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特開2022-104098発光表示装置及び発光表示装置の駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104098
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】発光表示装置及び発光表示装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20220701BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220701BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220701BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220701BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 622C
G09G3/20 670J
G09G3/20 623C
G09G3/20 641P
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219104
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】市川 勉
(72)【発明者】
【氏名】チ,ヒョンジョン
(72)【発明者】
【氏名】高杉 親知
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107EE03
3K107GG56
3K107HH05
5C080AA06
5C080BB05
5C080CC03
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080JJ07
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB36
5C380BD04
5C380CA12
5C380CB31
5C380CC27
5C380CC33
5C380CC63
5C380CD013
5C380CF70
5C380DA06
5C380DA39
5C380DA40
5C380DA46
5C380DA49
5C380EA01
5C380FA02
5C380FA21
5C380FA28
5C380GA08
5C380GA12
(57)【要約】
【課題】OLED素子の劣化を正確にセンシングすること。
【解決手段】各々にスキャンTFT、センシングTFT及び駆動TFTが設けられた複数のサブ画素を有し、スキャンTFT及びセンシングTFTのゲートが共通のスキャン線に接続され、センシングTFTのソース又はドレインが他のサブ画素と共通の基準電圧供給及びセンシング検出線に接続された画素がマトリクス状に配置された発光表示装置の駆動方法であって、基準電圧供給及びセンシング検出線が共通する複数のサブ画素のうち1つの駆動TFTをオンし、他のサブ画素の駆動TFTはオフ状態を維持すること、スキャン線の電圧を、オンした1つの駆動TFTのゲート電圧より低く、且つ発光素子のカソードの電圧より高くすること、センシングTFTのしきい値電圧を基準電圧供給及びセンシング検出線でセンシングすること、を含む発光表示装置の駆動方法とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々にスキャンTFT、センシングTFT及び駆動TFTが設けられた複数のサブ画素を有し、前記スキャンTFT及び前記センシングTFTのゲートが共通のスキャン線に接続され、前記センシングTFTのソース又はドレインが他のサブ画素と共通の基準電圧供給及びセンシング検出線に接続された画素がマトリクス状に配置された発光表示装置の駆動方法であって、
前記基準電圧供給及びセンシング検出線が共通する複数のサブ画素のうち1つの駆動TFTをオンし、他のサブ画素の駆動TFTはオフ状態を維持すること、
前記スキャン線の電圧を、前記オンした前記1つの駆動TFTのゲート電圧より低く、且つ発光素子のカソードの電圧より高くすること、
前記センシングTFTのしきい値電圧を前記基準電圧供給及びセンシング検出線でセンシングすること、を含む発光表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記センシングTFTのしきい値電圧を用いて前記発光素子の補償値を算出すること、
前記発光素子の前記補償値により前記発光素子の劣化補償を行うこと、を更に含む請求項1に記載の発光表示装置の駆動方法。
【請求項3】
請求項2に記載の発光表示装置の駆動方法により前記他のサブ画素の劣化補償を行うことで前記画素の劣化補償を行うこと、
前記画素の劣化補償を順次行うことでマトリクス状に配置された前記画素の劣化補償を順次行うこと、を更に含む発光表示装置の駆動方法。
【請求項4】
