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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104675
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20220704BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20220704BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20220704BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
B41J2/175 317
B65H3/44 G
B41J15/04
B41J2/175 305
B41J2/01 451
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/175 315
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219783
(22)【出願日】2020-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴士
【テーマコード(参考)】
2C056
2C060
3F343
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB50
2C056EB52
2C056EB59
2C056EC12
2C056EC26
2C060BA09
2C060BC03
2C060BC04
2C060BC12
2C060BC99
3F343FA02
3F343FB04
3F343FC30
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA16
3F343HA36
3F343HB03
3F343HC04
3F343KB03
3F343KB20
3F343MA02
3F343MA09
3F343MA23
3F343MC28
(57)【要約】
【課題】ロール紙などの長尺の記録媒体に画像を形成する場合において、色材がなくなるまでにどの程度の画像形成が可能であるかをユーザが容易に把握できるようにする。
【解決手段】インクの残量から、インク貯留部内のインクがなくなるまでに画像形成可能な記録媒体の長さを導出する長さ導出処理を実行する。そして、長さ導出処理で導出された画像形成可能な記録媒体の長さを表示部に表示させる長さ表示処理を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の記録媒体を供給する第1供給部と、
色材を収容可能な色材貯留部から供給される色材を用いて、前記第1供給部から供給された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記色材貯留部に収容された色材の残量を示す信号を出力する残量信号出力部と、
制御部とを備えており、
前記制御部は、
前記残量信号出力部から出力された信号に基づいて、前記色材貯留部内の色材がなくなるまでに画像形成可能な記録媒体の長さを導出する長さ導出処理と、
前記長さ導出処理で導出された画像形成可能な記録媒体の長さを表示部に表示させる長さ表示処理とを実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1供給部は、長尺の記録媒体、及び、積層された所定長さを有する短尺の複数の記録媒体を一緒に又は排他的に収容可能であり、
前記画像形成装置は、前記第1供給部に長尺の記録媒体が収容されているか否かの情報を出力する媒体情報出力部をさらに備えており、
前記制御部は、前記第1供給部に長尺の記録媒体が収容されているという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1供給部は、長尺の記録媒体、及び、積層された所定長さを有する短尺の複数の記録媒体を一緒に又は排他的に収容可能であり、
前記画像形成装置は、前記第1供給部に収容されている記録媒体の種類についての情報を出力する媒体情報出力部をさらに備えており、
前記制御部は、
前記残量信号出力部から出力された信号に基づいて、前記色材貯留部内の色材がなくなるまでに画像形成可能な短尺の記録媒体の枚数を導出する枚数導出処理と、
前記枚数導出処理で導出された画像形成可能な記録媒体の枚数を前記表示部に表示させる枚数表示処理とを実行可能であり、
前記第1供給部に収容されている記録媒体が長尺の記録媒体のみであるという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理を実行し、
前記第1供給部に収容されている記録媒体が短尺の記録媒体のみであるという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記枚数表示処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記媒体情報出力部は、前記第1供給部に収容されている記録媒体の種類を検知する一又は複数のセンサを含んでいることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記媒体情報出力部は、前記第1供給部に収容されている記録媒体の種類をユーザによる書き換え可能に記憶する使用媒体記憶部を含んでいることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1供給部に長尺の記録媒体及び短尺の記録媒体の両方が収容されているという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理及び前記枚数表示処理のいずれを優先して実行するかを決定する表示決定処理を実行することを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1供給部に長尺の記録媒体及び短尺の記録媒体の両方が収容されているという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理及び前記枚数表示処理の両方を同時に実行することを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、
積層された所定長さを有する短尺の複数の記録媒体を供給する第2供給部をさらに備えており、
前記画像形成装置は、前記第1供給部に記録媒体が収容されているか否かの情報を出力する媒体情報出力部をさらに備えており、
前記制御部は、
前記第1供給部に記録媒体が収容されているという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、
積層された所定長さを有する短尺の複数の記録媒体を供給する第2供給部をさらに備えており、
前記画像形成装置は、前記第1供給部及び前記第2供給部にそれぞれ記録媒体が収容されているか否かの情報を出力する媒体情報出力部をさらに備えており、
前記制御部は、
前記残量信号出力部から出力された信号に基づいて、前記色材貯留部内の色材がなくなるまでに画像形成可能な短尺の記録媒体の枚数を導出する枚数導出処理と、
前記枚数導出処理で導出された画像形成可能な記録媒体の枚数を前記表示部に表示させる枚数表示処理とを実行可能であり、
前記第1供給部に記録媒体が収容されており且つ前記第2供給部に記録媒体が収容されていないという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理を実行し、
