(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104153
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】充電台
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220701BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220701BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20220701BHJP
H01M 50/20 20210101ALN20220701BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M10/44 Q
G06F1/16 312K
H01M2/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219183
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 翔
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄士
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 武彦
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H040
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503FA03
5H030AA08
5H030AS11
5H030DD02
5H030DD13
5H030DD15
5H040AA07
5H040AS12
5H040AY03
5H040CC12
5H040DD06
5H040DD13
5H040DD22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ACアダプタが充電台に収納された状態において、ACアダプタから電源ケーブルが抜けてしまうのを回避できる充電台を提供する。
【解決手段】充電台7は、印刷装置を着脱可能に装着し、筐体70と、筐体の裏面70Bに設けられ、ACアダプタ3を収納可能な第1収納部76と、筐体の裏面に設けられ、第1収納部に収納されたACアダプタから延びる電源ケーブル3Aを挿入して筐体の外縁(右側面70R)へと案内する第1案内溝77Rとを備える。第1案内溝は、第1収納部から筐体の外縁に延びる延設方向における中間部において屈曲する屈曲部771Rを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置を着脱可能に装着し、当該印刷装置に内蔵されたバッテリに充電を行う充電台であって、
前記印刷装置を着脱可能に装着する装着面と、前記装着面と反対側に設けられる裏面とを有する筐体と、
前記筐体の前記裏面に設けられ、ACアダプタを収納可能な第1収納部と、
前記筐体の前記裏面に設けられ、前記第1収納部に収納された前記ACアダプタから延びる電源ケーブルを挿入して前記筐体の外縁へと案内する第1案内部と、
を備え、
前記第1案内部は、前記第1収納部から前記筐体の外縁に延びる延設方向における中間部において屈曲する屈曲部を有する
ことを特徴とする充電台。
【請求項2】
前記第1案内部は、当該第1案内部に挿入された前記電源ケーブルを係止可能な少なくとも一つの係止部を備える
ことを特徴とする請求項1記載の充電台。
【請求項3】
前記第1案内部は、溝状に形成された第1案内溝からなり、
前記係止部は、前記第1案内溝の溝幅を狭くする方向に突出して設けられる突起部である
ことを特徴とする請求項2記載の充電台。
【請求項4】
前記筐体は、
第1方向を長手方向とする略直方体形状を有しており、
前記第1収納部は、
前記筐体のうち前記第1方向における略中央部に配設されており、
前記第1案内溝は、
前記第1収納部から前記第1方向の一方側と他方側の両方又は片方に延設される
ことを特徴とする請求項3記載の充電台。
【請求項5】
前記第1収納部に設けられ、前記筐体に装着された前記印刷装置に対してデータの送受信を行う通信ケーブルが接続可能な第1ポートと、
