(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104762
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】棒状体の切断保持装置
(51)【国際特許分類】
A01G 23/08 20060101AFI20220704BHJP
【FI】
A01G23/08 501B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020220098
(22)【出願日】2020-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】593003949
【氏名又は名称】ウエダ産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】植田 敏治
(72)【発明者】
【氏名】吉川 忠男
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アタッチメントを取り換えることなく立木等の切断と保持が行えるショベルを提供する。
【解決手段】両側に相対するように一対の作動アーム8a、8bが開閉可能に設けられるとともに、前記作動アーム8a、8bの側位置に開閉方向に沿って配置され、一方縁部に沿って刃部14が設けられた刃プレート10を備え、前記刃プレート10が一方配置位置において前記作動アームの閉じ動作に伴って前記刃部14により一方の前記作動アーム8aとの間の棒状体Rを切断し、前記刃プレート10が他方配置位置において前記一対の作動アーム8a、8b間に相対することがないことを特徴とする棒状体の切断保持装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に相対するように一対の作動アームが開閉可能に設けられるとともに、前記作動アームの側位置に開閉方向に沿って配置され、一方縁部に沿って刃部が設けられた刃プレートを備え、
前記刃プレートが一方配置位置において前記作動アームの閉じ動作に伴って前記刃部により一方の前記作動アームとの間の棒状体を切断し、前記刃プレートが他方配置位置において前記一対の作動アーム間に相対することがないことを特徴とする棒状体の切断保持装置。
【請求項2】
前記刃プレートの前記一方と前記他方の位置において兼用される固定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の棒状体の切断保持装置。
【請求項3】
前記一対の作動アームの閉じた状態おいて、前記一方の作動アームの収納凹部内に前記他方の作動アームの先端側が納まるようになっている請求項1記載の棒状体の切断保持装置。
【請求項4】
ショベルのアーム側への取付け部と前記作動アームが設けられた本体部を備え、前記取付け部側への前記本体部の連結が旋回台を介してなされてなる請求項1記載の棒状体の切断保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ショベルにおける立木等の切断保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ショベルにおいて立木を切断、保持して搬送を行うには、切断用、保持用の異なる機能を有するアタッチメント(装置)をショベルに取り換え連結使用することで行っており、非常に手間がかかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は上記の事情に鑑みて行ったもので、ショベルにおいてアタッチメントを取り換えることなく立木等の切断と保持が行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明では、両側に相対するように一対の作動アームが開閉可能に設けられるとともに、前記作動アームの側位置に開閉方向に沿って配置され、一方縁部に沿って刃部が設けられた刃プレートを備え、前記刃プレートが一方配置位置において前記作動アームの閉じ動作に伴って前記刃部により一方の前記作動アームとの間の棒状体を切断し、前記刃プレートが他方配置位置において前記一対の作動アーム間に相対することがないことを特徴とする棒状体の切断保持装置提供をする。
【0005】
上記構成の切断保持装置によれば、刃プレートの一方配置位置において作動アームの閉じ動作に伴って刃部により棒状体の切断がなされ、他方配置位置において刃プレートに妨げられることなく作動アームにより棒状体の保持がなされる。これにより一個の刃プレートが使用されることで、棒状体の切断と保持との両機能が果たされる。
【0006】
刃プレートの一方と他方の配置位置において兼用される固定手段を備えることで、固定構成が簡単で、かつ、固定作業が容易に行われる。
【0007】
一対の作動アームの閉じた状態おいて、一方の作動アームの収納凹部内に他方の作動アームの先端側が納まる構成より、その閉じ状態がおいて作動アームが安定する。
【0008】
ショベルのアーム側への取付け部と作動アームが設けられた本体部を備え、取付け部側への本体部の連結が旋回台を介してなされてなる構成により、旋回により作動アームの方向が適宜調整される。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ショベル作業においてアタッチメントを取り換えることなく立木等の切断と保持しながらの搬送が行えて、作業効率が各段に向上される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】 この発明の切断保持装置の実施形態の斜視図
【
図2】 この発明の切断保持装置の実施形態の平面図
【
図3】 この発明の切断保持装置の実施形態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、
図3はこの発明の棒状体の切断保持装置の実施形態の斜視図、
図2は同平面図であり、切断保持装置(アタッチメント)1は上部にアームへの連結部3を備え、連結部3は旋回台5を介して本体部7に連続し、本体部7には両側に相対するように大小の一対の作動アーム8a、8bが開閉可能に設けられている。作動アーム8a、8bのそれぞれは油圧シリンダーにより連動して開閉動作を行う。作動アーム8aは作動アーム8bより広幅で、かつ、長く形成されて内面側に収納凹部9aを備え、これにより作動アーム8a、8bが閉じた状態おいては、収納凹部9a内に作動アーム8bの先端9b側が安定して納まるようになっている。
【0012】
刃プレート10は中央が回転軸12により回転可能に取り付けられ、
図3が示す鋸状の 刃部14が作動アーム8a、8b間に露呈する位置と、
図1、
図2の露呈しない位置に選択的に配置され、それぞれの状態の固定は一対の固定ピン16が挿入されること行われる。刃プレート10は一方縁部11に沿って刃部14が設けられ、所定の回転配置位置において作動アーム8a、8bの閉じ動作に伴って一方の作動アーム8aとの間の棒状体を刃部14により切断するようになっている。刃プレート10が回転され刃部14が上方に位置する際には、他方縁部13が直線状に切り欠かれていることで作動アーム8a、8b間に刃プレート10が相対しないようになっている
【0013】
以下、動作説明を行う。切断保持装置1は
図2に示すように水平とされて用いられ、立木(棒状体)Rを切断し保持して搬送する場合は、刃プレート10は刃部14を作動アーム8a、8b間に露呈する状態において固定ピン16それぞれにより固定されて使用される。まず、ショベル操作により立木Rを
図4示す位置に配置して作動アーム8aの基部と刃部14の端部間に位置させる。この位置合わせは旋回台5が旋回することで容易になされる。次に作動アーム8aの閉じ作動を開始し、
図5に示すように、作動アーム8aと刃部14のとの間に立木Rを挟む状態とし、さらに閉じ作動を継続して行うことで立木Rを刃部14に押し付けて、
図6に示すように、立木Rを押し切り切断する。切断後おける立木片の下端部分を両作動アーム8a、8bにより保持する状態において立木片の搬送が行われる。
【0014】
立木Rを切断することなく、地面上にある倒木の等の長尺の棒状材を搬送する場合は、切断保持装置1は、
図1に示すように、垂直とされた両作動アーム8a、8bで棒状材を挟むようにして用いられる。刃プレート10は固定ピン16が外されて回転されることで、
図3の状態から
図1の状態に容易にその方向が変えられる。刃プレート10は他方縁部13が下方位置状態とされ、その位置において固定ピン16それぞれにより固定される。刃プレート10がその配置位置において一対の作動アーム8a、8b間に相対しないので、両作動アーム8a、8bでの棒状材の挟み動作が支障なく行われる。刃プレート10の両配置位置での固定が固定ピン16で兼用されることにより、無駄の無い構成で、かつ、固定作業が容易に行われる。
【符号の説明】
【0015】
1 切断保持装置
8a、8b 作動アーム
10 刃プレート
14 刃部
R 立木(棒状体)