(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104399
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】プラズモニック構造体、光源、及び波長選択吸収体
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20220701BHJP
C09K 11/67 20060101ALI20220701BHJP
G02B 5/26 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G02B5/20
C09K11/67
G02B5/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219597
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】李 潔
(72)【発明者】
【氏名】福井 俊矢
【テーマコード(参考)】
2H148
4H001
【Fターム(参考)】
2H148AA07
2H148AA12
2H148AA18
2H148FA05
2H148FA15
2H148FA21
4H001XA07
4H001XA72
(57)【要約】
【課題】従来のプラズモニック構造体と比較して、吸収率及び放射率が高い帯域を広帯域化すること。
【解決手段】プラズモニック構造体(1)においては、第1の導体層(13)と、誘電体層(12)と、2次元的に、且つ、周期的に配置された複数の導体パターン(111)であって、各々が円形状又は正多角形状である複数の導体パターン(111)からなる第2の導体層(11)と、がこの順番で積層されており、各導体パターン(111)に外接する円の直径Dは、200nm≦D≦800nmを満たし、誘電体層(12)の厚みgと、直径Dとは、0.3≦g/D≦0.6を満たす。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の表面を覆う第1の導体層と、誘電体層と、2次元的に、且つ、周期的に配置された複数の導体パターンであって、各々が円形状又は正多角形状である複数の導体パターンからなる第2の導体層と、がこの順番で積層されたプラズモニック構造体において、
前記複数の導体パターンの各々に外接する円の直径Dは、200nm≦D≦800nmを満たし、
前記誘電体層の厚みgと、直径Dとは、0.3≦g/D≦0.6を満たす、
ことを特徴とするプラズモニック構造体。
【請求項2】
前記第1の導体層及び前記第2の導体層は、HfNにより構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のプラズモニック構造体。
【請求項3】
前記誘電体層は、SiO2、Al2O3、及び、SiO2とAl2O3との混合物の何れかにより構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズモニック構造体。
【請求項4】
前記複数の導体パターンの2次元配置における周期Pと、直径Dとは、1.3≦P/D≦2.0である、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のプラズモニック構造体。
【請求項5】
前記第2の導体層において、前記複数の導体パターンは、六方配置されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のプラズモニック構造体。
【請求項6】
基材と、
請求項1~5の何れか1項に記載のプラズモニック構造体であって、前記基材の表面上に前記第1の導体層、前記誘電体層、及び前記第2の導体層がこの順番で積層され、加熱されることにより特定の波長帯域の光を発するプラズモニック構造体と、を備えている、
ことを特徴とする光源。
【請求項7】
基材と、
請求項1~5の何れか1項に記載のプラズモニック構造体であって、前記基材の表面上に前記第1の導体層、前記誘電体層、及び前記第2の導体層がこの順番で積層され、特定の波長帯域の光を吸収するプラズモニック構造体と、を備えている、
ことを特徴とする波長選択吸収素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズモニック構造体、光源、及び波長選択吸収体に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーを効率よく利用するために、エネルギー輸送プロセスの一部を構成する熱輻射のプロセスの重要性は、きわめて高い。しかし、一般的に、物体からの熱輻射は、幅広い波長帯域すなわち広帯域で起こる。そのため、不要な波長帯域において、熱輻射によるエネルギーロスが生じる。たとえば、白熱電球において、投入電力の大部分は、照明としては不要な赤外線輻射として放出される。すなわち、投入電力の大部分が照明として利用されず無駄にされる。そのため、エネルギーの利用効率を高める観点から、波長選択輻射体が注目を集めている。波長選択輻射体は、材料表面の分光放射率を制御することにより、所望の波長帯域における放射率を向上させつつ、所望の波長帯域以外における放射率を抑制したものである。
