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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104808
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】磁気後方フレームのサイドシール
(51)【国際特許分類】
   F01D 11/00 20060101AFI20220704BHJP
   F02C 7/28 20060101ALI20220704BHJP
   F01D 9/06 20060101ALI20220704BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20220704BHJP
   F16J 15/12 20060101ALI20220704BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
F01D11/00
F02C7/28 C
F01D9/06
F01D25/00 M
F02C7/28 E
F16J15/12 C
F16J15/10 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021204312
(22)【出願日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】17/136,140
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ドワイト・ベリー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジョン・ヒューズ
【テーマコード(参考)】
3G202
3J040
【Fターム(参考)】
3G202GA19
3G202KK11
3G202KK22
3G202KK26
3J040AA13
3J040BA03
3J040EA50
3J040HA30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ターボ機械用のシール装置を提供する。
【解決手段】シール装置200は、内側部分102および内側部分102から半径方向に分離している外側部分104と、互いに隣接する第1の後方フレーム100および第2の後方フレーム101を含み、第1の後方フレーム100および第2の後方フレーム101は、内側部分102と外側部分104との間に半径方向にそれぞれ延在する第1の側方部分106および第2の側方部分108をさらに含み、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106と第2の後方フレーム101の第2の側方部分108との間に画定される周方向間隙112を横切って延在するサイドシール118を含む。サイドシール118は、1つまたは複数の磁石を含み、1つまたは複数の磁石によって所定の位置に少なくとも部分的に保持される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する第1の後方フレーム(100)および第2の後方フレーム(101)であって、前記第1の後方フレーム(100)および前記第2の後方フレーム(101)はそれぞれ、内側部分(102)および外側部分(104)を備え、前記外側部分(104)は前記内側部分(102)から半径方向に分離され、前記第1の後方フレーム(100)および前記第2の後方フレーム(101)はそれぞれ、前記内側部分(102)と前記外側部分(104)との間にそれぞれ半径方向に延在する第1の側方部分(106)および第2の側方部分(108)をさらに備え、前記第1の後方フレーム(100)の前記第1の側方部分(106)と前記第2の後方フレーム(101)の前記第2の側方部分(108)との間に周方向間隙(112)が画定される、第1の後方フレーム(100)および第2の後方フレーム(101)と、
前記周方向間隙(112)を横切って延在するサイドシール(118)であって、1つまたは複数の磁石を含み、前記1つまたは複数の磁石によって所定の位置に少なくとも部分的に保持される、サイドシール(118)と
を備える、ターボ機械用のシール装置(200)。
【請求項2】
前記第1の後方フレーム(100)および前記第2の後方フレーム(101)はそれぞれ、第1のサイドスロット(124)および第2のサイドスロット(126)を画定し、前記第1のサイドスロット(124)は前記第1の側方部分(106)に沿って画定され、前記第2のサイドスロット(126)は前記第2の側方部分(108)に沿って画定され、前記サイドシール(118)は、前記周方向間隙(112)を横切って前記第1の後方フレーム(100)の前記第1のサイドスロット(124)内に、かつ前記第2の後方フレーム(101)の前記第2のサイドスロット(126)内に延在する、請求項1に記載のシール装置(200)。
【請求項3】
前記第1のサイドスロット(124)および前記第2のサイドスロット(126)はそれぞれ、前記サイドシール(118)を受けるためのテーパ状前壁(162)を含む、請求項2に記載のシール装置(200)。
【請求項4】
前記1つまたは複数の磁石は、半径方向内側磁石(130)および半径方向外側磁石(128)を備え、
外側シェル(132)が、前記半径方向内側磁石(130)および前記半径方向外側磁石(128)を少なくとも部分的に取り囲む、請求項1に記載のシール装置(200)。
【請求項5】
前記1つまたは複数の磁石は、前記サイドシール(118)の前記外側シェル(132)内で互いに対向するように位置決めされた第1の側方磁石(150)および第2の側方磁石(152)をさらに備える、請求項4に記載のシール装置(200)。
【請求項6】
前記第1の側方磁石(150)および前記第2の側方磁石(152)は、反発磁力が前記半径方向内側磁石(130)および前記半径方向外側磁石(128)を前記第1の側方磁石(150)および前記第2の側方磁石(152)から引き離すように反発させるように、前記半径方向内側磁石(130)と前記半径方向外側磁石(128)との間に配置される、請求項5に記載のシール装置(200)。
