(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104799
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20220704BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220704BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220704BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220704BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220704BHJP
【FI】
G02B7/04 E
G02B7/02 D
H04N5/225 100
G03B5/00 J
G03B30/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198420
(22)【出願日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】202011602098.X
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 紀之
(72)【発明者】
【氏名】矢野 智義
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AD01
2H044AJ04
2H044AJ05
2H044AJ06
2K005AA04
2K005CA02
2K005CA23
2K005CA40
2K005CA45
2K005CA53
5C122DA09
5C122EA05
5C122EA54
5C122FB03
5C122FB08
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】潜望式において、ベースを薄くできるレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】レンズ駆動装置1は、レンズ体5を取り付けるための取り付け部を有するキャリア15と、樹脂本体と、樹脂本体に埋め込まれて形成された金属板部材30とを有し、キャリア15を移動可能に支持するベース25とを具備し、樹脂本体の中央には開口部253が設けられており、金属板部材30は開口部253を塞ぐようにして設けられており、開口部253においてキャリア15が金属板部材30に直接対向している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ体を取り付けるための取り付け部を有するキャリアと、
樹脂本体と、前記樹脂本体に埋め込まれた金属板部材とを有し、前記キャリアを移動可能に支持するベースと
を具備し、
前記樹脂本体の中央には開口部が設けられており、前記金属板部材は前記開口部を塞ぐようにして設けられており、前記開口部において前記キャリアが前記金属板部材に直接対向している
ことを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記金属板部材における少なくとも前記開口部から露出している部分の上面には、黒色層が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記金属板部材の下面と前記樹脂本体の下面は面一であり、前記金属板部材の上面は前記樹脂本体の上面よりも低い
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記金属板部材は基部に対して上側に折れ曲がってから左右両側に延伸している腕部を有し、前記腕部の先端が前記樹脂本体の側面から露出している
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記金属板部材には、上下方向に貫く貫通孔が設けられており、前記貫通孔は前記樹脂本体に埋め込まれている
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記キャリアが前記金属板部材に直接対向している下面は、前記樹脂本体の上面よりも下側にある
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記金属板部材の基部の外縁は、全て前記開口部の外側にある
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記樹脂本体には、前記金属板部材とは別の、はんだ付けに用いられる金属部材が埋め込まれている
