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特開2022-104610電気生理学システムアダプタのための汎用箱
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104610
(43)【公開日】2022-07-08
(54)【発明の名称】電気生理学システムアダプタのための汎用箱
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/30 20210101AFI20220701BHJP
【FI】
A61B5/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021212062
(22)【出願日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】17/135,253
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヤエル・ブフニク
(72)【発明者】
【氏名】バディム・グリナー
(72)【発明者】
【氏名】ウリエル・ホッド
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127CC01
(57)【要約】
【課題】システムの機能を変更するアダプタを提供すること。
【解決手段】ベースとカバーとを有するエンクロージャを含んでおり、ベース及びカバーはそれぞれの導電層を有している装置。導電層は、エンクロージャの外部に由来する10kHz~100kHzの範囲の電磁放射線をエンクロージャの内部において少なくとも20dB減衰させるシールドを形成するようにつながる。エンクロージャ内のアダプタ回路が、電気生理学的信号を処理して、出力信号を生成する。エンクロージャを通過する第1のコネクタが、プローブにつながり、電気生理学的信号を受け取って、アダプタ回路に伝達する。エンクロージャを通過する第2のコネクタが、アダプタ回路から出力信号を受け取って、コンソールに伝達する。制御入力部が、範囲内の周波数を示す制御信号を受け取り、感知回路が、エンクロージャの内部の磁場を感知し、制御信号によって示される周波数における磁場が所定のしきい値を超える場合に、警告信号を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
エンクロージャであって、
ベース導電層を備えるベースと、
カバーであって、
前記カバーは、カバー導電層を備え、前記カバーは、前記エンクロージャの外部に由来する10kHz~100kHzの周波数範囲の電磁放射線を前記エンクロージャの内部において少なくとも20dB減衰させるシールドを形成するために、前記ベース導電層が前記カバー導電層につながるように前記ベースと結合するように構成されている、カバーと、を備える、エンクロージャと、
前記エンクロージャ内に収容され、電気生理学的信号を処理して、前記電気生理学的信号に応じた出力信号を生成するように構成されたアダプタ回路と、
前記エンクロージャの外面を通過しており、医療プローブから前記電気生理学的信号を受け取るために前記医療プローブにつながるように構成された第1の外側と、前記電気生理学的信号を前記アダプタ回路に伝えるように接続された第1の内側とを有している第1のコネクタと、
前記エンクロージャの前記外面を通過しており、前記アダプタ回路からの前記出力信号を受け取るように接続された第2の内側と、前記出力信号をコンソールに伝えるために前記コンソールにつながるように構成された第2の外側とを有している第2のコネクタと、
前記範囲内の周波数の選択を示す制御信号を受け取るように構成された制御入力部と、
前記エンクロージャの内部の磁場を感知し、前記制御信号によって示される前記周波数における前記磁場が所定のしきい値を超える場合に警告信号を出力するように構成された感知回路と
を備える装置。
【請求項2】
前記ベース上に前記アダプタ回路を支持し、前記ベースが受け取る機械的振動を前記アダプタ回路において減衰させるように構成された複数の粘弾性マウント
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カバーは、前記ベースの第1の側と結合し、前記装置は、前記第1の側とは反対側の前記ベースの第2の側に接続された閉じた放熱体を更に備え、前記ベースは、前記アダプタ回路に近接した領域からの高温の空気を、前記高温の空気を冷却し、冷却後の空気を前記領域へと戻すために、前記放熱体を通って運ぶように構成された通気孔を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記カバー上に形成された発光素子
を備え、
前記素子は、前記警告信号の生成に応答して作動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記感知回路は、ロックイン増幅器に入力信号をもたらすように結合した少なくとも1つのコイルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記医療プローブは、所定の周波数で交番する磁場内に位置し、前記制御信号は、前記所定の周波数を示し、前記ロックイン増幅器にもたらされる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記所定の周波数は、前記コンソールによって生成され、前記ロックイン増幅器は、前記制御信号を前記コンソールから前記第2のコネクタを介して受け取る、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記所定のしきい値は、1ミリガウスの振幅を有する磁場を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