前記筐体の前記裏面に設けられる第2案内溝であって、前記第1ポートに接続される前記通信ケーブルを、前記第1収納部から前記第1方向の他方側へ略直線状に延設して前記筐体の外縁へと案内する第2案内溝と、
をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の充電台。
【請求項6】
前記第1ポートは、
前記第1収納部の前記第1方向一方側の壁面に設けられる
ことを特徴とする請求項5記載の充電台。
【請求項7】
前記筐体の前記第1方向一方側の側面における、前記第2案内溝の仮想延長線上の位置に設けられる第2ポートであって、前記通信ケーブルが接続可能な第2ポートをさらに備える
ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の充電台。
【請求項8】
前記筐体の前記裏面でかつ前記筐体の外縁より内側の位置において前記第1方向と交差する第2方向に延設される段差凹部であって、前記電源ケーブルを案内する段差凹部をさらに備え、
第1案内溝の外端は、前記段差凹部に接続される
ことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項記載の充電台。
【請求項9】
前記筐体の前記裏面に設けられ、前記第1収納部の一部と連通する第2収納部と、
前記第2収納部に設けられ、前記ACアダプタから延びるDCケーブルの先端のプラグを接続可能なコネクタと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の充電台。
【請求項10】
第1収納部内に、ACアダプタ及び通信ケーブルのうち少なくとも一方を固定可能な固定部材を設けた
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の充電台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置を着脱可能に装着し、当該印刷装置に内蔵されたバッテリに充電を行う充電台に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリを内蔵する機器を載置し、バッテリを充電するための充電台が知られている。例えば、特許文献1には、電子端末装置を載置可能に構成されて、載置された状態にてバッテリを充電する充電台が開示されている。バッテリの充電には、バッテリとAC電源の間を電気的に中継するACアダプタが用いられる。充電台は、ACアダプタを収納するための収納空間を備えており、収納空間は、充電台の裏側からACアダプタを収納可能となっている。充電台の側面には、挿入孔が設けられている。挿入孔には、収納されたACアダプタから延びる電源ケーブルが挿入される。これにより、充電台は、ACアダプタを邪魔にならないよう収納することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-147344号公報(
図6等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の充電台では、ACアダプタを収納する際、側面に設けられた挿入孔に、ACアダプタの電源ケーブルが挿入される。この種のACアダプタは、利便性の観点で、電源ケーブルを着脱可能に構成される場合が多い。この場合、ACアダプタが充電台に収納された状態において、例えば、電源ケーブルが不用意に引っ張られると、ACアダプタにおける電源ケーブルの着脱部位に、張力が直接作用する。このため、電源ケーブルが、ACアダプタから抜けてしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ACアダプタが充電台に収納された状態において、ACアダプタから電源ケーブルが抜けてしまうのを回避できる充電台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の充電台は、印刷装置を着脱可能に装着し、当該印刷装置に内蔵されたバッテリに充電を行う充電台であって、前記印刷装置を着脱可能に装着する装着面と、前記装着面と反対側に設けられる裏面とを有する筐体と、前記筐体の前記裏面に設けられ、ACアダプタを収納可能な第1収納部と、前記筐体の前記裏面に設けられ、前記第1収納部に収納された前記ACアダプタから延びる電源ケーブルを挿入して前記筐体の外縁へと案内する第1案内部と、を備え、前記第1案内部は、前記第1収納部から前記筐体の外縁に延びる延設方向における中間部において屈曲する屈曲部を有することを特徴とする。
