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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104513
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】電子レンジ
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20220701BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220701BHJP
【FI】
F24C7/02 501D
F24C7/02 541C
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129214
(22)【出願日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】P 2020218488
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昌史
【テーマコード(参考)】
3L086
5G503
【Fターム(参考)】
3L086AA01
3L086BA04
3L086BE02
3L086BE11
3L086DA19
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA02
5G503FA03
(57)【要約】
【課題】電子レンジの大型化を抑制すること。
【解決手段】電子レンジは、ハウジングと、ハウジングの内部に設けられる調理室と、ハウジングの内部に設けられ発熱部品が配置される部品室と、ハウジングの前部に設けられ調理室に通じる第1開口を開閉するドアと、ハウジングの後部に設けられバッテリパックが着脱されるバッテリ装着部と、ハウジングの後部に設けられ部品室から排出される空気が流れる排気口と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられる調理室と、
前記ハウジングの内部に設けられ発熱部品が配置される部品室と、
前記ハウジングの前部に設けられ前記調理室に通じる第1開口を開閉するドアと、
前記ハウジングの後部に設けられバッテリパックが着脱されるバッテリ装着部と、
前記ハウジングの後部に設けられ前記部品室から排出される空気が流れる排気口と、を備える、
電子レンジ。
【請求項2】
前記排気口は、前記ハウジングの後部において前記バッテリ装着部よりも下方に設けられる、
請求項1に記載の電子レンジ。
【請求項3】
前記ハウジングの前部に設けられ前記部品室の内部に吸入される空気が流れる吸気口を備える、
請求項1又は請求項2に記載の電子レンジ。
【請求項4】
前記吸気口は、前記ハウジングの前部において前記第1開口よりも下方に設けられる、
請求項3に記載の電子レンジ。
【請求項5】
前記部品室に通じる第2開口に着脱可能なカバープレートを備え、
前記吸気口は、前記カバープレートに設けられた貫通孔を含む、
請求項3又は請求項4に記載の電子レンジ。
【請求項6】
前記吸気口から吸引された空気から異物を回収するフィルタを備える、
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の電子レンジ。
【請求項7】
前記フィルタは、前記ハウジングの内部において前記吸気口に対向するように配置される、
請求項6に記載の電子レンジ。
【請求項8】
前記部品室は、前記調理室よりも下方に設けられる、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電子レンジ。
【請求項9】
前記ハウジングの内側に配置される板金部材を備え、
前記発熱部品は、前記板金部材に支持される、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電子レンジ。
【請求項10】
前記板金部材は、底板部を含み、
前記発熱部品は、前記底板部に支持される、
請求項9に記載の電子レンジ。
【請求項11】
前記板金部材は、前記底板部の前部に接続される前板部と、前記底板部の後部に接続される後板部とを含み、
前記前板部及び前記後板部のそれぞれは、通気口を有する、
請求項10に記載の電子レンジ。
【請求項12】
前記ドアは、ヒンジを介して前記板金部材に連結され、
前記ヒンジの回動軸は、上下方向に延伸し、
前記ハウジングの前部において前記ヒンジの下方に設けられる出力端子を備える、
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の電子レンジ。
【請求項13】
前記出力端子は、前記バッテリパックからの電力を出力する、
請求項12に記載の電子レンジ。
【請求項14】
前記ハウジングは、第1外装部材と第2外装部材とを含み、
前記第1外装部材と前記第2外装部材との境界に設けられるシール部を備える、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の電子レンジ。
【請求項15】
前記シール部は、前記第1外装部材の端部に設けられた第1曲折部と前記第2外装部材の端部に設けられた第2曲折部とを含むラビリンスシールを含む、
請求項14に記載の電子レンジ。
【請求項16】
前記バッテリ装着部は、前記バッテリパックを上下方向にガイドするガイドレールを有し、
前記バッテリ装着部の上方から前記バッテリパックが挿入されることにより、前記バッテリ装着部に前記バッテリパックが装着される、
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の電子レンジ。
【請求項17】
前記バッテリパックが前記バッテリ装着部に装着された状態で、前記ハウジングの上面は、前記バッテリパックの上面よりも上方に配置される、
請求項16に記載の電子レンジ。
【請求項18】
前記バッテリ装着部は、第1バッテリ装着部と、第2バッテリ装着部と、を含み、
前記第1バッテリ装着部と前記第2バッテリ装着部とは、左右方向に配置される、
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の電子レンジ。
【請求項19】
前記第1バッテリ装着部に装着される第1バッテリパックと、前記第2バッテリ装着部に装着される第2バッテリパックとは、並列接続される、
請求項18に記載の電子レンジ。
【請求項20】
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられる調理室と、
前記ハウジングの内部において前記調理室よりも下方に設けられ発熱部品が配置される部品室と、
前記ハウジングの前部に設けられ前記調理室に通じる第1開口を開閉するドアと、
前記ハウジングの後部に設けられバッテリパックが着脱されるバッテリ装着部と、
前記ハウジングの前部において前記第1開口よりも下方に設けられ前記部品室の内部に吸入される空気が流れる吸気口と、
前記ハウジングの後部において前記バッテリ装着部よりも下方に設けられ前記部品室から排出される空気が流れる排気口と、
左右方向に延伸する回動軸を有するヒンジを介して前記ハウジングの上部に連結されるハンドルと、
前記ハウジングの前部において前記第1開口よりも上方に設けられ少なくとも電源ボタンを有するインタフェース部と、を備える、
