(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104749
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】移動端末装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220704BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220704BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20220704BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220704BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20220704BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220704BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220704BHJP
F21Y 107/70 20160101ALN20220704BHJP
【FI】
G06F3/01 514
H01L33/00 L
F21L4/00
F21V19/00 150
F21V7/00 510
F21V23/00 113
F21Y115:10
F21Y107:70
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219888
(22)【出願日】2020-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 一幸
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
5E555
5F142
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K014AA01
5E555AA46
5E555AA53
5E555AA71
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC16
5E555CA42
5E555CB69
5E555DA13
5E555DD08
5E555EA05
5E555EA22
5E555EA25
5E555FA00
5F142AA56
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB13
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD24
5F142CG05
5F142DB22
(57)【要約】
【課題】薄型化及び軽量化された移動端末装置を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係る移動端末装置は、被検体の外側を囲む構造を有する本体と、前記本体の内周側に設けられ、少なくとも一つの第1発光素子を含む発光部と、前記本体の内周側に設けられ、前記発光部と対向する位置に設けられる受光部と、前記本体の外周側に設けられ、少なくとも一つの第2発光素子を含む表示部と、を備え、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、第1可撓性基板の同一面上に実装されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の外側を囲む構造を有する本体と、
前記本体の内周側に設けられ、少なくとも一つの第1発光素子を含む発光部と、
前記本体の内周側に設けられ、前記発光部と対向する位置に設けられる受光部と、
前記本体の外周側に設けられ、少なくとも一つの第2発光素子を含む表示部と、
を備え、
前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、第1可撓性基板の同一面上に実装されている、移動端末装置。
【請求項2】
前記受光部は、少なくとも一つの受光素子を含む、請求項1に記載の移動端末装置。
【請求項3】
前記受光素子は、前記第1可撓性基板の前記第1発光素子及び前記第2発光素子が実装された面上に実装される、請求項2に記載の移動端末装置。
【請求項4】
前記受光素子は、前記第1可撓性基板の前記第1発光素子及び前記第2発光素子が実装された面とは反対側の面上に実装される、請求項3に記載の移動端末装置。
【請求項5】
第1面と前記第1面とは反対側の第2面を有する支持基板をさらに備え、
前記第1面上には前記第1可撓性基板が設けられる、請求項2に記載の移動端末装置。
【請求項6】
前記受光素子は、前記支持基板の前記第2面上に実装される、請求項4に記載の移動端末装置。
【請求項7】
前記支持基板は、前記第1面及び前記第2面を貫通する貫通電極を有し、前記貫通電極は前記受光素子と前記第1可撓性基板とを電気的に接続する、請求項6に記載の移動端末装置。