前記第1供給部に記録媒体が収容されておらず且つ前記第2供給部に記録媒体が収容されているという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記枚数表示処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記媒体情報出力部は、前記第1供給部及び前記第2供給部に記録媒体が収容されているか否かをそれぞれ検知する一又は複数のセンサを含んでいることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第1供給部及び前記第2供給部の両方に記録媒体が収容されているという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理及び前記枚数表示処理のいずれを優先して実行するかを決定する表示決定処理を実行することを特徴とする請求項9又は10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1供給部及び前記第2供給部の両方に記録媒体が収容されているという情報を前記媒体情報出力部が出力する場合に、前記長さ表示処理及び前記枚数表示処理の両方を同時に実行することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記表示決定処理において、直近の画像形成が長尺の記録媒体を用いたものであると判断した場合には、前記長さ表示処理を優先して実行すると決定し、直近の画像形成が短尺の記録媒体を用いたものであると判断した場合には、前記枚数表示処理を優先して実行すると決定することを特徴とする請求項6又は11に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記画像形成装置は、当該画像形成装置における長尺の記録媒体及び短尺の記録媒体の使用履歴情報を記憶する履歴記憶部をさらに備えており、
前記制御部は、前記表示決定処理において、前記履歴記憶部に記憶された前記使用履歴情報に基づき、長尺の記録媒体が短尺の記録媒体よりも使用率が高いと判断した場合には、前記長さ表示処理を優先して実行すると決定し、短尺の記録媒体が長尺の記録媒体よりも使用率が高いと判断した場合には、前記枚数表示処理を優先して実行すると決定することを特徴とする請求項6又は11に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像形成装置は、長尺の記録媒体及び短尺の記録媒体のいずれに画像を形成するかについての使用媒体情報をユーザによる書き換え可能に記憶する使用媒体記憶部をさらに備えており、
前記制御部は、前記表示決定処理において、前記使用媒体記憶部に記憶された前記使用媒体情報に基づき、長尺の記録媒体に画像が形成されると判断した場合には、前記長さ表示処理を優先して実行すると決定し、短尺の記録媒体に画像が形成されると判断した場合には、前記枚数表示処理を優先して実行すると決定することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記画像形成装置は、前記第1供給部及び前記第2供給部のいずれから供給される記録媒体に画像を形成するかについての使用トレイ情報をユーザによる書き換え可能に記憶する使用トレイ記憶部をさらに備えており、
前記制御部は、前記表示決定処理において、前記使用トレイ記憶部に記憶された前記使用トレイ情報に基づき、前記第1供給部から供給される長尺の記録媒体に画像が形成されると判断した場合には、前記長さ表示処理を優先して実行すると決定し、前記第2供給部から供給される短尺の記録媒体に画像が形成されると判断した場合には、前記枚数表示処理を優先して実行すると決定することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記長さ表示処理において、画像形成可能な記録媒体の長さを、m、cm、mm、feet及びinchのいずれかを単位として表示部に表示させることを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
色材がインクであり、前記画像形成部がインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
長尺の記録媒体は、巻回されたロール紙であることを特徴とする請求項1~18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インクを使用して画像を形成するインクジェット記録装置において、インクの使用量と印刷枚数の統計データに基づいて、インクの残量で印刷が可能な枚数に関する印刷可能枚数情報を表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-335043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置には、カット紙ではなく、ロール紙などの長尺の記録媒体に印刷可能なものがある。係る画像形成装置においては、1枚の印刷済み記録媒体の長さがA4サイズやB5サイズといった規定サイズとは異なることが多く、さらに1枚の印刷済み記録媒体の長さが印刷の都度変わりうる。したがって、特許文献1の技術によって印刷可能枚数を表示したとしても、ユーザはインクがなくなるまでにどの程度の印刷が可能であるかを容易に把握しにくい。
【0005】
本発明の目的は、長尺の記録媒体に画像を形成する場合において、色材がなくなるまでにどの程度の画像形成が可能であるかをユーザが容易に把握できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、長尺の記録媒体を供給する第1供給部と、色材を収容可能な色材貯留部から供給される色材を用いて、前記第1供給部から供給された記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記色材貯留部に収容された色材の残量を示す信号を出力する残量信号出力部と、制御部とを備えている。前記制御部は、前記残量信号出力部から出力された信号に基づいて、前記色材貯留部内の色材がなくなるまでに画像形成可能な記録媒体の長さを導出する長さ導出処理と、前記長さ導出処理で導出された画像形成可能な記録媒体の長さを表示部に表示させる長さ表示処理とを実行可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、長尺の記録媒体に画像を形成する場合において、色材がなくなるまでにどの程度の画像形成が可能であるかをユーザが容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの全体構成図である。
図2図1のプリンタにおいて、カット紙を収容した状態を示す全体構成図である。
図3図1に示すプリンタのブロック図である。
図4図1に示すプリンタに含まれるタッチパネルでのインク残量表示画面を示す図である。
図5図1に示すプリンタのインク残量表示に係るフローチャートである。
図6】別の実施形態に係るプリンタにおけるインク残量表示画面を示す図である。
図7】さらなる別の実施形態に係るプリンタにおけるインク残量表示画面を示す図である。
図8】さらなる別の実施形態に係るプリンタにおけるインク残量表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<プリンタの全体構成>
先ず、図1及び図2を参照し、本発明の一実施形態に係るプリンタ100(画像形成装置)の全体構成について説明する。なお、図1及び図2に示す上下方向及び前後方向を、プリンタ100の上下方向及び前後方向とする。本実施形態において、プリンタ100は、記録媒体に向けてインクを吐出することによって画像を形成するインクジェットプリンタである。
