(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104030
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
A47C 7/18 20060101AFI20220701BHJP
A47C 7/40 20060101ALI20220701BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20220701BHJP
A47C 27/15 20060101ALI20220701BHJP
B32B 5/18 20060101ALI20220701BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
A47C7/18
A47C7/40
B60N2/90
A47C27/15 A
B32B5/18
B32B27/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219000
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】大島 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 勇貴
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B096
4F100
【Fターム(参考)】
3B084CA07
3B084EC03
3B087DE10
3B096AD07
4F100AK01B
4F100AK51A
4F100AK51B
4F100AK51D
4F100AK51E
4F100AR00C
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100DC16B
4F100DC16D
4F100DC16E
4F100DJ01A
4F100DJ01B
4F100DJ01D
4F100GB31
4F100GB32
4F100JK12E
4F100JK13E
4F100JM01B
4F100JM01D
(57)【要約】
【課題】低荷重でのたわみ量が大きく、かつ、底付き感を感じにくいパッドを備えたシートを提供することを目的とする。
【解決手段】車両用シートSは、シートフレーム(クッションフレームF1)と、シートフレームに被せられるパッド(クッションパッド30)と、パッドに被せられる表皮材40と、を備える。パッドは、ウレタンフォームからなる第1パッド層(ウレタン層31)と、第1パッド層と表皮材40の間に配置される第2パッド層(ラテックス層32)と、を有する。第2パッド層は、プロファイルウレタン、網状樹脂構造体またはラテックスフォームからなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートフレームと、前記シートフレームに被せられるパッドと、前記パッドに被せられる表皮材と、を備えるシートであって、
前記パッドは、
ウレタンフォームからなる第1パッド層と、
前記第1パッド層と前記表皮材の間に配置される第2パッド層と、を有し、
前記第2パッド層は、プロファイルウレタン、網状樹脂構造体またはラテックスフォームからなることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記パッドは、前記第2パッド層と前記表皮材の間に配置される第3パッド層を有し、
前記第2パッド層は、ラテックスフォームからなり、
前記第3パッド層は、プロファイルウレタンまたは網状樹脂構造体からなることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記パッドは、前記第3パッド層と前記表皮材の間に配置される第4パッド層を有し、
前記第3パッド層は、網状樹脂構造体からなり、
前記第4パッド層は、プロファイルウレタンからなることを特徴とする請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記パッドは、前記第2パッド層と前記第3パッド層の間に配置される、前記ウレタンフォームよりも硬い高硬度スラブ層を有することを特徴とする請求項3に記載のシート。
【請求項5】
前記パッドは、前記第4パッド層と前記表皮材の間に配置される、前記ウレタンフォームよりも柔らかいソフトスラブ層を有することを特徴とする請求項4に記載のシート。
【請求項6】
前記パッドは、前記第4パッド層と前記ソフトスラブ層の間に配置される、前記ウレタンフォームよりも反発力が低い低反発スラブ層を有することを特徴とする請求項5に記載のシート。
【請求項7】
前記シートフレームに架け渡されるSばねであって、前記第1パッド層を支持するSばねを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシート。
