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特開2022-10415情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010415
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220106BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220106BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G01C21/36
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021188685
(22)【出願日】2021-11-19
(62)【分割の表示】P 2017151832の分割
【原出願日】2017-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】中沢 彩美
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD24
2F129DD36
2F129DD51
2F129DD63
2F129EE07
2F129EE16
2F129EE25
2F129EE52
2F129EE57
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE84
2F129EE89
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF41
2F129FF47
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF68
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH35
5H181AA21
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF33
5H181FF35
(57)【要約】
【課題】ユーザが経路探索により得られた移動経路を、視覚を通じて直感的に把握することができるようにする。
【解決手段】実施形態に係る情報処理システムは、経路探索条件に基づいて取得された移動経路の情報を取得する移動経路情報取得部と、前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力する情報出力手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報を取得する移動経路情報取得手段と、
前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力する情報出力手段と、
を備え、
前記情報出力手段は、前記移動経路の所要時間、料金、乗換回数、遅延および混雑度のうち少なくともいずれか一つを含む経路概要情報を前記路線図上に前記移動経路に関連付けて表示するための情報を出力することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報出力手段は、前記移動経路の乗車駅、降車駅および停車駅を強調表示するための情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報出力手段は、前記経路探索条件に基づいて探索された複数の移動経路のうち非選択の経路についても前記経路概要情報を表示するための情報を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報出力手段は、前記路線図のうち、前記移動経路に関連する部分と、前記移動経路に関連しない部分とを識別可能に表示するための情報を出力することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記移動経路は、路線図に対するユーザの情報入力操作により設定された経路探索条件に基づいて探索された移動経路であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記経路構成情報は、乗車駅、降車駅、乗換駅、停車駅、通過駅および路線種別のうち少なくともいずれか一つを示す情報であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
経路探索条件に基づいて移動経路を探索する経路探索手段を有するサーバと通信可能に接続された端末装置において実行される情報処理プログラムであって、
コンピュータを、
前記経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報を取得する移動経路情報取得手段、および
前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力する情報出力手段であって、前記移動経路の所要時間、料金、乗換回数、遅延および混雑度のうち少なくともいずれか一つを含む経路概要情報を前記路線図上に前記移動経路に関連付けて表示するための情報を出力する、情報出力手段、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項8】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報を取得する移動経路情報取得手段と、
前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力する情報出力手段であって、前記移動経路の所要時間、料金、乗換回数、遅延および混雑度のうち少なくともいずれか一つを含む経路概要情報を前記路線図上に前記移動経路に関連付けて表示するための情報を出力する、情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項9】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~6のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~6のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1~6のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項11】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報を取得する移動経路情報取得手段と、
