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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104656
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20220704BHJP
【FI】
F24F1/0007 401B
F24F13/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219740
(22)【出願日】2020-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 守
(72)【発明者】
【氏名】吉仕 彰
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BG06
3L051BJ10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ケースに収納されている熱交換器の大きさや配置の自由度を高めつつ、保持機構の性能を十分に確保することができる、空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置10は、開口26を有しているケース20と、このケース20に対して上端部を上下スイング可能に支持されているオープンパネル40と、前記開口26を開放した状態の前記オープンパネル40を前記ケース20に保持する保持機構60と、を備えている。前記保持機構60は、第1の面を有している第1アーム61と、第2の面を有している第2アームと、前記第1の面と前記第2の面との、少なくとも一方から他方へ突出している凸部(第1凸部63、第2凸部64)と、を備えている。前記第1アーム61は、前記第2アームに対して互いに接近、離反する方向へのみ、可撓性を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン及び熱交換器を収納しているとともに、前面に開口を有しているケースと、
前記開口を開閉可能に覆うとともに、前記ケースに対して上端部を上下スイング可能に支持されているオープンパネルと、
前記開口を開放した状態の前記オープンパネルを前記ケースに保持する保持機構と、を備えている空気調和装置であって、
前記オープンパネルのスイング中心線に対して直交する面を基準面とし、
前記保持機構は、
前記ケースから前記基準面に沿って延びるとともに、前記基準面の方向を向いた第1の面を有している第1アームと、
前記オープンパネルに設けられており、前記第1の面に対向する第2の面を有している第2アームと、
前記第1の面と前記第2の面との、少なくとも一方から他方へ突出しており、前記オープンパネルと共に前記第2アームがスイング変位することにより、前記第1アームと前記第2アームとを係合、離脱させる凸部と、を備え、
前記第1及び第2アームのなかの、少なくとも前記第1アームは、前記第2アームに対して互いに接近、離反する方向へのみ、可撓性を有している、ことを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記第1アームは、前記ケースの前記開口を正面から見て上下方向に延びている、ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記第1アームは、前記ケースに設けられている下側の固定端から、前記熱交換器の前縁に沿って上方へ延びている、片持ち梁状の構成である、ことを特徴とする請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記第2アームは、前記第1アームの前記第1の面に対して互いに離反、接近する方向への可撓性を有している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内機を備えた空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の室内機は、ケースの内部に形成されている空気流路に配置された、送風ファン及び熱交換器を備えている。ケースの前面に有している開口は、オープンパネルによって覆われている。このような空気調和装置に関する従来技術として、例えば特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示される空気調和装置では、パネル(オープンパネルに相当)の上端部は、ケーシング(ケースに相当)に対して上下スイング可能に支持されている。このパネルは、開口を開放した状態で、ケーシングに保持機構によって保持することが可能である。
【0004】
この保持機構は、ケーシングからパネルの裏面に向かって延びた縦板状の支持部と、この支持部の上端に有しているストッパーと、パネルの裏面からケーシングへ向かって延びた縦板状の板部材と、この板部材の板面から支持部の板面のストッパーへ向かって突出したロック用リブと、を備えている。
