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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104678
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/08 20060101AFI20220704BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20220704BHJP
   F25D 25/00 20060101ALI20220704BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
F25D17/08 307
F25D23/00 306A
F25D25/00 N
F25D11/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219786
(22)【出願日】2020-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】町田 典正
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 利治
(72)【発明者】
【氏名】星野 仁
(72)【発明者】
【氏名】金川 真由美
(72)【発明者】
【氏名】木部 宏
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴行
(72)【発明者】
【氏名】塚原 紘也
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA04
3L045BA01
3L045CA08
3L045DA02
3L045EA01
3L045KA07
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA18
3L345BB07
3L345CC01
3L345DD12
3L345DD18
3L345DD70
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】被貯蔵物の鮮度を長期間に渡って保持することができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫10は、冷蔵室12と、冷蔵室12の内部で区画された小貯蔵室20と、冷却室115において冷却された空気が送風される送風路118と、を具備する。小貯蔵室20は、被貯蔵物が貯蔵される貯蔵部21と、貯蔵部21の上方に形成され、送風路118から空気が導入される空気導入部22と、を有する。空気導入部22の下面は金属板23から構成され、金属板23の側方側に、空気導入部22から貯蔵部21に空気が吹き出される送風口24が形成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵室と、
前記冷蔵室の内部で区画された小貯蔵室と、
冷却室において冷却された空気が送風される送風路と、を具備し、
前記小貯蔵室は、
被貯蔵物が貯蔵され、上方が開口した箱状の貯蔵部と、
前記貯蔵部の上方に前記開口を覆って設けられ、前記送風路から前記空気が導入される空気導入部と、を有し、
前記空気導入部の下面は金属板から構成されるとともに、前記金属板の側方側には前記貯蔵部に前記空気が吹き出されるための送風口が形成されることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記貯蔵部の下方には前記貯蔵部を通過した前記空気が導入される下方空間部が形成され、
前記下方空間部の上面は、金属トレイから構成され、
前記被貯蔵物は、前記金属トレイの上面に載置されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記下方空間部は、リブを有し、
前記貯蔵部から前記下方空間部に導入された前記空気は、前記リブに沿って流れることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記空気導入部には、前記送風路から直に前記空気が導入されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記小貯蔵室は、箱状収納部と、前記箱状収納部に収納される引出型の引出容器と、を有し、
前記空気導入部は、前記箱状収納部に形成され、