【請求項7】
第1の後方フレーム(100)の磁石(156)が前記第1の後方フレーム(100)内に埋め込まれ、第2の後方フレーム(101)の磁石(158)が前記第2の後方フレーム(101)内に埋め込まれる、請求項5に記載のシール装置(200)。
【請求項8】
前記第1の側方磁石(150)は、前記第1の後方フレーム(100)の磁石(156)に磁気的に引き付けられ、前記第2の側方磁石(152)は、前記第2の後方フレーム(101)の磁石(158)に磁気的に引き付けられる、請求項7に記載のシール装置(200)。
【請求項9】
外側シール(116)および内側シール(114)がそれぞれ、前記周方向間隙(112)を横切って延在し、
半径方向外側磁石(128)が前記外側シール(116)に結合され、半径方向内側磁石(130)が前記内側シール(114)に結合される、請求項1に記載のシール装置(200)。
【請求項10】
前記サイドシール(118)は、前記内側シール(114)と前記外側シール(116)との間に延在する、請求項9に記載のシール装置(200)。
【請求項11】
圧縮機セクション(14)と、
タービンセクション(18)と、
前記タービンセクション(18)の上流かつ前記圧縮機セクション(14)の下流にある燃焼器セクション(16)であって、前記燃焼器セクション(16)内で第1の燃焼器および第2の燃焼器が互いに隣接し、前記第1の燃焼器および前記第2の燃焼器はそれぞれ、上流端(46)および下流端(48)を有する移行ダクト(44、45)を含み、第1の後方フレーム(100)が前記第1の燃焼器の前記移行ダクト(44)の前記下流端(48)を取り囲み、第2の後方フレーム(101)が前記第2の燃焼器の前記移行ダクト(45)の前記下流端(48)を取り囲む、燃焼器セクション(16)と
を備え、前記第1の後方フレーム(100)および前記第2の後方フレーム(101)はそれぞれ、
内側部分(102)、および前記内側部分(102)から半径方向に分離された外側部分(104)、
前記内側部分(102)と前記外側部分(104)との間にそれぞれ半径方向に延在する第1の側方部分(106)および第2の側方部分(108)であって、周方向間隙(112)が、前記第1の後方フレーム(100)の前記第1の側方部分(106)と前記第2の後方フレーム(101)の前記第2の側方部分(108)との間に画定される、第1の側方部分(106)および第2の側方部分(108)、ならびに
前記周方向間隙(112)を横切って延在するサイドシール(118)であって、1つまたは複数の磁石を含み、前記1つまたは複数の磁石によって所定の位置に少なくとも部分的に保持される、サイドシール(118)
を備える、ターボ機械。
【請求項12】
前記第1の後方フレーム(100)および前記第2の後方フレーム(101)はそれぞれ、第1のサイドスロット(124)および第2のサイドスロット(126)を画定し、前記第1のサイドスロット(124)は前記第1の側方部分(106)に沿って画定され、前記第2のサイドスロット(126)は前記第2の側方部分(108)に沿って画定され、前記サイドシール(118)は、前記周方向間隙(112)を横切って前記第1の後方フレーム(100)の前記第1のサイドスロット(124)内に、かつ前記第2の後方フレーム(101)の前記第2のサイドスロット(126)内に延在する、請求項11に記載のターボ機械。
【請求項13】
前記第1のサイドスロット(124)および前記第2のサイドスロット(126)はそれぞれ、前記サイドシール(118)を受けるためのテーパ状前壁(162)を含む、請求項12に記載のターボ機械。
【請求項14】
前記1つまたは複数の磁石は、半径方向内側磁石(130)および半径方向外側磁石(128)を含み、
外側シェル(132)が、前記半径方向内側磁石(130)および前記半径方向外側磁石(128)を少なくとも部分的に取り囲む、請求項11に記載のターボ機械。
【請求項15】
前記1つまたは複数の磁石は、互いに対向する前記サイドシール(118)の前記外側シェル(132)内に位置決めされた第1の側方磁石(150)および第2の側方磁石(152)をさらに含む、請求項14に記載のターボ機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ターボ機械用のシール装置に関する。特に、本開示は、改良された燃焼器後方フレームのシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボ機械は、エネルギー伝達の目的で、様々な産業および用途において利用されている。例えば、ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクションと、燃焼セクションと、タービンセクションと、排気セクションとを含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る作動流体の圧力を徐々に高め、この圧縮された作動流体を燃焼セクションに供給する。圧縮された作動流体および燃料(例えば、天然ガス)が、燃焼セクション内で混合され、燃焼チャンバ内で燃焼して、高圧かつ高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼セクションからタービンセクションに流れ、そこで膨張して仕事を発生させる。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、例えば、発電機に接続されたロータシャフトを回転させ、電気を発生させることができる。次いで、燃焼ガスは、排気セクションを介してガスタービンから出る。
【0003】
