IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社くらコーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図1
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図2
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図3
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図4
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図5
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図6
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図7
  • 特開-ゴカイの養殖装置及び養殖方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104101
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】ゴカイの養殖装置及び養殖方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/40 20170101AFI20220701BHJP
【FI】
A01K61/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219107
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】396011174
【氏名又は名称】くら寿司株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】小原 健広
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA31
2B104BA03
2B104CB23
2B104CB29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易な構成で、作業性の高いゴカイの養殖装置及び養殖方法を提供する。
【解決手段】ゴカイの養殖装置は、上部に開口を有するタンク1と、タンク1の内部に配置され、水を溜めることが可能な凹部が形成された、基台部3と、凹部に配置され、内部の水をタンク1の外部へ排水可能な、少なくとも1つの排水管2と、少なくとも排水管2を覆うように配置され、少なくとも砂利または海砂が含まれ、ゴカイが生息可能な養殖層6と、を備え、排水管2の外周面には、空気を排出可能な空気口と、水が流入する流入口が形成され、流入口は、排水管2の外周面において、凹部に溜まる水に接する部分に形成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口を有するタンクと、
前記タンクの内部に配置され、水を溜めることが可能な凹部が形成された、基台部と、
前記凹部に配置され、内部の水を前記タンクの外部へ排水可能な、少なくとも1つの排水管と、
少なくとも前記排水管を覆うように配置され、砂利及び砂の少なくとも一方が含まれ、ゴカイが生息可能な養殖層と、
を備え、
前記排水管の外周面には、空気を排出可能な空気口と、水が流入する流入口が形成され、
前記流入口は、前記排水管の外周面において、前記凹部に溜まる水に接する部分に形成されている、ゴカイの養殖装置。
【請求項2】
前記基台部と前記養殖層との間に、少なくとも前記排水管を覆い、ゴカイの通過が抑制されるが、水が通過する透水層をさらに備えている、請求項1に記載のゴカイの養殖装置。
【請求項3】
前記凹部は、前記基台の上面に形成された少なくとも1つの溝によって形成され、
前記排水管は、前記溝に配置される、請求項1または2に記載のゴカイの養殖装置。
【請求項4】
前記排水管の少なくとも一方の端部が前記タンクの外部へ延びており、
前記排水管において、前記タンクの外部に配置される端部には、前記養殖層よりも下方で、且つ前記排水管の前記流入口よりも上方に、少なくとも1つの排水口を有している、請求項1から3のいずれかに記載のゴカイの養殖装置。
【請求項5】
前記凹部を含む前記基台部の表面に配置される、遮水層をさらに備えている、請求項1から4のいずれかに記載のゴカイの養殖装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のゴカイの養殖装置を用いたゴカイの養殖方法であって、
ゴカイの卵または幼虫が入った前記養殖層に対し、前記タンクの上部開口から海水を供給するステップと、
前記排水管から流入した海水を、前記タンクの外部へ排水するステップと、
を備え、
前記海水の供給を1日に少なくとも1回行い、