【0010】
プリンタ100は、筐体100aと、下段給紙トレイ1と、上段給紙トレイ2と、搬送機構3と、カッター機構4と、ヘッド5と、排紙トレイ6と、インク貯留部31と、制御部10とを含む。下段給紙トレイ1及び上段給紙トレイ2は、上方に開口した箱形状を有している。上段給紙トレイ2は、筐体100aの下部に着脱可能であり、下段給紙トレイ1は、上段給紙トレイ2の下部に着脱可能である。プリンタ100には、下段給紙トレイ1及び上段給紙トレイ2が所定位置に装着されているか否かを検知するトレイセンサ34(図3参照)が取り付けられている。排紙トレイ6は、筐体100aの上部の前方の側壁で構成され、筐体100aに対して開閉可能である。
【0011】
下段給紙トレイ1には、長尺の用紙(記録媒体)が巻回されたロール体R(図1参照)を収容可能なロール紙収容部11と、カット紙Pc(図2参照)を収容可能なカット紙収容部12とが設けられている。下段給紙トレイ1は本発明の「第1供給部」に該当する。
【0012】
ロール体R(図1参照)は、円筒状の芯部材Rcの外周面に、長尺の用紙がロール状に巻回されたものである。ロール体Rは、その回転軸Rx(芯部材Rcの中心軸)が上下方向及び前後方向と直交する方向(後述の「走査方向」であり、用紙Pの幅方向)に沿った状態で、ロール紙収容部11に収容される。
【0013】
ロール紙収容部11は、ロール体Rを収容する凹部11xを有する。凹部11xの底部に、2つのローラ14、15が設けられている。2つのローラ14、15は、それぞれ、上記走査方向に延びる軸14a、15aを中心として回転可能である。ロール体Rは、凹部11xに収容されたとき、その下側部分の外周面が2つのローラ14、15に支持される。
【0014】
ロール紙収容部11は、さらに、凹部11xと連通しかつ上下方向に延びる孔11yと、孔11yと連通しかつ前後方向に延びる溝11zとを有する。孔11y及び溝11zは、共に、ロール紙収容部11の底面に開口している。ロール体Rから巻き解かれたロール紙Pは、孔11y及び溝11zを通り、ヘッド5に向けて搬送される。
【0015】
カット紙Pc(図2参照)は、ロール体Rを構成する用紙よりも長さが短い用紙P(記録媒体)である。カット紙収容部12は、下段給紙トレイ1内におけるロール紙収容部11の後方の空間であり、上下方向に積層された複数のカット紙Pcを収容可能である。
【0016】
なお、プリンタ100において、ロール体Rを使用する場合はカット紙収容部12からカット紙Pcが取り除かれ(図1参照)、カット紙Pcを使用する場合は、ロール紙収容部11からロール体Rが取り除かれるか、カット紙Pcの搬送経路と干渉しない位置までロール体Rから巻き解かれたロール紙Pが巻き戻される(図2参照)。このように、下段給紙トレイ1は、ロール体Rとカット紙Pcを一緒に収容可能であるが、後述するように下段給送ローラ3aを共用しているために、使用に当たっては制限がある。
【0017】
上段給紙トレイ2には、カット紙Pcを収容可能なカット紙収容部22が設けられている。上段給紙トレイ2は本発明の「第2供給部」に該当する。上段給紙トレイ2内のカット紙Pcは、下段給紙トレイ1に収容されたものと同じ長さでもよいし、異なる長さでもよい。カット紙収容部22は、上下方向に積層された複数のカット紙Pcを収容可能である。
【0018】
搬送機構3は、3つの収容部(ロール紙収容部11及びカット紙収容部12、22)から選択的に用紙Pを搬送するように構成されており、下段給送ローラ3a、中間ローラ対3b、搬送ローラ対3c、排紙ローラ対3d、上段給送ローラ3e及びガイド7、8、9を含む。搬送機構3は2つの搬送経路C1、C2を構成している。搬送経路C1は、ロール紙収容部11及びカット紙収容部12のいずれかから、当該収容部11、12からヘッド5の下方を通って排紙トレイ6に向かう経路であり、用紙Pが搬送方向Aに搬送される。また、搬送経路C2は、カット紙収容部22から、当該収容部22からヘッド5の下方を通って排紙トレイ6に向かう経路であり、用紙Pが搬送方向Aに搬送される。
【0019】
下段給送ローラ3aは、カット紙収容部12の上方にあり、搬送経路C1においてロール紙収容部11とヘッド5との間に配置されている。中間ローラ対3bは、搬送経路C1において下段給送ローラ3aとヘッド5との間に配置されている。搬送ローラ対3cは、搬送経路C1において中間ローラ対3bとヘッド5との間に配置されている。排紙ローラ対3dは、搬送経路C1においてヘッド5と排紙トレイ6との間に配置されている。
【0020】
上段給送ローラ3eは、カット紙収容部22の上方にあり、搬送経路C2において搬送ローラ対3cよりも上流に配置されている。搬送ローラ対3cは、搬送経路C2において上段給送ローラ3eとヘッド5との間に配置されている。排紙ローラ対3dは、搬送経路C2においてヘッド5と排紙トレイ6との間に配置されている。
【0021】
下段給送ローラ3aは、アーム3y1の先端に軸支されている。アーム3y1は、支軸3x1に回動自在に支持され、かつ、下段給送ローラ3aが下段給紙トレイ1の底面に近づくように付勢されている。図1に示すように、ロール体Rがロール紙収容部11に収容され且つカット紙Pcがカット紙収容部12に収容されていない状態において、制御部10の制御により下段給紙モータ(図示せず)が駆動され、下段給送ローラ3aが回転すると、ロール体Rが矢印方向Bに回転し、ロール体Rから巻き解かれたロール紙Pが中間ローラ対3bに向けて給送される。或いは、図2に示すように、カット紙Pcがカット紙収容部12に収容された状態において、制御部10の制御により下段給紙モータが駆動され、下段給送ローラ3aが回転すると、カット紙収容部12に収容された複数のカット紙Pcのうち最も上方にあるカット紙Pcが中間ローラ対3bに向けて給送される。
【0022】
上段給送ローラ3eは、アーム3y2の先端に軸支されている。アーム3y2は、支軸3x2に回動自在に支持され、かつ、上段給送ローラ3eが上段給紙トレイ2の底面に近づくように付勢されている。図2に示すように、カット紙Pcがカット紙収容部22に収容された状態において、制御部10の制御により上段給紙モータ(図示せず)が駆動され、上段給送ローラ3eが回転すると、カット紙収容部22に収容された複数のカット紙Pcのうち最も上方にあるカット紙Pcが搬送ローラ対3cに向けて給送される。
【0023】
中間ローラ対3b、搬送ローラ対3c及び排紙ローラ対3dは、それぞれ、搬送モータ(図示せず)の駆動により回転する駆動ローラと、駆動ローラに連れ回る従動ローラとを含む。制御部10の制御により搬送モータが駆動され、中間ローラ対3b、搬送ローラ対3c及び排紙ローラ対3dが用紙Pを挟持しつつ回転することで、用紙Pが搬送経路C1又はC2に沿って搬送方向Aに搬送される。
【0024】
搬送方向Aは、中間ローラ対3bと搬送ローラ対3cとの間、又は、ガイド8と搬送ローラ対3cとの間において、反転するように構成されている。本実施形態では、搬送経路C1において収容部11、12から中間ローラ対3bまでの部分と、搬送経路C1において搬送ローラ対3cから排紙トレイ6までの部分とで、搬送方向Aにおける前後方向の成分が反対方向になっている。同様に、搬送経路C2において収容部22からガイド8までの部分と、搬送経路C2において搬送ローラ対3cから排紙トレイ6までの部分とで、搬送方向Aにおける前後方向の成分が反対方向になっている。
【0025】