ノーマル駆動とセンシング駆動とを含むパネル;および
前記パネル内にそれぞれ異なる色を発光する少なくとも3つのサブ画素を含み、
前記少なくとも3つのサブ画素のそれぞれは、画素回路及び発光素子を含み、
前記センシング駆動において、前記少なくとも3つのサブ画素のうち1つのサブ画素は、他のサブ画素より高いデータ電圧が印加される発光表示装置。
【請求項5】
前記センシング駆動は、パワーオフシークエンス期間に行われる、請求項4に記載の発光表示装置。
【請求項6】
前記センシング駆動は、初期化期間、発光期間及びセンシング期間を含む、請求項4に記載の発光表示装置。
【請求項7】
前記初期化期間には、前記1つのサブ画素の駆動TFTがオンするデータ電圧が印加され、前記他のサブ画素には0Vのデータ電圧が印加される、請求項6に記載の発光表示装置。
【請求項8】
前記発光期間には、前記1つのサブ画素の発光素子が発光し、前記他のサブ画素の発光素子が発光しない、請求項6に記載の発光表示装置。
【請求項9】
前記少なくとも3つのサブ画素と電気的に接続される基準電圧供給及びセンシング検出線を更に含み、
前記発光期間には、前記基準電圧供給及びセンシング検出線に0Vの電圧が印加される、請求項6に記載の発光表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光表示装置及び発光表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安定して高品質な表示が可能な発光表示装置が求められている。
従来の発光表示装置では、素子の劣化によって、安定した高品質な表示が困難である。
【0003】
従来技術の一例である特許文献1には、OLED素子の劣化をセンシングする技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術においては、複数のサブ画素が1つの基準電圧線を共有し、スキャンTFT(Thin Film Transistor)とセンシングTFTとが共通する1つのゲート線に接続されたOLED画素において、選択した1つのサブ画素のOLED素子の劣化をセンシングしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2017-0021406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術によれば、センシングTFTの劣化によるしきい値電圧の変動に伴ってセンシング値が変動してしまうため、OLED素子の劣化の正確なセンシングが困難である、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑み、OLED素子の劣化を正確にセンシングする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決して目的を達成する本発明の一態様は、各々にスキャンTFT、センシングTFT及び駆動TFTが設けられた複数のサブ画素を有し、前記スキャンTFT及び前記センシングTFTのゲートが共通のスキャン線に接続され、前記センシングTFTのソース又はドレインが他のサブ画素と共通の基準電圧供給及びセンシング検出線に接続された画素がマトリクス状に配置された発光表示装置の駆動方法であって、前記基準電圧供給及びセンシング検出線が共通する複数のサブ画素のうち1つの駆動TFTをオンし、他のサブ画素の駆動TFTはオフ状態を維持すること、前記スキャン線の電圧を、前記オンした前記1つの駆動TFTのゲート電圧より低く、且つ発光素子のカソードの電圧より高くすること、前記センシングTFTのしきい値電圧を前記基準電圧供給及びセンシング検出線でセンシングすること、を含む発光表示装置の駆動方法である。
【0008】
上記構成において、前記センシングTFTのしきい値電圧を用いて前記発光素子の補償値を算出すること、前記発光素子の前記補償値により前記発光素子の劣化補償を行うこと、を更に含むことで発光素子の劣化補償を行うことができる。
【0009】
上記構成の発光表示装置の駆動方法により前記他のサブ画素の劣化補償を行うことで前記画素の劣化補償を行うこと、前記画素の劣化補償を順次行うことでマトリクス状に配置された前記画素の劣化補償を順次行うこと、を更に含むことで発光表示装置の劣化補償を行うことができる。
【0010】
又は、本発明の一態様は、ノーマル駆動とセンシング駆動とを含むパネル;および前記パネル内にそれぞれ異なる色を発光する少なくとも3つのサブ画素を含み、前記少なくとも3つのサブ画素のそれぞれは、画素回路及び発光素子を含み、前記センシング駆動において、前記少なくとも3つのサブ画素のうち1つのサブ画素は、他のサブ画素より高いデータ電圧が印加される発光表示装置である。
【0011】
上記構成の発光表示装置において、前記センシング駆動は、パワーオフシークエンス期間に行われるとよい。
【0012】
上記構成の発光表示装置において、前記センシング駆動は、初期化期間、発光期間及びセンシング期間を含むとよい。
【0013】