【0003】
キルヒホッフの法則によれば、物体の放射率は吸収率に等しい。したがって、材料表面の吸収率の波長依存性(吸収特性とも呼ばれる)を制御することにより、波長選択輻射体が得られる。しかしながら材料固有の吸収特性を利用する方法では、輻射波長を任意に制御することが困難である。そのため、この方法は、自由度が高いとはいえない。
【0004】
一方、材料表面に微細構造を形成することにより分光放射率の制御する技術が近年注目されている。この技術によれば、材料固有の光学特性にとらわれることなく、微細構造のサイズや周期を制御することによって、分光放射率の制御が可能なためである。この方法は、材料表面の吸収特性を制御する方法よりも自由度が高い。
【0005】
微細構造の中でも近年、プラズモニック構造体と呼ばれる構造が提案されている。プラズモニック構造体は、光照射によってプラズモン共鳴を生じる構造体である。したがって、電場が増強されるとともに、光の吸収量が増大する。高効率な光吸収の原理と同様の原理によって、高効率な熱輻射を実現できる。プラズモニック構造体を用いて吸収/輻射率を制御する技術が開示されている文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【0006】
特許文献1には、比較的高い融点を有しつつ、比較的大きな光の吸収率及び放射率を有することの可能なプラズモニック構造体が開示されている。特許文献1に記載されたプラズモン共鳴構造体は、可視光領域(400nm以上800nm以下)及び近赤外領域(2μm以上5.5μm以下)において、大きな光の吸収率及び放射率を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、材料表面にプラズモニック構造体を成形することにより吸収率を高める方法では、特許文献1に示されるように、吸収率及び放射率が高い(例えば90%以上)波長帯域の帯域幅が狭くなりやすい。
【0009】
本発明の一態様は、上述した課題に鑑みなされたものであり、従来のプラズモニック構造体と比較して、吸収率及び放射率が高い帯域を広帯域化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を構成するために、本発明の第1の態様に係るプラズモニック構造体においては、特定の表面を覆う第1の導体層と、誘電体層と、2次元的に、且つ、周期的に配置された複数の導体パターンであって、各々が円形状又は正多角形状である複数の導体パターンからなる第2の導体層と、がこの順番で積層された構造が採用されている。
【0011】
そのうえで、第1の態様に係るプラズモニック構造体においては、前記複数の導体パターンの各々に外接する円の直径Dは、200nm≦D≦800nmを満たし、前記誘電体層の厚みgと、直径Dとは、0.3≦g/D≦0.6を満たす、構造が採用されている。
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明の第6の態様に係る光源は、基材と、上述した第1の態様~第5の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体であって、前記基材の表面上に前記第1の導体層、前記誘電体層、及び前記第2の導体層がこの順番で積層され、加熱されることにより特定の波長帯域の光を発するプラズモニック構造体と、を備えている。
【0013】
上記の課題を構成するために、本発明の第7の態様に係る波長選択吸収素子は、基材と、上述した第1の態様~第5の態様の何れか一態様に記載のプラズモニック構造体であって、前記基材の表面上に前記第1の導体層、前記誘電体層、及び前記第2の導体層がこの順番で積層され、特定の波長帯域の光を吸収するプラズモニック構造体と、を備えている、構成が採用されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様に係るプラズモニック構造体よれば、従来のプラズモニック構造体と比較して、吸収率及び放射率が高い帯域を広帯域化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプラズモニック構造体の一部を拡大した斜視図である。
【
図2】
図1に示したプラズモニック構造体の一部の平面図である。
【
図3】
図1に示したプラズモニック構造体の一部の断面図である。
【
図4】
図1に示したプラズモニック構造体が含む複数の導体パターンにおける周期的な2次元配置の別の例を示す平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るプラズモニック構造体の製造方法を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施例に係るプラズモニック構造体における反射率と、周期と、波長との関係を示す画像である。
【
図7】本発明の第1の実施例~第4の実施例に係るプラズモニック構造体における反射率の波長依存性を示すグラフである。
【
図8】本発明の第2の実施例に係るプラズモニック構造体のSEM画像である。