ガイド7は、搬送経路C1において下段給送ローラ3aと中間ローラ対3bとの間に配置されており、下段給送ローラ3aにより給送された用紙Pを中間ローラ対3bへと案内する。ガイド7は、下段給紙トレイ1の後方の側壁で構成され、前から後に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。ガイド7の表面(搬送経路C1を画定する表面)には、搬送方向Aに沿って繰り返す細かい凹凸7xが形成されている。当該凹凸7xにより、重送(複数のカット紙Pcが重なった状態で搬送される現象)を防止できる。
【0026】
ガイド8は、搬送経路C2において上段給送ローラ3eと搬送ローラ対3cとの間に配置されており、上段給送ローラ3eにより給送された用紙Pを搬送ローラ対3cへと案内する。ガイド8は、上段給紙トレイ2の後方の側壁で構成され、前から後に向かうにつれて上方に位置するように傾斜している。ガイド8の表面(搬送経路C2を画定する表面)には、搬送方向Aに沿って繰り返す細かい凹凸8xが形成されている。当該凹凸8xにより、重送を防止できる。
【0027】
ガイド9は、搬送経路C1において中間ローラ対3bと搬送ローラ対3cとの間に配置されており、中間ローラ対3bにより搬送された用紙を搬送ローラ対3cへと案内する。ガイド9は、搬送経路C1を挟むように配置された一対の経路部材9a、9bで構成されている。また、ガイド9の経路部材9aは、搬送経路C2において、ガイド8を通過した用紙Pを搬送ローラ対3cへと案内する。
【0028】
カッター機構4は、搬送経路C1においてガイド7と中間ローラ対3bとの間(所定位置Cx)において用紙P(ロール体Rから巻き解かれたロール紙P)を切断するように構成されており、カッター4aと、カッター4aが取り付けられたカッターユニット4bと、カッターユニット4bを保持するホルダー4cとを含み、走査機構(図示せず)により走査方向(所定位置Cxにおける搬送方向Aと直交する方向)に往復動可能である。
【0029】
なお、搬送経路C1は、下段給送ローラ3aと中間ローラ対3bとの間に、直線状の部分Csを含む。カッター機構4が配置される所定位置Cxは、当該直線状の部分Csに設けられている。
【0030】
カッター4aは、搬送経路C1を挟むように配置された一対の回転刃4a1、4a2で構成されている。一対の回転刃4a1、4a2は、それぞれ搬送経路C1に対して直交し、かつ、互いに重なり合う部分を有する。具体的には、一対の回転刃4a1、4a2のうち、回転刃4a1が搬送方向Aの下流側、回転刃4a2が搬送方向Aの上流側に配置されており、これら一対の回転刃4a1、4a2は搬送方向Aから見て互いに重なり合う部分を有する。
【0031】
カッターユニット4bは、一対の回転刃4a1、4a2をそれぞれ回転可能に支持している。ホルダー4cは、カッターユニット4bを外側から保持するケース状の部材である。
【0032】
制御部10の制御により走査機構に含まれる切断モータ(図示せず)が駆動されると、カッター機構4が、搬送経路C1外の待機位置Dから、搬送経路C1内へと移動する。またこのとき、切断モータの駆動により、回転刃4a1、4a2が回転する。ロール体Rから巻き解かれたロール紙Pは、所定位置Cxにおいてカッター4aにより用紙Pの幅方向に切断される。
【0033】
ヘッド5は、搬送経路C1、C2において搬送ローラ対3cと排紙ローラ対3dとの間に配置されている。ヘッド5は、本発明の「画像形成部」に該当し、下面に形成された複数のノズル(図示せず)と、ドライバIC5a(図3参照)とを含む。画像データに基づいた吐出データが制御部10からドライバIC5aに供給されると、ノズルからインクが吐出され、搬送機構3によって搬送された用紙Pがヘッド5の下面と対向する位置を通過するときに、用紙Pに対して画像が形成される。本実施形態において、ヘッド5は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の4色のインクを吐出する。なお、ヘッド5は、位置が固定された状態でノズルからインクを吐出するライン式、及び、走査方向に移動しつつノズルからインクを吐出するシリアル式のいずれでもよい。
【0034】
ヘッド5により画像が形成された用紙Pは、筐体100aに対して開いた状態の排紙トレイ6に受容される。
【0035】
インク貯留部31は、図示しないチューブでヘッド5に接続されており、ヘッド5にインクを補給する。本実施形態において、インク貯留部31は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の4色のインクを貯留している。後述するように、インク貯留部31の各色のインク残量は、時間間隔を開けて制御部10によって繰り返して算出され、EEPROM10d(図3参照)に最新データが格納される。インク貯留部31は、それ自体がインクが満量入った新しいインク貯留部31と交換可能なカートリッジ式であってもよいし、固定された容器にインクを補充することが可能なタンク式であってもよい。また、本実施形態において、インク貯留部31は、各色1つの容器を有していてもよいし、各色2つ以上の容器(例えばメインタンクとサブタンク)を有していてもよい。その場合、インク貯留部31の各色のインク残量は、2つ以上の容器の各残量の合計である。
【0036】
インク貯留部31の近傍には、インクごとにエンプティセンサ32が配置されている。各エンプティセンサ32は発光素子と受光素子とを含む光センサであり、インク貯留部31のインクの残量が所定量(ニアエンプティ)以下であることを検知する。
【0037】
下段給紙トレイ1には、ロール紙センサ18とカット紙センサ19aとが取り付けられている。ロール紙センサ18は、可動式アクチュエータと光センサ(受光素子と発光素子の対)から構成されている。可動式アクチュエータは、ロール体Rから巻き解かれてガイド7に向かうロール紙Pと干渉するように、溝11zの下方に位置している。図1に示すように、ロール体Rから巻き解かれてガイド7に向かうロール紙Pと干渉すると、可動式アクチュエータが変位してロール紙センサ18はオン信号を制御部10に出力し、図2に示すように、ロール体Rから巻き解かれてガイド7に向かうロール紙Pと干渉しないとき、ロール紙センサ18はオフ信号を制御部10に出力する。したがって、ロール紙センサ18は、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されているか否かの情報を制御部10に出力する。
【0038】
カット紙センサ19aは、光センサ(受光素子と発光素子の対)であり、カット紙収容部12に向けて発光し、その反射光を受光することによって、カット紙収容部12にカット紙があるときはオン信号を制御部10に出力し、ないときはオフ信号を制御部10に出力する。したがって、ロール紙センサ18及びカット紙センサ19aが協働することによって、下段給紙トレイ1に記録媒体が収容されているかについての情報、及び、収容されている記録媒体の種類についての情報が制御部10に出力されることになる。また、上段給紙トレイ2には、カット紙センサ19aと同様のカット紙センサ19bが取り付けられている。カット紙センサ19bは、カット紙収容部22にカット紙があるときはオン信号を制御部10に出力し、ないときはオフ信号を制御部10に出力する。したがって、ロール紙センサ18及びカット紙センサ19a、19bが協働することによって、下段給紙トレイ1及び上段給紙トレイ2のそれぞれに記録媒体が収容されているか否か、及び、収容されている記録媒体の種類についての情報が制御部10に出力されることになる。
【0039】
<制御部30の構成>
次に、プリンタ100の動作を制御する制御部10について説明する。図3に示すように、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)10a、ROM(Read Only Memory)10b、RAM(Random Access Memory)10c、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)10d、及び、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)10eを含む。