【0005】
板部材は、板面方向への可撓性を有している。パネルのスイング運動に従って、板部材のロック用リブがストッパーを乗り越えることにより、パネルは、開口を開放した状態で、ケーシングに保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2904078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示される保持機構では、ロック用リブがストッパーを乗り越え可能とするために、パネルからケーシングへ向かって延びた板部材は、可撓性を有している。ロック用リブとストッパーとの係合及び離脱作用を確実に行うには、板部材の可撓性を十分に確保する必要がある。そのためには、パネルからケーシングへ向かって延びる板部材の長さを、長くすればよい。しかし、ケーシングには熱交換器が収納されている。板部材を長くすると、熱交換器の大きさや、ケーシングに対する熱交換器の配置の自由度に影響が及ぶ。板部材の長さを、単に熱交換器に干渉しない長さに抑えた場合には、保持機構の性能を確保するための課題が残る。
【0008】
本発明は、ケースに収納されている熱交換器の大きさや配置の自由度を高めつつ、保持機構の性能を十分に確保することができる、空気調和装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、ファン及び熱交換器を収納しているとともに、前面に開口を有しているケースと、前記開口を開閉可能に覆うとともに、前記ケースに対して上端部を上下スイング可能に支持されているオープンパネルと、前記開口を開放した状態の前記オープンパネルを前記ケースに保持する保持機構と、を備えている空気調和装置であって、
前記オープンパネルのスイング中心線に対して直交する面を基準面とし、
前記保持機構は、前記ケースから前記基準面に沿って延びるとともに、前記基準面の方向を向いた第1の面を有している第1アームと、前記オープンパネルに設けられており、前記第1の面に対向する第2の面を有している第2アームと、前記第1の面と前記第2の面との、少なくとも一方から他方へ突出しており、前記オープンパネルと共に前記第2アームがスイング変位することにより、前記第1アームと前記第2アームとを係合、離脱させる凸部と、を備え、
前記第1及び第2アームのなかの、少なくとも前記第1アームは、前記第2アームに対して互いに接近、離反する方向へのみ、可撓性を有している、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ケースに収納されている熱交換器の大きさや配置の自由度を高めつつ、保持機構の性能を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1による空気調和装置の室内機の斜視図である。
図2図1の2-2矢視線に沿った断面図である。
図3図1の3部の拡大図である。
図4図3の4-4矢視線に沿った断面図である。
図5図4に示される保持機構を室内機の前面側から見た断面図である。
図6図5に示される第1アームの斜視図である。
図7図7(a)は図6に示される第1アームをケースの前面側から見た図、図7(b)は図7(a)に示される第1アームを側方から見た断面図である。
図8図4に示される軸及び第2アームの斜視図である。
図9図4に示される保持機構の作用説明図である。
図10】実施例2による空気調和装置の説明図であって、図10(a)は図7(a)に示される第1アームに対応する図、図10(b)は図10(a)に示される第1アームを側方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。図中、空気調和装置の室内機を正面から見て、Frは手前(前)、Rrは後、Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。
【0013】
図1図9を参照しつつ、実施例1の空気調和装置10を説明する。
<実施例1>
【0014】
図1には、本発明による空気調和装置10の室内機11が示されている。空気調和装置10は、屋内In(室内In)を冷却する冷房機能と、屋内Inを暖房する暖房機能とを有しており、屋外に設けられた室外機(図示せず)及び屋内Inに設けられた室内機11を備えている。室外機と室内機11とは、冷媒を循環させることができるよう互いに接続されている。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0015】
図2に示されるように、室内機11は、屋内Inの壁Waに掛けて用いられる、壁掛け式室内機である。室内機11は、この室内機11のケース20の背面に設けられている支持板31を、壁Waに取り付けることにより、壁Waに支持される。
【0016】
図1に示されるように、ケース20は、屋内Inの空気を導入する空気導入口21と、ケース内の空気を屋内Inへ送風する送風口22と、を備えている。空気導入口21は、ケース20の上部に位置している。送風口22は、ケース20の前下部に位置している。
