IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本無線技術協力の特許一覧

<>
  • 特開-携帯端末用基地局及びその設置方法 図1
  • 特開-携帯端末用基地局及びその設置方法 図2
  • 特開-携帯端末用基地局及びその設置方法 図3
  • 特開-携帯端末用基地局及びその設置方法 図4
  • 特開-携帯端末用基地局及びその設置方法 図5
  • 特開-携帯端末用基地局及びその設置方法 図6
  • 特開-携帯端末用基地局及びその設置方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104470
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】携帯端末用基地局及びその設置方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20220701BHJP
   H01Q 3/04 20060101ALI20220701BHJP
   H04B 1/38 20150101ALI20220701BHJP
   H04W 92/04 20090101ALI20220701BHJP
【FI】
H01Q1/12 E
H01Q3/04
H04B1/38
H04W92/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219729
(22)【出願日】2020-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】521003896
【氏名又は名称】株式会社日本無線技術協力
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】丸坂 等
【テーマコード(参考)】
5J021
5J047
5K011
5K067
【Fターム(参考)】
5J021AA09
5J021DA05
5J021GA02
5J021HA05
5J047AA01
5J047AA09
5J047AA17
5J047AB03
5J047BF04
5K011AA06
5K011BA04
5K011JA01
5K011KA12
5K067AA42
5K067EE10
5K067KK01
5K067KK17
(57)【要約】
【課題】電波を効率的に送受信することができかつ保守点検を安全かつ迅速に実施する。
【解決手段】アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックス10が支柱20に取付けられ、ボックス10を下向きに傾斜した状態で設置可能で、支柱20に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材30と、支持部材30を支柱20に固定する固定部材40を備える携帯端末用基地局100を、ビルBの屋上の端又は隅でボックス10内のアンテナがビルBの外側下向きになりかつボックス10が支柱20の上方に位置するように設置し、保守点検時には、支持部材30を介してボックス10をビルBの内方側に回転させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと制御部及び送受信部(RRU(リモートラジオユニット))が一括して納められたボックスが支柱に取付けられた携帯端末用基地局であって、
前記ボックスを下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材と、
前記支持部材を前記支柱に固定する固定部材を備えることを特徴とする携帯端末用基地局。
【請求項2】
前記支柱の上部に設けられた定荷重ばね側から延びるワイヤーを前記支持部材に連結して、前記支持部材を一定の力で下げたり上げたりすることのできるようにしたアシスト装置を装着可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末用基地局。
【請求項3】
アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックスが支柱に取付けられ、
前記ボックスを下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材と、
前記支持部材を前記支柱に固定する固定部材を備える携帯端末用基地局で、
前記携帯端末用基地局は、ビルの屋上の端又は隅で前記ボックス内のアンテナが前記ビルの外側下向きになりかつ前記ボックスが前記支柱の上方に位置するように設置され、
保守点検時には、前記支持部材を介して前記ボックスを前記ビルの内方側に回転させるようにしたことを特徴とする携帯端末用基地局の設置方法。
【請求項4】
アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックスが支柱に取付けられ、