前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力する情報出力手段であって、前記移動経路の所要時間、料金、乗換回数、遅延および混雑度のうち少なくともいずれか一つを含む経路概要情報を前記路線図上に前記移動経路に関連付けて表示するための情報を出力する、情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータを、
経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報を取得する移動経路情報取得手段と、
前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力する情報出力手段であって、前記移動経路の所要時間、料金、乗換回数、遅延および混雑度のうち少なくともいずれか一つを含む経路概要情報を前記路線図上に前記移動経路に関連付けて表示するための情報を出力する、情報出力手段と、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項13】
移動経路情報取得部が、経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報を取得するステップと、
情報出力手段が、前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力するステップと、
を備え、
前記情報出力手段は、前記移動経路の所要時間、料金、乗換回数、遅延および混雑度のうち少なくともいずれか一つを含む経路概要情報を前記路線図上に前記移動経路に関連付けて表示するための情報を出力することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道やバス等の公共交通機関を利用した移動経路を探索し、ユーザに提供するナビゲーションシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなシステムでは、ユーザにより端末装置に入力された経路探索条件がサーバに送信され、サーバは端末装置から受信した経路探索条件に基づいて経路探索を実行し、経路探索によって得られた移動経路情報を端末装置に送信する。端末装置は、経路探索結果として、移動経路の乗車時刻、到着時刻、所要時間および料金等の情報を画面表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-210507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の経路探索結果の画面表示では、経路探索により得られた移動経路が、どのように移動する経路であるのか、移動経路に含まれる駅がどこに位置するのかを把握することが困難であった。例えば、移動経路の乗車駅および降車駅がどこに位置するのかを知るためには、ユーザは路線図もしくは地図を開いて自身で探す必要があった。
【0005】
本発明は、上記の認識に基づいてなされたものであり、経路探索により得られた移動経路をユーザが視覚を通じて直感的に把握することが可能な情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、
経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報を取得する移動経路情報取得手段と、
前記移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報を前記路線図上に強調表示するための情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザは経路探索により得られた移動経路を、視覚を通じて直感的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成を示す図である。
図2A】第1の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図2B図2Aに続く、第1の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図3】第1の実施形態に係る端末装置に表示される画面の一例を示す図であり、(a)は経路探索結果(移動経路のサマリ表示)を示す画面であり、(b)は(a)の画面において“路線図で見る”が選択されたときに表示される画面である。
図4】第1の実施形態の変形例1に係る端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態の変形例2に係る端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態に係る端末装置に表示される画面の一例を示す図であり、(a)は経路探索結果(選択された移動経路の詳細表示)を示す画面であり、(b)は(a)の画面において“路線図で見る”が選択されたときに表示される画面である。
図8】第2の実施形態の変形例1に係る端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図9】第2の実施形態の変形例2に係る端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