【
図9】本発明の第2の実施例に係るプラズモニック構造体における反射率の波長依存性の測定結果及び計算結果を示すグラフである。
【
図10】本発明の第1の比較例に係るプラズモニック構造体における反射率と、周期と、波長との関係を示す画像である。
【
図11】本発明の第2の比較例に係るプラズモニック構造体における反射率と、周期と、波長との関係を示す画像である。
【
図12】第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例に係るプラズモニック構造体における反射率の波長依存性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係るプラズモニック構造体1について、
図1~
図5を参照して説明する。
図1は、プラズモニック構造体1の一部を拡大した斜視図である。
図2は、
図1に示したプラズモニック構造体1の一部の平面図である。なお、
図2の平面図は、プラズモニック構造体1を、導体層11の側から、プラズモニック構造体1の主面に対する法線の方向からみることによって得られる。
図3は、
図1及び
図2に示したプラズモニック構造体1の一部の断面図である。なお、
図3は、
図2に示したA-A線に沿った断面を示している。
図4は、プラズモニック構造体1が含む複数の導体パターン111における周期的な2次元配置の別の例を示す平面図である。
図5は、プラズモニック構造体1の製造方法の一例を示す模式図である。
【0017】
〔プラズモニック構造体の概要〕
プラズモニック構造体1は、
図1には図示していない基材の表面上に形成することを想定している。本実施形態において、基材を含むプラズモニック構造体1は、高温(例えば500℃以上)に加熱できる材料により構成されている。基材を含むプラズモニック構造体1を加熱する手法は、限定されるものではないが、例えば、ヒーターを用いる方法、又は、基材を含むプラズモニック構造体1に電流を流す方法が挙げられる。ヒーターにより加熱されたプラズモニック構造体1、又は、流された電流に起因するジュール熱により加熱されたプラズモニック構造体1は、到達した温度に対応した発光強度を有する光を放射する。なお、電流を流すことによりプラズモニック構造体1を加熱する場合、基材(誘電体の場合)、及び導体層13の何れかに少なくとも一対の電極を設けておけばよい。各電極は、基材、及び導体層13のうち、同じ部材に接続されていてもよいし、異なる部材に接続されていてもよい。なお、基材を構成する材料については、その導電性を問わない。すなわち、基材を構成する材料の導電特性は、金属的であってもよいし、半導体的であってもよい。また、基材を構成する材料は、絶縁体又は誘電体であってもよい。
【0018】
基材を構成する材料は、限定されるものではなく、半導体、ガラス、金属、及び、半金属の何れかであればよい。半導体の例としては、シリコン(Si)が挙げられる。ガラスの例としては、石英が挙げられる。金属の例としては、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、及び、ニッケル-クロム(Ni-Cr)系合金が挙げられる。半金属の例としては、カーボン材料が挙げられる。
【0019】
また、
図1~
図3には、プラズモニック構造体1の一部を拡大した状態で図示している。そのため、
図1,
図2には、9個の導体パターン111のみが図示され、
図3には、3個の導体パターン111のみが図示されている。ただし、プラズモニック構造体1の主面を平面視した場合のプラズモニック構造体1のサイズは、基材のサイズに対応して任意に定めることができる。すなわち、プラズモニック構造体1の導体層11を構成する導体パターン111の数は、基材のサイズに対応して任意に定めることができる。
【0020】
このように、基材と、当該基材の表面上に、導体層13、誘電体層12、及び導体層11がこの順番で積層されたプラズモニック構造体1と、を備え、加熱されることにより特定の波長帯域の光を発する光源も本願発明の範疇に含まれる。
【0021】
このような光源によれば、通常の赤外線光源と比較して所望の波長帯域における放射率を向上させつつ、所望の波長帯域以外における放射率を抑制して、エネルギーの利用効率を高めることができる。このような光源を分光装置などに適用した場合は、分光装置の温度上昇を抑制できる。また、プラズモニック構造体1は、導体パターンの直径Dを制御することによって、特定の波長帯域における中心波長(光源の場合は、発光中心波長)を調整することができる。なお、発光中心波長は、直径Dの増加とともに長くなる。直径Dを制御することによって、発光中心波長は、例えば500nm以上4μm以下の範囲内において調整することができる。
【0022】
また、基材の表面上に、導体層13、誘電体層12、及び導体層11がこの順番で積層され、特定の波長帯域の光を吸収するプラズモニック構造体1と、を備えた波長選択吸収素子も本願発明の範疇に含まれる。
【0023】