【0007】
本願発明においては、筐体の裏側に設けられた第1収納部に、ACアダプタが収納されて用いられる。ACアダプタから延びる電源ケーブルは、第1案内部に挿入された状態で案内され、筐体の外縁へと導かれる。本願発明によれば、第1案内部により、電源ケーブルをはい回す処理を容易化できる。
【0008】
第1案内部は、延設方向における中間部に位置する屈曲部において、屈曲している。本願発明によれば、仮に電源ケーブルが不用意に引っ張られたとしても、屈曲部における電源ケーブルと第1案内部との摩擦抵抗により、電源ケーブルがACアダプタから抜けてしまうのを回避できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ACアダプタが充電台に収納された状態において、ACアダプタから電源ケーブルが抜けてしまうのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の一実施形態による充電台を下方から見た斜視図である。
【
図4】ACアダプタ及びイーサネットケーブルを収納した状態における充電台を下方から見た斜視図である。
【
図5】ACアダプタ及びイーサネットケーブルを収納した状態における充電台の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、印刷装置1は、バッテリ(図示略)による駆動が可能なモバイル型の感熱プリンタである。印刷装置1は、後述するイーサネットケーブル2(通信ケーブルに相当)を介して通信ネットワーク上の外部端末(図示略)に接続可能である。印刷装置1は、外部端末から受信した印刷データに基づいて内部のサーマルヘッドを発熱させることによって、感熱ラベルに文字、図形等のキャラクタを印刷できる。外部端末は、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)である。印刷装置1は、例えばベルトクリップ(図示略)を介して腰ベルトに装着されたり、肩掛けベルト(図示略)により肩に掛けられたりすることによって、ユーザに携帯されて使用される。充電台7は、印刷装置1を着脱可能に装着して保持することが可能な据え置き型の台である。充電台7は、最大4台の印刷装置1を左右方向に配列するよう保持することができる。1台の印刷装置1を用いる場合、
図1に示すように、充電台7の左端側にて保持されてもよい。充電台7の装着面70Uにおいて、印刷装置1との接続及び係合に関する部位は、4台の印刷装置1に対応するように、それぞれ略同一の形状および配置となっている。充電台7は、バッテリが内蔵された印刷装置1が保持された場合、バッテリを充電することが可能な充電台として機能する。印刷装置1が充電台7に保持された状態で、バッテリとAC電源が後述するACアダプタ3により中継されて、バッテリが充電される。なお、以下の説明において、上下方向、前後方向、左右方向は、各図に示すように、ユーザから見た上下方向、手前奥手方向、左右方向に相当する。
【0013】
<印刷装置>
図1に示すように、印刷装置1は、略直方体形状をなす印刷機本体10を有する。印刷機本体10の前面10Fのうち左右両端部を除く部分に、LCD及び複数の操作ボタンを含むユーザインタフェース11が設けられる。印刷機本体10の上面10Uに、印刷済みの感熱ラベルが排出される排出口12が設けられる。印刷機本体10は、直流電源を供給するバッテリを内蔵する。印刷装置1は、バッテリから供給される直流電源により駆動し、ユーザインタフェース11の操作により印刷動作を実行する。印刷装置1が充電台7に保持された場合、バッテリは、充電台7から供給される電源により充電可能である。又、充電台7に保持された印刷装置1に対して、充電台7に接続されるイーサネットケーブル2(
図4、
図5参照)により、データの送受信が行われる。
【0014】