上記構成の発光表示装置において、前記初期化期間には、前記1つのサブ画素の駆動TFTがオンするデータ電圧が印加され、前記他のサブ画素には0Vのデータ電圧が印加されるとよい。
【0014】
上記構成の発光表示装置において、前記発光期間には、前記1つのサブ画素の発光素子が発光し、前記他のサブ画素の発光素子が発光しないようにするとよい。
【0015】
上記構成の発光表示装置が、前記少なくとも3つのサブ画素と電気的に接続される基準電圧供給及びセンシング検出線を更に含み、前記発光期間には、前記基準電圧供給及びセンシング検出線に0Vの電圧が印加されるとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、OLED素子の劣化を正確にセンシングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態における発光表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図2図2は、画素の画素回路を示す図である。
図3図3は、図1に示す発光表示装置の劣化補償の動作を示すフローチャートである。
図4図4(A)は、上述した技術を適用したOLED素子の補償値の修正を示すフローチャートであり、図4(B)は、修正した補償値を用いた画像データの表示動作を示すフローチャートである。
図5図5は、図4のS21からS23のタイミングチャートである。
図6図6(A)は、センシング期間において、トランジスタのしきい値電圧変化ΔVth=0Vのときの検出電圧の時間変化を示す図であり、図6(B)は、センシング期間において、トランジスタのしきい値電圧変化ΔVth=1Vのときの検出電圧の時間変化を示す図である。
図7図7は、初期化期間におけるサブ画素及びセンシングユニットの動作を示す図である。
図8図8は、発光期間におけるサブ画素及びセンシングユニットの動作を示す図である。
図9図9は、センシング期間におけるサブ画素及びセンシングユニットの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
【0019】
<実施形態>
図1は、本実施形態における発光表示装置100の全体構成を示すブロック図である。
図1に示す発光表示装置100は、タイミングコントローラー110と、データ線駆動回路120と、ゲート線駆動回路130と、記憶部140と、マトリクス状(m行×n列)に配置された複数の画素200と、を備える。
画素200は、サブ画素200R、サブ画素200W、サブ画素200B及びサブ画素200Gを含む。
また、発光表示装置100には、低電位電圧VSSが供給されている。
低電位電圧VSSとしては接地電圧(=0V)を例示することができる。
【0020】
タイミングコントローラー110は、タイミング同期信号TSS及びデータ電流Idataに基づいて、データ線駆動回路120及びゲート線駆動回路130に制御信号を出力することで、これらを駆動する。
ここで、タイミング同期信号TSSには、垂直同期信号、水平同期信号、データイネーブル信号及びクロック信号等が含まれる。
【0021】
データ線駆動回路120は、タイミングコントローラー110からの制御信号に基づいて、接続されたデータ信号線DataR,DataW,DataB,DataGに信号を出力して駆動し、基準電圧供給及びセンシング検出線Refに基準電圧Vrefを供給する駆動回路である。
また、データ線駆動回路120は、センシング時に基準電圧供給及びセンシング検出線Refの電圧を検出する。
【0022】
ゲート線駆動回路130は、タイミングコントローラー110からの制御信号に基づいて、スキャン信号線Scanに信号を出力して駆動し、高電位電圧線Vddに高電位電圧VDDを供給する駆動回路である。
【0023】
記憶部140は、少なくとも、各サブ画素又はパネル内の全サブ画素の平均の劣化データを記憶する。
【0024】
また、発光表示装置100には、データ信号線DataR,DataW,DataG,DataB、基準電圧供給及びセンシング検出線Ref、高電位電圧線Vdd及びスキャン信号線Scanによって規定されるサブ画素SP(R)、サブ画素SP(W)、サブ画素SP(G)及びサブ画素SP(B)が、マトリクス状に配置されている。
複数のサブ画素200の各々は、発光素子と、該発光素子を発光させるための画素回路と、を含む。
該発光素子は、ピクセル回路内に含まれる駆動トランジスタを介して高電位電圧VDDの高電位電圧線Vddから低電位電圧VSSの低電位電圧線Vssに流れる電流に応じて発光する。
【0025】
各サブ画素は、画像表示のためのノーマル駆動時と、劣化センシングのためのセンシング駆動時と、において互いに動作が異なり得る。
センシング駆動は、OLED素子の劣化をセンシングするための駆動である。
センシング駆動は、画像表示中の垂直ブランク期間、画像表示の開始前のパワーオンシークエンス期間、又は画像表示終了後のパワーオフシークエンス期間に行われることができる。
垂直ブランク期間は、画像データが書き込みされない期間であって、1フレーム分の画像データが書き込みされる垂直アクティブ区間ごとに配置される。
