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特開2022-104789前面インターポーザ端子とモジュールを通じる熱散逸構造とを有する回路モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104789
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】前面インターポーザ端子とモジュールを通じる熱散逸構造とを有する回路モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20220704BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20220704BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20220704BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/36 C
H01L23/12 J
H01L23/30 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021169272
(22)【出願日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】17/136,408
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ブーン ユー ロー
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド エイ.サントス
(72)【発明者】
【氏名】リー リー
(72)【発明者】
【氏名】フイ イー リム
(72)【発明者】
【氏名】ラン チュー タン
【テーマコード(参考)】
4M109
5F136
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA03
4M109DA10
4M109DB16
4M109EE05
4M109EE06
4M109GA05
5F136BB02
5F136BB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パワートランジスタダイによって生成された熱経路が、システムPCBから離れる方向に延びる異なる構成を必要とする。
【解決手段】電力増幅器モジュール200において、モジュール基板210は、モジュール基板の頂面209及び底面211間に延びる1つ又は複数の熱散逸構造316を備える。ダイ234、254は、モジュール基板210の頂面209にて露出した熱散逸構造316の表面に対し物理的及び電気的に結合されている。熱散逸構造316の底面318は、モジュール基板210の底面211にて露出するか又は底部導体層304により覆われている。熱散逸構造316は、ダイ234、254と熱散逸構造316の底面318との間に熱経路を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路モジュールであって、
搭載面と前記搭載面における複数の導体パッドとを有するモジュール基板と、
前記モジュール基板を通じて延びる第1熱散逸構造であって、第1面および第2面を有し、前記第1熱散逸構造の前記第1面が前記モジュール基板の前記搭載面にて露出している、第1熱散逸構造と、
前記第1熱散逸構造の前記第1面に対し結合された第1半導体ダイと、
前記モジュール基板の前記搭載面および前記第1半導体ダイを覆う封入材料であって、前記封入材料の第1面は前記回路モジュールの接触面を形成する、封入材料と、
前記封入材料内に埋め込まれた第1インターポーザであって、前記複数の導体パッドのうちの第1導体パッドに対し結合された基端と、前記回路モジュールの前記接触面にて露出している先端と、を有する第1導体端子を備える、第1インターポーザと、を備える、回路モジュール。
【請求項2】
前記第1インターポーザは、
前記第1導体端子が内部に埋め込まれた誘電体をさらに備える、請求項1に記載の回路モジュール。
【請求項3】
前記第1導体端子は、前記誘電体を通じて延びる導体ビアと、前記誘電体の第1面上にあり前記導体ビアと接触している第1導体パッドと、前記誘電体の第2面にあり前記導体ビアと接触している第2導体パッドと、を備える、請求項2に記載の回路モジュール。
【請求項4】
前記第1インターポーザは、
前記誘電体に埋め込まれた1つ以上の追加の導体端子をさらに備える、請求項2に記載の回路モジュール。
【請求項5】
前記複数の導体パッドは、前記モジュール基板の前記第1側面に位置し、前記モジュール基板の第1、第2、第3、および第4側面は、前記封入材料の第1、第2、第3、および第4側面と同一平面にあり、前記第1インターポーザは、前記封入材料の前記第1側面にて露出している、請求項1に記載の回路モジュール。
【請求項6】
前記第1導体端子は、前記封入材料の前記第1側面にて露出していない、請求項5に記載の回路モジュール。
【請求項7】
前記第1導体端子は、前記封入材料の前記第1側面にて露出している、請求項5に記載の回路モジュール。
【請求項8】
前記モジュール基板を通じて延びる第2熱散逸構造であって、第1面および第2面を有し、前記第2熱散逸構造の前記第1面は前記モジュール基板の前記搭載面にて露出している、第2熱散逸構造と、
前記第2熱散逸構造の前記第1面に対し結合された第2半導体ダイと、をさらに備え、
前記複数の導体パッドは、前記第1熱散逸構造と第2熱散逸構造との間に位置する、請求項1に記載の回路モジュール。
【請求項9】
前記第1インターポーザは、
前記第1半導体ダイと前記第2半導体ダイとの間に導体壁を形成するように配置された複数の追加の導体端子をさらに備える、請求項8に記載の回路モジュール。
【請求項10】
前記第1端子は、前記第1半導体ダイと前記第2半導体ダイとの間に導体壁を形成するトレンチビアを備える、請求項8に記載の回路モジュール。
【請求項11】
前記第1インターポーザは、誘電体をさらに備え、
前記第1導体端子は、前記誘電体の表面上に導体層を備える、請求項8に記載の回路モジュール。
【請求項12】
前記封入材料内に埋め込まれた第2インターポーザをさらに備え、前記第2インターポーザは、前記複数の導体パッドのうちの第2導体パッドに対し結合された基端と前記回路モジュールの前記接触面にて露出している先端とを有する第2導体端子を備え、
前記第1インターポーザは、前記封入材料の第1側面にて露出しており、前記第2インターポーザは、前記封入材料の第2側面にて露出している、請求項1に記載の回路モジュール。
【請求項13】
前記熱散逸構造は、金属コインと1組のサーマルビアとから選択された導体構造を備える、請求項1に記載の回路モジュール。
【請求項14】
前記モジュール基板のグランド層は、前記熱散逸構造に接触する、請求項1に記載の回路モジュール。
【請求項15】
電子システムであって、
第1搭載面および前記第1搭載面にて露出している導体パッドを有するシステム基板と、
接触面およびヒートシンク取付面を有する回路モジュールと、を備え、前記回路モジュールは、前記システム基板の前記第1搭載面が前記回路モジュールの前記接触面と面するように前記システム基板に対し結合され、前記回路モジュールは、
第2搭載面および前記第2搭載面における複数の導体パッドを有するモジュール基板と、
前記モジュール基板を通じて延びる第1熱散逸構造であって、第1面および第2面を有し、前記第1熱散逸構造の前記第1面は前記モジュール基板の前記第2搭載面にて露出している、第1熱散逸構造と、
前記第1熱散逸構造の前記第1面に対し結合された第1半導体ダイと、
前記第2搭載面および前記第1半導体ダイを覆う封入材料であって、前記封入材料の第1面が前記回路モジュールの前記接触面を形成する、封入材料と、
前記封入材料内に埋め込まれた第1インターポーザであって、前記複数の導体パッドのうちの第1導体パッドに対し結合された基端と、前記回路モジュールの前記接触面にて露出しており前記システム基板の前記第1導体パッドに対し電気的に結合されている先端と、を有する第1導体端子を備える、第1インターポーザと、をさらに備える、電子システム。
【請求項16】
前記ヒートシンク取付面に対し結合されたヒートシンクをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
回路モジュールを作製する方法であって、
半導体ダイを、モジュール基板を通じて延びる熱散逸構造に対し結合する工程であって、
前記モジュール基板は、第1搭載面、第1、第2、第3、および第4側面と、前記第1搭載面における複数の導体パッドと、を有し、
前記熱散逸構造の第1面は、前記モジュール基板の前記第1搭載面にて露出している、工程と、
第1インターポーザを前記モジュール基板に対し結合する工程であって、前記第1インターポーザは、前記複数の導体パッドのうちの第1導体パッドに対し結合された基端を有する第1導体端子を備える、工程と、
前記モジュール基板の前記搭載面、前記第1半導体ダイ、および前記第1インターポーザを封入材料により覆う工程であって、前記封入材料の第1面は前記回路モジュールの接触面を形成し、前記第1導体端子の先端は前記接触面にて露出している、工程と、を備える方法。
【請求項18】
前記回路モジュールをシステム基板に対し、前記システム基板の第2搭載面が前記回路モジュールの前記接触面に面するように結合する、工程をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記回路モジュールは、前記接触面とは反対にあるヒートシンク取付面を有し、
ヒートシンクを前記回路モジュールの前記ヒートシンク取付面に対し結合する工程をさらに備える、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において記載される主題の実施形態は、一般に、回路モジュールに関し、より詳細には、パワートランジスタダイを備える電力増幅器モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、無線周波数(RF)信号の電力を増加させるための電力増幅器モジュールを利用する。電力増幅器モジュールは、モジュール基板とそのモジュール基板の搭載面に対し結合された増幅器回路とを備える。典型的なモジュール基板は、モジュールの底面(すなわち、モジュールと搭載面の反対にある面)に入力および出力(I/O)端子を備え、また、モジュール基板を通じモジュール基板にわたって、I/O端子とボンドパッドとの間に延びる導体信号ルーティング構造を備えてもよい。さらに、1つまたは複数のグランド/熱散逸構造が、モジュール基板を通じて、搭載面と底面との間に延びてよい。
【0003】
増幅器回路は、多くの場合、底面導体グランド層を有する1つ以上の集積されたパワートランジスタを有するパワートランジスタダイを備える。パワートランジスタダイの底面導体グランド層は、モジュール基板の搭載面にて露出されたグランド/熱散逸構造の表面に対し直接接続される。パワートランジスタダイから熱を取り除く機能とともに、グランド/熱散逸構造は、パワートランジスタダイに対しグランド基準を提供するように機能してよい。
【0004】
モジュール基板とパワートランジスタダイとの間においてRF信号を伝達するように、モジュールの搭載面におけるボンドパッドとパワートランジスタダイのI/Oボンドパッドとの間に電気的接続が作られる。集積されたパワートランジスタが電界効果トランジスタ(FET)であるとき、ダイの入力ボンドパッドは、FETのゲート端子に対し接続され、ダイの出力ボンドパッドはFETのドレイン端子に対し接続される。FETのソース端子がダイを通じて底面導体グランド層に対し結合され、その導体グランド層は、上記の通り、同様にモジュール基板のグランド/熱散逸構造に対し接続される。
【0005】
上記の電力増幅器モジュールを通信システムへと統合するように、モジュールは、典型的には、プリント回路板(PCB)の搭載面に対し結合される。より詳細には、底面モジュール信号I/O端子が、PCB搭載面上の対応する信号I/Oパッドと位置整合するように、モジュール基板底面は、システムPCBの頂面に対し接続される。これに加えて、モジュールのグランド/熱散逸構造が、システムPCBを通じて延びるPCBヒートスプレッダに接触するように、モジュール基板は、システムPCBに対し接続される。したがって、モジュールのグランド/熱散逸構造とシステムPCBヒートスプレッダとの組合せは、パワートランジスタダイによって発生した熱を取り除くための熱経路を提供することと、パワートランジスタダイに対しグランド基準を提供することとの、二重の機能を果たしてよい。
【0006】
動作中、パワートランジスタは、トランジスタダイの入力ボンドパッドを通じて受信された入力RF信号を増幅し、増幅されたRF信号をトランジスタダイの出力ボンドパッドに対し伝達する。その間中、パワートランジスタダイによって発生した熱は、モジュール基板に埋め込まれたグランド/熱散逸構造を通じて、またシステムPCBヒートスプレッダを通じて散逸し、グランド基準もグランド/熱散逸構造とシステムPCBヒートスプレッダとを通じて提供される。
【0007】
上記の構成は、多くの用途について上手く機能する。しかしながら、他の用途は、パワートランジスタダイによって生成された熱のための熱経路が、システムPCBを通じてというよりはむしろシステムPCBから離れる方向に延びる、異なる構成を必要とする。しかしながら、そうした異なる構造は、入出力信号、バイアス電圧、および十分なグランド基準をパワートランジスタダイに提供することに関連する困難を含む、新たな困難を生じる。
【0008】
以下の図面とともに考慮されるとき、主題のより完全な理解が、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することによって得られる。同様の参照番号は、図面を通して同様の要素を参照する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7755186号明細書
