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  • 特開-RFタグ及びRFタグの製造方法 図1
  • 特開-RFタグ及びRFタグの製造方法 図2
  • 特開-RFタグ及びRFタグの製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104433
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】RFタグ及びRFタグの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220701BHJP
   G06K 19/02 20060101ALI20220701BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
G06K19/077 144
G06K19/02
G06K19/077 280
G06K19/077 248
G06K19/077 224
G09F3/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219648
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】515208393
【氏名又は名称】セールスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126468
【弁理士】
【氏名又は名称】田久保 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 圭一
(72)【発明者】
【氏名】中沢 直哉
(57)【要約】
【課題】 RFタグ及びRFタグの製造方法を提供する。
【解決手段】
RFタグ10は、アンテナ16と前記アンテナ16と接続するICチップ18とが配置された基板14からなるインレイ12と、前記インレイ12上にポッティング加工により形成された樹脂層20と、前記樹脂層20上に接着されたシール22と、を備える。RFタグ10では、樹脂層20をポッティング加工により形成することにより、通信精度、用途に応じて、容易に樹脂層20の厚さを変化させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと前記アンテナと接続するICチップとが配置された基板からなるインレイと、
前記インレイ上にポッティング加工により形成された樹脂層と、
前記樹脂層上に接着されたシールと、
を備えることを特徴とするRFタグ。
【請求項2】
請求項1に記載のRFタグにおいて、
前記樹脂層は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを含むことを特徴とするRFタグ。
【請求項3】
アンテナと前記アンテナと接続するICチップとが配置された基板からなるインレイ上に、ポッティング加工により樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層上にシールを接着する工程と、
を備えることを特徴とするRFタグの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のRFタグの製造方法において、
前記樹脂層は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを含むことを特徴とするRFタグの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インレイ、樹脂層及びシールを備えるRFタグ及びRFタグの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、任意の対象物に関する所定情報の読み書きを可能に記憶したICチップを内蔵したRFタグが広く使用されている。このRFタグは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、ICタグ、非接触タグ等とも呼ばれている。
【0003】
このRFタグは、集積回路にID番号等の識別情報を内蔵したICチップと、前記ICチップと接続されるアンテナを一体形成したインレイから構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-104985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この種のRFタグを金属体の表面に貼り付けて動作させた場合、通信を行う電磁波に対して取り付ける金属面による反射、吸収が生じるために、正確に通信できない場合がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を考慮してなされたものであって、金属面に貼り付けて動作させた場合であっても、正確に通信できるRFタグ及びRFタグの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るRFタグは、アンテナと前記アンテナと接続するICチップとが配置された基板からなるインレイと、前記インレイ上にポッティング加工により形成された樹脂層と、前記樹脂層上に接着されたシールと、を備えることを特徴とする。
【0008】
前記RFタグにおいて、前記樹脂層は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るRFタグの製造方法は、アンテナと前記アンテナと接続するICチップとが配置された基板からなるインレイ上に、ポッティング加工により樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層上にシールを接着する工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記RFタグの製造方法において、前記樹脂層は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のRFタグ及びRFタグの製造方法によれば、樹脂層をポッティング加工により形成することにより、通信精度、用途に応じて、容易に樹脂層の厚さを変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るRFタグの説明図である。
図2】本実施形態に係るRFタグの図1におけるII-II線断面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るRFタグ10の製造方法の工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<RFタグ10の構成>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係るRFタグ10の説明図であり、図2は、図1におけるII-II線断面図である。
【0014】
RFタグ10は、インレイ12、樹脂層20及びシール22を備える。インレイ12は、基板14、アンテナ16及びICチップ18を有する。基板14は、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂製フィルムで構成される。アンテナ16は、線状のアンテナであって、アルミ箔などの金属箔により基板14上に形成される。ICチップ18には、所定情報が記憶される。アンテナ16とICチップ18は電気的に接続され、基板14上に配置される。
【0015】
樹脂層20は、樹脂で構成される。樹脂としては、例えば、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールを含むウレタン樹脂を用いることができる。樹脂層20の厚さは、例えば、1.8mm~2.2mmである。シール22は、粘着層24と剥離層26から構成される。粘着層24として、例えば、アクリル系やゴム系の粘着剤を用いることができる。また、剥離層26として、例えば、シリコーン系などの剥離剤を塗布した合成樹脂製フィルムや剥離剤を塗布した紙を用いることができる。
【0016】
@ <RFタグ10の製造方法>
次に、RFタグ10の製造方法について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態に係るRFタグ10の製造方法の工程の説明図である。
【0017】
まず、インレイ12を載置する(ステップS1)。次に、インレイ12上に樹脂を滴下する。(ステップS2)。
【0018】
インレイ12上に滴下された樹脂を硬化させ、樹脂層20を形成する(ステップS3)。樹脂を滴下する量及び硬化させる時間は、樹脂層20の厚みに応じて変化する。このステップS2、S3は、一般的に、ポッティング加工と言われる手法で行われる。
【0019】
硬化した樹脂層20の上に、シール22を接着させる(ステップS4)。
【0020】
以上のような工程で製造されたRFタグ10を使用する場合には、シール22の剥離層26を剥離して、粘着層24を所望の対象物に貼り付けることにより使用可能となる。
【0021】
RFタグ10は、アンテナ16と前記アンテナ16と接続するICチップ18とが配置された基板14からなるインレイ12と、前記インレイ12上にポッティング加工により形成された樹脂層20と、前記樹脂層20上に接着されたシール22と、を備える。
【0022】
一般に、RFタグを金属面に貼り付けて動作させた場合には、正確に通信するためには、RFタグと金属面との間として、所定以上の間隔が必要である。RFタグ10では、樹脂層20をポッティング加工により形成することにより、通信精度、用途に応じて、容易に樹脂層20の厚さを変化させることができる。
【0023】
また、前記樹脂層20は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとを含む。
【0024】
(実施例)
RFタグ10に係る製品について、樹脂層20は、ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの比率が1:1であるウレタン樹脂で構成した。また、樹脂層20の厚さは2mmであった。さらに、ウレタン樹脂が硬化させるための時間として、12時間とした。
【0025】
RFタグ10に係る製品について、100度及び140度の耐熱試験を行った。一般的なRFタグでは、85度以上の環境下では、受信信号の特性が低下するが、RFタグ10に係る製品では、受信信号の特性は低下しなかった。
【0026】
RFタグ10に係る製品について、最大荷重1007Nを負荷をかけた荷重試験を行った。荷重試験後のRFタグ10についても、受信信号の特性は低下は見られなかった。
【0027】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0028】
10…RFタグ
12…インレイ
14…基板
16…アンテナ
18…ICチップ
20…樹脂層
22…シール
24…粘着層
26…剥離層
図1
図2
図3