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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104072
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
B65D81/34 U
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219062
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】390000387
【氏名又は名称】福助工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106024
【弁理士】
【氏名又は名称】稗苗 秀三
(74)【代理人】
【識別番号】100167841
【弁理士】
【氏名又は名称】小羽根 孝康
(74)【代理人】
【識別番号】100168376
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 清隆
(72)【発明者】
【氏名】工藤 真史
【テーマコード(参考)】
3E013
【Fターム(参考)】
3E013BA21
3E013BB12
3E013BC04
3E013BD11
3E013BE01
3E013BF03
3E013BF08
3E013BF26
3E013BF33
3E013BF36
3E013BG15
3E013BG17
(57)【要約】
【課題】電子レンジ加熱によって袋内部で発生する蒸気による破袋を防止しつつ、被収容物の吹きこぼれを抑止可能な包装袋を提供することを目的とする。
【解決手段】電子レンジ加熱用の包装袋であって、表面フィルム1及び裏面フィルム2を有する袋本体3と、袋本体3の上端部6の近傍位置に袋本体3を横断するように形成された第1ヒートシール部8と、第1ヒートシール部8に形成された、電子レンジ加熱により剥離開口する弱化部9と、袋本体3の上端部6と第1ヒートシール部8との間に形成された非ヒートシール部12において、表面フィルム1を貫通するように形成された蒸気抜き部13とを備え、弱化部9と蒸気抜き部13との間に、弱化部9に開口14が形成されたときに、開口14から見て蒸気抜き部13が隠れるように第2ヒートシール部15が形成された構成とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジ加熱用の包装袋であって、表面フィルム及び裏面フィルムを有する袋本体と、前記袋本体の上端部の近傍位置に前記袋本体を横断するように形成された第1ヒートシール部と、前記第1ヒートシール部に形成された、電子レンジ加熱により剥離開口する弱化部と、前記袋本体の上端部と前記第1ヒートシール部との間に形成された非ヒートシール部において、前記表面フィルムを貫通するように形成された蒸気抜き部とを備え、前記弱化部と前記蒸気抜き部との間に、前記弱化部に開口が形成されたときに、前記開口から見て前記蒸気抜き部が隠れるように第2ヒートシール部が形成された包装袋。
【請求項2】
前記第2ヒートシール部は、前記第1ヒートシール部から離間して形成された請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記第2ヒートシール部は、所定のシール幅を有する線状で中央部が前記弱化部側に近づくように屈曲又は湾曲した形状である請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記第2ヒートシール部と、前記第2ヒートシール部の両端を結ぶ線とで囲まれた領域内に、前記蒸気抜き部の少なくとも一部が配置された請求項3に記載の包装袋。
【請求項5】
前記蒸気抜き部が切込部とされ、前記切込部は、屈曲又は湾曲した線形状又はミシン目形状である請求項1~4のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項6】