【請求項8】
前記支持基板の前記第2面上に設けられる第2可撓性基板をさらに備え、
前記受光素子は、前記第2可撓性基板上に実装される、請求項5に記載の移動端末装置。
【請求項9】
前記第1可撓性基板の前記第1発光素子及び前記第2発光素子が実装された面上に実装され、変調された光信号を出力する第3発光素子をさらに備える、請求項1乃至8の何れか一項に記載の移動端末装置。
【請求項10】
前記第1発光素子上に設けられた反射層をさらに備え、
前記反射層は、第1発光素子から出射された光を前記受光部に向かって反射する、請求項1乃至9の何れか一項に記載の移動端末装置。
【請求項11】
前記第1発光素子は赤外線を出射し、前記第2発光素子は可視光を出射する、請求項1乃至10の何れか一項に記載の移動端末装置。
【請求項12】
前記第3発光素子は、可視光または赤外線を出射する、請求項9に記載の移動端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、移動端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人の体の一部に装着可能なウェアラブル端末が開発されている。ウェアラブル端末としては、例えば、スマートグラスなどの眼鏡型、スマートウォッチなどの腕時計型、スマートリングなどの指輪型の端末が挙げられる。これらのウェアラブル端末は無線通信機能を備え、スマートフォンなどの別の端末やスマートフォン用のアプリケーションと通信を行うことができる。したがって、別の端末による各種操作を、連携したウェアラブル端末を介して行うことができる。
【0003】
スマートリングなどの指輪型の端末は、眼鏡型や腕時計型と比べてとりコンパクトであり、アクセサリーとしての指輪と同じように人の指に装着することが可能である。例えば、特許文献1には、挿入される指の指紋を検出して、それに基づく機能を実行する指輪型移動端末機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、薄型化及び軽量化された移動端末装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、被検体の外側を囲む構造を有する本体と、前記本体の内周側に設けられ、少なくとも一つの第1発光素子を含む発光部と、前記本体の内周側に設けられ、前記発光部と対向する位置に設けられる受光部と、前記本体の外周側に設けられ、少なくとも一つの第2発光素子を含む表示部と、を備え、前記第1発光素子及び前記第2発光素子は、第1可撓性基板の同一面上に実装されている、移動端末装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、薄型化及び軽量化された移動端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態による移動端末装置を一方向から見た概略図である。
【
図2A】
図1に示した移動端末装置を別の方向から見た概略図である。
【
図2B】
図1に示した移動端末装置を別の方向から見た概略図である。
【
図3】一実施形態による移動端末装置の内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。
【
図4】一実施形態による移動端末装置の構成を説明するためのブロック図である。
【
図5】他の実施形態による移動端末装置の内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。
【
図6】他の実施形態による移動端末装置の内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。
【
図7】他の実施形態による移動端末装置の内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。
【
図8】他の実施形態による移動端末装置の内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る移動端末装置の構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、Bなど付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明するが、例えば、第1部材と第2部材との上下関係が図示と逆になるように配置されてもよい。また、以下の説明で基板の第1面及び第2面は基板の特定の面を指すものではなく、基板の表面方向又は裏面方向を特定するもので、つまり基板に対する上下方向を特定するための名称である。
【0010】
本開示において、「含む」や「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらの組み合わせが存在することを意味するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらの組み合わせの存在や付加可能性を予め排除するものではない。また、単数表現は、特に記載がない限り複数表現を含む。