図10A】第3の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図10B図10Aに続く、第3の実施形態に係る情報処理システムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11】(a)および(b)ともに、第3の実施形態に係る端末装置に表示され、経路探索条件を入力可能な路線図を示す画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照して本実施形態に係る情報処理システム1の概略的構成について説明する。
【0011】
情報処理システム1は、図1に示すように、端末装置2およびサーバ3を備えている。端末装置2およびサーバ3は、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。なお、ネットワーク4は、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0012】
<端末装置>
端末装置2は、ユーザが使用するものであり、例えば、携帯電話、スマートフォン、パソコン、タブレット端末等の情報処理端末である。
【0013】
端末装置2は、図1に示すように、通信部21と、操作入力部22と、表示部23と、制御部24とを有する。通信部21は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。操作入力部22は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン、マイク等である。表示部23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の映像表示手段であり、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、経路探索結果等の様々な情報を表示する。なお、操作入力部22がタッチパネルの場合には、操作入力部22が表示部23を兼ねてもよい。
【0014】
なお、端末装置2は、GPSやWifi測位などにより、端末装置2の現在位置を測位する測位手段(図示せず)を有してもよい。
【0015】
次に、端末装置2の制御部24について説明する。
【0016】
制御部24は、図1に示すように、経路探索条件設定部241と、移動経路情報取得部242と、情報出力部243と、路線図取得部244とを有している。本実施形態では、制御部24の各部は端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0017】
経路探索条件設定部241は、操作入力部22を介してユーザが入力した情報に基づいて経路探索条件を設定する。経路探索条件は、少なくとも公共交通機関の乗車駅および降車駅を含む。なお、公共交通機関は、本実施形態では鉄道であるが、バス、船、飛行機、タクシー等、鉄道以外の交通機関であってもよい。また、本願において、「駅」の用語は、鉄道の駅(鉄道駅)に限らず、公共交通機関が乗客を乗り降りさせるために停留する場所(バス停、港、空港、タクシー乗り場等)を意味する。
【0018】
経路探索条件には、乗換駅、出発時刻、到着時刻、始発、終電、使用路線等、他の探索条件が含まれてもよい。
【0019】
経路探索条件設定部241は、操作入力部22を介さずに経路探索条件の全部または一部を取得してもよい。例えば、端末装置2の測位手段(図示せず)により取得された現在地に基づいて乗車駅を設定してもよい。あるいは、経路探索条件設定部241は、端末装置2が有する時計(図示せず)または外部のサーバから取得された現在時刻に基づいて出発時刻を設定してもよい。また、経路探索条件設定部241は、過去の経路探索履歴に基づいて経路探索条件を設定してもよいし、ユーザが事前に登録した経路(通勤・通学ルート、お気に入りルート等)の情報に基づいて経路探索条件を設定してもよい。その他、経路探索条件設定部241は、カレンダーやスケジュールアプリ等のアプリに設定された情報に基づいて経路探索条件を設定してもよい。
【0020】
移動経路情報取得部242は、経路探索条件に基づいて探索された移動経路の情報(以下、「移動経路情報」ともいう。)を取得する。本実施形態では、移動経路情報取得部242は、通信部21を介して、サーバ3から送信された移動経路情報を取得する。なお、取得される移動経路は、一つの場合に限らず、複数の場合もある。本実施形態では、後述するように4つの移動経路が候補経路として取得される。
【0021】
情報出力部243は、移動経路情報などの情報を出力先に応じた形態で出力する。具体的には、情報出力部243は、出力すべき情報を映像信号に変換し、表示部23に出力する。なお、情報の出力先は、表示部23に限られず、端末装置2に無線または有線接続された外部装置(プリンタ、外付けディスプレイ等)であってもよい。
【0022】
情報出力部243は、移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ経路構成情報を路線図上に強調表示するための情報を出力する。本願において、経路構成情報とは、路線図上に重畳表示された移動経路の構成を示す情報であり、例えば、乗車駅、降車駅、乗換駅、停車駅、通過駅および路線種別のうち少なくともいずれか一つを示す情報である。
【0023】
また、本願において、路線図とは、公共交通機関(鉄道、バス等)の路線の接続関係や駅(バス停等の停車場を含む。)の配置関係を相対的かつ模式的に示した図表のことである。
【0024】
本実施形態では、移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ経路構成情報を路線図上に強調表示するための情報は、情報出力部243が移動経路情報および路線図情報に基づいて生成する。
【0025】
情報出力部243は経路構成情報を路線図上に強調表示するが、強調表示の手法として、例えば路線図の駅名に特別な指標(丸印など)を付ける。経路構成情報を強調表示する手法は、これに限定されるものではなく、例えば、駅名に蛍光色のマーカを付す、駅名を他とは異なる色もしくはフォントで表示する、駅名の文字サイズを大きくする等により強調表示してもよい。あるいは、駅名に付された丸印の大きさが常時変化したり、駅名に付された矢印が進行方向(乗車駅から降車駅に向かう方向)に向けて進むようにアニメーション表示する動的指標を付すことにより強調表示を行ってもよい。
