(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104647
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】薬液噴霧器及び薬液ボトル
(51)【国際特許分類】
B05B 7/24 20060101AFI20220704BHJP
B05B 15/68 20180101ALI20220704BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
B05B7/24
B05B15/68
B65D83/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211902
(22)【出願日】2020-12-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年11月30日に発行した「アクアネット1002▲R▼噴霧システム」のご案内にて公開
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により明細書の一部または全部を不掲載とする。
(71)【出願人】
【識別番号】509226417
【氏名又は名称】中島産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100133547
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 基文
(72)【発明者】
【氏名】中島 一重
【テーマコード(参考)】
3E014
4D073
4F033
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB01
3E014PD21
3E014PE23
4D073AA04
4D073BB01
4D073BB03
4D073CA01
4D073CB03
4D073CB14
4D073CB19
4D073CB23
4F033QA05
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB17
4F033QD04
4F033QD14
4F033QE01
4F033QF04X
(57)【要約】
【課題】誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えることができる薬液噴霧器と、その薬液噴霧器に取り付ける薬液ボトルを提供する。
【解決手段】薬液噴霧器1にボトルケージ3を備えて、例えば、グリップ式三脚Tを右手で持ちながら、左手で薬液ボトル8をつかんで、ボトルケージの開口から下へ抜き取るだけで、使い切った薬液ボトルを薬液噴霧器から取り外せ、薬液ボトルをボトルケージの開口から上へ差し入れるだけで、新しい薬液ボトルを薬液噴霧器に取り付けられるようにする。二流体ノズル2とボトルケージとを、トルクヒンジ4を介して結合して、例えば、薬液ボトルを左手で持ちながら、右手の中指と薬指を二流体ノズルにかけて手首を起こすようにひねるだけで、二流体ノズルを直上に向くように起こせ、手首を寝かすようにひねるだけで、二流体ノズルを斜め上に向くように寝かせられるようにする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二流体ノズルを備えた薬液噴霧器において、
前記薬液噴霧器が、自転車用のボトルケージを有して構成されていることを特徴とする薬液噴霧器。
【請求項2】
前記二流体ノズルと前記ボトルケージとが、扉やふた、カバー用のトルクヒンジを介して結合されていることを特徴とする請求項1に記載の薬液噴霧器。
【請求項3】
自転車用のボトルケージを有して構成される、二流体ノズルを備えた薬液噴霧器に取り付ける薬液ボトルにおいて、
前記ボトルケージに差し入れる薬液ボトルのふたに、電線接続用のケーブルグランドが取り付けられていることを特徴とする薬液ボトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、除菌消臭液などの薬液を噴霧する薬液噴霧器に関し、特に、誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えることができる薬液噴霧器と、その薬液噴霧器に取り付ける薬液ボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
薬液噴霧器としては、噴霧器の本体にあるボトル取付口の内部に、薬液ボトルのネジ込み口とはめ合うネジ穴(雌ネジ部)を設けることで、噴霧器の本体に薬液ボトルを固定できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この薬液噴霧器では、噴霧作業が続いてボトル内の薬液がなくなったら、薬液が入っている別の薬液ボトルと交換すればよいようにしている。
【0003】