【0040】
CPU10aはプログラムにしたがって各種の演算を行う。ROM10bには、プリンタ100を制御するためのプログラムや、各種設定、初期値等が記憶されている。RAM10cは、各種プログラムが読み出される作業領域として、あるいはデータを一時的に記憶する記憶領域として利用される。EEPROM10dは、書き換え可能な不揮発性メモリである。ASIC10eは、特定の演算を行う。これらが協働して、制御部10は演算を行ってプリンタ100の各部の動作を制御する。
【0041】
制御部10には、モータ類M、ドライバIC5a、4つのエンプティセンサ32(図3では1つのみを描いている)、ロール紙センサ18、カット紙センサ19a、カット紙センサ19b、トレイセンサ34、タッチパネル35及び通信インターフェース37が電気的に接続されている。モータ類Mは、上述した上段給紙モータ、下段給紙モータ、搬送モータ及び切断モータを含んでいる。トレイセンサ34は、下段給紙トレイ1及び上段給紙トレイ2が所定位置に装着されているか否かを示す信号を制御部10に出力する。なお、トレイセンサは下段給紙トレイ1と上段給紙トレイ2のそれぞれに設けられているが、ここでは1つのトレイセンサが2つのトレイの装着を検知できると仮定して説明する。タッチパネル35は、入力機能及び表示機能を備えたユーザインターフェースであって、液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示モジュールを含むカラーディスプレイと、カラーディスプレイを被覆する透明な位置入力装置とを含んでいる。通信インターフェース37は、USB(Universal Serial Bus)ポートなどの有線インターフェースでもよいし、無線インターフェースであってもよい。これにより、プリンタ100は、通信インターフェース37を介して外部の機器(PC(Personal Computer)41又はスマートフォン42など)との間でデータの送受信が可能である。
【0042】
制御部10は、通信インターフェース37又はプリンタ100に設けられた図示しないUSBポートから画像データを取得する。さらに制御部10は、画像データから、吐出周期ごとの各ノズルからのインク吐出量を示す吐出データを作成する。そして、吐出データに基づいてモータ類M及びドライバIC5aを制御することによって、3つの収容部(ロール紙収容部11及びカット紙収容部12、22)のいずれかから所望の用紙を搬送し、ヘッド5からインクを吐出して用紙Pに画像を形成する。
【0043】
EEPROM10dには、インク貯留部31の各色のインク残量が記憶されている。制御部10は、時間間隔を開けて(例えば、所定時間ごと、1枚の印刷が完了するごと又はジョブが完了するごとに)、ヘッド5から吐出されたインク量(使用インク量)を画像データ又は吐出データに基づいて繰り返して算出する。ヘッド5から吐出されたインク量には、フラッシングやパージ等のヘッド5のメンテナンス作業を行う際にヘッド5から排出されたインクも含まれる。そして、EEPROM10dに記憶されている残量から使用インク量を引くことで残量を更新し、更新された最新の残量をEEPROM10dに格納する。制御部10は、カートリッジ交換時又はタンクへのインク補給時に、記憶された残量を初期化して最大値に戻す。本実施形態において、EEPROM10dは残量信号出力部として機能する。
【0044】
また、EEPROM10dには、ISO(International Organization for Standardization)などの規格で規定された所定用紙1枚当たりのインク消費量と、規格で定められたA4などの当該所定用紙の長さ(搬送方向に沿った長さ)とが格納されている。制御部10は、EEPROM10dに格納されたインク残量に第1係数を掛けることによって、インク貯留部31内のインクがなくなるまでに画像形成可能な用紙Pの長さをインクごとに導出する(長さ導出処理)。本実施形態において、第1係数は、(所定用紙の長さ)/(規格で規定された当該所定用紙1枚当たりのインク消費量)として算出される。一変形例として、EEPROM10dには、所定用紙1枚当たりのインク消費量と所定用紙の長さに代えて、第1係数が格納されていてもよい。第1係数としては、タッチパネル35へのユーザ操作によってユーザによって設定された値、プリンタ100における画像形成に係る履歴から算出された単位長さ当たりのインク消費量の逆数などを用いることもできる。
【0045】
また、制御部10は、EEPROM10dに格納されたインク残量に第2係数を掛けることによって、インク貯留部31内のインクがなくなるまでに画像形成可能なカット紙Pcの枚数をインクごとに導出する(枚数導出処理)。本実施形態において、第2係数は、(所定用紙の長さ)/[(規格で規定された所定用紙1枚当たりのインク消費量)・(カット紙Pcの長さ)]として算出される。なお、本実施形態において、使用されるカット紙Pcは、ISOなどの規格で規定された所定用紙の一種であってよい。一変形例として、EEPROM10dには、第2係数が格納されていてもよい。第2係数としては、タッチパネル35へのユーザ操作によってユーザによって設定された値、プリンタ100における画像形成に係る履歴から算出されたカット紙1枚当たりのインク消費量の逆数などを用いることもできる。
【0046】
制御部10は、後述する所定の条件を満たしたときに、各色のインク残量をインク貯留部31をイメージした図形内に棒グラフのような表示形態でタッチパネル35(またはPC41やスマートフォン42のディスプレイ)に表示させる。また、制御部10は、後述する所定の条件を満たしたときに、長さ導出処理で導出された画像形成可能な用紙Pの長さをインクごとにタッチパネル35(またはPC41やスマートフォン42のディスプレイ)に表示させる(長さ表示処理)。長さ表示処理において、制御部10は、画像形成可能な用紙Pの長さを、長さの単位を基準として(本実施形態ではミリメートル(mm)を単位として)インクごとに表示部に表示させることができる。
【0047】
図4(a)は、長さ表示処理によってタッチパネル35に表示された画面の一例である。この例では、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの長さがマゼンタ(M)で2500mm、シアン(C)で2200mm、イエロー(Y)で3100mm、ブラック(BK)で5900mmであることが表示されている。また、図4(a)には、画像形成可能な用紙Pの長さの上方に、各色のインク残量が、インク貯留部31をイメージした図形内に棒グラフのような表示形態(残量バー)で表されている。この例では、各色のインクが、2つの容器(メインタンクとサブタンク)に分かれて貯留されている。
【0048】
さらに、制御部10は、後述する所定の条件を満たしたときに、枚数導出処理で導出された画像形成可能なカット紙Pcの枚数をインクごとにタッチパネル35(またはPC41やスマートフォン42のディスプレイ)に表示させる(枚数表示処理)。
【0049】
図4(b)は、枚数表示処理によってタッチパネル35に表示された画面の一例である。この例では、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの枚数がマゼンタ(M)で300枚、シアン(C)で400枚、イエロー(Y)で300枚、ブラック(BK)で300枚であることが表示されている。また、図4(b)には、画像形成可能な用紙Pの枚数の上方に、各色のインク残量が、インク貯留部31をイメージした図形内に棒グラフのような表示形態で表されている。
