IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本フォトサイエンスの特許一覧 ▶ 水道機工株式会社の特許一覧 ▶ 日本軽金属株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-紫外線照射装置 図1
  • 特開-紫外線照射装置 図2
  • 特開-紫外線照射装置 図3
  • 特開-紫外線照射装置 図4
  • 特開-紫外線照射装置 図5
  • 特開-紫外線照射装置 図6
  • 特開-紫外線照射装置 図7
  • 特開-紫外線照射装置 図8
  • 特開-紫外線照射装置 図9
  • 特開-紫外線照射装置 図10
  • 特開-紫外線照射装置 図11
  • 特開-紫外線照射装置 図12
  • 特開-紫外線照射装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104169
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/32 20060101AFI20220701BHJP
   B01J 19/12 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
C02F1/32
B01J19/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219209
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】391031155
【氏名又は名称】株式会社日本フォトサイエンス
(71)【出願人】
【識別番号】000193508
【氏名又は名称】水道機工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004743
【氏名又は名称】日本軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁
(72)【発明者】
【氏名】山越 裕司
(72)【発明者】
【氏名】北村 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】橋本 暢之
(72)【発明者】
【氏名】山岸 貴行
(72)【発明者】
【氏名】吉村 玖瑠美
(72)【発明者】
【氏名】北 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 正憲
(72)【発明者】
【氏名】河本 知広
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄一郎
【テーマコード(参考)】
4D037
4G075
【Fターム(参考)】
4D037AA02
4D037AB03
4D037BA18
4D037BB01
4D037BB04
4D037CA02
4G075AA15
4G075AA61
4G075BA04
4G075BB10
4G075CA33
4G075DA02
4G075EB33
4G075EC09
4G075FB02
4G075FB06
4G075FB12
4G075FB13
4G075FC04
(57)【要約】
【課題】水路を流れる被処理液体を効率的に紫外線処理する。
【解決手段】照射アセンブリ(10)は、胴状体(11)と紫外線ランプ(12)とを含む。胴状体(11)は、上面(11a)及び下面(11b)が開口し、側面(11c)が閉塞され、該側面の内面が反射面として形成されている。紫外線ランプ(12)は、液密性及び紫外線透過性をもつ保護管(13)内に収容された状態で、前記胴状体(11)内に配置されている。照射アセンブリ(10)は、被処理液体が流れる開水路内に配置され、胴状体の上面及び下面の開口の一方を入口とし他方を出口として該胴状体内を通過する被処理液体に紫外線ランプが発する紫外線及び反射面からの反射光を照射する。照射アセンブリ(10)は整流体(20)内に挿入される。整流体(20)は、その入口部(21)から入った被処理液体が、その内部の胴状体(11)内を上下方向に通過するように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面が開口し、側面が閉塞されている胴状体であって、前記側面の内面が反射面として形成されているものと、
液密性及び紫外線透過性をもつ保護管内に収容された状態で、前記胴状体内に配置される紫外線ランプと、
を含む照射アセンブリを備え、
前記照射アセンブリは被処理液体が流れる水路内に配置され、前記胴状体の前記上面及び下面の開口の一方を入口とし他方を出口として該胴状体内を通過する前記被処理液体に前記紫外線ランプが発する紫外線及び前記反射面からの反射光を照射することを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
前記胴状体は角型形状を成していて、前記側面は複数の平坦面からなり、各平坦面の内面に形成される前記反射面がそれぞれ平坦な反射面からなっている、請求項1の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記反射面は、着脱可能な反射板によって形成される、請求項1又は2の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記反射板は、平坦面形状からなり、かつ、その両面が反射性能を持ち、前記反射面として使用する面を切り換えることができることを特徴とする、請求項3の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記側面は、前記反射板と、該反射板の一面を覆うように配置される保護部材とを含み、前記反射板の他面が前記反射面として機能するように構成された、請求項2又は3の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記側面は、前記反射板と、前記保護部材と、該保護部材の反対側で前記反射板の周縁に沿って配置された縁枠部材とを含み、前記縁枠部材と前記保護部材との間で前記反射板を挟み込み、前記縁枠部材の内側開口から露出する前記反射板の他面が前記反射面として機能するように構成された、請求項5の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記縁枠部材と前記保護部材は、前記反射板を挟み込んだ状態で該反射板にオーバーラップしない周縁領域を有し、この周縁領域においてネジ及び/又はボルトのような固定部材を介して相互に固定されるように構成された、請求項6の紫外線照射装置。
【請求項8】
前記照射アセンブリを囲む整流体をさらに備え、
前記整流体は、開口した入口部と囲み壁とを含み、前記胴状体の前記上面又は下面の一方が該整流体内に入り込み他方が該整流体の外に臨んだ状態で、該整流体の前記囲み壁により前記照射アセンブリを囲み、
前記整流体の前記入口部から入った前記被処理液体が前記囲み壁で案内されて前記照射アセンブリの前記胴状体内の前記上面又は下面の一方に入り他方から出るように構成されている、請求項1乃至7のいずれかの紫外線照射装置。
【請求項9】
前記整流体は、挿入口をさらに含み、該挿入口を介して前記照射アセンブリの前記胴状体が前記整流体内に挿入され、前記胴状体の前記上面又は下面の一方が前記整流体内に入り込み、他方が前記挿入口を介して前記整流体の外に臨んだ状態で、前記整流体が前記照射アセンブリに取り付けられる、請求項8の紫外線照射装置。
【請求項10】
沈下物を受理するための受け皿が、前記整流体の底部又は前記照射アセンブリの下方に配置される請求項1乃至9のいずれかの紫外線照射装置。
【請求項11】
前記胴状体の上方に配置され、前記紫外線ランプに対して電力を供給する装置を収納した制御ボックスと、
前記照射アセンブリで処理済みの前記被処理液体が流れ出る下流空間において、所与の高さで設けられた堰と
