(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104829
(43)【公開日】2022-07-11
(54)【発明の名称】電極ワイヤノイズを検出するためのシステム、方法、及びプロセス
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20220704BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20220704BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021214082
(22)【出願日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】17/136,596
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】リオール・ボッツァー
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル-タル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】電極ワイヤノイズを検出すること。
【解決手段】本開示は、プローブの遠位先端の屈曲又は偏向によって引き起こされる電極ワイヤノイズを検出するためのシステム、方法、及びプロセスを提供する。プローブアクチュエータのための変位センサ及びプローブ電極ワイヤと一体化された検知ワイヤを含む、このノイズを検出するための様々なセンサ構成が開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブアセンブリであって、
複数の電極ワイヤに接続された複数の電極を有する遠位先端、及び前記遠位先端を変位させるように構成されたアクチュエータを含むプローブと、
センサであって、
(i)前記遠位先端の変位中の前記アクチュエータの位置、又は
(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成されたノイズ、のうちの少なくとも1つを検出するように構成されたセンサと、を備える、プローブアセンブリ。
【請求項2】
前記センサは、前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズを検出するように構成された少なくとも1本の検知ワイヤを含む、請求項1に記載のプローブアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記プローブアセンブリのハンドル本体内に位置付けられている、請求項2に記載のプローブアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極ワイヤも含むプローブケーブルアセンブリ束内に位置付けられ、前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記遠位先端の前で終端し、前記少なくとも1本の検知ワイヤ及び前記複数の電極ワイヤは、共通の電気回路に接続されている、請求項2に記載のプローブアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極から絶縁されている、請求項2に記載のプローブアセンブリ。
【請求項6】
前記アクチュエータの前記位置に基づいて、前記アクチュエータの速度を決定するように構成されたプロセッサを更に備える、請求項1に記載のプローブアセンブリ。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記アクチュエータの前記速度が所定の速度閾値を超える間隔を識別するように更に構成されている、請求項6に記載のプローブアセンブリ。
【請求項8】
(i)前記アクチュエータの速度が所定の速度閾値を超えるか、又は(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズが所定のノイズ閾値を超える期間中に取得された信号を無効化するか又は該信号をフィルタ処理するように構成されたプロセッサを更に備える、請求項1に記載のプローブアセンブリ。
【請求項9】
前記センサは、前記アクチュエータに取り付けられた第1のセンサ構成要素と、前記プローブの本体に取り付けられた第2のセンサ構成要素とを含み、そのため、前記第1のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して移動可能であり、前記第2のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して静止している、請求項1に記載のプローブアセンブリ。
【請求項10】
前記センサは、容量式変位センサ、加速度計、ホール効果センサ、光センサ、レジスタ変位センサ、又は磁気センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプローブアセンブリ。
【請求項11】
プローブ内の電極ワイヤノイズを検出する方法であって、前記方法は、
複数の電極ワイヤに接続された複数の電極を有する遠位先端を含むプローブ内にセンサを配置することであって、前記プローブは、前記遠位先端を変位させるように構成されたアクチュエータを含む、ことと、