前記第1ヒートシール部は、その上端の一部が袋本体の下側に向けて凹状に形成された凹状部を有し、前記凹状部内に前記第2ヒートシール部の少なくとも一部が配置された請求項1~5のいずれか一項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジ加熱用の包装袋に関し、特に、加熱によって包装袋内で発生する過剰蒸気による破袋を防止可能な包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、包装袋に収容した調理済又は半調理済の食品を、包装袋のまま電子レンジで加熱して調理する包装食品がよく利用されている。しかし、このような包装袋を電子レンジで加熱すると、包装袋の内圧が上昇して破袋し、包装袋に収容された食品が飛散して電子レンジの庫内を汚すという問題があった。
【0003】
上記問題を解決するため、特許文献1には、電子レンジを加熱調理した際の圧力上昇時に応力を集中させるためのフィルム合掌部(背貼り部)に湾曲形状の蒸気抜きシール部を設け、その蒸気抜きシール部を優先的に剥離させることでそこから蒸気を外部に放出する包装袋が開示されている。しかしながら、上記構成の包装袋は、かさ高くなることに加えて背貼り部を形成するのに手間がかかり、生産コストが高くなるという問題があった。
【0004】
上記課題に対して、特許文献2には、袋の周縁部に形成されたヒートシール部と、上辺のヒートシール部の近傍位置に袋を横断するように形成された第2ヒートシール部と、第2ヒートシール部の左右中央部に形成された幅狭のイージーピール部と、第2ヒートシール部と上辺ヒートシール部との間に形成された非ヒートシール部と、非ヒートシール部の表裏面フィルムを貫通するように形成された切り込みとを備え、切り込みが側辺のヒートシール部近傍に形成された包装袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-80072号公報
【特許文献2】特開2007-204072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記構成の包装袋においては、蒸気は幅狭のイージーピール部を通じて少量ずつ切り込み部分から外部へと放出される。しかしながら、切り込みはイージーピール部から離れた左右側辺のヒートシール部近傍に形成されているものの、非ヒートシール部内では液状の被収容物と蒸気とが混ざった状態となり、切り込みから蒸気が抜ける際に、蒸気とともに切り込みから液体が吹きこぼれるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明においては、電子レンジ加熱によって袋内部で発生する蒸気による破袋を防止しつつ、被収容物の吹きこぼれを抑止可能な包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様としての電子レンジ加熱用の包装袋は、表面フィルム及び裏面フィルムを有する袋本体と、前記袋本体の上端部の近傍位置に前記袋本体を横断するように形成された第1ヒートシール部と、前記第1ヒートシール部に形成された、電子レンジ加熱により剥離開口する弱化部と、前記袋本体の上端部と前記第1ヒートシール部との間に形成された非ヒートシール部において、前記表面フィルムを貫通するように形成された蒸気抜き部とを備え、前記弱化部と前記蒸気抜き部との間に、前記弱化部に開口が形成されたときに、前記開口から見て前記蒸気抜き部が隠れるように第2ヒートシール部が形成された構成とすることができる。
【0009】
前記第2ヒートシール部は、前記第1ヒートシール部から離間して形成された構成としてもよい。
【0010】
前記第2ヒートシール部は、所定のシール幅を有する線状で中央部が前記弱化部側に近づくように屈曲又は湾曲した形状である構成としてもよい。
【0011】
前記第2ヒートシール部と、前記第2ヒートシール部の両端を結ぶ線とで囲まれた領域内に、前記蒸気抜き部の少なくとも一部が配置された構成としてもよい。
【0012】
前記蒸気抜き部が切込部とされ、前記切込部は、屈曲又は湾曲した線形状又はミシン目である構成としてもよい。
【0013】
前記第1ヒートシール部は、その上端の一部が袋本体の下側に向けて凹状に形成された凹状部を有し、前記凹状部内に前記第2ヒートシール部の少なくとも一部が配置された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