【0026】
また、情報出力部243は、本実施形態では、経路探索により得られた複数の移動経路を互いに識別可能な態様で路線図上に重畳表示するための情報を出力する。詳細はのちほど図3(b)等を参照して説明する。
【0027】
路線図取得部244は、通信部21を介して、サーバ3から路線図の情報を取得する。この路線図取得部244は、ユーザの要求に基づいて路線図情報を取得してもよいし、あるいは、サーバ3において路線図情報が作成または更新されたタイミングでサーバ3から路線図情報を取得してもよい。
【0028】
<サーバ>
次に、サーバ3について説明する。図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。通信部31は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0029】
制御部32は、経路探索部321を有する。この経路探索部321は、端末装置2から受信した経路探索条件に基づいて、後述の経路ネットワークデータベース331を用いて経路探索を実行する。なお、経路探索部321は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。経路探索部321が経路探索を実行することにより、移動経路情報が得られる。移動経路情報は、移動経路を特定するための情報であり、例えば、出発地から目的地までの移動手段や移動距離、移動に要する時間および料金、出発時刻および到着時刻等の情報を含む。
【0030】
記憶部33は、経路ネットワークデータベース331と、路線図データベース332と、を有する。記憶部33は、例えばハードディスク、不揮発性半導体メモリ(SSD等)などの記憶デバイスにより構成される。記憶部33には、制御部32で実行されるプログラムや他のデータが記憶されてもよい。なお、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワークを介して通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。
【0031】
経路ネットワークデータベース331は、経路探索部321が経路探索を実行する際に使用するデータベースである。この経路ネットワークデータベース331は、電車やバス等の公共交通機関の経路ネットワークを示す経路ネットワーク情報を含む。その他、車、自転車、徒歩の経路ネットワークを示す経路ネットワーク情報を含んでもよい。経路ネットワークは、複数のノードと、複数のノード間を接続するリンクと、を含む。経路ネットワーク情報には、交通ネットワーク情報が含まれる。交通ネットワーク情報は、鉄道やバス等の交通網や道路網を規定する情報であり、駅(バス停)、路線、時刻表、料金などの公共交通機関に関する情報を含む。
【0032】
なお、経路ネットワークデータベース331は、全国または各地方の道路地図などの地図データを有する地図情報を含んでもよい。この地図情報は、地図データに対応付けられた地図オブジェクト情報(POI(Point Of Interest)情報等)を含んでもよい。
【0033】
路線図データベース332は、路線図情報を有している。路線図情報は、路線図を表示するためのデータであり、路線図に含まれる駅名の文字データを含んでもよい。なお、路線図情報は、エリア毎(首都圏、関西圏等)のものであってもよいし、新幹線の路線図のように複数のエリアに跨がるものであってもよい。また、路線図情報は、特定の交通事業者の路線のみからなるものであってもよい。
【0034】
<情報処理システム1の処理動作>
次に、上記のように構成された情報処理システム1による処理の一例について、図2Aおよび図2Bのフローチャートを参照しつつ以下に詳しく説明する。なお、以下の説明では、路線図情報は路線図取得部244によりサーバ3から既に取得されているものとする。
【0035】
まず、端末装置2の経路探索条件設定部241は、経路探索条件を設定する(ステップS11)。次に、端末装置2の制御部24は、経路探索の実行要求があるか否かを判定する(ステップS12)。例えば、ユーザが端末装置2の画面上に表示された検索ボタン(図示せず)を選択したときに、経路探索の実行要求があると判定する。なお、本願において、ユーザによる「選択」とは、例えば、タップ、タッチ、クリック、ダブルクリック、スワイプ、音声入力による判断等、操作入力部22を介して行いうる操作のことをいう。
【0036】
経路探索の実行要求があると判定された場合(S12:Yes)、端末装置2は通信部21を介して経路探索条件をサーバ3に送信する(ステップS13)。そして、サーバ3は、通信部31を介して経路探索条件を受信する(ステップS21)。
【0037】
経路探索条件を受信すると、経路探索部321は端末装置2から受信した経路探索条件に基づいて経路探索を実行する(ステップS22)。本ステップの経路探索は、経路ネットワークデータベース331を用いて実行される。
【0038】
経路探索が完了すると、サーバ3は、ステップS22で得られた移動経路情報を端末装置2に送信する(ステップS23)。
【0039】
端末装置2の移動経路情報取得部242は、サーバ3から通信部21を介して移動経路情報を取得する(ステップS14)。そして、情報出力部243は、移動経路情報を表示部23に出力する(ステップS15)。表示部23は、情報出力部243から受信した情報に基づいて画面表示を行う。
【0040】
図3(a)は、表示部23に表示された経路探索結果を示す画面の一例である。この画面では、複数の移動経路がサマリ表示されている。この例では、乗車駅が渋谷駅であり、降車駅が五反田駅である。図3(a)では、3つの移動経路、すなわち、出発時刻が17:15の移動経路R1、出発時刻が17:14の移動経路R2、および出発時刻が17:11の移動経路R3がリスト形式で表示されている。移動経路R1は、自由が丘駅および旗の台駅で乗り換え、五反田駅に到着する経路である。移動経路R2は、六本木駅、恵比寿駅で乗り換え、五反田駅に到着する経路である。移動経路R3は、武蔵溝ノ口駅、武蔵小杉駅、目黒駅で乗り換え、五反田駅に到着する経路である。なお、サマリ表示された複数の候補経路からユーザがある移動経路を選択すると、選択された移動経路の詳細が表示される(後述の図7(a)参照)。