を更に備え、前記堰の前記所与の高さは前記制御ボックスの底面よりも高く設定されている、請求項1乃至10のいずれかの紫外線照射装置。
【請求項12】
前記堰は、高さ調整可能に設けられた移動堰を含み、この移動堰は、前記所与の高さ以上の高さに調整可能である、請求項11の紫外線照射装置。
【請求項13】
前記照射アセンブリで処理済みの前記被処理液体が流れ出る下流空間から、液体を排出するための開閉調整可能なドレイン部を更に備えた、請求項1乃至12のいずれかの紫外線照射装置。
【請求項14】
複数の前記照射アセンブリが前記水路内に配置され、
各照射アセンブリに対応して、当該照射アセンブリで処理済みの前記被処理液体が流れ出る下流空間を個別に区切るための仕切りをそれぞれ設け、
各照射アセンブリに対応する前記下流空間において、高さ調整可能に設けられた移動堰を設けてなる、請求項1乃至11のいずれかの紫外線照射装置。
【請求項15】
前記移動堰は、各照射アセンブリに対応する前記下流空間において、個別に高さ調整可能である、請求項14の紫外線照射装置。
【請求項16】
各照射アセンブリに対応する前記下流空間において、当該下流空間から液体を排出するための開閉調整可能なドレイン部をそれぞれ設けた、請求項14又は15の紫外線照射装置。
【請求項17】
前記照射アセンブリと前記整流体の組合せからなるユニットを複数個備え、これら複数個のユニットを前記水路に配列してなる、請求項8又は9の紫外線照射装置。
【請求項18】
前記ユニット毎に、沈下物を受理するための受け皿が、前記整流体の底部にそれぞれ配置される請求項17の紫外線照射装置。
【請求項19】
前記水路は浄水処理用の水路である、請求項1乃至18のいずれかの紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路を流れる被処理液体を効率的に紫外線処理(消毒、殺菌等)するのに適した、水路内設置型の紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被処理液体が流れる水路(例えば開水路)内に設置されるタイプの紫外線照射装置は、従来から知られており、例えば下記特許文献1及び2に示されたようなものがある。従来から知られた水路内設置型の紫外線照射装置は、主として汚水処理に適したものであり、浄水処理に適したものはあまりない。例えば、浄水処理に適したものとするには、被処理水に対する紫外線照射効率を高くすることが要求されるが、そのためには紫外線ランプの配置密度を高くする必要があるなど、コスト高になる傾向がある。これに対して、純水生成設備などにおいては、ステンレス製タンクのような高耐圧性の閉鎖型容器内に紫外線ランプを配置し、加圧された被処理液体を該閉鎖型容器内に導入して紫外線処理を行うことも広く知られている(例えば下記特許文献3)。しかし、そのような高耐圧性の閉鎖型容器を用いる設備はコスト高になる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-309568
【特許文献2】特開2001-29948
【特許文献3】特開2007-275825
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、水路を流れる被処理液体を効率的に紫外線処理するのに適した紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る紫外線照射装置は、上面及び下面が開口し、側面が閉塞されている胴状体であって、前記側面の内面が反射面として形成されているものと、液密性及び紫外線透過性をもつ保護管内に収容された状態で、前記胴状体内に配置される紫外線ランプと、を含む照射アセンブリを備え、前記照射アセンブリは被処理液体が流れる水路内に配置され、前記胴状体の前記上面及び下面の開口の一方を入口とし他方を出口として該胴状体内を通過する前記被処理液体に前記紫外線ランプが発する紫外線及び前記反射面からの反射光を照射することを特徴とする。
【0006】
前記照射アセンブリは、紫外線ランプと該紫外線ランプを収納する胴状体とを含んで構成されており、該胴状体は、上面及び下面が開口し、側面が閉塞されているものであり、該照射アセンブリを水路内に配置して、被処理液体を該胴状体内で上下方向に通過させるのに適した構成からなっている。また、胴状体の側面の内面が反射面として形成されているので、その内部に収納された紫外線ランプから放射された紫外線が該反射面で内向きに反射されることにより、該胴状体内を通過する被処理液体に対して紫外線照射を効率的に行うことができる。これにより、胴状体内に配置される紫外線ランプの数及び又は電力を節約することができる。
【0007】
本発明に係る紫外線照射装置は、さらに、前記照射アセンブリを囲む整流体を備えてよく、前記整流体は、開口した入口部と囲み壁とを含み、前記胴状体の前記上面又は下面の一方が該整流体内に入り込み他方が該整流体の外に臨んだ状態で、該整流体の前記囲み壁により前記照射アセンブリを囲み、前記整流体の前記入口部から入った前記被処理液体が前記囲み壁で案内されて前記照射アセンブリの前記胴状体内の前記上面又は下面の一方に入り他方から出るように構成され得る。前記整流体は、挿入口をさらに含んでいてよく、該挿入口を介して前記照射アセンブリの前記胴状体が前記整流体内に挿入され、前記胴状体の前記上面又は下面の一方が前記整流体内に入り込み、他方が前記挿入口を介して前記整流体の外に臨んだ状態で、前記整流体が前記照射アセンブリに取り付けられるようにしてよい。
【0008】
これによれば、照射アセンブリを構成する胴状体とは別に、該照射アセンブリを囲むように整流体を設けることにより、両者(胴状体と整流体)の組合せにより、水路を流れる被処理液体が効果的に照射アセンブリ内を通過するように構成した、ユニット化された紫外線照射装置を提供することができる。このような整流体を含んでユニット化された紫外線照射装置にあっては、どのような環境の水路に配置された場合であっても、整流体による所定の整流作用によって、照射アセンブリ内に導入する被処理液体の状態(量、速度等)を可及的に均一化できる、という効果をもたらす。したがって、ランプの電力及びユニットの物理的構造等によって本紫外線照射装置の処理性能を規定した場合、どのような環境の水路に配置された場合でも、水路の環境にシビアに影響されることなく、所与の規定を満たす処理性能を可及的に発揮し得るようにすることができる、という効果が期待できる。
【0009】
また、このようなユニット化された紫外線照射装置は、適用する水路のサイズ(横幅等)に合わせて1又は複数のユニットを配置することを可能にするので、様々な水路内設置型の液体処理プラントにおいて効率的に適用することができる。また、胴状体と整流体の両者の組合せにより、適切な取水と排出の配置構造を組み立てることができ、多様な水路環境の相違に適応させて、この紫外線照射装置を設置することができる。つまり、照射アセンブリを囲む整流体の前記入口部は、適用する水路における取水環境に応じて適切に配置することができる。このことは、照射アセンブリの規格化(つまり、胴状体の上面及び下面を開口として、被処理液体を該胴状体内で上下方向に通過させるよう規格化すること)を実現する一方で、該規格化された照射アセンブリをどのような水路環境においても適用することができる、ということを意味する。したがって、処理性能の向上・効率化のみならず、規格化によるコストの節約も期待できる。
【0010】
好ましい一実施例によれば、前記整流体の底部において、沈下物を受理するための受け皿を配置してもよい。そのような受け皿は、万が一、照射アセンブリ内の紫外線ランプが破損したような場合、その破損片を安全にかつ速やかに回収するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る紫外線照射装置の一実施例を略示する斜視図。