【0011】
[第1実施形態]
図1は本開示の第1実施形態による移動端末装置を一方向から見た概略図である。
図2A及び
図2Bはそれぞれ、
図1に示した移動端末装置を別の方向から見た概略図である。
【0012】
図1、
図2A及び
図2Bに示すように、第1実施形態に係る移動端末装置100は、リング状の本体101と、本体101の中央に設けられた開口部103とを含む。
【0013】
本体101は、ステンレススチールなどの金属、プラスチック、弾性材料などから構成されてもよい。また、本体101の外周側を構成する材料と、開口部103に面する内周側を構成する材料は互いに異なっていてもよい。本体101は、所定の幅、及び所定の厚さを有している。本体101の幅と厚さは、任意であり、位置によって異なっていてもよい。本体101には、移動端末装置100によって実行される複数のアプリケーションプログラムや、移動端末装置100の動作のためのコマンドなどの記憶するメモリ、メモリに記憶されたアプリケーションプログラムを実行し、移動端末装置100全体の動作を制御する制御部、外部機器と無線接続する通信部、ユーザの入力を受信する入力部、ユーザの情報を検出する検出部などを構成する電子部品が装着される。本体に装着される電子部品の構成要素については、後述する。
【0014】
本体101は、その表面に表示領域105を備える。表示領域105は、画像が表示される領域である。表示領域105には開口が設けられ、後述する表示部が露出される。
【0015】
本体101は、発光領域201と受光領域203とをさらに備える。発光領域201からは、例えば、赤外線、特に近赤外線が出射されてもよい。発光領域201から出射される光は赤外線に限定されるわけではなく、可視光が出射されてもよい。本体101における発光領域201の位置は、特に限定されない。発光領域201は、表示領域105の外側に設けられてもよく、表示領域105内に設けられてもよい。
図2Bでは、一例として、発光領域201が表示領域105の外側に設けられて場合を示している。受光領域203は、発光領域201から出射された光を受光する領域である。
【0016】
発光領域201及び受光領域203は、本体101の内周側に互いに対向して設けられる。本体101は、発光領域201において、赤外線を透過させる開口205を有してもよい。また、本体101は、受光領域203において、発光領域201から出射された赤外線を透過させる開口207を有してもよい。
図2Bにおいて、発光領域201において4つの開口205が設けられているが、開口205の数はこれに限定されず、1つ以上であればよい。同様に、
図2Bにおいて、受光領域203において4つの開口207が設けられているが、開口207の数はこれに限定されず、1つ以上であればよい。尚、少なくとも開口部103に面する内周側を構成する材料が透明な材料である場合、
図2Bに示した開口205及び開口207は省略されてもよい。
【0017】
開口部103には、ユーザの体の一部が挿入される。例えば、開口部103には、ユーザの指が挿入されてもよい。また、開口部103には、ユーザの腕の一部(例えば、手首)や足の一部(例えば、足首)が挿入されてもよい。本実施形態では、開口部103にユーザの指が挿入される場合を一例として説明する。つまり、本実施形態に係る移動端末装置100は、指輪型の移動端末装置、いわゆるスマートリングである。
【0018】
開口部103に人の指が挿入されると、移動端末装置100は、装着された人の指が、登録されたユーザの指であるか否かを確認するためのユーザ認証を行う。ユーザ認証は、指紋認証、指静脈認証など様々な認証方式が適用されることが可能である。ここでは、ユーザ認証として指静脈認証が実行される場合を説明する。
【0019】
指静脈認証は、赤外線、例えば、赤外線を指に透過させて得られる指の静脈パターンの画像に基づいたパターン認証技術によって個人認証を行う生体認証技術の一つである。ユーザの指静脈パターンは、予め登録されてメモリに保存される。移動端末装置100は、人の指が開口部103に挿入されたことを検出すると、挿入された指に向けて赤外線を出射する。赤外線は、血液中のヘモグロビンにより吸収される。これにより、静脈形状パターンが暗い線パターンとして得られる。得られたパターンは受光素子によって記録され、予め登録されたユーザの指静脈パターンとマッチングされて一致するか否か判定される。
【0020】
判定の結果、得られたパターンがユーザの指静脈パターンとして認証されると、移動端末装置100はアクティブ状態となる。アクティブ状態では、移動端末装置100は、移動端末装置100を装着したユーザの操作を受け付ける。一方、判定の結果、得られたパターンがユーザの指静脈パターンではないと判定されると、移動端末装置100はロック状態となる。ロック状態では、移動端末装置100は、移動端末装置100を装着したユーザの操作を受け付けず、ユーザは移動端末装置100を使用することができない。