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置を備えたカメラ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のカメラ装置を備えた電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の電子機器に用いられるレンズ駆動装置、カメラ装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
OIS(Optical Image Stabilizer)機能とAF(Auto Focus)機能とを併有するレンズ駆動装置の中には、潜望式と称されるものがある。潜望式のレンズ駆動装置では、レンズ体と画像センサが、被写体からの光の入射方向と直交する方向に並べて配置されており、被写体からの光がプリズムやミラーにより反射され、レンズ体を透過し、画像センサに集束し、画像センサにより画像信号に変換される。この種のレンズ駆動装置に関わる技術を開示した文献として、特許文献1がある。特許文献1のレンズ駆動装置は、固定部と、可動部と、弾性素子と、駆動アセンブリとを有する。固定部は、ハウジング、ベース、フレーム、および、回路素子を有し、可動部は、キャリアを有する。回路素子が、電気信号を送信して、駆動アセンブリを制御し、OIS機能とAF機能を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の潜望式のレンズ駆動装置では、ベースは樹脂で形成され、特に薄さが必要なレンズ体の直下は抉ってあった。しかし、このような構造では、強度が不足するので、ベースを薄くすることが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、潜望式において、ベースを薄くできるレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の好適な態様であるレンズ駆動装置は、レンズ体を取り付けるための取り付け部を有するキャリアと、樹脂本体と、前記樹脂本体に埋め込まれた金属板部材とを有し、前記キャリアを移動可能に支持するベースとを具備し、前記樹脂本体の中央には開口部が設けられており、前記金属板部材は前記開口部を塞ぐようにして設けられており、前記開口部において前記キャリアが前記金属板部材に直接対向している。
【0007】
この態様において、前記金属板部材における少なくとも前記開口部から露出している部分の上面には、黒色層が形成されていてもよい。
【0008】
また、前記金属板部材の下面と前記樹脂本体の下面は面一であり、前記金属板部材の上面は前記樹脂本体の上面よりも低くてもよい。
【0009】
また、前記金属板部材は基部に対して上側に折れ曲がってから左右両側に延伸している腕部を有し、前記腕部の先端が前記樹脂本体の側面から露出していてもよい。
【0010】
また、前記金属板部材には、上下方向に貫く貫通孔が設けられており、前記貫通孔は前記樹脂本体に埋め込まれていてもよい。
【0011】
また、前記キャリアが前記金属板部材に直接対向している下面は、前記樹脂本体の上面よりも下側にあってもよい。
【0012】
また、前記金属板部材の基部の外縁は、全て前記開口部の外側にあってもよい。
【0013】
また、前記樹脂本体には、前記金属板部材とは別の、はんだ付けに用いられる金属部材が埋め込まれていてもよい。
【0014】
本発明の別の好適な態様であるカメラ装置は、上記のレンズ駆動装置を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の別の好適な態様である電子機器は、上記のカメラ装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるレンズ駆動装置は、レンズ体を取り付けるための取り付け部を有するキャリアと、樹脂本体と、前記樹脂本体に埋め込まれて形成された金属板部材とを有し、前記キャリアを移動可能に支持するベースとを具備し、前記樹脂本体の中央には開口部が設けられており、前記金属板部材は前記開口部を塞ぐようにして設けられており、前記開口部において前記キャリアが前記金属板部材に直接対向している。よって、潜望式において、ベースを薄くできるレンズ駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態であるレンズ駆動装置1を含むカメラ装置2が搭載されたスマートフォン9の正面図である。
【
図3】
図2のレンズ駆動装置1を分解した斜視図である。
【
図5】
図4からフレーム12を除いた斜視図である。
【
図6】(A)は、
