷設定(即ち、「片面」、「カラー」)を含む。
【0061】
プリンタ10は、T154において、PC100BからCJを受信すると、T156において、ユニークなジョブID「J1」を生成し、T158において、生成済みのジョブID「J1」を含む200OKをPC100Bに送信する(S50)。
【0062】
PC100Bは、T158において、プリンタ10から200OKを受信すると、T160において、IPPに従ったSend-Documentコマンド(以下では「SD」と記載する)をプリンタ10に送信する。SDは、印刷データと、受信済みの200OKに含まれるジョブID「J1」と、を含む。
【0063】
プリンタ10は、T160において、PC100BからSDを受信すると、SD内のジョブID「J1」に対応する印刷設定(即ち、「片面」、「カラー」)を特定し、T162において、SD内の印刷データと特定済みの印刷設定とに従った印刷を実行する(S50)。そして、プリンタ10は、T164において、200OKをPC100Bに送信する。
【0064】
(ケースC;
図7)
続いて、
図7を参照して、印刷設定画面がPC100Bに表示されるケースCについて説明する。ケースCの初期状態は、
図6のケースBの初期状態と同様である。
【0065】
T210~T222は、通信対象がPC100Bである点を除いて、
図5のT10~T22と同様である。なお、本ケースでは、PC100Bは、T212において、言語コード「ja」を含むGPAをプリンタ10に送信する。また、PC100Bは、T218において、ユーザ名U2とパスワードP2の入力を受け付けると、T220において、ユーザ名U2とパスワードP2と言語コード「ja」とを含むGPAをプリンタ10に送信する。
【0066】
プリンタ10は、T222において、ユーザ認証が成功すると(
図4のS14でYES)、プリセットテーブル40に記憶されている3個のプリセット情報PI1、PI2、PI3の中から、プリセット情報PI1を特定し(S112)、プリセット情報PI1内の言語コード「ja」を特定する(S114)。次いで、プリンタ10は、GPA内の言語コード「ja」とプリセット情報PI1内の言語コード「ja」とが一致すると判断し(S120でYES)、プリセット情報PI1内の印刷設定情報PSI1を送信印刷設定情報と特定する(S150)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI2に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI2内の言語コード「ja」を特定し(S112)、GPA内の言語コード「ja」とプリセット情報PI2内の言語コード「ja」とが一致すると判断し(S120でYES)、プリセット情報PI2内の印刷設定情報PSI2を送信印刷設定情報と特定する(S150)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI3に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI3内の言語コード「en」を特定し(S112)、GPA内の言語コード「ja」とプリセット情報PI3内の言語コード「en」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U2に対応付けられている権限情報が「Guest」であると判断し(S122でNO)、認証済みユーザ名U2とプリセット情報PI3内の登録ユーザ名U3とが一致しないと判断し、プリセット情報PI3内の印刷設定情報PSI3を非送信印刷設定情報と特定する(S140)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内の全てのプリセット情報PI1、PI2、PI3に対して、S114~S150の処理が実行されたと判断する(S160でYES)。この場合、プリンタ10は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)と、送信印刷設定情報として特定された印刷設定情報PSI1、PSI2と、を含む能力情報を生成し、T224において、能力情報をPC100Bに送信する(S170)。T230は、
図6のT130と同様である。その後、ユーザは、印刷設定画面D1において印刷設定情報PSI1、PSI2を選択することによって、印刷設定情報PSI1、PSI2によって示される印刷条件に従った印刷をプリンタ10に実行させることができる。
【0067】
(ケースD;
図7)
続いて、
図7を参照して、印刷設定画面がPC100Dに表示されるケースDについて説明する。ケースDの初期状態は、
図6のケースBの初期状態と同様である。
【0068】
T310~T322は、T312のGPAに含まれる言語コードが「en」である点を除いて、T210~T222と同様である。
【0069】
プリンタ10は、T322において、ユーザ認証が成功すると(