別の薬液噴霧器としては、容器内に詰められた流体が配管チューブを通してノズルから供給される噴霧器を、容器と配管チューブとがワンタッチで接続可能な連結部材を介して接続されるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この別の薬液噴霧器では、容器と配管チューブがワンタッチで接続できるようにして、容器の取り替えを容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-274019号公報(段落0027,0034、
図4)
【特許文献2】特開2008-307502号公報(段落0005,0009、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に係る薬液噴霧器でも、噴霧器の本体にあるボトル取付口の内部に、薬液ボトルのネジ込み口とはめ合うネジ穴(雌ネジ部)を設けるようにしているために、噴霧器の本体を右手で持ちながら、左手を薬液ボトルに添えてねじるだけで、簡単に薬液ボトルを噴霧器の本体から取り外したり、左手で薬液ボトルを持って、薬液ボトルのネジ込み口を噴霧器の本体のネジ穴にはめてねじるだけで、簡単に薬液ボトルを噴霧器の本体に取り付けたりできる。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に係る薬液噴霧器では、薬液ボトルを回して噴霧器の本体に取り付けたり取り外したりできるようにしているために、手首を何回もひねらなくてはならない。そこで、前記特許文献1に係る薬液噴霧器では、手首を何回もひねる動作が面倒で、薬液ボトルの交換がおっくうになったり、例えば、握力の弱い女性や高齢者では、力を加えて手首をひねれなくて、使い切った薬液ボトルを取り外しにくかったりもする。
【0007】
前記特許文献2に係る薬液噴霧器でも、容器と配管チューブとがワンタッチで接続可能な連結部材を介して接続されるようにしているために、配管チューブを連結部材に差し込んだり引き抜いたりするだけで、ワンタッチで容器と配管チューブが接続できる。
【0008】
しかしながら、前記特許文献2に係る薬液噴霧器では、流体を遠隔操作で供給するものであり、固定された容器、具体的には固定された軟包材を用いた包装袋に所定の長さの配管チューブをつなぐようにしているために、容器を噴霧器と一緒に持ち運ぶことができない。
【0009】
そこで、この発明では、前記した課題を解決し、誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えることができる薬液噴霧器と、その薬液噴霧器に取り付ける薬液ボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、二流体ノズルを備えた薬液噴霧器を、自転車用のボトルケージを有して構成した。
【0011】
請求項2に係る発明では、二流体ノズルとボトルケージとを、扉やふた、カバー用のトルクヒンジを介して結合した。
【0012】
請求項3に係る発明では、ボトルケージに差し入れる薬液ボトルのふたに、電線接続用のケーブルグランドを取り付けた。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、二流体ノズルを備えた薬液噴霧器を、自転車用のボトルケージを有して構成したので、例えば、薬液噴霧器のグリップを右手で持ちながら、左手で薬液ボトルを持って、薬液ボトルをボトルケージの開口から差し入れるだけで、薬液ボトルを薬液噴霧器に取り付けることができる。また、薬液噴霧器のグリップを右手で持ちながら、左手で薬液ボトルをつかんで、ボトルケージの開口から抜き取るだけで、薬液ボトルを薬液噴霧器から取り外すこともできる。
【0014】
このように、請求項1に係る発明によれば、前記特許文献1に係る薬液噴霧器のように、手首を何回もひねらなくてもいいので、例えば、握力の弱い女性や高齢者でも簡単に、薬液ボトルを薬液噴霧器に取り付けたり取り外したりすることができる。また、請求項1に係る発明によれば、薬液ボトルをボトルケージに差し入れたり抜き取ったりする動きは、手を直線的に動かす動作なので、前記特許文献1に係る薬液噴霧器のような、手首を何回もひねる動作よりも、単純な動作であり、素早く行うことができる。そこで、請求項1に係る発明によれば、誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、二流体ノズルとボトルケージとを、扉やふた、カバー用のトルクヒンジを介して結合したので、例えば、薬液ボトルを左手で持ちながら、右手の中指と薬指を二流体ノズルにかけて手首をひねるだけで、二流体ノズルとボトルケージとの角度を変えられ、その角度で固定することができる。
【0016】
そこで、請求項2に係る発明によれば、二流体ノズルとボトルケージとの角度を変えて、その角度で固定できるので、二流体ノズルを斜め上に向けて、薬液を斜め上に噴霧したり、二流体ノズルを真上に向けて、薬液を真上に噴霧したりすることができる。