前記ボックスを下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材と、
前記支持部材を前記支柱に固定する固定部材を備える携帯端末用基地局で、
前記携帯端末用基地局は、ビルの屋上の端又は隅で前記ボックス内のアンテナが前記ビルの外側下向きになりかつ前記ボックスが前記支柱の上方に位置するように設置され、
保守点検時又は部品交換時には、前記支持部材を介して前記ボックスを前記ビルの内方側に回転させた後、前記ボックスを下方に移動させるようにしたことを特徴とする携帯端末用基地局の設置方法。
【請求項5】
アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックスが支柱に取付けられ、
前記ボックスを下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材と、
前記支持部材を前記支柱に固定する固定部材を備える携帯端末用基地局で、
前記携帯端末用基地局は、ビルの屋上の端又は隅で前記ボックス内のアンテナが前記ビルの外側下向きになりかつ前記ボックスが前記支柱の上方に位置するように設置され、
保守点検時又は部品交換時には、前記ボックスを下方に移動させた後、前記支持部材を介して前記ボックスを前記ビルの内方側に回転させるようにしたことを特徴とする携帯端末用基地局の設置方法。
【請求項6】
前記ボックスを前記ビルの内方側に90度から180度の範囲で回転させるようにしたことを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか一つに記載の携帯端末用基地局の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末用の基地局でアンテナと、制御部及び送受信部が一体化された携帯端末用基地局及びその携帯端末用基地局の設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯端末用の基地局としては、アンテナと、制御部及び送受信部で構成された、例えば、RRU(リモートラジオユニット)が一体化された一体型の携帯端末用基地局(例えば、特許文献1参照)と、アンテナに対して、RRUが分離された分離型の携帯端末用基地局(例えば、特許文献2参照)がある。
【0003】
一体型の携帯端末用基地局としては、例えば、特許文献1のように、歩道や施設広場に設置されたものが知られている。
このような場合に設置されたものであれば、保守点検は容易ではあるが、電波の到達を考慮すると装置の前面が自由空間である必要がある。また、車や人との接触を避けるように周りに進入禁止区域を設けなくてはならないといった制限がある。
【0004】
そこで、ビルの屋上に一体型の携帯端末用基地局を設置したものも知られているが、アンテナをビルの外側で下向きになるように傾ける必要があり、効率的に電波を送受信するためには一体型の携帯端末用基地局をできるだけビルの端や隅に設置する必要がある。
しかし、このように設置すると保守点検時には危険を伴い、装置を取り換える場合などは困難である。特に作業員が一人の場合の作業は相当厳しいものとなる。
【0005】
そこで、分離型の携帯端末用基地局では、アンテナだけをビルの屋上に設置し、その他の制御部及び送受信部などの装置については、アンテナから離して作業員が危険を伴うことなく安全に作業できる場所に設置されている。
しかしながら、この場合には、設置する場所が二ヶ所になるので、借地面積が増えるとともにアンテナと装置の間には給電線を設ける必要がある。また、装置側に比較してアンテナ側に故障する頻度は少ないもののアンテナ側が故障すると上述した危険性を伴い、早急に復旧することは至難の業である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3187291号公報
【特許文献2】特開2009-94660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の目的とするところは、電波を効率的に送受信することができかつ保守点検を安全かつ迅速に実施しうる携帯端末用基地局及びその設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の携帯端末用基地局は、アンテナと制御部及び送受信部(RRU(リモートラジオユニット))が一括して納められたボックス(10)が支柱(20)に取付けられた携帯端末用基地局(100)であって、
前記ボックス(10)を下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱(20)に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材(30)と、