電子レンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子レンジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子レンジに係る技術分野において、特許文献1に開示されているような、電動工具用バッテリから供給される電力により作動する携帯用電磁調理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/225626号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯用の電子レンジは、作業現場又は避難場所で使用される場合がある。また、携帯用の電子レンジは、使用者により運搬される場合がある。そのため、電子レンジの小型化が要望される。
【0005】
本開示は、電子レンジの大型化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ハウジングと、ハウジングの内部に設けられる調理室と、ハウジングの内部に設けられ発熱部品が配置される部品室と、ハウジングの前部に設けられ調理室に通じる第1開口を開閉するドアと、ハウジングの後部に設けられバッテリパックが着脱されるバッテリ装着部と、ハウジングの後部に設けられ部品室から排出される空気が流れる排気口と、を備える、電子レンジが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電子レンジの大型化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電子レンジを示す左前方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電子レンジを示す右後方からの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る電子レンジを示す断面図である。
図4図4は、実施形態に係る電子レンジにおいてドアが開いている状態を示す左前方からの斜視図である。
図5図5は、実施形態に係るバッテリ装着部及びバッテリパックを示す左後方からの斜視図である。
図6図6は、実施形態に係るバッテリパックが装着された状態の電子レンジを示す側面図である。
図7図7は、実施形態に係る電子レンジを示す左前方からの分解斜視図である。
図8図8は、実施形態に係る電子レンジを示す左前方からの斜視図である。
図9図9は、実施形態に係る電子レンジを示す斜視断面図である。
図10図10は、実施形態に係る電子レンジを示す斜視断面図である。
図11図11は、実施形態に係る板金部材を示す左前方からの斜視図である。
図12図12は、実施形態に係る第1バッテリパック及び第2バッテリパックを示す模式図である。
図13図13は、実施形態に係る電子レンジを示すブロック図である。
図14図14は、実施形態に係る傾斜角センサを有する電子レンジを示す破断図である。
図15図15は、実施形態に係る傾斜角センサを有する電子レンジを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電子レンジ1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
[電子レンジ]
図1は、実施形態に係る電子レンジ1を示す左前方からの斜視図である。図2は、実施形態に係る電子レンジ1を示す右後方からの斜視図である。図3は、実施形態に係る電子レンジ1を示す断面図である。
【0012】
電子レンジ1は、携帯用の電子レンジである。使用者は、建設現場又は工事現場のような作業現場において電子レンジ1を使用することができる。使用者は、災害時の避難場所において電子レンジ1を使用することができる。使用者は、電子レンジ1を運搬することができる。
【0013】
図1図2、及び図3に示すように、電子レンジ1は、ハウジング2と、板金部材100と、ドア3と、バッテリ装着部4と、吸気口5と、排気口6と、インタフェース部7と、出力端子8と、ハンドル9とを備える。
【0014】
ハウジング2は、合成樹脂製である。ハウジング2は、表面を有する。ハウジングの表面は、前面21、後面22、左面23、右面24、上面25、及び下面26を含む。前面21は、前方を向く。後面22は、後方を向く。左面23は、左方を向く。右面24は、右方を向く。上面25は、上方を向く。下面26は、下方を向く。
【0015】
ハウジング2の内部に調理室10及び部品室11が設けられる。部品室11は、調理室10よりも下方に配置される。調理室10には、加熱対象の食品が配置される。部品室11には、発熱部品12が配置される。発熱部品12とは、電力の供給により作動してその作動により発熱する部品をいう。
【0016】
板金部材100は、ハウジング2の内側に配置される。調理室10及び部品室11のそれぞれは、板金部材100により形成される。板金部材100は、底板部101と、前板部102と、後板部103とを有する。
【0017】
ドア3は、ハウジング2の前部に設けられた開口13を開閉する。開口13は、前板部102に形成される。開口13は、調理室10に通じる。使用者は、開口13を介して調理室10に食品を入れることができる。使用者は、開口13を介して調理室10から食品を出すことができる。
【0018】
図4は、実施形態に係る電子レンジ1においてドア3が開いている状態を示す左前方からの斜視図である。図4に示すように、ドア3は、ヒンジ14を介して板金部材100の前板部102に連結される。ヒンジ14は、前板部102の右端部に配置される。ドア3の右端部と前板部102の右端部とがヒンジ14を介して連結される。ヒンジ14の回動軸は、上下方向に延伸する。ドア3は、所謂、横開きタイプである。ドア3が横開きタイプなので、電子レンジ1が狭い空間に設置されている状態でも、使用者はドア3を円滑に開くことができる。
【0019】
ドア3は、プレート部31と、プレート部31の周囲に配置されるフレーム部32とを有する。
【0020】
プレート部31は、フレーム部32に固定される。プレート部31は、強化ガラスにより形成される。使用者は、ドア3が閉じている状態で、プレート部31を介して調理室10の内部を確認することができる。
【0021】
フレーム部32の右端部と前板部102とがヒンジ14を介して連結される。フレーム部32の左端部にラッチ36が設けられる。前板部102の左端部に開口37が設けられる。ラッチ36が開口37に掛けられることにより、ドア3が閉じられている状態が維持される。
【0022】
フレーム部32は、ベースフレーム部321と、ベースフレーム部321の前部を覆うカバーフレーム部322とを有する。ベースフレーム部321の少なくとも一部は、金属製である。カバーフレーム部322は、合成樹脂製である。実施形態において、カバーフレーム部322は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)製である。カバーフレーム部322の前端部は、プレート部31の前面よりも前方に配置される。カバーフレーム部322の前端部がプレート部31の前面よりも前方に配置されるので、プレート部31はカバーフレーム部322に保護される。電子レンジ1の運搬中にカバーフレーム部322が物体に当たっても、物体がプレート部31に当たることが抑制される。
【0023】
バッテリ装着部4は、ハウジング2の後部に設けられる。実施形態において、バッテリ装着部4は、ハウジング2の後面22に配置される第1バッテリ装着部41と、ハウジング2の後面22において第1バッテリ装着部41の隣に配置される第2バッテリ装着部42とを含む。第1バッテリ装着部41と第2バッテリ装着部42とは、左右方向に間隔をあけて配置される。第1バッテリ装着部41は、第2バッテリ装着部42よりも左方に配置される。