前記貯蔵部は、前記引出容器に形成されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の冷蔵庫。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、冷蔵室の内部に小貯蔵室を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されたような、冷蔵室の内部に収納容器が配置された冷蔵庫が知られている。ここでは、冷蔵室の最下部にチルド容器が収納されている。送風機が送風した空気は、冷蔵室の後方側に形成された送風路を経由して冷蔵室に供給される一方、送風路に送風された空気の一部は、冷蔵室を経由せずに、チルド容器に送風され、肉等の被収容物に直接冷風が供給される。このようにすることで、チルド容器の容器内温度は、冷蔵室の庫内温度よりも低くされ、例えば0℃程度とされる。またチルド容器に収納された肉等の食品を保存することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-44687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した特許文献1に記載された冷蔵庫では、肉などの被貯蔵物の鮮度を長期間に渡り良好に確保する観点から改善の余地があった。
【0005】
具体的には、前述した特許文献1に記載された発明では、チルド容器の内部に送風路から空気を送風して直接的に吹き付けることにより、被貯蔵物を冷却していた。このことから、被貯蔵物の温度は吹き付けられる空気量に依存するので、被貯蔵物の温度が上下し易く、チルド容器内部の温度幅が大きい。被貯蔵物の温度が上昇するとドリップが発生し、下降するとドリップが霜となるので、被貯蔵物の鮮度を長期間に渡って保持することが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被貯蔵物の鮮度を長期間に渡って保持することができる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の冷蔵庫は、冷蔵室と、前記冷蔵室の内部で区画された小貯蔵室と、冷却室において冷却された空気が送風される送風路と、を具備し、前記小貯蔵室は、被貯蔵物が貯蔵され、上方が開口した箱状の貯蔵部と、前記貯蔵部の上方に前記開口を覆って設けられ、前記送風路から前記空気が導入される空気導入部と、を有し、前記空気導入部の下面は金属板から構成されるとともに、前記金属板の側方側には前記貯蔵部に前記空気が吹き出されるための送風口が形成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の冷蔵庫では、前記貯蔵部の下方には前記貯蔵部を通過した前記空気が導入される下方空間部が形成され、前記下方空間部の上面は、金属トレイから構成され、前記被貯蔵物は、前記金属トレイの上面に載置されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の冷蔵庫では、前記下方空間部は、リブを有し、前記貯蔵部から前記下方空間部に導入された前記空気は、前記リブに沿って流れることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の冷蔵庫では、前記空気導入部には、前記送風路から直に前記空気が導入されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の冷蔵庫では、前記小貯蔵室は、箱状収納部と、前記箱状収納部に収納される引出型の引出容器と、を有し、前記空気導入部は、前記箱状収納部に形成され、前記貯蔵部は、前記引出容器に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の冷蔵庫は、冷蔵室と、前記冷蔵室の内部で区画された小貯蔵室と、冷却室において冷却された空気が送風される送風路と、を具備し、前記小貯蔵室は、被貯蔵物が貯蔵され、上方が開口した箱状の貯蔵部と、前記貯蔵部の上方に前記開口を覆って設けられ、前記送風路から前記空気が導入される空気導入部と、を有し、前記空気導入部の下面は金属板から構成されるとともに、前記金属板の側方側には前記貯蔵部に前記空気が吹き出されるための送風口が形成されることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、被貯蔵物の鮮度を長期間に渡って保持することができる。具体的には、肉等の被貯蔵物が収納される貯蔵部の上方に空気導入部を形成し、空気導入部の下面を金属板から構成することで、金属板を介して間接的に貯蔵部に収納された被貯蔵物を冷却することができる。よって、被貯蔵物の冷却温度を低温化することができ、更には、恒温化も実現する。このようにすることで、被貯蔵物の鮮度を維持することができ、また、ドリップの発生を抑制できる。
【0013】