方法であって、
エンクロージャを用意することであって、
前記エンクロージャは、
ベース導電層を含むベースと、
カバーであって、
前記カバーは、カバー導電層を備え、前記カバーは、前記エンクロージャの外部に由来する10kHz~100kHzの周波数範囲の電磁放射線を前記エンクロージャの内部において少なくとも20dB減衰させるシールドを形成するために、前記ベース導電層が前記カバー導電層につながるように前記ベースと結合するように構成されている、カバーと、を備える、エンクロージャを用意することと、
電気生理学的信号を処理し、前記電気生理学的信号に応じた出力信号を生成するように構成されたアダプタ回路を、前記エンクロージャ内に配置することと、
医療プローブから前記電気生理学的信号を受け取るために前記医療プローブにつながるように構成された第1の外側と、前記電気生理学的信号を前記アダプタ回路に伝えるように接続された第1の内側とを有している第1のコネクタを、前記エンクロージャの外面に通すことと、
前記アダプタ回路からの前記出力信号を受け取るように接続された第2の内側と、前記出力信号をコンソールに伝えるために前記コンソールにつながるように構成された第2の外側とを有している第2のコネクタを、前記エンクロージャの前記外面に通すことと、
前記範囲内の周波数の選択を示す制御信号を受け取るように制御入力部を構成することと、
前記エンクロージャの内部の磁場を感知し、前記制御信号によって示される前記周波数における前記磁場が所定のしきい値を超える場合に警告信号を出力するように感知回路を構成することと
を含む方法。
【請求項10】
前記ベース上に前記アダプタ回路を支持し、前記ベースが受け取る機械的振動を前記アダプタ回路において減衰させるように構成された複数の粘弾性マウントを、前記ベースに取り付けること
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カバーは、前記ベースの第1の側と結合し、前記方法は、前記第1の側とは反対側の前記ベースの第2の側に閉じた放熱体を接続することを更に含み、前記ベースは、前記アダプタ回路に近接した領域からの高温の空気を、前記高温の空気を冷却し、冷却後の空気を前記領域へと戻すために、前記放熱体を通って運ぶように構成された通気孔を更に備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記警告信号の生成に応答して作動するように構成された発光素子を前記カバー上に形成すること
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記感知回路は、ロックイン増幅器に入力信号をもたらすように結合した少なくとも1つのコイルを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記医療プローブは、所定の周波数で交番する磁場内に位置し、前記制御信号は、前記所定の周波数を示し、前記ロックイン増幅器にもたらされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の周波数は、前記コンソールによって生成され、前記ロックイン増幅器は、前記制御信号を前記コンソールから前記第2のコネクタを介して受け取る、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定のしきい値は、1ミリガウスの振幅を有する磁場を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くには、電気生理学的システムに関し、具体的には、システムの機能を変更するアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設における使用のために製造された機器は、電磁環境に対する耐性を定める規格や、輸送振動に対する耐性を定める規格など、多数の規格に従わなければならない。この要求は、既存の機器に機能を追加するアダプタにも当てはまる。そのようなアダプタは、典型的には、専用のケースに入れられている。そのようなケースの例を、下記に示す。
【0003】
O’Neillらの米国特許出願公開第2014/0226268号が、可搬の電子装置を囲み、更には/あるいは衝撃、ショック、並びに/あるいは水、他の液体、ちり、ほこり、砂、及び/又は他のデブリなどの損傷を引き起こし得る物質の進入などの種々の危険から保護すると主張されるケースを記載している。
【0004】
Witterらの米国特許第10,411,749号が、電子装置において使用される保護エンクロージャを記載している。エンクロージャは、電子装置が保護エンクロージャ内に設置されたときに、電子装置の側面の少なくとも一部分を覆うように構成されたクッション層を含むと述べられている。
【0005】
Richardsonらの米国特許出願公開第2009/0034169号が、実質的に堅固かつ実質的に押しつぶしに耐える様相で電子装置を収容して実質的に取り囲むことができる保護シェルを有する電子装置用の保護エンクロージャを記載している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、装置を提供し、この装置は、