前記センサを介して、
(i)前記遠位先端の変位中の前記アクチュエータの位置、又は
(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成されたノイズ、のうちの少なくとも1つを検出することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記センサは、前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズを検出するように構成された少なくとも1本の検知ワイヤを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記プローブアセンブリのハンドル本体内に位置付けられている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極ワイヤも含むプローブケーブルアセンブリ束内に位置付けられており、前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記遠位先端の前で終端し、前記少なくとも1本の検知ワイヤ及び前記複数の電極ワイヤは、共通の電気回路に接続されている、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極から絶縁されている、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
プロセッサを介して、(i)前記アクチュエータの速度が所定の速度閾値を超えるか、又は(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズが所定のノイズ閾値を超える期間中に取得された信号を無効化するか、又は該信号をフィルタ処理することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
プロセッサを介して、前記アクチュエータの前記位置に基づいて、前記アクチュエータの速度を決定することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサを介して、前記アクチュエータの前記速度が所定の速度閾値を超える間隔を識別することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記センサは、前記アクチュエータに取り付けられた第1のセンサ構成要素と、前記プローブの本体に取り付けられた第2のセンサ構成要素とを含み、そのため、前記第1のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して移動可能であり、前記第2のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して静止している、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記センサは、容量式変位センサ、加速度計、ホール効果センサ、光センサ、レジスタ変位センサ、又は磁気センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電極ワイヤノイズの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルなどのプローブは、プローブの場所を把握することが重要である状況を含む、広範囲の用途で使用される。プローブは、外科医が心臓の解剖学的構造に対してプローブの位置を追跡する心臓外科手術などの外科手術中に使用され得る。外科医は、典型的には、プローブのハンドル内に統合されたノブ又はピストンなどのいくつかのタイプのアクチュエータを使用することによって、手術中にプローブの先端を偏向又は屈曲させる必要がある。プローブ内の電子機器の敏感な性質により、プローブの遠位先端のこの変位は、望ましくない干渉又はノイズを引き起こし、この干渉又はノイズは、プローブの遠位先端内の電極から正確な読み取り値を得ることを困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、プローブの遠位先端の偏向に関連するノイズ又は干渉に関係した問題に対処する解決策を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、プローブ内の電極ワイヤノイズを検出する方法が開示される。この方法は、プローブ内にセンサを配置することを含み、プローブは、複数の電極ワイヤに接続された複数の電極を有する遠位先端と、遠位先端を変位させるように構成されたアクチュエータと、を含む。この方法は、センサを介して、(i)遠位先端の変位中のアクチュエータの位置、又は(ii)遠位先端の変位中に複数の電極ワイヤによって生成されたノイズ、のうちの少なくとも1つを検出することを含む。
【0005】
別の態様では、複数の電極ワイヤに接続された複数の電極を有する遠位先端を画定するプローブと、遠位先端を変位させるように構成されたアクチュエータと、を含むプローブアセンブリが開示される。アセンブリは、(i)遠位先端の変位中のアクチュエータの位置、又は(ii)遠位先端の変位中に複数の電極ワイヤによって生成されたノイズ、のうちの少なくとも1つを検出するように構成されたセンサを含む。