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電力増幅器モジュールにおけるドハティ電力増幅器の概略図。
図2】例示的な実施形態に従う、図1のドハティ電力増幅器を具現化する電力増幅器モジュールの頂面図。
図3図2の電力増幅器モジュールの線3-3線に沿った側面断面図。
図4】例示的な実施形態に従う、電力増幅器モジュールの前面図。
図5A】2つの例示的な実施形態に従う、端子インターポーザの頂面図。
図5B】2つの例示的な実施形態に従う、端子インターポーザの頂面図。
図5C】2つの例示的な実施形態に従う、端子インターポーザの側面図。
図6A】さらに別の例示的な実施形態に従う、端子インターポーザの頂面図。
図6B】さらに別の例示的な実施形態に従う、端子インターポーザの側面図。
図7A】例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザ頂面図。
図7B】例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザ側面図。
図8】別の例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザの斜視図。
図9A】さらに別の例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザの頂面図。
図9B】さらに別の例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザの側面図。
図10】例示的な実施形態に従う、システム基板およびヒートシンクに対し結合された図2の電力増幅器モジュールを備える増幅器システムの断面側面図。
図11】例示的な実施形態に従う、電力増幅器モジュールと増幅器システムとを作製するための方法のフローチャート。
図12】例示的な実施形態に従う、製造の第1段階におけるモジュール基板のパネルの頂面図。
図13】例示的な実施形態に従う、製造の第2段階におけるモジュール基板のパネルの頂面図。
図14A】例示的な実施形態に従う、製造の第3段階における、図13のモジュール基板のパネルの側面図。
図14B】例示的な実施形態に従う、製造の第4段階における、図13のモジュール基板のパネルの側面図。
図15A】別の例示的な実施形態に従う、製造の第3段階における、図13のモジュール基板のパネルの側面図。
図15B】例示的な実施形態に従う、製造の第4段階における、図13のモジュール基板のパネルの側面図。
図15C】例示的な実施形態に従う、製造の第5段階における、図13のモジュール基板のパネルの側面図。
図16A】さらに別の例示的な実施形態に従う、製造の第3、第4および第5段階における、図13のモジュール基板のパネルの側面図。
図16B】さらに別の例示的な実施形態に従う、製造の第3、第4および第5段階における、図13のモジュール基板のパネルの側面図。
図17】例示的な実施形態に従う、シンギュレーション動作を行った後の、図14B図15Cおよび図16Bのモジュール基板のパネルの頂面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載される発明の主題の実施形態は、システム基板(例えば、プリント回路板(PCB))とそのシステム基盤に対し結合された電力増幅器モジュールとを備える増幅器システムを含む。電力増幅器モジュールは、搭載面を有するモジュール基板と、モジュール基板を通じて延びる埋め込まれた熱散逸構造と、搭載面にあり埋め込まれた熱散逸構造に対し接続された電力増幅器ダイと、1つまたは複数の端子と、シールドと、搭載面に対し接続されたグランドインターポーザと、のうちの1つ以上を備える。電力増幅器モジュールは、埋め込まれた熱散逸構造がシステム基板におけるヒートスプレッダに対し結合された従来のシステムとは対照的に、埋め込まれた熱散逸構造がシステム基板から離れるように「フリップされた配向」によりシステム基板に対し搭載される。したがって、一実施形態では、ヒートシンクが、電力増幅器モジュールの埋め込まれた熱散逸構造の露出面に対し直接接続されてよい。
【0012】
本明細書において記載される電力増幅器モジュールの実施形態は、様々な異なる種類の電力増幅器のうちのいずれかを実装するように利用されてよい。発明の主題の詳細を伝えるのに役立つ具体例を提供するように、ドハティ電力増幅器モジュールの一例が本明細書において利用される。しかしながら、当業者は、本明細書における記載に基づいて、発明の主題が、他の種類の増幅器を実装する電力増幅器モジュールにも同様に、および/または電力増幅器モジュール以外の電子回路モジュールにおいて利用されてよいことを理解する。したがって、発明の主題が他の種類の電力増幅器モジュールまたは電子回路モジュールに同様に用いられてよいため、以下の例示的な実施形態におけるドハティ電力増幅器の使用は、発明の主題の用途を限定することを意図しない。
【0013】
電力増幅器モジュールの様々な物理的実装を記載する前に、電力増幅器モジュール100において実装されるドハティ電力増幅器110の概略図である図1に対する参照がなされる。電力増幅器モジュール100は、本質的には、モジュール基板(例えば、モジュール基板210、図2)上に実装されたドハティ増幅器110を備える。ドハティ増幅器110は、一実施形態では、RF入力端子112と、RF出力端子114と、パワースプリッタ120と、1つまたは複数のキャリア増幅器ダイ(例えば、ダイ233,234、図2)を有するキャリア増幅器経路130と、1つまたは複数のピーク増幅器(例えば、ダイ253,254、図2)を有するピーク増幅器経路150と、位相遅延およびインピーダンス反転素子170と、合成ノード172と、を備える。
【0014】
後により詳細に議論されるように、一実施形態では、RF入力端子112およびRF出力端子114の各々は、端子インターポーザ(例えば、端子インターポーザ241,246、図2)の一実施形態により実装されてよい。これに加えて、以下により詳細に議論されるように、電力増幅器モジュール100は、様々な実施形態に係る、キャリア増幅器経路130およびピーク増幅器経路150の電力増幅器ダイに対し外部グランド基準を提供するように構成された、1つまたは複数のグランド端子148も備える。以下により詳細に記載される通り、様々な実施形態に従って、グランド端子148は、ダイについてのグランド戻りループを最適化するように電力増幅器ダイに対しごく近くに配置されたシールド/グランドインターポーザ(例えば、シールド/グランドインターポーザ247のグランド端子248、図2)の一実施形態により実装されてもよい。
【0015】
より大型のRFシステムへと組み込まれるとき、RF入力端子112は、RF信号源に対し結合され、RF出力端子114は負荷190(例えば、アンテナまたは他の負荷)に対し結合される。RF信号源は、典型的には1つまたは複数のキャリア周波数を中心としたスペクトルエネルギーを含むアナログ信号である、入力RF信号を提供する。根本的には、ドハティ増幅器110は、入力RF信号を増幅させるように、また増幅されたRF信号をRF出力端子114にて生成するように構成される。
【0016】
パワースプリッタ120は、一実施形態では、1つの入力122と2つの出力124,126を有する。パワースプリッタ入力122は、入力RF信号を受信するように、RF入力端子112に対し結合されている。パワースプリッタ120は、入力122において受信されたRF入力信号を、出力124,126を通じてキャリアおよびピーク増幅器経路130,150に対しそれぞれ提供される、第1および第2のRF信号(またはキャリアおよびピーク信号)へと分割するように構成されている。一実施形態によれば、パワースプリッタ120は、ピーク信号が出力126に提供される前に、第1の位相シフト(例えば、約90度の位相シフト)をピーク信号に対し与えるように構成された第1の位相シフト素子を備える。したがって、出力124および126では、キャリアおよびピーク信号は、互いから位相が約90度ずれている。
【0017】
ドハティ増幅器110が対照的な構成(すなわち、キャリアおよびピーク増幅器パワートランジスタが、寸法においてほぼ同一である構成)を有するとき、パワースプリッタ120は、入力122にて受信された入力RF信号を、いくつかの実施形態では、等しい電力を有する非常に類似した2つの信号へと分割またはスプリットしてよい。対照的に、ドハティ増幅器110が非対称な構成(すなわち、増幅器パワートランジスタのうちの一方が、典型的にはピーク増幅器トランジスタが、非常に大きい構成)を有するとき、パワースプリッタ120は、等しくない電力を有するキャリアおよびピーク信号を出力してよい。
【0018】
パワースプリッタ120の出力124,126は、キャリアおよびピーク増幅器経路130,150に対しそれぞれ接続されている。キャリア増幅器経路130は、スプリッタ120からのキャリア信号を増幅するように、また増幅されたキャリア信号を電力合成ノード172に対し提供するように構成されている。同様に、ピーク増幅器経路150は、パワースプリッタ120からのピーク信号を増幅するように、また増幅されたピーク信号を電力結合ノード172に対し提供するように構成され、経路130,150は、増幅されたキャリアおよびピーク信号が電力結合ノード172において互いと同相にて到達するように設計される。
【0019】
一実施形態によれば、キャリア増幅器経路130は、入力回路131(例えば、インピーダンス整合回路を含む)と、1つまたは複数のキャリア増幅器ダイ(例えば、ダイ233,234、図2)を用いて実装されたキャリア増幅器132と、位相シフトおよびインピーダンス反転素子170と、を備える。
【0020】
キャリア増幅器132は、様々な実施形態では、RF入力端子134と、RF出力端子138と、入力および出力端子134,138間に結合された1つまたは複数の増幅段階と、を備える。RF入力端子134は、入力回路131を通じてパワースプリッタ120の第1の出力124に対し結合され、したがって、RF入力端子134は、パワースプリッタ120によって生成されたキャリア信号を受信する。
【0021】
キャリア増幅器132の各増幅段階は、パワートランジスタを備える。単一段階のキャリア増幅器132では、単一のパワートランジスタが単一の電力増幅器ダイ上に実装されてよい。2段階のキャリア増幅器132では、2つのパワートランジスタが単一の電力増幅器ダイ上に実装されてよく、または、図2に示される電力増幅器モジュールに例示されるように、各電力増幅器が別個のダイ(例えば、ダイ233,234、図2)上に実装されてよい。
【0022】
いずれにしても、各パワートランジスタは、制御端子(例えば、ゲート端子)と、第1および第2の電流搬送端子(例えば、ドレイン端子およびソース端子)とを備える。単一のパワートランジスタを備える単一段階デバイスでは、制御端子は、RF入力端子134に対し電気的に接続され、電流搬送端子のうちの一方(例えば、ドレイン端子)はRF出力端子138に対し電気的に接続され、他方の電流搬送端子(例えば、ソース端子)はグランド基準(または別の電圧基準)に対しグランド端子148を通じて電気的に接続される。対照的に、2段階増幅器は、直列に結合された2つのパワートランジスタを備え、第1のトランジスタは比較的低利得を有するドライバ増幅器トランジスタとして機能し、第2のトランジスタは比較的高利得を有する最終段階増幅器トランジスタとして機能する。そうした実施形態では、ドライバ増幅器トランジスタの制御端子は、RF入力端子134に対し電気的に接続され、ドライバ増幅器トランジスタの電流搬送端子のうちの一方(例えば、ドレイン端子)は、最終段階増幅器トランジスタの制御端子に対し電気的に接続されてよく、ドライバ増幅器トランジスタの他方の電流搬送端子(例えば、ソース端子)は、グランド端子148を通じてグランド基準に対し電気的に接続される。これに加えて、最終段階の増幅器トランジスタの電流搬送端子のうちの一方(例えば、ドレイン端子)は、RF出力端子138に対し電気的に接続され、最終段階増幅器トランジスタの他方の電流搬送端子(例えば、ソース端子)は、グランド端子148を通じてグランド基準(または別の電圧基準)に対し電気的に接続されてよい。
【0023】
パワートランジスタに加えて、入力および出力インピーダンス整合ネットワークの部分と、バイアス回路(図1に示されない)とが、キャリア増幅器132内に含まれてもよく、および/またはキャリア増幅器132に対し電気的に結合されてもよい。一実施形態では、例えば、端子インターポーザ(例えば、端子インターポーザ244、図2)の実施形態を通じて、バイアス電圧が提供されてよい。さらに、キャリア増幅器132が2段階デバイスである実施形態では、段階間の整合ネットワーク(図1に示されない)が、ドライバ増幅器トランジスタと最終段階増幅器トランジスタとの間においてキャリア増幅器132内に含まれてもよい。
【0024】
キャリア増幅器132のRF出力端子138は、一実施形態では、位相シフトおよびインピーダンス反転素子170を通じて、電力合成ノード172に対し結合されている。一実施形態によれば、インピーダンス反転素子は、キャリア増幅器132による増幅後に約90度の相対位相シフトをキャリア信号に対し与える、ラムダ/4(λ/4)伝送線路位相シフト素子である。インピーダンス反転素子170の第1端は、キャリア増幅器132のRF出力端子138に対し結合され、位相シフト素子170の第2端は、電力合成ノード172に対し結合されている。
【0025】
これよりピーク増幅器経路150を参照し、ピーク増幅器経路150は、一実施形態では、ピーク増幅器152と入力回路151(例えば、インピーダンス整合回路)とを備える。ピーク増幅器152は、様々な実施形態では、RF入力端子154と、RF出力端子158と、入力および出力端子154,158間に結合された1つまたは複数の増幅段階と、を備える。RF入力端子154は、パワースプリッタ120の第2の出力126に対し結合され、したがって、RF入力端子154は、パワースプリッタ120によって生成されたピーク信号を受信する。