また、本発明の冷蔵庫では、前記貯蔵部の下方には前記貯蔵部を通過した前記空気が導入される下方空間部が形成され、前記下方空間部の上面は、金属トレイから構成され、前記被貯蔵物は、前記金属トレイの上面に載置されることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、下方空間部の上面を構成する金属トレイの上面に、例えば肉である被貯蔵物を載置することで、金属トレイを介して被貯蔵物を冷却することができ、被貯蔵物を更に効果的且つ間接的に冷却することができる。
【0014】
また、本発明の冷蔵庫では、前記下方空間部は、リブを有し、前記貯蔵部から前記下方空間部に導入された前記空気は、前記リブに沿って流れることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、空気がリブに沿って流れることで、金属トレイを介して被貯蔵物を更に効果的に冷却することができる。
【0015】
また、本発明の冷蔵庫では、前記空気導入部には、前記送風路から直に前記空気が導入されることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、空気導入部に、送風路から直に空気を導入することで、小貯蔵室の貯蔵部を、冷蔵室の他の部分よりも低温に冷却することができる。
【0016】
また、本発明の冷蔵庫では、前記小貯蔵室は、箱状収納部と、前記箱状収納部に収納される引出型の引出容器と、を有し、前記空気導入部は、前記箱状収納部に形成され、前記貯蔵部は、前記引出容器に形成されることを特徴とする。これにより、本発明の冷蔵庫によれば、箱状収納部に空気導入部を形成することで、引出容器に形成された貯蔵部に対して効果的に空気を送風することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の内部構成を示す側方断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は風路部材および小貯蔵室を前方から見た斜視図であり、(B)は風路部材および小貯蔵室を後方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の小貯蔵室を示す図であり、(A)は箱状収納部を部分的に示す斜視図であり、(B)は小貯蔵室を前側下方から見た斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は箱状収納部を示す斜視図であり、(B)は各側面部を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は小貯蔵室を前方右側から見た斜視図であり、(B)は小貯蔵室を前方左側から見た斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、(A)は引出容器および金属トレイを示す分解斜視図であり、(B)は引出容器の内部における空気の流れを示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、箱状収納部および風路部材を下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。本実施形態の説明では、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。また、以下の説明では、上下前後左右の各方向を用いて説明するが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右である。
【0019】
図1は、冷蔵庫10の側方断面図である。
【0020】
冷蔵庫10の本体部を構成する断熱箱体11は、所定形状に曲折加工された鋼板からなる外箱111と、外箱111と離間した内側に配置された合成樹脂板から成る内箱112と、外箱111と内箱112との間に充填された断熱材113とから構成されている。
【0021】
断熱箱体11の内部の貯蔵室は、上方から、冷蔵室12および冷凍室13に区画されている。冷蔵室12と冷凍室13とは断熱壁17で区画されている。また、冷蔵室12の前面開口は断熱扉18で閉鎖され、冷凍室13の前面開口は断熱扉19で閉鎖されている。
【0022】
冷蔵室12の内部下方には、小貯蔵室20が配置されている。小貯蔵室20は、冷蔵室12の他の領域よりも低温、例えば、-3℃程度にその内部が冷却されるチルド室である。
【0023】
小貯蔵室20は、複数の空間に区切られており、上方側から、空気導入部22、貯蔵部21および下方空間部25に区切られている。後述するように、空気導入部22には、冷蔵室12を経由せずに、送風路118から直接的に空気が送風される。このようにすることで、貯蔵部21に貯蔵される被貯蔵物34の鮮度を長期に渡り保持することができ、更に、ドリップの発生を抑制することもできる。小貯蔵室20の構成等は、図3以降の図を参照して後述する。