【請求項8】
前記パッドは、前記第2パッド層と前記表皮材の間に配置される第3パッド層を有し、
前記第2パッド層は、網状樹脂構造体からなり、
前記第3パッド層は、プロファイルウレタンからなることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項9】
前記パッドは、
前記第2パッド層を左右方向から挟む左右の側部であって、前記第2パッド層よりも硬い側部を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシート。
【請求項10】
左右の前記側部と前記第1パッド層は、一体に形成されていることを特徴とする請求項9に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着座者を支持するパッドを備えたシートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートフレームと、シートフレームに被せられるパッドとを備えたシートが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パッドは、座り心地を良くするために、低荷重でのたわみ量が大きく、かつ、底付き感を感じにくい性質にすることが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、低荷重でのたわみ量が大きく、かつ、底付き感を感じにくいパッドを備えたシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係るシートは、シートフレームと、前記シートフレームに被せられるパッドと、前記パッドに被せられる表皮材と、を備える。
前記パッドは、ウレタンフォームからなる第1パッド層と、前記第1パッド層と前記表皮材の間に配置される第2パッド層と、を有する。
前記第2パッド層は、プロファイルウレタン、網状樹脂構造体またはラテックスフォームからなる。
【0007】
この構成によれば、表皮材と、ウレタンフォームからなる第1パッド層との間に配置される第2パッド層が、プロファイルウレタン、網状樹脂構造体またはラテックスフォームからなるので、パッドを、低荷重でのたわみ量が大きく、かつ、底付き感を感じにくい構造にすることができる。
【0008】
また、前記パッドは、前記第2パッド層と前記表皮材の間に配置される第3パッド層を有し、前記第2パッド層は、ラテックスフォームからなり、前記第3パッド層は、プロファイルウレタンまたは網状樹脂構造体からなっていてもよい。
【0009】
また、前記パッドは、前記第3パッド層と前記表皮材の間に配置される第4パッド層を有し、前記第3パッド層は、網状樹脂構造体からなり、前記第4パッド層は、プロファイルウレタンからなっていてもよい。
【0010】
また、前記パッドは、前記第2パッド層と前記第3パッド層の間に配置される、前記ウレタンフォームよりも硬い高硬度スラブ層を有していてもよい。
【0011】
また、前記パッドは、前記第4パッド層と前記表皮材の間に配置される、前記ウレタンフォームよりも柔らかいソフトスラブ層を有していてもよい。
【0012】
また、前記パッドは、前記第4パッド層と前記ソフトスラブ層の間に配置される、前記ウレタンフォームよりも反発力が低い低反発スラブ層を有していてもよい。
【0013】
また、前記シートは、前記シートフレームに架け渡されるSばねであって、前記第1パッド層を支持するSばねを備えていてもよい。
【0014】
また、前記パッドは、前記第2パッド層と前記表皮材の間に配置される第3パッド層を有し、前記第2パッド層は、網状樹脂構造体からなり、前記第3パッド層は、プロファイルウレタンからなっていてもよい。
【0015】
また、前記パッドは、前記第2パッド層を左右方向から挟む左右の側部であって、前記第2パッド層よりも硬い側部を有していてもよい。
【0016】
この構成によれば、第2パッド層よりも硬い左右の側部によって第2パッド層を左右方向から挟むので、第2パッド層が左右にずれるのを良好に抑えることができる。
【0017】
また、左右の前記側部と前記第1パッド層は、一体に形成されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、側部と第1パッド層を別部材とする場合と比べ、パッドの構造を簡易化することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、低荷重でのたわみ量が大きく、かつ、底付き感を感じにくいパッドを備えたシートを提供することができる。
【0020】
また、第1パッド層および第2パッド層を左右方向から挟む左右の側部を、第2パッド層よりも硬くすることで、各パッド層が左右にずれるのを側部によって良好に抑えることができる。
