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特開2022-104119トイレットペーパーの引き出し防止具
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  • 特開-トイレットペーパーの引き出し防止具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104119
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】トイレットペーパーの引き出し防止具
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/00 20060101AFI20220701BHJP
【FI】
A47K10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219133
(22)【出願日】2020-12-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年11月18日、公開したウェブサイトのアドレス: https://www.youtube.com/watch?v=g9B-V8xkw80&t=810s(動画公開サイト、YOUTUBE)、 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年11月3日、公開したウェブサイトのアドレス: https://www.youtube.com/watch?v=Ym1CVrvRrVw&feature=youtu.be&fbclid=IwAR0fw49tmHQsyQvZZgu9ll8tP9RJyq3CHjBOtnbPtbv4iU0fuXyOuXR10qg(動画公開サイト、YOUTUBE)、 〔テレビにより公開〕 放送日:令和2年10月23日、放送番組:メーテレ アップ 〔テレビにより公開〕 放送日:令和2年10月24日、放送番組:メーテレ ドデスカ 〔テレビにより公開〕 放送日:令和2年11月5日、放送番組:メーテレ アップ 〔テレビにより公開〕 放送日:令和2年11月6日、放送番組:メーテレ アップ
(71)【出願人】
【識別番号】521002279
【氏名又は名称】マルハチ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】田中 好江
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ロール材が意図せず、またはいたずら等で勝手に引き出されてしまうことを防止することのできるトイレットペーパーの引き出し防止具を提供する。
【解決手段】長尺状の本体部10を備え、本体部10の一端部に設けられ、当該一端部から所定方向に差し出された固定杆部20と、本体部10における、一端部を基準にして他端部側に設けられ、固定杆部20と同じ側、かつ平行に差し出された遊動杆部30と、遊動杆部30を固定杆部20に接近させるコイルスプリングと、を備え、固定杆部20が、トイレットペーパーPの芯部の空隙Sに差し入れられ、遊動杆部30が当該ロール材の外周部に当接して、コイルスプリングによりトイレットペーパーPが厚み方向に固定杆部20と遊動杆部30とによって挟圧されてなるトイレットペーパーの引き出し防止具1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用可能に設置されたロール状のトイレットペーパーに装着されて、当該トイレットペーパーが引き出されることを防止するトイレットペーパーの引き出し防止具であって、
長尺状の本体部と、
前記本体部の一端部に設けられ、当該一端部から所定方向に差し出された第一の杆部と、
前記本体部における、前記一端部を基準にして他端部側に設けられ、前記第一の杆部と同じ側、かつ平行に差し出された第二の杆部と、
前記第一の杆部と前記第二の杆部とのうち少なくともいずれか一方を前記本体部の長尺方向に沿って移動自在とする移動機構と、
前記第一の杆部と前記第二の杆部とのうち、前記移動機構により移動自在な杆部を他方の杆部に接近させる挟圧手段と、
を備え、
前記第一の杆部及び前記第二の杆部のうち少なくともいずれか一方が、前記トイレットペーパーの空隙状の芯部に差し入れられ、他方が当該トイレットペーパーの外周部に当接して、前記挟圧手段により当該トイレットペーパーが厚み方向に前記第一の杆部と前記第二の杆部とによって挟圧されてなる
ことを特徴とするトイレットペーパーの引き出し防止具。
【請求項2】
前記挟圧手段は、前記第二の杆部を前記第一の杆部側へ付勢する付勢手段を含む
請求項1に記載のトイレットペーパーの引き出し防止具。
【請求項3】
前記挟圧手段は、前記第一の杆部と前記第二の杆部との相対位置を固定する固定手段をさらに含む
請求項1又は請求項2に記載のトイレットペーパーの引き出し防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状のトイレットペーパーが意図せずに引き出されてしまうことを防止することのできるトイレットペーパーの引き出し防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーは、一般的に例えば特許文献1に開示されているようなトイレットペーパーホルダーに取り付けられて使用可能となり、使用者がこのトイレットペーパーを適量引き出して使用する。
【0003】