【0024】
第1バッテリ装着部41の構造と第2バッテリ装着部42の構造とは、等しい。第1バッテリ装着部41の外形の寸法と第2バッテリ装着部42の外形の寸法とは、等しい。第1バッテリ装着部41及び第2バッテリ装着部42のそれぞれは、一対のガイドレール43と、一対のガイドレール43の間に配置される端子44とを有する。ガイドレール43は、上下方向に延伸する。一対のガイドレール43は、左右方向に間隔をあけて配置される。端子44は、複数設けられる。
【0025】
左右方向において、後面22の中心と第1バッテリ装着部41との距離と、後面22の中心と第2バッテリ装着部42との距離とは、等しい。上下方向において、第1バッテリ装着部41の位置と第2バッテリ装着部42の位置とは、等しい。
【0026】
図5は、実施形態に係るバッテリ装着部4及びバッテリパック15を示す左後方からの斜視図である。バッテリ装着部4にバッテリパック15が着脱される。バッテリパック15は、電子レンジ1に搭載されている電子機器(負荷)に電力を供給する。電子機器は、発熱部品12を含む。バッテリパック15は、種々の電気機器の電源として使用可能な汎用バッテリである。バッテリパック15は、電動工具の電源として使用可能である。バッテリパック15は、電動工具以外の電気機器の電源として使用可能である。バッテリパック15は、リチウムイオンバッテリを含む。バッテリパック15は、充電可能な充電式バッテリである。バッテリ装着部4は、電動工具のバッテリ装着部と同等の構造を有する。
【0027】
バッテリパック15は、第1バッテリ装着部41に装着される第1バッテリパック151と、第2バッテリ装着部42に装着される第2バッテリパック152とを含む。
【0028】
第1バッテリパック151の外形と第2バッテリパック152の外形とは、等しい。第1バッテリパック151の外形の寸法と第2バッテリパック152の外形の寸法とは、等しい。第1バッテリパック151の重量と第2バッテリパック152の重量とは、等しい。第1バッテリパック151の容量と第2バッテリパック152の容量とは、等しい。すなわち、第1バッテリパック151と第2バッテリパック152とは、同種類のバッテリパック15である。
【0029】
第1バッテリ装着部41と第2バッテリ装着部42とが左右対称の位置に配置され、第1バッテリ装着部41に装着される第1バッテリパック151と第2バッテリ装着部42に装着される第2バッテリパック152とが同種類のバッテリパック15なので、第1バッテリ装着部41に第1バッテリパック151が装着され第2バッテリ装着部42に第2バッテリパック152が装着されている状態で、左右方向の電子レンジ1の重量バランスが良化される。そのため、第1バッテリ装着部41に第1バッテリパック151が装着され第2バッテリ装着部42に第2バッテリパック152が装着されている状態で、使用者は、電子レンジ1を円滑に運搬することができる。
【0030】
使用者は、バッテリ装着部4にバッテリパック15を装着する作業及びバッテリ装着部4からバッテリパック15を外す作業を実施することができる。使用者は、バッテリパック15を上方からバッテリ装着部4に挿入して下方に移動することにより、バッテリパック15をバッテリ装着部4に装着することができる。すなわち、バッテリ装着部4の上方からバッテリパック15が挿入されることにより、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着される。
【0031】
バッテリ装着部4のガイドレール43は、バッテリパック15を上下方向にガイドする。バッテリパック15は、ガイドレール43にガイドされながらバッテリ装着部4に挿入される。バッテリパック15がバッテリ装着部4に装着されることにより、バッテリパック15の端子とバッテリ装着部4の端子44とが接続される。バッテリパック15の端子は、電源端子と信号端子とを含む。バッテリ装着部4の端子44は、電源端子と信号端子とを含む。バッテリパック15の電源端子とバッテリ装着部4の電源端子とが接続されることにより、バッテリパック15からバッテリ装着部4に電力が供給される。バッテリパック15の信号端子とバッテリ装着部4の信号端子とが接続されることにより、バッテリパック15とバッテリ装着部4とは制御信号を送受信することができる。使用者は、バッテリパック15を上方に移動することにより、バッテリ装着部4からバッテリパック15を外すことができる。
【0032】
作業現場においては、電子レンジ1は床面又は地面に設置された状態で使用される可能性がある。使用者は、電子レンジ1が床面又は地面に設置されている状態で、バッテリ装着部4の上方からバッテリパック15をバッテリ装着部4に円滑に挿入することができる。
【0033】
図6は、実施形態に係るバッテリパック15が装着された状態の電子レンジ1を示す側面図である。図6に示すように、バッテリパック15がバッテリ装着部4に装着された状態で、ハウジング2の上面25は、バッテリパック15の上面153よりも上方に配置される。バッテリパック15がハウジング2の上面25よりも上方に突出しないので、上下方向の電子レンジ1の大型化が抑制される。また、使用者は、ハウジング2の上面25に物品を置くことができる。
【0034】
図1図3、及び図4に示すように、吸気口5は、ハウジング2の前部に設けられる。吸気口5は、部品室11に通じる。部品室11の内部に吸入される空気は、吸気口5を流れる。吸気口5は、ハウジング2の前部において開口13よりも下方に設けられる。
【0035】
図7は、実施形態に係る電子レンジ1を示す左前方からの分解斜視図である。ハウジング2の前部に開口16が設けられる。開口16は、開口13よりも下方に形成される。開口16は、左右方向に長い。開口16は、実質的に台形状である。開口16は、部品室11に通じる。
【0036】
開口16に、カバープレート17、フィルタ18、及びメッシュプレート19が配置される。カバープレート17及びメッシュプレート19のそれぞれは、金属製である。カバープレート17及びメッシュプレート19を形成する金属として、鉄又はステンレス鋼が例示される。フィルタ18は、ウレタン樹脂製又はナイロン樹脂製の多孔部材である。
【0037】
カバープレート17は、開口16に着脱可能である。フィルタ18は、開口16に着脱可能である。カバープレート17及びフィルタ18のそれぞれは、交換可能である。なお、メッシュプレート19も交換可能でもよい。
【0038】
カバープレート17は、フィルタ18よりも前方に配置される。フィルタ18は、メッシュプレート19よりも前方に配置される。フィルタ18は、カバープレート17とメッシュプレート19とに挟まれる。フィルタ18の前面は、カバープレート17の後面に対向する。フィルタ18の後面は、メッシュプレート19の前面に対向する。
【0039】
カバープレート17は、貫通孔171を有する。貫通孔171は、カバープレート17の前面と後面とを結ぶように形成される。貫通孔171は、左右方向及び上下方向のそれぞれに間隔をあけて複数設けられる。
【0040】
メッシュプレート19は、貫通孔191を有する。貫通孔191は、メッシュプレート19の前面と後面とを結ぶように形成される。貫通孔191は、左右方向及び上下方向のそれぞれに間隔をあけて複数設けられる。
【0041】
吸気口5は、カバープレート17に設けられた貫通孔171を含む。吸気口5は、メッシュプレート19に設けられた貫通孔191を含む。フィルタ18は、貫通孔171よりもハウジング2の内側に配置される。フィルタ18は、カバープレート17の貫通孔171(吸気口5)に対向するように配置される。