このような波長選択吸収素子の適用例としては、太陽熱光電力発電システム(Solar-TPV)が挙げられる。Solar-TPVは、太陽光吸収材で太陽エネルギーの全てを一旦熱エネルギーとして変換し、熱輻射エミッターにより太陽電池が発電しやすい熱輻射光を放射させるものである。太陽から放射される光は、幅広い波長分布を持っている。しかし単接合太陽電池は、使用される半導体材料のバンドギャップより短波長の光しか電気に変換できない。つまりバンドギャップより長波長の光は電気に変換されず損失となってしまう。プラズモニック構造体1は、吸収できる波長域を拡げることで幅広い波長分布を持つ太陽光スペクトルを無駄なく電気に変換できる。したがって、プラズモニック構造体1は、波長選択性を持つ吸収素子、又は熱輻射エミッターとして適用可能である。この場合、特定の波長帯域の具体例としては、600nm以上1.5μm以下が挙げられる。
【0024】
また、このような波長選択吸収素子の別の適用例としては、表面増強ラマン散乱分析において用いられる下地が挙げられる。上述したように、プラズモニック構造体1は、導体パターンの直径Dに応じた特定の波長帯域の光を吸収する。プラズモニック構造体1は、吸収した光のエネルギーを利用し、表面に吸着した分子のラマンシグナルを増強できる。したがって、プラズモニック構造体1を表面増強ラマン散乱分析において用いられる下地に適用することにより、生体を透過する近赤外光で高感度なラマン散乱分析が可能である。なお、この場合、特定の波長帯域の具体例としては、900nm以上2μm以下が挙げられる。
【0025】
〔プラズモニック構造体の構成〕
図1に示すように、プラズモニック構造体1は、導体層11と、誘電体層12と、導体層13とを備えている。導体層11は、第2の導体層の一例であり、導体層13は、第1の導体層の一例である。
【0026】
<第1の導体膜>
導体層13は、基材の表面上に、当該基材の表面を覆うように形成された導体製の膜により構成されている。なお、基材の表面は、特定の表面の一例である。
図1及び
図3においては、図示を省略しているものの、導体層13の主面のうち下側に位置する主面の下層に基材が配置されている。
【0027】
本実施形態においては、導体層13を構成する材料として窒化ハフニウム(HfN)を採用している。ただし、導体層13を構成する材料は、HfNに限定されるものではなく、金属的な導電特定を有する材料であればよい。使用時に高温になることが想定される基材の表面上にプラズモニック構造体1を形成する場合、導体層13を構成する材料は、HfNのように融点が高い材料であることが好ましい。
【0028】
なお、基材の表面のうちプラズモニック構造体1を形成する領域(すなわち導体層13を形成する領域)は、基材の表面の全部であってもよく、基材の表面の一部であってもよく、適宜定めることができる。
【0029】
本実施形態においては、導体層13の厚みとして100nmを採用している。ただし、導体層13の厚みは、限定されるものではなく、例えば、100nm以上の範囲内において適宜定めることができる。
【0030】
<誘電体膜>
誘電体層12は、導体層13の主面のうち基材と逆側の主面上に、前記基材と逆側の主面を覆うように形成された誘電体製の膜により構成されている。
図1及び
図3においては、導体層13の上側に位置する主面の上層に誘電体層12が設けられている。
【0031】
本実施形態においては、誘電体層12を構成する材料として酸化シリコン(SiO2)を採用している。ただし、誘電体層12を構成する材料は、SiO2に限定されるものではなく、所定の波長帯域の光に対して透光性を有し、且つ、絶縁体であればよい。このような材料の例としては、絶縁性の酸化物が挙げられる。なお、使用時に高温になることが想定される基材の表面上にプラズモニック構造体1を形成する場合、誘電体層12を構成する材料は、SiO2、Al2O3、及び、SiO2とAl2O3との混合物の何れかであることが好ましい。
【0032】
誘電体層12の厚みg(
図3参照)は、後述する各導体パターン111の直径D(
図3参照)に対応して定められる。具体的には、厚みg及び直径Dの各々は、0.3≦g/D≦0.6を満たすように定められる。すなわち、厚みgは、0.3×D≦g≦0.6×Dを満たすように定められる。
【0033】
<第2の導体層>
導体層11は、誘電体層12の主面のうち誘電体層12と逆側の主面上に形成されている。
図1及び
図3においては、誘電体層12の上側に位置する主面の上層に導体層11が設けられている。
【0034】
導体層11は、各々が円形状である複数(
図1及び
図2には9個)の導体パターン111からなる。ただし、各導体パターン111の形状は、円形状に限定されるものではなく、正多角形状であってもよい。当該正多角形状の好ましい例としては、正六角形状が挙げられる。以下において、円形状とは、円形と、円形をベースとしてその輪郭に製造工程に起因する等方的ではないばらつき及び不規則なばらつきが生じた形状とを含む。例えば、
図8に示した本発明の第2の実施例が含む導体パターン111の形状は、円形状の例である。同様に、正多角形状とは、正多角形状と、正多角形状をベースとしてその輪郭に製造工程に起因する等方的ではないばらつき及び不規則なばらつきが生じた形状とを含む。
【0035】