図4のS14でYES)、プリセットテーブル40に記憶されている3個のプリセット情報PI1、PI2、PI3の中から、プリセット情報PI1を特定し(S112)、プリセット情報PI1内の言語コード「ja」を特定する(S114)。次いで、プリンタ10は、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI1内の言語コード「ja」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U2に対応付けられている権限が「Guest」であると判断し(S122でNO)、認証済みユーザ名U2とプリセット情報PI1内の登録ユーザ名U2とが一致すると判断する(S124でYES)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI1内のプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」が日本語で記述されていることを特定し(S130、S132)、言語判定テーブル42において、言語コード「en」に対応づけられている対象言語が日本語を含まないと判断し(S134でNO)、プリセット情報PI1内の印刷設定情報PSI1を非送信印刷設定情報と特定する(S140)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI2に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI2内の言語コード「ja」を特定し(S112)、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI2内の言語コード「ja」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U2に対応付けられている権限が「Guest」であると判断し(S122でNO)、認証済みユーザ名U2とプリセット情報PI2内の登録ユーザ名U2とが一致すると判断する(S124でYES)。次いで、プリンタ10は、プリセット名「第2のプリセット名(英語)」が英語で記述されていることを特定し(S130、S132)、言語判定テーブル42において、言語コード「en」に対応付けられている対象言語が英語を含むと判断し(S134でYES)、プリセット情報PI2内の印刷設定情報PSI2を送信印刷設定情報と特定する(S150)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI3に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI3内の言語コード「en」を特定し(S112)、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI3内の言語コード「en」とが一致すると判断し(S120でYES)、プリセット情報PI3内の印刷設定情報PSI3を送信印刷設定情報と特定する(S150)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内の全てのプリセット情報PI1、PI2、PI3に対して、S114~S150の処理が実行されたと判断する(S160でYES)。この場合、プリンタ10は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)と、送信印刷設定情報として特定された印刷設定情報PSI2、PSI3と、を含む能力情報を生成し、T324において、能力情報をPC100Bに送信する(S170)。T330は、
図6のT130と同様である。その後、ユーザは、印刷設定画面D1において印刷設定情報PSI2、PSI3を選択することによって、印刷設定情報PSI2、PSI3によって示される印刷条件に従った印刷をプリンタ10に実行させることができる。
【0070】
(ケースA~ケースDの効果)
図7のケースCに示されるように、プリンタ10は、PC100Bから、言語コード「ja」を含むGPAを受信する場合(T220)に、印刷設定情報PSI1をPC100Bに送信する(T224)。印刷設定情報PSI1内のプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」に利用される言語コード「ja」と、PC100Bで利用される言語コード「ja」と、が一致するため、PC100Bに「第1のプリセット名(日本語)」が文字化けすることなく表示される。一方、
図7のケースDに示されるように、プリンタ10は、PC100Dから、言語コード「en」を含むGPAを受信する場合(T320)に、印刷設定情報PSI1をPC100Dに送信しない。印刷設定情報PSI1内のプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」に利用される言語コード「ja」と、PC100Dで利用される言語コード「en」と、が一致しない場合、PC100Dにおいて印刷設定情報PSI1内のプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」が文字化けする可能性がある。従って、PC100Dで文字化けする可能性があるプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」を含む印刷設定情報PSI1がPC100Dに送信されることを抑制することができる。
【0071】
また、