【0024】
冷凍室13の奥側には、冷却室115が形成されている。冷却室115の内部には、冷却器である蒸発器116が配設されている。また、冷蔵庫10の下端側後方には機械室14が区画形成され、機械室14には圧縮機15が配置されている。蒸発器116および圧縮機15は、ここでは図示しない凝縮器および膨張手段と共に、蒸気圧縮冷凍サイクルを形成している。蒸気圧縮冷凍サイクルを運転することで、蒸発器116により冷却室115の内部の空気を冷却し、この空気を各貯蔵室に送風することで、各貯蔵室の庫内温度が所定の冷却温度帯域となる。
【0025】
冷却室115の内部に於いて、蒸発器116の上方側には送風機37が配置されている。送風機37は、軸流送風機または遠心送風機であり、蒸発器116が冷却した蒸発器116の内部の空気を、冷蔵室12および冷凍室13に向けて送風する。
【0026】
蒸発器116の内部であって、蒸発器116の下方には、除霜ヒータ117が配置される。蒸気圧縮冷凍サイクルの運転に伴い、蒸発器116の表面に厚い着霜が生じる。このようになると、図示しない制御手段は、圧縮機15を停止して冷却室115を閉鎖し、除霜ヒータ117を通電して加熱することで、霜を溶融除去する除霜運転を行う。また、ここでは図示しないが、送風機37の近傍には、風路を適宜閉鎖するための遮蔽装置が配設されている。
【0027】
冷却室115から上方に向かって送風路118が形成されている。送風路118の上方部分には、空気を冷蔵室12に吹き出すための開口である送風口16が形成されている。また、蒸発器116により冷却された空気の一部は、冷凍室13および空気導入部22にも送風される。
【0028】
図2(A)は風路部材29および小貯蔵室20を前方から見た斜視図であり、図2(B)は風路部材29および小貯蔵室20を後方から見た斜視図である。
【0029】
図2(A)を参照して、風路部材29は前述した冷蔵室12の後面に取りつけられる部材であり、その内部には、前述した送風路118が形成されている。
【0030】
風路部材29の前方側に小貯蔵室20が配置されている。小貯蔵室20は、箱状収納部31と引出容器30とを有する。箱状収納部31は、所定形状に成形された合成樹脂板と断熱材から成り、前方が開口された略直方体を呈する部材である。前述した空気導入部22は、箱状収納部31の上端部分に形成される。引出容器30は、合成樹脂板から成る引出型の収納容器であり、閉状態では箱状収納部31に収納されており、開状態では箱状収納部31から前方に引き出されている。前述した貯蔵部21および下方空間部25は、引出容器30の内部に形成される。
【0031】
図2(B)を参照して、風路部材29の前面を部分的に前方に向かって突出させることで吹出突出部32が形成されている。吹出突出部32は送風路118と連通している。吹出突出部32は、箱状収納部31の後面の上端近傍を開口した開口部33に挿入されている。開口部33は、前述した空気導入部22に連通している。このようにすることで、送風路118を経由して上昇する空気を、吹出突出部32および開口部33を介して、前述した空気導入部22に直接的に送風することができる。
【0032】
図3(A)は、小貯蔵室20を構成する箱状収納部31を部分的に示す斜視図である。ここでは、箱状収納部31の上面部分を構成する蓋部材39を透明にして示している。図3(B)は、小貯蔵室20を前側下方から見た斜視図である。
【0033】
図3(A)を参照して、箱状収納部31の上面部分の内部には、空洞である空気導入部22が形成されている。空気導入部22の後端には、冷却された空気が導入される開口部33が形成されている。
【0034】
空気導入部22は、蓋部材39と、箱状収納部31の左側壁の上端部分と、箱状収納部31の前方側において左側壁上端と右側壁上端とを繋ぐ前方横桟部と、箱状収納部31の後方側において左側壁上端と右側壁上端とを繋ぐ後方横桟部と、前方横桟部と後方横桟部とに渡って形成される下面と、によって区画される。
【0035】
空気導入部22の下面には金属板23が配置されている。金属板23の上面は空気導入部22に露出し、金属板23の下面は前述した貯蔵部21に露出する。空気導入部22の下面であって、金属板23の左方側部分および右方側部分には送風口24が形成されている。送風口24は、空気導入部22の下面を、前後方向に沿ってスリット状に開口した部位であり、空気導入部22と貯蔵部21とを連通させ、空気導入部22から貯蔵部21に空気が吹き出される。
【0036】
図3(B)を参照して、箱状収納部31の左端部には、2つの送風口24、具体的には、送風口241および送風口242が形成される。ここで、左右方向内側に配置された送風口241は、引出容器30の側面38の上端よりも左右方向内側に配置され、この送風口241から吹き出される空気が引出容器30の内部に導入され、引出容器30の内部を冷却する。