図2図1の照射アセンブリ内に配置される紫外線ランプを抽出して、その配置例を拡大して略示する斜視図。
図3図1の照射アセンブリに組合せられる整流体の一例を略示する斜視図。
図4】本発明に係る紫外線照射装置の一実施例として、図1の照射アセンブリと図3の整流体を組み合わせた状態を略示する斜視図。
図5】本発明に係る紫外線照射装置を水路内に設置した状態を略示する一部断面側面図。
図6図5の変形例を示す一部断面側面図。
図7図6の変形例を示す一部断面側面図。
図8】本発明に係る紫外線照射装置の別の実施例として、照射アセンブリと整流体の組み合わせからなるユニットを複数併設した状態を略示する斜視図。
図9】着脱可能な反射板によって照射アセンブリの反射面を形成する実施例を示す一部分解斜視図。
図10図9の実施例における側部フレームに設置するU字溝又はスリット等の一例を示す一部断面・部分拡大斜視図。
図11】照射アセンブリの反射面を着脱可能に構成した別の実施例を示す一部分解斜視図。
図12図11の実施例における照射アセンブリの胴状体の側面の多層構造例を示す拡大分解斜視図。
図13図11の実施例における照射アセンブリの胴状体の側面の別の構造例を示す拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1において、本発明の一実施例に係る紫外線照射装置1は照射アセンブリ10を備える。照射アセンブリ10は、胴状体11と、該胴状体11内に配置される1又は複数の紫外線ランプ12を含む。胴状体11は、上面11a及び下面11bが開口し、側面11cがすべて閉塞されており、側面11cの内面が反射面として形成されている。図示例では、胴状体11は、側面11cが4つの平坦面からなる角型形状を成している。このような角型形状の胴状体11にあっては、側面11cを成す4面がそれぞれ平坦面であるため、各平坦面の内面に形成される前記反射面をそれぞれシンプルな平坦な反射板によって形成できるので有利である。しかし、これに限らず、胴状体11の側面11cの形状は円筒形であってもよく、あるいは、3面若しくは5面以上の多角形状等、任意であってよい。
【0013】
紫外線ランプ12は、図2に示すように、液密性及び紫外線透過性をもつ保護管13内に収容された状態で、胴状体11内に配置される。なお、図2では、単なる一例として4個の紫外線ランプ12が胴状体11内に配置される例を示しているが、胴状体11内に配置される紫外線ランプ12はこれに限らない。一例として、紫外線ランプ12は直線形の発光管を持ち、胴状体11の側面11cに形成する反射面の縦方向(上下方向)のサイズは、少なくとも該紫外線ランプ12の発光管の長手方向の長さ(発光長)に対応するものとし、紫外線ランプ12から放射された紫外線が該反射面にて内向きに反射されるようにする。なお、胴状体11の前記側面11c(すなわち前記反射面)の縦方向(上下方向)のサイズを発光長よりも長くすると圧損が高まるという不利があり、逆に、該サイズを発光長よりも短くすると照射性能が低下する不利がある。よって、該サイズを発光長と略同等とすることには、これらの不利を回避できるという利点がある。
【0014】
詳しくは、図1に示すように、照射アセンブリ10はフレーム14に取り付けられている。該フレーム14は、上部フレーム14a及び下部フレーム14bと、その間に延びた4本の側部フレーム14cとを持ち、該4本の側部フレーム14cは、前記角型の胴状体11を所定の配置で支持する。紫外線ランプ12を収納した保護管13は、その上端及び下端にて、上部フレーム14aと下部フレーム14bにて支持される。前述のように紫外線ランプ12から放射された紫外線が効率的に反射面にて反射されるようにするために、保護管13内の紫外線ランプ12と胴状体11の側面11cとが適切に対応するように、両者間の配置が決定される。なお、保護管13の支持構造の変形例として、保護管13の少なくともその上端又は下端にて上部フレーム14a又は下部フレーム14bにて支持されるようにしてもよい。また、保護管13の下端は、試験管のように、側面のガラス材質(紫外線透過材質)と同材質によって一体的に封止形成されていてもよい。別の例として、保護管13の下端は、側面のガラス材質(紫外線透過材質)とは別材質によって形成されていてもよく、その場合は側面と下端(底面)との接合部をパッキン等によって液密に保持する。なお、フレーム14の素材には、例えばステンレススチールのような剛性及び耐腐食性を持つ金属素材を使用し得る。また、図示の便宜上、側部フレーム14c等のフレーム14の各部品は、角棒状あるいは板状に描いてあるが、これに限らず、アングル材からなってもよい。
【0015】
なお、胴状体11において、上面11aの開口の周囲に水平方向に突出したフランジ11dが設けられている。このフランジ11dは、後述するように整流体20に対する取付け用部位として機能し得ると共に、必要に応じて、照射アセンブリ10を水路内に設置する際の取付け用部位として、あるいは、閉塞用若しくは整流用の仕切り部材としても機能し得る。側部フレーム14cは、胴状体11の上面11aよりも上方に延びており、該側部フレーム14cの上端に上部フレーム14aが位置する。上部フレーム14aの上には、制御ボックス15が取り付けられており、該制御ボックス15内には紫外線ランプ12に対して電力を供給する装置(不図示)が収納される。保護管13の上端は制御ボックス15内に通じており、紫外線ランプ12の電気配線が保護管13内を通って制御ボックス15内の前記電力を供給する前記装置に接続される。このように、制御ボックス15は胴状体11の上方に配置される。制御ボックス15の少なくとも底面寄りの部分は、水路内の被処理液体に触れたとしても該ボックス15内に液体が侵入しないように、液密に構成されている。
【0016】
以上のような構成からなる照射アセンブリ10は、被処理液体が流れる水路内に配置される。詳しくは、照射アセンブリ10は図1に示すように直立した状態で水路内に配置され、該水路を流れる被処理液体が、胴状体11の上面11a及び下面11bの開口を通って該胴状体11内を上下方向(縦方向)に通過する。該胴状体11内を通過する被処理液体に対して、紫外線ランプ12が発する紫外線及び側面11cの反射面からの反射光が照射される。これにより、被処理液体の消毒、殺菌等の浄化処理が紫外線によりなされる。このように照射アセンブリ10内の紫外線ランプ12の長さ方向が水路内で上下方向(縦方向)を成すような配置は、水路内での上下方向(縦方向)に関して、より広い範囲にわたる紫外線照射を確保することができるので、水路内での被処理液体の深さの変動に対して効率的に対処し得ることになり、有利である。すなわち、例えば紫外線ランプの長さ方向が水路内で水平方向(横方向)を成すような配置とした場合は、水路内での被処理液体の深さの変動に対処するべく、水路内での上下方向(縦方向)に関して、より広い範囲にわたる紫外線照射を確保するためには、多数の紫外線ランプを上下方向(縦方向)に並べる必要があり、コスト高になる。しかし、本実施例のように、照射アセンブリ10内の紫外線ランプ12の長さ方向が水路内で上下方向(縦方向)を成すような配置とすれば、そのような不利はない。また、紫外線ランプ12の長さ方向が水路内で上下方向(縦方向)を成すような配置とすることにより、紫外線ランプ12の交換にあたって、照射アセンブリ10及び整流体20を水路から抜き出すことなく、保護管13の上端から紫外線ランプ12を出し入れすることによりランプ交換を行うことができるように設計することができるので、そのようにすればランプ換作業が容易となる。また、紫外線ランプ12の長さ方向が水路内で上下方向(縦方向)を成すような配置とすることにより、保護管13の上部における漏水の危険性を減ずることができる。特に、保護管13の形状がその下端を側面と一体的に封止形成した試験管型からなるものであれば、保護管13の下部における漏水の可能性は略ゼロとなり、上部でのみ漏水の可能性があることになるが、上部での水圧は低いので、全体的に漏水の危険性がかなり低くなる。