【0050】
さらに、EEPROM10dは、プリンタ100におけるロール体R及びカット紙Pcの使用履歴情報を記憶している。使用履歴情報には、例えば、所定期間(例えば直近1ヶ月)内の各ジョブや所定ジョブ回数(例えば直近1ジョブや直近100ジョブ)の各ジョブにおいて、ロール紙及びカット紙Pcのいずれを用いて画像形成が行われたかについての情報と、所定期間などにおけるロール紙及びカット紙Pcの使用率についての情報が含まれている。また、EEPROM10dは、下段給紙トレイ1のロール紙及びカット紙Pcと上段給紙トレイ2のカット紙Pcのいずれに画像を形成するかについての使用トレイ・媒体情報を記憶している。使用トレイ・媒体情報は、ユーザがタッチパネル35を操作することによって、書き換え可能である。このように、EEPROM10dは、履歴記憶部及び使用媒体記憶部、使用トレイ記憶部としても機能する。
【0051】
<残量表示に係る動作手順>
次に、本実施形態に係るプリンタ100における長さ表示処理と枚数表示処理に係る動作手順について、図5をさらに参照して説明する。以下に説明する動作は制御部10が主体となって行う。
【0052】
まず、ステップS1において、下段給紙トレイ1及び上段給紙トレイ2のいずれかが非装着状態から装着状態に変わったかどうかを、トレイセンサ34からの出力信号に基づいて判断する。装着状態に変わった場合(S1:YES)、ステップS2に進む。ステップS2では、まず残量表示画面の表示を希望するかをユーザに問い合わせる画面をタッチパネル35に表示させる。そして、残量表示画面の表示を希望する旨(残量表示要求)がタッチパネル35から入力されると(S2:YES)、ステップS3に進む。希望しない旨がタッチパネル35から入力されると(S2:NO)、ステップS1に戻る。
【0053】
ステップS3では、ロール紙センサ18の出力信号に基づいて、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されているか否かを判断する。収容されていると判断すると(S3:YES)、ステップS4に進み、収容されていないと判断すると(S3:NO)、ステップS9に進む。
【0054】
ステップS4では、カット紙センサ19bの出力信号に基づいて、上段給紙トレイ2にカット紙Pcが収容されているかを判断する。収容されていないと判断すると(S4:NO)、ステップS5に進み、収容されていると判断すると(S4:YES)、ステップS6に進む。ステップS5に進んだ場合にはプリンタ100にはロール紙のみが収容されていることになり、ステップS6に進んだ場合にはプリンタ100にはロール紙とカット紙の両方が収容されていることになる。
【0055】
ステップS5では、上述した長さ表示処理を実行する。その結果、図4(a)に示すように、長さ導出処理で導出された画像形成可能な用紙Pの長さがインクごとにタッチパネル35(またはPC41やスマートフォン42のディスプレイ)に表示される。なお、長さ導出処理はステップS5で行ってもよいし、それ以前(直近の印刷ジョブ終了後であることが好ましい)に行ってもよい。
【0056】
ステップS6では、長さ表示処理及び枚数表示処理のいずれを優先して実行するかを決定する表示決定処理を実行する。ここで「優先」は、優先されるべき一方の表示処理のみを行うこと、一方の表示処理を行ってから他方の表示処理を行うこと、一方の表示処理に基づく表示面積を他方の表示処理に基づく表示面積よりも大きくすること、一方の表示処理に基づく表示時間を他方の表示処理に基づく表示時間よりも長くすることのいずれを意味していてもよい。本実施形態では、優先されるべき一方の表示処理のみを行うこととする。
【0057】
本実施形態において、表示決定処理には、タッチパネル35を操作することでユーザによって選択的に採用可能な3つの態様がある。
【0058】
1つ目は、直近の画像形成がロール紙及びカット紙Pcのいずれを用いて行われたかに基づくものである。すなわち、EEPROM10dに記憶された使用履歴情報から、プリンタ100における直近の画像形成がロール紙を用いたものであると判断した場合には、長さ表示処理を優先して実行すると決定し、直近の画像形成がカット紙Pcを用いたものであると判断した場合には、枚数表示処理を優先して実行すると決定する。なお、直近の画像形成がロール紙及びカット紙Pcのいずれを用いて行われたかは、EEPROM10dに記憶された使用履歴情報を使用せず、例えば直近の画像形成に係る画像データなどの他から取得した情報に基づいて決定してもよい。
【0059】
2つ目は、過去の所定期間や所定ジョブ回数において、ロール紙及びカット紙Pcのどちらが多く画像形成に用いられたかに基づくものである。すなわち、EEPROM10dに記憶された使用履歴情報から、ロール紙がカット紙よりも使用率が高いと判断した場合には、長さ表示処理を優先して実行すると決定し、カット紙がロール紙よりも使用率が高いと判断した場合には、枚数表示処理を優先して実行すると決定する。
【0060】
3つ目は、ユーザによって設定された情報に基づくものである。上述したように、EEPROM10dには、下段給紙トレイ1のロール紙及びカット紙Pcと上段給紙トレイ2のカット紙Pcのいずれに画像を形成するかについての使用トレイ・媒体情報が、ユーザによる書き換え可能に記憶されている。すなわち、EEPROM10dに記憶された使用トレイ・媒体情報から、ロール紙に画像が形成されると判断した場合には、長さ表示処理を優先して実行すると決定し、カット紙に画像が形成されると判断した場合には、枚数表示処理を優先して実行すると決定する。
【0061】
続いて、ステップS7では、ステップS6の表示決定処理で決定されたのが、長さ表示処理及び枚数表示処理のいずれであるかを判断する。長さ表示処理であると判断した場合には、ステップS5に進んで長さ表示処理を実行し、枚数表示処理であると判断した場合には、ステップS8に進む。なお、ステップS7から移行したステップS5及びステップS8の具体的な表示内容は、上述した「優先」の意味によって変更されるべきものであるが、本実施形態では優先されるべき一方の表示処理のみを行うこととしているので、ステップS7から移行した場合とそうでない場合との間に、ステップS5及びステップS8の具体的な表示内容の違いは無い。
【0062】
ステップS8では、上述した枚数表示処理を実行する。その結果、図4(b)に示すように、枚数導出処理で導出された画像形成可能な用紙Pの枚数がインクごとにタッチパネル35(またはPC41やスマートフォン42のディスプレイ)に表示される。なお、枚数導出処理はステップS8で行ってもよいし、それ以前(直近の印刷ジョブ終了後であることが好ましい)に行ってもよい。
【0063】
ステップS9では、カット紙センサ19a、19bの出力信号に基づいて、下段給紙トレイ1又は上段給紙トレイ2にカット紙Pcが収容されているかを判断する。収容されていないと判断すると(S9:NO)、ステップS6に進み、収容されていると判断すると(S9:YES)、ステップS8に進む。ステップS6に進んだ場合にはプリンタ100にはロール紙もカット紙も収容されていないことになり、ステップS8に進んだ場合にはプリンタ100にはカット紙のみが収容されていることになる。なお、収容されていないと判断したときは(S9:NO)、ステップS6に進まずに、タッチパネル35にいずれの用紙も収容されていない旨をユーザに報知するメッセージを表示してもよい。また、ステップS6に進む場合にも、その後で実行される長さ表示処理(S5)又は枚数表示処理(S8)において、インク残量を表示すると共に、用紙が収容されていない旨をユーザに報知するメッセージをタッチパネル35に表示してもよい。