【0021】
また、左右の側部と第1パッド層を一体に形成することで、パッドの構造を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るシートの斜視図である。
【
図2】シートに内蔵されるシートフレームの斜視図である。
【
図3】シートクッションを左右方向に直交する面で切った断面図である。
【
図4】シートクッションを前後方向に直交する面で切った断面図である。
【
図5】第2の実施形態に係るシートクッションを示す断面図である。
【
図6】第2の実施形態のシートクッションの一部を変更した形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1の実施形態]
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、シートに座った者から見た、前後、左右、上下を基準とする。
図1に示すように、本実施形態のシートは、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されており、シートクッションS1、シートバックS2およびヘッドレストS3を備えている。
【0024】
シートクッションS1は、シートフレームの一例としてのクッションフレームF1(
図2参照)に、パッドの一例としてのクッションパッド30と、表皮材40とを被せることで構成されている。シートバックS2は、バックフレームF2(
図2参照)に、パッドと表皮材を被せることで構成されている。なお、図示は省略するが、ヘッドレストS3も、ヘッドレストフレームに、パッドと表皮材を被せることで構成されている。
【0025】
図2に示すように、クッションフレームF1は、自動車のフロアにスライドレールSLを介して設置されており、これにより、車両用シートSは、前後位置を調整可能となっている。また、バックフレームF2は、その下部がクッションフレームF1の後部にリクライニング機構RLを介して回動可能に連結されている。
【0026】
バックフレームF2は、上部フレーム21と、左右のシートバックサイドフレーム22と、下部フレーム23とを主に有して構成され、上部フレーム21、左右のシートバックサイドフレーム22および下部フレーム23が溶接などによって一体に結合された枠状に形成されている。
【0027】
上部フレーム21は、略U形状に屈曲するパイプ材で構成されており、左右方向に延びる横パイプ部21Aの前側には、ヘッドレストS3を取り付けるための左右一対のサポートブラケット21Bが溶接によって固定されている。また、上部フレーム21の上下方向に延びる左右の縦パイプ部21Cは、それぞれ、その下部に結合される板状の左右のサイドフレーム本体部22Aと一体となって左右のシートバックサイドフレーム22を構成している。
【0028】
クッションフレームF1は、左右のクッションサイドフレーム11と、パンフレーム12と、リア連結パイプ13とを主に有して構成され、左右のクッションサイドフレーム11、パンフレーム12およびリア連結パイプ13が溶接などによって一体に結合された枠状に形成されている。この枠状のクッションフレームF1の内側には、クッションパッド30(
図1参照)とともに乗員を支持する撓み変形可能なSばね14が、パンフレーム12とリア連結パイプ13の間で前後方向に架け渡されている。本実施形態において、Sばね14は、左右方向に並んで4つ設けられている。
【0029】
図3に示すように、クッションパッド30は、第1パッド層の一例としてのウレタン層31と、第2パッド層の一例としてのラテックス層32と、高硬度スラブ層33と、ソフトスラブ層34とを有している。ウレタン層31は、ポリウレタンを発砲させたウレタンフォームからなり、クッションフレームF1に接触している。
【0030】
図3および
図4に示すように、ウレタン層31は、Sバネ14で支持される所定厚さのベース部31Aと、ベース部31Aの前後左右に一体に形成される前後左右の側部31B~31Eとを有している。
【0031】
前後左右の側部31B~31Eは、ベース部31Aから上に突出している。前後の側部31B,31Cは、ベース部31A、ラテックス層32および高硬度スラブ層33を前後方向から挟んでいる。前後の側部31B,31Cの上面は、高硬度スラブ層33の上面と略面一となっている。
【0032】
左右の側部31D,31Eは、ベース部31A、ラテックス層32、高硬度スラブ層33およびソフトスラブ層34を左右方向から挟んでいる。左右の側部31D,31Eは、ソフトスラブ層34よりも上に突出している。
【0033】
