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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104090
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】生体情報記録装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/332 20210101AFI20220701BHJP
【FI】
A61B5/04 310H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219090
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】取出 優
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB03
4C127KK01
(57)【要約】
【課題】開時に蓋部に負荷がかかっても破損し難くすること。
【解決手段】生体情報を計測して記録する生体情報記録装置において、生体情報記録装置の筐体の開口部を開閉する蓋部と、蓋部が有する回転軸で、蓋部を開閉可能に支持する支持部と、を備え、支持部は、開口部の端部から突設された突設部と、突設部に着脱可能であり、突設部に取り付けられるときに回転軸の軸周りを突設部と共に包囲する取付部と、を有する。突設部は、開口部の端部において蓋部を挟むように回転軸の軸方向に離間して配置される一対の突設部である。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報を計測して記録する生体情報記録装置において、
前記生体情報記録装置の筐体の開口部を開閉する蓋部と、
前記蓋部が有する回転軸で、前記蓋部を開閉可能に支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、
前記開口部の端部から突設された突設部と、
前記突設部に着脱可能であり、前記突設部に取り付けられるときに前記回転軸の軸周りを前記突設部と共に包囲する取付部と、
を有する、
生体情報記録装置。
【請求項2】
前記突設部は、前記開口部の前記端部において前記蓋部を挟むように前記回転軸の軸方向に離間して配置される一対の突設部であり、
前記取付部は、先端が前記回転軸の軸方向外側に突出するように形成され、前記一対の突設部の間に挿入される一対の掛止部を有し、
前記一対の突設部は、前記掛止部を掛止する掛止受部を有する、
請求項1に記載の生体情報記録装置。
【請求項3】
前記取付部は、前記突設部に取り付けられるときに前記回転軸が配置される凹部と、前記一対の掛止部の間を連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記凹部より前記開口部側に配置される、
請求項2に記載の生体情報記録装置。
【請求項4】
前記蓋部の端部に設けられ、前記蓋部に対して移動可能に設けられた嵌挿部と、
前記突設部に設けられ、前記蓋部のロック時に前記嵌挿部が嵌挿される被嵌挿溝と、
を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の生体情報記録装置。
【請求項5】
前記取付部の着脱方向は、前記開口部の開口面に平行な方向に沿う第1方向であり、
前記突設部の突設方向は、前記開口面に垂直な方向に沿う第2方向であり、
前記取付部は、前記突設部に取り付けられるときに前記回転軸を前記第2方向で挟む一対の突起部を有し、
前記突設部は、前記一対の突起部のそれぞれを前記第2方向に移動不能に係止する一対の突起係止部を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の生体情報記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報を計測して記録する生体情報記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間などの生体の健康状態を把握するため、生体の生体情報を計測して記録する生体情報記録装置、例えば、ホルター心電図記録装置などが知られている(特許文献1)。ホルター心電図記録装置は、被検体の皮膚に電極を貼り付け、被検体の心電波形を電極で計測して記録する装置であり、長時間(例えば、24時間)の心電波形の計測及び記録が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-151626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したホルター心電図記録装置などの生体情報記録装置は、その筐体の内部に駆動電源となる電池や生体情報を記録するメモリーカードなどを収容している。このような生体情報記録装置は、電池やメモリーカードなどの出し入れのため、それらの開口部や開口部を開閉する蓋部などを有しており、筐体内部への水などの侵入を防止するため、パッキンなどのシール部材を有している。