【0006】
(i)又は(ii)のいずれかにおけるセンサからの情報は、次いで、許容できないほど大きいアクチュエータの変位量、又は電極ワイヤからの信号がノイズを経験することになるような、許容できないほど大きい電極ワイヤ内のノイズ量のいずれかが存在する間隔又はエピソードを識別するために、方法及びシステムの両方において使用されるか又は更に処理される。
【0007】
本方法及びシステムの複数の異なる態様及び構成要素が、本明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面と共に例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解が可能になる。
【
図2】一態様による
図1のプローブの遠位先端を示す。
【
図3】一態様による
図1のプローブの概略図を示す。
【
図4】一態様による
図1のプローブの断面図を示す。
【
図5A】
図1のプローブ内に実装されたセンサの様々な状態を示す。
【
図5B】
図1のプローブ内に実装されたセンサの様々な状態を示す。
【
図5C】
図1のプローブ内に実装されたセンサの様々な状態を示す。
【
図6】別の態様による
図1のプローブの断面図である。
【
図7】別の態様によるセンサを含むプローブの概略図である。
【
図8】
図7のプローブの線VIII-VIIIを通る断面図である。
【
図9A】未処理の偏向検知及びポストフィルタ処理中の電圧測定値を示す。
【
図9B】未処理の偏向検知及びポストフィルタ処理中の電圧測定値を示す。
【
図10B】
図10Aに示される少なくとも1つのステップによって生成された信号を示す。
【
図10C】
図10Aに示される少なくとも1つのステップによって生成された信号を示す。
【
図10D】
図10Aに示される少なくとも1つのステップによって生成された信号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示されるように、プローブの遠位先端を変位させるためにプローブ内のアクチュエータを係合することに関連する静的摩擦、ノイズ、及び他のタイプの干渉に関係した問題に対処するシステム、装置、及び方法が提供される。
【0010】
プローブという用語は、本明細書では、カテーテルという用語と互換的に使用されており、当業者は、任意のタイプの検知デバイスを本明細書に開示される構成に実装することができることを理解されよう。
【0011】
本明細書で使用されるとき、ノイズという用語は、一般に、信号の任意の不必要な乱れを指すために使用される。ノイズは、一般に、電気信号のエラー又は望ましくないランダムな中断を引き起こし得る。
【0012】
一態様では、開示された主題は、偏向追跡がプローブアセンブリ内に実装される配置を提供する。この追跡に基づいて、任意のノイズ又は干渉が識別され、次いでプローブアセンブリ内の電極によって生成される信号からフィルタで除去され得る。
【0013】
図1は、開示されている主題の態様を実施するための一実施形態を例示している。
図1に示されるとおり、外科医は、患者に対して、プローブ1を操縦しているところである。一実施形態では、外科医は、患者の心臓2内でプローブ1を操縦しているところである。
【0014】
一態様では、少なくとも1つのセンサ5が患者の身体に直接取り付けられている。一実施形態では、センサ5は、磁気信号及び/又は電気信号を検出するよう、構成されているパッチである。一態様では、センサ5は、センサ5の中からインピーダンスを測定するように構成されている。別の態様では、カテーテル先端に装着された少なくとも1つの単軸磁気センサは、患者パッド(すなわち、患者の下)の少なくとも1つの外部磁気センサと組み合わせて作用するように構成されている。一実施形態では、3つの異なる方向に配向された(すなわち、120度離間した)カテーテルに装着され、3つの外部磁気センサと組み合わせて作用するように構成されている、3つの磁気センサが存在する。そのような技術の詳細は、以下の文書に提供されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれる:米国特許第5,391,199号、米国特許第5,443,489号、米国特許第5,558,091号、米国特許第6,172,499号、米国特許第6,177,792号、米国特許第6,690,963号、米国特許第6,788,967号、及び米国特許第6,892,091号。別の態様では、外部センサなしで使用されるように構成されている、カテーテル上のインピーダンスセンサが提供される。そのような技術の詳細は、以下の文書に提供されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に完全に記載されているかのように組み込まれる:米国特許第5,944,022号、米国特許第5,983,126号、及び米国特許第6,456,864号。これらのセンサは、一般に、患者の呼吸サイクルのモデル化、いつ患者の肺が吸気又は呼気しているかの特定、及びプローブの場所の追跡を支援する。
【0015】