前記支持部材(30)を前記支柱(20)に固定する固定部材(40)を備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記支柱(20)の上部に設けられた定荷重ばね側から延びるワイヤー(51)を前記支持部材(30)に連結して、前記支持部材(30)を一定の力で下げたり上げたりすることのできるようにしたアシスト装置(50)を装着可能にしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明の携帯端末用基地局の設置方法は、アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックス(10)が支柱(20)に取付けられ、
前記ボックス(10)を下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱(20)に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材(30)と、
前記支持部材(30)を前記支柱(20)に固定する固定部材(40)を備える携帯端末用基地局(100)で、
前記携帯端末用基地局(100)は、ビル(B)の屋上の端又は隅で前記ボックス(10)内のアンテナが前記ビル(B)の外側下向きになりかつ前記ボックス(10)が前記支柱(20)の上方に位置するように設置され、
保守点検時には、前記支持部材(30)を介して前記ボックス(10)を前記ビル(B)の内方側に回転させるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また本発明の携帯端末用基地局の設置方法は、アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックス(10)が支柱(20)に取付けられ、
前記ボックス(10)を下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱(20)に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材(30)と、
前記支持部材(30)を前記支柱(20)に固定する固定部材(40)を備える携帯端末用基地局(100)で、
前記携帯端末用基地局(100)は、ビル(B)の屋上の端又は隅で前記ボックス(10)内のアンテナが前記ビル(B)の外側下向きになりかつ前記ボックス(10)が前記支柱(20)の上方に位置するように設置され、
保守点検時又は部品交換時には、前記支持部材(30)を介して前記ボックス(10)を前記ビル(B)の内方側に回転させた後、前記ボックス(10)を下方に移動させるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また本発明の携帯端末用基地局の設置方法は、アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックス(10)が支柱(20)に取付けられ、
前記ボックス(10)を下向きに傾斜した状態で設置可能で、前記支柱(20)に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられる支持部材(30)と、
前記支持部材(30)を前記支柱(20)に固定する固定部材(40)を備える携帯端末用基地局(100)で、
前記携帯端末用基地局(100)は、ビル(B)の屋上の端又は隅で前記ボックス(10)内のアンテナが前記ビル(B)の外側下向きになりかつ前記ボックス(10)が前記支柱(20)の上方に位置するように設置され、
保守点検時又は部品交換時には、前記ボックス(10)を下方に移動させた後、前記支持部材(30)を介して前記ボックス(10)を前記ビル(B)の内方側に回転させるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記ボックス(10)を前記ビル(B)の内方側に90度から180度の範囲で回転させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
なお、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アンテナと制御部及び送受信部が一括して納められたボックスが支柱に取付けられた携帯端末用基地局に関して、ボックスを下向きに傾斜した状態で設置可能とする支持部材を、支柱に対して回転自在かつ上下移動自在にして、支柱に固定することができるようにしたので、支柱に対してボックスをどの高さにも移動させることができ、どの高さにおいてもボックスを支柱周りに回転させることができる。
よって、携帯端末用基地局を、ビルの屋上の端又は隅で高い位置に設置しアンテナを下向きにして電波の送受信を効率的に行うことができる。
【0016】
そして、保守点検時には、ボックスを設置された高さで作業員の方に向けて回転させることができ、また部品交換時には、ボックスを設置位置から下げた後に作業員の方に向けて回転させたり、あるいはボックスを作業員の方に向けて回転させた後、下げたりすることができるので、作業員が危険な場所に移動する必要はなく安全でしかも保守点検や部品交換を迅速に実施することができる。