【0005】
シール部材と蓋部で開口部を正しくシール(封止)するためには、蓋部をシール部材に正確に押しつける必要がある。そのため、蓋部を回転可能に支持する軸部材として、金属性の回転軸を用い、正確な位置に形成された貫通孔に挿入されて、使用されていた。
【0006】
ところが、開時に蓋部に想定外の負荷がかかると、貫通孔や回転軸が破損してしまうことがある。この場合、蓋部を閉めても、蓋部をシール部材に正確に押しつけることができなくなってしまい、蓋部の防水性が失われる可能性がある。場合によっては、蓋部を閉めた状態(ロック状態)に維持し難くなる可能性もある。
【0007】
本発明の目的は、開時に蓋部に負荷がかかっても破損し難い生体情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る生体情報記録装置は、
生体情報を計測して記録する生体情報記録装置において、
前記生体情報記録装置の筐体の開口部を開閉する蓋部と、
前記蓋部が有する回転軸で、前記蓋部を開閉可能に支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、
前記開口部の端部から突設された突設部と、
前記突設部に着脱可能であり、前記突設部に取り付けられるときに前記回転軸の軸周りを前記突設部と共に包囲する取付部と、
を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開時に蓋部に負荷がかかっても破損し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る生体情報記録装置の一例を示す斜視図であって、蓋部の開状態を示す図である。
図2図1に示した生体情報記録装置を示す斜視図であって、蓋部の閉状態を示す図である。
図3図1に示した生体情報記録装置を示す斜視図であって、蓋部のロック状態を示す図である。
図4A図1に示した生体情報記録装置の支持部の断面図であって、蓋部の開状態を示す図である。
図4B図1に示した生体情報記録装置の支持部の断面図であって、蓋部の閉状態及びロック状態を示す図である。
図5図1に示した生体情報記録装置の支持部を構成する取付部を示す斜視図である。
図6A図5に示した取付部の変形例を示す斜視図である。
図6B図5に示した取付部の他の変形例を示す斜視図である。
図7図6A及び図6Bに示した取付部に対応する支持部の断面図であって、蓋部の開状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1図3は、本実施の形態の生体情報記録装置100を示す斜視図であり、図1は、蓋部20の開状態を示す図、図2は、蓋部20の閉状態を示す図、図3は、蓋部20のロック状態を示す図である。図1図3においては、後述する開口部12、13の開口面に平行な方向に沿う方向を第1方向D1とし、開口部12、13の開口面に垂直な方向に沿う方向を第2方向D2とする。
【0013】
生体情報記録装置100は、生体情報を計測して記録する装置、例えば、ホルター心電図記録装置である。生体情報記録装置100は、電子機器(図示省略)、電池120、記録媒体130などを収容する本体部10と、本体部10の筐体11の開口部12、13を開閉する蓋部20と、後述する回転軸22aで蓋部20を開閉可能に支持する支持部30とを備える。
【0014】
筐体11は、開口部12、13を有する箱形状に形成されている。筐体11には、図示省略しているが、生体情報を表示する表示機器や操作スイッチなどが設けられている。電子機器は、操作スイッチからの入力を受け付けて、生体情報を計測し、記録したり、表示機器に情報を表示したりする制御装置である。
【0015】
また、筐体11には、図示省略しているが、計測用のプローブを接続するコネクタ部が設けられている。プローブは、生体情報記録装置100がホルター心電図記録装置である場合は、心電波形を計測する電極である。