【0064】
ステップS1において、下段給紙トレイ1及び上段給紙トレイ2のいずれも非装着状態から装着状態に変わっていない場合(S1:NO)、ステップS10に進む。ステップS10では、プリンタ100において一の印刷ジョブが完了したか(又は一の印刷ジョブを開始するか)を判断する。一の印刷ジョブが完了していないと判断すると(S10:NO)、ステップS1に戻る。一の印刷ジョブが完了したと判断すると(S10:YES)、ステップS11に進む。
【0065】
ステップS11では、インクごとに配置された4つのエンプティセンサ32からの検知信号に基づき、インク貯留部31の少なくとも1つのインク残量が所定量(ニアエンプティ)以下であるかを判断する。いずれのインク残量もニアエンプティ以下ではない場合(S11:NO)、ステップS1に戻る。少なくとも1つのインク残量がニアエンプティ以下である場合(S11:YES)、ステップS12に進む。
【0066】
ステップS12では、EEPROM10dに記憶された使用履歴情報に基づいて、プリンタ100における直近の画像形成がロール紙を用いたものか否かを判断する。ロール紙を用いたものと判断すると(S12:YES)、ステップS5に進む。カット紙を用いたものと判断すると(S12:NO)、ステップS8に進む。つまり、本実施形態では、少なくとも1つのインク残量がニアエンプティ以下である場合に、ユーザがインク残量表示画面の表示を希望しなくても、直近の画像形成で使用された用紙の種類に応じたインク残量表示画面を表示する。
【0067】
なお、ステップS12から移行したステップS5及びステップS8においては、インク残量を表示すると共に、該当するインクに関して残量がニアエンプティとなっている旨をユーザに報知するメッセージをタッチパネル35に表示してもよい。
【0068】
また、ステップS12では直近の画像形成がロール紙を用いたものか否かを判断しているが、これに代えて、ステップS3,S4,S6,S7,S9の処理を行うようにしてもよい。
【0069】
長さ表示処理(S5)又は枚数表示処理(S8)を行った後、ステップS13に進む。ステップS13では、長さ表示処理又は枚数表示処理によってタッチパネル35に表示された画面(図4(a)、図4(b))をタッチパネル35から消去する条件が満たされたかを判断する。この条件は、例えば、タッチパネル35の図示しない表示終了ボタンをユーザがタッチすること、表示開始から所定時間が経過したこと、プリンタ100が新たな印刷ジョブを受信したこと、カートリッジ式であるインク貯留部31が新しいインク貯留部31と交換されたことなどであってよい。
【0070】
以上説明した実施形態では、ロール紙への印刷が可能なプリンタ100において、インク貯留部31の各色のインク残量に基づいて、インク貯留部31内のインクがなくなるまでに画像形成可能な用紙の長さを導出する長さ導出処理と、長さ導出処理で導出された画像形成可能な用紙の長さをタッチパネル35等に表示させる長さ表示処理とを実行することによって、インク貯留部31のインクがなくなるまでにどの程度の画像形成が可能であるかを、ロール紙を用いて印刷しようとするユーザが容易に把握できる。
【0071】
また、本実施形態では、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されていることを示す情報をロール紙センサ18が出力するときに長さ表示処理を実行するので(S3(YES)→S5)、ロール紙への印刷を行う前に、インク貯留部31のインクがなくなるまでにどの程度の画像形成が可能であるかをユーザが容易に把握できる。
【0072】
さらに、本実施形態では、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されており且つ上段給紙トレイ2にカット紙Pcが収容されていないという情報をロール紙センサ18及びカット紙センサ19bが出力する場合に(S4:NO)、長さ表示処理を実行し、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されておらず且つ下段給紙トレイ1又は上段給紙トレイ2にカット紙Pcが収容されているという情報をロール紙センサ18、カット紙センサ19a、カット紙センサ19bが出力する場合に(S9:YES)、枚数表示処理を実行する。したがって、カット紙への印刷を行う前に、どの程度の枚数のカット紙に画像形成が可能であるかをユーザに知らせることができ、ロール紙への印刷を行う前に、どの程度の長さのロール紙に画像形成が可能であるかをユーザに知らせることができる。
【0073】
また、ロール紙センサ18、カット紙センサ19a及びカット紙センサ19bによって下段給紙トレイ1及び上段給紙トレイ2に用紙が収容されているかを検知できるので、収容されている用紙種に応じた表示を迅速に行うことができる。
【0074】
そして、本実施形態では、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されており且つ上段給紙トレイ2にカット紙Pcが収容されている場合に、表示決定処理(S6)を実行するので、長さ表示処理及び枚数表示処理のどちらを優先して実行するかを適切に判断することができる。表示決定処理の具体的手法としては、上述した3つの態様のうちユーザが選択したものが採用することができる。
【0075】
<別の実施形態>
次に、上述した実施形態とは別の実施形態に係るプリンタについて説明する。上述した実施形態に係るプリンタ100では、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されており且つ上段給紙トレイ2にカット紙Pcが収容されている場合(S4:YES)、表示決定処理(S6)を行って長さ表示処理と枚数表示処理のいずれを優先して実行するかを決定するが、本実施形態では、表示決定処理を行わずに、長さ表示処理と枚数表示処理を同時に実行する。本実施形態に係るプリンタは、それ以外は上述したプリンタ100と同じである。
【0076】
図6は、長さ表示処理と枚数表示処理を同時に実行した際にタッチパネル35に表示された画面の一例である。この例では、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの枚数がマゼンタ(M)で230枚、シアン(C)で200枚、イエロー(Y)で300枚、ブラック(BK)で500枚であること、そして、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの長さがマゼンタ(M)で2500mm、シアン(C)で2200mm、イエロー(Y)で3100mm、ブラック(BK)で5900mmであることが、上下に並列表示されている。また、図6)には、画像形成可能な用紙Pの枚数の上方に、各色のインク残量が、インク貯留部31をイメージした図形内に棒グラフのような表示形態で表されている。この例では、各色のインクが、2つの容器(メインタンクとサブタンク)に分かれて貯留されている。
【0077】
本実施形態によると、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されており且つ上段給紙トレイ2にカット紙Pcが収容されている場合に、長さ表示処理と枚数表示処理を同時に実行するので、画像形成可能な用紙Pの枚数と長さをユーザに同時に知らせることが可能となる。
【0078】
<さらなる別の実施形態>