【0017】
さらにケース20は、図1及び図2に示されるように、空気導入口21からケース20へ吸引した空気を送風口22から屋内Inへ送風するファン32と、このファン32が吸引した空気と熱交換を行う複数の熱交換器33と、これらの熱交換器33の上方に配置されケース20内への塵埃の侵入を抑制するフィルタユニット34と、を備えている。
【0018】
ファン32が作動することにより、空気導入口21からケース20内へ空気が導入される。導入された空気は、熱交換器33を通過した後に、送風口22から屋内Inへ送風される。熱交換器33には、室外機によって冷却された冷媒が供給されている。熱交換器33の外周を通過する空気は、冷媒と熱交換を行って冷却される。冷却された空気(冷風)は屋内Inへ送られる。
【0019】
次に、ケース20について詳しく説明する。
図1図3に示されるように、ケース20は、例えば樹脂成型品である。ケース20の上板23は概ね水平な横板状の部分である。ケース20の前板24は概ね垂直な縦板状の部分である。上板23と前板24との角部25(上角部25)は、円弧状断面状に形成されている。
【0020】
ケース20には、前板24と上角部25とにわたって開口26が形成されている。つまり、ケース20は、前面20aに開口26を有している。この開口26は、正面視で横長の矩形状であって、ケース20の前後に貫通している。
【0021】
ケース20の前面20aの上部(上角部25)には、開口26の幅方向両側に位置した貫通孔27,27が形成されている。左右の貫通孔27,27は、正面視で縦長の矩形状であって、ケース20の前後に貫通している。
【0022】
図4も参照すると、ケース20の前面20a及び上角部25は、着脱可能なオープンパネル40(リッド40)によって、開閉可能に覆われている。この結果、開口26はオープンパネル40によって覆われる。このオープンパネル40は、ケース20に対して、上端部40aを左右の支持部50,50によって上下スイング可能に支持されている。
【0023】
開口26を開放した状態のオープンパネル40は、左右の保持機構60,60によってケース20に保持される。例えば、室内機11を設置するときやフィルタユニット34をメンテナンスするときに、オープンパネル40を上方へ持ち上げて開口26を開放した状態に保持することができる。
【0024】
左右の支持部50,50及び左右の保持機構60,60は、ケース20の上角部25に位置している。左右の支持部50,50は互いに左右対称の構成である。左右の保持機構60,60も互いに左右対称の構成である。以下、左の支持部50及び左の保持機構60について説明し、右側については省略する。
【0025】
先ず、図4図6を参照しつつ、左の支持部50について説明する。
支持部50は、支軸部52及び軸54によって構成されている。詳しく述べると、ケース20の上角部25に位置している貫通孔27の上縁27aには、上側及び前側を開放した開放部51と、この開放部51に連続して上側を開放した凹状の支軸部52と、が形成されている。
【0026】
図8も参照すると、オープンパネル40の上端部40aは、幅方向の端部から上後方へ延びたスイングアーム53と、このスイングアーム53の先端から幅方向内側へ延びた軸54と、を有している。スイングアーム53は、開放部51に上下スイング可能に位置している。軸54は、支軸部52に回転可能に嵌合している。支軸部52及び軸54の中心線CLは、オープンパネル40がスイング運動をするときのスイング中心線CLとなる。
【0027】
ここで、図5に示されるように、オープンパネル40のスイング中心線CLに対して、直交する面Daのことを、「基準面Da」と定義する。
【0028】
次に、図4図7を参照しつつ、左の保持機構60について説明する。
保持機構60は、ケース20に設けられた第1アーム61と、オープンパネル40に設けられた第2アーム62と、第1アーム61と第2アーム62とを係合、離脱させる第1及び第2凸部63,64の少なくとも一方と、を備えている。以下の説明では、第1及び第2凸部63,64の両方を備えている構成を例示する。
【0029】
第1アーム61は、貫通孔27の中に位置しており、ケース20の開口26を正面から見て上下方向に延びている。この結果、第1アーム61は、基準面Da(図5参照)に沿って延びている。より具体的には、第1アーム61は、ケース20に設けられている下側の固定端61a(基端61a)から、熱交換器33の前縁33aに沿いつつ、貫通孔27の上縁27aへ向かって上方へ延びている、片持ち梁状の構成である。固定端61aは、ケース20に形成されている貫通孔27の下縁27bに設けられている。第1アーム61は、図5に示されるように、基準面Daの方向を向いた第1の面61b(例えばケース20の幅方向外側を向いた面61b)を有している。
【0030】