前記海水の供給から前記タンクの外部への排水までに要する時間が、4~8時間に調整されている、ゴカイの養殖方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴカイの養殖装置及び養殖方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴカイの養殖は、例えば、地面に砂利や砂を入れた凹部を形成し、この凹部に海水を溜め、この凹部をビニールハウスで覆う装置が用いられている。そして、砂にゴカイの卵や幼虫を入れ、海水を所定期間おきに、入れ替えることで、ゴカイを養殖する。なお、ビニールハウスを設けることで、雨の進入を防止することができる。また、特許文献1のような多層型の養殖装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-92949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゴカイの養殖は夏期に行うことが多いため、ビニールハウス内は高温になり、作業環境は極めて悪い。また、海水を供給したり、ゴカイを回収するには、作業者が腰をかがめて作業する必要があるため、作業が過酷であるという問題もある。また、凹部の形成や、ビニールハウスの設置にも時間やコストがかかるという問題がある。また、特許文献1のような装置は、大規模であり、コストが高いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、簡易な構成で、作業性の高いゴカイの養殖装置及び養殖方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゴカイの養殖装置は、上部に開口を有するタンクと、前記タンクの内部に配置され、水を溜めることが可能な凹部が形成された、基台部と、前記凹部に配置され、内部の水を前記タンクの外部へ排水可能な、少なくとも1つの排水管と、少なくとも前記排水管を覆うように配置され、砂利及び砂の少なくとも一方が含まれ、ゴカイが生息可能な養殖層と、を備え、前記排水管の外周面には、空気を排出可能な空気口と、水が流入する流入口が形成され、前記流入口は、前記排水管の外周面において、前記凹部に溜まる水に接する部分に形成されている。
【0007】
上記ゴカイの養殖装置においては、前記基台部と前記養殖層との間に、少なくとも前記排水管を覆い、ゴカイの通過が抑制されるが、水が通過する透水層をさらに備えることができる。
【0008】
上記ゴカイの養殖装置において、前記凹部は、前記基台の上面に形成された少なくとも1つの溝によって形成することができ、前記排水管は、前記溝に配置することができる。
【0009】
上記ゴカイの養殖装置において、前記排水管の少なくとも一方の端部が前記タンクの外部へ延びており、前記排水管において、前記タンクの外部に配置される端部には、前記養殖層よりも下方で、且つ前記排水管の前記流入口よりも上方に、少なくとも1つの排水口を有することができる。
【0010】
上記ゴカイの養殖装置においては、前記凹部を含む前記基台部の表面に配置される、遮水層をさらに備えることができる。
【0011】
本発明に係るゴカイの養殖方法は、上述したいずれかのゴカイの養殖装置を用いたゴカイの養殖方法であって、ゴカイの卵または幼虫が入った前記養殖層に対し、前記タンクの上部開口から海水を供給するステップと、前記排水管から流入した海水を、前記タンクの外部へ排水するステップと、を備え、前記海水の供給を1日に少なくとも1回行い、前記海水の供給から前記タンクの外部への排水までに要する時間が、4~8時間に調整されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易な構成で、作業性の高いゴカイの養殖装置及び養殖方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るゴカイの養殖装置の斜視図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4】排水管を下から見た図である。
図5】排水管を上から見た図である。
図6】ゴカイの養殖装置の使用方法を示す断面図である。
図7】ゴカイの養殖装置の使用方法を示す拡大断面図である。
図8】ゴカイの養殖装置の他の例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るゴカイの養殖装置及び養殖方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<1.ゴカイの養殖装置>
図1はゴカイの養殖装置の斜視図、図2図1のA-A線断面、図2図1のB-B線断面図である。また、以下では、説明の便宜のため、図1図3に記載の方向に基づいて説明を行うが、本発明はこの方向に限定されない。
【0016】
図1図3に示すように、このゴカイの養殖装置は、上部が開口する直方体状のタンク1を備えている。このタンク1は、矩形状の底壁部11と、この底壁部11の端縁から上方に延びる側壁部12とを備えている。側壁部12は、平面視において長辺を構成する第1壁部121及び第2壁部122が対向し、短辺を構成する第3壁部123及び第4壁部124が対向することで形成されている。また、第3壁部123及び第4壁部124には、後述するように排水管2が貫通する貫通孔がそれぞれ形成されている。ここでは説明の便宜のため、第3壁部123の貫通孔を第1貫通孔13、第4壁部124の貫通孔を第2貫通孔14と称することとする。さらに、各壁部121~124の下端部から底壁部11の底面に亘っては、例えば、フォークリフトのフォークが挿入可能な複数の挿入溝15が形成されている。また、このタンク1には、複数のタンク1を積み上げて固定できるように、側壁部12の上端部及び底壁部11に、凸部や凹部等の係合手段(図示省略)が設けられている。