【0017】
なお、水路を流れる被処理液体が汚水である場合は、胴状体11の側面11cの反射面に汚れが付着する頻度が高くなる。反射面に付着した汚れを除去するために、側面11cの反射面の清掃を適切に(例えば頻繁に)行うことが望ましい。一方、水路を流れる被処理液体が汚水でない場合、つまり本発明に係る紫外線照射装置1を浄水処理に適用する場合、胴状体11の側面11cの反射面に汚れが付着する頻度は高くない。よって、側面11cの反射面の清掃は少ない頻度で適宜行えばよいか、若しくはメンテナンスフリーとなるかもしれない。したがって、本発明に係る紫外線照射装置1は浄水処理用の水路に適用するのに一層適している。しかし、本発明に係る紫外線照射装置1はその他任意の目的の液体処理に適用可能であるのは勿論である。
【0018】
水路内に配置した照射アセンブリ10内の上下方向(縦方向)に被処理液体を効率的に通過させるために、適宜の水流調整又は整流手段(例えば堰、仕切り等)を水路内に設けることが好ましい。水路におけるそのような水流調整又は整流手段の設置の仕方に応じて、胴状体11内を通過する被処理液体の流れを上向き又は下向きのどちらに設定することも可能である。具体的には、被処理液体の流れを上向きに設定するには、水路の上流から到来した被処理液体が胴状体11の下面11bの開口から入り込むように堰及び/又は仕切り等を設置すればよく、反対に、被処理液体の流れを下向きに設定するには、水路の上流から到来した被処理液体が胴状体11の上面11aの開口から入り込むように堰及び/又は仕切り等を設置すればよい。以下では、胴状体11内を通過する被処理液体の流れが上向き(すなわち、上面11aの開口が出口、下面11bの開口が入口)に設定されているものとして説明する。なお、水路における上流から下流への被処理液体の流れは適宜の高低差によって生成され得るので、特段のポンプを使用することなく、本発明に係る紫外線照射装置1を稼働させることが可能である。
【0019】
さらに、照射アセンブリ10内の上下方向(縦方向)に被処理液体を効率的に通過させるために、図3に示すような整流体20を照射アセンブリ10に組み合わせるとよい。整流体20は、開口した入口部21と囲み壁構造(23及び24)とを含み、前記胴状体11の上面11a又は下面11bの一方が該整流体20内に入り込み他方が該整流体20の外に臨んだ状態で、該整流体20の囲み壁構造(23及び24)により前記照射アセンブリ10を囲み、整流体20の前記入口部21から入った被処理液体が該囲み壁構造(23及び24)で案内されて該照射アセンブリ10の胴状体11内の上面11a又は下面11bの一方(入口)に入り他方(出口)から出るように構成されている。一例として、整流体20は、挿入口22をさらに含んでいて、該挿入口22を介して前記照射アセンブリ10の胴状体11が整流体20内に挿入され、胴状体の胴状体11の上面11a又は下面11bの一方(入口)に入り、他方(出口)が挿入口22を介して整流体20の外に臨んだ状態で、該整流体20が照射アセンブリ10に取り付けられる。
【0020】
図3の例では、整流体20は、照射アセンブリ10の胴状体11及び下部フレーム11bを緩く収納しうるサイズの角型形状を成しており、一側面に入口部21が形成され、他の3側面は壁面23となっており、上部に挿入口22が形成されている。また、整流体20の底部(下面)には受け皿24が配置されている。受け皿24は、必要に応じて取り外し可能に構成してもよいが、通常は整流体20の底部(下面)に固定されて、該底部(下面)を閉塞している。3面の壁面23と底部(下面)の受け皿24とによって、整流体20の囲み壁構造が形成されている。整流体20の上部には、挿入口22の周囲に水平方向に突出したフランジ25が設けられている。このフランジ25の内幅(内径)は前記胴状体11の前記フランジ11dの外幅(外径)より小さく、フランジ25の外幅(外径)は胴状体11の前記フランジ11dの外幅(外径)より大きい。整流体20のフランジ25は、照射アセンブリ10と整流体20とを組み合わせてなる紫外線照射装置1を水路内に設置する際の取付け用部位として、あるいは、閉塞用若しくは整流用の仕切り部材としても機能し得る。
【0021】
図4は、図1の照射アセンブリ10と図3の整流体20を組み合わせた状態を略示する斜視図である。この図に示すように、本発明の一実施例によれば、紫外線照射装置1は、照射アセンブリ10と整流体20を組合せてユニット化した状態からなるものとして提供され得る。組み立てる場合、整流体20の挿入口22から、図1の照射アセンブリ10を下部フレーム11bを下にして整流体20の内部に挿入し、図4に示すように照射アセンブリ10のフランジ11dが整流体20のフランジ25によって受け止められる状態になるまで入れ込む。この状態で、照射アセンブリ10のフランジ11dを整流体20のフランジ25に対して螺子等の適宜の固定手段によって固定する。こうして、照射アセンブリ10と整流体20が一体のユニットとして組み立てられる。このように組み立てた状態では、胴状体11の入口側の開口(図示例では、下面11b)が整流体20内に入り込み、出口側の開口(図示例では、上面11a)が挿入口22を介して整流体20の外に臨んだ状態となり、そして、整流体20の挿入口22の部分で、整流体20とその内側の胴状体11との間の隙間が閉塞される構造となっている。すなわち、照射アセンブリ10の上面11aに設けられるフランジ11dが、整流体20と胴状体11との間の隙間を閉塞する構造として機能する。こうして、胴状体11の内部を通過していない被処理液体(未処理の液体)が整流体20の挿入口22における上記隙間から漏れ出ることがない構造となっている。このような閉塞構造によって、整流体20の一側面に設けられた入口部21から取り入れられた被処理液体は、胴状体11の下面11bの開口(つまり入口側の開口)から胴状体11内に入り、胴状体11内を上向きに通過して上面11aの開口(つまり出口側の開口)から排出されることになる。
【0022】
整流体20の底部に設けられた受け皿24は、沈下物を受理する機能を果たす。万が一、照射アセンブリ10内の紫外線ランプ12あるいは保護管13が破損したような場合、その破損片を受け皿24によって受理することで、破損片が水路内に散逸することを防ぐことができる。メンテナンス時に、照射アセンブリ10と整流体20のユニットを水路から引き上げて、受け皿24内の破損片等沈下物を回収すればよい。
【0023】
なお、整流体20内に収納された照射アセンブリ10の胴状体11の外周と整流体11の壁面23との間の隙間距離、及び、受け皿24の深さ(つまり、胴状体11の下面11bから受け皿24の底(閉塞面)までの距離)は、水頭損失が小さくなることを条件に考慮して、適切に決定することが好ましい。
【0024】
図5は、本実施例に係る紫外線照射装置1を水路30内に設置した状態を略示する一部断面側面図である。紫外線照射装置1を設置する水路30は、仕切り壁41を介して、処理済み液体を受け入れる処理済み水路40から仕切られている。水路30内で所定の高さで水平方向に延びた設置ベース32が仕切り壁41に固定される。設置ベース32には、整流体20の壁面23の部分の横方向サイズに適合する開口32aが設けられている。該開口32aのサイズはフランジ25の外幅(外径)よりは小さく、整流体20の壁面23の部分は開口32aを通過し得るが、フランジ25の部分は設置ベース32で係止される。設置するとき、照射アセンブリ10と整流体20の組合せからなるユニットを、受け皿24を下にして設置ベース32の開口32aに挿入し、図5に示すように整流体20のフランジ25が設置ベース32によって受け止められる状態になるまで入れ込む。この状態で、該ユニットは自重によって(つまり、浮力に抗するだけの自重によって)設置ベース32上に安定して配置され得る。勿論、必要に応じて、ボルト及びナット等の適宜の取付部材を用いて該ユニットのフランジ25を設置ベース32に固定又は半固定してもよい。