【0042】
部品室11の内部にファン20が配置される。ファン20は、開口16に面するように配置される。ファン20は、メッシュプレート19よりも後方に配置される。ファン20は、2つ配置される。2つのファン20は、左右方向に間隔をあけて配置される。
【0043】
吸気口5は、カバープレート17に設けられた貫通孔171を含む。吸気口5が小さいので、ハウジング2の外部の異物が吸気口5を介して部品室11に侵入することが抑制される。
【0044】
図2図3、及び図5に示すように、排気口6は、ハウジング2の後部に設けられる。排気口6は、部品室11に通じる。部品室11から排出される空気は、排気口6を流れる。排気口6は、ハウジング2の後部においてバッテリ装着部4よりも下方に設けられる。実施形態において、排気口6は、ハウジング2の後部に設けられた複数の貫通孔61を含む。貫通孔61は、部品室11とハウジング2の外部とを結ぶように形成される。貫通孔61は、左右方向及び上下方向のそれぞれに間隔をあけて複数設けられる。
【0045】
排気口6は、ハウジング2の後部に設けられた貫通孔61を含む。排気口6が小さいので、ハウジング2の外部の異物が排気口6を介して部品室11に侵入することが抑制される。
【0046】
ファン20が回転すると、ハウジング2の外部の空気が、カバープレート17の貫通孔171、フィルタ18、及びメッシュプレート19の貫通孔191を介して、部品室11の内部に流入する。フィルタ18は、カバープレート17の貫通孔171(吸気口5)から吸引された空気から異物を回収する。
【0047】
部品室11の空気は、排気口6を介してハウジング2の外部に流出する。部品室11には、発熱部品12が配置されている。空気が部品室11を流れることにより、発熱部品12が空気で冷却される。これにより、発熱部品12の過度な温度上昇が抑制される。
【0048】
電子レンジ1が作業現場又は屋外で使用されても、フィルタ18により、部品室11に異物が侵入することが抑制される。また、カバープレート17及びフィルタ18は、開口16に着脱可能である。そのため、使用者は、フィルタ18が汚れた場合、フィルタ18の交換又はクリーニングを簡単に実施することができる。
【0049】
図6に示すように、電子レンジ1の後方に物体が存在しても、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されていることにより、排気口6と物体との距離が短くなることが抑制される。これにより、部品室11の空気は、排気口6から円滑に排出される。また、排気口6から排出される空気の温度は高い。排気口6と物体との距離が短くなることが抑制されるので、物体の温度の上昇が抑制される。
【0050】
バッテリ装着部4は、調理室10の後方に配置される。バッテリ装着部4と部品室11とは離れている。そのため、部品室11に配置されている発熱部品12の熱が、バッテリ装着部4に装着されているバッテリパック15に伝達されることが抑制される。発熱部品12によるバッテリパック15の加熱が抑制されるので、バッテリパック15の劣化が抑制される。
【0051】
バッテリ装着部4は、排気口6よりも上方に配置される。すなわち、バッテリ装着部4は、後面22の上部に配置される。これにより、使用者は、電子レンジ1が床面又は地面に設置されている状態で、バッテリ装着部4に対するバッテリパック15の着脱を円滑に実施することができる。
【0052】
インタフェース部7は、使用者と電子レンジ1との間でデータのやり取りを実施するユーザインタフェース機能を有する。インタフェース部7は、ハウジング2の前部において開口13よりも上方に設けられる。インタフェース部は、電源ボタン71と、出力切換ボタン72と、停止ボタン73と、設定ダイヤル74と、ディスプレイ75とを有する。
【0053】
電源ボタン71が押されることにより、電子レンジ1が起動する。出力切換ボタン72が押されることにより、電子レンジ1の出力が例えば500[W]と350[W]とに切り換えられる。停止ボタン73が押されることにより、電子レンジ1の作動が停止する。設定ダイヤル74が回転されることにより、調理室10に入れられた食品の加熱時間が設定される。設定ダイヤル74は、スタートボタンとしても機能する。設定ダイヤル74が押されることにより、調理室10に入れられた食品の加熱が開始される。
【0054】
ディスプレイ75は、出力切換ボタン72により設定された出力、設定ダイヤル74により設定された加熱時間、加熱残り時間、及びバッテリ残量等を表示する。ディスプレイ75として、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(Organic Electro Luminescence Display)が例示される。
【0055】
インタフェース部7は、ハウジング2の前部において開口13よりも上方に設けられる。そのため、使用者は、電子レンジ1が床面又は地面に設置されている状態で、電源ボタン71、出力切換ボタン72、停止ボタン73、及び設定ダイヤル74の操作、及びディスプレイ75の視認を円滑に実施することができる。
【0056】
出力端子8は、ハウジング2の前部においてヒンジ14の下方に設けられる。出力端子8は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)端子を含む。出力端子8は、端子カバー81で覆われる。端子カバー81は、ゴム製である。出力端子8は、端子カバー81により保護される。端子カバー81の上端部は、ハウジング2に接続される。出力端子8は、バッテリパック15からの電力を出力する。
【0057】
使用者は、携帯端末のような電子機器を出力端子8に接続することができる。電子機器と出力端子8とを接続する場合、使用者は、出力端子8が露出するように、端子カバー81を持ち上げる。使用者は、電子機器と出力端子8とを接続することにより、電子機器が有する二次電池を充電することができる。
【0058】
出力端子8は、ハウジング2の前部に設けられる。そのため、使用者は、電子機器と出力端子8とを円滑に接続することができる。出力端子8は、ハウジング2の前部においてヒンジ14の下方に設けられる。そのため、開口13を介して調理室10に食品を入れたり調理室10から食品を出したりするときに、使用者が誤って食品をこぼしてしまっても、こぼれた食品が出力端子8に掛かることが抑制される。
【0059】
図8は、実施形態に係る電子レンジ1を示す左前方からの斜視図である。ハンドル9は、ヒンジ91を介してハウジング2の上部に連結される。ヒンジ91の回動軸は、左右方向に延伸する。ハンドル9は、ヒンジ91を介してハウジング2に連結される2つのアーム部92と、2つのアーム部92を繋ぐグリップ部93とを含む。
【0060】
図8に示すように、ハンドル9は、グリップ部93がハウジング2から離れるように回動可能である。グリップ部93がハウジング2から離れるようにハンドル9が回動されることにより、使用者は、グリップ部93を手で握って電子レンジ1を運搬することができる。
【0061】
前後方向において、ハンドル9は、ハウジング2の中央部に連結される。また、ヒンジ91の回動軸は、左右方向に延伸する。そのため、使用者は、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態で、ハンドル9を手で握って電子レンジ1を円滑に運搬することができる。すなわち、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態においては、前後方向の電子レンジ1の重量バランスが悪化する可能性がある。ハンドル9のヒンジ91の回動軸が左右方向に延伸しているので、前後方向の電子レンジ1の重量バランスが悪化していても、使用者は、ハンドル9を手で握って電子レンジ1を円滑に運搬することができる。