印刷機本体10の下面は、充電台7の装着面70Uに対向する。装着面70Uには、後述するように、係合具71、72、案内部73及び台側端子74が設けられている。印刷機本体10の下面において、係合具71、72及び案内部73に対応する位置に、それぞれと係合可能な凹部が設けられている。又、印刷機本体10の下面において、台側端子74に対応する位置に、装置側端子が設けられている。上記凹部及び装置側端子が、係合具71、72、案内部73及び台側端子74と係合されて、印刷装置1が装着面70Uに装着される。装着された印刷装置1を、充電台7から脱着する場合には、充電台7のレバー75を操作することで、印刷機本体10の下面における係合が解除される。これにより、印刷装置1が充電台7から脱着される。以上のように、印刷装置1は、充電台7に着脱可能である。
【0015】
<充電台>
図1及び
図2に示すように、充電台7は、略直方体形状の筐体70を有している。筐体70の上面には、印刷装置1を装着する装着面70Uが設けられる。装着面70Uは、略長方形状をなし、水平面に対し所定角度をもって傾斜している。即ち、筐体70の前面70Fにおける高さが、筐体70の後面70Sにおける高さよりも高くなるよう、装着面70Uは傾斜をなす。このように傾斜する装着面70Uは、後斜め上側に印刷装置1を装着する。
【0016】
図1に示すように、1台の印刷装置1に対し、装着面70Uの前端に、固定型の係合具71が2つ左右方向に配列される。1台の印刷装置1に対し、装着面70Uの前後方向略中央部に、可動型の係合具72が2つ左右方向に配列される。係合具71、72は、装着面70Uから略上側に突出するフック形状をなす。案内部73は、装着面70Uの前端から装着面70Uの傾斜に沿って後側に延びる。案内部73は、略直方体形状であり、装着面70Uから略上側に突出する凸部である。係合具71、72及び案内部73は、上述した印刷機本体10の下面における凹部に、それぞれ係合可能となっている。印刷装置1が装着面70Uに装着される際、案内部73は、印刷装置1と係合しつつ、印刷装置1を摺動させて装着面70Uに沿って前方向へ案内する。そして、係合部71、72により、印刷装置1が係合される。又、係合具72の下端部は、筐体70内で、装着面70Uに沿って前後方向に移動可能に支持される。係合具72は、筐体70内に設けられるバネ(図示略)により、前方向に付勢されている。装着された印刷装置1を脱着する際、レバー75の操作により、係合具72をバネの付勢力に抗して後方向に移動させることで、係合解除されるようになっている。
【0017】
図1に示すように、1台の印刷装置1に対応する装着面70Uの略中央部であって、係合具72の間の部位に、台側端子74が設けられる。台側端子74は、2種類の電極群を含む。第1電極群には、充電台7にイーサネットケーブル2が接続された状態(
図4参照)で、データ通信用の信号Sが伝送される。第2電極群には、充電台7にACアダプタ3が接続された状態(
図4参照)で、バッテリ充電用の電圧Vが印加される。壁部74Aは板状を有し、装着面70Uのうち台側端子74を囲む位置から略上側に向けて延びる。壁部74Aの前端部の一部は欠落しており、開口部が形成される。印刷装置1が装着面70Uに装着される際、壁部74Aを介して、印刷装置1の装置側端子と充電台7の台側端子74とが係合する。イーサネットケーブル2及びACアダプタ3が、充電台7に接続された状態で、印刷装置1が装着面70Uに装着されると、台側端子74及び装置側端子を介して、印刷装置1へ信号Sが伝送され、印刷装置1のバッテリへ電圧Vが印加される。以上のように、装着面70Uに印刷装置1が装着されると、印刷装置1のバッテリが充電されるとともに、印刷装置1に対しデータが送受信される。
【0018】
図2及び
図3に示すように、筐体70の裏面70Bは、印刷装置1の装着面70Uとは反対側の面であり、略長方形状を有する。筐体70においては、第1方向及び第2方向が規定される。第1方向は、筐体70の長手方向であり、図中の左右方向に相当する。第2方向は、第1方向と直交する方向であって、裏面70Bに沿った方向である。第2方向は、図中の前後方向に相当する。
【0019】
裏面70Bにおける第1方向の略中央部であって、第2方向前側の部位に、第1収納部76が設けられる。第1収納部76は、上側に凹んだ凹部である。この凹部の内部形状は、略直方体形状である。第1収納部76は、その長手方向が第1方向に沿うように設けられる。第1収納部76は、イーサネットケーブル2及びACアダプタ3を収納可能である。第1収納部76には、テープ状の面ファスナー761(固定部材に相当)が設けられる。面ファスナー761は、第1収納部76において左右方向に隔離して2つ配列される。面ファスナー761は、第1収納部76に収納されたイーサネットケーブル2及びACアダプタ3を巻き付けることで、これらを固定可能である(