図4のベース25を示す斜視図であり、(B)は、ベース25の樹脂本体に埋め込まれている金属板部材30、第1金属部材31、33を示す図である。
【
図7】(A)は、
図6(A)を反対側から見た図であり、(B)は、
図6(B)を反対側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態であるレンズ駆動装置1を含むカメラ装置2は、スマートフォン9に収容される。
【0019】
カメラ装置2は、画像センサ3と、被写体からの光を反射するミラー4と、ミラー4で反射した光を画像センサ3に導くレンズ体5と、レンズ体5を駆動するレンズ駆動装置1と、を有する。
【0020】
以降は、被写体からの光が入射する方向を適宜Y方向という。また、ミラー4で反射した光がレンズ体5に向かう一方向をX方向といい、Y方向及びZ方向の両方と直交する方向をZ方向という。また、+Y側を上側、-Y側を下側、+X側を後側、-X側を前側、+Z側を左側、-Z側を右側と称することがある。
【0021】
レンズ駆動装置1は、ケース11、フレーム12、OIS用第1コイル13、上側板ばね14、キャリア15、OIS用第2コイル16、下側板ばね17、OIS用磁石18、ホルダ19、AF用磁石20、検知用磁石21、AF用コイル22、FPC23、サスペンションワイヤ24、及びベース25を有する。このうち、キャリア15、OIS用第2コイル16、及び検知用磁石21は、可動部を構成する。また、OIS用磁石18、ホルダ19、及びAF用磁石20は、中間部材を構成する。また、ケース11、フレーム12、OIS用第1コイル13、AF用コイル22、FPC23、及びベース25は、固定部を構成する。
【0022】
可動部は、上側板ばね14及び下側板ばね17を介して、中間部材のホルダ19に支持されている。可動部は、中間部材に対してY方向に移動可能である。中間部材は、サスペンションワイヤ24を介して、固定部のベース25に支持されている。中間部材は、支持している可動部とともに、固定部に対してX方向及びZ方向に移動可能である。これにより、可動部は、固定部に対してX方向、Y方向及びZ方向に移動可能である。また、OIS用第1コイル13、OIS用第2コイル16、OIS用磁石18、AF用磁石20、AF用コイル22は、レンズ体5をベース25に対して移動させるための駆動源である。
【0023】
ケース11とベース25は、筐体として組み合わされる。ケース11の後側の壁の中央には第1開口110が設けられている。ケース11の前側の壁の中央から上側の壁に跨る部分には第2開口120が設けられている。
【0024】
ベース25は、当該ベース25の本体を樹脂とし、該樹脂内に、金属板部材30、第1金属部材31、33を配置した状態で成形して形成される。ベース25の後側の縁には、上側に起立した起立部250がある。ベース25の上には、回路基板であるFPC23が配置される。
【0025】
ベース25の樹脂本体の中央には、キャリア15に対応して開口部253が設けられている。開口部253は前側が広がったT字状をなしている。金属板部材30は、開口部253を塞ぐようにして樹脂本体に埋め込まれている。金属板部材30の表面は黒色層が形成されている。
【0026】
金属板部材30は、基部305と3対の腕部306とを有する。基部305は金属板部材30の本体部分であり、その外縁は、全て開口部253の外側にあり、外部から光が侵入するのを防いでいる。腕部306は、基部305に対して上側に折れ曲がってから左右両側に延伸している。一番前側の1対の腕部306は、その根元に上下方向に貫く貫通孔を有し、ベース25本体の樹脂に覆われるとともに、その先端が、ベース25の樹脂本体の側面から外側に露出している。真ん中の1対の腕部306は、上面及び先端がベース25の樹脂本体から露出している。一番後側の1対の腕部306は、その全体がベース25本体の樹脂に覆われている。また、基部305には、前後方向の中央の左右端と後端の左右端に上下方向に貫く貫通孔が設けられている。3対の腕部306と3対の貫通孔により、ベース25本体の樹脂と金属板部材30が強固に結合される。金属板部材30の下面と樹脂本体の下面は面一に形成されている。金属板部材30はベース25本体よりも薄いので、金属板部材30の上面は樹脂本体の上面よりも低い位置にある。開口部253の位置において、金属板部材30は上下面で露出する。キャリア15の下面は、金属板部材30の上面に直接対向している。また、キャリア15の下面は、樹脂本体の上面よりも下側にある。金属板の表面に黒色層があると、導電性やはんだ付け性が良くない場合が多いので、導電性及びはんだ付け性が良い第1金属部材31がベース25に埋め込まれている。
【0027】