エンクロージャであって、
ベース導電層を有するベースと、
カバーであって、
カバーは、カバー導電層を有し、カバーは、エンクロージャの外部に由来する10kHz~100kHzの周波数範囲の電磁放射線をエンクロージャの内部において少なくとも20dB減衰させるシールドを形成するために、ベース導電層がカバー導電層につながるようにベースと結合するように構成されている、カバーと、で構成されるエンクロージャと、
エンクロージャ内に収容され、電気生理学的信号を処理して、電気生理学的信号に応じた出力信号を生成するように構成されたアダプタ回路と、
エンクロージャの外面を通過しており、医療プローブから電気生理学的信号を受け取るために医療プローブにつながるように構成された第1の外側と、電気生理学的信号をアダプタ回路に伝えるように接続された第1の内側とを有している第1のコネクタと、
エンクロージャの外面を通過しており、アダプタ回路からの出力信号を受け取るように接続された第2の内側と、出力信号をコンソールに伝えるためにコンソールにつながるように構成された第2の外側とを有している第2のコネクタと、
範囲内の周波数の選択を示す制御信号を受け取るように構成された制御入力部と、
エンクロージャの内部の磁場を感知し、制御信号によって示される周波数における磁場が所定のしきい値を超える場合に警告信号を出力するように構成された感知回路と
を含む。
【0007】
開示される実施形態において、装置は、ベース上にアダプタ回路を支持し、ベースが受け取る機械的振動をアダプタ回路において減衰させるように構成された複数の粘弾性マウントを含む。
【0008】
別の開示される実施形態において、カバーは、ベースの第1の側と結合し、装置は、第1の側とは反対側のベースの第2の側に接続された閉じた放熱体を更に含み、ベースは、アダプタ回路に近接した領域からの高温の空気を、高温の空気を冷却し、冷却後の空気を領域へと戻すために、放熱体を通って運ぶように構成される。
【0009】
更なる開示される実施形態において、装置は、カバー上に形成された発光素子を含み、この素子は、警告信号の生成に応答して作動するように構成される。
【0010】
また更なる開示される実施形態において、感知回路は、ロックイン増幅器に入力信号をもたらすように結合した少なくとも1つのコイルを含む。典型的には、医療プローブは、所定の周波数で交番する磁場内に位置し、制御信号は、所定の周波数を示し、ロックイン増幅器にもたらされる。所定の周波数を、コンソールによって生成でき、ロックイン増幅器は、制御信号をコンソールから第2のコネクタを介して受け取ることができる。
【0011】
代替の実施形態において、所定のしきい値は、1ミリガウスの振幅を有する磁場を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、方法が更に提供され、この方法は、
エンクロージャを用意することであって、
エンクロージャは、
ベース導電層を有するベースと、
カバーであって、
カバーは、カバー導電層を有し、カバーは、エンクロージャの外部に由来する10kHz~100kHzの周波数範囲の電磁放射線をエンクロージャの内部において少なくとも20dB減衰させるシールドを形成するために、ベース導電層がカバー導電層につながるようにベースと結合するように構成されている、カバーと、を含むエンクロージャを用意することと、
電気生理学的信号を処理し、電気生理学的信号に応じた出力信号を生成するように構成されたアダプタ回路を、エンクロージャ内に配置することと、
医療プローブから電気生理学的信号を受け取るために医療プローブにつながるように構成された第1の外側と、電気生理学的信号をアダプタ回路に伝えるように接続された第1の内側とを有している第1のコネクタを、エンクロージャの外面に通すことと、
アダプタ回路からの出力信号を受け取るように接続された第2の内側と、出力信号をコンソールに伝えるためにコンソールにつながるように構成された第2の外側とを有している第2のコネクタを、エンクロージャの外面に通すことと、
範囲内の周波数の選択を示す制御信号を受け取るように制御入力部を構成することと、
エンクロージャの内部の磁場を感知し、制御信号によって示される周波数における磁場が所定のしきい値を超える場合に警告信号を出力するように感知回路を構成することとで構成される。
【0013】
以下の本開示の実施形態の詳細な説明を図面と併せ読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による電気生理学的(EP)処置において使用されるEPシステムの概略図である。
図2A】本発明の一実施形態によるエンクロージャ及びアダプタの概略の分解図である。
図2B】本発明の一実施形態によるエンクロージャ及びアダプタの概略の分解図である。
図3A】本発明の一実施形態によるプローブ、エンクロージャ内のアダプタ、及びコンソール、並びにそれらの整合接続を示す概略のブロック図である。
図3B】本発明の別の実施形態によるプローブ、エンクロージャ内のアダプタ、及びコンソール、並びにそれらの整合接続を示す概略のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概論
人間である対象へのプローブの挿入を伴う電気生理学的処置において使用されるように構成されたシステムの寿命までの過程において、典型的には、システムの機能を向上させるために、システムのハードウェア及びソフトウェアの両方について変更が行われる。そのような変更を実施するための1つの方法は、プローブと、本来であればプローブが接続される制御コンソールとの間に、ソフトウェア及び/又はハードウェアを含むアダプタを挿入することである。