【0021】
指静脈認証で使用される赤外線は、発光領域201から出射される。発光領域201から出射された光は、受光領域203において受光される。発光領域201には、赤外線を発光する赤外線発光ダイオード(IR LED)が設けられてもよい。また、受光領域203には、受光素子としてCCDカメラや光センサが設けられてもよい。
【0022】
図3は、移動端末装置100の内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。
図3では、説明の便宜のため、回路基板302を直線状に示しているが、回路基板302は、可撓性を有し、移動端末装置100の本体101の形状に沿って設けられる。つまり、回路基板302は、移動端末装置100の本体101の形状に沿って、所定の曲率で曲げられて設けられる。
【0023】
図3に示すように、回路基板302は、可撓性を有する支持基板300上に配置される。支持基板300は、回路基板302に接し、回路基板302を支持する。支持基板300は、光を透過させ、可撓性を有する絶縁基板であり、ポリイミドやポリエチレンテレフタレートなどのプラスチック基板やガラス基板であってもよい。
【0024】
回路基板302は、可撓性を有する材料から構成され、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのプラスチック基板やガラス基板であってもよい。回路基板302上には、表示部411a、発光部305、及び受光部307が設けられる。表示部411aは、表示領域105に対応する位置に設けられる。発光部305は、発光領域201に対応する位置に設けられる。受光部307は、受光領域203に対応する位置に設けられる。
【0025】
表示部411aは、発光素子(第2発光素子)304を含む。発光素子304は、回路基板302上に設けられて、回路基板302と電気的に接続される。発光素子304は、可視光を出射する発光ダイオードであってもよい。例えば、発光素子304は、赤色、緑色又は青色の光を出射するマイクロLEDであってもよい。また、発光素子304は、白色の光を出射してもよい。発光素子304は、チップ状に形成されたマイクロLEDであってもよく、LED製造用ウエハ上で形成されたマイクロLEDを回路基板302上に実装してもよい。
【0026】
発光部305は、発光素子(第1発光素子)306を含む。発光素子306は、回路基板302上に設けられて、回路基板302と電気的に接続される。発光素子306は、赤外線を発光する赤外線発光ダイオード(IR LED)であってもよい。発光素子306は、チップ状に形成されたLEDであってもよく、LED製造用ウエハ上で形成されたLEDを接着剤によって回路基板302上に接着してもよい。
【0027】
受光部307は、受光素子308を含む。受光素子308は、回路基板302上に設けられて、回路基板302と電気的に接続される。受光素子308は、発光素子306から出射された光を受光できる素子であり、CCDカメラや光センサであってもよい。受光素子308が光センサの場合、フォトリソグラフィ工程によって回路基板302上に形成することができる。尚、チップ状に形成された光センサが回路基板302上に実装されてもよい。この場合、受光素子308は、発光素子304,306を実装する工程と同一の工程で、回路基板302上に実装されてもよい。
【0028】
回路基板302上に設けられた発光素子304,306及び受光素子308は、封止層310により封止される。封止層310は、例えば、シリコン樹脂を含んでもよい。尚、回路基板302上に設けられる電子部品は、発光素子304,306及び受光素子308に限定されず、CPUやセンサ、メモリ、駆動回路などが実装されてもよい。
【0029】
封止層310上には、少なくとも発光領域201に対応する位置に反射層312が設けられる。反射層312は、酸化ケイ素、酸化チタン、銀などの金属などを含んでもよい。反射層312は、単層構造を有してもよく、多層構造を有してもよい。反射層312は、発光素子306から出射された赤外線を発光領域201に対向する受光領域203に向かって反射する。反射層312によって反射された光は、受光領域203における受光素子308によって受光される。
【0030】
以上に述べたように、本実施形態においては、回路基板302上の同一面上に素子を設けることができる。したがって、移動端末装置100の薄型化及び軽量化を実現することができる。図示はしないが、封止層310及び反射層312上には、防水フィルムは保護フィルムが設けられてもよい。
【0031】
また、回路基板302は、第1発光素子306、第2発光素子304、及び受光素子308を駆動する各種薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタに接続される各種配線を有していても良い。支持基板300が回路基板302のベース基板として設けられている場合、上述の薄膜トランジスタや配線は、ベース基板300上に形成されてもよく、回路基板302は支持基板300上に形成される回路層302と呼ぶこともできる。