当業者は、本明細書に開示される実施形態が心臓に限定することなく、他のタイプの身体部分又は臓器を分析するために実装され得ることを、本開示に基づいて理解されよう。外科医は、モニタ3上で、呼吸、プローブの運動及び場所、並びにカテーテル-心臓の運動及び場所に関連する様々なデータセット及びモデルを見る。モニタ3は、プローブ及びセンサによって検出された信号に関するデータを表示するように構成され得る。
【0016】
プローブ1は、本明細書においてプローブアセンブリとも称される。プローブ1は、ハンドル1a、遠位先端1b、及びコンピューティングシステム4に接続された近位部分1cを含み得る。ハンドル1aは、プローブ1の遠位先端1bで要素を操作するために外科医によって係合されるように構成された、
図3、
図4、
図6、及び
図7により明確に示されるアクチュエータ10を含む。
【0017】
このコンピューティングシステム4は、本明細書において開示されている、様々なプロセス及びアルゴリズムを実行するよう構成されている。コンピューティングシステム4は、コントロールユニット4a、プロセッサ4b及びメモリユニット4cを含むことができる。コントロールユニット4aは、プローブ1及びセンサからの信号を解析して、プローブ1の座標及び位置、並びに様々な他の情報を決定するよう構成され得る。メモリユニット4cは様々なタイプとすることができ、一般に、位置データ、呼吸データ、時間データ、並びにプローブ1及びセンサに関する他のタイプのデータを追跡するように構成されている。コンピューティングシステム4は、本明細書において開示されている工程、プロセス、方法、構成、特徴などのいずれかを実行するよう構成され得る。
【0018】
図2に示すように、プローブ1の遠位先端1bは、プローブの複数のアーム22に沿って配置された複数の電極20を含む。これらの電極20は、アーム22内の電気ワイヤ21(
図2及び
図3に示される)を介してコンピューティングシステム4に電気的に接続される。電極20は、患者内の電気信号を検出するように構成され、より具体的には、電極20が患者の組織に接触するときに、患者の組織によって生成された電気信号を検出するように構成され得る。当業者は、電極20の構成が変わり得ることを、本開示に基づいて理解されよう。例えば、電極20を有する5つのアーム22が
図2に示されているが、当業者は、プローブ1の遠位先端1bの正確な形状及び構成が、任意の数のアーム22を含むように、あるいはバスケット若しくはバルーン形状又は他の形状若しくは形態に配置されるように変わり得ることを認識されよう。
【0019】
図3は、プローブ1内に統合されたセンサ30及びアクチュエータ10を示すためのプローブ1の概略図を示す。アクチュエータ10が係合又は変位されると、その運動がプローブ1の遠位先端1bに付与される。例えば、アクチュエータ10を係合することにより、心臓解剖学的構造の様々な部分に対してアーム22を屈曲又は偏向させ得る。この運動を付与するプロセスは、本質的に、プローブ1内のワイヤ21が張力下に置かれるか、又はそうでなければ操作されることからノイズ又は干渉を引き起こす。このノイズ又は干渉により、電極20から信号を識別することが困難になる。
【0020】
図3に示すように、プローブ1(センサ30を含む)は、コンピューティングシステム4及びその関連する構成要素に接続される。プローブ1及びセンサ30の先端1bの電極20によって生成された全ての信号は、コンピューティングシステム4によって処理される。
【0021】
センサ30は、コンピューティングシステム4、又はセンサ30とコンピューティングシステム4との間のプローブ1に提供されるプリント回路基板若しくは電気回路15に直接接続され得るか、又は無線で信号を送信するように構成され得る。当業者は、プローブ1の電気構成要素の特定の構成が変わり得ることを理解されよう。
【0022】
図3には、アクチュエータ10が一般的に示されている。当業者は、アクチュエータ10の正確な形態が変わり得ること、及びアクチュエータ10に適用される外科医の物理的操作を、プローブ1の遠位先端1b(すなわちアーム22)に付与される対応する動きに変換するように構成された、ダイヤル、ノブ、スライダ、又は任意の他の構成要素を含み得ることを理解されよう。外科医は、プローブ1のアーム22が屈曲若しくは偏向されるか、ないしは別の方法で変位されるように、アクチュエータ10に線形、回転、若しくはねじれ操作を適用する場合がある。センサ30の形態は、様々なタイプのアクチュエータ10に実装されるように適合され得る。例えば、アクチュエータ10がノブ又はダイヤルである場合、センサ30は、ノブ又はダイヤル上のマーキング、及びマーキングを検出するように構成されている光学検知デバイスを含み得る。同様に、磁気標的構成要素は、ノブ又はダイヤル上に配置され得、磁気検知構成要素は、磁気標的構成要素の位置を検出するように構成され得る。
【0023】
一態様では、センサ30は、(i)アクチュエータ10の位置、又は(ii)プローブ1の遠位先端1b内の電極20に接続された少なくとも1つのワイヤ21によって生成されるノイズ、のうちの少なくとも1つを検出するように構成されている。一般的な態様では、センサ30は、電極20に接続されたワイヤ21が経験する干渉又はノイズを検出するように構成されている。この構成は、様々な方法で、例えば、アクチュエータ10の位置若しくは動きを追跡することによって、又は電極20に接続されたワイヤ21が直接経験するインパルス、張力、変位、ノイズ、若しくは静電を追跡することによって実装され得る。当業者は、本開示に基づいて、ワイヤ21が経験するノイズ又は干渉を識別するために他の構成が実装され得ることを認識するであろう。