【0026】
キャリア増幅器132と同様に、ピーク増幅器152の各増幅段階は、制御端子と第1および第2の電流搬送端子とを有するパワートランジスタを備える。ピーク増幅器152のパワートランジスタは、キャリア増幅器132の記載とともに上記されたものと同様にして、RF入力および出力端子154,158間に電気的に結合されてよい。キャリア増幅器132の記載とともに議論される追加の他の詳細は、ピーク増幅器152に対しても適用され、それらの追加の詳細は、簡潔さのためここでは繰り返さない。しかしながら、繰り返すべき1つの重要な点は、各ピーク増幅器トランジスタの電流搬送端子(例えば、ドライバおよび/または最終段階のピーク増幅器トランジスタのソース端子)は、キャリア増幅器132の記載とともに上記されたように、グランド端子148の一実施形態を通じてグランド基準(または別の電圧基準)に対し電気的に接続されてよいことである。
【0027】
ピーク増幅器152のRF出力端子158は、電力合成ノード172に対し結合されている。一実施形態によれば、ピーク増幅器152のRF出力端子158と電力合成ノード172とは共通の素子により実装される。より詳細には、一実施形態では、ピーク増幅器152のRF出力端子158は、ピーク増幅器152の合成ノード172、また出力端子158の両方として機能するように構成される。増幅されたキャリアおよびピーク信号の合成を行うように、また上述の通り、RF出力端子158(したがって、合成ノード172)は、位相シフトおよびインピーダンス反転素子170の第2端に対し接続される。他の実施形態では、合成ノード172は、RF出力端子158とは別個の素子であってよい。
【0028】
いずれにしても、増幅されたキャリアおよびピークRF信号は、同相で合成ノード172にて合成される。合成ノード172は、増幅され合成されたRF出力信号をRF出力ノード114に提供するように、RF出力端子114に対し電気的に結合される。一実施形態では、合成ノード172とRF出力ノード114との間の出力インピーダンス整合ネットワーク174が、適切な負荷インピーダンスをキャリアおよびピーク増幅器132,152の各々に対し提示するように機能する。得られた増幅されたRF出力信号は、RF出力ノード114にて生成され、RF出力ノード114には、出力負荷190(例えば、アンテナ)が接続される。
【0029】
増幅器110は、キャリア増幅器経路130が比較的低レベルの入力信号についての増幅を提供し、増幅経路130,150の両方が比較的高レベルの入力信号についての増幅を提供するべく組合せにより動作するように構成される。これは、例えば、キャリア増幅器132がクラスABモードにより動作するようにキャリア増幅器132にバイアスをかけることによって、またピーク増幅器152がクラスCモードにより動作するようにピーク増幅器152にバイアスをかけることによって、達成されてよい。
【0030】
図1に示され上記された実施形態では、スプリッタ120における第1の位相シフト素子は、増幅前に約90度の位相シフトをピーク信号に与え、位相シフトおよびインピーダンス反転素子170は、同様に、約90度の位相シフトを増幅されたキャリア信号に与え、その結果、増幅されたキャリアおよびピーク信号は、合成ノード172にて同相で合成されてよい。そうしたアーキテクチャは、非反転ドハティ増幅器アーキテクチャと呼ばれる。代替の実施形態では、スプリッタ120における第1の位相シフト素子は、増幅前に約90度の位相シフトを、ピーク信号にというよりはむしろキャリア信号に与えてよく、位相シフトおよびインピーダンス反転素子170が、代わりにピーク増幅器の出力に備えられてよい。そうした代替のアーキテクチャは、反転ドハティ増幅器アーキテクチャと呼ばれる。さらに他の代替の実施形態では、位相シフト素子の他の組合せが、増幅前にキャリア信号とピーク信号との間における約90度の位相差を達成するように、増幅前にキャリアおよび/またはピーク経路130,150において実装されてよく、増幅されたキャリアおよびピーク信号に付与された位相シフトは、信号が同相にて合成ノード172において合成されることを確実にするように、それに応じて選択されてよい。
【0031】
図2は、例示的な実施形態に従う、図1のドハティ可増幅回路を具現化する電力増幅器モジュール200の頂面図である。理解の向上のため、図2は、線3-3に沿った図2のモジュール200の断面側面図である図3と同時に参照されたい。本質的には、電力増幅器モジュール200は、多層モジュール基板210により実装されたドハティ電力増幅器(例えば、電力増幅器110、図1)と、複数のパワートランジスタダイ233,234,253,254と、他の電気コンポーネントと、を備える。これに加えて、電力増幅器モジュール200は、複数のインターポーザ241~247を備え、複数のインターポーザ241~247の各々は、以下により詳細に議論されるように、信号またはバイアス電圧を搬送するための、またはグランド基準に対し接続するための1つまたは複数の端子(例えば、端子212,214,261,262,265,266,267-1,267-2,267-3,268-1,268-2,269-3)を備える。電力増幅器モジュール200の様々なコンポーネントが、図1に示されるコンポーネントと対応し、図1図2図3との間において対応するコンポーネントは下2桁の数字が同一である(例えば、コンポーネント120および220は対応するコンポーネントである)ことに留意されたい。
【0032】
電力増幅器モジュール200は、多層プリント回路板(PCB)または他の適切な基板の形態におけるモジュール基板210を備える。モジュール基板210は、頂面209(「前面」または「搭載面」とも呼ばれる)および底面211(「後面」または「ヒートシンク取付面」とも呼ばれる)を有する。以下により詳細に記載されるように、複数のコンポーネントおよびインターポーザ241~247は、モジュール基板210の搭載面209に対し結合され、非導体封入材料380(例えば、可塑性封入材)は、モジュール200の頂面382(「接触面」とも呼ばれる)を形成するように、搭載面209上にまたコンポーネントおよびインターポーザ241~247のまわりに載置される。図3に示されるように、封入材料380は、封入材料380によって覆われたコンポーネント(例えば、スプリッタ220およびパワートランジスタダイ233,234,253,254)の最大高さよりも大きい厚さ384を有する。いくつかの実施形態では、厚さ384は、インターポーザ241~247の高さ385にほぼ等しいが、他の実施形態では、厚さ384は、インターポーザ241~247の高さ385よりもわずかに小さいかまたは大きくてよい。
【0033】
以下にもまたより詳細に記載されるように、インターポーザ241~247の下面または基面、より詳細には、インターポーザ241~247内に埋め込まれた端子(例えば、端子212,214,248,261,262,265,266,267-1,267-2,267-3,268-1,268-2,268-3,269)の基端は、モジュール基板210の搭載面209上の導体フィーチャに対し結合される。インターポーザ241~247の上面または先端面、より詳細には、端子の先端は、封入材料380の接触面382にて露出している。導体である取付材料(導体取付材料)383(例えば、はんだボール、はんだペースト、または導体接着剤)は、後により詳細に記載されるように、モジュール200のシステム基板(例えば、システム基板1010、図10)に対する電気的および機械的取付を容易にするように、端子の露出した先端に載置される。インターポーザ241~247およびその埋め込まれた端子の様々なフィーチャおよび実施形態が、後により詳細に議論される。
【0034】
図3に示されるように、モジュール基板210は、複数の導体層301,302,303,304と交互の配置により、複数の誘電体層305,306,307(例えば、FR-4、セラミック、または他のPCB誘電体材料から形成される)を備え、モジュール基板210の頂面209は、パターニングされた導体層301によって形成され、モジュール基板210の底面211は、導体層304によって形成される。モジュール基板210は3つの誘電体層305~307と4つの導体層301~304を備えるように示されるが、モジュール基板の他の実施形態は、より多数または少数の誘電体層および/または導体層を備えてよいことに留意されたい。
【0035】
異なる導体層301~304の各々は、主要目的を有してよく、また信号および/または他の層同士の間の電圧/グランドルーティングを行う導体フィーチャを備えてもよい。以下の記載は導体層301~304の各々についての主要目的を示すが、層(またはそれらの機能)は、図3に最もよく示され以下において議論される特定の配置とは異なって配置されてよいことが理解される。
【0036】
例えば、一実施形態では、モジュール基板210の搭載面209におけるパターニングされた導体層301は、主として信号導体層として機能してよい。より詳細には、層301は、複数の導体フィーチャ(例えば、導体パッドまたはトレース)を備え、複数の導体フィーチャは、ダイ233,234,253,254および他のディスクリートコンポーネント用の取付点として機能し、さらにダイ233,234,253,254と他のディスクリートコンポーネントとの間の電気的接続性を提供する。
【0037】
これに加えて、以下に議論されるように、層301は、インターポーザ241~247内の電気導体信号、バイアス、および/またはグランド端子(例えば、端子212,214,248,261,262,265,266,267-1,267-2,267-3,268-1,268-2,268-3)の取付用に具体的に指定された複数の導体パッド(例えば、パッド312,361,362、図3)を備えてよい。インターポーザ241~247の実施形態は、図5A図5C図6A図6B図7A図7B図8、および図9A図9Bとともにより詳細に記載される。層301は、「ダミー」端子(例えば、端子269)が取り付けられ得る複数の「ダミー」パッド(例えば、パッド369)を備えてもよい。本明細書において用いられる際、インターポーザの「ダミー」端子は、増幅器において任意の特定の機能が割り当てられておらず、任意の動的な回路構成に対し結合されていない端子である。様々な実施形態では、ダミー端子269およびダミーパッド369は、電気的に浮いたまま(すなわち、グランドまたは他の回路構成に対し結合されていない)であってよく、またはこれに代えて、グランド層(すなわち、随意の破線ビア312により示されるグランド層302)に対し結合されてよい。
【0038】
一実施形態では、第2のパターニングされた導体層302は、RFグランド層として機能する。RFグランド層302はまた、誘電体層305~307を通じて延びる導体ビア311,313,315により、信号導体層301の導体フィーチャに対し、またシステムグランド層304(以下に記載)に対し電気的に結合され得る複数の導体フィーチャ(例えば、導体トレース)を備える。例えば、導体グランド端子パッド361,362は、ビア311を通じてRFグランド層302に対し電気的に結合され、RFグランド層302は同様に、ビア313,315(および導体層303のルーティングフィーチャ)を通じてシステムグランド層304に対し電気的に結合される。
【0039】
第3のパターニングされた導体層303は、バイアス電圧をダイ233,234,253,254内のパワートランジスタ236,237,256,257に対し伝達するように機能し、上述の通り、ルーティング層として機能してもよい。最後に、第4の導体層304は、図10とともにより詳細に説明されるように、システムグランド層として、またヒートシンク取付層としても機能する。
【0040】
一実施形態によれば、モジュール基板210は、モジュール基板210の頂面および底面209,211間に延びる1つまたは複数の熱散逸構造316を備えてもよい。ダイ233,234,253,254は、モジュール基板210の頂面209にて露出した熱散逸構造316の表面に対し物理的および電気的に結合されている。熱散逸構造316の底面318は、モジュール基板210の底面211にて露出してよく、または熱散逸構造316の底面318は、図3に示されるように、底部導体層304により覆われてよい。いずれにしても、熱散逸構造316は、ダイ233,234,253,254と熱散逸構造316の底面318(したがって、モジュール基板210の底面)との間に熱経路を提供するように構成される。様々な実施形態では、熱散逸構造316は、モジュール基板210の表面209,211間に延びるスルーホールへと圧入されたおよび/または取付けられた導体金属コインを備えてよい。代替の実施形態では、熱散逸構造316の各々は、モジュール基板210の表面209,211間に延びる複数の(または1組の)導体サーマルビア(例えば、円形または棒状ビア)を備えてよい。図10とともにより詳細に記載されるように、熱散逸構造316の露出した底面318(またはそれらの表面318に重なる導体層304の部分)は、モジュール200が大型電気システム内に一体化されるとき、物理的および熱的にヒートシンク(例えば、ヒートシンク1016、図10)に対し結合される。
【0041】
電力増幅器モジュール200は、RF信号入力端子212(例えば、RF入力ノード112、図1)と、パワースプリッタ220(例えば、パワースプリッタ120、図1)と、2段階キャリア増幅器232(例えば、増幅器132、図1)と、2段階ピーク増幅器252(例えば、増幅器152、図1)と、様々な位相シフトおよびインピーダンス反転素子と、合成ノード272(例えば、合成ノード172、図1)と、出力インピーダンス整合ネットワーク274(例えば、ネットワーク174、図1)と、RF信号出力端子214(例えば、RF出力ノード114、図1)と、をさらに備える。
【0042】
端子212は、モジュール200用のRF信号入力端子として機能する。一実施形態によれば、端子212は端子インターポーザ241内に埋め込まれ、モジュール基板210の搭載面209にてRF信号入力パッド312に対し結合される。1つまたは複数の導体構造(例えば、示されるようなビア、トレース、および/またはワイヤボンド)を通じて、RF信号入力パッド312は、パワースプリッタ220への入力222に対し電気的に結合される。