【0041】
図3(a)の画面についてより詳しく説明する。領域F1には、移動経路の出発時刻、到着時刻、所要時間、料金、乗換回数が表示される。また、領域F2には、移動経路の使用路線や乗換駅が簡易表示される。また、領域F3には、移動経路の特性を示す指標(アイコン、マーク等)が表示される。図3(a)において、「早」は所要時間が最も短い移動経路であることを示し、「安」は料金が最も安い移動経路であることを示し、「楽」は移動が楽な経路(例えば乗換回数が最も少ない移動経路)であることを示す。また、「空」は混雑度が低い移動経路であることを示す。図3(a)の例では、移動経路R1の領域F3に「早」、「安」、「楽」が表示され、移動経路R2の領域F3に「楽」、「空」が表示され、移動経路R3の領域F3に「空」が表示されている。
【0042】
図2Bのフローチャートに戻って、ステップS15を実行した後の処理について説明する。端末装置2の制御部24は、移動経路を路線図で見る要求があるか否かを判定する(ステップS16)。図3(a)に示す画面例の場合、領域Aの「路線図で見る」が選択されたとき、移動経路を路線図で見る要求があると判定する。
【0043】
移動経路を路線図で見る要求があると判定された場合(S16:Yes)、情報出力部243は、経路探索の実行により得られた各移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ各移動経路の経路構成情報を路線図上に強調表示するための情報を出力する(ステップS17)。表示部23は、情報出力部243から受信した情報に基づいて画面表示を行う。
【0044】
図3(b)は、表示部23に表示された路線図の一例である。表示された路線図は、ユーザの操作により上下左右に移動したり、拡大、縮小表示される。例えば表示部23がタッチパネルの場合、表示部23に表示された路線図をスワイプすることでユーザの手指の移動方向に合わせて路線図が移動する。また、路線図をピンチアウトすることで路線図が拡大表示され、逆に路線図をピンチインすることで路線図が縮小表示される。なお、路線図をカラー表示する場合、路線図内の路線を、互いに識別可能なように固有の色(路線カラー等)で表示してもよい。
【0045】
図3(b)において、ユーザがボタンB1を選択すると、路線図選択画面(図示せず)が表示され、他のエリアの路線図を選択することが可能となる。また、ユーザがボタンB2を選択すると、基準駅(例えば自宅や会社の最寄り駅、現在地に最も近い駅など)が画面の基準位置(例えば画面の中心)にくるように路線図が表示される。
【0046】
画面上部のタブ領域T1には、経路探索により得られた3つ移動経路R1,R2,R3の出発時刻が表示されている。図3(b)は、移動経路R1が選択された状態を示しており、移動経路R1が他の2つの移動経路R2,R3と識別可能な態様で表示される。この例では、選択された移動経路R1が実線で路線図上に重畳表示され、非選択の移動経路R2,R3が破線で路線図上に重畳表示されている。このように、3つの移動経路R1~R3のうち、移動経路R1がフォーカスされた態様で(すなわち、目立つように)表示されている。
【0047】
ユーザがタブ領域T1の「17:14」のタブを選択すると、移動経路R2がフォーカスされ、移動経路R1,R3と区別可能な表示態様で路線図上に重畳表示される。同様に、ユーザが「17:11」のタブを選択すると、移動経路R3がフォーカスされ、移動経路R1,R2と区別可能な表示態様で路線図上に重畳表示される。本実施形態ではこのように出発時刻を示すタブを選択することで、フォーカスされる移動経路を切り替えることができる。なお、表示部23がタッチパネルの場合、スワイプ、フリック等のユーザ入力操作に合わせて、フォーカスする移動経路を切り替えてもよい。
【0048】
なお、カラー表示の場合は、移動経路ごとに色を変えることで移動経路を識別可能に表示してもよい。例えば、非選択の移動経路をグレーで表示し、選択された移動経路を青色や赤色等の別の色で表示する。
【0049】
さらに、図3(b)に示す路線図表示画面では、各移動経路の経路構成情報が路線図上に強調表示されている。本例では、路線図に表示された乗車駅、乗換駅および降車駅が丸印で囲われている。このように、移動経路が路線図上に重畳表示されるとともに、移動経路の経路構成情報が強調表示されることにより、経路探索により取得された移動経路が、路線図上でどのように移動する経路であるのか、および、路線図のどこに位置する駅で乗車、乗換、降車する経路であるのかをユーザは視覚を通じて直感的に把握することができる。
【0050】
なお、図3(b)に示すように、乗車駅、降車駅を囲う丸印の方が乗換駅を囲う丸印よりも大きい。このように乗車駅および降車駅に乗換駅よりも目立つ指標を付すことにより、ユーザは移動経路の構成(移動経路の端点、乗り換え点)を一目で容易に把握することができる。丸印の大きさを変える表示態様に限らず、乗車駅、降車駅、乗換駅間で指標の色を変えてもよい。例えば、乗車駅と降車駅は赤色の丸で囲み、乗換駅は青色の丸で囲むようにしてもよい。あるいは、乗車駅および降車駅には乗換駅よりも目立つようにアニメーションする動的指標を付してもよい。
【0051】
また、乗車駅と降車駅を容易に識別できるように、乗車駅と降車駅の強調表示の態様を異ならせてもよい。例えば、乗車駅を丸印で囲み、降車駅を二重丸で囲うようにしてもよい。
【0052】
また、移動経路ごとに経路構成情報の強調表示の態様を変えてもよい。例えば、移動経路R2の乗換駅は三角で囲い、移動経路R3の乗換駅は四角で囲うようにしてもよい。
【0053】