パワーオンシークエンス期間は、駆動電源がオンした後から画像表示されるまでの期間である。
パワーオフシークエンス期間は、発光表示装置のオフ信号の受信による画像表示終了後から駆動電源がオフするまでの期間である。
【0026】
図2は、画素200の画素回路を示す図である。
図2に示す画素200は、サブ画素200R、サブ画素200W、サブ画素200B及びサブ画素200Gを含む。
【0027】
サブ画素200Rには、N型TFTであるトランジスタ201R,202R,203Rと、容量素子204Rと、発光素子205Rと、が設けられている。
ここで、トランジスタ201RはスキャンTFTであり、トランジスタ202Rは駆動TFTであり、トランジスタ203RはセンシングTFTである。
また、容量素子204Rは、ストレージキャパシタである。
【0028】
発光素子205Rは、駆動トランジスタに接続されたアノードと、低電位電圧線Vssに接続されたカソードと、アノードとカソードとの間の発光層と、を備え、赤色光を発する。
発光層は、カソードとアノードとの間に順次積層された、電子注入層、電子輸送層、有機発光層、正孔輸送層及び正孔注入層を備える。
発光素子205Rは、アノードとカソードとの間に正のバイアスが印加されると、カソードからの電子が電子注入層及び電子輸送層を経由して有機発光層に供給され、アノードからの正孔が正孔注入層及び正孔輸送層を経由して有機発光層に供給される。
有機発光層では、供給された電子と正孔との再結合により、電流密度に比例した輝度で蛍光物又は燐光物が発光する。
一方、発光素子205Rは、負のバイアスが印加されると、電荷を蓄積する容量素子として機能する。
【0029】
また、図2には、基準電圧供給及びセンシング検出線Refと、データ信号線DataR,DataW,DataB,DataGと、スキャン信号線Scanと、高電位電圧線Vddと、低電位電圧線Vssと、が示されている。
図2に示すように、画素200においては、基準電圧供給及びセンシング検出線Ref及びスキャン信号線Scanは、サブ画素200R,200W,200B,200G間で共有し、データ信号線DataR,DataW,DataB,DataGは、サブ画素200R,200W,200B,200Gの各々に対応して設けられている。
【0030】
高電位電圧VDDを供給する高電位電圧線Vdd及び高電位電圧VDDよりも低い低電位電圧VSSを供給する低電位電圧線Vssは、各々固定電位とされている。
基準電圧供給及びセンシング検出線Refは、高電位電圧VDDよりも低く、且つ低電位電圧VSS以上である基準電圧Vrefを供給する。
すなわち、VDD>Vref>VSSである。
【0031】
また、サブ画素200Rは、第1ノードN1R及び第2ノードN2Rを含む。
第1ノードN1Rは、トランジスタ201Rのソースドレインの一方と、トランジスタ202Rのゲートと、容量素子204Rの一方の電極と、に接続されている。
第2ノードN2Rは、トランジスタ202Rのソースドレインの一方と、トランジスタ203Rのソースドレインの一方と、容量素子204Rの他方の電極と、発光素子205Rのアノードと、に接続されている。
【0032】
トランジスタ201Rのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第1ノードN1Rに接続され、ソースドレインの他方はデータ信号線DataRに接続されている。
トランジスタ202Rのゲートは第1ノードN1Rに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Rに接続され、ソースドレインの他方は高電位電圧線Vddに接続されている。
トランジスタ203Rのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Rに接続され、ソースドレインの他方は基準電圧供給及びセンシング検出線Refに接続されている。
容量素子204Rの一方の電極は第1ノードN1Rに接続され、他方の電極は第2ノードN2Rに接続されている。
発光素子205Rのアノードは第2ノードN2Rに接続され、カソードは低電位電圧線Vssに接続されている。
【0033】
サブ画素200W,200B,200Gは、サブ画素200Rと同様の構成である。
サブ画素200Wには、N型TFT(Thin Film Transistor)であるトランジスタ201W,202W,203Wと、容量素子204Wと、発光素子205Wと、が設けられている。
サブ画素200Bには、N型TFT(Thin Film Transistor)であるトランジスタ201B,202B,203Bと、容量素子204Bと、発光素子205Bと、が設けられている。
サブ画素200Gには、N型TFT(Thin Film Transistor)であるトランジスタ201G,202G,203Gと、容量素子204Gと、発光素子205Gと、が設けられている。