なお、符号111は、複数の導体パターン111のうち1つの導体パターン111のみに付している。
図1及び
図2に示すように、複数の導体パターン111は、誘電体層12の主面上に、2次元的に、且つ、周期的に配置されている。本実施形態においては、
図2に示すように、導体パターン111の周期的な2次元配置として正方配置を採用している。ただし、この周期的な2次元配置は、正方配置に限定されるものではなく、例えば、
図4に示すように六方配置であってもよい。
【0036】
各導体パターン111に外接する円の直径Dは、200nm≦D≦800nmを満たすように定められている。本実施形態のように、各導体パターン111の形状が円形状である場合、各導体パターン111に外接する円は、各導体パターン111の形状に略一致する。直径Dと、回折モードとプラズモモードとが結合したモードに起因する吸収帯における中心波長とは、正の相関を有している。したがって、直径Dを200nm≦D≦800nmの範囲内において適宜設定することによって、プラズモン吸収の吸収帯における中心波長を任意に調整することができる。中心波長を調整可能な範囲としては、
図7に示すように、例えば、およそ1μm以上2.6μm以下が挙げられる。
【0037】
また、複数の導体パターン111のうち隣接する導体パターン111同士の中心間隔である周期Pは、直径Dに対応して定められる。具体的には、周期P及び直径Dの各々は、1.3≦P/D≦2.0を満たすように定められる。すなわち、周期Pは、1.3×D≦P≦2.0×Dを満たすように定められる。
【0038】
また、各導体パターン111の厚みhは、本実施形態において40nmである。ただし、厚みhは、これに限定されるものではなく、適宜定めることができる。
【0039】
〔プラズモニック構造体の製造方法〕
プラズモニック構造体1の製造方法の一例について、
図5を参照して説明する。本実施形態においては、導体層11を構成する複数の導体パターン111をパターニングするために、電子線リソグラフィーを用いている。ただし、このパターニングにおいて用いるリソグラフィーは、所望の解像度を実現可能なリソグラフィーであれば電子線リソグラフィーに限定されるものではない。電子線リソグラフィー以外のリソグラフィーとしては、UVリソグラフィーが挙げられる。なお、UVリソグラフィーにおいて用いる紫外線の波長は、適宜選択することができる。この紫外線の波長は、例えば、DUV(Deep ultraviolet)領域に含まれていてもよいし、EUV(extreme ultraviolet)領域に含まれていてもよい。
【0040】
また、
図4に示すように、複数の導体パターン111における周期的な2次元は一が六方配置である場合には、上述したパターニングにおいて、干渉露光を用いることもできる。干渉露光において、干渉光の強度が高い領域が六方配置に対応したパターンになるためである。
【0041】
なお、干渉露光について簡単に説明すれば以下の通りである。空間的に可干渉な照明下にある回折格子が設けられている場合、回折格子から特定の距離において、回折格子と同じ周期の強度パターンが形成される。干渉露光は、タルボ効果によって生じる一周期において、強度分布を統合する技術である。フォトレジストRを露光するときに干渉露光を用いることによって、クロスオーダー干渉を無くすことができる。
【0042】
図5に示すように、プラズモニック構造体1の製造方法は、成膜工程S11と、スピンコート工程S12と、リソグラフィー工程S13と、成膜工程S14と、リフトオフ工程S15と、を含んでいる。また、本製造方法においては、プラズモニック構造体1を形成する基材Bとして、Si製のウェハを用いる。
【0043】
成膜工程S11は、基材Bの一方の主面上に、導体層13及び誘電体層12の各々を、それぞれが所定の膜厚になるように成膜する工程である。本実施形態においては、導体層13及び誘電体層12の各々の成膜方法としてスパッタリング法を用いている。ただし、導体層13及び誘電体層12の各々の成膜方法は、これに限定されるものではない。
【0044】
スピンコート工程S12は、成膜工程S11の後に実施する工程であり、誘電体層12の一方の主面であって、導体層13と逆側の主面上に、フォトレジストRをスピンコートにより塗布する工程である。
【0045】
リソグラフィー工程S13は、スピンコート工程S12の後に実施する工程であり、電子線リソグラフィーを用いて複数の導体パターン111に対応するようにフォトレジストRを露光し、そのフォトレジストRを現像する工程である。
【0046】
成膜工程S14は、リソグラフィー工程S13の後に実施する工程であり、フォトレジストRの一方の主面であって、誘電体層12と逆側の主面上に、導体層11を成膜する工程である。本実施形態においては、導体層11の成膜方法としてスパッタリング法を用いている。ただし、導体層11の成膜方法は、これに限定されるものではない。
【0047】
リフトオフ工程S15は、成膜工程S14の後に実施する工程であり、溶剤を用いてフォトレジストRを除去する工程である。この工程により、フォトレジストR上に成膜された導体層11は、フォトレジストRと一緒に除去される。
【0048】