【0043】
同様に、端子214はモジュール200用のRF信号出力端子として機能する。一実施形態によれば、端子214は端子インターポーザ246内に埋め込まれ、モジュール基板210の搭載面209にてRF信号出力パッド(図示せず)に対し結合される。1つまたは複数の導体構造(例えば、ビア、トレース、および/またはワイヤボンド)を通じて、RF信号出力パッドは、合成ノード272に対し電気的に結合される(ネットワーク274を通じて)。
【0044】
一実施形態によれば、グランド端子261,262,265,266はまた、モジュール200のRF入力およびRF出力にGSG(グランド-信号-グランド)端子構造260,264を提供するように、RF入力および出力端子212,214の「隣の」、またRF入力および出力端子212,214に「ごく近接した」端子インターポーザ241内に埋め込まれる。より詳細には、第1グランド端子がRF入力端子212の片側の隣に配置され、第2グランド端子262がRF入力端子212の反対側の隣に配置される。同様に、第3グランド端子265がRF出力端子214の片側の隣に配置され、第4グランド端子266がRF出力端子214の反対側の隣に配置される。本明細書において用いられる際、表現「ごく近接した」は、上の文脈では、グランド端子(例えば、グランド端子261,262,265または266)の側面と信号端子(例えば、信号端子212または214)のうち最も近い側面との間の物理的距離(例えば、距離387、図3)が、信号端子の幅の2倍未満であることを意味する。表現「隣の」は、上の文脈では、グランド端子(例えば、グランド端子265または266)と信号端子(例えば、信号端子212または214)との間に、他の端子または介在する電気的構造が存在しないことを意味する。代わりに、グランド端子と信号端子との間には、インターポーザ(例えば、インターポーザ260または264)の誘電体材料しか存在しない。
【0045】
グランド端子261,262,265,266の各々は、グランドパッド(例えば、グランドパッド361,362、図3)に対し結合された基端を有し、グランドパッドは、同様に、グランド層302および/または304に対し電気的に結合され、したがって各GSG端子構造260,264のグランド端子に「接地」している。GSG端子構造をモジュール200のRF入力とRF出力とに実装することによって、端子構造に関連する戻り電流ループの長さが非常に短くなってよい。これに加えて、RF入力および出力端子212,214からの放射電磁エネルギーは、近接するグランド端子261,262,265,266によってグランドに終端されてよく、放射電磁エネルギーがモジュールの他の部分に達することが可能であるときに生じ得る潜在的な性能問題を回避する。
【0046】
図2ではディスクリートダイおよび/またはコンポーネントが単一素子として示されているが、システム基板210の搭載面209に対し接続されたパワースプリッタ220(例えば、パワースプリッタ120、図1)は、1つまたは複数のディスクリートダイおよび/またはコンポーネントを備えてよい。パワースプリッタ220は、1つの入力端子222と2つの出力端子(番号が付されないが、図1の端子124,126に対応)とを備える。入力端子222は、1つまたは複数の導体構造(例えば、示されるようなビア、トレース、および/またはワイヤボンド)を通じてRF信号入力パッド312に対し、またRF信号入力端子212に対し電気的に結合され、したがって、入力RF信号を受信するように構成される。パワースプリッタ220の出力端子は、1つまたは複数の導体構造(例えば、ビア、トレース、および/またはワイヤボンド)および入力回路231,251(例えば、入力回路131,151、図1)を通じて、キャリアおよびピーク増幅器232,252用の入力235,255に対しそれぞれ電気的に結合される。
【0047】
パワースプリッタ220は、RF入力端子212を通じて受信した入力RF信号の電力を、パワースプリッタ220の出力端子にて生成される第1および第2のRF信号へとスプリットする。これに加えて、パワースプリッタ220は、スプリッタ出力端子に提供されたRF信号間に約90度の位相差を与えるように構成された1つまたは複数の位相シフト素子を備えてよい。パワースプリッタ220の出力にて生成された第1および第2のRF信号は、前記の通り、等しいまたは等しくない電力を有してよい。
【0048】
パワースプリッタの第1の出力は、キャリア増幅器経路に対し(すなわち、キャリア増幅器232または図1のキャリア増幅器経路130に対し)電気的に結合されており、パワースプリッタの第2の出力は、ピーク増幅器経路(すなわち、ピーク増幅器252または図1のピーク増幅器経路150に対し)に対し電気的に結合されている。第2のパワースプリッタ出力にて生成されたRF信号は、第1のパワースプリッタ出力にて生成されたRF信号から約90度遅延してよい。換言すると、ピーク増幅器経路に対し提供されるRF信号は、キャリア増幅器経路に対し提供されるRF信号から約90度遅延してよい。いずれにしても、パワースプリッタ220によって生成された第1RF信号は、キャリア増幅器経路232を通じて増幅され、パワースプリッタ220によって生成された第2のRF信号は、ピーク増幅器経路252を通じて増幅される。
【0049】
図2の特定の実施形態では、キャリア増幅器経路およびピーク増幅器経路の各々は、2段階の電力増幅器232,252を備え、電力増幅器232,252では、ドライバ段階トランジスタ236,256がドライバ段階ダイ233,253上に実装され、最終段階トランジスタ237,257が別個の最終段階のダイ234,254上に実装される。例えば、トランジスタ236,237,256,257の各々は、横方向拡散金属酸化物半導体(LDMOS)FETまたは高電子移動度トランジスタ(HEMT)などの電界効果トランジスタ(FET)であってよい。明細書および特許請求の範囲は、制御端子と2つの電流伝導端子とを備える各トランジスタを参照し得る。例えば、FETに関連する専門用語を用いて、「制御端子」はトランジスタのゲート端子を参照し、第1および第2の電流伝導端子はトランジスタのドレインおよびソース端子(またはソースおよびドレイン端子)を参照する。以下の記載は、FETデバイスとともに一般に用いられる専門用語を用いてよいが、様々な実施形態は、FETデバイスを利用する実装に限定されず、代わりにバイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)デバイスまたは他の適切な種類のトランジスタを利用する実装にも適用されることが意図される。
【0050】
キャリア増幅器232は、より詳細には、例示的な実施形態に従って、シリコンドライバ段階ダイ233と窒化ガリウム(GaN)最終段階ダイ234とを備え、ピーク増幅器252も、シリコンドライバ段階ダイ253とGaN最終段階ダイ254とを備える。他の実施形態では、キャリアおよびピーク増幅器232,252の各々は、単一ダイ上に実装された2段階の電力増幅器を備えてよく、または、キャリアおよびピーク増幅器232,252の各々は、単一ダイ上に実装された単一段階電力増幅器を備えてよい。さらに別の実施形態では、キャリアおよびピーク増幅器の各々は、別個のドライバおよび最終段階ダイ上に実装された2段階電力増幅器を備えてよいが、ドライバダイおよび最終段階ダイは、同一の半導体技術(例えば、ドライバと最終段階との両方のダイがシリコンダイまたはGaNダイ)を用いて形成されてよく、またはドライバおよび/または最終段階のダイが、上記の技術とは異なる半導体技術(例えば、ドライバダイおよび/または最終段階ダイがシリコンゲルマニウム(SiGe)および/またはガリウムヒ素(GaAs)ダイ)を用いて形成されてよい。
【0051】
キャリア増幅器経路は、上述のドライバ段階のダイ233と、最終段階ダイ234と、および位相シフトおよびインピーダンス反転素子270(例えば、素子170、図1)とを備える。キャリア増幅器経路232のドライバ段階ダイ233および最終段階ダイ234は、ドライバ段階ダイ233の入力端子の235(キャリア増幅器入力に対応)と最終段階ダイ234の出力端子238(キャリア増幅器出力に対応)との間において、カスケード配置により互いに電気的に結合されている。
【0052】
ドライバ段階ダイ233は、複数の集積回路を備える。一実施形態では、ダイ233の集積回路は、一実施形態では、入力端子235(例えば、入力端子135、図1)の直列結合された配置と、入力インピーダンス整合回路(番号が付されない)と、シリコンパワートランジスタ236と、段階間インピーダンス整合回路の集積部分(番号が付されない)と、番号が付されない出力端子と、を備える。より詳細には、トランジスタ236のゲートは、入力インピーダンス整合回路を通じて入力端子235に対し電気的に結合され、トランジスタ236のドレインは、出力インピーダンス整合回路を通じてダイ233の出力端子に対し電気的に結合される。トランジスタ236のソースは、ダイ233の底面における導体層(またはソース端子)に対し電気的に結合され、底部導体層は、熱散逸構造316の露出した頂面に対し物理的、電気的および熱的に結合される。
【0053】
ドライバ段階ダイ233の出力端子は、ワイヤボンドアレイ(番号が付されない)または別の種類の電気的接続により、最終段階ダイ234の入力端子に対し電気的に接続される。最終段階ダイ234も、複数の集積回路を備えてよい。一実施形態では、ダイ234の集積回路は、入力端子(番号が付されない)の直列結合された配置と、GaNパワートランジスタ237と、出力端子238(例えば、出力端子138、図1)と、を備える。より詳細には、トランジスタ237のゲートは、ダイ234の入力端子に対し電気的に結合され、トランジスタ237のドレインは、ダイ234の出力端子238に対し電気的に結合される。トランジスタ237のソースは、ダイ234の底面における導体層に対し電気的に結合され、底部導体層は、熱散逸構造316の露出した頂面に対し物理的、電気的および熱的に結合される。
【0054】
ピーク増幅器経路は、上述のドライバ段階ダイ253と最終段階ダイ254とを備える。ピーク増幅器経路252のドライバ段階ダイ253および最終段階のダイ254は、ドライバ段階ダイ253の入力端子255(ピーク増幅器入力に対応)と最終段階ダイ254の出力端子258(ピーク増幅器出力に対応)との間において、カスケード配置により互いに電気的に結合される。
【0055】
ドライバ段階ダイ253は、複数の集積回路を備える。一実施形態では、ダイ253の集積回路は、入力端子255の直列結合された配置(例えば、入力端子155、図1)と、入力インピーダンス整合回路(番号が付されない)と、シリコンパワートランジスタ256と、段階間インピーダンス整合回路の一体化された部分(番号が付されない)と、一実施形態において番号が付されない出力端子と、を備える。より詳細には、トランジスタ256のゲートは、インピーダンス整合回路を通じて入力端子255に対し電気的に結合され、トランジスタ256のドレインは、出力インピーダンス整合回路を通じてダイ253の出力端子に対し電気的に結合される。トランジスタ256のソースは、ダイ253の底面における導体層に対し電気的に結合され、底部導体層は、熱散逸構造316の露出した頂面に対し物理的、電気的および熱的に結合される。
【0056】
ドライバ段階ダイ253の出力端子は、ワイヤボンドアレイ(番号が付されない)または別の種類の電気的接続により、最終段階ダイ254の入力端子に対し電気的に接続される。最終段階ダイ254も、複数の集積回路を備えてよい。一実施形態では、ダイ254の集積回路は、入力端子(番号が付されない)の直列結合された配置と、GaNパワートランジスタ257と、出力端子258(例えば、出力端子158、図1)と、を備える。より詳細には、トランジスタ257のゲートは、ダイ254の入力端子に対し電気的に結合され、トランジスタ257のドレインは、ダイ254の出力端子258に対し電気的に結合される。トランジスタ257のソースは、ダイ254の底面における導体層に対し電気的に結合され、底部導体層は、熱散逸構造の露出した頂面に対し物理的、電気的および熱的に結合される。
【0057】
前述の通り、適切なドハティ動作では、キャリア増幅器232がクラスABモードにより動作するようにバイアスをかけられ、ピーク増幅器252がクラスCモードにより動作するようにバイアスをかけられてよい。このバイアスをかけることを達成するように、複数のゲートおよびドレインバイアスで夏が、外部バイアス電圧源によって提供されてよい。一実施形態によれば、バイアス電圧は、1つまたは複数の追加のインターポーザ243,244のバイアス端子267-1,268-1,267-2,268-2,267-3,268-3を通じて提供される。より詳細には、ドライバ段階トランジスタ236,256用のゲートバイアス電圧は、ドライバゲートバイアス端子267-1および268-2を通じて提供されてよく、ドライバ段階トランジスタ236,256用のドレインバイアス電圧は、ドライバドレインバイアス端子267-2,268-2を通じて提供されてよく、最終段階トランジスタ237,257用のゲートバイアス電圧は、ゲートバイアス端子267-3,268-3を通じて提供されてよい。端子267-1,268-1,267-2,268-2,267-3,268-3の各々は、導体層301の導体構造(例えば、パッドおよびトレース)に対し結合された基端を有し、導体構造は、ドライバ段階ダイおよび最終段階ダイ上のバイアスパッドに対し電気的に結合されている(例えば、示されるように、ワイヤボンドを通じて)。示される実施形態では、ドライバ段階トランジスタおよび最終段階トランジスタ236,237,256,257の両方についてのゲートバイアスパッドおよびドレインバイアスパッドは、ドライバ段階ダイ233,253上にあり、最終段階ダイ234,254用のゲートバイアス電圧は、示されるように、ドライバ段階ダイ233,253から最終段階ダイ234,254までワイヤボンド接続を通じて「ホッピング」する。