ここで、トランジスタ201W,201B,201GはスキャンTFTであり、トランジスタ202W,202B,202Gは駆動TFTであり、トランジスタ203W,203B,203GはセンシングTFTである。
また、容量素子204W,204B,204Gは、ストレージキャパシタである。
発光素子205W,205B,205Gは、駆動トランジスタに接続されたアノードと、低電位電圧線Vssに接続されたカソードと、アノードとカソードとの間の発光層と、を備える。
発光素子205Wは白色光を発し、発光素子205Gは緑色光を発し、発光素子205Bは青色光を発する。
【0034】
サブ画素200Wは、第1ノードN1W及び第2ノードN2Wを含む。
第1ノードN1Wは、トランジスタ201Wのソースドレインの一方と、トランジスタ202Wのゲートと、容量素子204Wの一方の電極と、に接続されている。
第2ノードN2Wは、トランジスタ202Wのソースドレインの一方と、トランジスタ203Wのソースドレインの一方と、容量素子204Wの他方の電極と、発光素子205Wのアノードと、に接続されている。
【0035】
トランジスタ201Wのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第1ノードN1Wに接続され、ソースドレインの他方はデータ信号線DataWに接続されている。
【0036】
トランジスタ202Wのゲートは第1ノードN1Wに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Wに接続され、ソースドレインの他方は高電位電圧線Vddに接続されている。
【0037】
トランジスタ203Wのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Wに接続され、ソースドレインの他方は基準電圧供給及びセンシング検出線Refに接続されている。
【0038】
容量素子204Wの一方の電極は第1ノードN1Wに接続され、他方の電極は第2ノードN2Wに接続されている。
【0039】
発光素子205Wのアノードは第2ノードN2Wに接続され、カソードは低電位電圧線Vssに接続されている。
【0040】
サブ画素200Bは、第1ノードN1B及び第2ノードN2Bを含む。
第1ノードN1Bは、トランジスタ201Bのソースドレインの一方と、トランジスタ202Bのゲートと、容量素子204Bの一方の電極と、に接続されている。
第2ノードN2Bは、トランジスタ202Bのソースドレインの一方と、トランジスタ203Bのソースドレインの一方と、容量素子204Bの他方の電極と、発光素子205Bのアノードと、に接続されている。
【0041】
トランジスタ201Bのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第1ノードN1Bに接続され、ソースドレインの他方はデータ信号線DataBに接続されている。
【0042】
トランジスタ202Bのゲートは第1ノードN1Bに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Bに接続され、ソースドレインの他方は高電位電圧線Vddに接続されている。
【0043】
トランジスタ203Bのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Bに接続され、ソースドレインの他方は基準電圧供給及びセンシング検出線Refに接続されている。
【0044】
容量素子204Bの一方の電極は第1ノードN1Bに接続され、他方の電極は第2ノードN2Bに接続されている。
【0045】
発光素子205Bのアノードは第2ノードN2Bに接続され、カソードは低電位電圧線Vssに接続されている。
【0046】
サブ画素200Gは、第1ノードN1G及び第2ノードN2Gを含む。
第1ノードN1Gは、トランジスタ201Gのソースドレインの一方と、トランジスタ202Gのゲートと、容量素子204Gの一方の電極と、に接続されている。
第2ノードN2Gは、トランジスタ202Gのソースドレインの一方と、トランジスタ203Gのソースドレインの一方と、容量素子204Gの他方の電極と、発光素子205Gのアノードと、に接続されている。
【0047】
トランジスタ201Gのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第1ノードN1Gに接続され、ソースドレインの他方はデータ信号線DataGに接続されている。
【0048】
トランジスタ202Gのゲートは第1ノードN1Gに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Gに接続され、ソースドレインの他方は高電位電圧線Vddに接続されている。
【0049】
トランジスタ203Gのゲートはスキャン信号線Scanに接続され、ソースドレインの一方は第2ノードN2Gに接続され、ソースドレインの他方は基準電圧供給及びセンシング検出線Refに接続されている。
【0050】
容量素子204Gの一方の電極は第1ノードN1Gに接続され、他方の電極は第2ノードN2Gに接続されている。