【0016】
アダプタは、典型的には、プローブの具体的な種類に対して専用である。例えば、バスケットカテーテルを備えるプローブのための1つのアダプタと、ラッソーカテーテル(複数の電極を有する可撓性の遠位端を持つカテーテル)を備えるプローブのための別のアダプタとが存在し得る。
【0017】
本発明の実施形態は、異なる種類のアダプタを収容するように構成され、収容された各々のアダプタをそれぞれのプローブ及び制御コンソールに接続できるようにするエンクロージャを提供する。更に、エンクロージャは、収容された各々のアダプタが、電磁(EM)放射線の遮蔽に関する1つの規格を含むIEC(国際電気標準会議)によって定められた3つの国際規格に適合するように構成される。EM遮蔽の規格に適合しているにもかかわらず、エンクロージャは、収容されたアダプタを横切る可能性がある交番磁界の放射を測定し、そのような放射のレベルが所定の値よりも大きい場合に警告を発するように更に構成される。
【0018】
詳細な説明
ここで、本発明の一実施形態による電気生理学的(EP)処置において使用されるEPシステム20の概略図である図1を参照する。図示の実施形態において、医師22は、例として、システム20を使用してマルチチャネルアブレーション処置を実行する。医師22は、遠位端28に複数の電極30を遠位端の長さに沿って配置して備えている医療用カテーテルプローブ26を使用して、対象者24の心臓52について処置を実行する。アブレーションを実行するように構成されているだけでなく、電極30は、心臓52から電気生理学的信号を取得すること、及び/又は心臓に電気信号を注入することが可能である。いくつかの実施形態においては、電極30を、電流の大きさに応答して電極の位置を割り出すために、体外パッチへと電流を運び、あるいは体外パッチから電流を受け取るように構成されるなど、他の機能のために構成することも可能である。
【0019】
上述の信号及び電流が、電極30へと、プローブ26内の導電性配線を介して伝達されることを、理解できるであろう。いくつかの実施形態においては、例えば遠位端の磁場センサ61からの信号など、電極30に必ずしもつながらない他のカテーテル信号も、プローブ26内の導電性配線を介して遠位端28に伝達される。
【0020】
EPシステム20は、プロセッサ32と、プローブ26に機能を提供するためにプロセッサによってアクセスすることができる後述のいくつかのモジュールとを備える。プロセッサ32及びモジュールは、典型的には、コンソール40内に存在する。コンソール40は、医師22によって操作されるキーボード及びマウスなどの入力装置42を備える。ディスプレイスクリーン44は、コンソール40に近接して位置する。ディスプレイスクリーン44は、任意選択的にタッチスクリーンを含んでもよく、それにより別の入力装置を提供することができる。
【0021】
プロセッサ32は、典型的には、プログラマブルプロセッサを含み、プログラマブルプロセッサは、本明細書に記載される機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はファームウェアでプログラムされている。これに代え、あるいはこれに加えて、プロセッサは、これらの機能の少なくとも一部を実行するハードワイヤード及び/又はプログラマブルハードウェア論理回路を備えてもよい。プロセッサ32及びプロセッサがアクセスするモジュールは、図中に、簡略化のために、別個のモノリシックな機能ブロックとして示されているが、実際には、これらの機能のいくつかが単一の処理及び制御ユニットに組み合わせられてもよい。プロセッサによってアクセスされるモジュールは、以下で説明される。
【0022】
アブレーションモジュール34は、電極30にアブレーション電力を供給するようにプロセッサによって使用される。アブレーションモジュールは、IRE(不可逆的エレクトロポレーション)発生器36及び/又はRF(高周波)発生器38を備える。IRE後の細胞死は、アポトーシス(プログラムされた細胞死)に起因し、RFアブレーションなどにおける壊死(細胞自体の酵素の作用を通じて細胞の破壊をもたらす細胞傷害)に起因しない。
【0023】
発生器36と同様のIRE発生器が、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第16/701,989号に記載されている。IRE発生器36は、IRE処置を実行するために選択された電極30へと向けられる電気パルスの列を生成する。電気パルスの列の波形(タイミング及び振幅)は、プロセッサ32によって制御される。
【0024】
RF発生器38は、典型的には、数百kHz程度の周波数で100W程度の正弦波電力を生成する。
【0025】
追跡モジュール60は、遠位端28の電磁位置センサ61に結合し、モジュールは、典型的には約1kHz~約20kHzの範囲内の異なる所定の周波数で磁場発生器62に電力を更に供給する。発生器62によって生成された外部の交番磁場の存在下で、電磁位置センサは、センサの位置につれて変化する信号を出力する。これらの信号に基づいて、追跡モジュール60は、心臓52内の電極30の位置を確認し得る。
【0026】
外部磁場を使用する位置追跡方法は、Biosense Webster Inc.(カリフォルニア州アーバイン)が製造するCARTO(商標)システムに実装されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に説明されており、これらの開示は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0027】