以上の工程を実施することによって、プラズモニック構造体1を製造することができる。
【実施例0049】
本発明の実施例群を構成する第1の実施例~第4の実施例であるプラズモニック構造体1について、
図6~
図9を参照して説明する。また、第1の実施例~第4の実施例と対比しつつ、本発明の第1の比較例及び第2の比較例であるプラズモニック構造体について、
図10~
図12を参照して説明する。
図6は、第2の実施例における反射率と、周期と、波長との関係を示す画像である。
図7は、第1の実施例~第4の実施例における反射率の波長依存性を示すグラフである。
図8は、第2の実施例のSEM画像である。
図9は、第2の実施例における反射率の波長依存性の測定結果及び計算結果を示すグラフである。
図10は、第1の比較例における反射率と、周期と、波長との関係を示す画像である。
図11は、第2の比較例における反射率と、周期と、波長との関係を示す画像である。
図12は、第2の実施例、第1の比較例、及び第2の比較例における反射率の波長依存性を示すグラフである。
【0050】
第1の実施例~第4の各々においては、プラズモニック構造体1において、直径D、周期P、厚みg、及び厚みhの各設計パラメータを以下のように設定した。また、g/D及びP/Dを併せて記載する。なお、直径D、周期P、厚みg、及び厚みhの各々が指し示す寸法については、
図3に示す通りである。
【0051】
第1の実施例:D=200nm、P=300nm、g=100nm、h=40nm、g/D=0.5、P/D=1.5
第2の実施例:D=400nm、P=650nm、g=180nm、h=40nm、g/D=0.45、P/D=1.625
第3の実施例:D=600nm、P=1050nm、g=240nm、h=40nm、g/D=0.4、P/D=1.75
第4の実施例:D=800nm、P=1400nm、g=340nm、h=40nm、g/D=0.425、P/D=1.1.75
また、第1の比較例及び第2の比較例の各々においては、第2の比較例の構成をベースとして、それぞれ、厚みgを以下のように変更した。また、g/Dを併せて記載する。
【0052】
第1の比較例:g=80nm、g/D=0.2
第2の比較例:g=280nm、g/D=0.7
以上のように、第1の比較例は、g/Dが0.3より小さく、第2の比較例は、g/Dが0.6よりも大きい。
【0053】
〔シミュレーション結果〕
第2の実施例の設計パラメータをベースにし、周期Pを0.4μm以上1.2μm以下の間で変化させた場合について、反射率のシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、プラズモニック構造体1の主面に対する法線の方向から、プラズモニック構造体1に直線偏光を入射するものとした。シミュレーションは、有限差分時間領域法(FDTD法)に基づいて行った。また、直線偏光の波長を400nm以上3μm以下とした。なお、
図6においては、グレースケールバーを用いて反射率を表している。ここで、反射率と吸収率との関係式(吸収率=1-反射率)を用いることによって反射率を吸収率に読み替えられる。なお、以下においては、吸収率が90%以上となる波長帯域(すなわち反射率が10%以下となる波長帯域)を吸収率が高い帯域(すなわち放射率が高い帯域)と見做す。
【0054】
図6によれば、第2の実施例の設計パラメータをベースにしたプラズモニック構造体1においては、回折モードとプラズモモードとが結合したモードの吸収の吸収帯が幅広い波長帯域にわたって存在していることが分かった。
【0055】
図12の第2の実施例(g=180nm)のプロットによれば、第2の実施例は、およそ1.0μm以上2.2μm以下の波長帯域において吸収率が90%以上となることが分かった。すなわち、第2の実施例においては、吸収率が高い帯域幅がおよそ1.2μmであることが分かった。
【0056】
図10によれば、第1の比較例の設計パラメータをベースにしたプラズモニック構造体においては、回折モードとプラズモモードとが独立した状態で誘起されることが分かった。
【0057】
図12の第1の比較例(g=80nm)のプロットによれば、第1の比較例は、およそ0.7μm以上0.8μm以下の波長帯域において吸収率が90%以上となることが分かった。すなわち、第1の比較例においては、吸収率が高い帯域幅がおよそ0.1μmであることが分かった。
【0058】
図11によれば、第2の比較例の設計パラメータをベースにしたプラズモニック構造体においては、回折モードとプラズモモードとが結合したモードが消滅していることが分かった。
【0059】
図12の第2の比較例(g=280nm)のプロットによれば、第2の比較例は、吸収率が90%以上となる波長帯域は存在しないことが分かった。このことから、厚みgを厚くしすぎた場合、強い吸収を伴うプラズモン共鳴を誘起できないことが分かった。
【0060】
次に、第1の実施例~第4の実施例について同様にシミュレーションを行った結果について説明する。
【0061】