【0051】
発光素子205Gのアノードは第2ノードN2Gに接続され、カソードは低電位電圧線Vssに接続されている。
【0052】
次に、劣化補償の動作について説明する。
図3は、図1に示す発光表示装置100の劣化センシングの動作を示すフローチャートである。
図1に示す発光表示装置100の劣化補償は、サブ画素200Wの劣化センシングを行い(S1)、サブ画素200Rの劣化センシングを行い(S2)、サブ画素200Bの劣化センシングを行い(S3)、サブ画素200Gの劣化センシングを行い(S4)、これらを全画素完了まで繰り返すことで行われる。
なお、S1からS4の順序は、互いに入れ替えられてもよい。
次に、センシングした値から補償値を算出し、該補償値を修正し、表示するときにデータ電圧を修正後の補償値によりデータ信号線DataR,DataW,DataB,DataGにそれぞれデータ電圧が出力される。
【0053】
図4(A)は、上述した技術を適用したOLED素子の補償値の修正を示すフローチャートであり、図4(B)は、修正した補償値を用いた画像データの表示動作を示すフローチャートである。
まず、サブ画素内を初期化し(S21)、サブ画素の発光素子を発光させ(S22)、サブ画素内の第2ノードの電圧を検出することでセンシングTFTのしきい値電圧をセンシングし(S23)、補償値をS23におけるセンシング結果により修正する(S24)。
このようにして、修正されたOLED補償値が得られる。
画像データの表示時には、画像データが入力され(S31)、入力された画像データに対してS24において修正された補償値によりOLEDの補償が行われ(S32)、補償された値によりデータ線電圧が出力される(S33)。
【0054】
次に、図4(A)に示すフローチャートのS21からS23について、タイミングチャートを用いて説明する。
図5は、図4のS21からS23のタイミングチャートである。
図2に示す画素回路は、図5に示すように、初期化期間、発光期間及びセンシング期間で順次駆動される。
ここでは、サブ画素200Wに着目して説明する。
【0055】
図7は、初期化期間におけるサブ画素200W,200R,200B,200G及びセンシングユニット300の動作を示す図である。
図8は、発光期間におけるサブ画素200W,200R,200B,200G及びセンシングユニット300の動作を示す図である。
図9は、センシング期間におけるサブ画素200W,200R,200B,200G及びセンシングユニット300の動作を示す図である。
【0056】
センシングユニット300は、第1のスイッチ301と、第2のスイッチ302と、ADC(アナログデジタルコンバータ)303と、を備え、例えばデータ線駆動回路102に設けられている。
第1のセンシングスイッチ301がオンすると、基準電圧供給及びセンシング検出線Refは基準電圧Vrefとなるように構成されている。
第2のセンシングスイッチ302がオンすると、基準電圧供給及びセンシング検出線RefはADC303に接続されるように構成されている。
ADC303は、検出したアナログセンシング電圧をデジタルセンシング値に変換してタイミングコントローラー110に送信する。
【0057】
<初期化期間>
初期化期間には、データ信号線DataR,DataG,DataBを例えば0Vとし、データ信号線DataWを例えば6Vとし、スキャン信号線Scanをトランジスタ201R,201W,201B,201G,203R,203W,203B,203Gがオンするように例えば22Vとする。
ここで、データ信号線DataWの6Vは、データ信号線DataWに副画素200Wの駆動TFTをオンさせるための電圧であって、ノーマル駆動で行われた駆動TFTの電気特性の偏差の補償による電圧であり得る。
これにより、トランジスタ202R,202B,202Gはオフした状態で、トランジスタ202Wがオンする。
【0058】
図7に示すように、初期化期間では、スキャン信号線Scanを例えば22Vとし、これにより、センシング対象のサブ画素200Wに含まれるトランジスタ201W,203Wがオンする。
そして、初期化期間では、第1のセンシングスイッチ301がオンし、第2のセンシングスイッチ302がオフする。
第1ノードN1Wは、データ線DataWの電圧6Vがトランジスタ201Wで電圧降下した電圧であり、例えば5Vに充電される。
【0059】
<発光期間>
発光期間には、スキャン信号線Scanを例えば-6Vとして、201R,201W,201B,201G,203R,203W,203B,203Gをオフする。
第1ノードN1R,N1B,N1Gは0Vであるためトランジスタ202R,202B,202Gはオフする。
ここで、データ信号線DataR,DataB,DataGは0Vの状態で、データ信号線DataWを例えば16Vとする。
第1ノードN1Wの電圧は5Vであるためトランジスタ202Wはオンし、高電位電圧線Vddから第2ノードN2Rに電流が流れる。
これにより、発光素子205Wのアノードの電圧が上昇し、発光素子205Wが発光する。