ガスタービンの燃焼セクションは、典型的には、移行ダクトを介してタービンセクションの第1段ノズルに結合された燃焼器を含む。一般的に、各移行ダクトは、タービンセクションの入口側に近接して位置決めされた後方フレームを有する。後方フレームは通常、内側部分および外側部分と呼ばれ、タービンの中心軸に対して半径方向の内側および外側にある2つの弓状部分を有する。後方フレームの内側および外側部分は、側方部分と呼ばれることが多い、半径方向に延在する直線部分によって相互接続される。シールアセンブリは、典型的には、後方フレームとタービンセクションの入口との間をシールするために使用される。特に、内側および外側周方向のシールは、後方フレームの内側および外側部分とタービンセクションの対応する入口との間をシールするために使用される。同様に、半径方向に配向されたサイドシールを近接する後方フレーム間に配置して、1つの後方フレームの側方部分と次の後方フレームとの間の周方向間隙を実質的に閉じてシールすることができる。
【0004】
後方フレームの周りに位置決めされたシールアセンブリは、一般に、高温燃焼ガスがタービンセクションに入る前に圧縮空気で希釈されるのを防止するように機能する。
【0005】
しかしながら、多くの既知のシールアセンブリの使用には問題が存在する。例えば、燃焼ガスの高温は、経時的にシールアセンブリに損傷を引き起こす可能性があり、その結果、アセンブリの寿命が制限され、耐久性が低下する可能性がある。さらに、ガスタービンの動作中の後方フレームおよび第1段ノズルの熱膨張および振動運動が、シールアセンブリの位置ずれおよび/または完全な分離を引き起こし、その結果、構成要素間のシールが不完全になる可能性がある。
【0006】
したがって、当技術分野では、改良されたシールアセンブリが望まれている。特に、耐久性および位置合わせが向上した、ガスタービンエンジンのための改良されたシールアセンブリが望ましく、それによってシールアセンブリの全体的な寿命および耐久性を伸ばす。
【発明の概要】
【0007】
本開示によるシール装置およびターボ機械の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されており、または説明から明らかとなり、または本技術の実施を通して学ぶことができる。
【0008】
一実施形態によれば、ターボ機械用のシール装置が提供される。シール装置は、互いに隣接する第1の後方フレームおよび第2の後方フレームを含む。第1の後方フレームおよび第2の後方フレームはそれぞれ、内側部分および外側部分を含む。外側部分は、内側部分から半径方向に分離している。第1の後方フレームおよび第2の後方フレームは、それぞれ内側部分と外側部分との間に半径方向に延在する第1の側方部分および第2の側方部分をさらに含む。周方向間隙が、第1の後方フレームの第1の側方部分と第2の後方フレームの第2の側方部分との間に画定される。シール装置は、周方向間隙を横切って延在するサイドシールをさらに含む。サイドシールは、1つまたは複数の磁石を含む。サイドシールは、1つまたは複数の磁石によって所定の位置に少なくとも部分的に保持される。
【0009】
別の実施形態によれば、ターボ機械が提供される。ターボ機械は、圧縮機セクションと、タービンセクションと、燃焼器セクションとを備える。燃焼器セクションは、タービンセクションの上流かつ圧縮機セクションの下流に位置決めされる。第1の燃焼器および第2の燃焼器は、燃焼器セクション内で互いに隣接する。第1の燃焼器および第2の燃焼器はそれぞれ、上流端および下流端を有する移行ダクトを含む。第1の後方フレームが、第1の燃焼器の移行ダクトの下流端を取り囲む。第2の後方フレームが、第2の燃焼器の移行ダクトの下流端を取り囲む。第1の後方フレームおよび第2の後方フレームはそれぞれ、内側部分と、内側部分から半径方向に分離された外側部分とを含む。第1の後方フレームおよび第2の後方フレームはそれぞれ、内側部分と外側部分との間に半径方向にそれぞれ延在する第1の側方部分および第2の側方部分をさらに含む。周方向間隙が、第1の後方フレームの第1の側方部分と第2の後方フレームの第2の側方部分との間に画定される。シール装置は、周方向間隙を横切って延在するサイドシールをさらに含む。サイドシールは、1つまたは複数の磁石を含む。サイドシールは、1つまたは複数の磁石によって所定の位置に少なくとも部分的に保持される。
【0010】
本シール装置およびターボ機械のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照すれば、よりよく理解されるはずである。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本技術の実施形態を例示し、明細書における説明と併せて本技術の原理を説明するのに役立つ。
【0011】
当業者へと向けられた本システムおよび方法の作製および使用の最良の態様を含む、本シール装置、およびターボ機械の完全かつ実施可能な開示が本明細書に記載されており、それは添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態によるターボ機械の概略図である。
図2】本開示の実施形態による燃焼器の断面図である。
図3】本開示の実施形態による周方向に近接する移行ダクトの斜視図である。
図4】本開示の実施形態による、第1の後方フレームおよび第2の後方フレームが拡大されたシール装置を示す図である。
図5】本開示の実施形態による、スロットを露出させる軸方向位置に沿った、図4に示すシール装置の断面図である。
図6】本開示の実施形態による、サイドシールの内部構成を露出させる軸方向位置における、図4に示すシール装置の断面図である。
図7】本開示の実施形態による、サイドシールの内部構成を露出させる軸方向位置における、図4に示すシール装置の断面図の代替実施形態を示す図である。
図8】本開示の実施形態による、半径方向に沿ったシール装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本シール装置およびターボ機械の実施形態を詳細に参照するが、その1つまたは複数の例が図面に示されている。各例は、本技術の説明のために提供するものであって、本技術を限定するものではない。実際に、特許請求される技術の範囲または趣旨を逸脱することなく、修正および変更が本技術において可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示または記載された特徴を別の実施形態において使用して、またさらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にあるそのような修正および変更を包含することを意図している。