【0032】
さらに、回路基板302は、バックプレーン基板、薄膜トランジスタ基板、アレイ基板などと呼ぶこともでき、発光素子304,306、及び受光素子304の形成及び駆動が回路基板302上で完結する場合には、支持基板300は単に回路基板302の保護基板として設けられるものであっても良い。
【0033】
図4は、本実施形態に係る移動端末装置100の構成を説明するためのブロック図である。
【0034】
移動端末装置100は、制御部401、メモリ403、電源供給部405、駆動部407、検出部409、インターフェース部411、及び通信部413を含む。これらの構成要素は、バス415によって互いに電気的に接続されている。
【0035】
制御部401は、移動端末装置100全体の動作を制御する。制御部401は、他の構成要素によって入出力される信号を処理する。また、制御部401は、後述するメモリ403に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、ユーザが所望する情報又は機能を提供又は処理する。
【0036】
メモリ403は、移動端末装置100の機能を実行するためのデータを記憶する。具体的には、メモリ403は、移動端末装置100で実行される複数のアプリケーションプログラム、移動端末装置100の動作のためのデータやコマンドを記憶する。尚、アプリケーションプログラムの少なくとも一部は、予めメモリ403に記憶されていてもよく、通信により外部サーバからダウンロードして保存されてもよい。メモリ403は、予め登録されたユーザの指静脈パターンである登録パターン403aを含む。
【0037】
電源供給部405は、移動端末装置100の各構成要素に所定の電源を供給する。電源供給部405は、バッテリを含んでもよい。バッテリは、内蔵バッテリであってもよく、取り外して交換可能なバッテリであってもよい。
【0038】
駆動部407は、制御部401による制御に基づいて、後述する表示部411aに画像を表示するための各種信号を生成して出力する。
【0039】
検出部409は、移動端末装置100を使用するユーザの生体情報を取得する。本実施形態において、検出部409は、移動端末装置100の本体101の開口部103に指を挿入したユーザの指静脈パターンを取得する。検出部409は、発光部305及び受光部307によって実現されてもよい。
【0040】
検出部409は、取得した指静脈パターンを制御部401に伝達する。制御部401は、予め登録されたユーザの指静脈パターンである登録パターン403aをメモリ403から読出し、取得した指静脈パターンと登録パターン403aとをマッチングさせて一致するか否か判定することにより、ユーザ認証を行う。
【0041】
尚、検出部409は、ユーザの生体情報を取得するだけではなく、開口部103への指の出し入れを検知してもよい。言い換えると、ユーザの指が開口部103に挿入されているのか、又はユーザの指が開口部103から外部に抜き出されているのかを検知してもよい。この場合、検出部409は、一対の電極の含んでもよい。一対の電極は、本体101の内周側に互いに対向して設けられてもよい。一対の電極のうち、一方の電極は正極であり、他方の電極は負極である。この一対の電極間の電磁場の変化を検出することにより、ユーザの指が開口部103を貫通して移動する向きを検出することができる。即ち、ユーザの指が開口部103に挿入されているのか、又は開口部103から外部に抜き出されているのかを検出することができる。ユーザの指が開口部103に挿入されていることが検出された場合、検出部409は、ユーザの生体情報を取得してもよい。一方、ユーザの指が開口部103から外部に抜き出されていることが検出された場合、制御部401は、移動端末装置100をロック状態にしてもよい。
【0042】
インターフェース部411は、ユーザインターフェースであり、表示部411aを含んでもよい。表示部411aは、制御部401による制御に基づいて画像を表示する。表示部411aは、移動端末装置100の本体101の表示領域105によって実現されてもよい。尚、表示部411aは、タッチセンサを含む、タッチパネル付き表示装置であってもよい。この場合、表示部411aは、ユーザから移動端末装置100に対する入力を受け付けるインターフェースとして機能する。尚、インターフェース部411aは、音声ユーザインターフェースを含んでもよい。
【0043】
通信部413は、移動端末装置101と他の移動端末、外部機器、又は外部サーバ間との通信を行う。通信部413は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、NFCなどを含んでもよい。
【0044】
以上に述べた移動端末装置100の各構成要素は、移動端末装置100の動作、又はアプリケーションプログラムを実行するために、互いに連携して動作してもよい。
【0045】