これに代え、あるいはこれに加えて、モジュール60は、電極30によって伝達される電流又は電極30から見たインピーダンスに基づく追跡システムを使用することができる。そのようなシステムにおいて、モジュール60は、所与の電極30の位置を、所与の電極と対象者24の皮膚に結合させた複数の表面電極63との間の電流又はインピーダンスに応答して推定する。例えば、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,456,182号に記載されたBiosense-Webster(カリフォルニア州アーバイン)製のAdvanced Current Location(ACL)システムが、そのような追跡システムである。
【0028】
心電図(ECG)モジュール46が、電極30で生成された心臓信号を取得、処理、及び分析するために、プロセッサ32によって使用される。分析は、典型的には、電極の位置における局所活性化時間(LAT)などのパラメータを測定することを含む。パラメータの値を、典型的にはグラフィック形式にて、画面44上でオペレータ22に表示することができる。更に、プロセッサは、モジュール46を使用して、刺激信号を選択された電極30へと注入することができる。
【0029】
プローブ26をケーブル26Cによってコンソール40内のインターフェース64に直接接続することができるが、本発明のいくつかの実施形態においては、エンクロージャ100に収容された本明細書においてアダプタ26Aとも呼ばれるアダプタ回路26Aが、インターフェース64とケーブルとの間に直列に接続される。直列接続を実現するために、ケーブル26Cは、ケーブルアダプタ26C2を介してエンクロージャ100内のコネクタ152に接続され、追加のケーブル26C3が、エンクロージャ内のコネクタ156とインターフェース64との間に接続され、アダプタ26Aは、内部でコネクタ152及び156に結合する。エンクロージャ100内のアダプタ26Aの内部接続は、図2A及び図2Bを参照して後述される。
【0030】
プローブ26とケーブル26Cとの直接接続において、プロセッサ32は、モジュール34、46、及び/又は60を使用して、電極30のための所定の機能を生成する。本明細書に記載されるように、アダプタ26Aを接続することで、所定の機能に追加の機能が追加される。典型的には、追加の機能は、システムのソフトウェア及びハードウェアのバージョンが更新されるときにシステム20に導入される。
【0031】
追加の機能の例は、LATの値を計算するための更新された方法である。追加の機能をソフトウェアにてアダプタに実装することができるが、ハードウェアを使用し、あるいはハードウェアとソフトウェアとの混合を用いて機能を追加することが、追加の機能の柔軟性及び/又は速度を高めることができる。
【0032】
追加の機能の他の例としては、以下が挙げられる:
古いシステムに関して新たな心内ECGチャネルを動作させる可能性を追加すること、
古いシステムにおいて、カテーテル先端面並びに温度及び微小電極信号のリアルタイム表示を追加すること、及び
新たな信号調整性(振幅及びフィルタ処理の変更など)及びプローブ26の較正パラメータを記憶するためのメモリを提供すること。
【0033】
上述のように、アダプタ26Aを接続することで、追加の機能が追加され、アダプタは、アダプタをエンクロージャ100に収容することなく、インターフェース64とケーブル26Cとの間に接続可能である。しかしながら、エンクロージャ100は、アダプタをエンクロージャ内に囲むだけでなく、アダプタをスイスのジュネーブの国際電気標準会議(IEC)の以下の規格に適合させることを可能にするように構成される:電磁遮蔽に関するIEC 60601-1-2、固体及び液体の進入に関するIEC 60529、及び振動低減に関するIEC 60721-4。以下で説明されるように、エンクロージャ100内にアダプタを囲むことで、システム20の更なる保護も追加される。
【0034】
図2A及び図2Bが、本発明の一実施形態によるエンクロージャ100及びアダプタ26Aの概略の分解図である。2つの図は、エンクロージャの別々の側面を示している。エンクロージャ100は、典型的にはポリイミドなどの絶縁性プラスチックから形成され、上面が例えば厚さ1mmの銅などの導電性材料でコーティングされた中実な矩形のベース104を備える。導電性コーティングは、導電性表面110を形成する。ベース上に、3つの実質的に同様の粘弾性シリンダ108が固定され、シリンダに固定されたアダプタ26Aをベースの上方の領域106に支持する。シリンダ108は、ベース104に加わる振動を吸収するように構成される。一実施形態において、シリンダ108は、ベースに加わる5~2000Hzの振動が、ベースによって支持されているときのアダプタ26Aの動作に影響を及ぼすことがないように構成される。
【0035】
ベース104は、第1の通気孔112及び第2の通気孔116を備え、閉じた放熱体120が、ベースの直下に位置するように、ベースに取り付けられる。典型的には、水の進入を防止するために、シールガスケットがベース104と放熱体120との間に位置する。放熱体120は、放熱体の外側の冷却フィン122と、放熱体の内側の金属壁128の迷路配置124とを備える。壁は、第1の通気孔112の近くにおいて動作時にアダプタ120が発生させる高温の空気が、通気孔を通過し、配置124に進入するように配置される。高温の空気は、配置124を通って移動し、通過時にフィン122によって冷却され、したがって冷却された空気が、第2の通気孔116を経由して、領域106に再び進入する。