【0025】
一例として、設置ベース32は概ね矩形状の平面を成しており、設置ベース32の仕切り壁41寄りの一辺32bから上向きに垂直に堰31が形成されている。一例として、堰31は所与の高さh1を持つ固定堰であってよい。設置ベース32の他の辺32cにおいては、上向きに垂直に仕切り壁33が形成されている。図では、一辺32cから立ち上がった仕切り壁33のみが描かれているが、残りの2辺においても同様の仕切り壁が形成されている。これにより、照射アセンブリ10と整流体20の組合せからなるユニットを図5に示すように設置ベース32に固定した状態においては、照射アセンブリ10の出口(胴状体11の上面11aすなわち整流体20の挿入口22)側にて、堰31と3面の仕切り壁33と底部の取付ベース32とによって液密に仕切られた下流空間34が形成される。この下流空間34内に、照射アセンブリ10の出口から排出された処理済みの被処理液体が流れ出る。仕切り壁33の高さ及び水路30の上流空間(下流空間34以外の空間)の液面高さは、堰31(固定堰)の所与の高さh1より高い。よって、高低差によって上流空間から照射アセンブリ10を通過して下流空間34内に流れ出た処理済みの被処理液体は、該下流空間34から堰31を越えて処理済み水路40へと流れ出る。勿論、水路30における堰31以外の部分の仕切り壁(41等)の高さは、堰31の高さh1よりも高く、例えば仕切り壁33と同程度の高さである。
【0026】
このような設置構造により、水路30の上流空間内に存在する被処理液体は、該上流空間と下流空間34との間の液面の高低差によって、整流体20の入口部21からユニット内に入り、照射アセンブリ10内を矢印A方向に上向きに通過しつつ紫外線照射処理を受け、上部の出口から下流空間34内に至る。そして、下流空間34内の処理済みの被処理液体は、堰31から溢れ出て処理済み水路40に入りこむ。
【0027】
なお、紫外線照射装置1を設置する水路30は、その上方が外部環境に露出した(開かれた)開水路タイプであってもよいし、あるいは、その上方の全部又は少なくとも一部が蓋又は天井壁によって閉鎖された暗渠タイプであってもよい。開水路タイプの水路30は、チャンネル溝状の水流路であってもよいし、あるいは、流水出口を持つ濾過池若しくは溜池等であってもよい。水路30が濾過池若しくは溜池である場合、その流水出口の付近に本実施例に係る紫外線照射装置1を設置するのが好ましい。同様に、処理済み水路40も、開水路タイプであってもよいし、あるいは、暗渠タイプであってもよい。また、暗渠タイプの処理済み水路40は、その適宜の流域箇所において揚水ポンプを設け、処理済み水を下流方向に送り出すように構成した圧力渠であってもよい。
【0028】
本実施例に係る紫外線照射装置1に入る前段階における水路30内の被処理液体の液面高さh0と、下流空間34に設けられた堰31の高さh1との差が水頭損失を示す。本実施例に係る紫外線照射装置1の具体的仕様を設計するにあたっては、水頭損失を含む諸々の条件を適切に設定して設計すればよい。一例として、被処理液体はポンプの補助無しに水路30を自然流下させ、水頭損失を200mm以下に設定し、1kW性能の低圧ランプからなる紫外線ランプ12を照射アセンブリ10内に4本設置し、1ユニットで1日当たり40,000m3の被処理液体を処理することのできる紫外線照射装置1を設計することができ、このような仕様で適切な処理性能が得られることが確かめられた。
【0029】
一例として、堰31の所与の高さh1は、制御ボックス15の底面の高さh2よりも適度に高くなるように決定される。これにより、制御ボックス15の下部を下流空間34内の被処理液体に常に浸すことができ、該制御ボックス15の下部が空気に晒されることを防ぐ。浄水処理を行う場合、水路30の上流側において被処理液体を塩素消毒することが多い。そのような場合、下流空間34に達した被処理液体中に塩素成分が含まれることになり、下流空間34内の被処理液体の表面から塩素ガスが空気中に発散される。一般的な仕様として、防錆対策のために、制御ボックス15の下面はステンレススチールで覆われ、かつ、下側の照射アセンブリ10に関連する種々の部品(保護管13を止める部品や保護管13の表面を清掃するクリーニングプレート等)がステンレススチールで形成されることが有り得る。その場合、制御ボックス15の下部が被処理液体に接液していない場合、被処理液体の表面から空気中に発散された塩素ガスに制御ボックス15の下部が晒され、ステンレススチール製であってもこれらの部品に塩素ガスによる錆が生ずる。しかし、本実施例によれば、制御ボックス15の下部を下流空間34内の被処理液体に常に浸すことができるように、堰31の固定された高さ(又は最低高さ)h1を設定することにより、ステンレススチール製の部品が空気中に発散された塩素ガスに晒されることを防止し、もって、上記のような不都合を防止することができる。
【0030】
図6は、図5の変形例を示す一部断面側面図である。図6において、図5と異なる点は、堰31が高さ調整可能な移動堰35を含む点であり、その他は図5と同一構成であってよい。移動堰35は、前記所与の高さh1以上の高さに、段階的に又は連続的に、高さ調整可能であり、堰31の全域(横幅)にわたって設けられている。図では、移動堰35を最高の高さに設定した状態を点線35'で示しており、例えば仕切り壁33の高さと同程度である。移動堰35の最低高さは固定堰31の高さh1と同じかそれより適宜低くてもよい。すなわち、堰31は、移動堰35を具備することにより、最低高さh1から最高高さ(点線35'の高さ)の範囲で高さ調整可能とされる。移動堰35の高さを堰31の高さh1よりも適宜に高く設定することにより、下流空間34から処理済み水路40に溢れ出る処理済みの被処理液体の越流高さを適宜に調整することができる。これにより水頭損失を適宜調整することができる。また、本実施例に係る紫外線照射装置1をメンテナンスするときなど、紫外線照射装置1の紫外線処理機能を停止するときに、移動堰35を最高の高さ(点線35'の高さ)に設定することで、下流空間34内の液体(つまり未処理液体)が処理済み水路40に越流しないようにすることができる。例えば、メンテナンス時に、照射アセンブリ10と整流体20の組合せからなるユニットを上方に引き上げた場合、設置ベース32の開口32aから未処理液体が下流空間34内に入り込むことになるが、移動堰35を最高の高さ(点線35')に設定しておくことにより、未処理液体が下流空間34から処理済み水路40に越流することを阻止できる。
【0031】
図7は、図6の変形例を示す一部断面側面図である。図7において、図6と異なる点は、下流空間34内の液体を排出するための開閉調整可能なドレイン部(50、51)が設けられている点であり、その他は図6と同一構成であってよい。一例として、ドレイン部は、排出口50と該排出口50につながる排水路51とによって構成される。例えば、仕切り壁33を挟んで下流空間34の反対側に排水路51が設けられ、仕切り壁33における下流空間34の底面寄りの箇所に開閉調整可能な排出口50が設けられる。排出口50は、例えば遮断バルブからなり、常時は閉鎖状態であり、下流空間34内の液体を排水路51に排出する必要があるとき、開放状態とされる。例えば、本実施例に係る紫外線照射装置1を起動するとき(稼働開始時)に、排出口50を開放状態とし、下流空間34内の液体を該排出口50を介して排水路51に排出する。紫外線照射装置1を起動する前は、下流空間34内には未処理液体が満たされているので、そのような未処理液体を排出口50を介して排水路51に排出することにより、下流空間34内に溜まっていた未処理液体が、稼働開始時に処理済み水路40に流入することを防止できる。例えば、排出口50の開放と同時に紫外線照射装置1による紫外線照射処理を開始し、排出口50を介した排水路51への未処理液体の排出に伴い、下流空間34内の液体が徐々に未処理液体から処理済み液体へと入れ替わるようにする。処理済み液体への入れ替わりが略完了したと思われる適宜の時間経過後に排出口50を閉鎖し、以後、紫外線照射処理を継続する。なお、排水路51は、開放型の水路あるいは暗渠型の水路若しくはパイプ型の水路など、如何なるタイプの水路であってもよい。また、排水路51の排出先は、未処理液体の水路30に還流(回収)されるようになっていてもよいし、あるいは、本実施例に係る紫外線照射装置1のシステム外の排水システム(例えば公共下水)に排出されるようになっていてもよい。なお、図5の例においても、図7に示すようなドレイン部(排出口50及び排水路51)を設けることができるのは勿論である。