【0058】
さらなる実施形態によれば、モジュール200はまた、キャリア増幅器およびピーク増幅器232,252間においてモジュール基板210の搭載面209に対し結合された「シールド/グランド」インターポーザ247を備える。図7A図7B図9図9A、および図9Bとともにより詳細に記載されるように、シールド/グランドインターポーザ247は、ドライバ段階ダイおよび/または最終段階ダイ233,234,253,254(および/またはそれらのダイに対し結合されたワイヤボンドまたは他の導体)によって生成された電磁エネルギーを逸らすように機能する、連続的またはほぼ連続的な導電「壁」を提供する。したがって、シールド/グランドインターポーザ247は、キャリア増幅器とピーク増幅器232,252間の電磁的結合を低減させることによって、増幅器性能を向上させ得る。
【0059】
図2に示される(また図7A図7Bとともに後により詳細に記載される)実施形態では、シールド/グランドインターポーザ247は、2つの、グランド端子248のずれた列を備え、ここで、グランド端子248の基端は、導体層301の導体グランドパッド348に対し結合されている。グランドパッド348は、同様に、グランド層302および/または304に対し電気的に結合され、グランド層302,304のうちの一方または両方が、熱散逸構造316と交差し、熱散逸構造316に対し物理的および電気的に結合される。したがって、ソース端子(例えば、ダイ233,234,253,254の底部導体層)は、層302,304、熱散逸構造316、グランドパッド348、および端子248を通じて「接地」される。したがって、電磁的シールドを提供することに加えて、シールド/グランドインターポーザ247のグランド端子248は、ダイ233,234,253,254のソース端子(または導体底部層)に対し比較的近接して(物理的および電気的に)配置されてよく、したがって、ダイ233,234,253,254に比較的短いグランド電流ループを提供する。これは、他の性能メトリックの中で特に増幅器利得を向上させるのにも役立ってよい。
【0060】
増幅器モジュール200の動作に再び戻って、増幅されたキャリア信号は、最終段階ダイ234の出力端子238にて生成され、増幅されたピーク信号は、最終段階ダイ254の出力端子258にて生成され、最終段階のダイ254は、増幅器用の合成ノード272(例えば、ノード172、図1)としても機能する。一実施形態によれば、キャリア最終段階ダイ234の出力端子238は、位相シフトおよびインピーダンス反転素子270の第1端に対し電気的に結合され(例えば、ワイヤボンド(番号が付されない)または別の種類の電気的接続により)、ピーク最終段階ダイ254の出力端子258は、位相シフトおよびインピーダンス反転素子270の第2端に対し電気的に結合される(例えば、ワイヤボンド(番号が付されない)または別の種類の電気的接続により)。
【0061】
一実施形態によれば、位相シフトおよびインピーダンス反転素子270は、導体層301の一部から形成される、4分の1波長もしくはラムダ/4(λ/4)またはより短い伝送線(例えば、最大約90度まで電気長を有するマイクロストリップ伝送線路)により実装されてよい。本明細書において用いられる際、ラムダは増幅器の動作の基本周波数におけるRF信号の波長である(例えば、約600メガヘルツ(Mz)~約10ギガヘルツ(GHz)またはそれより高い範囲における周波数)。位相シフトおよびインピーダンス反転素子270とダイ234,254の出力端子238,258に対するワイヤボンド(または他の)接続との組合せは、信号が出力端子238から出力端子258/合成ノード272に進行するときに、増幅されたキャリア信号に対し約90度の相対位相シフトを与えてよい。キャリアRF信号およびピークRF信号に対しキャリアおよびピーク経路を通じてそれぞれ別個に与えられた様々な位相シフトがほぼ等しいとき、増幅されたキャリアRF信号およびピークRF信号は出力端子258/合成ノード272にてほぼ同相で合成される。
【0062】
出力端子258/合成ノード272は、出力インピーダンス整合ネットワーク274(例えば、ネットワーク174、図1)を通じてRF出力端子214(例えば、ノード114、図1)に対し電気的に結合されている(例えば、ワイヤボンドまたは別の種類の電気的接続により)。出力インピーダンス整合ネットワーク274が、適切な負荷インピーダンスをキャリア最終段階ダイおよびピーク最終段階ダイ234,254の各々に対し提示するように機能する。図2に非常に単純化された形態により示されるが、出力インピーダンス整合ネットワーク274は、出力端子258/合成ノード272とRF出力端子214との間に、様々な導体トレース、所望のインピーダンス整合を提供する追加のディスクリートコンポーネント(例えば、キャパシタ、インダクタ、および/または抵抗器)を備えてよい。上述の通り、また一実施形態によれば、出力端子214およびグランド端子265,266は、端子インターポーザ246内に埋め込まれ、グランド端子265,266は、モジュール200のRF出力にGSG端子構造264を提供するように、RF出力端子214の「隣に」、またRF出力端子214に「ごく近接して」配置される。
【0063】
図2の例示的なモジュール200では、1つまたは2つの「外周」インターポーザ241~246が、基板210の4つの側(または縁)の各々に配置される。他の実施形態では、モジュール200の与えられた側面に、インターポーザがない、または3つ以上のインターポーザが配置されてよい。さらに、外周インターポーザ241~246の各々は、モジュール200において同一であるように示されているが、他の実施形態では、様々な外周インターポーザ241~246は異なってよい。またさらに、外周インターポーザ241~246の外周の各々は、5つの端子からなる単一の列を含むように示されるが、外周インターポーザ241~246のうちのいくつかは、より多くの端子(例えば、最大20個またはより多くの端子)、より少ない端子(例えば、たった1つの端子)、および/または、異なる数の端子の列を有してよい。
【0064】
説明および理解を容易にするため、図2は、封入材料380が取り除かれたモジュール200を示す。封入材料380を含む電力増幅器モジュール200の前面の図が、図4に示される。より詳細には、図4は、封入材料380の接触面382を示し、接触面382では、端子212,214,261,262,265,266,267-1,267-2,267-3,268-1,268-2,268-3の先端が、本質的には導体接触パッドのランドグリッドアレイ(LGA)として露出している。図4はまた、接触面382の下のインターポーザ241~247(破線の囲み)の配置を示す。
【0065】
図2のモジュール200の端子、シールド/グランド、およびダミーインターポーザ241~247に適し得るインターポーザの様々な実施形態が、これより、図5A図5C図6A図6B図7A図7B図8、および図9A図9Bとともに議論される。より詳細には、図5Aおよび図5Bは、端子インターポーザ500,520(例えば、インターポーザ241~246、図2)の2つの実施形態の頂面図を示し、図5Cは、端子インターポーザ500,520のいずれかの、図5Aおよび図5Bに沿った側面断面図である。図5Aは、インターポーザ端子501~505の単一の列571を含むインターポーザ500をより詳細に示し、図5Bは、インターポーザ端子501~505の2つの列571,573を含むインターポーザ520を示す。図5Aおよび図5Bにおけるインターポーザ端子の各列571,573は5つの端子を含むが、他の実施形態では、インターポーザ端子の1列は、より多いまたはより少ない端子を含んでよい(例えば、各列は、1個から20個の端子またはより多くまで含んでよい)。これに加えて、インターポーザは、さらに他の実施形態では、3列以上の端子を含んでよい。
【0066】
図5Cの側面断面図に最もよく示されるように、各インターポーザ500,520は、頂面および底面593,594を有する誘電体592(例えば、FR-4、セラミック、または他の適切な誘電体材料から形成される)を備え、端子501~510は、誘電体592内に埋め込まれる。各インターポーザ端子501~510は、誘電体592を通じて誘電体592の頂面および底面593,594間に延びる導体ビア595を備える。これに加えて、導体パッド596,597は、それぞれ各導体ビア595の第1端および第2端(または基端および先端)と接触して、頂面および底面593,594に堆積される。図5Aおよび図5Bに示されるように、各導体ビア595は、円形断面形状を有してよい。しかしながら、他の実施形態では、これに代えて、各導体ビア595は正方形、矩形、または棒形状を有してよい。いずれにしても、インターポーザ端子501~510は、パッド596,597間にビア595を通じて導体経路を提供する。インターポーザ500,520をモジュール(例えば、モジュール200、図2)へと組み込むように、底面594上の導体パッド597は、モジュール基板の表面上の1つまたは複数の導体パッド(例えば、パッド312,361,362,369、図3)に対しはんだ付けされまたは取り付けられてよく、それらのパッドは、単一層(例えば、層301、図3)に、グランド層(例えば、層302および/または304、図3)に、バイアス電圧を伝達するように構成された層(例えば、層303、図3)に対し電気的に結合されてよく、または「ダミー」パッドの場合には、電気的に浮いたままであってよい。本質的には、インターポーザ500,520は、図2の端子インターポーザ241~246のうちのいずれかに利用されてよい。
【0067】
ビア595が正方形または円形断面を有するとき、ビア595は、約300マイクロメートル~約800マイクロメートルの範囲における(例えば、約500マイクロメートル)幅586(または直径)を有してよいが、幅586はより小さいまたはより大きくてもよい。一実施形態によれば、各端子501~510によって占有されるインターポーザ500,520の全長581および幅582,583の一部は、約500マイクロメートル~約2000マイクロメートルの範囲にあり、その結果、インターポーザ500,520の全長581は、約2500マイクロメートル~10000マイクロメートルの範囲にあり、単一列のインターポーザ500の幅582は、約500マイクロメートル~約2000マイクロメートルの範囲にあり、2列のインターポーザ520の幅583は、約1000~約4000マイクロメートルの範囲にある。図2を参照して最も明確に見られるように、いくつかの実施形態では、インターポーザ500,520の長さ581は、インターポーザが隣接する、モジュール基板(例えば、モジュール基板210)の1つの側面の長さよりも大幅に短くてよい(例えば、半分または4分の1以下)が、他の実施形態では、インターポーザの長さが、モジュール基板の側面と同じ長さであってよい。さらに別の実施形態では、各端子501~510は、インターポーザが埋め込まれる、インターポーザ500,520のより小さいまたはより大きい部分を占有してよい。インターポーザ500,520の高さ585(したがって、ビア595およびパッド596,597の合成された高さ)は、約500マイクロメートル~約1500マイクロメートルの範囲にあってよい(例えば、約1000マイクロメートル)が、例えば、各インターポーザ500,520も、より短いかまたはより高くてもよい。
【0068】
前述の通り、インターポーザ端子500,520はモジュール(例えば、モジュール200、図2)へと組み込まれ、インターポーザ500,520の高さ585は、封入材料(例えば、封入材料380)の厚さ(例えば、厚さ384、図3)にほぼ等しくてよく、その結果、各インターポーザ端子501~510の頂部導体パッド596がモジュールの接触面(例えば、表面382、図3)とほぼ同一平面にあってよい。他の実施形態では、各インターポーザ端子の頂面導体パッド596が、モジュールの接触面の下に凹むか上に延びてよい。
【0069】
図6Aおよび図6Bは、さらに別の例示的な実施形態に従う、端子インターポーザ600の頂面図および側面図である。端子インターポーザ600は、中間のパターニングされた導体層606を有する、積み重ねられた構成における、端子インターポーザ500(図5)の2つの場合を本質的に含む。図6Bの側面断面図に最もよく示されるように、インターポーザ600は、2つの誘電体692-1と692-2との間にパターニングされた導体層606とともに積み重ねられた第1および第2の誘電体692-1,692-2(例えば、FR-4、セラミック、または他の適切な誘電体材料から形成される)を備える。誘電体692-1の頂面693は、インターポーザ600の頂面を形成し、誘電体692-2の底面694は、インターポーザ600の底面を形成する。
【0070】
端子601~605は、誘電体692-1,692-2内に埋め込まれる。各インターポーザ端子601~605は、誘電体692-1を通じて延びる第1導体ビア695-1と、誘電体692-2を通じて延びる第2導体ビア695-2とを備える。パターニングされた導体層606の部分から形成された導体トレース611~615は、各端子601~605の積み重ねられたビア同士を電気的に接続するように機能する。これに加えて、導体トレース611~615は、図6Aに示されるように、誘電体692-1,692-2の片側または両側698,699まで延びてよく、その側面698,699におけるトレース611~615の露出した端部は、端子601~605に対する追加の接続として機能してよい。
【0071】
これに加えて、導体パッド696,697は、それぞれ、各組の積み重ねられた導体ビア695-1,695-2の第1端および第2端(または基端および先端)と接触して、インターポーザ600の頂面および底面693,694に堆積される。図6Aに示されるように、各導体ビア695-1,695-2は、円形断面形状を有してよい。しかしながら、他の実施形態では、これに代えて、各導体ビア695-1,695-2は正方形、矩形、または棒形状を有してよい。いずれにしても、インターポーザ端子601~605は、パッド696,697間にビア695-1,695-2を通じて導体経路を提供し、上述の通り、導体トレース611~615の露出した端部を通じた追加の接続を含む。