【0036】
典型的には開いた直方体又は箱の形態であるカバー132が、ベース104に被せられ、ベース104に取り付けられるように構成される。カバー132は、典型的にはポリイミドなどの絶縁性プラスチックから形成され、内面が例えば厚さ1mmの銅などの導電性材料でコーティングされ、したがって内側導電性表面136を形成する。カバー132がベース104に取り付けられると、ベースの導電性表面110がカバーの導電性表面136に接触してシールド138を形成し、したがって、領域106は、導電性材料によって実質的に完全に囲まれるため、実質的にファラデーケージの内側となる。
【0037】
2つの導電性表面を接続することによって形成されたファラデーケージは、エンクロージャの外部から由来する10kHz~100kHzの範囲内の交番磁場を少なくとも20dB減衰させる。
【0038】
カバー132内に、領域106を2つのサブ領域に分離する分割アーチ140が存在する。第1のサブ領域144は、アダプタ26Aが生じさせる上述の高温の空気が生成される場所である。第2のサブ領域148は、冷却された空気が通気孔116から戻る場所である。
【0039】
第1のコネクタ152は、カバー132の第1の側面に形成されることによって、エンクロージャ100の外面102及び内面114を通過し、第2のコネクタ156は、第1の側面の反対側の第2のカバー側面に形成されることによって、エンクロージャの内面及び外面を通過する。各々のコネクタは、コネクタの内側と外側との間を通過する複数組の貫通ピンを備える。したがって、コネクタ152は、コネクタの内側152Iと外側152Oとの間を通過するピンを有し、コネクタ156は、コネクタの内側156Iと外側156Oとの間を通過するピンを有する。領域106内で、アダプタ26Aの第1のポート26AP1が、第1の接続ケーブル26ACP1によってコネクタ152に結合する。更に、領域106内で、アダプタ26Aの第2のポート26AP2が、第2の接続ケーブル26ACP2によってコネクタ156に結合する。
【0040】
カバー132がベース104に取り付けられると、上述のように、2つの導電性表面が互いにつながり、アダプタ26Aの周りにファラデーケージを形成する。ファラデーケージは、アダプタ26Aを外部のEM放射から保護するためのシールド138として機能するが、そのような放射線を完全に通さないわけではないことを、理解できるであろう。結果として、典型的には、アダプタ26Aの動作を危うくする可能性がある漏れのEM放射がファラデーケージ内に存在する。本発明のいくつかの実施形態は、以下で説明されるように、エンクロージャ100内に更なる要素を設けることによって、この問題に対処する。
【0041】
カバー132の内面130が、エンクロージャ100の内面114の一部である。カバーの内面130に、少なくとも1つのコイルを備える磁気放射感知回路160が取り付けられる。回路160は、本明細書においては、3つの直交コイルを有する3軸センサ(TAS)を備えるように想定され、回路は、本明細書においてTAS160とも呼ばれる。更に、カバーの内面に、ロックイン増幅器を備える回路164も取り付けられる。回路164は、感知回路160によって生成された信号を受け取るように結合する。回路160及び回路164は、感知回路166を協働して構成し、感知回路は、エンクロージャ100内の磁場を感知し、磁場に応じて、結果としての信号を出力する。
【0042】
回路164は、コネクタ156から電力を受け取り、本明細書において制御信号とも呼ばれる基準周波数を受信するようにも結合する。本明細書においては、例として、制御周波数は、コネクタがコンソール40(図1)のインターフェース64に結合したときに、コネクタ156のピン158から受信されると想定される。ピン158は、感知回路166の制御入力部として機能する。しかしながら、制御入力部に関して、例えばエンクロージャ100を貫くコネクタ156とは別の貫通導体などの導体を有することや、エンクロージャに取り付けられた制御信号をもたらすダイヤルを有することにより、他の形態が存在してもよいことを、理解できるであろう。
【0043】
本発明の一開示の実施形態において、基準周波数は、磁場発生器62を動作させるために追跡モジュール60によって使用される周波数のうちの1つである。典型的には、追跡モジュール60は、同時に異なる周波数で発生器62を動作させる。一実施形態において、回路164は、基準周波数を選択するために、入力信号について高速フーリエ変換(FFT)を実行するマイクロコントローラを備える。あるいは、回路164は、追跡モジュールの異なる周波数の全てで動作するように多重化される。
【0044】
基準周波数を使用して、回路164は、基準周波数における感知回路信号のレベルを測定する。測定されたレベルが所定の値よりも大きく、感知回路160を横切る磁場が所定の磁場しきい値よりも大きいことを示している場合に、回路164は警告信号を生成するように構成される。一実施形態において、感知回路信号の所定の値は、1μVに設定され、この値は、所定の磁場しきい値が振幅1ミリガウスを有するときに生じる。
【0045】