【0017】
次に、タンク1の内部構造について説明する。図2及び図3に示すように、タンク1の内部には、基台部3、遮水層4、排水管2、透水層5、及び養殖層6が、この順で積層されている。以下、これらについて詳細に説明する。
【0018】
基台部3は、タンク1の底壁部11とほぼ同じ大きさに形成され、所定の高さを有する直方体状に形成されている。そして、基台部3の上面には、左右方向に延びる断面半円状の溝31が形成されている。タンク1の第3壁部123及び第4壁部124において、この溝31の両端部と対応する位置には、上述した貫通孔13,14が形成されている。基台部3を形成する材料は、特には限定されないが、例えば、木材、樹脂、金属などによって形成することができる。
【0019】
遮水層4は、水を透過しないシート状に形成され、基台部3の上面及び溝31の内壁面に沿って配置されている。これにより、後述するようにタンク1内の海水が遮水層4よりも下方に移動しないようにしている。遮水層4を形成する材料は、特には限定されないが、例えば、樹脂材料などによって形成することができる。したがって、遮水層4をビニールシートなどで形成することができる。
【0020】
排水管2は、断面円形状に形成された第1部位21及び第2部位22を連結することで構成されている。第1部位21は、直管により形成され、上述した基台部3の溝31に配置されている。そして、第1部位21の両端部は、それぞれ第1貫通孔13及び第2貫通孔14からタンク1の外部へと延びている。第1部位21の端部のうち、第1貫通孔13から突出する部分は蓋部材23によって閉じられている。一方、第1部位21の端部のうち、第2貫通孔14から突出する部分には、上方に延びる第2部位22が連結されており、この第2部位22の外周面において、養殖層6よりも下方で、且つ溝31よりも上方の位置には複数の排水口24が形成されている。なお、第1部位21の両端部の外周面と各貫通孔13,14の内周面との間には、シール材(図示省略)を設けるなどして海水の漏れを防止することができる。
【0021】
図4に示すように、第1部位21の下部、つまり溝31と対向する部分には、所定間隔をおいて海水を流入させるための複数の流入口25が形成されている。各流入口25は、第1部位21の延びる方向に対して直交するように延びる長穴状に形成されている。一方、第1部位21の上部、つまり溝31から露出する部分には、所定間隔をおいて、空気を排出するための複数の空気口26が形成されている。各空気口26は、円形状に形成されている。なお、水が流入可能なように、流入口25と溝31の内壁面との間には、例えば、5~20mmの隙間を空けることが好ましい。
【0022】
透水層5は、ゴカイの通過を抑制または防止するが、水の透過が可能な層である。例えば、ゴカイの幼虫の大きさを考慮して、例えば、1~2mm以下の径の空隙や貫通孔を有する多孔質材料で形成することができる。具体的には、ウレタンなどの材料で形成されたスポンジなどで形成することができる。また、透水層5の厚みは特には限定されないが、例えば、1~20cm程度が好ましく、5~10cm程度がさらに好ましい。
【0023】
養殖層6は、砂利及び砂の少なくとも一方を含み、ゴカイが生息するための層である。砂は、例えば、海や砂浜の砂を用いることができる。すなわち、この養殖層6にはゴカイの卵や幼虫が入れられ、この中で成長する。養殖層6には、その他、有機物分解を目的とした微生物等を含ませることができる。養殖層6の厚みは、養殖するゴカイの量にもよるが、例えば、100~250mmとすることができる。
【0024】
<2.ゴカイの養殖方法>
次に、上記述したゴカイの養殖装置を用いたゴカイの養殖方法について説明する。まず、養殖層6にゴカイの卵または幼虫を入れる。そして、このタンク1を、例えば、室温が10~30℃の温度である倉庫などに保管することが好ましい。タンク1を倉庫などに保管することで、雨などの水の流入を防止することができる。そして、一日に数回、タンク1の上部開口から海水を供給する。また、海水と同時、または他のタイミングでゴカイの餌を供給する。ゴカイの餌としては、例えば、カタクチイワシ、カキ、コノシロ、アサリ、マアジ等の魚介肉、ウナギ用、ハマチ用、アユ用等の配合飼料、アオサ、アサクサノリ、ワカメ、イギス、テングサ等の海藻などの公知の餌を用いることができる。
【0025】
図6に示すように、海水は、養殖層6よりも高い水位まで供給されるが、排水管2に流入し、外部に排出されることで、養殖層6及び透水層5を通過して下方に移動する。この過程において、排水管2には、流入口25から海水が流入し、これに伴って空気口26から排水管内の空気が押し出される。そして、排水管2が海水で充満されると、第2部位22の排水口24からタンク1の外部に排出されていく。このように海水を供給してから水位が養殖層6よりも下方に低下するまでの時間を、例えば、4~8時間、好ましくは5~7時間となるように排水管2の流入口25及び空気口26の数や大きさを調整する。そして、海水が養殖層6から下方に移動してから、例えば、4~8時間、好ましくは5~7時間経過後に再び、海水を供給する。このように、所定時間おきに海水を供給することで、養殖層6に、干潮と満潮が繰り返される状態を再現することができる。