上記のように、第1の実施形態では、ユーザが複数の移動経路を示すサマリ表示画面から路線図表示を要求すると、各移動経路が路線図上に重畳表示されるとともに、各移動経路の経路構成情報が強調表示される。これにより、第1の実施形態によれば、各移動経路が路線図上でどのように移動する経路であるのか、および、各移動経路に含まれる駅がどこに位置するのかを、ユーザは視覚を通じて直感的に把握することができる。路線図では、公共交通機関の路線の接続関係や駅の配置関係が相対的かつ模式的に示されているため、ユーザは、経路探索により得られた移動経路が交通網をどのように移動する経路であるのかを容易に把握することができる。
【0054】
さらに、第1の実施形態によれば、情報出力部243が複数の移動経路を互いに識別可能な態様で路線図上に重畳表示するための情報を出力するため、ユーザは、経路探索で得られた複数の移動経路を容易に比較することができるようになる。
【0055】
なお、上記の説明では、情報出力部243が移動経路情報および路線図情報に基づいて、移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ経路構成情報を路線図上に強調表示するための情報を生成したが、本発明はこれに限られない。すなわち、制御部24の他の機能部が当該情報を生成してもよいし、あるいは、サーバ3が当該情報を生成してもよい。後者の場合は、まず、移動経路を路線図で見る要求をユーザから受けた端末装置2がサーバ3に当該情報の要求を行う。端末装置2から要求を受けると、サーバ3の制御部32が路線図データベース332内の路線図情報、および経路探索部321による経路探索の実行結果(移動経路情報)に基づいて当該情報を生成し、生成した情報を通信部31により端末装置2に送信する。そして、端末装置2の情報出力部243は、サーバ3から受信した情報を、そのまま若しくは必要に応じて加工した後、表示部23に出力する。
【0056】
また、情報出力部243が複数の移動経路を互いに識別可能な態様で路線図上に重畳表示するための情報を出力する場合、各移動経路の経路構成情報を路線図上に強調表示するための情報を必ずしも出力する必要はない。すなわち、路線図上に複数の移動経路を互いに識別可能な態様で重畳表示するだけであっても、ユーザは、経路探索で得られた複数の移動経路を比較することができる。
【0057】
次に、第1の実施形態に係る2つの変形例について説明する。
【0058】
<変形例1>
図4を参照して、第1の実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、情報出力部243は、複数の移動経路が重複する移動区間(重複区間S)を有する場合、重複区間Sにおいて各移動経路を識別可能であるように表示するための情報を出力する。図4の例では、移動経路R2とR3の重複区間S(目黒駅-五反田駅間)は、移動経路R2を示す線種と移動経路R3を示す線種を変えることで互いに識別可能としている。なお、線種以外の表示態様(例えば、線の色、太さ)を変えることで重複区間の移動経路を互いに識別可能としてもよい。本変形例によれば、重複区間においても移動経路を互いに識別することが可能となる。
【0059】
<変形例2>
図5を参照して、第1の実施形態の変形例2について説明する。本変形例では、情報出力部243は、移動経路の経路概要情報を路線図上に移動経路に関連付けて表示するための情報を出力する。経路概要情報とは、移動経路の概要を示す情報であり、例えば、所要時間、料金、乗換回数等である。図5に示す例では、料金および所要時間が経路概要情報として、移動経路R1から吹き出し表示されている。
【0060】
なお、経路概要情報は、移動経路間の相対的な情報(所要時間が最も短い、料金が最も安い、乗換回数が最も少ない、混雑度が最も低い)であってもよい。この場合、例えば、前述の「早」、「安」、「楽」、「空」等の指標、またはこれらの指標の意味を示す文字列を路線図上の移動経路に関連付けて表示してもよい。
【0061】
また、経路概要情報は、遅延情報であってもよい。この場合、例えば、遅延が発生している旨を路線図上の移動経路に関連付けて表示してもよい。あるいは、遅延が発生している路線を含む移動経路(もしくは当該路線を使用する区間のみ)を、平常時の表示態様とは異なる独自の表示態様で路線図に重畳表示してもよい。
【0062】
また、経路概要情報は、ユーザがタブ領域T1で移動経路を選択すると同時に表示されてもよい。若しくは、経路概要情報は、ユーザが移動経路を選択してから所定時間が経過した後に表示されてもよい。あるいは、選択された移動経路(乗車駅等)をユーザが選択(タップ等)したときに経路概要情報が表示されるようにしてもよい。
【0063】
また、図5の例では選択された移動経路についてのみ経路概要情報を表示したが、非選択の経路についても経路概要情報を表示してもよい。これにより、各移動経路の概要(料金、所要時間等)が同時に表示され、移動経路の比較がさらに容易になる。
【0064】
本変形例によれば、所要時間や料金等の経路概要情報についても路線図上で知ることが可能となるため、ユーザは、より容易に経路選択を行うことができる。
【0065】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態と第1の実施形態との間の相違点の一つは、路線図表示が要求されるタイミングである。第1の実施形態では移動経路のサマリ表示画面から路線図表示が要求されたが、第2の実施形態では移動経路の詳細表示画面から路線図表示が要求される。
【0066】
以下、第1の実施形態との相違点を中心に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る情報処理システムの構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0067】
図6のフローチャートを参照しつつ、第2の実施形態に係る情報処理システム1による処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、路線図情報は路線図取得部244によりサーバ3から既に取得されているものとする。また、端末装置2がサーバ3から移動経路情報を取得するまでの処理は、第1の実施形態で説明したステップS11~S14と同様であるので説明を省略する。
【0068】