第1金属部材31は、4つの腕部と交差部を有する十字状をなしている。第1金属部材33は、6つの腕部と1つの連結腕部と2つの交差部を有して2つの十字を繋げたような形状を有している。第1金属部材31には交差部に上下方向に貫く1つの貫通孔300が、第1金属部材33には2つの交差部のそれぞれに上下方向に貫く1つの貫通孔300が、設けられている。第1金属部材31、33の貫通孔300の周辺の各腕部は、連結腕部を除いて斜め下側に折り曲げられていて、各先端部分は水平になるようにさらに折り曲げられている。連結腕部は折り曲げられていない。
【0028】
第1金属部材31における1つの貫通孔300のある交差部と、第1金属部材33における2つの貫通孔300のある交差部は、上下面とも、ベース25から露出している。左側の第1金属部材31、33における左側の腕部の先端部と、右側の第1金属部材31、33における右側の腕部の先端部は、ベース25から露出している。
【0029】
ベース25の上面には、ダンパゲルの受部35が形成されている。受部35は、第1金属部材31の貫通孔300の周囲と、第1金属部材33の2つの貫通孔300のうち前側の貫通孔300の周囲を、それぞれ壁により囲って形成されている。ダンパゲルは粘弾性を有する樹脂であり、振動を減衰させる働きを有する。
【0030】
ベース25の下面には、はんだの収容空間39が形成されている。収容空間39は、第1金属部材31、33によって形成された空間内に、貫通孔300を中心とした円錐台形状に窪んで形成されている。
【0031】
第1金属部材33の前側の貫通孔300及び第1金属部材31の貫通孔300には、サスペンションワイヤ24の下端が通されている。サスペンションワイヤ24は、ベース25を貫通し、収容空間39のはんだによって下面から第1金属部材33の前側の交差部及び第1金属部材31の交差部にはんだ付けされている。サスペンションワイヤ24は、これによって第1金属部材31、33に接合固定され、第1金属部材33に電気接続される。
【0032】
FPC23の下面には、電気部品であるX方向検知用ホール素子及びY方向検知用ホール素子が取り付けられている。ベース25には、X方向検知用ホール素子を収容するための収容空間37及びY方向検知用ホール素子を収容するための収容空間38が設けられている。ベース25の上面の左側と右側には、凸部36が設けられている。FPC23の上面において凸部36の周りにAF用コイル22が巻回されている。
【0033】
フレーム12は、当該フレーム12の本体を樹脂とし、該樹脂内に第2金属部材126を配置した状態で成形して形成される。フレーム12の下端部からは、第2金属部材126の端部が突出している。第2金属部材126は電気配線を形成しており、フレーム12の補強用と電気配線用とを兼ねる。フレーム12の下端部は、ベース25に固定される。突出している第2金属部材126の端部は、FPC23と電気接続される。
【0034】
フレーム12は、ベース25の左側から立ち上がる2つの立ち上げ部121と、右側から立ち上がる2つの立ち上げ部121と、左右の2つの立ち上げ部121をそれぞれつなぐ左右の水平部122と、左右の水平部122を連結する連結部123とを有する。2つの立ち上げ部121は、光軸方向で対向している。フレーム12の右側の水平部122の下面には、電気部品であるOIS用第1コイル13とZ方向検知用ホール素子が設けられていて、それぞれ第2金属部材126に電気接続されている。フレーム12の左側の水平部122の下面には、電気部品であるOIS用第1コイル13が設けられていて、第2金属部材126に電気接続されている。
【0035】
ホルダ19は、ホルダ開口190を包囲する枠部191と、枠部191の左右の周縁部から前側に延在する第1壁部192とを有する。第1壁部192の前後左右の角部の下端には、Z方向に開いたU字凹部193が設けられている。第1壁部192の上面には、OIS用磁石18が設けられている。第1壁部192の下面には、AF用磁石20が設けられている。ホルダ19の上面には上側板ばね14が固定され、下面には下側板ばね17が固定されている。上側板ばね14は、ホルダ19の上側において、前後左右から内側に蛇行しながら延びるワイヤ状をなしている。下側板ばね17は、ホルダ19の下側において、前後左右から内側に蛇行しながら延びるワイヤ状をなしている。
【0036】
キャリア15は、レンズ体5を支持するレンズ支持体である。キャリア15は、筒体151と、筒体151の左側及び右側の周縁部から前側に延在する第2壁部152とを有する。第2壁部152は、筒体151の前部において上側部分と下側部分が切り取られることによって形成されている。筒体151には、貫通孔150がある。貫通孔150はレンズ体5の取り付け部であり、レンズ体5は、レンズ駆動装置1の完成後に、キャリア15の左右の第2壁部152の間から貫通孔150に嵌め込まれてキャリア15に取り付けられる。キャリア15は、上側の前後左右を上側板ばね14によって、下側の前後左右を下側板ばね17によって支持されている。レンズ体5とこれを支持するキャリア15を含む可動部の重心は、前後左右の上側板ばね14及び下側板ばね17のほぼ中心にある。