【0062】
ハウジング2の上部に凹部27が設けられる。図1に示すように、ハンドル9は、アーム部92及びグリップ部93が凹部27に収容されるように回動可能である。ハンドル9が凹部27に収容されている状態で、ハンドル9は、ハウジング2の上面25よりも下方に配置される。ハンドル9がハウジング2の上面25よりも上方に突出しないので、上下方向の電子レンジ1の大型化が抑制される。また、使用者は、ハウジング2の上面25に物品を置くことができる。
【0063】
ハンドル9は、ハウジング2の上部に配置される。発熱部品12は、ハウジング2の下部に配置される。そのため、発熱部品12の熱がハンドル9に伝達されることが抑制される。すなわち、ハンドル9の加熱が抑制される。
【0064】
図9及び図10のそれぞれは、実施形態に係る電子レンジ1を示す斜視断面図である。図9図4のA-A線断面矢視図に相当し、図10図4のB-B線断面矢視図に相当する。
【0065】
ハウジング2は、複数の外装部材を含む。ハウジング2は、少なくとも第1外装部材28と第2外装部材29とを含む。図9及び図10に示す例において、第1外装部材28は、第2外装部材29よりも前方に配置される。第1外装部材28は、第2外装部材29に隣接する。第1外装部材28は、ハウジング2の上面25の前部を含む。第1外装部材28は、ハウジング2の上面25の後部を含む。
【0066】
ハウジング2は、第1外装部材28と第2外装部材29との境界に設けられるシール部30を有する。シール部30は、第1外装部材28の後端部に設けられた第1曲折部33と第2外装部材29の前端部に設けられた第2曲折部34とを含むラビリンスシール35を含む。
【0067】
シール部30により、ハウジング2の外部の異物がハウジング2の内部に侵入することが抑制される。異物は液体(水)を含む。シール部30により、ハウジング2の内部は、防水される。電子レンジ1が作業現場又は屋外で使用されても、シール部30により、異物がハウジング2の内部に侵入することが抑制される。
【0068】
電子レンジ1は、ハウジング2の内側に配置される板金部材100を備える。板金部材100は、鉄製である。なお、板金部材100は、ステンレス鋼製でもよい。板金部材100は、調理室10及び部品室11のそれぞれを形成する。発熱部品12は、板金部材100に支持される。
【0069】
図11は、実施形態に係る板金部材100を示す左前方からの斜視図である。図9図10、及び図11に示すように、板金部材100は、底板部101と、底板部101の前部に接続される前板部102と、底板部101の後部に接続される後板部103とを含む。底板部101の前端部と前板部102の下端部とが固定される。底板部101の後端部と後板部103の下端部とが固定される。
【0070】
前板部102と後板部103とが底板部101を介して連結される。これにより、板金部材100の強度の低下が抑制される。板金部材100の強度の低下が抑制されるため、電子レンジ1の強度の低下が抑制される。電子レンジ1が運搬されると、電子レンジ1に振動又は衝撃力が作用する可能性がある。電子レンジ1の強度の低下が抑制されるので、電子レンジ1の劣化が抑制される。
【0071】
発熱部品12は、板金部材100の底板部101に支持される。発熱部品12は、少なくともコントローラ121及びマグネトロン122を含む。コントローラ121は、マグネトロン122よりも右方に配置される。
【0072】
発熱部品12の熱は、底板部101に伝達される。発熱部品12の熱は、底板部101から放散される。また、底板部101により、発熱部品12の熱が、ハウジング2の底部に伝達されることが抑制される。電子レンジ1が所定の設置面に設置される場合、底板部101により、発熱部品12の熱が設置面に伝達されることが抑制される。底板部101は、発熱部品12の熱を放散する放熱部材として機能する。底板部101は、発熱部品12の熱が設置面に伝達されることを抑制する遮熱部材として機能する。
【0073】
底板部101は、複数の貫通孔104を有する。部品室11に異物が存在しても、異物は貫通孔104を介して部品室11から排出される。底板部101の下方には、ハウジング2の底部が配置される。ハウジング2の底部にも貫通孔200が形成される。貫通孔104を介して部品室11から排出された異物は、ハウジング2の底部の貫通孔200を介して、ハウジング2の外部に排出される。異物は液体(水)を含む。貫通孔104及び貫通孔200のそれぞれは、所謂水抜き孔として機能することができる。
【0074】
前板部102は、開口13と、通気口105と、通気口106と、通気口107とを有する。
【0075】
開口13は、前板部102の上部に設けられる。
【0076】
通気口105は、前板部102の左下部に設けられる。通気口106は、前板部102の右下部に設けられる。図7に示すように、通気口105及び通気口106のそれぞれにファン20が配置される。通気口105及び通気口106のそれぞれは、吸気口5に面するように配置される。部品室11の内部に吸入される空気の少なくとも一部は、吸気口5を流れた後、通気口105及び通気口106を流れて、部品室11に流入する。
【0077】
通気口107は、左右方向において通気口105と通気口106との間に設けられる。通気口107は、複数設けられる。通気口107は、通気口105及び通気口106よりも小さい。通気口107は、吸気口5に面するように配置される。部品室11の内部に吸入される空気の少なくとも一部は、吸気口5を流れた後、通気口107を流れて、部品室11に流入する。
【0078】
後板部103は、通気口108を有する。通気口108は、複数設けられる。通気口108は、排気口6に面するように配置される。部品室11から排出される空気の少なくとも一部は、通気口108を流れた後、排気口6を流れて、部品室11から流出する。
【0079】
前板部102の上部と後板部103の上部との間に、区画部材109が配置される。区画部材109は、底板部1091と、左板部1092と、右板部1093とを有する。区画部材109の前端部に前板部102が接続される。区画部材109の後端部に後板部103が接続される。区画部材109の上端部に天板110が接続される。区画部材109と前板部102の上部と後板部103の上部と天板110とにより、調理室10が形成される。部品室11は、底板部1091の下方に形成される。底板部1091は、調理室10と部品室11とを区画する。底板部101と前板部102の下部と後板部103の下部と区画部材109の底板部1091とにより、部品室11が形成される。
【0080】
コントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリとを備える。コントローラ121は、電子レンジ1に搭載されている電子機器に電力を供給する電源回路を含む。コントローラ121は、インタフェース部7から出力された操作信号に基づいて、電子レンジ1に搭載されている電子機器を制御する。
【0081】
マグネトロン122は、バッテリパック15から供給される電力によって電磁波を発生する。マグネトロン122から出力された電磁波は、調理室10の食品を加熱する。
【0082】