上記態様によれば、弱化部と蒸気抜き部との間に、弱化部に開口が形成されたときに、開口から見て蒸気抜き部が隠れるように第2ヒートシール部が形成されたため、開口から非ヒートシール部に流入した被収容物は直線的に蒸気抜き部に移動することができず、第2ヒートシール部によって形成された迂回路を通ることになる。このとき、液体は迂回路によって蒸気抜き部から離れる方向に誘導され、蒸気のみが蒸気抜き部から放出される。これによって、背貼り部を設けることなく、電子レンジ加熱によって袋内部で発生する蒸気による破袋を防止しつつ、被収容物の吹きこぼれを抑止可能な包装袋を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の包装袋を示す正面模式図
図2図1の包装袋の密封後の状態を示す正面模式図
図3図2の部分拡大図
図4図3の弱化部が電子レンジ加熱により開口した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図1は本実施形態における包装袋を示す正面模式図であり、図2図1の包装袋の密封後の状態を示す正面模式図であり、図3図2の部分拡大図であり、図4図3の弱化部が電子レンジ加熱により開口した状態を示す図である。なお、図1において、矢印Xは包装袋の左右方向を示しており、矢印Yは包装袋の上下方向を示す。包装袋の表裏、左右方向X及び上下方向Yは、包装袋における各部の相対的位置関係を明らかにするためのものであり、使用時における方向や印刷面の表裏とは必ずしも一致するわけではない。また、図中、ハッチング部分はヒートシール領域を示す。
【0017】
図1図3に示すように、本実施形態の包装袋は矩形状であり、表面フィルム1と、裏面フィルム2とを互いに対向させて重ね合せた状態で周縁部を密閉してなる。本実施形態では表面フィルム1と、裏面フィルム2は1枚の樹脂フィルムからなり、それを長手方向中央で折り返し幅方向両端をヒートシールすることで三方がシールされた包装袋を得ることができる。すなわち、表面フィルム1及び裏面フィルム2からなる袋本体3の左右両端部に右シール部4及び左シール部5が形成され、袋本体3の上端部は、樹脂フィルムを折り返して形成された折り返し部6とされる。
【0018】
袋本体3の下端部は開口状態とされ、この下端部の開口から被収容物を袋本体3内に収容した後、袋本体3の下端に下シール部7が形成されて、袋本体3が密封される。なお、袋本体3は、表裏2枚のフィルムを互いに対向させて重ね合わせた状態で周縁をシールした構成でもよい。
【0019】
袋本体3の上端部の近傍位置に前記袋本体を横断するように、表面フィルム1と、裏面フィルム2とをヒートシールした第1ヒートシール部8が形成される。被収容物は、第1ヒートシール部8、右シール部4、下シール部7及び左シール部5で囲まれた空間に収容される。第1ヒートシール部8の形状としては、たとえば、左右方向Xに一定幅で延びるシール部の一部に、電子レンジ加熱により剥離開口する弱化部9が形成された構成とすることができる。具体的には、第1ヒートシール部8は、その上端の左右方向Xの中央部が袋本体3の下側に向けて凹状に形成された凹状部11を有する。本実施形態では、凹状部11は、袋本体3の下側に向かって先細りとなる台形形状とされる。
【0020】
第1ヒートシール部8に形成された凹状部11により、第1ヒートシール部8は左右方向Xの中央部のシール幅(シール長手方向に対して直交する方向の長さ)が狭い幅狭部が形成され、この幅狭部が弱化部9とされる。幅狭部は直線状としてもよいが、袋本体3の下側に突出するように形成するのが好ましい。本実施形態では、第1ヒートシール部8の下端が略M字状になるように形成される。
【0021】
これにより、第1ヒートシール部8全体の形状は、左右方向Xの両端部から中央部に行くに従ってヒートシール幅が狭くなるように形成され、第1ヒートシール部8の左右方向Xの中央部に、第1ヒートシール部8全体のうち最も狭いヒートシール幅で、袋本体3の下側に向かって先細りとなる台形輪郭形状の弱化部9が形成される。上記構成により、包装袋を電子レンジで加熱したときに、弱化部9の先端部に効率よく熱及び圧力がかかり、弱化部9をよりスムーズに開口させることが可能となる。
【0022】
袋本体3の上端部である折り返し部6と、第1ヒートシール部8との間には非ヒートシール部12が形成される。非ヒートシール部12には、折り返し部6、第1ヒートシール部8、右シール部4及び左シール部5から離間した位置で表面フィルム1を貫通するように蒸気抜き部13が形成される。蒸気抜き部13は、裏面フィルム2には形成されない。
【0023】