次に、さらなる別の実施形態に係るプリンタについて説明する。上述した実施形態に係るプリンタ100では、長さ表示処理において、図4(a)に示すようにミリメートル(mm)を単位として画像形成可能な用紙Pの長さを表示しているが、本実施形態では図7(a)に示すようにセンチメートル(cm)を単位として画像形成可能な用紙Pの長さを表示する。図7(a)に示す例では、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの長さがマゼンタ(M)で250cm、シアン(C)で220cm、イエロー(Y)で310cm、ブラック(BK)で590cmであることが表示されている。本実施形態に係るプリンタは、それ以外は上述したプリンタ100と同じである。
【0079】
また、さらに別の実施形態に係るプリンタでは、長さ表示処理において、図7(b)に示すようにメートル(m)を単位として画像形成可能な用紙Pの長さを表示する。図7(b)に示す例では、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの長さがマゼンタ(M)で2.5m、シアン(C)で2.2m、イエロー(Y)で3.1m、ブラック(BK)で5.9mであることが表示されている。本実施形態に係るプリンタは、それ以外は上述したプリンタ100と同じである。
【0080】
また、さらに別の実施形態に係るプリンタでは、長さ表示処理において、図8(a)に示すようにインチ(inch)を単位として画像形成可能な用紙Pの長さを表示する。図8(a)に示す例では、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの長さがマゼンタ(M)で900inch、シアン(C)で880inch、イエロー(Y)で930inch、ブラック(BK)で940inchであることが表示されている。本実施形態に係るプリンタは、それ以外は上述したプリンタ100と同じである。
【0081】
また、さらに別の実施形態に係るプリンタでは、長さ表示処理において、図8(b)に示すようにフィート(feet)を単位として画像形成可能な用紙Pの長さを表示する。図8(b)に示す例では、ISO換算での画像形成可能な用紙Pの長さがマゼンタ(M)で140feet、シアン(C)で180feet、イエロー(Y)で200feet、ブラック(BK)で260feetであることが表示されている。本実施形態に係るプリンタは、それ以外は上述したプリンタ100と同じである。
【0082】
なお、変形例として、長さ表示処理において、m、cm、mm、feet及びinchのいずれを単位として画像形成可能な用紙Pの長さを表示するかを、タッチパネル35を操作することでユーザが選択できるようになっていてもよい。
【0083】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、以下に示すように、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0084】
上述した実施形態に係るプリンタ100は、媒体情報出力部として機能するロール紙センサ18及びカット紙センサ19a、19bを有しているが、本発明に係る画像形成装置は媒体情報出力部を有していなくてもよい。上述した実施形態に係るプリンタ100において、下段給紙トレイ1は、ロール体とカット紙を一緒に収容可能であるが、本発明に係る画像形成装置において、下段給紙トレイはロール体だけを収容可能なものでもよいし、ロール体及びカット紙のいずれか一方を排他的に(ロール体を収容した場合にはカット紙を収容できず、カット紙を収容した場合にはロール体を収容できない)収容可能なものであってもよい。また、上述した実施形態に係るプリンタ100は2つの給紙トレイ1、2を有しているが、本発明に係る画像形成装置はロール体だけを収容可能な給紙トレイを1つだけ有するものであってもよいし、ロール体を収容可能な給紙トレイを2つ以上有するものであってもよい。これらの場合、常に長さ表示処理を行ってもよいし、所定の条件(例えばユーザによる所定操作)が満たされたときにのみ長さ表示処理を行ってもよい。また、給紙トレイに代えて、記録媒体を収容しないが記録媒体を搬送経路に供給することが可能な供給部(例えば多目的(MP)トレイ)を用いてもよい。給紙トレイは本体に対して着脱可能ではなく固定されていてもよい。
【0085】
また、本発明に係る画像形成装置は、カット紙を収容可能な一又は複数の給紙トレイがあって、そこにカット紙が収容されていた場合に、枚数表示処理を行わないものであってもよい。具体的には、本発明に係る画像形成装置は、ロール体を収容可能である給紙トレイが1つ以上あり(ロール体だけを収容できるものでもよいし、ロール体と積層された複数のカット紙とを一緒に又は排他的に収容できるものでもよい)、さらにカット紙を収容可能である給紙トレイが1つ以上あり(カット紙だけを収容できるものでもよいし、ロール体と積層された複数のカット紙とを一緒に又は排他的に収容できるものでもよい)、給紙トレイにロール体が収容されているか否かの情報を出力する媒体情報出力部をさらに備えており、制御部が、いずれかの給紙トレイにロール体が収容されているという情報を媒体情報出力部が出力する場合に、いずれかの給紙トレイにカット紙が収容されているかどうかに関係なく、長さ表示処理を実行するものを含んでいる。一例として、上述した実施形態において、下段給紙トレイ1にロール体Rが収容されていると判断すると(S3:YES)、ステップS4の処理を省略して長さ表示処理(S5)を実行してもよい。
【0086】
また、本発明に係る画像形成装置は、ロール体と積層された複数のカット紙とを一緒に又は排他的に収容できる給紙トレイが1つあり、給紙トレイに収容されているのがロール体のみであるという情報を媒体情報出力部が出力する場合に、長さ表示処理を実行し、給紙トレイに収容されているのがカット紙のみであるという情報を媒体情報出力部が出力する場合に、枚数表示処理を実行するものを含んでいる。
【0087】
このとき、ロール紙センサ18及びカット紙センサ19aに代えて、EEPROM10dなどの記憶手段を媒体情報出力部として用いることができる。制御部10は、タッチパネル35へのユーザ操作に基づいて、下段給紙トレイ1に収容されているのがロール体のみ、カット紙のみ、又は、ロール体とカット紙の両方であるという情報を書き換え可能にEEPROM10dに記憶させることができる。
【0088】
また、本発明に係る画像形成装置は、ロール体と積層された複数のカット紙とを一緒に収容できる給紙トレイが1つあり、給紙トレイにロール体とカット紙の両方が収容されているという情報を媒体情報出力部が出力する場合に、長さ表示処理と枚数表示処理のいずれを優先して実行するかを決定する表示決定処理を実行するものと、長さ表示処理と枚数表示処理の両方を同時に実行するものとを含んでいる。
【0089】
残量信号出力部は、EEPROMのような記憶装置ではなく、リアルタイムに色材の残量を検出するセンサであってもよい。長尺の記録媒体としては、ロール紙ではなく、巻回されていない長尺の媒体でもよい。記録媒体は、用紙に限定されず、例えば、布、樹脂部材等であってもよい。
【0090】
本発明において、画像形成部は、インクを吐出するインクジェットヘッド以外に、トナーを色材として用いるレーザーエンジンであってもよい。本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1 下段給紙トレイ(第1供給部)
2 上段給紙トレイ(第2供給部)
3 搬送機構
3a 下段給送ローラ
3b 中間ローラ
3c 搬送ローラ
3e 上段給送ローラ
4a カッター
5 ヘッド(画像形成部)
10 制御部
11 ロール紙収容部
12、22 カット紙収容部
100 プリンタ(画像形成装置)
100a 筐体
図1
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