移動端末装置100において、検出部409は、ユーザの指静脈パターンだけではなく、その他の生体情報を取得してもよい。例えば、検出部409は、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)、心拍数、血圧脈波、脂肪率などのユーザ個人の生体情報を取得することができる。これらの生体情報は、移動端末装置100における発光領域201に設けられた発光素子306から出射された赤外線を受光素子308で受けることにより取得することができる。例えば、血液中のオキシヘモグロビンは、近赤外線(940nm)付近の波長を吸収しやすい。心臓の拍動により血管内の血流量が変化し、それに伴いオキシヘモグロビンの量が変化する。そのため、心拍を赤外線の反射量の変化として検出することができる。
【0046】
以上、本実施形態に係る指輪型の移動端末装置100について説明したが、本開示の移動端末装置はこれに限定されない。本開示の移動端末装置は、ユーザの手首に装着する腕輪型やスマートウォッチなどの腕時計型、足首に装着する足輪型であってもよい。
【0047】
また、本実施形態に係る移動端末装置100はリング状の本体101を有するが、本開示の移動端末装置はこれに限定されない。例えば、本開示の移動端末装置は、リング状の本体の一部に開口が設けられた開環リング形状であってもよい。
【0048】
本実施形態では、ユーザ認証として指静脈認証が適用される場合を説明した。しかしながら、移動端末装置100によるユーザ認証には、指静脈認証に限定されるわけではなく、指紋認証など他の認証方式が適用されることが可能である。
【0049】
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、回路基板302上の同一面上に素子が設けられる場合を説明した。しかしながら、本開示の移動端末装置はこれに限定されない。
【0050】
図5は、第2実施形態に係る移動端末装置100Aの内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。尚、第2実施形態に係る移動端末装置100Aの形状は、
図1、
図2A及び
図2Bを参照して説明した、本開示の第1実施形態による移動端末装置100と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0051】
図5では、
図3と同様に、説明の便宜上、回路基板302を直線状に示しているが、回路基板302は、移動端末装置100Aのリング状の本体101に沿って設けられる。つまり、回路基板302は、移動端末装置100Aの本体101の形状に沿って、所定の曲率で曲げられて設けられる。
【0052】
図5に示すように、回路基板302(回路層302)は、支持基板300(ベース基板300)の第1面300a上に配置される。支持基板300及び回路基板302の構成については、第1実施形態において説明した支持基板300及び回路基板302の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。回路基板302上には、発光素子304を含む表示部411a、及び発光素子306を含む発光部305が設けられる。発光素子304,306は、回路基板302と電気的に接続される。発光素子304,306については、第1実施形態において説明した発光素子304,306と同様である。
【0053】
本実施形態において、受光素子308を含む受光部307は、表示部411a及び発光部307が設けられた面とは反対側に設けられる。つまり、受光素子308は、支持基板300の第1面300aとは反対側の第2面300b上に設けられる。受光素子308は、回路基板302と電気的に接続される。支持基板300には、受光素子308と回路基板302とを電気的に接続する貫通電極501が設けられてもよい。受光素子308は、第1実施形態において説明した受光素子308と同様である。
【0054】
第1実施形態と同様に、本実施形態においても、受光素子308が設けられた受光領域203Aは、赤外線を出射する発光素子306が設けられた発光領域201に対向するように設けられる。本実施形態において、受光領域203Aは、表示領域105に重畳する領域に設けられてもよい。つまり、表示領域105及び受光領域203Aは、発光領域201に対向してもよい。尚、本実施形態はこれに限定されず、受光領域203Aは、表示領域105に重畳する領域外に設けられてもよい。この場合、表示領域105と発光領域201とは対向しない。
【0055】
回路基板302上に設けられた発光素子304,306は、封止層310により封止される。尚、図示してはいないが、受光素子308を封止する封止層が支持基板300の第2面300b上に設けられてもよい。封止層310上には、少なくとも発光領域201に対応する位置に反射層312が設けられる。
【0056】
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態に係る移動端末装置100Bの内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。尚、第3実施形態に係る移動端末装置100Bの形状は、