また、例えば特許文献2に開示されているトイレットペーパーの適量供給装置のように、適量の長さのトイレットペーパーが引き出されると、引き出しが一定時間停止し、連続して引き出せないようにしたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3226428号公報
【特許文献2】特開2002-336159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来のトイレットペーパーホルダーにあっては自由にトイレットペーパーが引き出せてしまうため、子供が遊びでトイレットペーパーホルダーに取り付けられたトイレットペーパーを全部引き出してしまったり、認知症を患った高齢者が同様にしてトイレットペーパーを引き出してトイレを詰まらせてしまったりする問題があった。
【0006】
特許文献2の装置にあっては、構造が複雑化して詳細な設定が必要であったり、一定時間が経過すればトイレットペーパーを再度引き出すことができるため、結局、子供がいたずらをしまったりするおそれがある。また、逆に一定時間待たなければトイレットペーパーを引き出せないため、環境に応じて柔軟に使用できないおそれがあるという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題を解決するために、トイレットペーパーが意図せずに引き出されてしまうことを防止することのできるトイレットペーパーの引き出し防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、使用可能に設置されたロール状のトイレットペーパーに装着されて、当該トイレットペーパーが引き出されることを防止するトイレットペーパーの引き出し防止具であって、長尺状の本体部と、前記本体部の一端部に設けられ、当該一端部から所定方向に差し出された第一の杆部と、前記本体部における、前記一端部を基準にして他端部側に設けられ、前記第一の杆部と同じ側、かつ平行に差し出された第二の杆部と、前記第一の杆部と前記第二の杆部とのうち少なくともいずれか一方を前記本体部の長尺方向に沿って移動自在とする移動機構と、前記第一の杆部と前記第二の杆部とのうち、前記移動機構により移動自在な杆部を他方の杆部に接近させる挟圧手段と、を備え、前記第一の杆部及び前記第二の杆部のうち少なくともいずれか一方が、前記トイレットペーパーの空隙状の芯部に差し入れられ、他方が当該トイレットペーパーの外周部に当接して、前記挟圧手段により当該トイレットペーパーが厚み方向に前記第一の杆部と前記第二の杆部とによって挟圧されてなることを特徴とするトイレットペーパーの引き出し防止具である。
【0009】
かかる構成にあっては、前記第一の杆部及び第二の杆部によって前記トイレットペーパーを厚み方向で挟持することにより、トイレットペーパーの引き出しを防止することができる。また、前記本体部と、前記本体部から差し出された両杆部と、挟圧手段とによって簡素に構成されたものであり、電気回路のような複雑な部材を必要としていないため、安価に大量生産することができる。また、簡素な構造であるが故に、トイレットペーパーホルダーに取り付けられたトイレットペーパーに対して容易に装着することもできる。
【0010】
また、前記挟圧手段は、前記第二の杆部を前記第一の杆部側へ付勢する付勢手段を含む構成が提案される。
【0011】
かかる構成とすることにより、使用に伴い前記トイレットペーパーの厚みが変動しても、当該変動に応じて、継続的にトイレットペーパーの引き出しを防止することができる。
【0012】
さらに、前記挟圧手段は、前記第一の杆部と前記第二の杆部との相対位置を固定する固定手段をさらに含む構成が提案される。
【0013】
かかる構成とすることにより、所望位置で前記第一の杆部と前記第二の杆部とを固定しておくことが可能となり、当該トイレットペーパーの引き出し防止具を前記トイレットペーパーへ装着する際において作業性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のトイレットペーパーの引き出し防止具は、トイレットペーパーが意図せずに引き出されてしまうことを防止することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】トイレットペーパーの引き出し防止具の使用状態を示す説明図である。
図2】トイレットペーパーの引き出し防止具の斜視図である。
図3】トイレットペーパーの引き出し防止具の斜視図である。
図4】(a)はトイレットペーパーの引き出し防止具の部分縦断面図であり、(b)は本体部の内部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
【0017】
トイレットペーパーの引き出し防止具1(以下、単に防止具1という)は、図1に示すように、使用可能に設置されたロール状のトイレットペーパーPに装着されて使用される。
【0018】
次に、防止具1の構造について詳述する。
図2図4に示すように、防止具1は、長尺状の管材からなる本体部10を備えている。
【0019】
また、本体部10のほぼ中央には、本体部10の側壁を貫通させた移動機構としての孔部11が設けられている。この孔部11は、本体部10の管軸方向に沿ってほぼ長孔状であり、具体的には丸孔形状の丸孔部12と、丸孔部12に連続した長孔形状の長孔部13とで構成されている。なお、長孔部13の短手方向における孔径は、丸孔部12の孔径よりも径小となっている。
【0020】
また、本体部10の一端部には、丸棒形状を有した第一の杆部である固定杆部20が取り付けられている。具体的には、本体部10の長手方向に対して固定杆部20がほぼ直角に差し出されている。なお、固定杆部20は本体部10に対して相対移動不能に固着されている。