サーバ3から移動経路情報を取得すると、端末装置2の情報出力部243は、移動経路情報を表示部23に出力する(ステップS31)。表示部23に表示される画面は、第1の実施形態で説明した図3(a)と同様である。
【0069】
次に、端末装置2の制御部24は、サマリ表示された移動経路のうち一つの移動経路が選択されたか否かを判定する(ステップS32)。移動経路が選択された場合(S32:Yes)、情報出力部243は、選択された移動経路の詳細情報を表示部23に出力する(ステップS33)。図7(a)は、表示部23に表示された詳細情報を示す画面の一例である。図7(a)では移動経路が最後(降車駅)まで表示されていないが、端末装置2の画面をスワイプ等の操作で下方向にスクロールさせることにより移動経路の最後まで表示される。
【0070】
次に、端末装置2の制御部24は、移動経路を路線図で見る要求があるか否かを判定する(ステップS34)。図7(a)の画面例の場合、領域Bの「路線図で見る」が選択されたとき、移動経路を路線図で見る要求があると判定する。
【0071】
移動経路を路線図で見る要求があると判定された場合(S34:Yes)、情報出力部243は、ユーザにより選択された移動経路を公共交通機関の路線図上に重畳表示し、かつ当該移動経路の経路構成情報を路線図上に強調表示するための情報を出力する(ステップS35)。表示部23は、情報出力部243から受信した情報に基づいて画面表示を行う。
【0072】
図7(b)は、表示部23に表示された路線図の一例である。移動経路R1は、第1の実施形態で説明した移動経路R1と同様に、渋谷駅で乗車し、自由が丘駅および旗の台駅で乗り換え、五反田駅で降車する経路である。第1の実施形態の場合と同様に、乗車駅(渋谷駅)、降車駅(五反田)、乗換駅(自由が丘、旗の台)が丸印で囲われ、強調表示されている。
【0073】
上記のように、第2の実施形態では、ユーザが移動経路の詳細表示画面から路線図表示を要求すると、ユーザがサマリ表示画面で選択した移動経路が路線図上に重畳表示されるとともに、当該移動経路の経路構成情報が強調表示される。これにより、第2の実施形態によれば、ユーザにより選択された移動経路が路線図上でどのように移動する経路であるのか、および、移動経路に含まれる駅がどこに位置するのか等をユーザは視覚を通じて直感的に把握することができる。例えば、乗り換えが必要な移動経路が探索された場合、路線図上のどこに位置する駅で乗車し、乗り換え、降車する移動経路であるのかをユーザは容易に把握することができる。
【0074】
次に、第2の実施形態に係る2つの変形例について説明する。
【0075】
<変形例1>
図8を参照して、第2の実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、情報出力部243は、移動経路の乗車駅および降車駅に加えて、停車駅を強調表示するための情報を出力する。図8の例では、移動経路R1の停車駅に黒丸Cbを付し、停車駅であることを強調している。このように停車駅を強調表示することで、ユーザは、利用する列車種別(各駅停車、急行等)を推定することができ、移動経路の大まかな所要時間を容易に把握することができる。
【0076】
なお、駅の種別(乗車駅、降車駅、乗換駅、停車駅など)が一目で分かるように駅の種別ごとに強調表示の態様を異ならせることが好ましい。図8の例では、乗車駅および降車駅は大きい丸印で囲うことで強調表示され、乗換駅は、乗車駅および降車駅よりも小さい丸印で囲うことで強調表示され、停車駅は乗換駅の丸印よりも小さい黒丸を付すことにより強調表示されている。なお、他の表示態様により、駅種別を識別可能としてもよい。
【0077】
また、通過駅に矢印を付す等して通過駅を強調表示してもよい。
【0078】
<変形例2>
図9を参照して、第2の実施形態の変形例2について説明する。本変形例では、情報出力部243は、路線図のうち、経路探索により取得された移動経路に関連する部分と、当該移動経路に関連しない部分とを識別可能に表示するための情報を出力する。図9の例では、選択された移動経路は濃い色で表示され、それ以外の部分については薄い色で表示されている。このようにすることで、移動経路の視認性を高めることができる。さらに、路線図表示画面の情報量を低減することもできる。
【0079】
なお、表示態様は図9の例に限られず、移動経路に関連する部分をカラー表示し、それ以外の部分をモノクロ表示するようにしてもよい。
【0080】
また、移動経路が複数の路線区間を含む場合、各路線区間の路線を容易に識別できるように、路線区間を識別可能な表示態様で表示してもよい。図9の例では、渋谷駅から自由が丘駅までの区間L1は点線で表示し、自由が丘駅から旗の台駅までの区間L2は破線で表示し、旗の台駅から五反田駅までの区間L3は実線で表示している。あるいは、路線区間を固有の色(路線カラー等)で表示してもよい。この場合、区間L1は路線TTの路線カラーである赤色の線で表示し、区間L2は路線TOの路線カラーであるオレンジ色の線で表示し、区間L3は路線TIの路線カラーであるピンク色の線で表示してもよい。
【0081】
また、移動経路に関連しない部分は情報を間引いてもよい。例えば、移動経路に関連しない部分については、路線の末端に位置するターミナル駅や複数の路線が乗り入れている駅のみを表示するようにしてもよい。
【0082】
また、移動経路に関連しない部分は削除してもよい。換言すれば、路線図から移動経路に関連する部分を切り出して表示するようにしてもよい。
【0083】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態と第1および第2の実施形態との間の相違点の一つは、経路探索条件の設定方法である。本実施形態では、経路探索条件(乗車駅、降車駅)は路線図表示画面から入力される。
【0084】
以下、第1および第2の実施形態との相違点を中心に第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る情報処理システムの構成は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0085】