【0032】
図8は、本発明に係る紫外線照射装置1の別の実施例として、照射アセンブリと整流体の組み合わせからなるユニット61~65を複数併設した状態を略示する斜視図である。各ユニット61~65は、図4に示すように照射アセンブリ10と整流体20の組み合わせからなっており、図5~7に示すように水路30内に配置されて、堰31に沿って横並びに密接して配列される。図5を参照して説明したのと同様に、設置ベース32上に配置された各ユニット61~65(照射アセンブリ10)の下流空間34側において、堰31以外の箇所(3面)に仕切り壁33、36、37を設け、該仕切り壁33、36、37によって各ユニット61~65(照射アセンブリ10)の下流空間34を個別に区切る。詳しくは、図5~7に示すように堰31に平行に配置された仕切り壁33と、堰31及び仕切り壁33に直角に配置された互いに平行な2つの仕切り壁36、37と、堰31(移動堰35)とにより、1ユニット61(照射アセンブリ10)に対応する下流空間34が区切られる。他のユニット62~65(照射アセンブリ10)に対応する下流空間34も、同様に、3面の仕切り壁と堰31(移動堰35)とによってそれぞれ区切られる。なお、図示のように隣接するユニット間で同じ仕切り壁(例えば37)を共用してよい。
【0033】
前記移動堰35は、各ユニット61~65(照射アセンブリ10)に対応して、前記個別に区切られた前記下流空間34毎にそれぞれ個別に高さ調整可能に設けられる。各ユニット61~65(照射アセンブリ10)に対応する各移動堰35の高さは、例えば、稼働時(紫外線処理時)においては、所定の水頭損失に応じて共通の高さに調整されるが、メンテナンス時においては、メンテナンスすべき特定のユニット61~65(照射アセンブリ10)に対応する移動堰35のみを最高の高さ(点線35')に調整すればよい。別の例として、稼働時(紫外線処理時)に特定のユニットを一時休止させることによりユニット61~65(照射アセンブリ10)を間引き運転することもでき、その場合、一時休止させる特定のユニットの移動堰35を最高の高さ(点線35')に設定することで、それに対応する下流空間34から処理済み水路40への越流が起こらないようにしてもよい。
【0034】
各ユニット61~65(照射アセンブリ10)に対応して、前記個別に区切られた前記下流空間34の液体を排出するための開閉調整可能なドレイン部がそれぞれ設けられる。各ドレイン部は、該個別に区切られた下流空間34毎に設けられた排出口50と、排水路51とを含み、前述と同様に、該排出口50は例えば遮断バルブからなる。すなわち、ユニット61~65(照射アセンブリ10)毎に、堰31に平行な仕切り壁33の側に、開閉調整可能な前記排出口50がそれぞれ設けられ、各排出口50は共通の前記排水路51に通じている。個々の排出口50の開放時に該排出口50から排出された液体が前記排水路51に排出される。前述と同様に、各ユニット61~65(照射アセンブリ10)に対応する排出口50は、当該ユニットの紫外線照射開始時に開放状態とされることで、当該ユニットに対応する下流空間34内に溜まっていた未処理液体を排水路51に排出させ、その後、閉鎖状態に戻される。このような各ユニット61~65(照射アセンブリ10)に対応する排出口50の開閉制御は、必要に応じて同時に又は個別に行うことができる。前述と同様に、排水路51は、開放型の水路あるいは暗渠型の水路若しくはパイプ型の水路など、如何なるタイプの水路であってもよく、また、排水路51の排出先は、未処理液体の水路30に還流(回収)されるようになっていてもよいし、あるいは、システム外に排出されるようになっていてもよい。
【0035】
なお、図8のように横並びに配置する各ユニット61~65は、上述の照射アセンブリ10と整流体20の両者を含む仕様に限らず、少なくとも照射アセンブリ10を含んでいるものであってもよい。
【0036】
なお、胴状体11の側面11cの内面に形成する反射面は、特定の材質、形状、又は構造等に限定されるものではなく、要は、胴状体11の側面11cの内面が紫外線反射性能を有するように構成されていればよい。したがって、例えば胴状体11の側面11cの材質それ自体が紫外線反射性能を有するもの(例えばアルミニウムやステンレススチールなどの光反射性能を有する金属、もしくは表面に光反射性能を有する合成樹脂等)であれば、反射面を形成するための特別な加工等は不要であり、材質それ自体が持つ紫外線反射性能をそのまま利用すればよい。一方、胴状体11の側面11cの材質それ自体では紫外線反射性能を有していないような場合は、該側面11cの内面をフッ素樹脂コーティングするあるいは研磨加工する等によって適度の反射面が形成されるようにすればよい。また、胴状体11の側面11cの内面に形成された反射面の紫外線反射率は、高いと好都合であるにしても、低くかったとしても差し替えなく、要は、少なくとも適宜の反射性能を提供できればよい。
【0037】
さらに、胴状体11の側面11cの内面を反射面として積極的に機能させるために、該側面11cの内面(つまり反射面)の意識的な管理・メンテナンスを行うのが好ましい。例えば、胴状体11の側面11cの内面を定期的に若しくは断続的に清掃することにより、汚れを除去し、もって、反射面としての機能が維持されるようにするとよい。さらには、該側面11cの内面(つまり反射面)からの反射光をセンサによって常時又は随時モニターし、該モニター結果に基づき、反射面としての機能が維持されるように随時清掃するようにするとよい。さらに好ましくは、制御ボックス15の下面近辺に、自動清掃機構を配置し、胴状体11の側面11cの内面を清掃すべきとき、該自動清掃機構を稼働させて、反射面の清掃が自動的に行われるようにしてもよい。勿論、これに限らず、反射面の清掃は、メンテナンス作業時に人手によって行うことも可能である。以上から明らかなように、本発明において、胴状体11の側面11cの内面に形成された反射面とは、そこから反射される紫外線を被処理液体の処理に再利用することを意図する技術概念に基づくものである。
【0038】
一実施例において、照射アセンブリ10の胴状体11の側面11cの内面に形成される反射面は着脱可能な構造からなるものであってもよい。図9は、着脱可能な反射板11eによって反射面を形成する例を示す一部分解斜視図であり、便宜上、胴状体11の側面11cの内側の一面に配置される1枚の反射板11eのみを分解して示しているが、側面11cの内側の他の三面にも同様の反射板11eがそれぞれ配置される。また、図9において、便宜上、紫外線ランプ12、保護管13、制御ボックス15は図示省略してある。胴状体11の内側の4隅を支持する4本の側部フレーム14cの適宜箇所には、反射板11eの側縁を保持するためのU字溝14d(図10)又はスリット若しくはその他の縁止め部材等がそれぞれ設けられている。一例として、反射板11eを胴状体11の側面11cの内面に取り付けるとき、反射板11eを上方から図中の矢印方向にスライドさせて胴状体11内に挿入する。この挿入に伴い、該反射板11eは前記U字溝14d(図10)又はスリット若しくは縁止め部材等によって係止され得る状態となり、所定位置まで挿入されると適宜の下部ストッパ構造(不図示)によって反射板11eの図で下向きの動きが停止させられるようになっている。このように反射板11eが胴状体11内の所定位置で停止した状態において、該反射板11eは、該胴状体11の側面11cの内面における反射面として、機能する。なお、図10は、側部フレーム14cに設置する前記U字溝14d又はスリット若しくは縁止め部材等の一構成例を、一部断面にて且つ拡大して部分的に示す部分拡大斜視図である。なお、反射板11eが胴状体11内の所定位置で停止した状態において、該反射板11eに上向きのガタツキ等が生じないように、適宜のストッパ部材(不図示)又はネジ等の留め具(不図示)を適用してもよい。反射板11eを胴状体11から取り外すときは、上記とは逆に、(必要に応じて前記ストッパ部材又はネジ等の留め具を外した上で)、反射板11eを上向きに引き出せばよい。なお、反射板11eは、図示のような平坦面形状に限らず、湾曲面形状であってもよい。
