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▶ 井上 美穂の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104761
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】指輪
(51)【国際特許分類】
   A44C 9/00 20060101AFI20220704BHJP
   A41D 13/08 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
A44C9/00
A41D13/08 107
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219902
(22)【出願日】2020-12-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日 令和2年12月8日 公開場所 株式会社山宝の応接室(山梨県甲府市徳行2丁目14番7号)
(71)【出願人】
【識別番号】518266897
【氏名又は名称】井上 美穂
(74)【代理人】
【識別番号】100130074
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 繁元
(72)【発明者】
【氏名】井上 美穂
【テーマコード(参考)】
3B011
3B114
【Fターム(参考)】
3B011AA06
3B011AC00
3B114AA01
3B114CC18
3B114GG07
(57)【要約】

【課題】 使用者が指を直接触れることなくエレベーターのボタン等を操作することができると共に、普段使いにおける装飾性に優れた指輪を提供する。
【解決手段】 指輪10は、指が挿入されるリング部1と、指紋が形成されている指の表面を当接可能な当接面2aを備えた指当て部2と、リング部1と指当て部2とを連結するアーム部3と、リング部1に固定される装飾部4とを有しており、指当て部2の当接面2aが、凹状の曲面にて形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指が挿入されるリング部と、
指紋が形成されている指の表面を当接可能な当接面を備えた指当て部と、
前記リング部と前記指当て部とを連結するアーム部と、
前記リング部に固定される装飾部と、を有し、
前記指当て部の当接面が、凹状の曲面にて形成されていることを特徴とする指輪。
【請求項2】
指に装着した状態で、指の第1関節と第2関節の間に装飾部が位置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の指輪。
【請求項3】
指当て部は、長手方向の中間点を平面に接地した場合に、長手方向のリング部に近い側の一方の端部と前記中間点を結んだ線と平面上の直線とがなす角は、長手方向のリング部に遠い側の他方の端部と前記中間点を結んだ線と前記平面上の直線とがなす角よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の指輪。
【請求項4】
指当て部は、平面視した場合に、装着される指の長手方向の長さが指の幅方向の長さよりも長い略スプーン形状であって、長手方向のリング部に近い側の一方の端部側に切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の指輪。

【請求項5】
指当て部の当接面とは反対側の裏面は、凸状の曲面であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の指輪。
【請求項6】
指当て部の当接面とは反対側の裏面に、アーム部の一端が固定されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の指輪。
【請求項7】
リング部の頂部又は頂部近傍に装飾部が固定されていると共に、前記リング部の下部又は下部近傍に、アーム部の他端が固定されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の指輪。
【請求項8】
指当て部は、金属で形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の指輪。
【請求項9】
アーム部は、側面視した場合に、下に凸の略U字形状であって、変形可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の指輪。
【請求項10】
リング部は、一端と、他端とを有するリング状に形成されていると共に、前記一端と前記他端とは固着されておらず、直径が拡大又は縮小する方向に変形可能であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の指輪。
【請求項11】
リング部を正面視した場合には、縦長の略楕円形状に形成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の指輪。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指の表面が当接可能な当接面を備えた指輪に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、指先を保護する指先保護具が知られている(特許文献1)。また、使用者の指が直接タッチパネルに触れることなくタッチパネルを操作可能な指先タッチペンが知られている(特許文献2)。
【0003】
特許文献1に記載の指先保護具は、作業用手袋と共に使用され、複数の指に装着するものであって、袋状に形成されており、かつ、装着する各指の先端部から第1関節の手前までを覆うものであった。また、特許文献2に記載の指先タッチペンは、矩形平板状の基体板に半円状に形成した複数の側板の一端を接続して当該基体板上部に筒状空間を形成し、さらに、使用者の指とタッチパネルとの間に介在して静電容量方式のタッチパネルを操作可能な第1タッチパネル操作部と抵抗膜方式のタッチパネルを操作可能な第2タッチパネル操作部を備えているものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3188685号公報