警告信号を、カバー132上に取り付けられた発光ダイオード(LED)168などの警告発光素子を動作させるために使用することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、警告信号をコネクタ156を介してプロセッサ32にもたらすことができ、プロセッサは、この信号を、アダプタ26Aに所定の磁場が存在することを画面44上でオペレータ22に通知する、及び/又はプローブ26によって取得された信号が所定の磁場が存在するときに取得されたものであることを記録する、などの他の動作に使用することができる。
【0046】
典型的には、アダプタ26Aに所定の磁場が存在することが、例えばLED168の点灯によって通知されると、オペレータ22は、LEDがもはや点灯しなくなり、あるいは所定の磁場がもはやアダプタに存在しないことが通知されるまで、エンクロージャ100を移動させることができる。
【0047】
図3Aが、本発明の一実施形態によるプローブ26、エンクロージャ100内のアダプタ26A、及びコンソール40、並びにそれらの整合接続を示す概略のブロック図である。上記の説明、並びに図3Aの検討によって理解されるように、プローブ26を、ケーブル26C及びインターフェース64の接続部が整合しているため、インターフェース64に直接接続することができる。同様に、それぞれの接続部が整合しているため、プローブ26をアダプタ26Aのポート26AP1に直接接続することができ、アダプタのポート26AP2をインターフェース64に直接接続することができる。
【0048】
更に、本明細書に記載のとおり、本発明のいくつかの実施形態においては、それぞれの接続部の全てが整合しているため、アダプタ26Aがエンクロージャ100内にあるときに、プローブ26を、エンクロージャのコネクタ152及びコネクタ152の関連のケーブル/アダプタを介してアダプタ26Aのポート26AP1に接続でき、アダプタのポート26AP2を、コネクタ156及びコネクタ156の関連のケーブルを介してインターフェース64に接続することができる。
【0049】
任意の所与のアダプタ26Aが、プローブ26に適用される特定の機能を有し、他の所与のアダプタが、典型的には、プローブに追加される別の機能を有するため、全てのそのような異なる機能が、本発明の範囲に含まれると想定されることを、理解できるであろう。
【0050】
図3Bが、本発明の別の実施形態によるプローブ126、エンクロージャ100内のアダプタ126A、及びコンソール40、並びにそれらの整合接続を示す概略のブロック図である。上記の説明は、簡潔性及び明確さのために、プローブ26が複数の電極を備える可撓性の遠位端を有し、関連のアダプタ26Aがエンクロージャ100に収容されると想定しているが、本発明の範囲が、エンクロージャ100に収容され、他のプローブについて動作可能であるアダプタを含むことを、理解できるであろう。
【0051】
図は、バスケットカテーテル、バルーンカテーテル、又はフォーカルテーテルなどの技術的に既知の任意の電気生理学的プローブであってよいプローブ126を示している。アダプタ126Aが、アダプタがエンクロージャ100に収容され、コンソール40に接続されたときに、プローブ126に機能を追加し、プローブ126とコンソール40との間の接続部は、それぞれプローブ26とコンソールとの間の接続部に対応し、実質的にプローブ26に関して上述したように動作する。
【0052】
したがって、ケーブル126Cが、ケーブルアダプタ126C2を介してエンクロージャ100内のコネクタ152に接続され、ケーブル126C3が、エンクロージャ内のコネクタ156とコンソールのインターフェース64との間に接続される。エンクロージャ100内で、アダプタ126Aの第1のポート126AP1が、第1の接続ケーブル126ACP1によってコネクタ152に結合する。更に、アダプタ126Aの第2のポート126AP2が、第2の接続ケーブル126ACP2によってコネクタ156に結合する。
【0053】
上記の実施形態は例として挙げたものであり、本発明は、本明細書の上に具体的に図示及び説明されるものに限定されない点が理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書において上に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者に着想されるであろう、先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。
【0054】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
エンクロージャであって、
ベース導電層を備えるベースと、
カバーであって、
前記カバーは、カバー導電層を備え、前記カバーは、前記エンクロージャの外部に由来する10kHz~100kHzの周波数範囲の電磁放射線を前記エンクロージャの内部において少なくとも20dB減衰させるシールドを形成するために、前記ベース導電層が前記カバー導電層につながるように前記ベースと結合するように構成されている、カバーと、を備える、エンクロージャと、
前記エンクロージャ内に収容され、電気生理学的信号を処理して、前記電気生理学的信号に応じた出力信号を生成するように構成されたアダプタ回路と、
前記エンクロージャの外面を通過しており、医療プローブから前記電気生理学的信号を受け取るために前記医療プローブにつながるように構成された第1の外側と、前記電気生理学的信号を前記アダプタ回路に伝えるように接続された第1の内側とを有している第1のコネクタと、
前記エンクロージャの前記外面を通過しており、前記アダプタ回路からの前記出力信号を受け取るように接続された第2の内側と、前記出力信号をコンソールに伝えるために前記コンソールにつながるように構成された第2の外側とを有している第2のコネクタと、