【0014】
詳細な説明は、図面の特徴を参照するために、数字および文字の符号を使用する。図面および説明における類似または同様の符号は、本発明の類似または同様の部分を指すために使用されている。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の場所または重要性を示すことを意図するものではない。
【0015】
本明細書で使用する場合、「上流」(または「前方」)、および「下流」(または「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は、流体が流れてくる方向を指し、「下流」は、流体が流れていく方向を指す。「半径方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に垂直な相対的な方向を指し、「軸方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に平行および/または同軸に位置合わせする相対的な方向を指し、「周方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線の周りに延在する相対的な方向を指す。「ほぼ」、または「約」などの近似の用語は、記載された値のプラスマイナス10パーセントの範囲内の値を含む。角度または方向の文脈において使用されるとき、そのような用語は、記載された角度または方向のプラスマイナス10度の範囲を含む。例えば、「ほぼ垂直」は、垂直から任意の方向、例えば、時計回りまたは反時計回りに10度の範囲内の方向を含む。
【0016】
ここで図面を参照すると、図1は、ターボ機械の一実施形態の概略図を示しており、ターボ機械は図示の実施形態ではガスタービン10である。産業用または陸上用のガスタービンが本明細書に示されて説明されているが、本開示は、特許請求の範囲に特に明記されない限り、陸上用および/または産業用ガスタービンに限定されない。例えば、本明細書に記載の本発明は、限定はしないが、蒸気タービン、航空機用ガスタービン、または船舶用ガスタービンを含む任意のタイプのターボ機械に使用することが可能である。
【0017】
図示のように、ガスタービン10は、一般に、入口セクション12と、入口セクション12の下流に配置された圧縮機セクション14と、圧縮機セクション14の下流に配置された燃焼器セクション16内の複数の燃焼器(図示せず)と、燃焼器セクション16の下流に配置されたタービンセクション18と、タービンセクション18の下流に配置された排気セクション20とを含む。加えて、ガスタービン10は、圧縮機セクション14とタービンセクション18との間に結合された1つまたは複数のシャフト22を含むことができる。
【0018】
圧縮機セクション14は、一般に、複数のロータディスク24(そのうちの1つが示されている)と、各ロータディスク24から半径方向外向きに延在し、各ロータディスク24に接続された複数のロータブレード26とを含むことができる。次いで、各ロータディスク24は、圧縮機セクション14を通って延在するシャフト22の一部に結合されるか、またはシャフト22の一部を形成してもよい。
【0019】
タービンセクション18は、一般に、複数のロータディスク28(そのうちの1つが図示されている)と、各々のロータディスク28から半径方向外向きに延在し、各々のロータディスク28に相互接続されている複数のロータブレード30とを含むことができる。次に、各ロータディスク28は、タービンセクション18を通って延在するシャフト22の一部に結合されるか、またはシャフト22の一部を形成してもよい。タービンセクション18は、シャフト22の一部およびロータブレード30を周方向に取り囲む外側ケーシング31をさらに含み、それによってタービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に画定する。
【0020】
動作時に、空気36などの作動流体が入口セクション12を通って圧縮機セクション14に流入し、圧縮機セクション14において空気36は徐々に圧縮され、したがって加圧空気または圧縮空気38が燃焼器セクション16の燃焼器17(図2)へともたらされる。圧縮空気38は燃料40と混合され、各燃焼器17(図2)内で燃焼して燃焼ガス34を生成する。燃焼ガス34は、高温ガス経路32を通って燃焼器セクション16からタービンセクション18に流入し、ここで、エネルギー(運動エネルギーおよび/または熱エネルギー)が燃焼ガス34からロータブレード30に伝達されることにより、シャフト22が回転する。機械的回転エネルギーは、その後、圧縮機セクション14への動力供給および/または発電に使用することができる。次いで、タービンセクション18を出た燃焼ガス34は、排気セクション20を介してガスタービン10から排気することができる。
【0021】
図2に示すように、燃焼器17は、圧縮機吐出ケーシングなどの外側ケーシング31によって少なくとも部分的に取り囲まれてもよい。外側ケーシング31は、移行ダクト44などの燃焼器17の様々な部品を少なくとも部分的に取り囲む高圧プレナム42を少なくとも部分的に画定することができる。高圧プレナム42は、圧縮機14(図1)と流体連通し、圧縮空気38をそこから受け取ることができる。図2に示すように、燃焼器17は、後方フレーム100を含む移行ダクト44を介してタービン18の第1段ノズル500に接続されてもよい。図2に示すように、後方フレーム100は、後面62および前面64を画定することができる。移行ダクト44は、流路Pを画定する。また、図2には、タービン18の中心軸Aも示されており、中心軸Aは、軸Aに実質的に平行かつ/または軸Aに沿う軸方向と、軸Aに垂直な半径方向R(図3)と、軸Aの周りに延在する周方向C(図3)とを画定する。
【0022】