【0072】
インターポーザ600をモジュール(例えば、モジュール200、図2)へと組み込むように、底面694上の導体パッド697は、モジュール基板の表面上の1つまたは複数の導体パッド(例えば、パッド312,361,362,369、図3)に対しはんだ付けされまたは取り付けられてよく、それらのパッドは、単一層(例えば、層301、図3)に、グランド層(例えば、層302および/または304、図3)に、バイアス電圧を伝達するように構成された層(例えば、層303、図3)に対し電気的に結合されてよく、または「ダミー」パッドの場合には、電気的に浮いたままであってよい。本質的には、インターポーザ600は、図2の端子インターポーザ241~246のうちのいずれかに利用されてよい。さらに、インターポーザおよびビアの寸法は、インターポーザ520(図5B)とともに議論されたものとほぼ同一であってよい。インターポーザ600は、5つの端子601~605を含むように示され、他の実施形態では、インターポーザ600は、より多いまたはより少ない端子を備えてよい。
【0073】
図7Aおよび図7Bは、例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザ700(例えば、インターポーザ247、図2)の頂面図および側面図である。シールド/グランドインターポーザ700は、インターポーザ700内の端子701~710の列771、773が互いからずれていることを除いて、図5Bの2列のインターポーザ520と同様である。したがって、図7Bの側面図において最もよく示されるように、端子701~710の組み合わせは、近くの電気コンポーネント(例えば、図2のドライバ段階ダイおよび/または最終段階ダイ233,234,253,254、および/またはそれらのダイに対し結合されたワイヤボンドまたは他の導体)によって生成された電磁エネルギーをグランドに捕捉し逸らすように機能する、電動材料からなる連続的またはほぼ連続的な「壁」を形成する。
【0074】
もう一度、インターポーザ700は、頂面および底面793,794を有する誘電体792(例えば、FR-4、セラミック、または他の適切な誘電体材料から形成される)を備え、端子701~710は、誘電体792内に埋め込まれる。各インターポーザ端子701~710は、誘電体792を通じて誘電体792の頂面および底面793,794間に延びる。これに加えて、導体パッド796,797は、それぞれ各導体ビア795の第1端および第2端(または基端および先端)と接触して、頂面および底面793,794に堆積される。インターポーザ700をモジュール(例えば、モジュール200、図2)へと組み込むように、底面794上の導体パッド797は、モジュール基板の表面上の1つまたは複数のグランドパッド(例えば、パッド348、図3)に対しはんだ付けされまたは取り付けられてよく、それらのパッドは、グランド層(例えば、層302および/または304、図3)に対し電気的に結合されてよい。
【0075】
図7Aに示されるように、各導体ビア795は、円形断面形状を有してよい。しかしながら、他の実施形態では、これに代えて、各導体ビア795は正方形、矩形、または棒形状を有してよい。いずれにしても、インターポーザ端子701~710は、パッド796,797間にビア795を通じて導体経路を提供する。インターポーザおよびビアの寸法は、インターポーザ520(図5B)とともに議論されたものとほぼ同一であってよい。図7Aおよび図7Bにおけるインターポーザ端子の各列771,773は5つの端子を含むが、他の実施形態では、インターポーザ端子の1列は、より多いまたはより少ない端子を含んでよい。これに加えて、シールド/グランドインターポーザは、さらに他の実施形態では、3列以上の端子を含んでよい。
【0076】
図7は、導電「壁」を複数の導体端子701~710と形成するシールド/グランドインターポーザ700を示す。シールド/グランドインターポーザの他の実施形態は、複数の代替の構成のうちのいずれかを有してよい。例えば、図8は、別の例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザ800の斜視図である。シールド/グランドインターポーザ800は、頂面、底面および側面893,894,895を有する誘電体892(例えば、FR-4、セラミック、または他の適切な誘電体材料から形成される)を備える。これに加えて、導体層896が、複数の側面895のうちの1つ以上に対し配置される(例えば、スパッタリングされるかまたは取り付けられる)。導体ビアおよびその関連するパッドが端子と考えられ得る(例えば、導体層896は、電流がインターポーザ700の頂面と底面との間を流れることを可能にする)のと同じ意味において、導体層896は「端子」と考えられ得る。さらなる導体層897,898が、モジュール基板(例えば、モジュール基板210、図2)の取付を容易にするように、誘電体892の頂面および底面893,894に対し載置される。例えば、インターポーザ800をモジュール(例えば、モジュール200、図2)に組み込むように、底面894上の導体層898は、モジュール基板の表面上の1つまたは複数の導体グランドパッド(例えば、パッド348、図3)に対しはんだ付けされまたは取り付けられてよく、それらのパッドは、グランド層(例えば、層302および/または304、図3)に対し電気的に結合されてよい。望ましくは、シールド/グランドインターポーザ800は、ある位置(例えば、図2のインターポーザ247と同一の位置)に配置され、その結果、シールド/グランドインターポーザ800は、近くの電気コンポーネント(例えば、ドライバ段階ダイおよび/または最終段階ダイ233,234,253,254、図2、および/またはそれらのダイに対し結合されたワイヤボンドまたは他の導体)によって生成された電磁エネルギーをグランドに捕捉し逸らす。インターポーザ寸法は、インターポーザ520(図5B)とともに議論されたものとほぼ同一であってよい。
【0077】
図9Aは、また別の例示的な実施形態に従う、シールド/グランドインターポーザ900の頂面図であり、図9Bは、図9Aの線9-9に沿ったインターポーザ900の断面図である。シールド/グランドインターポーザ900は、頂面および底面993,994を有する誘電体992(例えば、FR-4、セラミック、または他の適切な誘電体材料から形成される)と、誘電体992内に埋め込まれたインターポーザ端子901と、を備える。端子901は、誘電体992を通じて誘電体992の頂面および底面993,994間に延びる導体ビア995を備える。一実施形態によれば、また図9Aに最もよく示されるように、ビア995は、インターポーザ900のほぼ全長981に延び得る、長尺状の「トレンチ」形状(すなわち、ビアの長さがビアの幅よりも実質的に大きい形状)を有する。これに加えて、導体パッド996,997は、それぞれ導体ビア995の第1端および第2端(または基端および先端)と接触して、頂面および底面993,994に堆積される。インターポーザ900をモジュール(例えば、モジュール200、図2)へと組み込むように、底面994上の導体パッド997は、モジュール基板の表面上の1つまたは複数のグランドパッド(例えば、パッド348、図3)に対しはんだ付けされまたは取り付けられてよく、それらのパッドは、グランド層(例えば、層302および/または304、図3)に対し電気的に結合されてよい。望ましくは、シールド/グランドインターポーザ900は、ある位置(例えば、図2のインターポーザ247と同一の位置)に配置される。図9Bに最もよく示されるように、トレンチビア995は、近くの電気コンポーネント(例えば、図2のドライバ段階ダイおよび/または最終段階ダイ233,234,253,254、および/またはそれらのダイに対し結合されたワイヤボンドまたは他の導体)によって生成された電磁エネルギーをグランドに捕捉し逸らすように機能し得る、導電「壁」を形成する。インターポーザ寸法は、インターポーザ520(図5B)とともに議論されたものとほぼ同一であってよい。
【0078】
前に示された通り、電力増幅器モジュール200の実施形態をより大きい電気システム(例えば、セルラ基地局の第1段階増幅器)へと組み込むため、電力増幅器モジュール200の1つの面は、システム基板に対し物理的および電気的に結合され、ヒートシンクが電力増幅器モジュール200の反対の面に対し取り付けられる。電力増幅器モジュール200のそうしたシステムへの統合を示すため、これより図10を参照する。図10は、例示的な実施形態に従って、システム基板1010およびヒートシンク1016に対し結合された、図2の電力増幅器モジュール200を備える増幅器システム1000の断面側面図である。
【0079】
RFシステム1000は、一般に、システム基板1010と、電力増幅器モジュール200と、ヒートシンク1016とを備える。一実施形態によれば、システム基板1010は、多層プリント回路板(PCB)または他の適切な基板を備える。システム基板1010は、頂面1009(「搭載面」とも呼ばれる)、反対の底面1011を有する。システム基板1010はまた、複数の導体層1001,1002,1003と交互の配置により、複数の誘電体層1005,1006,1007(例えば、FR-4,セラミック、または他のPCB誘電体材料)を備え、システム基板1010の頂面1009が、パターニングされた導体層1001によって形成される。システム基板1010は3つの誘電体層1005~1007と3つの導体層1001~1003とを備えるように示されるが、システム基板の他の実施形態は、より多いまたは少ない誘電体層および/または導体層を備えてよいことに留意されたい。
【0080】
異なる導体層1001~1003の各々は、主要目的を有してよく、また信号および/または他の層同士の間の電圧/グランドルーティングを行う導体フィーチャを備えてもよい。以下の記載は導体層1001~1004の各々についての主要目的を示すが、層(またはそれらの機能)は、図10に最もよく示され以下において議論される特定の配置とは異なって配置されてよいことが理解される。
【0081】
例えば、一実施形態では、システム基板1010の搭載面1009におけるパターニングされた導体層1001は、主として信号伝導層として機能してよい。より詳細には、層1001は、複数の導体フィーチャ(例えば、導体パッドまたはトレース)を備え、複数の導体フィーチャは、モジュール200、入力RFコネクタ1091、および出力RFコネクタ1092用の取付点として機能する。RFコネクタ1091,1092の各々は、例えば、中心信号導体1093と外グランドシールド1094とを有する同軸コネクタであってよい。一実施形態によれば、RF入力コネクタ1091の信号導体1093は、層1001の第1の導体トレースに対し電気的に結合され、以下により詳細に記載されるように、同様に、モジュール200の入力端子212に対し結合される。これに加えて、RF出力コネクタ1092の信号導体1093は、層1001の第2の導体トレース1014に対し電気的に結合され、同様に、モジュール200の出力端子(例えば、端子214、図2)に対し結合される。コネクタ1091,1092のグランドシールド1094は、追加のトレース(番号が付されない)に対し電気的に結合され、同様に、層1001と1002との間に延びる導体ビア1095を通じて、システム基板1010のシステムグランド層1002に対し電気的に結合される。
【0082】
ちょうど示されたように、導体層1002は、システムグランド層として機能する。コネクタ1091,1092のグランドシールド1094に対し電気的に結合されていることに加えて、システムグランド層1002も、搭載面1009上の追加のグランドパッド1041に対し追加の導体ビア1096を通じて電気的に結合される。追加のグランドパッド1041は、モジュール200の様々なグランド端子(例えば、端子248,261,262,265,266)に対し、いくつかの実施形態では任意の「ダミー」端子(例えば、端子269)に対し、物理的および電気的に結合される。
【0083】
モジュール200は、図3に示される配向とは反転した(または「フリップされた」)配向において、システム基板1010の搭載面1009に対し結合される。より詳細には、モジュール200は、モジュール200の接触面382とシステム基板1010の搭載面1009とが互いに面するように、システム基板1010に対し結合される。モジュール200をシステム基板1010に対し接続するように、モジュール200の端子の各々(例えば、端子212,214,241,248,261,262,265,266、267-1,267-,267-3,268-1,268-2,268-3,269、図2)は、整列され、システム基板1010の搭載面1009上の対応するパッド(例えば、パッド1014,1041)と接触することになる。導体取付材料383がモジュール端子の露出した端部に載置される実施形態では、導体取付材料383は、モジュール端子をモジュール基板1010の搭載面1009におけるそのモジュール端子の対応するパッドに対し物理的に接続するようにリフローされるまたは硬化される。他の実施形態では、導体取付材料も、または代替で、システム基板1010の導体パッド(例えば、パッド1014,1041)上に載置されてよく、モジュール200をシステム基板1010に対し接続するように適切なリフローまたは硬化処理が行われてよい。
【0084】