【特許文献2】特開2020-177399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の指先保護具は、指先を保護するという点においては優れているものの、普段使いを目的とするものではないため、見栄えを考慮しているものではなかった。また、特許文献2に記載の指先タッチペンもタッチパネルを操作可能という機能性に優れているものではあるが、第1タッチパネル操作部と第2タッチパネル操作部を出し入れする作業を必要とするものであり、普段使いの見栄えを考慮しているものでもなかった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、使用者が指を直接触れることなくエレベーターのボタン等を操作することができると共に、普段使いにおける装飾性に優れた指輪を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の指輪の発明は、指が挿入されるリング部と、指紋が形成されている指の表面を当接可能な当接面を備えた指当て部と、前記リング部と前記指当て部とを連結するアーム部と、前記リング部に固定される装飾部と、を有し、前記指当て部の当接面が、凹状の曲面にて形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明では、指当て部を使用者の指先にフィットさせることができると共に、当該指当て部でエレベーターのボタン等を操作することができるので、使用者の指が直接エレベーターのボタン等に触れることを防止して、感染症の予防を行うことができる。また、リング部に装飾部が固定されているので、普段使いにおける装飾性に優れた指輪とすることができる。また、リング部と指当て部とをアーム部で連結する構成としているので、機能性及びデザイン性に優れた指輪とすることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、指に装着した状態で、指の第1関節と第2関節の間に装飾部が位置するようにしたことを特徴としている。したがって、一層優れた見栄えとすることができる。また、本件指輪とは別の指輪を指の付け根近傍に装着して楽しむこともできる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、指当て部は、長手方向の中間点を平面に接地した場合に、長手方向のリング部に近い側の一方の端部と前記中間点を結んだ線と平面上の直線とがなす角は、長手方向のリング部に遠い側の他方の端部と前記中間点を結んだ線と前記平面上の直線とがなす角よりも小さいことを特徴としている。したがって、装着時に指先に抵抗を感じることなくスムーズに装着することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、指当て部は、平面視した場合に、装着される指の長手方向の長さが指の幅方向の長さよりも長い略スプーン形状であって、長手方向のリング部に近い側の一方の端部側に切欠き部が形成されていることを特徴としている。したがって、装着時に指先に抵抗を感じることなくスムーズに装着することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、指当て部の当接面とは反対側の裏面は、凸状の曲面であることを特徴としている。したがって、指当て部を平面に対して点接触させることができるので、タッチしたい箇所にピンポイントで接触させることができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、指当て部の当接面とは反対側の裏面に、アーム部の一端が固定されていることを特徴としている。したがって、指がアーム部に接触することなく装着することができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1~6のいずれかの発明において、リング部の頂部又は頂部近傍に装飾部が固定されていると共に、前記リング部の下部又は下部近傍に、アーム部の他端が固定されていることを特徴としている。したがって、装飾部によって見栄えを良くすることができると共に、指がアーム部に接触することなく装着することができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1~7のいずれかの発明において、指当て部は、金属で形成されていることを特徴としている。したがって、静電容量方式のタッチパネル等の操作を容易に行うことができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1~8のいずれかの発明において、アーム部は、側面視した場合に、下に凸の略U字形状であって、変形可能であることを特徴としている。したがって、指がアーム部に接触することなく装着することができると共に、指当て部とリング部との間の長さを調節することができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1~9のいずれかの発明において、リング部は、一端と、他端とを有するリング状に形成されていると共に、前記一端と前記他端とは固着されておらず、直径が拡大又は縮小する方向に変形可能であることを特徴としている。したがって、リング部を使用者の指の太さに合わせてその場で調節することができる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1~10のいずれかの発明において、リング部を正面視した場合には、縦長の略楕円形状に形成されていることを特徴としている。したがって、装着時に、使用者の指の側部が指当て部の当接面に対向する位置にくるようにリング部から挿入すれば、挿入し易くなると共に、その後で指輪を90度回転させることによって、指紋が形成されている指の表面を指当て部の当接面に確実に当接させることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明は、指当て部を使用者の指先にフィットさせることができると共に、当該指当て部でエレベーターのボタン等を操作することができるので、使用者の指が直接エレベーターのボタン等に触れることを防止して、感染症の予防を行うことができる。また、普段使いにおける装飾性、機能性及びデザイン性に優れた指輪とすることができる。
【0020】
請求項2の発明は、一層優れた見栄えとすることができると共に、本件指輪とは別の指輪を指の付け根近傍に装着して楽しむこともできる。また、請求項3及び4の発明は、装着時に指先に抵抗を感じることなくスムーズに装着することができる。また、請求項5の発明は、指当て部をタッチしたい箇所にピンポイントで接触させることができる。
【0021】
請求項6及び7の発明は、指がアーム部に接触することなく装着することができる。また、請求項8の発明は、静電容量方式のタッチパネル等の操作を容易に行うことができる。また、請求項9の発明は、指がアーム部に接触することなく装着することができると共に、指当て部とリング部との間の長さを調節することができる。