図4参照)。
【0020】
図2(a)に示すように、裏面70Bには、第1収納部76から、筐体70の外縁の右側面70Rに延びるように第1案内溝77R(第1案内部に相当)が設けられる。第1案内溝77Rの左端は、第1収納部76の右後側の角部と接続される。第1案内溝77Rの右端(外端)は、右側面70Rの第2方向後側の部位であって、右側面70Rの内側に設けられた段差凹部701Rに接続される。第1案内溝77Rは、左端から右端に延びる延設方向における中間部において、屈曲部771Rが設けられる。第1案内溝77Rは、第1収納部76に接続される左端から、右後側に向けて屈曲部771Rまで延設され、屈曲部771Rから、右側に向けて段差凹部701Rに接続する右端まで延設される。即ち、第1案内溝77Rは、第1収納部76から屈曲部771Rを経て第1方向の右側に延設される。第1案内溝77Rは、上側に凹んだ溝部であり、第1収納部76に収納されたACアダプタ3から延びる電源ケーブル3Aを挿入可能である。第1案内溝77Rは、電源ケーブル3Aが挿入された場合、電源ケーブル3Aを筐体70の右側面70Rへと案内する(
図4参照)。第1案内溝77Rの溝幅は、電源ケーブル3Aの線幅よりも若干大きい。第1案内溝77Rには、その溝幅を狭くする方向に突出する突起部772R(係止部に相当)が複数個設けられる。突起部772Rは、第1案内溝77Rに挿入された電源ケーブル3Aが抜けないように電源ケーブル3Aを係止可能である。
【0021】
図2(a)に示すように、裏面70Bには、筐体70の外縁の右側面70Rより内側の位置において、第2方向に延設される段差凹部701Rが設けられる。段差凹部701Rは、上側に凹んだ凹部であり、裏面70Bに対し段差が形成される。段差凹部701Rには、第1案内溝77Rの右端が接続される。第1案内溝77Rに電源ケーブル3Aが挿入された場合、段差凹部701Rは、第1案内溝77Rの右端から延出する電源ケーブル3Aを第2方向に沿って案内する(
図4参照)。
【0022】
図2(b)に示すように、裏面70Bには、第1収納部76から、筐体70の外縁の左側面70Lに延びるように第1案内溝77L(第1案内部に相当)が設けられる。第1案内溝77Lの右端は、第1収納部76の左後側の角部と接続される。第1案内溝77Lの左端(外端)は、左側面70Lの第2方向後側の部位であって、左側面70Lの内側に設けられた段差凹部701Lに接続される。第1案内溝77Lは、右端から左端に延びる延設方向における中間部において、屈曲部771Lが設けられる。第1案内溝77Lは、第1収納部76に接続される右端から、左後側に向けて屈曲部771Lまで延設され、屈曲部771Lから、左側に向けて段差凹部701Lに接続する左端まで延設される。即ち、第1案内溝77Lは、第1収納部76から屈曲部771Lを経て第1方向の左側に延設される。第1案内溝77Lは、上側に凹んだ溝部であり、第1収納部76に収納されたACアダプタ3から延びる電源ケーブル3Aを挿入可能である。第1案内溝77Lは、電源ケーブル3Aが挿入された場合、電源ケーブル3Aを筐体70の左側面70Lへと案内する。第1案内溝77Lの溝幅は、電源ケーブル3Aの線幅よりも若干大きい。第1案内溝77Lには、その溝幅を狭くする方向に突出する突起部772L(係止部に相当)が複数個設けられる。突起部772Lは、第1案内溝77Lに挿入された電源ケーブル3Aが抜けないように電源ケーブル3Aを係止可能である。ユーザは、使用形態に応じて、第1案内溝77Rおよび77Lの一方に電源ケーブル3Aを挿入すればよい。
【0023】
図2(b)に示すように、裏面70Bには、筐体70の外縁の左側面70Lより内側の位置において、第2方向に延設される段差凹部701Lが設けられる。段差凹部701Lは、上側に凹んだ凹部であり、裏面70Bに対し段差が形成される。段差凹部701Lには、第1案内溝77Lの左端が接続される。第1案内溝77Lに電源ケーブル3Aが挿入された場合、段差凹部701Lは、左端から延出する電源ケーブル3Aを第2方向に沿って案内する。
【0024】