【0017】
ここで、請求項2に係る発明によれば、二流体ノズルを真上に向けて、薬液を真上に噴霧することができるので、流体循環を効率的に行うことができる。そこで、請求項2に係る発明によれば、次亜塩素酸水などの除菌消臭液を、室内で真上に噴霧するようにすれば、室内空間を効率的に除菌消臭することができる。
【0018】
また、請求項2に係る発明によれば、二流体ノズルを真上に向けて、薬液を真上に噴霧することができるので、例えば、天井に防カビ剤を噴霧する場合に、腕を真上に上げなくても、手首を軽くひねるだけで、無理のない姿勢で行うこともできる。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、ボトルケージに差し入れる薬液ボトルのふたに、電線接続用のケーブルグランドを取り付けたので、ケーブルグランドにチューブを通して、ケーブルグランドを締めるだけで、チューブを薬液が漏れないように薬液ボトルに取り付けることができる。また、ケーブルグランドを緩めてチューブを抜くだけで、薬液ボトルからチューブを取り外すこともできる。
【0020】
以上のように、請求項1から請求項3に係る発明によれば、誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えることができるので、薬液ボトルを交換するわずらわしさを軽減することができる。そこで、請求項1から請求項3に係る発明によれば、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、日々の除菌が求められる中で、施設の従業員、例えばパートやアルバイトでも、仕事の合間、例えば開店前や閉店後のわずかな時間でも、除菌を続けやすくできる。
【0021】
また、請求項1から請求項3に係る発明によれば、薬液の補充を薬液ボトルの交換によって行うので、希釈倍数を間違うことによる事故が起こらないようにもできる。さらに、請求項1から請求項3に係る発明によれば、専用ボトルを使うようにすれば、薬液の移し間違いによる事故が起こらないようにもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】実施形態に係る薬液噴霧器を固定して噴霧する状態及び実施形態に係る薬液ボトルをボトルケージに差し入れた状態を示す正面図である。
【
図3】(a)は実施形態に係る薬液噴霧器を固定して噴霧する状態を示す正面図のうち、斜め上に噴霧する状態を示す正面図であり、(b)は真上に噴霧する状態を示す正面図である。
【
図4】(a)は実施形態に係る薬液噴霧器を手で持って噴霧する状態を示す正面図のうち、斜め上に噴霧する状態を示す正面図であり、(b)は真上に噴霧する状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、この発明の創作の基礎となる事項について簡単に説明する。発明者は、次亜塩素酸水溶液でできた除菌消臭液(製品名を(公序良俗違反につき、不掲載)という。(公序良俗違反につき、不掲載))の製造と販売を行っている。ここで、(公序良俗違反につき、不掲載)は、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸と純水を希釈混合することで生成された次亜塩素酸水を成分としており、極めて高い安全性を有する除菌消臭液である。
【0024】
そして、(公序良俗違反につき、不掲載)は、身近な細菌からウイルスまで、幅広い菌種に対する除菌効果があり、極めて高い安全性を有することから、野菜や魚介類などの生鮮食品の洗浄や、調理器具や台所周りの除菌から手指の消毒や体の清拭(せいしき)まで、乳幼児や高齢者にも安心して使用できるという特徴がある。また、(公序良俗違反につき、不掲載)の成分は、次亜塩素酸であるところ、次亜塩素酸(HOCl)は、人の体の中に存在する好中球(白血球の一種)が細菌やウイルスから体を守る際に体内で発生させる成分である。そのため、(公序良俗違反につき、不掲載)は、人のいる場所で噴霧できるという特徴もある。
【0025】
発明者は、先の発明(出願番号 特願2009-272490)では、高低所や狭所など作業者が入りにくい空間や、衛生上作業者が滞在することが好ましくない空間においても、(公序良俗違反につき、不掲載)などの薬液を噴霧したいとの要望があることに着目し、噴霧状態のまま仮置きできる薬液噴霧器(製品名を(公序良俗違反につき、不掲載)といい、以下、現行の薬液噴霧器という。)を開発するなど、他の除菌水にない、人のいる場所で噴霧できるという(公序良俗違反につき、不掲載)の特徴を生かした製品を提供してきた。そのため、(公序良俗違反につき、不掲載)は、食品工場や給食センターなどの調理施設や、飲食店やフードコートなどの商業施設のほか様々な施設で使用されており、中でも臭い対策が求められる介護施設やスポーツジムなどで高い評価を得ている。
【0026】