【0037】
キャリア15の左右の第2壁部152の外面には、OIS用第2コイル16が設けられている。第2壁部152の後部下面には、検知用磁石21が設けられている。また、フレーム12の連結部123は、筒体151の上側部分が切り取られた部分に設けられており、X方向から見たときに、筒体151と連結部123は重なっている。
【0038】
サスペンションワイヤ24は、ホルダ19のU字凹部193内を通り、ベース25の貫通孔300と上側板ばね14との間に架設されている。サスペンションワイヤ24の上端は、ホルダ19の外側で環形状を形成している上側板ばね14の先端部分に挿通されてはんだ付けされる。
【0039】
サスペンションワイヤ24の下端部とホルダ19のU字凹部193とベース25の受部35の間には、ダンパゲルが配置されている。U字凹部193は受部35の直上に間隔をあけて設けられており、受部35とともにダンパゲル溜まりを形成している。
【0040】
可動部を構成するOIS用第2コイル16と中間部材を構成するOIS用磁石18は、互いに向かい合っている。OIS用第2コイル16に電流が流れると、OIS用第2コイル16には、Y方向の電磁力が発生し、可動部が、中間部材に対して、Y方向に動く。Y方向検知用ホール素子は、対向する検知用磁石21の磁界を検知し、検知結果を示す信号を出力する。この信号は、Y方向検知用ホール素子に対する検知用磁石21のY方向の位置に対応する。
【0041】
中間部材を構成するOIS用磁石18と固定部を構成するOIS用第1コイル13は、互いに向かい合っている。OIS用第1コイル13に電流が流れると、OIS用第1コイル13には、Z方向の電磁力が発生し、OIS用磁石18には、その反作用の力が生じて、中間部材が、固定部に対して、Z方向に動く。Z方向検知用ホール素子は、対向するOIS用磁石18の磁界を検知し、検知結果を示す信号を出力する。この信号は、Z方向検知用ホール素子に対するOIS用磁石18のZ方向の位置に対応する。
【0042】
中間部材を構成するAF用磁石20と固定部を構成するAF用コイル22は、互いに向かい合っている。AF用コイル22に電流が流れると、AF用コイル22には、X方向の電磁力が発生し、AF用磁石20には、その反作用の力が生じて、中間部材が、固定部に対して、X方向に動く。X方向検知用ホール素子は、対向する検知用磁石21の磁界を検知し、検知結果を示す信号を出力する。この信号は、X方向検知用ホール素子に対する検知用磁石21のX方向の位置に対応する。
【0043】
本実施形態におけるレンズ駆動装置1は、レンズ体5を取り付けるための取り付け部を有するキャリア15と、樹脂本体と、樹脂本体に埋め込まれて形成された金属板部材30とを有し、キャリア15を移動可能に支持するベース25とを具備し、樹脂本体の中央にはキャリア15に対応して開口部253が設けられており、金属板部材30は開口部253を塞ぐようにして設けられており、開口部253においてキャリア15が金属板部材30に直接対向している。よって、潜望式において、ベース25を薄くできるレンズ駆動装置1を提供することができる。
【0044】
なお、上記実施形態において、金属板部材30の全部を黒色とせずに、金属板部材30におけるT字状の開口部253から露出している部分だけを黒色にしてもよい。
【0045】
また、金属板部材30の下面を樹脂本体の下面と面一にせずに、樹脂本体の下面よりも高くしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 レンズ駆動装置
2 カメラ装置
3 画像センサ
4 ミラー
5 レンズ体
9 スマートフォン
11 ケース
12 フレーム
13 OIS用第1コイル
14 上側板ばね
15 キャリア
16 OIS用第2コイル
17 下側板ばね
18 OIS用磁石
19 ホルダ
20 AF用磁石
21 検知用磁石
22 AF用コイル
23 FPC
24 サスペンションワイヤ
25 ベース
30 金属板部材
31、33 第1金属部材
35 受部
36 凸部
37 38 39 収容空間
110 第1開口
120 第2開口
121 立ち上げ部
122 水平部
123 連結部
126 第2金属部材
150 貫通孔
151 筒体
152 第2壁部
190 ホルダ開口
191 枠部
192 第1壁部
193 U字凹部
250 起立部
253 開口部
300 貫通孔
305 基部
306 突出部