一実施形態では、ヒートシンク1016が、電力増幅器モジュール200のヒートシンク取付面211に対し、より詳細には、モジュール200の導体層304および/または埋め込まれた熱散逸構造316の表面318に対し、物理的および熱的に結合される。ヒートシンク1016は、導電性も有し得る熱伝導材料から形成される。例えば、ヒートシンク1016は、銅または別のバルク導体材料から形成されてよい。ヒートシンク1016を電力増幅器モジュール200に対し結合するように、熱伝導材料1098(例えば、熱グリース)が、モジュール200のヒートシンク取付面211上(および/または熱散逸構造316の表面318上)および/またはヒートシンク1016上にディスペンスされ、ヒートシンク1016は、ヒートシンク取付面211と接触することとなり得る。ヒートシンク1016は、次いで、定位置にクランピングされ、ねじ止めされ、または固定される。
【0085】
RFシステム1000の動作中、入力RF信号は、RF入力端子1091およびトレース/パッド1012を通じて、電力増幅器モジュール200の接触面382におけるRF入力端子212に対し提供される。入力RF信号は、端子212および追加のコンポーネント(例えば、パワースプリッタ220、図2)を通じて、前に議論した入力RF信号を増幅するパワートランジスタダイ233,234,253,254まで伝達される。増幅された出力RF信号は、トレース/パッド1014に対し、またRF出力端子1092に対し電気的に結合された出力端子214(図2)にて生成される。
【0086】
一実施形態によれば、パワートランジスタダイ233,234,253,254(図2図10では隠れている)の各々とシステムグランド層1002との間にグランド経路が提供される。例えば、各ダイ233,234,253,254用のグランド経路は、ダイ用のグランドコンタクト(例えば、底面ソースコンタクト)から熱散逸構造316の一部を通じて延びる、モジュール200を通じる第1の導体グランド経路と、モジュール基板210のRFグランド層302と、任意の介在ビアと、搭載面209におけるグランド端子パッドと、1つまたは複数のグランド端子(例えば、インターポーザ247における端子248、図2)とを備える。グランド経路は、システム基板1010へと、より詳細には、システム基板1010の搭載面1009上の1つまたは複数のグランドパッド1041と、1つまたは複数のグランドビア1096とを通じて、システムグランド層1002まで続く。
【0087】
前に詳細に議論されたように、モジュール200のグランド/シールドインターポーザ247におけるグランド端子248は、パワートランジスタダイ233,234,253,254のごく近く(例えば、キャリア経路のダイ233,234とピーク経路のダイ253,254との間)に置かれてよく、モジュール200についての比較的短いグランド戻り経路を生じる。望ましくは、各ダイ233,234,253,254用のグランドコンタクトとシステムグランド層1002との間のグランド経路の電気長全体は、いくつかの実施形態では約ラムダ/5(λ/5)未満であり、または他の実施形態では約ラムダ/16(λ/16)未満である。
【0088】
動作中、かなりの熱エネルギー(熱)が、パワートランジスタダイ233,234,253,254内のパワートランジスタによって生成され得る。矢印1099によって示されるように、パワートランジスタによって生成された熱エネルギーは、熱散逸構造316を通じて、熱を周囲環境に効果的に散逸させるヒートシンク1016まで伝達される。したがって、熱散逸構造316は、2つの機能を提供する。1)パワートランジスタダイ233,234,253,254によって生成された熱を伝える機能。2)ダイ233,234,253,254のグランドコンタクトをシステムグランドに対し電気的に結合する機能。
【0089】
図11は、電力増幅器モジュール(例えば、電力増幅器モジュール200、図2)を作製し、電力増幅器モジュールをRFシステム(例えば、RFシステム1000、図10)へと組み立てる方法のフローチャートである。例示的な実施形態によれば、電力増幅器モジュールは、後の作製工程にてシンギュレーションされる(典型的には)同一のモジュールのストリップまたはパネルの場合に作製される。並行作製処理を示すため、図12図19は、作製処理における様々な時点での4つのモジュール1201~1204のパネル1200(破線により描かれている)を示すが、当業者は、本明細書の記載に基づいて、並行して作製されるモジュールのストリップまたはパネルが、典型的には実質的に5つ以上のモジュールを含むことを理解する。パネル1300が、モジュール1201~1204を取り囲む追加のモジュール(図示せず)を備えることが想定される。これに加えて、図13とともにより詳細に説明されるように、複数の異なる実施形態の詳細を簡潔に伝えるため、端子インターポーザ(例えば、インターポーザ1341,1342、図13)の異なる実施形態は、並行して作製される4つのモジュールのうちの異なる1つに対し結合されているように示される。実際の作製処理では、同一のモジュールを高い費用対効果により生成するように、同一の端子インターポーザを利用することが所望され得る。
【0090】
工程1102によりまず開始し、図12の頂面図を参照すると、方法は、複数の多層モジュール基板1201,1202,1203,1204(例えば、図2図3のモジュール基板210の複数のインスタンス)を作製し、その複数の多層モジュール基板1201,1202,1203,1204に対し異なるダイを取り付けることによって開始してよい前に議論されたように、モジュール基板1201~1204の形成は、多層PCBを生成することを含んでよい。ここで、搭載面1209(例えば、表面209、図3)におけるパターニングされた導体層(例えば、層301、図3)は、モジュールによって収容されることになる回路に従って配置された複数の導体パッドおよびトレースを備える。前に議論されたように、パッドのうちのいくつかは、信号、グランド、ビア、またはインターポーザが接続されたダミーパッド(例えば、インターポーザパッド1241~1247)に対応する。これに加えて、各モジュール1201~1204は、複数の熱散逸構造(コインおよび/またはサーマルビアを備える、図2図3の熱散逸構造316)を備えてよい。様々な回路コンポーネントおよびインターポーザの取付の用意をするため、様々な回路コンポーネントの対応するリード、パッド、または端子とインターポーザとが取り付けられるそれらの導体パッド上に、はんだ(またははんだペースト、導体接着剤または他の導体取付材料)が堆積される、はんだプリント処理が行われてよい。工程1102はまた、ディスクリートコンポーネントを、用意された導体パッドに対し取り付けることを含む。例えば、コンポーネント配置処理および機械(例えば、チップシュータまたはフレキシブルプレーサ(flexible placer)などのピックアンドプレース機械)は、様々なディスクリートコンポーネント(例えば、キャパシタ、抵抗器等)をモジュール1201~1204上のディスクリートコンポーネント自身の適切な位置に迅速に配置するように利用されてよい。
【0091】
工程1104では、ダイ取付/ボンディング処理は、パワートランジスタダイ233,234,253,254を自身のモジュール1201~1204上の適切な位置に配置および取り付けるように用いられてよい。例えば、パワートランジスタダイ233,234,253,254は、はんだ、焼結、導体接着剤、または他の取付手段を用いて、熱散逸構造(例えば、例えば、コインおよび/またはサーマルビアを備える、図2図3の熱散逸構造316)の露出した頂面に対し取り付けられてよい。
【0092】
後続の作製工程におけるパネル1200の頂面図を示す図13をこれより参照すると、複数の端子およびシールド/グランドインターポーザ1341,1342,1347は、次いで、ダイ取付/ボンディング処理を用いて、パネル1200の搭載面1209上のインターポーザパッド1241~1247(図12)に対し取り付けられる。様々な実施形態によれば、また図5A図5Cとともに上に議論されたように、端子インターポーザ1341(例えば、インターポーザ500、図5A)は、端子(例えば、端子501~505、図5A)の単一の列を備え、および/または端子インターポーザ1342(例えば、インターポーザ520、図5B)は、端子(端子501~510、図5B)の2つの列を備える。前述の通り、同一である端子インターポーザのすべてを有することが所望されてよい。しかしながら、複数の異なる実施形態の詳細を簡潔に伝えるため、単一の列と2つの列との両方の端子インターポーザ1341,1342が図13に示される。単一の列の端子インターポーザ1341は、より詳細には、モジュール1202と、隣接するモジュール1201,1204の隣接するインターポーザパッドとに対し取り付けられ、2つの列の端子インターポーザ1342は、モジュール1201,1203および1204に対し取り付けられる。モジュール1201~1204の外縁部にて見られるように、端子インターポーザ1341,1342は、隣接するモジュール1201~1204(および、モジュール1201~1204を取り囲む図示されないモジュール)の境界にわたって架かる。したがって、2つの列の端子インターポーザ1341では、インターポーザ1341の1つの列が、1つのモジュール(例えば、モジュール1201)についてのインターポーザパッドの上に位置し、そのインターポーザパッドと接続され、同一のインターポーザ1341の他の列が、隣接するモジュール(例えば、モジュール1203)についてのインターポーザパッドの上に位置し、そのインターポーザパッドと接続される。対照的に、単一の列のインターポーザ1342では、インターポーザ端子は、隣接するモジュールの縁部(例えば、破線により描かれた)によって等分される。したがって、単一の列の端子インターポーザ1342では、各インターポーザ端子の半分が、1つのモジュール(例えば、モジュール1202)についてのインターポーザパッドの上に位置し、そのインターポーザパッドと接続され、各インターポーザ端子の他方の半分が、隣接するモジュール(例えば、モジュール1204)についてのインターポーザパッドの上に位置し、そのインターポーザパッドと接続される。
【0093】
シールド/グランドインターポーザ1347は、ダイ233/234と253/254の間(またはキャリア経路とピーク経路との間)において、インターポーザパッドに対し結合されている。様々な実施形態では、シールド/グランドインターポーザ1347は、図13に示されるように、シールド/グランドインターポーザ700(図7A図7B)と同様の構成を有してよく、または、シールド/グランドインターポーザ1347は、シールド/グランドインターポーザ800,900(図8図9A図9B)と同様の構成を有してよい。
【0094】
工程1104は、コンポーネントとダイとをともに、頂部のパターニングされた導体層の導体パッドおよびトレースに対し電気的に取り付けることも含む。例えば、電気的取付は、ワイヤボンド(例えば、ワイヤボンド1350)を用いて行われてよい。最後に、様々なコンポーネント、ダイ、およびインターポーザは、基板パッド、ダイおよびコンポーネントパッドおよび端子、ならびにインターポーザパッドに対して以前に付与されたはんだまたははんだペーストをリフローし、したがって様々なダイ、コンポーネントおよびインターポーザをパネル1200に対し固定するのに十分な期間リフローオーブンにおいてパネル1200を加熱することによって、パネル1200に対し固定される。パネル1200は、次いで、次の作製場面のためにパネル1200を用意するため、フラックス除去その他、洗浄されてよい。
【0095】
様々なダイ、コンポーネント、インターポーザ、および電気的接続の取付後、封入材料(例えば、封入材料380、図3)は、パネル1200の搭載面1209上に付与され、パネル1200の作製が完了する。いくつかの方法のうちのいずれか1つは、封入材料を付与しパネル1200を完成させるように行われてよく、3つのそうした方法は、図11において並行する工程1106,1106’および1106”により特定される。
【0096】
第1の実施形態により開始し、工程1106において示され図14Aおよび図14Bに示されるように、フィルム補助成形(FAM)処理が、封入材料を付与するように行われる。パネル1200の線14-14(図13)に沿った側面断面図である図14Aを参照すると、FAM処理は、フィルム1402の接着面がインターポーザ端子(例えば、212,214,248,261,262,265,266,269)の先端に接触し、その先端を保護するように、フィルム1402(例えば、QFNフィルム)をパネル1200の搭載面1209上に置くことを含む。FAM処理中、インターポーザ1341,1342,1347は、フィルム1402をパネル1200の搭載面1209の上方に支持するように機能する。粘性封入材料380は、次いで、フィルム1402の下の搭載面1209に対しフローされ、封入材料380を硬化しフィルム1402を取り除いた後、図14Bに示されるように、封入されたモジュールのパネル1410を得る。随意では、導体取付材料383(例えば、はんだ、はんだペースト、または導体接着剤)は、次いで、システム基板(例えば、システム基板1010、図10)に対する後続の取付用の各モジュールを用意するように、端子の露出した先端に堆積されてよい。これに代えて、導体取付材料383は、後の行程(例えば、工程1110、下記)中に付与されてよい。
【0097】
第2の実施形態では、工程1106’において示され図15A図15Cに示されるように、オーバーモールドおよび封入ドリリング処理が、封入材料を付与し端子を露出させるように行われる。パネル1200の線14-14(図13)に沿った別の側面断面図である図15Aを参照すると、オーバーモールド処理は、封入材料380が、搭載面1209、コンポーネントおよびダイ、ならびにインターポーザ1341,1342を全体的に覆うように、またインターポーザ1341,1342の頂面の上方にいくらかの距離延びるように、粘性封入材料380を搭載面1209に対し付与することを含む。これによって、封入されたモジュールのパネル1510を得る。封入材料380を硬化した後、また図15Bを参照すると、複数の開口1520は、端子(例えば、端子212,214,248,261,262,265,266,269)の先端を露出させるように、封入材料382の頂面382を通じて形成される。例えば、開口は、レーザアブレーション処理(例えば、長パルスレーザを用いた)を用いて、機械的ドリリング処理を用いて、または別の適切な処理を用いて形成されてよい。これより図15Cを参照すると、導体取付材料383(例えば、はんだ、はんだペースト、または導体接着剤)は、次いで、システム基板(例えば、システム基板1010、図10)に対する後続の取付用の各モジュールを用意するように、開口1520へと、また端子の露出した先端へと堆積されてよい。これに代えて、導体取付材料383は、後の行程(例えば、工程1110、下記)中に付与されてよい。