裏面70Bには、第1収納部76の第2方向後側の部位に、第2収納部78が設けられる。第2収納部78は、上側に凹んだ凹部である。第2収納部78の凹部の内部形状は、第1収納部76の凹部の内部形状よりも小さい。第2収納部78は、第1収納部76の一部と連通している。第2収納部78と第1収納部76は、連通凹部781により連通される。連通凹部781は、ACアダプタ3から延びるDCケーブル3Bを、第1収納部76から第2収納部78案内する。
図2(a)に示すように、第2収納部78の凹部における第1方向左側の壁面には、コネクタ782が設けられる。コネクタ782は、DCケーブル3Bの先端のプラグ31Bを接続可能である(
図4参照)。又、コネクタ782は、装着面70Uの台側端子74におけるバッテリ充電用の第2端子群と電気的に接続される。
【0025】
図2(b)に示すように、第1収納部76の凹部における第1方向右側の壁面には、第1ポート762が設けられる。第1ポート762は、イーサネットケーブル2の差込コネクタが接続可能である(
図4参照)。第1ポート762は、筐体70内で、装着面70Uの台側端子74におけるデータ通信用の第1端子群と電気的に接続されている。
【0026】
裏面70Bには、第1収納部76から、筐体70の外縁の左側面70Lに延びるように第2案内溝79が設けられる。第2案内溝79の右端は、第1収納部76の第1方向左側と接続される。
図2(b)に示すように、第2案内溝79の左端は、左側面70Lの第2方向前側の部位に位置する。第2案内溝79は、第1収納部76から第1方向左側へ略直線状に延設される。第2案内溝79は、上側に凹んだ溝部であり、第1ポート762に接続されたイーサネットケーブル2を挿入可能である。第2案内溝79は、イーサネットケーブル2が挿入された場合、イーサネットケーブル2を筐体70の左側面70Lへと案内する(
図4参照)。
図3に示すように、第2案内溝79の中心を通って第1方向に延びる仮想延長線を規定した場合、第1ポート762は、この仮想延長線上に位置する。
【0027】
図2(a)に示すように、筐体70の第1方向右側の右側面70Rには、第2ポート702Rが設けられる。
図3に示すように、第2ポート702Rは、第1ポート762よりも第1方向右側であって、第2案内溝79の仮想延長線上に位置する。第2ポート702Rには、他の充電台7の左側面70L(第2案内溝79の外端)から延出するイーサネットケーブル2の差込コネクタが接続可能である。第2ポート702Rは、筐体70内で、第1ポート762と電気的に接続される。
【0028】
<ACアダプタ及びイーサネットケーブルの収納方法>
図4(a)及び
図5に示すように、ACアダプタ3が、充電台7の裏面70Bにおける第1収納部76に載置される。このとき、電源ケーブル3A及びDCケーブル3Bが、ACアダプタ3から、それぞれ第1方向の右側及び左側に延出する。電源ケーブル3Aは、第1案内溝77Rの左端から、屈曲部771Rを経て右端まで挿入されて、筐体70の外縁である右側面70Rに案内される。第1案内溝77Rに挿入された電源ケーブル3Aは、突起部772Rにより係止される。第1案内溝77Rの右端から延出する電源ケーブル3Aは、段差凹部701Rにより、第2方向の後側に沿って案内される。
【0029】
図4(b)及び
図5に示すように、イーサネットケーブル2の差込コネクタが、第1収納部76の第1ポート762に接続される。イーサネットケーブル2は、第2案内溝79の右端から左端まで挿入されて、筐体70の外縁である左側面70Lに案内される。第1収納部76内であって、ACアダプタ3の載置時に空くスペースに対し、イーサネットケーブル2は、余長分が収納可能に折り束ねられる。そして、第1収納部76にて、ACアダプタ3、及び、余長分が折り束ねられたイーサネットケーブル2は、面ファスナー761が巻き付けられて、一体的に固定される。
【0030】
ACアダプタ3が固定された後、
図4(a)及び
図5に示すように、DCケーブル3Bは、第1収納部76に接続する連通凹部781に案内されて、プラグ31Bが第2収納部78に到達する。プラグ31Bは、第2収納部78のコネクタ782に接続される。
【0031】
以上のようにして、ACアダプタ3及びイーサネットケーブル2の余長分は、充電台7に収納される。ACアダプタ3及びイーサネットケーブル2が、充電台7に接続されることで、装着面70Uの台側端子74の電極群に、電圧V及び信号Sが到達する。このため、印刷装置1が充電台7に装着されると、印刷装置1のバッテリが充電され、印刷装置1に対しデータが送受信される。