ラテックス層32は、天然ゴムを発泡させたラテックスフォームからなる。ラテックス層32は、上下方向に貫通する複数の穴32Aを有している。ラテックス層32は、ベース部31Aの上に積層されている。ラテックス層32は、ウレタン層31よりも、弾力性がある。なお、ラテックス層が有する穴は、貫通穴でなくてもよく、例えば、底付きの穴を、ラテックス層の上面と下面に複数形成してもよい。
【0034】
高硬度スラブ層33は、ウレタン層31を構成するウレタンフォームよりも硬いウレタンフォームからなる。具体的に、高硬度スラブ層33を構成するウレタンフォームの密度は、ウレタン層31を構成するウレタンフォームの密度よりも大きい。高硬度スラブ層33は、ラテックス層32の上に積層されている。
【0035】
ソフトスラブ層34は、ウレタン層31を構成するウレタンフォームよりも柔らかいウレタンフォームからなる。具体的に、ソフトスラブ層34を構成するウレタンフォームの密度は、ウレタン層31を構成するウレタンフォームの密度よりも小さい。ソフトスラブ層34は、前後の側部31B,31Cおよび高硬度スラブ層33の上に積層されている。
【0036】
ベース部31A、ラテックス層32、高硬度スラブ層33およびソフトスラブ層34の厚さの関係は、高硬度スラブ層33が最も薄く、高硬度スラブ層33よりもベース部31Aが厚く、ベース部31Aよりもソフトスラブ層34が厚く、ソフトスラブ層34よりもラテックス層32が厚い関係となっている。本実施形態では、ベース部31A、ラテックス層32、高硬度スラブ層33およびソフトスラブ層34の厚さの比率は、2:6:1:4となっている。
【0037】
表皮材40は、布地や皮革などからなる表層41と、スポンジ状のワディング材からなる裏層42とを有している。表層41は、乗員を支持する座面41Aを有している。裏層42は、ウレタン層31とソフトスラブ層34に接触している。表皮材40は、周縁に複数のフック43を有している。
【0038】
表皮材40は、クッションパッド30に被せられた状態で、複数のフック43がクッションフレームF1に係合されることで、クッションフレームF1に取り付けられている。表皮材40の座面41Aとベース部31Aの間には、前述したラテックス層32、高硬度スラブ層33およびソフトスラブ層34が、この順序で下から順に配置されている。
【0039】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
表皮材40とウレタン層31との間に、ラテックスフォームからなるラテックス層32が配置されるので、クッションパッド30を、低荷重でのたわみ量が大きく、かつ、底付き感を感じにくい構造にすることができる。また、ラテックス層32の弾力性によって体圧を分散支持し、着座時の底付き感(沈み込んだ後に底が急に固く感じること)を低減することができる。
【0040】
ラテックス層32よりも硬い左右の側部31D,31Eによって各層32~34を左右方向から挟むので、各層32~34が左右にずれるのを良好に抑えることができる。
【0041】
左右の側部31D,31Eがウレタン層31のベース部31Aと一体に形成されているので、例えば左右の側部とウレタン層のベース部とを別部材とする場合と比べ、クッションパッド30の構造を簡易化することができる。
【0042】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態に係るクッションパッド30の一部の構造を変更したものであるため、第1の実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
【0043】
図5に示すように、第2の実施形態に係るクッションパッド130は、第1の実施形態と略同様の層31~34を有する他、第3パッド層の一例としての樹脂スプリング層35と、第4パッド層の一例としてのプロファイル層36と、低反発スラブ層37とをさらに有している。
【0044】
樹脂スプリング層35、プロファイル層36および低反発スラブ層37は、高硬度スラブ層33とソフトスラブ層34との間に配置されている。詳しくは、下からウレタン層31のベース部31A、ラテックス層32、高硬度スラブ層33、樹脂スプリング層35、プロファイル層36、低反発スラブ層37、ソフトスラブ層34の順で並ぶように、各層31~37が配置されている。
【0045】
つまり、樹脂スプリング層35は、ラテックス層32と表皮材40の座面41Aとの間に配置されている。高硬度スラブ層33は、ラテックス層32と樹脂スプリング層35との間に配置されている。プロファイル層36は、樹脂スプリング層35と表皮材40の座面41Aとの間に配置されている。ソフトスラブ層34は、プロファイル層36と表皮材40の座面41Aとの間に配置されている。低反発スラブ層37は、プロファイル層36とソフトスラブ層34の間に配置されている。
【0046】
樹脂スプリング層35は、合成樹脂の繊維を3次元状に複雑に絡ませた網状樹脂構造体からなる。樹脂スプリング層35は、ウレタン層31よりも弾性力が大きい。樹脂スプリング層35は、高硬度スラブ層33の上に積層されている。