【0016】
本実施の形態において、開口部12は、筐体11に対する電池120の出入口であり、開口部12を介して、電池120を筐体11の内部に挿入して収容したり、筐体11の内部に収容した電池120を取り出したりする。同様に、開口部13は、筐体11に対する記録媒体130の出入口であり、開口部13を介して、記録媒体130を筐体11の内部に挿入して収容したり、筐体11の内部に収容した記録媒体130を取り出したりする。電池120は、例えば、乾電池や充電池などである。また、記録媒体130は、例えば、フラッシュメモリーなどのメモリーカードなどである。
【0017】
このように、生体情報記録装置100には、電池や記録媒体などの電子部品を、その内部に収納可能に構成されたものがある。このような、生体情報記録装置100には、閉時に開口部12、13を閉じるための蓋部20が設けられ、蓋部20を開閉可能に支持する支持部30が設けられている。
【0018】
そして、筐体11には、後述する蓋部20の係止部24a、24bを筐体11側にロックするための被係止部14、15と、後述する蓋部20のパッキン23に押圧される押圧部16が設けられている。
【0019】
被係止部14は、筐体11の1つの側面11aにおいて、支持部30が設けられた端部と反対側の端部(図1において、側面11aの右側の端部)に設けられ、支持部30に向かう方向に向かって凹設された凹形状に形成されている。このように形成された被係止部14に後述する係止部24aが係止される。
【0020】
被係止部15は、側面11aにおいて、支持部30と被係止部14との間であって、側面11aの短手方向の両端に設けられ、第2方向D2に向かって凸設された凸形状に形成されている。また、被係止部15の先端は、筐体11の外側に向かって屈曲されている。このように形成された被係止部15に後述する係止部24bが係止される。
【0021】
押圧部16は、開口部12、13の周囲を囲うように、第2方向D2に向かって凸設されている。このように形成された押圧部16が後述するパッキン23に押圧されて、蓋部20は、ロック時に開口部12、13を水密状態に閉じることになる。
【0022】
蓋部20は、蓋部本体21と、被支持部22と、パッキン23と、移動カバー部24とを有する。
【0023】
蓋部本体21は、蓋部20の本体となる部材であり、被支持部22とパッキン23が固定され、移動カバー部24が移動可能に取り付けられている。
【0024】
被支持部22は、蓋部本体21から後述する支持部30の一対の突設部31の間に向かって延設され、一対の突設部31の間に配置されている。被支持部22は、後述の図4A図4Bに示すように。被支持部22から両側の一対の突設部31に向かって延設された回転軸22aを有し、回転軸22aが支持部30に回転可能に支持される。
【0025】
パッキン23は、蓋部本体21において、側面11a側の面に設けられている。蓋部20のロック時には、押圧部16がパッキン23に押圧されることになる。パッキン23としては、蓋部20との間を水密状態とすることができれば、どのような部材でもよい。
【0026】
移動カバー部24は、蓋部本体21において、側面11aと反対側の面に設けられ、支持部30に対して近接又は離間するように、蓋部本体21に移動可能に支持される。
【0027】
移動カバー部24には、係止部24a、24bが設けられている。係止部24aは、蓋部20の長手方向において、被支持部22と反対側の端部(図1において、蓋部20の左側の端部)に設けられ、被支持部22の方向に向かって凸設された凸形状に形成されている。このように形成された係止部24aが、蓋部20の閉時に移動カバー部24を支持部30の方向に移動させると、被係止部14に係止されることになる(ロック状態)。
【0028】
また、係止部24bは、被支持部22と係止部24bとの間であって、蓋部20の短手方向の両端に設けられ、移動カバー部24の外縁から内側に向かって凸設された凸形状に形成されている。このように形成された係止部24bが、蓋部20の閉時に移動カバー部24を支持部30の方向に移動させると、被係止部15に係止されることになる(ロック状態)。なお、パッキン23と移動カバー部24との間には、開口部25が形成されている。蓋部20の閉時に、開口部25に被係止部15が挿入されて、移動カバー部24が支持部30の方向に移動されると、被係止部15は係止部24bに係止されることになる。
【0029】