図1、
図2A及び
図2Bを参照して説明した、本開示の第1実施形態による移動端末装置100と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0057】
図6では、
図3と同様に、説明の便宜上、回路基板302を直線状に示しているが、回路基板302は、移動端末装置100Bのリング状の本体101に沿って設けられる。つまり、回路基板302は、移動端末装置100Bの本体101の形状に沿って、所定の曲率で曲げられて設けられる。
【0058】
本実施形態に係る移動端末装置100Bでは、回路基板302の第1面302a上に発光素子304を含む表示部411a、及び発光素子306を含む発光部305が設けられ、第1面302aとは反対側の第2面302b上に受光素子308を含む受光部307が設けられる。発光素子304,306及び受光素子308それぞれは、回路基板302に電気的に接続される。回路基板302の構成については、第1実施形態において説明した支持基板300及び回路基板302の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0059】
回路基板302の第1面302a上には、発光素子304,306を封止する封止層が設けられる。封止層310上には、少なくとも発光領域201に対応する位置に反射層312が設けられる。一方、回路基板302の第2面302b上には、受光素子308を封止する封止層601が設けられる、封止層601は、例えば、シリコン樹脂を含んでもよい。
【0060】
本実施形態では、上述した第2実施形態とは異なり、受光素子308は、発光素子304,306が設けられた回路基板302の第1面302aとは逆側の第2面302b上に直接実装される。本実施形態に係る移動端末装置100Bでは、第1実施形態による移動端末装置100及び第2実施形態による移動端末装置100Aにおける支持基板300は省略されてもよい。
【0061】
[第4実施形態]
上述した第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態では、1つの回路基板302に発光素子304,306及び受光素子308が電気的に接続されている場合を説明した。しかしながら、本開示の移動端末装置はこれに限定されない。
【0062】
図7は、第4実施形態に係る移動端末装置100Cの内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。尚、第4実施形態に係る移動端末装置100Cの形状は、
図1、
図2A及び
図2Bを参照して説明した、本開示の第1実施形態による移動端末装置100と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0063】
本実施形態に係る移動端末装置100Cでは、支持基板300の第1面300a上に第1回路基板701が設けられ、第1面300aとは反対側の第2面300b上に第2回路基板703が設けられる。
図7では、
図3と同様に、説明の便宜上、第1回路基板701及び第2回路基板603を直線状に示している。しかしながら、実際には、第1回路基板601及び第2回路基板703は、移動端末装置100Cのリング状の本体101に沿って設けられる。つまり、第1回路基板701及び第2回路基板703は、移動端末装置100Cの本体101の形状に沿って、所定の曲率で曲げられて設けられる。
【0064】
支持基板300の構成については、第1実施形態において説明した支持基板300の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。支持基板300の第1面300a上には、第1回路基板701が設けられる。第1回路基板701は、可撓性を有する材料から構成される。第1回路基板701は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのプラスチック基板やガラス基板であってもよい。第1回路基板701上には、発光素子304を含む表示部411a、及び発光素子306を含む発光部305が設けられる。発光素子304,306は、第1回路基板701と電気的に接続される。発光素子304,306については、第1実施形態において説明した発光素子304,306と同様である。
【0065】
支持基板300の第2面300b上には、第2回路基板703が設けられる。第2回路基板703は、可撓性を有する材料から構成される。第2回路基板703は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのプラスチック基板やガラス基板であってもよい。第2回路基板703上には、受光素子308を含む受光部307が設けられる。受光素子308は、第2回路基板703と電気的に接続される。
【0066】
第1実施形態と同様に、本実施形態においても、受光素子308が設けられた受光領域203Cは、赤外線を出射する発光素子306が設けられた発光領域201に対向するように設けられる。