【0037】
一方、左右方向外側に配置された送風口242は、引出容器30の側面38の上端よりも左右方向外側に配置され、送風口242から吹き出される空気は、引出容器30の外面に沿って導入され、引出容器30の内部を間接的に冷却する。引出容器30を冷却する際には、送風口241のみから空気を吹き出しても良いし、送風口242のみから空気を吹き出しても良いし、送風口241および送風口242から空気を吹き出しても良い。このような構成は、箱状収納部31の右端部においても同様である。
【0038】
図4(A)は箱状収納部31を示す斜視図であり、図4(B)は各側面部を示す斜視図である。
【0039】
図4(A)を参照して、箱状収納部31の、上側面、左右側面および後側面に、後述する略板状の断熱材が配置される。
【0040】
図4(B)を参照して、前述した箱状収納部31には、発泡樹脂等の断熱材から成る左側壁311、右側壁312、上面部313および後面部314が内蔵される。左側壁311は、箱状収納部31の左方側面に内蔵される。右側壁312は、箱状収納部31の右方側面に内蔵される。上面部313は、箱状収納部31の上方側面に内蔵される。後面部314は、箱状収納部31の後方側面に収納される。具体的には、箱状収納部31を射出成形する際に、左側壁311、右側壁312、上面部313および後面部314がインサート成形される。また、上面部313は、図3(A)を参照して、空気導入部22の上方側に配置される。
【0041】
このように、箱状収納部31の内部に、左側壁311、右側壁312、133および後面部314を配置することで、前述した貯蔵部21の断熱効果を向上することができる。
【0042】
ここで、右側壁312は断熱箱体11を構成する断熱材を使用してもよい。また、後面部314は、風路部材29を構成する断熱材を使用しても良い。
【0043】
図5(A)は小貯蔵室20を前方右側から見た斜視図であり、図5(B)は小貯蔵室20を前方左側から見た斜視図である。図5(A)および図5(B)では、熱交換が行われる経路を白抜きの矢印で示し、空気の経路を破線の矢印で示している。
【0044】
図5(A)に示すように、金属板23の左方側には2つの送風口24が形成されている。また 図5(B)に示すように、金属板23の右方側にも2つの送風口24が形成されている。金属板23の右方側および左方側に、複数の送風口24を形成することで、前述した空気導入部22から貯蔵部21に対して、より多くの空気を送風することができる。
【0045】
図5(A)および図5(B)を参照して、金属板23が貯蔵部21に面していることで貯蔵部21の内部の空気を、金属板23を介して冷却することができる。前述した蒸発器116により冷却された低温の空気は、貯蔵部21に貯蔵される被貯蔵物34には吹き付けられない。被貯蔵物34は、金属板23を介して間接的に冷却される。また、送風口24は、左右方向において、箱状収納部31の両端部に配置されている。前述した空気導入部22および送風口24を介して、貯蔵部21に吹き出された空気は、吹出突出部32の左方側内面および右方側内面に沿って流動する。このようにすることで、貯蔵部21の内部において被貯蔵物34の温度が大きく変化することがなく、鮮度の劣化およびドリップの発生を抑止できる。
【0046】
図6(A)は引出容器30および金属トレイ26を示す分解斜視図であり、図6(B)は引出容器30の内部における空気の流れを示す斜視図である。
【0047】
図6(A)を参照して、引出容器30の底面には、ステンレス板等の金属板から成る金属トレイ26が載置されている。ここでは、金属トレイ26を引出容器30の上方に離して示しているが、実際は、金属トレイ26は、引出容器30の底面に載置される。換言すると、前述した下方空間部25の上面は、金属トレイ26から構成される。
【0048】
リブ27は、引出容器30の底面を壁状に突起させた部位である。リブ27は、左右方向に沿って壁状に伸びている。また、リブ27は、前後方向に沿って略等間隔に複数形成されている。リブ27の上端に金属トレイ26が載置され、これにより引出容器30の底面と金属トレイ26とが離間され、両者の間に前述した下方空間部25が形成される。
【0049】
リブ27は、引出容器30の底面において、左端側から右端側まで連続して形成されても良いが、左右方向における中央部分で途切れるように形成されても良い。即ち、引出容器30の底面において、リブ27が配置されない略平坦な平坦領域が形成されても良い。このようにすることで、後述するように、リブ27に沿って中央部に向かって流れる空気を、平坦領域を介して前方に向かって進行させた後に、引出容器30の外部に放出させることができる。