更に、移動カバー部24には、後述する被嵌挿溝31aに嵌挿される嵌挿部24cが設けられている。ここでは、一対の嵌挿部24cが設けられており、一対の嵌挿部24cは、蓋部20の長手方向において、被支持部22側の端部であって、移動カバー部24の内面に設けられ、移動カバー部24の内面からその内側に向かって凸設された凸形状に形成されている。このように形成された嵌挿部24cは、蓋部20の閉時に移動カバー部24を支持部30の方向に移動させると、被嵌挿溝31aの方向に移動して、被嵌挿溝31aに嵌挿されることになる(ロック状態)。
【0030】
支持部30について、図1図3と共に、図4A図4B及び図5も参照して説明を行う。図4A及び図4Bは、支持部30の断面図であって、図4Aは、蓋部20の開状態を示す図、図4Bは、蓋部20の閉状態及びロック状態を示す図である。また、図5は、支持部30を構成する取付部32を示す斜視図である。図4図5においても、開口部12、13の開口面に平行な方向に沿う方向を第1方向D1とし、開口部12、13の開口面に垂直な方向に沿う方向を第2方向D2とする。
【0031】
支持部30は、開口部12、13を有する側面11aの第1方向D1の端部において、側面11aから突設された突設部31を有している。ここでは、一対の突設部31が設けられており、一対の突設部31は、側面11aの第1方向D1の端部において、蓋部20の端部の被支持部22を挟むように、回転軸22aの軸方向に離間して配置されている。つまり、一対の突設部31は、第2方向D2を突設方向として、被支持部22を挟んで対向して突設されている。
【0032】
各々の突設部31には、蓋部20の閉時に移動カバー部24を支持部30の方向に移動させると、蓋部20の嵌挿部24cが嵌挿される被嵌挿溝31aが設けられている。従って、蓋部20の閉時に移動カバー部24を支持部30の方向に移動させると、上述した係止部24aが被係止部14に係止し、係止部24bが被係止部15に係止し、嵌挿部24cが被嵌挿溝31aに嵌挿して、蓋部20をロック状態とすることになる。
【0033】
また、各々の突設部31には、第1方向D1に向かって開口する第1凹部31bが設けられており、この第1凹部31bに回転軸22aが配置される。この回転軸22aは、第1凹部31bと後述する第2凹部32a(本発明における凹部)に回転可能に支持される。
【0034】
また、各々の突設部31には、突設部31を貫通する貫通孔である掛止受部31cが設けられており、この掛止受部31cに、後述する取付部32の掛止部32cが掛止される。
【0035】
また、各々の突設部31には、第1方向D1に沿って突起する突起係止部31dが設けられている。ここでは、一対の突起係止部31dが設けられており、一対の突起係止部31dは、第2方向D2において互いに離間して配置されている。一対の突起係止部31dは、後述する一対の突起部32bのそれぞれを第2方向D2に移動不能に係止する。
【0036】
取付部32は、一対の突設部31の間に挿入されて配置され、一対の突設部31に着脱可能に取り付けられるものである。突設部31に対する取付部32の着脱方向は、第1方向D1の逆方向及び第1方向D1である。
【0037】
取付部32には、第1方向D1と逆方向に開口し、取付部32を突設部31に取り付けるときに第1凹部31bとの間に回転軸22aが配置される第2凹部32aが設けられている。ここでは、一対の第2凹部32aが設けられており、一対の第2凹部32aにおいて、第1方向D1側の端部は、回転軸22aの外径に沿う円弧形状に形成されている。従って、回転軸22aは、直線形状の第1凹部31bの端部と円弧形状の第2凹部32aの端部に挟まれて、回転可能に支持される。このように、取付部32は、突設部31に取り付けられるときに回転軸22aの軸周りを突設部31と共に包囲する。なお、第1凹部31bと第2凹部32aとの間に回転軸22aを包囲できれば、これらの端部の形状はどのような形状でもよい。
【0038】
各々の第2凹部32aは、第1方向D1と逆方向に突起する一対の突起部32bから形成される。一対の突起部32bは、第2方向D2において互いに離間して配置されており、取付部32を突設部31に取り付けるときに回転軸22aを第2方向D2で挟んでいる。
【0039】
また、取付部32には、一対の突設部31の間に挿入される部分において、先端が回転軸22aの軸方向外側に突出するように形成された掛止部32cが設けられている。ここでは、側面11a側の突起部32bの先端に掛止部32cが設けられている。一対の突設部31の間に取付部32を挿入し、第1方向D1と逆方向に取付部32を押し込むと、掛止部32cが掛止受部31cに掛止されて、取付部32は、突設部31に取り付けられることになる。