【0021】
一方、本体部10における、固定杆部20が位置する一端部を基準にして他端部側には、第二の杆部である遊動杆部30が配されている。ここで、遊動杆部30は、固定杆部20と同じ側に、かつ固定杆部20と平行に差し出され丸棒形状を有しており、本体部10に設けられた孔部11に差し入れられた上で外向きに差し出されている。
【0022】
さらに、遊動杆部30のうち本体部10に差し込まれている部位においては、図3,4に示すように、一対の平坦面部32,32が形成されており、当該部分が全体として細径となっている。
【0023】
また、図3に示すように、遊動杆部30の端部には、太径のつまみ部35が設けられている。
【0024】
なお、上述した遊動杆部30の平坦面部32が形成された細径部位にあっては、細径となる外径が長孔部13の孔径よりもわずかに小さい寸法となっており、当該平坦面部32と長孔部13の孔縁とが平行となる状態に限り、遊動杆部30が長孔部13内を移動自在となる。
【0025】
また、本体部10の他端部には、スプリング固定用ピン部40が当該本体部10に対して交差状に差し入れられている。さらに、本体部10の内部には、付勢手段であるコイルスプリング50が配置されており、このコイルスプリング50の一端がスプリング固定用ピン部40に当接し、他端が遊動杆部30に当接している。これにより、コイルスプリング50は、遊動杆部30を固定杆部20側へ付勢する役割を果たしている。なお、コイルスプリング50により、本発明における挟圧手段が構成されている。
【0026】
次に、防止具1の使用形態について説明する。
図1に示すように、防止具1は、固定杆部20と遊動杆部30とによってトイレットペーパーPを厚み方向に挟圧することが可能となり、トイレットペーパーPの引き出しを防止することができる。
【0027】
さらに詳述すると、図4(a)に示すように遊動杆部30は、当該遊動杆部30を軸周りに回転させることで、丸孔部12から脱出できない固定状態αと、平坦面部32,32と長孔部13の孔縁とが平行になることで長孔部13内を遊動杆部30が移動可能となる自由状態βとに状態変換可能となる。
【0028】
すなわち、遊動杆部30を固定状態αとして固定杆部20をトイレットペーパーPの芯部の空隙Sに差し込み、その後、つまみ部35を持って遊動杆部30を回動させて平坦面部32,32と長孔部13の孔縁とを適合させると、遊動杆部30は自由状態βとなる。ここで、遊動杆部30は、コイルスプリング50によって固定杆部20側へ付勢されてトイレットペーパーPの外周部に当接することとなる。
【0029】
かかる状態において、遊動杆部30は、継続的に固定杆部20側へ付勢されるため、トイレットペーパーPは固定杆部20と遊動杆部30とによって挟圧されることになり、結果的にトイレットペーパーPは引き出されることが防止されることになる。
【0030】
ところで、防止具1をトイレットペーパーPから取り外す際には、遊動杆部30を固定杆部20から遠ざける方向に移動させて挟圧状態を解除した後、固定杆部20をトイレットペーパーPの芯部の空隙Sから引き抜くだけでよい。
【0031】
上記した実施例において各部の寸法形状は適宜自由に設定可能である。
【0032】
また、本体部10や固定杆部20、遊動杆部30等は丸管形状である必要はない。
【0033】
また、付勢手段は遊動杆部30を固定杆部20側へ付勢するものであればコイルスプリング50に限定されることはない。
【0034】
また、本体部10の外形は適宜変更可能である。
【0035】
また、トイレットペーパーPの芯部に差し込まれる杆部は、固定杆部20ではなく遊動杆部30であっても構わない。
【0036】
また、以下のような他の発明が提案される。
【0037】
すなわち他の発明は、長尺シート材が所定の芯部を中心に巻回されてなり、前記芯部に当該芯部の芯軸方向に沿って空隙が形成されているロール材の引き出し防止具であって、長尺状の本体部と、前記本体部の一端部に設けられ、当該一端部から所定方向に差し出された第一の杆部と、前記本体部における、前記一端部を基準にして他端部側に設けられ、前記第一の杆部と同じ側、かつ平行に差し出された第二の杆部と、前記第一の杆部と前記第二の杆部とのうち少なくともいずれか一方を前記本体部の長尺方向に沿って移動自在とする移動機構と、前記第一の杆部と前記第二の杆部とのうち、前記移動機構により移動自在な杆部を他方の杆部に接近させる挟圧手段と、を備え、前記第一の杆部及び前記第二の杆部のうち少なくともいずれか一方が、前記ロール材の前記芯部の空隙に差し入れられ、他方が当該ロール材の外周部に当接して、前記挟圧手段により当該ロール材が厚み方向に前記第一の杆部と前記第二の杆部とによって挟圧されてなることを特徴とするロール材の引き出し防止具である。
【0038】
前記挟圧手段は、前記第二の杆部を前記第一の杆部側へ付勢する付勢手段を備えていてもよい。
【0039】
前記挟圧手段は、前記第一の杆部と前記第二の杆部との相対位置を固定する固定手段をさらに備えていてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 トイレットペーパーの引き出し防止具
10 本体部
11 孔部
12 丸孔部
13 長孔部
20 固定杆部(第一の杆部)
30 遊動杆部(第二の杆部)
32 平坦面部
35 つまみ部
40 スプリング固定用ピン部
50 コイルスプリング(付勢手段、挟圧手段)
P トイレットペーパー
S 芯部の空隙
α 固定状態
β 自由状態
図1
図2
図3
図4