本発明の包装袋は、表面フィルム1側が上向きになるように電子レンジにセットして加熱される。したがって、下向きになる裏面フィルム2に蒸気抜き部を形成しないことで液状の被収容物が裏面フィルム2から流出することを防止することができる。蒸気抜き部13の形状としては、単数又は複数の孔形状やスリット状としてもよいが、非収容物の吹きこぼれをできる限り抑制する観点から、切込部とするのが好ましい。蒸気抜き部13を切込部とする場合、その形状としては、直線状としてもよいが、非直線状に形成するのが好ましい。
【0024】
蒸気抜き部13を非直線状の切込部とする場合、略V字状、台形輪郭形状、略U字状、円弧状、楕円弧状など、線状で屈曲又は湾曲した形状とすることができる。切込部としては、連続した一本の線状としてもよいし、断続的にミシン目状に形成することも可能である。本実施形態では、蒸気抜き部13は、左右方向Xに延びるミシン目状の切込部で中央部が弱化部9に近づくように楕円弧状に湾曲形成されている。すなわち、蒸気抜き部13は、袋本体3の下側に膨らむように湾曲形成されている。
【0025】
蒸気抜き部13をミシン目状の切込部とすることにより、加熱により弱化部9が開口したときに、通常の加熱時に発生する圧力下では線状の切込部から蒸気のみ外部に放出される。一方、何らかの原因により、包装袋の内部が過圧状態となったときには、ミシン目が破断して大きく開口し、包装袋内の圧力を急速に下げ、破袋を抑止することが可能となる。
【0026】
弱化部9と蒸気抜き部13との間には、第2ヒートシール部15が形成される。第2ヒートシール部15は、図4に示すように、電子レンジ加熱により弱化部9に開口14が形成されたときに、開口14から見て蒸気抜き部13が隠れるように第2ヒートシール部15が形成される。いいかえれば、弱化部9の開口形成予定位置から見て蒸気抜き部13が隠れるように第2ヒートシール部15が形成される。第2ヒートシール部15は、表面フィルム1と、裏面フィルム2とをヒートシールして形成される。
【0027】
上記構成の包装袋を電子レンジで加熱する際には、裏面フィルム2を下に向けて包装袋を電子レンジ内に収容する。その状態で、包装袋を電子レンジ加熱すると、弱化部9に開口14が形成され、蒸気とともに一部液状の被収容物が非ヒートシール部12内に流入する。開口14から非ヒートシール部12に流入した被収容物は直線的に蒸気抜き部13に移動することができず、第2ヒートシール部15によって形成された迂回路16を通ることになる。
【0028】
このとき、液状の被収容物は迂回路16によって、非ヒートシール部12内を、蒸気抜き部13から離れるように左右両端部の方向に誘導され、蒸気のみが蒸気抜き部13から放出される。これにより、電子レンジ加熱によって包装袋内部で発生する蒸気による破袋を防止しつつ、被収容物の吹きこぼれを抑止することが可能となる。
【0029】
第2ヒートシール部15は、所定のシール幅(第2ヒートシール部15の長さ方向に直交する方向の長さ)を有する直線状に形成してもよいし、所定のシール幅を有する非直線状に形成することもできる。ここで、所定のシール幅とは、包装袋を電子レンジ加熱したときに、第2ヒートシール部15に剥離が生じない程度のシール強度を確保可能なシール幅を意味する。第2ヒートシール部15のシール幅は、所定のシール幅以上の幅であればよく、部分的に幅が異なっていてもよい。また、第2ヒートシール部15は、少なくとも一端側が第1ヒートシール部から離間して形成すればよいが、第2ヒートシール部全体が、第1ヒートシール部から離間するように形成することで、非ヒートシール部12の左右両端部に被収容物を分散して導くことができる。
【0030】
本実施形態では、第2ヒートシール部15は、所定のシール幅を有する非直線状に形成される。具体的には、所定のシール幅を有し、左右方向Xに延びる線状で中央部が弱化部9側に近づくように先細りとなる台形の輪郭形状に屈曲形成される。すなわち、第2ヒートシール部15は、袋本体3の下側に膨らむように屈曲形成される。その他の非直線形状として、略V字状、略U字状、円弧状、楕円弧状などの屈曲又は湾曲した形状に形成することができる。このように、第2ヒートシール部15を左右方向Xに対して傾斜するように形成することで、開口14から流入した被収容物をスムーズに非ヒートシール部12の左右両端部に導くことができる。
【0031】