図12は、実施形態に係る第1バッテリパック151及び第2バッテリパック152を示す模式図である。バッテリパック15は、電子レンジ1に搭載されている電子機器(負荷)に電力を供給する。電子機器は、少なくともコントローラ121及びマグネトロン122を含む。
【0083】
図12に示すように、第1バッテリ装着部41に装着される第1バッテリパック151と、第2バッテリ装着部42に装着される第2バッテリパック152とは、並列接続される。
【0084】
第1バッテリパック151と第2バッテリパック152とが並列接続されるので、電子レンジ1の作動可能時間が短くなることが抑制される。また、第1バッテリ装着部41及び第2バッテリ装着部42の一方のバッテリ装着部4にバッテリパック15が装着され、第1バッテリ装着部41及び第2バッテリ装着部42の他方のバッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されない状態においても、電子レンジ1は作動することができる。
【0085】
[動作]
図13は、実施形態に係る電子レンジ1を示すブロック図である。図13を参照しながら、電子レンジ1の動作について説明する。
【0086】
図13に示すように、電子レンジ1は、コントローラ121と、マグネトロン122と、インタフェース部7と、調理室10の内部を照明可能なライト111と、ドア3の開閉状態を検出する開閉センサ112と、音声出力装置113と、音声出力装置113を操作するための操作装置114と、部品室11の温度を検出する温度センサ115とを備える。
【0087】
バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態で、インタフェース部7の電源ボタン71が押されることにより、電子レンジ1が起動する。使用者は、ドア3を開いて、食品を調理室10に入れる。開閉センサ112は、ドア3が開いたことを示す検出信号をコントローラ121に送信する。コントローラ121は、開閉センサ112の検出信号に基づいて、ライト111を点灯させる。使用者は、食品を調理室10に入れた後、ドア3を閉じる。開閉センサ112は、ドア3が閉じたことを示す検出信号をコントローラ121に送信する。コントローラ121は、開閉センサ112の検出信号に基づいて、ライト111を消灯させる。すなわち、ドア3が開くと、ライト111が点灯し、調理室10が照明される。ドア3が閉じると、ライト111が消灯する。
【0088】
使用者は、設定ダイヤル74を回転して、食品の加熱時間を設定する。コントローラ121は、設定された加熱時間をディスプレイ75に表示させる。使用者は、ディスプレイ75に表示される加熱時間を確認しながら、設定ダイヤル74を回転する。使用者は、加熱時間を設定した後、設定ダイヤル74を押す。設定ダイヤル74が押されることにより、コントローラ121は、マグネトロン122を起動させる。マグネトロン122が起動し、マグネトロン122から電磁波が出力されることにより、食品の加熱が開始される。食品の加熱が開始されると、コントローラ121は、ライト111を点灯させる。
【0089】
コントローラ121は、設定された加熱時間が経過した時点において、マグネトロン122の作動を停止させる。マグネトロン122の作動が停止することにより、食品の加熱が終了する。また、コントローラ121は、設定された加熱時間が経過した時点において、ライト111を消灯させる。また、コントローラ121は、設定された加熱時間が経過した時点において、音声出力装置113から音声を出力させる。音声出力装置113から音声が出力されることにより、使用者は、食品の加熱が終了したことを認識することができる。使用者は、ドア3を開けて、加熱された食品を調理室10から出すことができる。
【0090】
コントローラ121は、開閉センサ112の検出信号に基づいて、食品の加熱が終了してもドア3が開けられない状態が予め定められている規定時間を経過したと判定した場合、音声出力装置113から音声を出力させる。音声出力装置113から音声が出力されることにより、使用者は、食品を調理室10から出し忘れていることを認識することができる。
【0091】
使用者は、操作装置114を操作して、音声出力装置113から出力される音声の大きさを調整することができる。電子レンジ1が設置される場所の騒音が大きい場合、使用者は、操作装置114を操作して、音声出力装置113から出力される音声を大きくすることができる。音声出力装置113から出力される音声が大きくなることにより、騒音が大きくても、使用者は、食品の加熱が終了したこと又は食品を調理室10から出し忘れていることを認識することができる。電子レンジ1が設置される場所の騒音が小さい場合、使用者は、操作装置114を操作して、音声出力装置113から出力される音声を小さくすることができる。
【0092】
コントローラ121は、温度センサ115の検出信号に基づいて、マグネトロン122の作動を停止することができる。例えばフィルタ18に異物が多量に付着して、ハウジング2の外部の空気が部品室11に流入し難くなると、部品室11の温度が過度に上昇する可能性がある。コントローラ121は、温度センサ115の検出信号に基づいて、部品室11の温度が予め定められている温度閾値を上回ったと判定した場合、マグネトロン122の作動を停止する。
【0093】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、バッテリ装着部4がハウジング2の後部に設けられる。これにより、電子レンジ1の大型化が抑制される。バッテリ装着部4がハウジング2の後部に配置されることにより、少なくとも左右方向の電子レンジ1の大型化が抑制される。バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されていない状態においては、狭いスペースに電子レンジ1を収納することができる。
【0094】
また、バッテリ装着部4及び排気口6のそれぞれがハウジング2の後部に設けられることにより、図6を参照して説明したように、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態で、排気口6と電子レンジ1の後方の物体との距離が短くなることが抑制される。これにより、部品室11の空気は、排気口6から円滑に排出される。また、排気口6から排出される空気の温度は高い。排気口6と物体との距離が短くなることが抑制されるので、物体の温度の上昇が抑制される。
【0095】
排気口6は、ハウジング2の後部においてバッテリ装着部4よりも下方に設けられる。すなわち、バッテリ装着部4は、調理室10の後方において、排気口6よりも上方に配置される。バッテリ装着部4と部品室11とが離れているので、部品室11に配置されている発熱部品12の熱が、バッテリ装着部4に装着されているバッテリパック15に伝達されることが抑制される。バッテリパック15が発熱部品12で加熱されないので、バッテリパック15の劣化が抑制される。
【0096】
また、バッテリ装着部4は、後面22の上部に配置される。これにより、使用者は、電子レンジ1が床面又は地面に設置されている状態で、バッテリ装着部4に対するバッテリパック15の着脱を円滑に実施することができる。
【0097】
ハウジング2の前部に吸気口5が設けられる。これにより、ハウジング2の外部の空気は、吸気口5を介して部品室11に流入する。部品室11には発熱部品12が配置されている。空気が部品室11を流れることにより、発熱部品12が空気で冷却される。これにより、発熱部品12の過度な温度上昇が抑制される。排気口6は、ハウジング2の後部に設けられる。これにより、部品室11において、空気はハウジング2の前部から後方に向かって円滑に流れることができる。