発明者は、臭い対策としてスプレーボトル入りの(公序良俗違反につき、不掲載)をお使いいただいているお客様から、(公序良俗違反につき、不掲載)の空間噴霧よる空間除菌に期待する声を耳にした。介護施設やスポーツジムなどでは、排せつ物の後始末をしたものや、汗が染み込んだマットや器具などにスプレーボトルで(公序良俗違反につき、不掲載)を噴霧して除菌や消臭をしているところ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、テーブルやドアノブなどにも(公序良俗違反につき、不掲載)を噴霧して、手が触れるあらゆる場所の除菌を始めたとのことで、感染拡大防止対策を徹底するために、(公序良俗違反につき、不掲載)を広く噴霧して空間除菌をしたいというものであった。
【0027】
合わせて、発明者は、除菌消臭作業に携わる業者以外の方からも、現行の薬液噴霧器への問い合わせが増えていることに、様々な施設で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大対策として、空間除菌が期待されていることを感じた。
【0028】
そして、発明者は、現行の薬液噴霧器は、除菌消臭作業に携わる業者向けに開発したもので、専門知識を有する作業員が使用することを前提にしたものであるところ、問い合わせの多くが、自らの施設で従業員が仕事の合間を見つけて除菌したいと要望されていることに着目した。
【0029】
そこで、発明者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、日々の除菌が求められる中で、従業員が仕事の合間を見つけて除菌しようとすると、薬液の補充が面倒になることに注目した。そして、発明者は、誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えて薬液の補充ができるようになると、日々の除菌の負担を軽減できると考えるようになった。
【0030】
発明者は、誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えられる構造を考える中で、ロードバイクなどのスポーツ自転車用の部品に、自転車に乗りながら水分を補給するために、飲料ボトルを素早く取り出せるボトルケージという部品があることに着目した。
【0031】
そして、発明者は、自転車用のボトルケージという部品を薬液噴霧器の部品に転用すると、誰でも簡単に、そして素早く、使い切った薬液ボトルを取り外して、新しい薬液ボトルに取り替えられることを見いだし、この発明を創作するに至ったものである。また、発明者は、自転車用のボトルケージという部品を薬液噴霧器の部品に転用したように、市販されている部品を薬液噴霧器の部品に転用すると、経営資源が乏しくても着想を製品化できることを見いだし、この発明を創作するに至ったものでもある。
【0032】
次に、この発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る薬液噴霧器の正面図である。
【0033】
図1に示すように、薬液噴霧器1は、二流体ノズル2と、ボトルケージ3とを有して構成されている。その他にも、薬液噴霧器1は、トルクヒンジ4と、ステー5と、チューブ6a,6bと、三脚取付金具7とを有して構成されている。
【0034】
二流体ノズル2は、圧縮空気と液体を混合して噴出する方式のノズルで、高速の気体の流れを利用して液体を微粒化し、微細な霧を噴霧することができるものである。そして、二流体ノズル2には、薬液ボトルにつなぐチューブ(液側)6aと、エアコンプレッサーにつなぐチューブ(エア側)6bが取り付けられている。
【0035】
ボトルケージ3は、市販されているロードバイクなどのスポーツ自転車用の部品で、ボトルを収納するかご状の部品である。なお、ボトルケージ3は、ボトルを横からも抜き取れるものを選ぶと、薬液ボトルを抜き取る際に、薬液ボトルが二流体ノズル2にぶつからないために抜き取りやすい。
【0036】
トルクヒンジ4は、市販されている扉やふた、カバー用の部品で、開閉中の扉やふた、カバーを任意の位置で止める蝶番(ちょうつがい)状の部品である。ここでは、トルクヒンジ4を介して二流体ノズル2とボトルケージ3とが任意の角度で固定できるように結合されている。
【0037】
ステー5は、部品を固定する支柱状の部材である。ここでは、ステー5にボトルケージ3とトルクヒンジ4と三脚取付金具7が固定されている。
【0038】
三脚取付金具7は、平板に三脚を取り付けるためのネジ孔が形成された金具である。
【0039】
図2は、実施形態に係る薬液噴霧器1を固定して噴霧する状態と、実施形態に係る薬液ボトルをボトルケージに3に差し入れた状態を示す正面図である。
図2に示すように、薬液噴霧器1は、ボトルケージ3に薬液ボトル8を取り付け、三脚取付金具7にグリップ式三脚Tを取り付けられるように構成されている。
【0040】