図7の第1の実施例のプロットによれば、第1の実施例は、およそ0.65μm以上1.45μm以下の波長帯域において吸収率が90%以上となることが分かった。すなわち、第1の実施例においては、吸収率が高い帯域幅がおよそ0.8μmであることが分かった。また、吸収率が高い吸収帯の中心波長は、およそ1.0μmであることが分かった。
【0062】
図7の第2の実施例のプロットによれば、第2の実施例は、およそ1.0μm以上2.2μm以下の波長帯域において吸収率が90%以上となることが分かった。すなわち、第2の実施例においては、吸収率が高い帯域幅がおよそ1.2μmであることが分かった。また、吸収率が高い吸収帯の中心波長は、およそ1.6μmであることが分かった。
【0063】
図7の第3の実施例のプロットによれば、第3の実施例は、およそ1.4μm以上2.7μm以下の波長帯域において吸収率が90%以上となることが分かった。すなわち、第3の実施例においては、吸収率が高い帯域幅がおよそ1.3μmであることが分かった。また、吸収率が高い吸収帯の中心波長は、およそ2.1μmであることが分かった。
【0064】
図7の第4の実施例のプロットによれば、第4の実施例は、およそ1.9μm以上3.5μm以下の波長帯域において吸収率が90%以上となることが分かった。すなわち、第2の実施例においては、吸収率が高い帯域幅がおよそ1.6μmであることが分かった。また、吸収率が高い吸収帯の中心波長は、およそ2.7μmであることが分かった。
【0065】
以上のように、直径Dを200nm≦D≦800nmの範囲内において適宜設定することによって、中心波長をおよそ1.0μm以上2.7μm以下の範囲内において調整可能なことが分かった。
【0066】
なお、上記のシミュレーションでは、各実施例におけるプラズモニック構造体1の構造(各パラメータの設定)に対して吸収率の高い特定の波長帯域の特性を示したが、これらの特性はプラズモニック構造体を加熱することによる発光でも同様の特性を示す。キルヒホッフの法則によれば、物体の放射率は吸収率に等しいためである。このように、プラズモニック構造体の各パラメータを適宜設定することにより、可視光域から赤外線域までの任意の特定の波長帯域の光を吸収するプラズモニック構造体(すなわち、波長選択吸収素子)、及び、可視光域から赤外線域までの任意の特定の波長帯域の光を発するプラズモニック構造体(すなわち、光源)を構成することができる。
【0067】
〔実測結果〕
次に、
図5に示した製造方法を用いて第2の実施例のプラズモニック構造体1を製造した。実際に製造したプラズモニック構造体1においても、複数の導体パターン111が周期的に2次元配置していることが分かった(
図8参照)。
【0068】
図9によれば、実際に製造した第2の実施例は、およそ1.0μm以上2.0μm以下の波長帯域において吸収率が90%以上となることが分かった。すなわち、実際に製造した第2の実施例においては、吸収率が高い帯域幅がおよそ1.0μmであることが分かった。また、吸収率が高い吸収帯の中心波長は、およそ1.5μmであることが分かった。
【0069】
以上の結果から、実際に製造したプラズモニック構造体1において、回折モードとプラズモモードとが結合したモードが誘起されており、幅広い帯域において高い吸収率を示すことが分かった。また、実際に製造したプラズモニック構造体1の反射特性をシミュレーションにより得られた反射特性と比較した場合、吸収率が高い帯域幅がわずかに狭くなるものの、同様の傾向を示し、概ね一致していることが分かった。
【0070】
〔まとめ〕
本発明の第1の態様に係るプラズモニック構造体においては、特定の表面を覆う第1の導体層と、誘電体層と、2次元的に、且つ、周期的に配置された複数の導体パターンであって、各々が円形状又は正多角形状である複数の導体パターンからなる第2の導体層と、がこの順番で積層された構造が採用されている。
【0071】
そのうえで、第1の態様に係るプラズモニック構造体においては、前記複数の導体パターンの各々に外接する円の直径Dは、200nm≦D≦800nmを満たし、前記誘電体層の厚みgと、直径Dとは、0.3≦g/D≦0.6を満たす、構造が採用されている。
【0072】
従来のプラズモニック構造体においては、もっぱら、表面プラズモン共鳴に起因するプラズモン吸収を用いていた。したがって、従来のプラズモニック構造体により得られる吸収帯の帯域幅は主に導体パターンの直径によって決まり、狭かった。
【0073】
上記の構成によれば、従来のプラズモニック構造体よりも厚い厚みgを採用し、厚みg及び直径Dが0.3≦g/Dを満たすことによって、回折モードとプラズモモードとが結合したモードを誘起することができる。そのため、第1の態様に係るプラズモニック構造体は、回折モードとプラズモモードとが結合したモードに起因する吸収を用いることができる。
【0074】
回折モードとプラズモモードとが結合したモードは、プラズモモードより幅広い帯域において誘起される。したがって、第1の態様に係るプラズモニック構造体は、従来のプラズモニック構造体と比較して、吸収率が高い帯域を広帯域化することができる。なお、キルヒホッフの法則によれば、物体の放射率は吸収率に等しいため、第1の態様に係るプラズモニック構造体は、従来のプラズモニック構造体と比較して、放射率が高い帯域を広帯域化することができる。