【0040】
掛止受部31cの貫通孔の大きさは、掛止部32cが掛止される部分の大きさより大きく形成されている。負荷が蓋部20にかかった場合、掛止部32cが掛止受部31cの大きさの範囲内で移動し、取付部32が移動して、回転軸22aに大きな負荷がかからないようにしている。
【0041】
更に大きな負荷が蓋部20にかかった場合には、取付部32が突設部31から外れる構成としてもよい。このような構成とする変形例については、図6A図6B及び図7を参照して後述する。
【0042】
また、取付部32には、一対の掛止部32cの間を連結する連結部32dが設けられている。この連結部32dは、第2凹部32aより、筐体11の側面11a側に配置されている。これにより、蓋部20の回転角度を大きくすることができる。蓋部20の回転角度を大きくすることにより、電池120や記録媒体130の出し入れがし易くなると共に、蓋部20を大きく開くまで、回転軸22aに負荷がかからないようにすることができる。
【0043】
ここで、更に大きな負荷が蓋部20にかかると、取付部32が突設部31から外れる構成について、図6A図6B及び図7を参照して説明する。
【0044】
図6Aは、図5に示した取付部32の変形例を示す斜視図である。また、図6Bは、図5に示した取付部32の他の変形例を示す斜視図である。図6A及び図6Bにおいて、図1図5に示した構成と同等のものには同じ符号を付し、以下において、重複する説明は省略する。
【0045】
図5に示した取付部32において、掛止部32cは、突起部32bの先端から外側(蓋部20の回転軸22aの軸方向外側)に突出するように形成されている。そして、掛止部32cにおいて、取付部32を取り外す方向側の面となる掛止面32caは、突起部32bの外面から垂直又は略垂直に、つまり、第1方向D1に垂直又は略垂直に形成されている。また、貫通孔である掛止受部31cの内面も、第1方向D1に垂直又は略垂直に形成されている(図4Aなどを参照)。このように形成された掛止受部31cの内面の対向する内面に、掛止面32caが掛止されることで、取付部32が突設部31に取り付けられることになる。
【0046】
掛止部32cを掛止受部31cに掛止することにより、取付部32は突設部31に取り付けられ、また、外れ難くなっているが、更に大きな負荷が蓋部20にかかった場合には、取付部32が突設部31から外れる構成としてもよい。
【0047】
このよう場合には、図5に示した掛止部32cを、図6Aに示す掛止部32eに変更することで、更に大きな負荷が蓋部20にかかった場合に取付部32が突設部31から外れる構成とすることができる。なお、図6Aに示す取付部32においては、掛止部32e以外は、図5に示した取付部32と同じ構成である。
【0048】
掛止部32eの掛止面32eaは、図5に示した掛止部32cの掛止面32caと異なり、突起部32bの外面から垂直又は略垂直に形成されておらず、突起部32bの外面に対して鈍角になる傾斜面に形成されている。そのため、蓋部20に大きな負荷がかかっていないときは、掛止受部31cの内面の対向する内面に、掛止面32eaが掛止されることで、取付部32が突設部31に取り付けられることになる。
【0049】
一方で、蓋部20に更に大きな負荷がかかるときは、傾斜面である掛止面32eaは掛止受部31cの内面の対向する内面を摺動して、掛止受部31cに対する掛止部32eの掛止が外れ、取付部32が突設部31から外れることになる。このようにして、取付部32が突設部31から外れるので、回転軸22aに大きな負荷がかかったり、蓋部20が損傷したりしないようにすることができる。
【0050】
また、図5に示した掛止部32cを、図6Bに示す掛止部32fに変更することで、更に大きな負荷が蓋部20にかかった場合に取付部32が突設部31から外れる構成としてもよい。なお、図6Bに示す取付部32においては、掛止部32f以外は、図5に示した取付部32と同じ構成である。
【0051】
掛止部32fの掛止面32faは、図5に示した掛止部32cの掛止面32caと異なり、突起部32bの外面から垂直又は略垂直に形成されておらず、突起部32bの外面に対して鈍角になる湾曲面に形成されている。そのため、蓋部20に大きな負荷がかかっていないときは、掛止受部31cの内面の対向する内面に、掛止面32faが掛止されることで、取付部32が突設部31に取り付けられることになる。
【0052】