ここで図3を参照すると、第1の移行ダクト44および第2の移行ダクト45が示されており、それぞれ上流端46および下流端48を有する。図示のように、第1の後方フレーム100は、第1の移行ダクト44の下流端48を取り囲み、第2の後方フレーム101は、第2の移行ダクト45の下流端48を取り囲む。図3に示すように、いくつかの実施形態では、後方フレーム100、101はそれぞれ、互いに半径方向に分離された内側部分102および外側部分104を含むことができる。第1の側方部分106および第2の側方部分108は、内側部分102と外側部分104との間に半径方向に延在してもよい。例えば、移行ダクト44、45は、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106が第2の後方フレーム101の第2の側方部分108から離間するように配列され、それによってそれらの間に周方向間隙112を画定することができる。多くの実施形態では、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106および第2の後方フレーム101の第2の側方部分108は、互いにほぼ平行であってもよい。また、図3には、各後方フレーム100の内側部分102および外側部分104にそれぞれ配置された、内側シール114および外側シール116が示されている。いくつかの実施形態では、図示するように、内側シール114および外側シール116はそれぞれ、移行ダクト44の間で連続的に周方向に延在する単一のシールであってもよい。他の実施形態では、内側シール114および外側シール116はそれぞれ、1つまたは複数の接続されたセグメントに分割されてもよい。例示的な実施形態では、内側シール114および外側シール116はいずれも、周方向間隙112を横切って(または横断して)延在し、それにより、サイドシール118は、内側シール114と外側シール116との間で半径方向に配置される。
【0023】
図3に示すように、内側シール114および外側シール116は、ガスタービン10の周方向Cに対して周方向に配向されてもよい。例えば、各内側シール114は、近接する後方フレーム100の他方の内側シール114と周方向に位置合わせされ、各外側シール116は、近接する後方フレーム100の他方の外側シール116と周方向に位置合わせされる。したがって、内側シール114および外側シール116は集合的に、周方向に配向されたシールと呼ばれる場合がある。
【0024】
本明細書の説明では、後方フレーム100、101、第1段ノズル500、およびシール114、116、118の特定の特徴を、内側部分102/内側シール114および外側部分104/外側シール116の一方または他方を参照して説明するが、それにもかかわらず、当業者であれば、このような特徴は、内側部分102および/または外側部分104のいずれかまたは両方に付随し得ることが理解されるであろう。
【0025】
図4は、本開示の実施形態による、様々なシール114、116、118がどのように配列されるかを示すために第1の後方フレーム100および第2の後方フレーム101が拡大されたシール装置200を示す。図5は、スロット120、122、124、126(動作中にシール114、116、118が保持される)を露出させる軸方向位置に沿った、図4に示すシール装置200の断面図を示す。図6は、サイドシール118の内部構成を露出させる軸方向位置における、図4に示すシール装置200の断面図である。
【0026】
図4図6にまとめて示すように、シール装置200は、互いに隣接する第1の後方フレーム100および第2の後方フレーム101を含む。詳細に上述したように、第1の後方フレーム100および第2の後方フレームはそれぞれ、内側部分102および外側部分104を含むことができる。内側部分102および外側部分104は、互いに離間していてもよく、内側部分102および外側部分104が概ね湾曲して周方向Cに対応するように、ガスタービン10の周方向Cに共延在してもよい。このようにして、燃焼器17のすべてが燃焼セクション16に組み立てられると、後方フレーム100の集合的な内側部分102は、ガスタービン10の中心線の周りに(周方向Cに沿って)延在するセグメント化された内側リングを画定することができる。同様に、燃焼器17のすべてが燃焼セクション16に組み立てられると、後方フレーム100の集合的な外側部分104は、ガスタービン10の中心線の周りに(周方向Cに沿って)延在するセグメント化された外側リングを画定することができる。
【0027】
後方フレーム100、101はそれぞれ、互いに離間し、かつそれぞれ内側部分102と外側部分104との間に延在する第1の側方部分106および第2の側方部分108を含むことができる。多くの実施形態では、第1の側方部分106および第2の側方部分108はそれぞれ、ガスタービン10の半径方向Rにほぼ沿って延在する実質的に直線状の部材であってもよい。
【0028】
特定の実施形態では、図6および図7に示すように、後方フレーム100、101はそれぞれ、シール114、116、118を部分的に受けるために、後方フレーム100、101のそれぞれの部分102、104、106、108に沿ってノッチまたはスロット120、122、124、126を画定してもよい。例えば、外側スロット120が、外側シール114を部分的に受けるために後方フレーム100、101の外側部分104に沿って画定されてもよく、内側スロット122が、内側シール116を部分的に受けるために後方フレーム100、101の内側部分102に沿って画定されてもよい。同様に、第1のサイドスロット124が、サイドシール118を部分的に受けるために、後方フレーム100、101の各々の第1の側方部分106に沿って画定されてもよく、第2のサイドスロット126が、サイドシール118を部分的に受けるために、後方フレーム100、101の各々の第2の側方部分108に沿って画定されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、スロット120、122、124、126は、内側シール114および外側シール116の両方、ならびに半径方向に配向され、かつ近接する後方フレーム100、101の間に設けられたサイドシール118を受けるために、それぞれの後方フレーム100、101の周囲の全周に延在するように相互接続されてもよい(例えば、スロット120、122、124、126は、側方部分106および108ならびに内側部分102および外側部分104を通って連続的に延在してもよい)。いくつかの実施形態では、スロット120、122、124、126が別個に画定され、相互接続も連続もしないように、シール114、116および118の各々に対するスロットまたはノッチを別個に提供することも可能である。