【0075】
なお、厚みgを厚くしすぎた場合、プラズモモードが弱くなるため、回折モードとプラズモモードとが結合したモードを誘起できなくなる。上記の構成によれば、厚みg及び直径Dがg/D≦0.6を満たすことによって、回折モードとプラズモモードとが結合したモードを誘起できなくなることを避けることができる。
【0076】
また、本発明の第2の態様に係るプラズモニック構造体においては、上述した第1の態様に係るプラズモニック構造体の構成に加えて、前記第1の導体層及び前記第2の導体層は、HfNにより構成されている、構成が採用されている。
【0077】
HfN(窒化ハフニウム)は、融点が2573℃であり、プラズモニック構造体を構成する材料として多く用いられるAg(銀)、Au(金)、Cu(銅)、Cr(クロム)、Al(アルミニウム)、及びFe(鉄)よりも高い融点を有する。したがって、第2の態様に係るプラズモニック構造体は、上述した金属材料を含むプラズモニック構造体よりも耐熱性を高めることができる。融点が3000℃程度である高融点金属として、W(タングステン)、Ta(タンタル)、及びMo(モリブデン)が知られている。しかし、これらの高融点金属は、赤外域において誘電率の実部が負であるものの、可視域において誘電率の実部が正である。したがって、これらの高融点金属は、可視域においてプラズモニック効果を生じない。可視光を含む広い波長域にわたってプラズモニック効果を示すためには、第1の導体層及び第2の導体層を構成する材料として、高い融点を有し、且つ、可視域でも誘電率が負となるHfNが好適である。
【0078】
また、本発明の第3の態様に係るプラズモニック構造体においては、上述した第1の態様又は第2の態様に係るプラズモニック構造体の構成に加えて、前記誘電体層は、SiO2、Al2O3、及び、SiO2とAl2O3との混合物の何れかにより構成されている、構成が採用されている。
【0079】
上記の構成によれば、プラズモニック構造体の耐熱性を確実に高めることができる。
【0080】
また、本発明の第4の態様に係るプラズモニック構造体においては、上述した第1の態様~第3の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体の構成に加えて、前記複数の導体パターンの2次元配置における周期Pと、直径Dとは、1.3≦P/D≦2.0である、構成が採用されている。
【0081】
上記の構成によれば、プラズモモードを十分に強くすることができるので、回折モードとプラズモモードとが結合したモードを確実に誘起することができる。したがって、第4の態様に係るプラズモニック構造体は、従来のプラズモニック構造体と比較して、吸収率が高い帯域を確実に広帯域化することができる。
【0082】
また、本発明の第5の態様に係るプラズモニック構造体は、上述した第1の態様~第4の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体の構成に加えて、前記第2の導体層において、前記複数の導体パターンは、六方配置されている、構成が採用されている。
【0083】
上記の構成によれば、前記複数の導体パターンの配置が六方配置以外である場合と比較して、前記複数の導体パターンを容易に作製することができる。前記複数の導体パターンを露光する場合に、電子ビーム露光の代わりに干渉露光を利用可能なためである。
【0084】
本発明の第6の態様に係る光源は、基材と、上述した第1の態様~第5の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体であって、前記基材の表面上に前記第1の導体層、前記誘電体層、及び前記第2の導体層がこの順番で積層され、加熱されることにより特定の波長帯域の光を発するプラズモニック構造体と、を備えている。
【0085】
上記の構成によれば、第1の態様~第5の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体と同様の効果を奏する。また、第1の態様~第5の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体を用いて光源における分光放射率の制御することができるので、光源におけるエネルギーロスを低減することができる。
【0086】
本発明の第7の態様に係る波長選択吸収素子は、基材と、上述した第1の態様~第5の態様の何れか一態様に記載のプラズモニック構造体であって、前記基材の表面上に前記第1の導体層、前記誘電体層、及び前記第2の導体層がこの順番で積層され、特定の波長帯域の光を吸収するプラズモニック構造体と、を備えている、構成が採用されている。
【0087】
上記の構成によれば、第1の態様~第5の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体と同様の効果を奏する。また、第1の態様~第5の態様の何れか一態様に係るプラズモニック構造体を用いることにより、特定の波長帯域の光を選択することができる。
【0088】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。