【0098】
第3の実施形態では、工程1106”において示され図16Aおよび図16Bに示されるように、オーバーモールドおよび封入ドリリング処理が後に続く、導体取付材料滴下処理が行われる。パネル1200の線14-14(図13)に沿った側面断面図である図16Aを参照すると、導体取付材料383(例えば、はんだ、はんだペーストまたは導体接着剤)は、インターポーザ端子(例えば、212,214,248,261,262,265,266,269)の露出した先端に対し付与され、オーバーモールド処理が後続して行われる。オーバーモールド処理は、封入材料380が、搭載面1209、コンポーネントおよびダイ、インターポーザ1341,1342、ならびに導体取付材料383を全体的に覆うように、またインターポーザ1341,1342および導体取付材料383の頂面の上方にいくらかの距離延びるように、粘性封入材料380を搭載面1209に対し付与することを含む。これによって、封入されたモジュールのパネル1610を得る。封入材料380を硬化した後、また図16Bを参照すると、複数の開口1620は、導体取付材料383を露出させるように(例えば、はんだドームを露出させるように)、封入材料382の頂面382を通じて形成される。例えば、開口は、レーザアブレーション処理(例えば、長パルスレーザを用いた)を用いて、機械的ドリリング処理を用いて、または別の適切な処理を用いて形成されてよい。
【0099】
再び図11を参照すると、工程1106,1106’または1106”のうちの1つにおいてオーバーモールド処理が行われた後、完成した回路モジュール1201~1204の各々をパネルから分離するように、シンギュレーション処理が工程1108において行われる。例えば、図17を参照すると、パネルは、モジュール縁部と対応するソーイング路(例えば、図12における破線)に沿って、機械的に、化学的に、またはレーザ切断されてよい。これによって、各々がシステム基板(例えば、システム基板1010、図10)に対する取付の用意ができている、複数の分離したモジュール1701,1702,1703,1704を得る。これに加えて、シンギュレーション処理は、各モジュール基板の第1、第2、第3、および第4側面が、各モジュール基板の上に位置する封入材料380の第1、第2、第3、および第4側面と同一平面にあることを確実にする。
【0100】
前述の通り、単一の列および2つの列の端子インターポーザ1341,1342は両方とも、モジュール1201~1204に対し取り付けられている。単一の列のインターポーザ1341の各々を通じたソーイング後、またモジュール1702を注意深く見ることによって最もよく見られるように、インターポーザ1341は2つの半分のインターポーザ(例えば、1341-1,1341-2)へと分割されている。ここで、一方の半分1341-1は、1つのモジュール1702に対し結合されるとともにモジュール1702の側面にて露出しており、他方の半分1341-2は、隣接するモジュール1704に対し結合されるとともに隣接するモジュール1704の側面にて露出している。これに加えて、インターポーザ1341の端子も、2つの半分の端子(例えば、1769-1および1769-2)へと分割されており、その結果、各半分の端子がモジュール1702,1704のうちの一方の側面にて露出する。対照的に、2つの列のインターポーザ1342の各々を通じたソーイング後、またモジュール1703を注意深く見ることによって最もよく見られるように、インターポーザ1342は2つの半分のインターポーザ(例えば、1341-1,1341-2)へと分割されている。ここで、一方の半分1341-1は、1つのモジュール1701に対し結合されており、他方の半分1341-2は、隣接するモジュール1703に対し結合されている。これに加えて、インターポーザ1342-1,1342-2の各半分は、無傷の(例えば、ソーイングされていない)インターポーザ端子(例えば、1769-3および1769-4)の列を備える(すなわち、インターポーザ端子は、モジュール1701,1703の側面にて露出していない)。
【0101】
再び図11を参照すると、工程1110において、モジュール200(例えば、モジュール1701~1704のうちのいずれか1つ)は、システム基板(例えば、システム基板1010、図10)に対する取付用に用意される。導体取付材料(例えば、はんだ、はんだペースト、または導体接着剤などの材料383)が予め(例えば、工程1106,1106’において)付与されていない場合、導体取付材料はこの行程中に付与される。例えば、導体取付材料は、モジュール端子および/またはシステム基板の搭載面上の対応するパッド(例えば、パッド1012,1014,1041、図10)の一方または両方に対し付与される。モジュール200は、次いで反転され、モジュール端子は、システム基板の搭載面上の対応するパッドに位置整合するとともに接触する。導体取付材料(例えば、材料383)は、モジュール端子とシステム基板パッドとの間の機械的および電気的接続(例えば、はんだ接合)を生成するように、リフローされ、硬化され、または処理される。これは、モジュール200とシステム基板1010との間の信号、グランドおよびバイアス電圧経路を確立する。
【0102】
最後に、ブロック1112では、ヒートシンク(例えば、ヒートシンク1016、図10)が、モジュール基板210のヒートシンク取付面(例えば、表面211、図3)に対し取り付けられる。例えば、ヒートシンクは、熱伝導材料(例えば、熱グリースなどの材料1098)、クランプ、ねじ、および/または他の取付手段を用いてモジュール基板に対し取り付けられてよい。次いで、方法は終了する。
【0103】
回路モジュールの一実施形態は、モジュール基板、第1熱散逸構造、第1半導体ダイ、封入材料、および第1インターポーザを備える。モジュール基板は、搭載面と、その搭載面における複数の導体パッドとを有する。第1熱散逸構造はモジュール基板を通じて延び、第1熱散逸構造は第1面および第2面を有し、第1熱散逸構造の第1面はモジュール基板の搭載面において露出している。第1半導体ダイは、第1熱散逸構造の第1面に対し結合されている。封入材料は、モジュール基板の搭載面と第1半導体ダイとを覆い、前記封入材料の第1面は回路モジュールの接触面を形成する。第1インターポーザは封入材料内に埋め込まれ、第1インターポーザは、複数の導体パッドのうちの第1導体パッドに対し結合された基端と、回路モジュールの接触面にて露出している先端と、を有する第1導体端子を備える。
【0104】
さらなる実施形態によれば、複数の導体パッドは、モジュール基板の第1側面に位置し、モジュール基板の第1、第2、第3、および第4側面は、封入材料の第1、第2、第3、および第4側面と同一平面にあり、第1インターポーザは封入材料の第1側面にて露出している。別のさらなる実施形態によれば、第1導体端子は、封入材料の第1側面に露出していない。別のさらなる実施形態によれば、第1導体端子は、封入材料の第1側面に露出している。
【0105】
さらに別の実施形態によれば、第1インターポーザは、第1半導体ダイと第2半導体ダイとの間に導体壁を形成するように配置された複数の追加の導体端子をさらに備える。さらに別の実施形態によれば、第1端子は、第1半導体ダイと第2半導体ダイとの間に導体壁を形成するようにトレンチビアを備える。さらに別の実施形態によれば、第1インターポーザは誘電体をさらに備え、第1導体端子は誘電体の表面に導体層を備える。
【0106】
電子システムの一実施形態は、システム基板と増幅器モジュールとを備える。システム基板は、第1搭載面と、その第1搭載面にて露出している導体パッドとを有する。回路モジュールは、接触面およびヒートシンク取付面を有する。回路モジュールは、システム基板に対し、システム基板の搭載面が回路モジュールの接触面に面するように結合されている。回路モジュールの一実施形態は、モジュール基板、熱散逸構造、半導体ダイ、封入材料、およびインターポーザを備える。モジュール基板は、第2搭載面と、その第2搭載面における複数の導体パッドとを有する。第1熱散逸構造は、モジュール基板を通じて延びる。第1熱散逸構造は第1面および第2面を有し、第1熱散逸構造の第1面はモジュール基板の第2搭載面において露出している。第1半導体ダイは、第1熱散逸構造の第1面に対し結合されている。封入材料は、第2搭載面と第1半導体ダイとを覆い、前記封入材料の第1面は回路モジュールの接触面を形成する。第1インターポーザは、封入材料内に埋め込まれている。第1インターポーザは、複数の導体パッドのうちの第1導体パッドに対し結合された基端と、回路モジュールの接触面にて露出しておりシステム基板の第1導体パッドに対し電気的に結合された先端と、を有する第1導体端子を備える。
【0107】
回路モジュールを作製する方法の一実施形態は、半導体ダイを、モジュール基板を通じて延びる熱散逸構造に対し結合させる工程を備える。モジュール基板は、第1搭載面と、その第1搭載面における複数の導体パッドとを有し、熱散逸構造の第1面は、モジュール基板の第1搭載面にて露出している。方法は、インターポーザをモジュール基板に対し結合する工程をさらに備える。インターポーザは、複数の導体パッドのうちの第1導体パッドに対し結合された基端を有する第1導体端子を備える。方法は、モジュール基板の搭載面、第1半導体ダイ、および第1インターポーザを封入材料により覆い、ここで封入材料の第1面は、回路モジュールの接触面を形成し、第1導体端子の先端は、接触面にて露出している。
【0108】
さらなる実施形態によれば、方法は、システム基板の第2搭載面が回路モジュールの接触面に面するように、回路モジュールをシステム基板に対し結合する、工程をさらに備える。さらなる実施形態によれば、回路モジュールは、接触面とは反対にあるヒートシンク取付面を有し、方法は、ヒートシンクを回路モジュールのヒートシンク取付面に対し結合する工程をさらに備える。
【0109】
前述の詳細な説明は、本質的には例示に過ぎず、本主題の実施形態またはそうした実施形態の応用および使用を限定する意図ではない。本明細書において用いられる際、語句「例示」は、「一例として、実例または例証として機能すること」を意味する。例示として本明細書に記載される任意の実装は、他の実装に対して必ずしも好ましいまたは有利であると解されない。さらに、前述の技術分野、背景、または詳細な説明に提示された任意の表現されたまたは与えられた理論によって束縛される意図はない。
【0110】
本明細書に含まれる様々な図面に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的結合を表すことが意図される。多くの代替または追加の機能的関係または物理的接続が本主題の一実施形態に提示されてよいことに留意されたい。これに加えて、特定の専門用語が、参照の目的のためだけに本明細書において用いられてもよく、したがって、限定するように意図されず、構造を参照する用語「第1」、「第2」および他のそうした数の用語は、文脈によって明確に示されない限りシーケンスまたは順序を与えない。
【0111】
本明細書において用いられる際、「ノード」は、与えられた信号、論理レベル、電圧、データパターン、電流または量が提示される、任意の内部または外部参照点、接続点、連結、信号線、導体素子などを意味する。さらに、3つ以上のノードが、1つの物理的要素によって実現されてよい(また、3つ以上の信号が、共通のノードにて受信されるまたは出力されるとしても、多重化され、変調され、または区別されることが可能である)。
【0112】
前述の記載は、互いに「接続されている」または「結合されている」要素、ノードまたはフィーチャを参照する。本明細書において用いられる際、別段の明記がない限り、「接続されている」は、1つの要素が、必ずしも機械的にではなく、別の要素に対し直接的に連結されている(または別の要素と直接的に通信する)ことを意味する。同様に、別段の明記がない限り、「結合されている」は、1つの要素が、必ずしも機械的にではなく、別の要素に対し直接的または間接的に連結されている(または別の要素と直接的または間接的に通信する)ことを意味する。したがって、図面に示される概略は要素の1つの例示的な配置であるが、追加の介在素子、デバイス、フィーチャ、またはコンポーネントが、示される主題の一実施形態に存在してよい。
【0113】
1つ以上の例示的な実施形態が前述の詳細な説明に提示されているが、多くの変形形態が存在することが認識される。本明細書に記載された1つまたは複数の例示的な実施形態は、如何とも請求される主題の範囲、利用可能性、または構成を限定することを意図するものではないことも認識される。むしろ、前述の詳細な説明は、当業者に、記載された1つまたは複数の実施形態を実装するのに便利なロードマップを提供する。様々な変更が、本特許出願の出願時において既知の均等物および予見可能な均等物を含む特許請求の範囲によって定められる範囲から逸脱せずに、要素の機能および配置においてなされることが理解される。
図1
図2
図3
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図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
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図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
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図16B
図17
【外国語明細書】