蒸気抜き部13は、少なくともその一部が第2ヒートシール部15と、第2ヒートシール部15の両端を結ぶ線とで囲まれた領域A内に入るように配置するのが好ましい。これにより、非ヒートシール部12の左右両端部に流入した被収容物が蒸気抜き部13に向って左右方向Xから逆流した場合に、第2ヒートシール部15でせき止めて、蒸気抜き部13から被収容物が吹きこぼれるのを効果的に抑止することが可能となる。なお、本実施形態では、蒸気抜き部13は、第2ヒートシール部15と同様に袋本体3の下側に膨らむように形成されていることで、領域A内に蒸気抜き部13全体が入るように配置することが可能とされる。
【0032】
第2ヒートシール部15は、少なくともその一部が凹状部11内に配置されるのが好ましい。これにより、非ヒートシール部12をコンパクト化しつつ、蒸気抜き部13の位置を袋本体3の折り返し部6(上端部)から十分離間させることが可能となり、非ヒートシール部12に流入した被収容物の貯液量を高めて蒸気抜き部13からの吹きこぼれを抑止することができる。
【0033】
本実施形態では、弱化部9としてヒートシール幅が狭く、袋本体の下側に向かって突出するよう折曲形成されているが、これに限らず、第1ヒートシール部8の他の部分よりもシール強度が弱く、蒸気によって剥離が生じて開口するものであってもよい。たとえば、電子レンジ加熱により発熱する発熱体を印刷、塗布して弱化部9としてもよいし、シール強度を弱める離型剤等を印刷、塗布して弱化部とすることもできる。また、これらを組み合わせることも可能である。
【0034】
表面フィルム1と裏面フィルム2の周縁部をシールする方法としては、両フィルムを熱溶着してもよいし、接着剤により接着することも可能である。包装袋に用いられる表面フィルム1及び裏面フィルム2は、第1ヒートシール部8及び第2ヒートシール部15を形成するために少なくとも熱溶着可能な樹脂層を備えたものであればよい。これにより、接着剤を用いることなく、シール部4、5及び7を熱溶着により形成することが可能となる。なお、表裏面フィルム1、2の構成は、被収容物の性質によって適宜選択することができる。具体的には、袋の外側から基材層及びシーラント層が順次積層され、必要に応じガスバリア層を設けることができる。また、ガスバリア層とシーラント層を積層して構成することもできる。
【0035】
基材層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム等を使用することができる。ガスバリア層としては、透明蒸着フィルムや、ガスバリア性を有する樹脂フィルムを用いることができる。シーラント層としては、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂を好適に用いることができる。
【実施例0036】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
[試験の概要]
本実施例では、図2に示す構成の包装袋を作製した。比較例として、第2ヒートシール部を形成していない点以外は実施例と同様の構成の包装袋を作製し、両者を電子レンジ加熱したときの吹きこぼれの発生を評価した。なお、包装袋には被収容物として100gの水を収容し、電子レンジにて500W×5分加熱した。
【0038】
[評価結果]
比較例では電子レンジ加熱により蒸気抜き部から水の吹きこぼれが認められた。一方、本発明に係る包装袋では電子レンジ加熱により弱化部に開口が形成されると、蒸気及び水分は迂回路により非ヒートシール部の左右の空間部に誘導され、水分はこの空間内に溜まり、蒸気のみが蒸気抜き部から外部に放出され、水分の吹きこぼれを防止することが出来た。
【0039】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。本実施形態では、袋本体3として、表面フィルム1と裏面フィルム2の周縁部をヒートシールした態様について説明したが、これに限らず、たとえば、表面フィルム1と裏面フィルム2との間にガゼットを形成してもよい。
【0040】
なお、実施形態及び上記変形例に開示されている構成要件は互いに組合せ可能であり、組合せることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 表面フィルム
2 裏面フィルム
3 袋本体
4 右シール部
5 左シール部
6 折り返し部
7 下シール部
8 第1ヒートシール部
9 弱化部
11 凹状部
12 非ヒートシール部
13 蒸気抜き部
14 開口
15 第2ヒートシール部
16 迂回路
図1
図2
図3
図4