【0050】
図6(B)を参照して、金属トレイ26の左方側辺は、引出容器30の左方側面から離間しており、両者の間に間隙35が形成されている。同様に、金属トレイ26の右方側辺は、引出容器30の右方側面から離間しており、両者の間に間隙35が形成されている。
【0051】
図5(A)に示したように、箱状収納部31の送風口24から貯蔵部21に吹き出された空気は、図6(B)に示す引出容器30の左右両側面に沿って下方に流下し、間隙35から、下方空間部25に流れ込む。また、下方空間部25に流入された空気は、リブ27に沿って流れる。
【0052】
このようにすることで、金属トレイ26が下方から冷却され、金属トレイ26の上面に載置された被貯蔵物34を間接的且つ効果的に冷却することができる。ここでも、引出容器30の内部では、左右両側面に沿って空気が流れるので、被貯蔵物34に空気は直接的には吹き付けられない。よって、被貯蔵物34を、低温の状態で恒温化することができる。例えば、被貯蔵物34を、-3℃に冷却すると共に、2℃の範囲で恒温化することができる。
【0053】
図7は、冷蔵庫10を示す図であり、箱状収納部31および風路部材29を下方から見た斜視図である。
【0054】
小貯蔵室20は、下方から支持部36により支えられている。支持部36の後部を開口することで、帰還口28が形成されている。箱状収納部31の内部を冷却した空気は、小貯蔵室20の前面において、引出容器30と箱状収納部31との間隙から、前方に向かって吹き出される。その後、その空気は、冷蔵室12の他の領域を冷却した空気と共に、帰還口28を経由して、前述した冷却室115に帰還する。
【0055】
本実施形態によれば、以下に記載する主要な効果を奏することができる。
【0056】
被貯蔵物34の鮮度を長期間に渡って保持することができる。具体的には、図3を参照して、肉等の被貯蔵物34が収納される貯蔵部21の上方に空気導入部22を形成し、空気導入部22の下面を金属板23から構成することで、金属板23を介して貯蔵部21に収納された被貯蔵物34を間接冷却することができる。これにより、貯蔵部21に形成される開口を小さくすることができるので、小貯蔵室20の内部において被貯蔵物34の冷却温度を低温化することができ、温度幅を小さくして恒温化することができる。このようにすることで、被貯蔵物34の鮮度を維持することができ、また、ドリップの発生を抑制できる。
【0057】
図6(B)を参照して、下方空間部25の上面を構成する金属トレイ26の上面に、例えば肉である被貯蔵物34を載置することで、金属トレイ26を介して被貯蔵物34を冷却することができ、被貯蔵物34を更に効果的に冷却することができる。
【0058】
図6(B)を参照して、空気がリブ27に沿って流れることで、金属トレイ26を介して被貯蔵物34を更に効果的に冷却することができる。
【0059】
図3を参照して、空気導入部22に、送風路118から直に空気を導入することで、貯蔵部21を、冷蔵室12の他の部分よりも低温に冷却することができる。
【0060】
本発明は、前述実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0061】
図5および図6を参照して、複数形成される送風口24の一部を引出容器30よりも左右方向外側に配置することで、送風口24から送風される空気の一部を、箱状収納部31と引出容器30との間に流し、引出容器30を外側からも冷却することができる。
【0062】
更に、送風口24の全てを引出容器30よりも左右方向外側に配置することで、送風口24から送風される空気の全てを、箱状収納部31と引出容器30との間に流し、引出容器30を外側から冷却することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
112 内箱
113 断熱材
115 冷却室
116 蒸発器
117 除霜ヒータ
118 送風路
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 機械室
15 圧縮機
16 送風口
17 断熱壁
18 断熱扉
19 断熱扉
20 小貯蔵室
21 貯蔵部
22 空気導入部
23 金属板
24 送風口
241 送風口
242 送風口
25 下方空間部
26 金属トレイ
27 リブ
28 帰還口
29 風路部材
30 引出容器
31 箱状収納部
311 左壁部
312 右壁部
313 上面部
314 後面部
32 吹出突出部
33 開口部
34 被貯蔵物
35 間隙
36 支持部
37 送風機
38 側面
39 蓋部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7