【0026】
こうして、数ヶ月間(例えば、3~4ヶ月程度)、養殖を行った後、成長したゴカイを回収する。このとき回収されるゴカイの全長は、例えば5~15cmであることが好ましい。ゴカイの回収方法は特には限定されないが、例えば、養殖層6に所定の水圧の水を供給する。これにより、養殖層6の砂等がゴカイとともに巻き上げるので、網などによってゴカイを掬い上げて回収する。
【0027】
<3.特徴>
以上のように、本実施形態に係るゴカイの養殖装置では、次の効果を得ることができる。
【0028】
(1)上記実施形態によれば、タンク1に基台部3、遮水層4、排水管2、透水層5、及び養殖層6を配置するという簡易な構成で養殖装置を構成できるため、安価で、且つ手軽に養殖装置を作製することができる。タンク1としては、漁港などで鮮魚を保管するために用いられる1トン、または500L用の公知のタンクを用いることができる。また、廃棄されるようなタンクも利用可能であるため、コストの低減が可能となる。
【0029】
(2)透水層5が配置されているため、養殖層6のゴカイが下方に移動するのが抑制される。すなわち、養殖層6からゴカイが逃げるのを抑制することができる。
【0030】
(3)排水管2の排水口24は、養殖層6よりも下方で、且つ排水管2の第1部位21よりも上方に形成されているため、海水が排水されても、図7に示すように、タンク1内の海水の水位は、排水口24の高さ付近に保たれる。そのため、基台部3の溝31に海水が溜まった状態が保たれる。そして、例えば、透水層5がめくれるなどの不具合があり、ゴカイが透水層5を通過したとしても、溝31に溜まった海水は澱んでいるため、汚れた水を嫌うといわれるゴカイが、溝31の中に流入することが抑制される。したがって、ゴカイが、仮に透水層5を通過しても、溝31から排水管2内に流入して逃げるのを抑制することができる。
【0031】
(4)遮水層4が設けられているため、これよりも下方に海水が漏れないように構成されている。したがって、仮に、ゴカイが透水層5を通過しても、遮水層4よりも下方に移動することを抑制することができる。
【0032】
(5)従来はゴカイの養殖を、主として夏期にビニールハウスなどで行っていた。夏期のビニールハウス内は高温であり、作業環境は極めて悪かったが、本実施形態に係るゴカイの養殖装置では、所定時間おきに海水と餌を供給するだけでよいため、作業環境を大幅に改善することができる。また、フォークリフトでタンク1の移動が可能であるため、例えば、倉庫からのタンク1の出し入れや、フォークリフトによって、タンク1を作業しやすい高さに配置できるなど、作業の利便性が高い。さらには、上記のように、タンク1は積み重ねることが可能であるため、保管スペースを小さくすることができる。
【0033】
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜、組み合わせることができる。
【0034】
(1)タンク1の形状は特には限定されず、直方体以外の平面視円形状、多角形状など種々の形状にすることができる。タンク1の上部の開口は、少なくとも海水を注入できる程度の大きさであってもよい。なお、上述した積み重ねのための構造や、フォークリフトが運搬するための構造は、必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜設けることができる。
【0035】
(2)排水管2の数は特には限定されず、2本以上設けてもよい。また、排水管2の両端をタンク1の外部に延長し、両端から排水できるようにしてもよい。すなわち、排水管2の海水がタンク1外に排出できればよいため、排水のための構成は特には限定されない。但し、海水の排水が完了しても、基台部3の溝31に海水が溜まるように調整されていることが好ましい。また、流入口25、空気口26の形状、数、位置は特には限定されず、要求される排水までの時間を考慮して、適宜変更が可能である。また、流入口25は、少なくとも基台部3に溜まる水に接するような位置に設けられていればよく、空気口26は、流入口25から海水が流入可能なように適宜形成されていればよい。
【0036】
(3)上記実施形態では、タンク1内に基台部3を配置しているが、例えば、タンク1と基台部3とを一体化することができる。例えば、タンク1の底壁部11を底上げし(厚みを大きくし)、その内面に排水管2が配置可能な少なくとも1つの溝31が形成されていればよい。また、海水を貯めることができればよいため、例えば、図8に示すような凹部を基台部3に形成し、水が溜まる部分に流入口25が接するように排水管2が配置されればよい。
【0037】
(4)透水層5及び遮水層4は、ゴカイが逃げるのを抑制するためには有効であるが、必ずしも必要ではなく、上記実施形態で説明したように、少なくとも基台部3に澱んだ水が溜まる箇所を設け、ここに排水管2が配置されていれば、ゴカイが逃げるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 タンク
2 排水管
25 流入口
26 空気口
3 基台部
4 遮水層
5 透水層
6 養殖層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8