図2に示されるように、プリンタ10のメモリ34内のプリセットテーブル40において、1個以上の印刷設定情報のそれぞれについて、印刷設定情報と、言語コードと、が対応付けて記憶されている。
図7のケースCに示されるように、プリンタ10は、PC100Bから受信されるGPAが言語コード「ja」を含む場合に、言語コード「ja」に対応付けてメモリ34内のプリセットテーブル40に記憶されている印刷設定情報PSI1をPC100Bに送信する。プリセットテーブル40において印刷設定情報PSI1に対応付けられている言語コード「ja」と、PC100Bで利用される言語コード「ja」と、が一致するため、PC100Bに「第1のプリセット名(日本語)」が文字化けすることなく表示される。このような構成によると、PCで文字化けする可能性があるプリセット名を含む印刷設定情報がPCに送信されることを抑制することができる。
【0072】
また、
図7のケースCに示されるように、プリンタ10は、PC100Bから受信されるGPAが言語コード「ja」を含む場合(T220)に、言語コード「ja」によって示される言語である日本語とは異なる英語で記述されているプリセット名「第3のプリセット名(英語)」を含む印刷設定情報PSI3をPC100Bに送信する。また、プリンタ10は、PC100Dから受信されるGPAが言語コード「en」を含む場合(T320)に、印刷設定情報PSI1をPC100Dに送信せずに、印刷設定情報PSI3をPC100Dに送信する。言語コード「ja」のように、言語コード「ja」によって示される言語(即ち日本語)だけでなく、それ以外の言語(例えば、英語)にも対応する言語コードが存在する。上記の構成によると、プリンタ10は、GPA内の言語コードと、プリセットテーブル40において印刷設定情報に対応付けられている言語コードと、が異なっている場合であっても、PCで文字化けすることなく表示されるプリセット名を含む印刷設定情報をPCに送信する。従って、PCに送信される印刷設定の数を増やすことができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
また、GPAの送信元PCのユーザが管理者である場合、例えば、印刷設定情報の消去を実行するために、GPA内の言語コードと異なる言語コードが対応付けられている印刷設定情報の送信が所望されることがある。
図6のケースBに示されるように、プリンタ10は、PC100Aから受信されるGPAが言語コード「en」を含み(T120)、かつ、ユーザテーブル38において、GPA内のユーザ名「U1」に対応付けられている権限情報が「Owner」である場合に、印刷設定情報PSI2をPC100Aに送信する(T124)。この場合、管理者は、PC100Aを操作することによって、印刷設定情報PSI2を消去することができる。一方、GPAの送信元PCのユーザが一般ユーザである場合、GPA内の言語コードと異なる言語コードが対応付けられている印刷設定情報の送信が所望されている可能性は低い。
図5のケースAに示されるように、プリンタ10は、PC100Cから受信されるGPAが言語コード「en」を含み(T20)、かつ、ユーザテーブル38において、GPA内のユーザ名「U3」に対応付けられている権限情報が「Guest」である場合に、印刷設定情報PSI2をPC100Cに送信しない。上記の構成によると、送信が所望されていない印刷設定情報がPCに送信されることを抑制することができる。このように、プリンタ10は、印刷設定情報PSI2の送信を適切に切替えることができる。
【0074】
また、GPA内のユーザ名とプリセット情報内の登録ユーザ名とが一致する場合、GPA内の言語コードと異なる言語コードが対応付けられている印刷設定情報の送信が所望されることがある。
図7のケースDに示されるように、プリンタ10は、PC100Dから受信されるGPAが言語コード「en」を含み(T320)、かつ、GPA内のユーザ名「U2」と、プリセットテーブル40において、印刷設定情報PSI2に対応付けられている登録ユーザ名「U2」と、が一致する場合に、印刷設定情報PSI2をPC100Dに送信する(T324)。この場合、PC100Dを利用するユーザは、PC100Dを操作することによって、印刷設定情報PSI2を利用した印刷をプリンタ10に実行させることができる。一方、GPA内のユーザ名と登録ユーザ名とが一致しない場合、GPA内の言語コードと異なる言語コードが対応付けられている印刷設定情報の送信が所望されている可能性は低い。
図5のケースAに示されるように、プリンタ10は、PC100Aから受信されるGPAが言語コード「en」を含み(T20)、かつ、GPA内のユーザ名「U1」と、プリセットテーブル40において、印刷設定情報PSI2に対応付けられている登録ユーザ名「U2」と、が一致しない場合に、印刷設定情報PSI2をPC100Aに送信しない。上記の構成によると、送信が所望されていない印刷設定情報がPCに送信されることを抑制することができる。このように、プリンタ10は、印刷設定情報PSI2の送信を適切に切替えることができる。
【0075】
(対応関係)