このとき、発光輝度が低く、発光時間が非常に短いため、視聴者には発光はほとんど認識されない。
【0060】
図8に示すように、発光期間では、スキャン信号線Scanを例えば-6Vとし、これにより、センシング対象のサブ画素200Wに含まれるトランジスタ201W,203Wがオフする。
そして、発光期間では、第1のセンシングスイッチ301はオン状態を維持し、第2のセンシングスイッチ302はオフ状態を維持する。
トランジスタ202Wのゲートは初期化期間に5Wまで充電されているためトランジスタ202Wはオンし、発光素子205が発光する。
【0061】
<センシング期間>
センシング期間には、スキャン信号線Scanの電圧をトランジスタ202Wのゲート電圧(例えば、5V)より低く、発光素子のカソードの電圧(例えば、0V)より高くし、例えば4Vとする。
データ信号線DataR,DataB,DataGは0Vの状態を維持する。
基準電圧供給及びセンシング検出線Refをフローティング状態とすると、第2ノードN2Rから基準電圧供給及びセンシング検出線Refに電流が流れる。
基準電圧供給及びセンシング検出線Refの電圧は、スキャン信号線Scanの電圧4Vからトランジスタ203Wのしきい値電圧を減じた値、すなわちトランジスタ203Wのしきい値電圧が1Vであれば3Vまで上昇する。
【0062】
図9に示すように、センシング期間では、スキャン信号線Scanをトランジスタ202Wのゲート電圧(例えば、5V)より低く、発光素子のカソードの電圧(例えば、0V)より高くする。ここでは、例えば4Vとしている。
そして、センシング期間では、第1のセンシングスイッチ301はオフし、第2のセンシングスイッチ302はオフ状態を維持する。
これにより、基準電圧供給及びセンシング検出線Refはフローティング状態となるが、
トランジスタ203Wがオンしているため、基準電圧供給及びセンシング検出線Refの電圧は、スキャン信号線Scanの電圧4Vからトランジスタ203Wのしきい値電圧を減じた値まで上昇する。
第2のセンシングスイッチ302がオンすると、基準電圧供給及びセンシング検出線RefのラインコンデンサLCaの電圧がセンシング電圧としてADC303にサンプリングされる。
【0063】
図6(A)は、センシング期間において、トランジスタ203Wの初期のしきい値電圧Vth=0.5V、しきい値電圧変化ΔVth=0Vのときの検出電圧の時間変化を示す図であり、図6(B)は、センシング期間において、トランジスタ203Wのしきい値電圧変化ΔVth=1Vのときの検出電圧の時間変化を示す図である。
図6(A),(B)において、横軸は時間を表し、縦軸は基準電圧供給及びセンシング検出線Refにおけるセンシング値である検出電圧を表している。
図6(A),(B)の検出電圧を比較すると、図6(A)では図6(B)よりも検出電圧の上昇が急峻である。
また、図6(A),(B)のセンシング期間開始を0とした同時刻、例えば6msでの基準電圧供給及びセンシング検出線Refにおける検出電圧で比較すると、図6(A)では検出電圧は3.4121Vであり、図6(B)では検出電圧は2.4376Vである。
図6(A),(B)に示すように、センシングTFTのしきい値電圧変化ΔVth=0Vのときは、センシングTFTのしきい値電圧変化ΔVth=1Vのときよりも時間変化に対する検出電圧の変化が急峻である。
また、時間変化に対する検出電圧の上昇がほぼ飽和後の所定の時点、例えば6ms、8ms、10msにおける検出電圧の差によりセンシングTFTのしきい値電圧を推定することができる。
時間変化に対する検出電圧の上昇がほぼ飽和した後には、時間変化に対する検出電圧の差は概ね一定の値で推移する。
【0064】
従来技術においては、センシングTFTのしきい値電圧を一定としているが、実際には発光素子の劣化補償を行う際には、センシングTFTのしきい値電圧の影響を考慮する必要がある。
【0065】
本実施形態によれば、センシングTFTのしきい値電圧を推定して、推定したしきい値電圧を用いることで、OLED素子の劣化を正確にセンシングすることができる。
そのため、発光素子の劣化補償を適切に行うことが可能である。
【0066】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の構成に対して、構成要素の付加、削除又は転換を行った様々な変形例も含むものとする。
【符号の説明】
【0067】
100 発光表示装置
110 タイミングコントローラー
120 データ線駆動回路
130 ゲート線駆動回路
140 記憶部
200 画素
200R,200W,200G,200B サブ画素
201R,201W,201G,201B,202R,202W,202G,202B,203R,203W,203G,203B トランジスタ
204R,204W,204G,204B 容量素子
205R,205W,205G,205B 発光素子
300 センシングユニット
301 第1のスイッチ
302 第2のスイッチ
303 ADC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9