一方で、蓋部20に更に大きな負荷がかかるときは、湾曲面である掛止面32faは掛止受部31cの内面の対向する内面を摺動して、掛止受部31cに対する掛止部32fの掛止が外れ、取付部32が突設部31から外れることになる。このようにして、取付部32が突設部31から外れるので、回転軸22aに大きな負荷がかかったり、蓋部20が損傷したりしないようにすることができる。
【0053】
取付部32において、掛止受部31cに掛止される掛止部として、図6Aに示す掛止部32e又は図6Bに示す掛止部32fを使用する場合には、蓋部20の被支持部22の形状も一部変更した方がよい。
【0054】
図7は、図6A及び図6Bに示した取付部32に対応する支持部30の断面図であって、蓋部20の開状態を示す図である。図7においても、図1図5に示した構成と同等のものには同じ符号を付し、以下において、重複する説明は省略する。
【0055】
図6A図6Bに示す掛止部32e、32fにおいて、蓋部20に更に大きな負荷がかかるとき、掛止面32ea、32faは掛止受部31cの内面の対向する内面を摺動することになる。このとき、突起部32bは、その内側(被支持部22が配置される側)に変形できることが望ましいが、図4Aを参照すると、被支持部22の先端部分が突起部32bの変形の障害になる可能性がある。
【0056】
そのため、図7に示す側面視において、被支持部22-1は、蓋部20の開状態における被支持部22-1と掛止受部31cとが重ならないような形状に変更されている。具体的には、蓋部20の開状態において、回転軸22aより掛止受部31c側に配置される被支持部22-1の部分を無くすように又はできるだけ小さくするようにしている。
【0057】
被支持部22-1を上述した形状に変更することで、突起部32bの変形の障害になるものがなくなるので、突起部32bが障害なく変形して、掛止受部31cに対する掛止部32e、32fの掛止が外れ、取付部32が突設部31から外れることになる。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態の生体情報記録装置100においては、蓋部20を開閉可能に支持する支持部30が、上述した構成の突設部31と取付部32とを有するので、開時に蓋部20に負荷がかかっても破損し難くすることができる。
【0059】
また、本実施の形態の生体情報記録装置100においては、従来のホルター心電図記録装置のように、蓋部を回転可能にするために、貫通孔を設けたり、貫通孔に回転軸を挿入したりする必要がなくなる。そのため、従来使用してきた軸部材は不要となり、軸部材の加工精度や組立精度も要求されないので、加工及び組立工程が容易となる。
【0060】
また、本実施の形態の生体情報記録装置100においては、係止部24aを被係止部14に係止し、係止部24bを被係止部15に係止し、嵌挿部24cを被嵌挿溝31aに嵌挿して、蓋部20をロック状態とすることになる。つまり、回転軸22aは、蓋部20のロック状態に関係する部材ではない。そのため、蓋部20が回転する際には、回転軸22aに回転精度は要求されない。このことは、第1凹部31bと第2凹部32aとの間に回転軸22aを緩挿することを許容し、これが、回転軸22aへの負荷を低減することに寄与すると共に、加工及び組立工程の容易さにも寄与することとなる。
【0061】
なお、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、又は、その主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0062】
例えば、本実施の形態では、生体情報記録装置100として、ホルター心電図記録装置を例示しているが、本発明は、ホルター心電図記録装置以外の装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
10 本体部
11 筐体
11a 側面
12、13 開口部
14、15 被係止部
16 押圧部
20 蓋部
21 蓋部本体
22 被支持部
22a 回転軸
23 パッキン
24 移動カバー部
24a、24b 係止部
24c 嵌挿部
25 開口部
30 支持部
31 突設部
31a 被嵌挿溝
31b 第1凹部
31c 掛止受部
31d 突起係止部
32 取付部
32a 第2凹部
32b 突起部
32c 掛止部
32d 連結部
100 生体情報記録装置
120 電池
130 記録媒体
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7