前記範囲内の周波数の選択を示す制御信号を受け取るように構成された制御入力部と、
前記エンクロージャの内部の磁場を感知し、前記制御信号によって示される前記周波数における前記磁場が所定のしきい値を超える場合に警告信号を出力するように構成された感知回路と
を備える装置。
(2) 前記ベース上に前記アダプタ回路を支持し、前記ベースが受け取る機械的振動を前記アダプタ回路において減衰させるように構成された複数の粘弾性マウント
を備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記カバーは、前記ベースの第1の側と結合し、前記装置は、前記第1の側とは反対側の前記ベースの第2の側に接続された閉じた放熱体を更に備え、前記ベースは、前記アダプタ回路に近接した領域からの高温の空気を、前記高温の空気を冷却し、冷却後の空気を前記領域へと戻すために、前記放熱体を通って運ぶように構成された通気孔を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記カバー上に形成された発光素子
を備え、
前記素子は、前記警告信号の生成に応答して作動するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記感知回路は、ロックイン増幅器に入力信号をもたらすように結合した少なくとも1つのコイルを備える、実施態様1に記載の装置。
【0055】
(6) 前記医療プローブは、所定の周波数で交番する磁場内に位置し、前記制御信号は、前記所定の周波数を示し、前記ロックイン増幅器にもたらされる、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記所定の周波数は、前記コンソールによって生成され、前記ロックイン増幅器は、前記制御信号を前記コンソールから前記第2のコネクタを介して受け取る、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記所定のしきい値は、1ミリガウスの振幅を有する磁場を含む、実施態様1に記載の装置。
(9) 方法であって、
エンクロージャを用意することであって、
前記エンクロージャは、
ベース導電層を含むベースと、
カバーであって、
前記カバーは、カバー導電層を備え、前記カバーは、前記エンクロージャの外部に由来する10kHz~100kHzの周波数範囲の電磁放射線を前記エンクロージャの内部において少なくとも20dB減衰させるシールドを形成するために、前記ベース導電層が前記カバー導電層につながるように前記ベースと結合するように構成されている、カバーと、を備える、エンクロージャを用意することと、
電気生理学的信号を処理し、前記電気生理学的信号に応じた出力信号を生成するように構成されたアダプタ回路を、前記エンクロージャ内に配置することと、
医療プローブから前記電気生理学的信号を受け取るために前記医療プローブにつながるように構成された第1の外側と、前記電気生理学的信号を前記アダプタ回路に伝えるように接続された第1の内側とを有している第1のコネクタを、前記エンクロージャの外面に通すことと、
前記アダプタ回路からの前記出力信号を受け取るように接続された第2の内側と、前記出力信号をコンソールに伝えるために前記コンソールにつながるように構成された第2の外側とを有している第2のコネクタを、前記エンクロージャの前記外面に通すことと、
前記範囲内の周波数の選択を示す制御信号を受け取るように制御入力部を構成することと、
前記エンクロージャの内部の磁場を感知し、前記制御信号によって示される前記周波数における前記磁場が所定のしきい値を超える場合に警告信号を出力するように感知回路を構成することと
を含む方法。
(10) 前記ベース上に前記アダプタ回路を支持し、前記ベースが受け取る機械的振動を前記アダプタ回路において減衰させるように構成された複数の粘弾性マウントを、前記ベースに取り付けること
を含む、実施態様9に記載の方法。
【0056】
(11) 前記カバーは、前記ベースの第1の側と結合し、前記方法は、前記第1の側とは反対側の前記ベースの第2の側に閉じた放熱体を接続することを更に含み、前記ベースは、前記アダプタ回路に近接した領域からの高温の空気を、前記高温の空気を冷却し、冷却後の空気を前記領域へと戻すために、前記放熱体を通って運ぶように構成された通気孔を更に備える、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記警告信号の生成に応答して作動するように構成された発光素子を前記カバー上に形成すること
を含む、実施態様9に記載の方法。
(13) 前記感知回路は、ロックイン増幅器に入力信号をもたらすように結合した少なくとも1つのコイルを備える、実施態様9に記載の方法。
(14) 前記医療プローブは、所定の周波数で交番する磁場内に位置し、前記制御信号は、前記所定の周波数を示し、前記ロックイン増幅器にもたらされる、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記所定の周波数は、前記コンソールによって生成され、前記ロックイン増幅器は、前記制御信号を前記コンソールから前記第2のコネクタを介して受け取る、実施態様14に記載の方法。
【0057】
(16) 前記所定のしきい値は、1ミリガウスの振幅を有する磁場を含む、実施態様9に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【外国語明細書】