【0039】
なお、図9の例において、平坦面形状からなる反射板11eは、一面(表面)だけが紫外線反射性能を有していてもよいが、両面(表面と裏面)が反射性能を有していてもよい。反射板11eの両面が反射性能を有している場合は、先行して使用している一方の面(表面)の反射性能が劣化した場合、反射面として使用する面を裏返して胴状体11に取付け直すことにより、他方の面(裏面)に切り換えることができる。これにより、反射板11eを別のものに交換する頻度を下げることができる。
【0040】
図11は、照射アセンブリ10の胴状体11の側面11cの内面に形成される反射面を着脱可能に構成した別の実施例を示す一部分解斜視図である。この実施例においては、胴状体11は4つの側面11cを持つ角型形状を成しており、各1つの側面11c全体が側部フレーム14cに対してボルト及びナット等の取付部材(不図示)を介してそれぞれ着脱可能となっている。
【0041】
全体として平板状を成している1枚の側面11cの構成例を拡大分解斜視図にて示すと図12のようであり、内側から、枠縁状パッキン11c1、反射板11c2、平板状パッキン11c3、外板11c4の順で配置された多層構造からなっている。縁枠状パッキン11c1は、図示のように、側面11cの周縁に沿って形成されたパッキンであり、周縁の内側は開口70となっている。縁枠状パッキン11c1によって、側面11cの内面の周縁部分の液密性が確保される。反射板11c2は、上述したような紫外線反射性能を有する反射面を有する板であり、縁枠状パッキン11c1の開口70に臨む一面(表面若しくは内側面)にのみが紫外線反射性能を有していてもよいし、それに限らず、両面(表面と裏面若しくは内側面と外側面)が反射性能を有していてもよい。平板状パッキン11c3は、面全体が液密性を持つパッキンであり、これにより、反射板11c2の裏面(若しくは外側面)全体の液密性が確保される。外板11c4は、比較的剛性又は硬質の板からなり、平板状パッキン11c3を外側から押え付ける機能を果たす。これらの部品11c1~11c4を層状に重ねてビスネジ等の固定部材(不図示)を介して相互に固定することにより、1枚の一体的な側面11cを組み立てる。こうして組み立てられた1枚の一体的な側面11cを、縁枠状パッキン11c1を最内方にして(つまり、外板11c4を最外方にして)、胴状体11の左右の側部フレーム14c及び上下の横フレーム14e(図11)に前記ボルト及びナット等の取付部材(不図示)を介して取り付ける。このようにして側面11cが胴状体11に取り付けられた状態では、最内方の縁枠状パッキン11c1の開口70を介して反射板11c2の表面(反射面)が胴状体11の内部空間に露出し、もって、紫外線ランプ12から放射された紫外線が該反射板11c2の反射面によって内向きに反射される。
【0042】
反射板11c2を取り外す場合は、前記ボルト及びナット等の取付部材を解除して、側面11cを胴状体11の側部フレーム14c及び横フレーム14e(図11)から取り外し、それから、該取り外した側面11cの前記ビスネジ等の固定部材を解除して、各部品11c1~11c4に分解することにより、反射板11c2を取り外すことができる。反射板11c2の両面が紫外線反射性能を有する場合は、このようにして一旦取り外した反射板11c2の表裏を裏返した上で、再び各部品11c1~11c4を層状に重ねて前記ビスネジ等の固定部材を介して相互に固定して1枚の一体的な側面11cを組み立て、この側面11cを胴状体11に再び取り付ければよい。こうして、前述と同様に、両面が反射面である反射板11c2の表裏を反転することにより、該反射板11c2を別のものに交換する頻度を下げることができる。
【0043】
図12の例では、縁枠状パッキン11c1と平板状パッキン11c3により、反射板11c2の裏面(若しくは外側面)の全体の液密性が確保される。したがって、反射板11c2の裏面(若しくは外側面)が被処理液体に接することがない(若しくは最小限になる)ので、反射板11c2の裏面(若しくは外側面)が被処理液体によって汚染される可能性を最小限にすることができる。これにより、反射板11c2の表裏を反転して、側面11cを胴状体11に取り付け直すときに、反射板11c2の裏面(若しくは外側面)、換言すれば新たな表面(若しくは内側面)となる面、の清掃作業を省略(若しくは簡略化)できる。
【0044】
縁枠状パッキン11c1と平板状パッキン11c3は、一般的なパッキン素材からなっていてよく、例えばゴム製あるいは適度の弾性を有する合成樹脂製であってよい。外板11c4は、適宜の金属又は合成樹脂製であってよい。一例として、反射板11c2としてアルミ板を使用することができ、その場合、アルミと異金属による電触を防ぐために、適宜の対策を施すのがよい。例えば、取り付け用金属ボルトにアルミ製反射板11c2が接触しないようにするために、反射板11c2に設けるボルト通し孔の径を大きくするとよい。あるいは、前記ボルト及びナット等の取付部材及び/又は前記ビスネジ等の固定部材として、非金属素材を用いるようにしてもよい。
【0045】
なお、平板状パッキン11c3と外板11c4は、反射板11c2の裏面を保護する機能をも果たす。しかし、反射板11c2の裏面に対する液密機能及び/又は保護機能が不要であれば、これらの平板状パッキン11c3及び/又は外板11c4を省略してもよい。別の例として、平板状パッキン11c3をテフロン(登録商標)板で構成してもよい。あるいは、平板状パッキン11c3を省略して、外板11c4の内側面をテフロン(登録商標)加工面としてもよい。
【0046】
なお、胴状体11の左右の側部フレーム14c及び上下の横フレーム14eには、剛性を確保するために金属素材が用いられ得る。その場合、この金属素材が非アルミ金属であり、反射板11c2がアルミ金属である場合は、両者の接触を回避するために、ゴム等の絶縁性素材からなる縁枠状パッキン11c1を用いるのがよい。しかし、フレーム14をアルミ製とする等の何らかの理由により、もし不要であるならば、縁枠状パッキン11c1を省略してもよい。要は、照射アセンブリ10の胴状体11の側面11cの内側の反射面を着脱可能に構成するためには、側面11cが、少なくとも、着脱可能に構成された反射板11c2を含むように構成されていればよい。
【0047】