【0030】
図4および図5に示すように、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106は、第2の後方フレーム101の第2の側方部分108に隣接してもよく(例えば、直接隣接してもよく、直近であってもよい)、それにより、周方向間隙112が第1の後方フレーム100の第1の側方部分106および第2の後方フレーム101の第2の側方部分108に沿って画定される。多くの実施形態では、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106および第2の後方フレーム101の第2の側方部分108は、周方向間隙112が部分106と部分108との間のすべての半径方向位置で等距離にあるように、互いにほぼ平行であってもよい。
【0031】
例示的な実施形態では、図示するように、外側シール116および内側シール114は両方とも、それぞれ周方向間隙112を横切って延在する。結果として、外側シール116および内側シール114は、サイドシール118が収容される半径方向外側と内側の境界を作成する。例えば、サイドシール118は、外側シール116と内側シール114との間に半径方向に延在してもよい。
【0032】
図4図6に示すように、サイドシール118は、周方向間隙112を横切って延在してもよく、それによって燃焼ガスがタービンセクション18に入る前に圧縮空気で希釈されるのを防止する。例えば、サイドシールは、内側シール114と外側シール116との間に延在してもよい。多くの実施形態では、サイドシール118は、内側シール114と外側シール116との間および周方向間隙112を横切ってほぼ半径方向に延在してもよく、これにより、圧縮空気が後方フレーム100と101との間の高温ガス経路に入るのを有利に防止する。
【0033】
例示的な実施形態では、図示するように、サイドシール118は、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106に画定された第1のサイドスロット124内から、周方向間隙112を横切って、第2の後方フレーム101の第2の側方部分108に画定された第2のサイドスロット126内へと延在してもよい。サイドシール118は、高圧プレナム42内の圧縮空気からの圧力によって、第1の後方フレーム100および第2の後方フレーム101とシール係合するように少なくとも部分的に強制されてもよく、これにより、サイドシール118に軸方向Aの(すなわち、図4図6のページから外への)力が生じる。
【0034】
特定の実施形態では、サイドシール118は、半径方向外側磁石128、半径方向内側磁石130、および外側シェル132をさらに含むことができる。半径方向外側磁石128は、外側シール114に結合(例えば、直接結合)してもよい。例えば、サイドシール118の半径方向外側磁石128の第1の端部127は、半径方向外側磁石128と外側シール116との間の吸引磁力を介して外側シール114に磁気的に結合してもよい。同様に、半径方向内側磁石130は、内側シール116に結合(例えば、直接結合)してもよい。例えば、サイドシール118の半径方向内側磁石130の第1の端部129は、半径方向内側磁石130と内側シール116との間の吸引磁力を介して内側シール116に磁気的に結合してもよい。このようにして、サイドシール118は、半径方向外側磁石128および半径方向内側磁石130によって所定の位置に少なくとも部分的に保持することができ、サイドシール118を位置ずれさせることなく、動作中に後方フレーム100、101の移動を有利に可能にすることができる。そのような実施形態では、外側シール114および内側シール116は両方とも、磁石128、130が引き付けられるように、鉄(または鉄含有)金属から形成されてもよい。
【0035】
例えば、半径方向内側シール116、半径方向外側シール114、およびサイドシール118は、鉄(またはいくつかの実施形態では非鉄)金属布材料などの可撓性シール要素から、(少なくとも部分的に)構成されてもよい。より具体的には、サイドシールの外側シェル132は、可撓性シール要素から構成されてもよい。例えば、可撓性シール要素は、適切な金属材料の織メッシュ布であってもよい。可撓性シール要素の材料は、積層してもよく、例えば、単一シートの布材料をそれ自体の上に折り畳んでも、および/または布材料の複数の層を互いに溶接してもよい。他の実施形態(図示せず)では、内側シール116および外側シール114はそれぞれ、それぞれの半径方向内側磁石130およびそれぞれの半径方向外側磁石128を磁気的に引き付ける1つまたは複数の永久磁石を含むことができる。このようにして、可撓性シール要素は、動作中に負荷の下でシール116、114、118が屈曲および/または撓むことを可能にし、かつ燃焼器17のすべての熱状態で適切なシール位置合わせを可能にする非剛性の適合材料であってもよい。
【0036】
サイドシール118の外側シェル132は、半径方向内側磁石130および半径方向外側磁石128を少なくとも部分的に取り囲んでもよい。例えば、外側シェル132は、磁石128、130の一部が露出する(例えば、圧縮空気および/または燃焼ガスに露出する)ように、両方の磁石128、130の一部の周りに環状に延在してもよい。例えば、図示のように、半径方向外側磁石128は、外側シェル132から半径方向外向きに延在し、外側シール114に直接磁気的に結合してもよく、半径方向内側磁石130は、外側シェル132から半径方向内向き延在し、内側シール116に直接磁気的に結合してもよい。他の実施形態(図示せず)では、磁石128、130の一部がどれも露出しない(例えば、圧縮空気および/または燃焼ガスに露出しない)ように、磁石128、130を外側シェル132内に完全に封入してもよい。