【0098】
吸気口5は、ハウジング2の前部において開口13よりも下方に設けられる。これにより、上下方向において吸気口5の位置と排気口6の位置とは、ほぼ一致する。したがって、吸気口5を介して部品室11に流入した空気は、ハウジング2の前部から後方に向かって部品室11を流れた後、排気口6から円滑に排出される。
【0099】
部品室11に通じる開口16にカバープレート17が設けられる。カバープレート17には、吸気口5として機能する貫通孔171が設けられる。吸気口5の大きさが小さいので、ハウジング2の外部の異物が吸気口5を介して部品室11に侵入することが抑制される。また、カバープレート17は、開口16に着脱可能である。そのため、カバープレート17を容易に交換することができる。
【0100】
吸気口5(貫通孔171)から吸引された空気から異物を回収するフィルタ18が設けられる。電子レンジ1が作業現場又は屋外で使用されても、フィルタ18により、部品室11に異物が侵入することが抑制される。また、カバープレート17及びフィルタ18は、開口16に着脱可能である。そのため、使用者は、フィルタ18が汚れた場合、簡単に交換したりクリーニングしたりすることができる。
【0101】
フィルタ18は、吸気口5(貫通孔171)に対向するように配置される。そのため、フィルタ18は、吸気口5(貫通孔171)から吸引された空気から異物を効率良く回収することができる。
【0102】
部品室11は、調理室10よりも下方に設けられる。これにより、電子レンジ1の上部が加熱されることが抑制される。
【0103】
ハウジング2の内側に板金部材100が配置される。発熱部品12は、板金部材100に支持される。板金部材100により、電子レンジ1の強度の低下が抑制される。電子レンジ1が運搬されると、電子レンジ1に振動又は衝撃力が作用する可能性がある。電子レンジ1の強度の低下が抑制されるので、電子レンジ1の劣化が抑制される。また、板金部材100は、底板部101と、前板部102と、後板部103とを有する。前板部102と後板部103とは、底板部101を介して連結される。底板部101が設けられることにより、板金部材100の強度の低下が効果的に抑制される。
【0104】
発熱部品12は、底板部101に支持される。これにより、発熱部品12の熱は、底板部101に伝達される。発熱部品12の熱は、底板部101から放散される。また、底板部101により、発熱部品12の熱が、ハウジング2の底部に伝達されることが抑制される。電子レンジ1が所定の設置面に設置されている場合、底板部101により、発熱部品12の熱が設置面に伝達されることが抑制される。底板部101は、発熱部品12の熱を放散する放熱部材として機能する。底板部101は、発熱部品12の熱が設置面に伝達されることを抑制する遮熱部材として機能する。
【0105】
前板部102には、通気口105、通気口106、及び通気口107が設けられる。後板部103には、通気口108が設けられる。これにより、部品室11の内部に吸入される空気の少なくとも一部は、吸気口5を流れた後、通気口105、通気口106、及び通気口107を流れて、部品室11に流入することができる。部品室11から排出される空気の少なくとも一部は、通気口108を流れた後、排気口6を流れて、部品室11から流出することができる。
【0106】
ドア3は、ヒンジ14を介して板金部材100に連結される。ヒンジ14の回動軸は、上下方向に延伸する。ドア3は、所謂、横開きタイプである。ドア3が横開きタイプなので、電子レンジ1が狭い空間に設置された状態においても、使用者はドア3を円滑に開くことができる。
【0107】
出力端子8は、ハウジング2の前部に設けられる。そのため、使用者は、携帯端末のような電子機器と出力端子8とを円滑に接続することができる。出力端子8は、ハウジング2の前部においてヒンジ14の下方に設けられる。そのため、開口13を介して調理室10に食品を入れたり調理室10から食品を出したりするときに、使用者が誤って食品をこぼしてしまっても、こぼれた食品が出力端子8に掛かることが抑制される。
【0108】
出力端子8は、バッテリパック15からの電力を出力する。これにより、使用者は、電子機器を出力端子8に接続して、電子機器が有する二次電池を充電することができる。
【0109】
ハウジング2は、第1外装部材28と第2外装部材29とを含む。第1外装部材28と第2外装部材29との境界にシール部30が設けられる。シール部30により、ハウジング2の外部の異物がハウジング2の内部に侵入することが抑制される。異物は液体(水分)を含む。シール部30により、ハウジング2の内部は、防水される。電子レンジ1が作業現場又は屋外で使用されても、シール部30により、異物がハウジング2の内部に侵入することが抑制される。
【0110】
バッテリ装着部4は、バッテリパック15を上下方向にガイドするガイドレール43を有する。バッテリ装着部4の上方からバッテリパック15が挿入されることにより、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着される。作業現場においては、電子レンジ1は床面又は地面に設置された状態で使用される可能性がある。使用者は、電子レンジ1が床面又は地面に設置されている状態で、バッテリ装着部4の上方からバッテリパック15をバッテリ装着部4に円滑に挿入することができる。
【0111】
バッテリパック15がバッテリ装着部4に装着されている状態で、ハウジング2の上面25は、バッテリパック15の上面よりも上方に配置される。バッテリパック15がハウジング2の上面25よりも上方に突出しないので、上下方向の電子レンジ1の大型化が抑制される。また、使用者は、ハウジング2の上面25に物品を置くことができる。
【0112】
バッテリ装着部4は、第1バッテリ装着部41と、第1バッテリ装着部41の隣に配置される第2バッテリ装着部42とを含む。第1バッテリ装着部41と第2バッテリ装着部42とが左右対称の位置に配置される。第1バッテリ装着部41に装着される第1バッテリパック151と第2バッテリ装着部42に装着される第2バッテリパック152とが同種類のバッテリパック15である場合、左右方向の電子レンジ1の重量バランスが良化される。そのため、使用者は、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態で、電子レンジ1を円滑に運搬することができる。また、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態で、電子レンジ1が倒れることが抑制される。
【0113】
第1バッテリ装着部41に装着される第1バッテリパック151と、第2バッテリ装着部42に装着される第2バッテリパック152とは、並列接続される。第1バッテリパック151と第2バッテリパック152とが並列接続されるので、電子レンジ1の作動可能時間が短くなることが抑制される。また、第1バッテリ装着部41及び第2バッテリ装着部42の一方のバッテリ装着部4にバッテリパック15が装着され、第1バッテリ装着部41及び第2バッテリ装着部42の他方のバッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されない状態においても、電子レンジ1は作動することができる。
【0114】