図4図6及び図8に示されるように、第2アーム62は、オープンパネル40の上端部40aの内面40bから、貫通孔27を貫通して支軸部52の下方且つ熱交換器33の前縁33a近くへ延びており、スイング中心線CLを基準としてスイング変位が可能である。オープンパネル40がケース20の前面20a及び上角部25を覆った状態では、第2アーム62の先端部62aは、第1アーム61よりもケース20の内方に位置している。
【0031】
しかも、この第2アーム62は、オープンパネル40がケース20の前面20a及び上角部25を覆った状態から、開放した状態までの、全スイング範囲にわたり、熱交換器33の前縁33aに対して接しない。ケース20に収納されている熱交換器33と第2アーム62との相対的な位置関係を、常に維持することができる。
【0032】
この第2アーム62は、第1の面61bに対向する第2の面62b(例えばケース20の幅方向内側を向いた面62b)を有している。つまり、この第2アーム62は、第2の面62bを板面とする縦板状の部材であって、第1アーム61よりも幅方向外側に位置している。
【0033】
図8に示されるように、第2の面62bには補強用リブ65が設けられている。従って、第2アーム62は、第1アーム61に対して互いに接近、離反する方向(ケース20の幅方向)の可撓性を有していない。
【0034】
本発明の最大のポイントは、第1アーム61が、第2アーム62に対して互いに接近、離反する方向(ケース20の幅方向)へのみ、可撓性を有していることである。この第1アーム61は、第1の面61bを板面とする縦板状の部材であって、ケース20と一体の構成、または、ケース20に一体的に組付けられている別部材の構成である。
【0035】
先に第2凸部64について説明する。図8も参照すると、第2凸部64(第2係合部64)は、第2アーム62の先端部62aのなかの、第2の面62bから、第1の面61bの方向へ向かって突出した、山形状に構成されている。この第2凸部64の頂点は、スイング中心線CLを基準としたスイング軌跡Tr(図4参照)を描くように、スイング可能である。より詳しく述べると、この第2凸部64は、頂点からスイング軌跡Tr方向の両側へ傾斜している。
【0036】
第1凸部63(第1係合部63)は、第1の面61bから第2の面62bの方向へ向かって突出した、山形状に構成されている。この第1凸部63は、第2凸部64のスイング軌跡Tr上に位置するとともに、頂点からスイング軌跡Tr方向の両側へ傾斜している。従って、第2凸部64は、オープンパネル40のスイング運動に従って、第2アーム62と共にスイング変位することにより、第1凸部63に対して係合及び離脱することが可能である。
【0037】
次に、図9を参照しつつ、保持機構60の作用を説明する。
図9(a)は、オープンパネル40がケース20の前面20a及び上角部25、開口26を覆った状態を示している。この状態では、第2アーム62の第2凸部64は、第1凸部63よりもケース20の内方に位置している。
【0038】
その後、オープンパネル40を開いていくことによって、図9(b)に示されるように、第2凸部64はスイング変位して第1凸部63に乗り上げる(係合する)。この過程において、第2凸部64が第1凸部63をケース20の幅方向へ押圧するので、第1アーム61は第2アーム62の第2の面62bから離反する方向(矢印A1方向)へ弾性変形する。
【0039】
その後、オープンパネル40を更に開いて全開放状態にすることによって、図9(c)に示されるように、第2凸部64は更にスイング変位して第1凸部63を乗り越える(離脱する)。この結果、第1アーム61は自己復元力によって、第2アーム62の第2の面62bに接近する方向(矢印A2方向)へ復帰する。
【0040】
その後、オープンパネル40を図9(c)に示される開放状態から閉じると、逆動作によって図9(a)に示される閉鎖状態に戻る。
【0041】
以上に説明した本発明は、以下の効果を奏する。
【0042】
図4及び図5に示されるように、保持機構60は、ケース20から基準面Daに沿って延びるとともに、基準面Daの方向を向いた第1の面61bを有している第1アーム61と、オープンパネル40に設けられており、第1の面61bに対向する第2の面62bを有している第2アーム62と、第1の面61bと第2の面62bとの、少なくとも一方から他方へ突出しており、オープンパネル40と共に第2アーム62がスイング変位することにより、第1アーム61と第2アーム62とを係合、離脱させる凸部(例えば第1及び第2凸部63,64)と、を備えている。第1及び第2アーム61,62のなかの、少なくとも第1アーム61は、第2アーム62に対して互いに接近、離反する方向へのみ、可撓性を有している。
【0043】
このように、第1アーム61は、オープンパネル40及び第2アーム62と同方向にスイング運動をすることはない。しかも、この第1アーム61は、第2アーム62に対して互いに離反、接近する方向へのみ、可撓性を有している。このため、ケース20に収納されている熱交換器33と第1アーム61との相対的な位置関係を、常に維持することができる。従って、熱交換器33の大きさや、ケース20に対する熱交換器33の配置の自由度を高めつつ、保持機構60の性能を十分に確保することができる。