【0037】
多くの実施形態では、半径方向外側磁石128および半径方向内側磁石130はそれぞれ、第1の部分134および第2の部分136を含むことができる。第1の部分134は、それぞれの第1の端部127、129と、第1の部分134と第2の部分136との間に配置されたそれぞれの移行点138との間に延在してもよい。同様に、第2の部分136の各々は、それぞれの移行点138からそれぞれの第2の自由端133、131まで延在してもよい。図示のように、第1の部分134は第1の幅140を画定してもよく、それぞれの第2の自由端133、131は第2の幅142を画定してもよい。図6に示すように、第2の幅142は、第2の部分136が移行点138から磁石128、130のそれぞれの自由端133、131まで周方向外向きに広がるように、第1の幅140よりも大きくてもよい。例えば、磁石128、130は、磁石128、130を外側シェル132の内面119に結合するために、第1の幅140から第2の幅142まで先細になっていてもよい。
【0038】
例示的な実施形態では、外側シェル132は、第1の端部146において半径方向外側磁石128の第2の部分136に結合してもよく、第2の端部148において半径方向内側磁石130の第2の部分136に結合してもよい。いくつかの実施形態では、後方フレーム100、101の半径方向移動により、外側シェル132が磁石128、130に対して半径方向に摺動するように、外側シェル132は、半径方向外側磁石128および半径方向内側磁石130に摺動可能に結合されてもよい。他の実施形態では、外側シェル132の内面119は、後方フレーム100、101の半径方向移動が外側シェル132の屈曲および/または撓みをもたらすように、両方の磁石128、130に固定的に結合されてもよい。
【0039】
多くの実施形態では、サイドシール118は、サイドシール118の外側シェル132内で互いに対向するように位置決めされた第1の側方磁石150および第2の側方磁石152をさらに含む。例えば、図示のように、第1の側方磁石150および第2の側方磁石152は、外側シェル132の内面119に結合されてもよい。多くの実施形態では、第1の側方磁石150および第2の側方磁石152は、反発磁力154を均等に分配するために、実質的に同じサイズ(例えば、いくつかの実施形態では全く同じサイズ)であってもよく、サイドシール118の両側で互いに離間していてもよい。例えば、第1の側方磁石150は、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106に沿って(しかし、外側シェル132によって離間して)位置決めされてもよい。同様に、第2の側方磁石152は、第2の後方フレーム101の第2の側方部分108に沿って(しかし、外側シェル132によって離間して)位置決めされてもよい。このようにして、第1の側方磁石150は第1のサイドスロット124内に少なくとも部分的に位置決めされてもよく、第2の側方磁石152は第2のサイドスロット126内に少なくとも部分的に位置決めされてもよい。他の実施形態(図示せず)では、第1の側方磁石150および第2の側方磁石152はそれぞれ、サイドシール118内で互いに接続された複数の磁石であってもよい。
【0040】
図6に示すように、第1の側方磁石150および第2の側方磁石152は、反発磁力が第1の側方磁石150および第2の側方磁石152を反発させて互いから引き離し、それぞれのスロット124、126に向かわせるように配列されてもよい。結果として、サイドシール118は、後方フレーム100、101の動き(例えば、振動運動または熱膨張/収縮)に応じて自己整合することができる。例示的な実施形態では、第1の側方磁石150および第2の側方磁石152は、反発磁力154が半径方向内側磁石130および半径方向外側磁石128を第1の側方磁石150および第2の側方磁石152から離れるように反発させるように、半径方向内側磁石130と半径方向外側磁石128との間に配置される。多くの実施形態では、サイドシール118の磁石128、130、150、および152のすべては、互いに離間し、互いに対して反発磁力154を生成するように配列されてもよい。結果として、サイドシール118は、後方フレーム100、101の動きに応じて自己整合し、それによってシール装置200の効率を高めることができる。
【0041】
図6に示す実施形態では、第1の側方磁石150は、吸引磁力を介して第1の後方フレーム100に磁気的に引き付けられてもよい。例えば、第1の側方磁石150は、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106に磁気的に引き付けられてもよい。同様に、第2の側方磁石152は、第2の後方フレーム101に磁気的に引き付けられてもよい。例えば、第2の側方磁石152は、第2の後方フレーム101の第2の側方部分108に磁気的に引き付けられてもよい。そのような実施形態では、後方フレーム100、101はそれぞれ、磁石が引き付けられるように、鉄系金属から形成されてもよい。
【0042】
図7に示すような他の実施形態では、後方フレーム100、101はそれぞれ、磁力の影響を受けないように、非鉄金属または材料から形成されてもよい。そのような実施形態では、図7に示すように、シール装置200は、第1の後方フレーム100内に埋め込まれた第1の後方フレーム磁石156と、第2の後方フレーム101内に埋め込まれた第2の後方フレーム磁石158とをさらに含むことができる。例えば、第1の後方フレーム磁石156は、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106内に埋め込まれ、第1の側方磁石150を磁気的に引き付けるように配列されてもよい。同様に、第2の後方フレーム磁石158は、第2の側方磁石152を磁気的に引き付けるように、第2の後方フレーム101の第2の側方部分108内に埋め込まれてもよい。このようにして、第1の側方磁石150は第1の後方フレーム磁石156に磁気的に引き付けられてもよく、第2の側方磁石152は第2の後方フレーム磁石158に磁気的に引き付けられてもよい。