プリンタ10が、「機能実行装置」の一例である。印刷設定情報が、「機能設定情報」の一例である。PC100A~100Dが、「第1の外部装置」の一例である。GPAが、「送信要求」の一例である。プリセット名が、「機能設定情報を識別するための名称」の一例である。印刷条件情報が、「機能実行条件」の一例である。言語コード「ja」が、「第1の言語コード」の一例である。印刷設定情報PSI1が、「第1の機能設定情報」の一例である。日本語が、「第1の言語」の一例である。プリセット名「第1のプリセット名(日本語)」が、「第1の名称」の一例である。
【0076】
PC100A~100Dが、「第2の外部装置」の一例である。登録対象の印刷設定情報を含むSPAが、「登録要求」の一例である。印刷設定情報PSI2が、「第2の機能設定情報」の一例である。英語が、「第2の言語」の一例である。プリセット名「第2のプリセット名(英語)」が、「第2の名称」の一例である。権限情報「Owner」に対応付けられているユーザ名U1が、「管理者識別情報」の一例である。
図6のT120のGPA内のユーザ名U1が、「第1のユーザ識別情報」の一例である。
図5のT20のGPA内のユーザ名U3が、「第1のユーザ識別情報」の一例である。
図7のT320のGPA内のユーザ名U2が、「第1のユーザ識別情報」の一例である。プリセットテーブル40において、印刷設定情報に対応付けられている登録ユーザ名U2が、「第2のユーザ識別情報」の一例である。
【0077】
図3のS10が、「送信要求受信部」によって実行される処理の一例である。
図4のS140、S150、S170が、「機能設定情報送信部」によって実行される処理の一例である。
【0078】
(第2実施例)
本実施例では、プリンタ10のCPU32によって実行される
図4のS140の処理が、第1実施例と異なる。本実施例のCPU32は、S140において、S112で特定した対象プリセット情報内のプリセット名を変更する。具体的には、CPU32は、対象プリセット情報内のプリセット名を、S110で特定されたGPA内の言語コードによって示される言語で記述されている所定の名称に変更する。所定の名称は、メモリ34に予め記憶されていてもよいし、CPU32によって生成されてもよい。
【0079】
(ケースE;
図9)
続いて、
図9を参照して、印刷設定画面がPC100Aに表示されるケースEについて説明する。ケースEの初期状態は、
図6のケースBの初期状態と同様である。
【0080】
T510~T522は、
図6のT110~T122と同様である。プリンタ10は、T522において、ユーザ認証が成功すると(
図4のS14でYES)、プリセットテーブル40に記憶されている3個のプリセット情報PI1、PI2、PI3の中から、プリセット情報PI1を特定し(S112)、プリセット情報PI1内の言語コード「ja」を特定する(S114)。次いで、プリンタ10は、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI1内の言語コード「ja」とが一致しないと判断し(S120でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U3に対応付けられている権限情報が「Owner」であると判断する(S122でYES)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI1内のプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」が日本語で記述されていることを特定し(S132)、言語判定テーブル42において、言語コード「en」に対応づけられている対象言語が日本語を含まないと判断する(S134でNO)。この場合、プリンタ10は、プリセット名「第1のプリセット名(日本語)」を、言語コード「en」によって示される言語である英語で記述されている名称「第4のプリセット名(英語)」に変更し、T523において、プリセット名「第4のプリセット名(英語)」と、印刷条件「両面」、「カラー」と、を含む印刷設定情報PSI4を生成し、印刷設定情報PSI4を送信印刷設定情報と特定する(S140)。その後、プリセット情報PI2、PI3に対して、
図6のケースBにおける処理と同様の処理が実行され、印刷設定情報PSI2、PSI3が送信印刷設定情報と特定される。この場合、プリンタ10は、T524において、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)と、送信印刷設定情報として特定された印刷設定情報PSI2、PSI3、PSI4と、を含む能力情報を生成し、T524において、能力情報をPC100Aに送信する(S170)。T530は、
図6のT130と同様である。その後、ユーザは、印刷設定画面から、印刷設定情報PSI2、PSI3、PSI4を選択することによって、印刷設定情報PSI2、PSI3、PSI4によって示される印刷条件に従った印刷をプリンタ10に実行させることができる。
【0081】
(ケースEの効果)
図9のケースEに示されるように、プリンタ10は、PC100Aから受信されるGPAが言語コード「en」を含む場合に、印刷設定情報PSI1内の印刷条件情報(「両面」、「カラー」)と、言語コード「en」によって示される英語で記述されるプリセット名「第4のプリセット名(英語)」と、を含む印刷設定情報PSI4を生成し、印刷設定情報PSI4をPC100Aに送信する(T523)。上記の構成によると、PC100Aを利用するユーザは、印刷設定情報PSI1に含まれる印刷条件情報を利用することができるようになる。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0082】