【0022】
請求項10の発明は、リング部を使用者の指の太さに合わせてその場で調節することができる。また、請求項11の発明は、指をリング部に挿入し易くすると共に、指紋が形成されている指の表面を指当て部の当接面に確実に当接させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る指輪の斜視図
図2】本発明に係る指輪の正面図
図3】本発明に係る指輪の背面図
図4】本発明に係る指輪の平面図
図5】本発明に係る指輪の底面図
図6】本発明に係る指輪の右側面図
図7図4のA-A断面図
図8】本発明に係る指輪の使用状態を示す斜視図
図9】本発明に係る指輪の使用状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1は、本発明に係る指輪の斜視図であり、図2は、正面図、図3は、背面図、図4は、平面図、図5は、底面図、図6は、右側面図である。これらの図を用いて本発明に係る指輪の詳細について以下に説明する。
【0025】
本発明に係る指輪10は、指が挿入されるリング部1と、指紋が形成されている指の表面を当接可能な当接面2aを備えた指当て部2と、リング部1と指当て部2とを連結するアーム部3と、リング部1に固定される装飾部4とを有しており、指当て部2の当接面2aが、凹状の曲面にて形成されている。上記構成により、指当て部2を使用者の指先にフィットさせることができると共に、指当て部2でエレベーターのボタン等を操作することができるので、使用者の指が直接エレベーターのボタン等に触れることを防止して、感染症の予防を行うことができる。また、リング部1に装飾部4が固定されているので、普段使いにおける装飾性に優れた指輪10とすることができる。また、リング部1と指当て部2とをアーム部3で連結する構成としているので、機能性及びデザイン性に優れた指輪とすることができる。
【0026】
指当て部2は、平面視した場合に、装着される指の長手方向の長さが指の幅方向の長さよりも長い略スプーン形状であって、長手方向のリング部1に近い側の一方の端部側に切欠き部2dが形成されている。この切欠き部2dが形成されていることによって、装着時に指先に抵抗を感じることなくスムーズに装着することができる。尚、指当て部は、金属で形成されるのが好ましい。これにより、静電容量方式のタッチパネル等の操作を容易に行うことができる。また、指当て部2の周縁には、面取り部2fが形成されており、使用者の指が傷つかないようにしている。
【0027】
指当て部2の当接面2aとは反対側の裏面2eは、凸状の曲面で形成されている。これにより、指当て部2を平面に対して点接触させることができるので、タッチしたい箇所にピンポイントで接触させることができる。また、指当て部2の当接面2aとは反対側の裏面2eに、アーム部3の一端3aが固定されているので、指がアーム部3に接触することなく装着することができる。
【0028】
リング部1の頂部1a又は頂部近傍に装飾部4が固定されるようにしていると共に、リング部1の下部1b又は下部近傍に、アーム部3の他端3bが固定されるようにしている。これにより、装飾部4によって見栄えを良くすることができると共に、指がアーム部3に接触することなく装着することができる。
【0029】
アーム部3は、側面視した場合に、下に凸の略U字形状であって、変形可能としている。即ち、浅いU字形状に変形すれば、アーム部3の長さを長くすることができ、深いU字形状に変形すれば、アーム部3の長さを短くすることができる。これにより、指がアーム部3に接触することなく装着することができると共に、指当て部2とリング部1との間の長さを調節することができる。
【0030】
リング部1は、一端1cと、他端1dとを有するリング状に形成されていると共に、一端1cと他端1dとは固着されておらず、直径が拡大又は縮小する方向に変形可能としている。これにより、リング部1を使用者の指の太さに合わせてその場で調節することができる。
【0031】
リング部1を正面視した場合には、縦長の略楕円形状に形成されている。これにより、装着時に、使用者の指の側部が指当て部2の当接面2aに対向する位置にくるようにリング部1から挿入すれば、挿入し易くなる。また、その後、指輪10を90度回転させることによって、指紋が形成されている指の表面を指当て部2の当接面2aに確実に当接させることができる。
【0032】
図7は、図4のA-A断面図である。この図に示すように、指当て部2は、長手方向の中間点Xを平面に接地した場合に、長手方向のリング部に近い側の一方の端部2bと中間点Xを結んだ線Aと平面上の直線Yとがなす角Cは、長手方向のリング部に遠い側の他方の端部2cと中間点Xを結んだ線Bと平面上の直線Yとがなす角Dよりも小さくなるように形成されている。尚、中間点Xは、中間点Xを含む平面上の直線Yに一方の端部2bから下ろした垂線が交わる点Fと、直線Yに他方の端部2cから下ろした垂線が交わる点Eとの中間に位置する点である。このように指当て部2を形成することによって、装着時に指先に抵抗を感じることなくスムーズに装着することができると共に、指紋が形成されている指の表面に指当て部2の当接面2aを密着させることができる。
【0033】
図8及び図9は、本発明に係る指輪の使用状態を示す斜視図である。これらの図に示すように、指輪10を指Gに装着した状態で、指の第1関節Hと第2関節Iの間に装飾部4が位置するようにしている。尚、指の長さは個人差があるが、前述した変形可能なアーム部の長さを調節して、好みの位置に装飾部を配置させることができる。これにより、一層優れた見栄えとすることができる。また、指輪10とは別の指輪を先に指Gの付け根近傍に装着しておけば、さらに一層華やかな見栄えとすることができる。
【0034】
また、図9に示すように、指輪10を指Gに装着した状態で、スマートフォン5のタッチパネル5aに指当て部2を接触させてスクロール等の操作を行うことができる。また、指輪10を装着した状態で、平面方向(爪側)から指Gを視た場合には、指当て部2の大部分は視認されず、面取り部2fが確認できる程度なので、優れた見栄えとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る指輪は、使用者の指に装着されて指先を保護することができる装飾品として利用される。
【符号の説明】
【0036】
1 リング部
1a 頂部
1b 下部
1c 一端
1d 他端
2 指当て部
2a 当接面
2b 一方の端部
2c 他方の端部
2d 切欠き部
2e 裏面
2f 面取り部
3 アーム部
3a アーム部の一端
3b アーム部の他端
4 装飾部
10 指輪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9