【0017】
また本発明によれば、支柱の上部に設けられた定荷重ばね側から延びるワイヤーを支持部材に連結して、支持部材を一定の力で下げたり上げたりすることのできるようにしたアシスト装置を装着することにより作業性を一層高めることができる。
【0018】
また、5G(第5世代移動通信システム)の普及によりビルの屋上に携帯端末用基地局を設置することは今後、増加することが予想されるので本発明は特に有益である。
このような携帯端末用基地局及びその設置方法については、前述の特許文献1,2には一切記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る携帯端末用基地局が設置された状態を示す外観斜視図である。
図2図1に示す携帯端末用基地局の拡大側面図である。
図3図2に示すA-A線拡大断面図である。
図4図2に示す支持部材を示す拡大斜視図である。
図5図2に示すアシスト装置とスライドパイプとの関係を示す拡大斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る携帯端末用基地局においてボックスとともに支持部材を高い位置で回転させた状態を示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る携帯端末用基地局においてボックスとともに支持部材を低い位置で回転させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して、本発明の実施形態に係る携帯端末用基地局及びその設置方法について説明する。
【0021】
本発明の実施形態に係る携帯端末用基地局100は、アンテナ(図示しない)と制御部及び送受信部(RRU(リモートラジオユニット))(図示しない)が一括して納められたボックス10が支柱20に取付けられたもので、図1に示すように、ビルBの屋上の隅(端であってもよい)でボックス10を下向きに傾斜させた状態で架台200の上に設置されている。アンテナは、そのアンテナ面が、ボックス10の内部においてボックス10の前面(支柱20側の後面とは逆側でビルB外向きの面)に平行になるように納められているが、図2のようにボックス10を垂直にした場合、内部のアンテナ面だけを前面下向きに傾けた状態で納めるようにしてもよい。
【0022】
携帯端末用基地局100は、図2に示すように、ボックス10を支持する支持部材30と、支持部材30を支柱20に固定する固定部材40を備えている。また、作業時には、支持部材30を一定の力で下げたり上げたりすることのできるようにしたアシスト装置50を支柱20に装着することができるようになっている。
【0023】
支柱20は、図3に示すように、四角柱状であり、同じく四角柱状の空洞が中央に形成されたスライドパイプ41のその空洞に挿入されるようにして、スライドパイプ41は支柱20に対して上下方向に移動自在に取付けられている。
これにより、スライドパイプ41が支柱10に対して水平方向に回転することがないように規制されている。
支柱20の下部にはストッパ45が設けられ、スライドパイプ41の最下点としてそれより下側にスライドパイプ41が下がらないようにしている。
【0024】
支持部材30は、図4に示すように、ボックス10が直接取付けられ立設されたボックス取付部31と、そのボックス取付部31の中央部と下部から水平に延びる上側水平板32と下側水平板33と、上側水平板32の端部と下側水平板33の端部を連結する連結バー34を有している。また、ボックス取付部31の上部と上側水平板32の端部には斜めに補強バー36が設けられている。
上側水平板32の中央と下側水平板33の中央には、穴32H,33Hがそれぞれ形成され、スライドパイプ41が挿通されるようになっている。スライドパイプ41の長さは上下の穴32Hと穴33Hとの間の距離よりも長くなっている。
【0025】
スライドパイプ41は円柱状で上述したように差し込まれた支柱20が回転しないように断面正方形の中空部を有している。
スライドパイプ41の上面及び下面にはそれぞれ全周が外方に突出したフランジ41A,41Bが設けられている。フランジ41Aの上面側にはアシスト装置50の使用時にそのアシスト装置50から延びるワイヤー51の先端が固定される突出部41Cが設けられている。
【0026】
また、フランジ41Aの上面及びフランジ41Bの下面には穴開きの突起部41D,41Eが設けられ、穴にボルト46をそれぞれ通して上下に移動自在のスライドパイプ41を支柱20に対して固定するようになっている。支柱20にはボルト46の先端が差し込まれ螺合されるねじ穴(図示しない)が支柱20の高い位置と低い位置に形成され、スライドパイプ41を支柱20に対して高い位置(図2)と低い位置で固定することができるようになっている。