図13は、図11の実施例における照射アセンブリ10の胴状体11の側面11cの別の構造例を示す図であり、(a)は側面11cの反射面(11c6)を上向きにして示す拡大斜視図、(b)は(a)におけるB-B線矢視断面を更に拡大して示す図である。図13の例において、全体として平板状を成している1枚の側面11cは、額縁構造体11c5と、この額縁構造体11c5に着脱可能に収納された反射板11c6とを含む。額縁構造体11c5は、一面が開口した且つ底の浅い箱状の保護ケース11c51と、該保護ケース11c51の開口面の周縁のみをカバーする縁枠部材11c52を含む。すなわち、縁枠部材11c52は、矩形の外枠のみからなり、その内側は開口となっている。図13(b)に示すように、保護ケース11c51の底面全体にクッション材11c7を配置し、該クッション材11c7の上に反射板11c6を配置し、該反射板11c6の周縁を押えるようにして縁枠部材11c52を配置する。反射板11c6の全周縁にわたって凸条11c61が形成されており、この凸条11c61の外周縁よりも縁枠部材11c52の内周縁が小サイズであり、これにより、保護ケース11c51内に収納された反射板11c6の周縁の凸条11c61が縁枠部材11c52によって押えられる。このように各部品を配置した状態でネジ等の固定部材(不図示)で縁枠部材11c52を保護ケース11c51に止め付けることで、1枚の一体的な側面11cが組み立てられる。縁枠部材11c52を保護ケース11c51に止め付けた状態では、反射板11c6の周縁の凸条11c61が縁枠部材11c52によって係止され、こうして反射板11c6が保護ケース11c51に固定され、縁枠部材11c52の内側開口(保護ケース11c51の開口面)から反射板11c6の一面が露出して、これが反射面として機能する。なお、図13(a)に示すように、額縁構造体11c5の周縁部分に沿って、取付用の複数のボルト通し孔THが、縁枠部材11c52及び保護ケース11c51を貫通して、設けられている。
【0048】
こうして組み立てられた1枚の一体的な側面11cを、縁枠部材11c52(保護ケース11c51の開口面)から露出した反射板11c6を内向きにして、胴状体11の左右の側部フレーム14c及び上下の横フレーム14e(図11)にボルト及びナット等の取付部材(不図示)を介して取り付ける。このようにして側面11cが胴状体11に取り付けられた状態では、縁枠部材11c52の内側開口(保護ケース11c51の開口面)から露出した反射板11c6の一面(反射面)が胴状体11の内部空間に露出し、もって、紫外線ランプ12から放射された紫外線が該反射板11c6の反射面によって内向きに反射される。
【0049】
反射板11c6を取り外す場合は、前記ボルト及びナット等の取付部材を解除して、側面11cを胴状体11の側部フレーム14c及び横フレーム14e(図11)から取り外し、それから、該取り外した側面11cの前記ネジ等の固定部材を解除して、縁枠部材11c52を取り外すことにより、反射板11c6を保護ケース11c51から取り出すことができる。反射板11c6の両面が紫外線反射性能を有する場合は、このようにして一旦取り外した反射板11c6の表裏を裏返した上で、再び保護ケース11c51内に配置し、その上に縁枠部材11c52を配置して、前記ネジ等の固定部材を介して縁枠部材11c52を保護ケース11c51に止め付けることにより、1枚の一体的な側面11cを再度組み立て、この側面11cを胴状体11に再び取り付ければよい。こうして、前述と同様に、両面が反射面である反射板11c6の表裏を反転することにより、該反射板11c6を別のものに交換する頻度を下げることができる。
【0050】
一例として、反射板11c6はアルミ製であり、縁枠部材11c52及び保護ケース11c51もアルミ製である。勿論、これに限らず、反射板11c6、縁枠部材11c52、保護ケース11c51のいずれをも、任意の適切な素材で作成してよい。
【0051】
図13に示す構造にあっては、反射板11c6は、額縁構造体11c5の縁枠部材11c52と保護ケース11c51との間で挟み付けられるので、反射板11c6それ自体には取付用のボルト通し孔を設ける必要がない。また、縁枠部材11c52を保護ケース11c51に止め付けるためのネジ等の固定部材も、反射板11c6には接することがないようにできる。したがって、アルミ製の反射板11c6が取付用ボルト及び止め付け用ネジの金属(ステンレス等の非アルミ金属)に接することがないので、アルミと異金属による電触の問題がアルミ製の反射板11c6に生じることがない、というメリットがある。すなわち、反射板11c6の反射面が電触によって劣化するおそれがない。
【0052】
すなわち、図13に示す構造にあっては、額縁構造体11c5の縁枠部材11c52と保護ケース11c51(すなわち保護部材)は、反射板11c6を挟み込んだ状態で該反射板11c6にオーバーラップしない周縁領域PA(図13(b)に示すように縁枠部材11c52が保護ケース11c51の立ち上がり壁に直接接触している領域)を有しており、この周縁領域PAにおいてネジ及び/又はボルトのような固定部材を介して相互に固定されるように構成されている。すなわち、図13(a)において、複数のボルト通し孔THが設けられている箇所が周縁領域PAである。このような構造により、上記のように、該固定部材が非アルミ金属であっても、アルミ製の反射板11c6に電触による劣化を生じさせることがない、というメリットをもたらす。
【0053】
なお、図12及び図13のいずれの構造においても、側面11cを組み立てた状態において、反射板11c2又は11c6の反射面(表面)の反対側の面(裏面)が外板11c4又は保護ケース11c51によって保護されるので、この側面11cを更に胴状体11に組み付ける作業を行う間、反射板11c2又は11c6の裏面を適切に保護することができる。したがって、組み付け作業者が反射板11c2又は11c6の裏面の保護を気づかう必要がないので、作業がし易いものとなる。また、工場で組み立てた胴状体11あるいは照射アセンブリ10を、設置現場まで運搬する際にも、また、現場で紫外線照射装置1の組み立てを行う際にも、外方に臨むことになる側面11cの外板11c4又は保護ケース11c51によって反射板11c2又は11c6が保護されるので、作業者が反射板11c2又は11c6の保護を気づかう必要がないので、運搬作業及び/又は組み立て作業がし易いものとなる。
【0054】
図12又は図13の実施例に示された構造の一特徴を要約して述べると、次の通りである。一つの側面11cは、反射板11c2又は11c6と、該反射板11c2又は11c6の一面を覆うように配置される保護部材(すなわち外板11c4又は保護ケース11c51)とを含み、反射板11c2又は11c6の他面が反射面として機能するように構成されている。このような特徴によって上記のようなメリットがある。
【0055】
また、図12又は図13の実施例に示された構造の別の特徴を要約して述べると、次の通りである。一つの側面11cは、反射板11c2又は11c6と、該反射板11c2又は11c6の一面を覆うように配置される保護部材(すなわち外板11c4又は保護ケース11c51)と、該保護部材の反対側で該反射板11c2又は11c6の周縁に沿って配置された縁枠部材(すなわち縁枠状パッキン11c1又は縁枠部材11c52)とを含み、該縁枠部材と該保護部材との間で反射板11c2又は11c6を挟み込み、前記縁枠部材の内側開口から露出する反射板11c2又は11c6の他面が反射面として機能するように構成されている。
【符号の説明】
【0056】
1 紫外線照射装置
10 照射アセンブリ
11 胴状体
11a 上面(開口)
11b 下面(開口)
11c 側面(反射面)
11c1 縁枠状パッキン
11c2 反射板
11c3 平板状パッキン
11c4 外板
11c5 額縁構造体
11c51 保護ケース
11c52 縁枠部材
11c6 反射板
11c61 凸条
11c7 クッション材
11d フランジ
11e 反射板
12 紫外線ランプ
13 保護管
14 フレーム
14a 上部フレーム
14b 下部フレーム
14c 側部フレーム
14d U字溝(又はスリット)
14e 横フレーム
15 制御ボックス
20 整流体
21 入口部
22 挿入口
23 壁面(側面の囲み壁)
24 受け皿(底面の囲み壁)
25 フランジ
30 水路
31 堰
32 設置ベース
33、36、37 仕切り壁
34 下流空間
35 移動堰
40 処理済み水路
41 仕切り壁
50 排出口
51 排水路
61、62、63、64、65 ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13