(対応関係)
印刷設定情報PSI4が、「特定の機能設定情報」の一例である。プリセット名「第4のプリセット名(英語)」が、「所定の名称」の一例である。印刷設定情報PSI1に含まれる印刷条件情報が、「第1の機能実行条件」の一例である。
【0083】
(第3実施例)
本実施例では、プリンタ10のメモリ34に記憶されるプリセットテーブル40が、第1実施例のプリセットテーブル40と異なる。また、本実施例のプリンタ10は、
図3のIPP処理に代えて、
図10のIPP処理を実行する。
【0084】
図2に示すように、本実施例のプリセット情報は、印刷設定情報と、登録ユーザ名と、言語コードと、送信フラグと、を含む。送信フラグは、印刷設定情報の送信が許可されていることを示す「ON」と、印刷設定情報の送信が制限されていることを示す「OFF」と、のどちらかの値を示す。送信フラグは、プリンタ10の管理者によって、例えば、プリンタ10のウェブサーバ機能を利用して設定される。なお、変形例では、プリセット情報が、登録ユーザ名を含んでいなくてもよい。即ち、プリセットテーブル40に、登録ユーザ名が記憶されていなくてもよい。
【0085】
(IPP処理;
図10)
続いて、
図10を参照して、本実施例のプリンタ10のCPU32によって実行されるIPP処理について説明する。CPU32は、PCからIPPコマンドが受信される場合に、
図10の処理を開始する。
【0086】
S210、S240、S250は、それぞれ、
図3のS10、S40、S50と同様である。本実施例のCPU32は、PCからGPAを受信しても、ユーザ認証を実行しない点が、第1実施例のCPU32と異なる。S310~S314、S320は、それぞれ、
図4のS110~S114、S120と同様である。S330~S334は、それぞれ、
図4のS130~S134と同様である。S336において、CPU32は、S312で特定したプリセット情報内の送信フラグが「ON」であるのか否かを判断する。CPU32は、送信フラグが「ON」である場合(S336でYES)に、S350に進む。一方、CPU32は、送信フラグが「OFF」である場合(S336でNO)に、S340に進む。S340~S370は、それぞれ、
図4のS140~S170と同様である。
【0087】
(ケースF;
図11)
続いて、
図11を参照して、印刷設定画面がPC100Aに表示されるケースFについて説明する。ケースFの初期状態は、
図6のケースBの初期状態と同様である。
【0088】
T610、T612は、それぞれ、
図6のT110、T112と同様である。プリンタ10は、T612において、PC100AからGPAを受信すると(
図10のS210でYES)、GPA内の言語コード「en」を特定し(S310)、プリセットテーブル40に記憶されている3個のプリセット情報PI1、PI2、PI3の中から、プリセット情報PI1を特定し(S312)、プリセット情報PI1内の言語コード「ja」を特定する(S314)。次いで、プリンタ10は、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI1内の言語コード「ja」とが一致しないと判断する(S320でNO)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI1内のプリセット名「第1のプリセット名(日本語)」が日本語で記述されていることを特定し(S330、S332)、言語判定テーブル42において、言語コード「en」に対応づけられている対象言語が日本語を含まないと判断し(S334でNO)、プリセット情報PI1内の印刷設定情報を非送信印刷設定情報と特定する(S340)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内のプリセット情報PI2に対して、S314~S350の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI2内の言語コード「ja」を特定し(S314)、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI2内の言語コード「ja」とが一致しないと判断する(S320でNO)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI2内のプリセット名「第2のプリセット名(英語)」が英語で記述されていることを特定し(S330、S332)、言語判定テーブル42において、言語コード「en」に対応する対象言語が英語を含むと判断する(S334でYES)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI2内の送信フラグが「OFF」であると判断し(S336でNO)、印刷設定情報PSI2を非送信印刷設定情報と特定する(S340)。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI3に対して、S114~S150の処理を実行する。