例えば、支柱20の長さを2000mmとし、突起部41Dに貫通したボルト46に相対向する支柱20のねじ穴の位置Xと、突起部41Eに貫通したボルト46に相対向する支柱20のねじ穴の位置Yとの距離を600mmとした場合、スライドパイプ41を高い位置(図2)にする場合、ねじ穴の位置Xを支柱20の上端から300mm,ねじ穴の位置Yを支柱20の上端から900mm(300mm+600mm)とし、スライドパイプ41を低い位置にする場合、ねじ穴の位置Xを支柱20の上端から800mm,ねじ穴の位置Yを支柱20の上端から1400mm(800mm+600mm)としている。
なお、数値については特に限定されるものではなく、スライドパイプ41を支柱20に対して少なくとも高い位置と低い位置の二ヶ所に固定できるようにねじ穴が設けられていればよい。
【0027】
また、フランジ41Aの下側には上部固定金具42がボルト44を介して取付けられ、フランジ41Bの上側には下部固定金具43がボルト44を介して取付けられている。
そして、支持部材30の上側水平板32が上部固定金具42の上側に載置され、下側水平板33が下部固定金具43の上側に載置されている。
【0028】
これにより、アンテナが制御部及び送受信部と納められたボックス10が取付けられた支持部材30はボックス10とともに、支柱20の周りに360度回転自在である。それに加え、スライドパイプ41は上下移動自在であるので、支持部材30はボックス10とともに上下移動自在でもある。
【0029】
なお、アシスト装置50には先端にクリップ62が取付けられたチェーン61が設けられ、支柱20に対してアシスト装置50を装着するときにはクリップ62を、支柱20の上部に設けられたリング35に係止することにより落下防止を図っている。
【0030】
このように構成された携帯端末用基地局100は、通常は、図1に示したように、ビルBの屋上の隅で、高い位置からアンテナが納められたボックス10をビルBの外向きかつ下向きにした状態で設置され、これにより電波の送受信を効率的に行うことができるようにされる。
そして、保守点検時には、図6(a)から図6(b)に示すように、ビルBの屋上に登った作業員が、支柱20に対して高い位置にある支持部材30をボックス10とともに水平方向にビルBの内方側に回転させてボックス10を自分の方に向けた状態にして保守点検を実施する。
また、部品交換時などには、支柱20にアシスト装置50を装着して、図6(b)の状態から支持部材30を介してボックス10を下方に移動させるようにすることもできる。
また、図6(a)から図7(a)に示すように、ボックス10を下方に移動させた後、図7(b)に示すように、支持部材30を介してボックス10をビルBの内方側に、すなわち作業員側に向けて回転させるようにすることもできる。
ここで部品交換とは、個々の部品を交換することであるが、アンテナと制御部及び送受信部(RRU(リモートラジオユニット))が納められたボックス10毎交換する場合も含まれる。
【0031】
図1図6で示したように、携帯端末用基地局100がビルBの屋上の隅に設置され、ボックス10の面がビルBの面に平行な場合や、携帯端末用基地局100がビルBの屋上の端に設置され、ボックス10の面がビルBの面に平行な場合は、ボックス10をビルBの内方側に90度から180度の範囲で回転させるようにすれば作業員の方に向けることができる。
【0032】
これによれば、ボックス10を作業員の方に向けて回転させ、その高さも自由に変えることができるので、作業員が危険な場所に移動する必要はなく安全でしかも保守点検や部品交換を一人でも迅速に実施することができる。
【0033】
なお、支持部材30に対してボックス10を下側に向けて傾斜させて取付けたが、ボックス10の内部でアンテナ面を下向きに傾斜させるようにすれば、図6(a)で示すように、ボックス10について傾斜させなくてもよい。
また、支持部材30についてはボックス10が取付けられ支持するもので支柱2に対して回転自在かつ上下移動自在に取付けられるものであればどのような構成,形状をしたものであってもよい。
また、支持部材30を支柱20に固定する固定部材40としては、図2に示すように、スライドパイプ41,上部固定金具42,下部固定金具43,ボルト44,ストッパ45,ボルト46で構成したが、特にこれに限定されるものではない。
また、本実施形態は、支持部材30の上げ下げをするときには、アシスト装置50を支柱20に装着して支持部材30の上げ下げを容易にしたが特にアシスト装置50を装着することなく作業を行うこともできる。
【符号の説明】
【0034】
10 ボックス
20 支柱
30 支持部材
31 ボックス取付部
32 上側水平板
32H 穴
33 下側水平板
33H 穴
34 連結バー
35 リング
36 補強バー
40 固定部材
41 スライドパイプ
41A フランジ
41B フランジ
41C 突出部
41D 突起部
41E 突起部
42 上部固定金具
43 下部固定金具
44 ボルト
45 ストッパ
46 ボルト
50 アシスト装置
51 ワイヤー
61 チェーン
62 クリップ
100 携帯端末用基地局
200 架台
B ビル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7