薬液ボトル8は、ふた81の中央の孔(あな)に、ケーブルグランド82が取り付けられている。ケーブルグランド82は、市販されている電線接続用の部品で、ケーブルを通して締め付ける、ねじ込み式の部品である。ケーブルグランド82は、ケーブルを通して締め付けて、粉じんや水の侵入を防いだり、ケーブルの抜けを防いだりすることを目的に使用されるものである。そして、実施形態に係る薬液ボトル8では、ふた81の中央の孔にケーブルグランド82が取り付けられているために、ケーブルグランド82にチューブ(液側)6aを通して締めると薬液がこぼれない。また、実施形態に係る薬液ボトル8では、ケーブルグランド82を緩めるとチューブ(液側)6aが抜ける。
【0041】
薬液ボトル8は、ここでは遮光ボトルであって、(公序良俗違反につき、不掲載)が紫外線と反応して、除菌消臭効果が低下しないようになっている。また、薬液ボトル8は、ここでは(公序良俗違反につき、不掲載)の専用ボトルで、希釈した(公序良俗違反につき、不掲載)が詰められているために、そのまま使える。
【0042】
グリップ式三脚Tは、市販されているカメラやビデオ用のものである。グリップ式三脚Tは、
図2に示すように、脚を広げると三脚として使える。また、グリップ式三脚Tは、脚を畳むと棒状になり、握り手として使えるものである。グリップ式三脚Tには、雲台にカメラなどを取り付けるためのネジが設けられている。そして、グリップ式三脚Tは、ネジを三脚取付金具7のネジ孔にねじ込んで、薬液噴霧器1に取り付けられる。
【0043】
以上のように構成された薬液噴霧器1では、ボトルケージ3を備えているために、例えば、グリップ式三脚Tを右手で持ちながら、左手で薬液ボトル8をつかんで、ボトルケージ3の開口から下へ抜き取るだけで、使い切った薬液ボトル8を薬液噴霧器1から取り外せる。また、グリップ式三脚Tを右手で持ちながら、左手で薬液ボトル8を持って、薬液ボトル8をボトルケージ3の開口から上へ差し入れるだけで、新しい薬液ボトルを薬液噴霧器1に取り付けられる。
【0044】
また、以上のように構成された薬液噴霧器1では、薬液ボトルのふた81に、ケーブルグランド82が取り付けられているために、ケーブルグランド82を緩めるだけでチューブ(液側)6aを抜いて、使い切った薬液ボトル8を薬液噴霧器1から取り外せる。また、ケーブルグランド82にチューブ(液側)6aを通して締めるだけで、新しい薬液ボトルを薬液がこぼれないように薬液噴霧器1に取り付けられる。
【0045】
図3の(a)は、実施形態に係る薬液噴霧器1を固定して噴霧する状態を示す正面図のうち、斜め上に噴霧する状態を示す正面図である。また、
図3の(b)は、実施形態に係る薬液噴霧器1を固定して噴霧する状態を示す正面図のうち、真上に噴霧する状態を示す正面図である。
【0046】
図3の(b)に示すように、実施形態に係る薬液噴霧器1では、二流体ノズル2とボトルケージ3とを、トルクヒンジ4を介して結合しているため、例えば、薬液ボトル8を左手で持ちながら、右手の中指と薬指を二流体ノズル2にかけて手首を起こすようにひねるだけで、二流体ノズル2を直上に向くように起こせる。
【0047】
また、
図3の(a)に示すように、例えば、薬液ボトル8を左手で持ちながら、右手の中指と薬指を二流体ノズル2にかけて手首を寝かすようにひねるだけで、二流体ノズル2を斜め上に向くように寝かせられる。
【0048】
図4の(a)は、実施形態に係る薬液噴霧器1を手で持って噴霧する状態を示す正面図のうち、斜め上に噴霧する状態を示す正面図である。
図4の(b)は、実施形態に係る薬液噴霧器1を手で持って噴霧する状態を示す正面図のうち、真上に噴霧する状態を示す正面図である。
【0049】
図4の(b)に示すように、実施形態に係る薬液噴霧器1では、二流体ノズル2とボトルケージ3とを、トルクヒンジ4を介して結合しているため、例えば、薬液ボトル8を左手で持ちながら、右手の中指と薬指を二流体ノズル2にかけて手首を起こすようにひねるだけで、二流体ノズル2を直上に向くように起こせる。
【0050】
また、
図4の(a)に示すように、例えば、薬液ボトル8を左手で持ちながら、右手の中指と薬指を二流体ノズル2にかけて手首を寝かすようにひねるだけで、二流体ノズル2を斜め上に向くように寝かせられる。
【0051】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は前記実施形態には限定されない。例えば、実施形態に係るボトルケージ3は、市販されているロードバイクなどのスポーツ自転車用の部品と説明したが、薬液ボトル8を収納するかご状の部品であれば、薬液噴霧器用に作った部品でも構わない。
【0052】
また、薬液を(公序良俗違反につき、不掲載)と説明したが、他社の次亜塩素酸水でも、防カビ剤でも構わない。
【符号の説明】
【0053】
1 薬液噴霧用器
2 二流体ノズル
3 ボトルケージ
4 トルクヒンジ
5 ステー
6 チューブ
7 三脚取付金具
8 薬液ボトル
81 ふた
82 ケーブルグランド