【0043】
多くの実施形態では、磁石128、130、150、152、156、158の各々は、材料が磁気の特性、例えば他の鉄含有物体を引き付けること、または外部磁場内でそれ自体を位置合わせさせることを発揮するようにその構成原子が並べられた金属材料片の形態であってもよい。例示的な実施形態では、磁石128、130、150、152、156、158は、アルミニウム、ニッケル、およびコバルトの組み合わせで主に構成される永久磁石であるが、銅、鉄、およびチタンも含むことができるアルニコ磁石であってもよい。アルニコ磁石は、1000°F以上などの極めて高い温度での動作を可能にすることができる。
【0044】
多くの実施形態では、磁石128、130、150、152、156、158はそれぞれ、第1の極、すなわちN極と、第2の極、すなわちS極とを含むことができる。当業者に一般的に理解されるように、永久磁石(例えば、本明細書に記載の磁石128、130、150、152、156、158)の端部はその極と呼ばれる。一端はN極と呼ばれ、他端はS極と呼ばれる。2つの磁石が、一方のS極が他方のN極に面するように配向されている場合、磁石は、磁石を互いに向かって引っ張る力を発揮する。同様に、2つの磁石が、2つの同様の極が互いに面するように配向されている場合、磁石は、磁石を互いに反発させる力を発揮する。磁石128、130、150、152、156、158は、特定の端部にラベル付けされた極を有するものとして図6および図7に示されているが、各極を切り替え、それによって同じ構成をもたらすが反対の磁極配向を有し得ることは、本開示の範囲内であると想定される。
【0045】
図8は、半径方向Rに沿ったシール装置200の断面図を示す。図示するように、第1のサイドスロット124および第2のサイドスロット126はそれぞれ、後壁160、テーパ状前壁162、および軸方向に延在する側壁164を含むことができる。例えば、スロット124および126はそれぞれ、壁160、162、164によって集合的に画定されてもよい。多くの実施形態では、テーパ状前壁162は、その設置中にサイドシール118がスロット124および126によって受けられることを可能にすることができる(図8の破線および矢印によって示される)。例えば、テーパ状前壁162は、後壁160および軸方向に延在する側壁164に対してほぼ傾斜していてもよい。
【0046】
多くの実施形態では、図8に示すように、サイドシール118は、実質的に矩形の断面形状(設置時に最長辺が周方向Cに配向される)を有してもよい。特定の実施形態では、図8に示すように、第1の後方フレーム磁石156は、第1の後方フレーム100の第1の側方部分106の後壁160および/または軸方向に延在する側壁164内に埋め込むことができる。同様に、第2の後方フレーム磁石158は、第2の後方フレーム101の第2の側方部分108の後壁160および/または軸方向に延在する側壁内に埋め込むことができる。
【0047】
動作中、本明細書に記載のシール装置200は、燃焼ガス34がタービンセクション18に入る前に圧縮空気で希釈されるのを有利に防止する。本明細書に記載のサイドシール118は、シール118の適合した外側シェル132に力を発揮する様々な磁石128、130、150、152、156、158により、後方フレーム100、101の動き(例えば、振動運動および/または熱運動)に応じて有利に自己整合することができる。
【0048】
本明細書は、例を用いて、本発明を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの作製および使用ならびにあらゆる組み込まれた方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にする。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者であれば想到できる他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を含む場合や、特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含む場合に、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
10 ガスタービン
12 入口セクション
14 圧縮機セクション、圧縮機
16 燃焼器セクション、燃焼セクション
17 燃焼器
18 タービンセクション、タービン
20 排気セクション
22 シャフト
24 ロータディスク
26 ロータブレード
28 ロータディスク
30 ロータブレード
31 外側ケーシング
32 高温ガス経路
34 燃焼ガス
36 空気
38 圧縮空気
40 燃料
42 高圧プレナム
44 第1の移行ダクト
45 第2の移行ダクト
46 上流端
48 下流端
62 後面
64 前面
100 第1の後方フレーム
101 第2の後方フレーム
102 内側部分
104 外側部分
106 第1の側方部分
108 第2の側方部分
112 周方向間隙
114 内側シール、半径方向外側シール
116 外側シール、半径方向内側シール
118 サイドシール
119 内面
120 外側スロット
122 内側スロット
124 第1のサイドスロット
126 第2のサイドスロット
127 第1の端部
128 半径方向外側磁石
129 第1の端部
130 半径方向内側磁石
131 第2の自由端
132 外側シェル
133 第2の自由端
134 第1の部分
136 第2の部分
138 移行点
140 第1の幅
142 第2の幅
146 第1の端部
148 第2の端部
150 第1の側方磁石
152 第2の側方磁石
154 反発磁力
156 第1の後方フレーム磁石
158 第2の後方フレーム磁石
160 後壁
162 テーパ状前壁
164 側壁
200 シール装置
500 第1段ノズル
A 中心軸
C 周方向
P 流路
R 半径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】