【0047】
プロファイル層36は、プロファイルウレタンからなる。プロファイルウレタンは、複数の凸部36Aからなる波型の表面を有するウレタンフォームである。複数の凸部36Aは、乗員に向けて突出している。プロファイル層36は、樹脂スプリング層35の上に積層されている。
【0048】
ラテックス層32、高硬度スラブ層33、樹脂スプリング層35およびプロファイル層36は、前後の側部31B,31Cによって前後方向から挟まれている。
【0049】
低反発スラブ層37は、ウレタン層31を構成するウレタンフォームよりも反発力が低いウレタンフォームである。具体的に、低反発スラブ層37を構成するウレタンフォームの密度は、ウレタン層31を構成するウレタンフォームの密度よりも小さく、かつ、ソフトスラブ層34を構成するウレタンフォームの密度よりも大きい。つまり、ウレタンフォームの密度の関係は、ソフトスラブ層34<低反発スラブ層37<ウレタン層31<高硬度スラブ層33となっている。
【0050】
低反発スラブ層37は、前後の側部31B,31Cとプロファイル層36の上に積層されている。低反発スラブ層37の上には、ソフトスラブ層34が積層されている。
【0051】
各層31(31A)~37の厚さの関係は、ソフトスラブ層34、低反発スラブ層37および高硬度スラブ層33が最も薄く、高硬度スラブ層33よりもベース部31Aおよび樹脂スプリング層35が厚く、樹脂スプリング層35よりもプロファイル層36が厚く、プロファイル層36よりもラテックス層32が厚い関係となっている。本実施形態では、ベース部31A、ラテックス層32、高硬度スラブ層33、樹脂スプリング層35、プロファイル層36、低反発スラブ層37およびソフトスラブ層34の厚さの比率は、2:6:1:2:3.5:1:1となっている。
【0052】
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、プロファイル層36を有することで、体圧分散性を向上させることができる。また、樹脂スプリング層35を有することで、クッションパッド130に適度な反発力を持たせることができる。
【0053】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記各実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0054】
ラテックス層32、樹脂スプリング層35およびプロファイル層36の位置関係は、第2の実施形態に限定されず、任意に設定することができる。また、クッションパッドは、ラテックス層32、樹脂スプリング層35およびプロファイル層36のうち少なくとも1つを有していればよい。
【0055】
例えば、
図6に示すクッションパッド230のように、ラテックス層32、樹脂スプリング層35およびプロファイル層36のうち樹脂スプリング層35およびプロファイル層36を有し、ラテックス層32を有さない構成としてもよい。具体的に、
図6に示すクッションパッド230は、
図5に示すクッションパッド130のラテックス層32が配置されていた領域を埋めるように、ベース部31Aが形成されている。この形態では、樹脂スプリング層35が第2パッド層に相当し、プロファイル層36が第3パッド層に相当する。なお、
図6に示す形態において、樹脂スプリング層35とプロファイル層36の位置を入れ替えることで、第2パッド層をプロファイル層36とし、第3パッド層を樹脂スプリング層35としてもよい。
【0056】
前記各実施形態では、クッションパッドを支持する部材としてSバネ14を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばワイヤーフレームなどでクッションパッドを支持してもよい。
【0057】
前記各実施形態では、シートフレームの一例としてクッションフレームF1を例示したが、本発明はこれに限定されず、シートフレームは、例えば、バックフレームF2であってもよい。
【0058】
前記各実施形態では、シートとして自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、これに限定されず、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載される乗物用シートであってもよい。また、シートは、乗物用のシートに限定されず、例えば、家庭などで使用されるシートであってもよい。
【0059】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0060】
30 クッションパッド
31 ウレタン層
32 ラテックス層
40 表皮材
F1 クッションフレーム
S 車両用シート