【0032】
なお、電源ケーブル3Aは、第1案内溝77Rに挿入されて、右側面70Rに案内されたが、これに代えて、第1案内溝77Lに挿入されて、左側面70Lに案内されてもよい。
【0033】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の充電台7においては、筐体70の裏面70Bに設けられた第1収納部76に、ACアダプタ3が収納されて用いられる。ACアダプタ3から延びる電源ケーブル3Aは、第1案内溝77Rまたは77Lに挿入された状態で案内され、筐体70の外縁の右側面70Rまたは左側面70Lへと導かれる。本実施形態によれば、第1案内溝77R、77Lにより、電源ケーブル3Aをはい回す処理を容易化できる。
【0034】
第1案内溝77R、77Lは、延設方向における中間部に位置する屈曲部771R、771Lにおいて、屈曲している。本実施形態によれば、仮に電源ケーブル3Aが不用意に引っ張られたとしても、屈曲部771R、771Lにおける電源ケーブル3Aと第1案内溝77R、77Lとの摩擦抵抗により、電源ケーブル3AがACアダプタ3から抜けてしまうのを回避できる。
【0035】
以上の構成により、本実施形態によれば、ACアダプタ3が充電台7に収納された状態において、ACアダプタ3から電源ケーブル3Aが抜けてしまうのを回避できる。
【0036】
また、本実施形態では特に、第1案内溝77R、77Lに突起部772R、772Lが設けられている。突起部772R、772Lは、第1案内溝77R、77Lの溝幅を狭くする方向に突出して設けられ、挿入された電源ケーブル3Aを抜けないように係止することができる。本実施形態によれば、突起部772R、772Lによって電源ケーブル3Aを係止するので、電源ケーブル3Aの収納性を向上できる。
【0037】
また、本実施形態では特に、電源ケーブル3Aを挿入する溝として、第1案内溝77Rと第1案内溝77Lとの2つが設けられている。第1案内溝77Rは第1収納部76から第1方向の右側に延びる。第1案内溝77Lは第1収納部76から第1方向の左側に延びる。本実施形態によれば、2つの第1案内溝77L、77Rを使用可能であることから、使用形態に応じて電源ケーブル3を出す方向を変更することができ、利便性を向上できる。
【0038】
また、本実施形態では特に、イーサネットケーブル2を案内可能な第2案内溝79を備える。第1収納部76には、イーサネットケーブル2を接続可能な第1ポート762が設けられる。第2案内溝79は、第1ポート762に接続されたイーサネットケーブル2を、第1収納部76から第1方向左側へと延設し、筐体70の外縁の左側面70Lへと案内する。本実施形態によれば、第2案内溝79により、イーサネットケーブル2をはい回す処理を容易化できる。
【0039】
また、本実施形態では特に、イーサネットケーブル2が接続される第1ポート762が、第1収納部76の第1方向右側の壁面に設けられている。本実施形態によれば、第1収納部76の第1方向右側壁面の第1ポート762に接続されたイーサネットケーブル2を、第1収納部76から第2案内溝79により第1方向左側へと円滑に延設し、筐体70の外縁の左側面70Lへと案内することができる。
【0040】
また、本実施形態では特に、イーサネットケーブル2を接続可能な第2ポート702Rが備えられている。第2ポート702Rは、筐体70の第1方向右側の右側面70Rにおける、第2案内溝79の仮想延長線上の位置に設けられている。ここで、複数の充電台7を同時に使用する場合を想定する。一例として、2台の充電台7を第1方向に並べて配置した場合、第1方向右側に配置する第1充電台7の第2案内溝79に案内されて筐体70外縁(左側面70L)に導かれたイーサネットケーブル2の左端の差込コネクタと、第1方向左側に配置する第2充電台7の第2ポート702Rとが、第1方向に向かい合う位置にすることができる。このように本実施形態によれば、複数の充電台7を第1方向に並べて配置し、各充電台7をイーサネットケーブル2でそれぞれ接続した場合でも、各充電台7を接続するイーサネットケーブル2が筐体70の外部に見苦しく露出しないように配線することができる。
【0041】