【0044】
例えば、第1凸部63と第2凸部64との係合及び離脱に必要な、第1アーム61の可撓性をも、十分に確保することができる。第2アーム62にのみ、第1凸部63と第2凸部64との係合及び離脱に必要な可撓性を有する場合に比べて、第2アーム62の長さを短くすることができる。従って、熱交換器33の大きさや、ケース20に対する熱交換器33の配置の自由度を高めつつ、保持機構60の性能を十分に確保することができる。
【0045】
さらには、第1アーム61は、ケース20の開口26を正面から見て上下方向に延びている。このように、第1アーム61を、ケース20の前後方向ではなく上下方向に延ばすことによって、熱交換器33に対する干渉を、より防止することができる。
【0046】
さらには、第1アーム61は、ケース20に設けられている下側の固定端61aから、熱交換器33の前縁33aに沿って上方へ延びている、片持ち梁状の構成である。このように、第1アーム61を、熱交換器33の前縁33aに沿って上方へ延ばすことにより、熱交換器33に対する第1アーム61の干渉を、より一層防止することができる。しかも、第1アーム61の長さの自由度を高めることができるので、第1アーム61の可撓性を最適になるように適宜設定することができる。
【0047】
次に、図10を参照しつつ実施例2の空気調和装置100を説明する。
<実施例2>
【0048】
図10(a)、(b)は、空気調和装置100の左の第1アーム61を説明する図であり、実施例1の空気調和装置10を説明する図7(a)、(b)と対応している。
【0049】
実施例2の空気調和装置100は、左の第1アーム61の基端61aの構成を特徴とし、その他の構成については、実施例1の空気調和装置10と共通する。実施例2の空気調和装置100の説明において、実施例1の空気調和装置10と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0050】
実施例2では、保持機構60の第1アーム61の基端61a(固定端61a)は、ケース20に形成されている貫通孔27の側縁27cに設けられている。実施例2の作用、効果は、上記実施例1の作用、効果と同じである。
【0051】
上記実施例1~2において、図4及び図5に示される第2アーム62は、第1アーム61の第1の面61bに対して互いに離反、接近する方向への可撓性を有する構成とすることができる。このように、第1アーム61の他に、第2アーム62も可撓性を有することによって、第1アーム61の可撓性を補うことができる。その分、第1アーム61の長さを短くすることができる。
【0052】
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は各実施例に限定されるものではない。
【0053】
例えば、空気調和装置10,100は、冷房機能及び暖房機能の両方を備えた空気調和装置を例に説明したが、冷房機能のみや暖房機能のみを有するものであっても適用可能である。
【0054】
さらに、本発明は、室外機及び室内機からなる冷房装置のみならず、これらが一体化された冷房装置にも適用可能である。
【0055】
第1アーム61及び第2アーム62は、縦板状の構成に限定されるものではなく、例えば棒状の構成であってもよい。
【0056】
保持機構60は、第1凸部63(第1係合部63)と第2凸部64(第2係合部64)の、少なくとも一方を備えている構成であればよい。例えば、第1凸部63のみ、または第2凸部64のみを備えた構成でもよい。さらに例えば、第1アーム61からは第1凸部63が突出するとともに、第2アーム62には第2凸部64を設けずに複数の凹部(孔や溝を含む)を設ける構成とすることができる。この複数の凹部は、第2アーム62の第2の面62bから窪んでおり、スイング軌跡Tr(図4参照)上に間隔をあけて一列に配列すればよい。第2アーム62がスイング変位したときに、これらの凹部に第1凸部63が嵌合、離脱することによって、第1アーム61を弾性変位させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の空気調和装置10,100は、家庭用のエアコン装置に好適である。
【符号の説明】
【0058】
10,100 空気調和装置
11 室内機
20 ケース
20a 前面
26 開口
40 オープンパネル
40a 上端部
50 支持部
53 スイングアーム
54 軸
60 保持機構
61 第1アーム
61a 下側の固定端(基端)
61b 基準面の方向を向いた第1の面
62 第2アーム
62b 第2の面
63 第1凸部(第1係合部)
64 第2凸部(第2係合部)
A1 第2アームの第2の面から離反する方向
A2 第2アームの第2の面に接近する方向
CL オープンパネルのスイング中心線(軸の中心線)
Da 基準面(オープンパネルのスイング中心線に対して直交する面)
Tr 第2凸部のスイング軌跡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10