インタフェース部7は、ハウジング2の前部において開口13よりも上方に設けられる。そのため、使用者は、電子レンジ1が床面又は地面に設置されている状態で、電源ボタン71、出力切換ボタン72、停止ボタン73、及び設定ダイヤル74の操作、及びディスプレイ75の視認を円滑に実施することができる。
【0115】
前後方向において、ハンドル9は、ハウジング2の中央部に連結される。また、ヒンジ91の回動軸は、左右方向に延伸する。そのため、使用者は、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態で、ハンドル9を手で握って電子レンジ1を円滑に運搬することができる。すなわち、バッテリ装着部4にバッテリパック15が装着されている状態においては、前後方向の電子レンジ1の重量バランスが悪化する可能性がある。ハンドル9のヒンジ91の回動軸が左右方向に延伸しているので、前後方向の電子レンジ1の重量バランスが悪化していても、使用者は、ハンドル9を手で握って電子レンジ1を円滑に運搬することができる。
【0116】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、シール部30は、ラビリンスシールであることとした。シール部30は、第1外装部材28と第2外装部材29との間に配置されるゴム製のシール部材でもよい。
【0117】
上述の実施形態において、第1バッテリ装着部41に装着される第1バッテリパック151と第2バッテリ装着部42に装着される第2バッテリパック152とは、同種類のバッテリパック15であることとした。第1バッテリ装着部41に装着される第1バッテリパック151と第2バッテリ装着部42に装着される第2バッテリパック152とは、異種類のバッテリパック15であることとした。例えば、第1バッテリパック151の重量と第2バッテリパック152の重量とは、異なってもよい。
【0118】
上述の実施形態において、電子レンジ1は、電子レンジ1の傾斜角を検出する傾斜角センサを有してもよい。
【0119】
図14は、実施形態に係る傾斜角センサ116を有する電子レンジ1を示す破断図である。図15は、実施形態に係る傾斜角センサ116を有する電子レンジ1を示すブロック図である。
【0120】
傾斜角センサ116は、水平面に対する電子レンジ1の傾斜角を検出する。傾斜角センサ116として、傾斜センサ又は慣性センサが例示される。慣性センサとして、加速度センサ又はジャイロセンサが例示される。
【0121】
コントローラ121及びマグネトロン122は、板金部材100の底板部101に配置される。コントローラ121は、回路基板と、回路基板に実装された複数の電子部品とを含む。回路基板に実装される電子部品として、CPUのようなプロセッサ、及びROM又はRAMのようなメモリが例示される。また、コントローラ121は、回路基板に配置された電源回路を含む。
【0122】
傾斜角センサ116は、ハウジング2の部品室11に配置される。傾斜角センサ116は、コントローラ121の回路基板に実装される。傾斜角センサ116は、水平面に対する電子レンジ1の傾斜角を検出する。電子レンジ1の傾斜角は、回路基板の傾斜角でもよいし、底板部101の傾斜角でもよいし、ハウジング2の傾斜角でもよい。図14及び図15に示す例において、傾斜角センサ116は、電子レンジ1の傾斜角として、水平面に対するハウジング2の下面26の傾斜角を検出する。電子レンジ1が水平面と平行な設置面に設置された場合、下面26の傾斜角は、0度である。
【0123】
コントローラ121は、傾斜角センサ116の検出データに基づいて、少なくともマグネトロン122を制御する。コントローラ121は、傾斜角センサ116により検出された下面26の傾斜角と予め定められている閾値とに基づいて、マグネトロン122を制御する。傾斜角に係る閾値は、例えば30度である。
【0124】
コントローラ121は、傾斜角センサ116により検出された下面26の傾斜角が閾値未満であると判定した場合、電源ボタン71が押されたときにマグネトロン122を起動させ、設定ダイヤル74により設定された加熱時間が経過したときにマグネトロン122の作動を停止させる。
【0125】
コントローラ121は、傾斜角センサ116により検出された下面26の傾斜角が閾値以上であると判定した場合、マグネトロン122の作動を禁止する。例えば、マグネトロン122が作動する前に、下面26の傾斜角が閾値以上であると判定した場合、コントローラ121は、電源ボタン71が押されても、マグネトロン122を起動させない。マグネトロン122が作動しているときに、下面26の傾斜角が閾値以上であると判定した場合、コントローラ121は、設定ダイヤル74により設定された加熱時間が経過していなくても、マグネトロン122の作動を停止させる。
【0126】
コントローラ121は、傾斜角センサ116により検出された下面26の傾斜角が閾値以上であると判定した場合、下面26の傾斜角が閾値以上であることを示す表示データをディスプレイ75に表示させる。なお、コントローラ121は、傾斜角センサ116により検出された下面26の傾斜角が閾値以上であると判定した場合、下面26の傾斜角が閾値以上であることを示す音声を音声出力装置113から出力させてもよい。これにより、使用者は、電子レンジ1が傾斜していることを認識することができる。
【0127】
携帯用の電子レンジ1は、傾斜した設置面に設置される可能性がある。設置面に設置された電子レンジ1の傾斜角が大きすぎると、調理室10に配置された食品が転倒したり、食品が転倒した状態で加熱されたりする可能性がある。その結果、食品の品質が低下する可能性がある。実施形態によれば、電子レンジ1の傾斜角が閾値以上である場合、電子レンジ1の運転が禁止される。これにより、食品の品質の低下が抑制される。
【符号の説明】
【0128】
1…電子レンジ、2…ハウジング、3…ドア、4…バッテリ装着部、5…吸気口、6…排気口、7…インタフェース部、8…出力端子、9…ハンドル、10…調理室、11…部品室、12…発熱部品、13…開口(第1開口)、14…ヒンジ、15…バッテリパック、16…開口(第2開口)、17…カバープレート、18…フィルタ、19…メッシュプレート、20…ファン、21…前面、22…後面、23…左面、24…右面、25…上面、26…下面、27…凹部、28…第1外装部材、29…第2外装部材、30…シール部、31…プレート部、32…フレーム部、33…第1曲折部、34…第2曲折部、35…ラビリンスシール、36…ラッチ、37…開口、41…第1バッテリ装着部、42…第2バッテリ装着部、43…ガイドレール、44…端子、61…貫通孔、71…電源ボタン、72…出力切換ボタン、73…停止ボタン、74…設定ダイヤル、75…ディスプレイ、81…端子カバー、91…ヒンジ、92…アーム部、93…グリップ部、100…板金部材、101…底板部、102…前板部、103…後板部、104…貫通孔、105…通気口、106…通気口、107…通気口、108…通気口、109…区画部材、110…天板、111…ライト、112…開閉センサ、113…音声出力装置、114…操作装置、115…温度センサ、116…傾斜角センサ、121…コントローラ、122…マグネトロン、151…第1バッテリパック、152…第2バッテリパック、153…上面、171…貫通孔、191…貫通孔、200…貫通孔、321…ベースフレーム部、322…カバーフレーム部、1091…底板部、1092…左板部、1093…右板部。
図1
図2
図3
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図5
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図15