また、本実施形態では特に、例えば第1方向の右側または左側の端部(右側面70Rまたは左側面70L)を壁面に密着させたり、第1方向の右側または左側の端部(右側面70Rまたは左側面70L)に対し他の充電台7を密着させて使用する場合があり得る。そのような場合、第1案内溝77Rまたは77Lを介し第1方向の右側または左側へと案内されてきた電源ケーブル3Aを、そのまま筐体70の外縁から第1方向の右側または左側へと導出するのは困難である。本実施形態においては、筐体70の裏面70Bに、電源ケーブル3Aを案内する段差凹部701R、701Lが設けられている。段差凹部701R、701Lは、筐体70の外縁より内側にて第2方向に延設され、電源ケーブル3Aを第2方向に案内可能である。本実施形態によれば、上記のような場合であっても、第1案内溝77Rまたは77Lにより第1方向の右側または左側へと案内されてきた電源ケーブル3Aを、段差凹部701Rまたは701Lにより第2方向に案内することで、円滑に筐体70の外部へと導くことができる。
【0042】
また、本実施形態では特に、第1収納部76とは別に、第2収納部78が設けられる。第2収納部78は、第1収納部76の一部と連通している。第2収納部78には、コネクタ782が設けられている。コネクタ782は、第1収納部76に収納されたACアダプタ3から延びるDCケーブル3Bの先端のプラグ31Bを接続可能である。本実施形態においては、DCケーブル3Bのプラグ31Bを接続するコネクタ782を第1収納部76に設ける場合に比べ、ACアダプタ3からコネクタ782までの距離を比較的大きく確保することができ、また、コネクタ782の位置が視覚的に分かりやすい。本実施形態によれば、DCケーブル3Bを急曲線にて折り曲げる必要がなくなり、DCケーブル3Bを配線して収納するときの労力を低減し、かつDCケーブル3Bの損傷を回避できる。また本実施形態によれば、第1収納部76にACアダプタ3を収納した後において、DCケーブル3Bのプラグ31Bをコネクタ782に対し接続することができる。
【0043】
また、本実施形態では特に、第1収納部76内にテープ状の面ファスナー761が設けられる。面ファスナー761は、ACアダプタ3又はイーサネットケーブル2を固定することができる。本実施形態によれば、固定部材によってACアダプタ3又はイーサネットケーブル2を固定するので、それらの第1収納部76への収納性を向上できる。
【0044】
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態において、第1案内溝77R、77Lには、屈曲部771R、771Lがそれぞれ1つずつ設けられる。これに代えて、第1案内溝77R、77Lに、複数の屈曲部がそれぞれ設けられてもよい。これによっても、電源ケーブル3AがACアダプタ3から抜けてしまうのを回避できる。
【0045】
また、上記実施形態において、裏面10Bには、第1案内部として、2つの第1案内溝77R、77Lが設けられる。これに代えて、第1案内溝77R、77Lのうち、何れか一方のみが設けられてもよい。これによれば、第1案内溝が2つ設けられる場合に比して、裏面10Bにおける各部位の配置、形状等、設計の自由度を向上できる。
【0046】
また、上記実施形態において、第1収納部76に設けられた面ファスナー761により、イーサネットケーブル2及びACアダプタ3の両方が固定される。これに代えて、面ファスナー761により、イーサネットケーブル2及びACアダプタ3のうち、何れか一方のみが固定されてもよい。
【0047】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0048】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0049】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 印刷装置
2 イーサネットケーブル
3 ACアダプタ
3A 電源ケーブル
3B DCケーブル
31B プラグ
7 充電台
70 筐体
70B 裏面
70L 左側面
70R 右側面
70U 装着面
701L、701R 段差凹部
702R 第2ポート
76 第1収納部
761 面ファスナー
762 第1ポート
77L、77R 第1案内溝
771L、771R 屈曲部
772L、772R 突起部
78 第2収納部
782 コネクタ
79 第2案内溝