プリンタ10は、プリセット情報PI3内の言語コード「en」を特定し(S314)、GPA内の言語コード「en」とプリセット情報PI3内の言語コード「en」とが一致すると判断し(S320でYES)、プリセット情報PI3内の印刷設定情報PSI3を送信印刷設定情報と特定する(S150)。次いで、プリンタ10は、プリセットテーブル40内の全てのプリセット情報PI1、PI2、PI3に対して、S314~S350の処理が実行されたと判断する(S160でYES)。この場合、プリンタ10は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)と、送信印刷設定情報として特定された印刷設定情報PSI3と、を含む能力情報を生成し、T614において、能力情報をPC100Aに送信する(S370)。T630は、
図6のT130と同様である。その後、ユーザは、印刷設定画面から、印刷設定情報PSI3を選択することによって、印刷設定情報PSI3によって示される印刷条件に従った印刷をプリンタ10に実行させることができる。
【0089】
(ケースFの効果)
図11のケースFに示されるように、プリンタ10は、PC100Aから受信されるGPAが言語コード「en」が含み(T612)、かつ、プリセットテーブル40において、印刷設定情報PSI2に対応付けられている送信フラグが「OFF」である場合に、印刷設定情報PSI2をPC100Aに送信しない(T614)。なお、プリンタ10は、仮に、印刷設定情報PSI2に対応付けられている送信フラグが「ON」である場合、印刷設定情報PSI2をPC100Aに送信する。上記の構成によると、プリンタ10は、メモリ34内のプリセットテーブル40において、印刷設定情報に対応付けられている送信フラグに応じて、当該印刷設定情報の送信を適切に切替えることができる。換言すると、プリンタ10の管理者は、プリンタ10のプリセットテーブル40内の送信フラグを設定することで、印刷設定情報の送信を許可するのか否かを設定することができる。
【0090】
(対応関係)
送信フラグが、「送信情報」の一例である。送信フラグ「ON」が、「許可情報」の一例である。送信フラグ「OFF」が、「制限情報」の一例である。印刷設定情報PSI2が、「第3の機能設定情報」の一例である。英語が、「第3の言語」の一例である。プリセット名「第3のプリセット名(英語)」が、「第3の名称」の一例である。
【0091】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0092】
(第1変形例)「機能実行装置」がスキャン機能を実行可能な装置である場合、「機能設定情報」は、スキャン条件情報を含むスキャン設定情報であってもよい。
【0093】
(第2変形例)言語コード「en」、言語コード「ja」がそれぞれ、「第1の言語コード」、「第2の言語コード」の一例であってもよい。また、「第1の言語コード」、「第2の言語コード」は、言語コード「en」、言語コード「ja」に限定されず、言語コード「de」、「fr」、「zh」等が、「第1の言語コード」、「第2の言語コード」の一例であってもよい。
【0094】
(第3変形例)
図4のS120を省略可能である。本変形例では、プリンタ10のメモリ34のプリセットテーブル40において、言語コードが記憶されていなくてもよい。
【0095】
(第4変形例)プリンタ10は、
図3のS44の登録処理において、言語コードをプリセットテーブル40に登録しなくてもよい。例えば、印刷設定情報がプリセットテーブル40に記憶された後に、管理者が言語コードを登録するように構成されていればよい。本変形例では、「登録要求受信部」、「記憶制御部」を省略可能である。
【0096】
(第5変形例)
図4のS122~S134を省略可能である。本変形例では、プリンタ10のメモリ34には、言語判定テーブル42が記憶されていなくてもよい。また、プリセットテーブル40において、登録ユーザ名が記憶されていなくてもよい。本変形例では、「第1の判断部」、「第2の判断部」を省略可能である。
【0097】
(第6変形例)
図4のS122、S124のうちの少なくとも一方の処理を省略可能である。本変形例では、プリセットテーブル40において、登録ユーザ名が記憶されていなくてもよい。本変形例では、「第1の判断部」、「第2の判断部」のうちの少なくとも一方を省略可能である。
【0098】
(第7変形例)「メモリ」は、プリンタ10とは別体のメモリ(例えば、USBメモリ、サーバのメモリ等)であってもよい。
【0099】
(第8変形例)上記の実施例では、制御部30によって実行される各処理がソフトウェア(即ちプログラム36)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0100】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0101】
2:通信システム、4:LAN、10:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、20:通信I/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、38:ユーザテーブル、40:プリセットテーブル、42:言語判定テーブル、100A-100D:PC