図10Aおよび図10Bのフローチャートを参照しつつ、第3の実施形態に係る情報処理システム1による処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、路線図情報は路線図取得部244によりサーバ3から既に取得されているものとする。
【0086】
まず、情報出力部243がサーバ3から予めダウンロードされた路線図情報を表示部23に出力することにより、表示部23は路線図を表示する(ステップS41)。なお、本工程は、例えば、経路探索条件を入力する画面に表示された「路線図を見る」をユーザが選択したときに実行される。
【0087】
次に、端末装置2の経路探索条件設定部241は、路線図に対するユーザの情報入力操作に基づいて、経路探索条件を設定する(ステップS42)。例えば、図11(a)に示すように、路線図表示画面においてユーザが駅(ここでは渋谷駅)を選択すると、その駅に吹き出しが表示される。吹き出しの中には、「出発駅に設定」および「到着駅に設定」が表示される。ユーザが「出発駅に設定」を選択すると、当該駅が乗車駅に設定されて、図11(b)に示すように、設定された駅名が領域F11に出発駅として表示される。さらに、路線図表示画面においてユーザが駅(ここでは五反田駅)を選択すると、その駅に吹き出しが表示される。ユーザが吹き出しの中の「到着駅に設定」を選択すると、当該駅が降車駅に設定される。設定された駅名が領域F11に到着駅として表示される(図示せず)。
【0088】
次に、端末装置2の制御部24は、経路探索の実行要求があるか否かを判定する(ステップS43)。例えば、ユーザが図11(b)に示す検索ボタンBを選択したときに、経路探索の実行要求があると判定する。経路探索の実行要求があると判定された場合(S43:Yes)、端末装置2は通信部21を介して経路探索条件をサーバ3に送信する(ステップS44)。そして、サーバ3は、通信部31を介して経路探索条件を受信する(ステップS51)。
【0089】
経路探索条件を受信すると、経路探索部321は端末装置2から受信した経路探索条件に基づいて経路探索を実行する(ステップS52)。経路探索が完了すると、サーバ3は、ステップS52で得られた移動経路情報を端末装置2に送信する(ステップS53)。
【0090】
端末装置2の移動経路情報取得部242は、サーバ3から通信部21を介して移動経路情報を取得する(ステップS45)。そして、情報出力部243は、ステップS45で取得された移動経路情報、および路線図情報に基づいて、移動経路を路線図上に重畳表示し且つ当該移動経路の経路構成情報を路線図上に強調表示するための情報を生成する(ステップS46)。そして、情報出力部243は、ステップS46で生成された情報を表示部23に出力する(ステップS47)。表示部23は、情報出力部243から受信した情報に基づいて画面表示を行う。表示される画面は、第1および第2の実施形態で説明したものと同様である。例えば、表示部23は、図3(b)に示すように、複数の移動経路の画面を表示する。
【0091】
なお、路線図に表示された移動経路がユーザにより選択(タップ等)された場合に、表示部23は図7(a)のような、移動経路の詳細表示画面を表示するようにしてもよい。
上記のように、第3の実施形態では、路線図に対するユーザの情報入力操作により経路探索条件が設定される。これにより、駅名を入力する手間を省くことができ、ユーザの利便性を高めることができる。そして、経路探索により得られた移動経路が路線図に表示される。このように本実施形態では、路線図の画面が経路探索条件の入力画面であるとともに、経路探索結果の出力画面となる。よって、第3の実施形態によれば、画面の切り替えが不要となり、ユーザにとって非常に使いやすいGUIを提供することができる。
【0092】
また、第3の実施形態では、経路探索条件として指定された駅の位置(指定位置)を路線図上に表示したまま、他の画面への遷移を挟むことなく、経路探索により得られた移動経路を、指定位置が表示された路線図上に表示する。このため、ユーザは、指定位置に対する移動経路の位置関係や方向を容易に把握することができる。
【0093】
さらに、第3の実施形態によれば、第1および第2の実施形態と同様に、経路探索により得られた移動経路が路線図上に重畳表示され、かつ当該移動経路の構成を示す経路構成情報が路線図上に強調表示されるため、ユーザは移動経路の特徴を、視覚を通じて直感的に把握することができる。
【0094】
以上、本発明に係る3つの実施形態について説明したが、各実施形態で説明した表示態様は適宜組み合わせてもよい。例えば、第1の実施形態の変形例2で説明した表示態様(経路概要情報の表示等)を第2の実施形態に適用したり、あるいは、第2の実施形態の変形例1(停車駅の表示等)および変形例2(背景情報の間引き等)で説明した表示態様を第1の実施形態に適用してもよい。
【0095】
なお、図1に示すシステム構成は一例であり、サーバ3内の構成要件の少なくとも一部がそれぞれ端末装置2内にあってもよい。例えば、サーバ3内の制御部32および記憶部33を端末装置2内に設けて、通信をすることなく端末装置2のみで経路探索を実行可能な情報処理装置を構成してもよい。
【0096】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0097】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0098】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0099】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 通信部
22 操作入力部
23 表示部
24 制御部
241 経路探索条件設定部
242 移動経路情報取得部
243 情報出力部
244 路線図取得部
3 サーバ
31 通信部
32 制御部
321 経路探索部
33 記憶部
331 経路ネットワークデータベース
332 路線図データベース
4 ネットワーク
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11