図7に示すように、受光領域203Cは、表示領域105に重畳する領域に設けられてもよい。つまり、表示領域105及び受光領域203Cは、発光領域201に対向してもよい。尚、本実施形態はこれに限定されず、受光領域203Cは、表示領域105に重畳する領域外に設けられてもよい。この場合、表示領域105と発光領域201とは対向しない。
【0067】
第1回路基板701上に設けられた発光素子304,306は、封止層310により封止される。尚、図示してはいないが、受光素子306を封止する封止層が第2回路基板703上に設けられてもよい。封止層310上には、少なくとも発光領域201に対応する位置に反射層312が設けられる。
【0068】
[第5実施形態]
図8は、第4実施形態に係る移動端末装置100Dの内部に設けられる回路基板の一部の断面図である。尚、第4実施形態に係る移動端末装置100Dの形状は、
図1、
図2A及び
図2Bを参照して説明した、本開示の第1実施形態による移動端末装置100と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0069】
図8では、
図3と同様に、説明の便宜上、回路基板302を直線状に示しているが、回路基板302は、移動端末装置100Dのリング状の本体101に沿って設けられる。つまり、回路基板302は、移動端末装置100Dの本体101の形状に沿って、所定の曲率で曲げられて設けられる。
【0070】
図8に示すように、回路基板302は、支持基板300上に配置される。支持基板300及び回路基板302の構成については、第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。回路基板302上には、発光素子304を含む表示部411a、発光素子306を含む発光部305、及び受光素子308を含む受光部307が設けられる。発光素子304,306及び受光素子308は、回路基板302と電気的に接続される。発光素子304,306及び受光素子308については、第1実施形態と同様である。
【0071】
本実施形態では、表示領域105に対応する領域において、表示部411aを構成する発光素子304とともに、通信用の発光素子801(第3発光素子)が設けられる。発光素子801は、白色の光を出射するマイクロLED又は、赤外線を発光する赤外線発光ダイオードである。発光素子801は、発光素子304の間に規則的に設けられてもよく、不規則に設けられてもよい。また、発光素子801は、発光素子304の周りを囲むように設けられてもよい。
【0072】
発光素子801は、Li-Fiによって他の移動端末や外部機器と光無線通信を行うために使用される。発光素子801は、様々なレートに変調された光信号を出力する。発光素子801が白色の光を出射するダイオードである場合、発光素子801は通信用の光源として機能するだけではなく、発光素子304とともに表示部411aを構成してもよい。つまり、発光素子801は、画像表示用の発光素子としても使用されることができる。
【0073】
本実施形態においては、発光素子801は、発光素子304とともに表示領域105に対応する領域に設けられる場合を説明したが、発光素子704が配置される位置はこれに限定されない。発光素子801が光通信用の光源としてもの使用される場合、発光素子801は、表示領域105に対応する領域外に設けられてもよい。この場合、本体101において、発光素子801が配置される位置に対応する領域には、発光素子801から出射される光を透過させるための開口が設けられてもよい。
【0074】
本実施形態において、発光素子304,306及び受光素子308の配置は、上述した第1実施形態と同様である。しかしながら、上述した第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態の構成に、本実施形態の発光素子801が追加されてもよい。
【0075】
以上、本開示の各実施形態を説明したが、上述した各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0076】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0077】
100,100A,100B,100C:移動端末装置、101:本体、103:開口部、105:表示領域、201:発光領域、203,203A,203B:受光領域、300:支持基板(ベース基板)、302:回路基板(回路層)、304:発光素子(第2発光素子)、305:発光部、306:発光素子(第1発光素子)、307:受光部、308:受光素子、310:封止層、312:反射層、401:制御部、403:メモリ、403a:登録パターン、405:電源供給部、407:駆動部、409:検出部、411:インターフェース部、411a:表示部、413:通信部、415:バス、701:第1回路基板(第1回路層)、703:第2回路基板(第2回路層)、801:発光素子(第3発光素子)