【0024】
本明細書に記載のセンサ30は、様々な方法で実装され得る。例えば、センサ30は、容量式変位センサ、摺動レジスタ変位センサ、オプティカルエンコーダー、ホール効果センサ、圧電センサ、又は任意の他のタイプのセンサとして実装され得る。一実施形態では、センサ30は、本明細書でより詳細に説明される電気検知ワイヤからなる。
【0025】
図4は、プローブ1のハンドル1aのより詳細な図を示す。
図4に配向されるように、プローブ1の遠位先端1bは、断面の右側にある。
図4では、アクチュエータ10はピストンとして示されている。
図4は、プローブ1のハンドル1a内にセンサ30を実装するための1つの例示的な構成を示す。
図4に示すように、センサ30は、静止構成要素32及びモバイル構成要素34を含む。一態様では、モバイル構成要素34は、アクチュエータ10に接続される。
図4に示すように、アクチュエータ10をセンサ30に接続するリンケージ36が提供される。一実施形態では、モバイル構成要素34は、アクチュエータ10に直接接続され得る。別の実施形態では、モバイル構成要素34とアクチュエータ10との間のリンケージを提供するために、中間接続要素が提供され得る。
【0026】
プローブ1のハンドル1aは、様々なチャンバ又は空洞を含み得る。
図4に示すように、センサ30は、空洞11a内に実装される。他の実施形態では、当業者に理解されるように、センサ30は、別の空洞11b、又はプローブ1の任意の他の領域若しくは部分に実装され得る。他の実施形態では、センサ30は、ハンドル1a以外のプローブ1の領域に実装される。
【0027】
図5A~
図5Cは、様々な状態30’、30’’、及び30’’’のセンサ30を示す。これらの図のそれぞれにおいて、モバイル構成要素34は、静止構成要素32によって画定されるボアの内側に摺動可能に受容される。一実施形態では、静止構成要素32及びモバイル構成要素34は、円筒形構成要素である。当業者は、これらの構成要素の形状が変わり得ることを理解されよう。
図5Aに示すように、リンケージ36は、静止構成要素32をプローブ1の本体に接続する第1の部分36aを含む。リンケージ36はまた、モバイル構成要素34をアクチュエータ10に接続する第2の部分36bを含む。第1及び第2の部分36a、36bは、
図5A~
図5Cに概略的に示されているが、当業者は、これらの構成要素が変更され得ることを理解されよう。例えば、静止構成要素32は、プローブ1のハンドル1aによって画定される空洞内に圧入され得る。別の例では、第2の部分36bは省略可能であり、モバイル構成要素34は、アクチュエータ10に直接取り付けられ得る。
【0028】
図5Aに示すように、モバイル構成要素34は、ほぼ完全に静止構成要素32の内側にある。この状態は、第1の静電容量値C1に対応する。
図5Bは、モバイル構成要素34の約半分が静止構成要素32の内側にある状態に対応する。
図5Bは、第2の静電容量値C2を有する状態に対応する。
図5Cは、モバイル構成要素34が、ほぼ完全に静止構成要素32の外側にある別の状態に対応する。第3の静電容量値C3は、
図5Cの配置によって提供される。変化する静電容量値C1、C2、及びC3に基づいて、アクチュエータの位置を決定することが可能である。一実施形態では、C1>C2>C3である。当業者は、
図5A~
図5Cに示される配置が変更され得ることを理解するであろう。
【0029】
図6は、センサ30の別の配置を示す。この構成では、センサ30は、空洞11b内に、アクチュエータ10とより直接接触するように提供される。この配置では、センサ30は、静止構成要素又はプレート132、及びアクチュエータ10に取り付けられたモバイル構成要素134を含む。この実施形態では、静止構成要素132は、プレートからなり得、より具体的には、銅プレートからなり得る。同様に、モバイル構成要素134も銅プレートからなり得る。当業者が本開示に基づいて認識するように、構成要素132、134を形成するために様々なタイプの材料が使用され得る。これらの構成要素132、34は、電気回路15又はコンピューティングシステム4に接続される。
【0030】
一実施形態では、センサ30は、力を検知する直線型電位差計として実装される。アクチュエータ10が手動操作により変位すると、アクチュエータ10は、アクチュエータ10によって偏向するか、ないしは別の方法で操作されるように構成されたストリップ又はパッドと係合し得る。アクチュエータ10が移動すると、センサ30は、アクチュエータ10の位置を検出し得、次いで、その位置がコンピューティングシステム4に送信される。言い換えれば、センサ30は、アクチュエータ10の相対位置を検出し、次いで、抵抗値などの出力信号が、アクチュエータ10の位置を示すために提供される。
【0031】
別の実施形態では、センサ30は、導電性フィルムセンサアセンブリとして実装される。例えば、半導電性材料層がアクチュエータ10に適用され得る。半導電性材料層は、アクチュエータ10の周りに収縮包装され得、対応するセンサ30は、アクチュエータ10の位置を検出するように配置され得る。
【0032】
様々な実施形態に開示されるように、一般にアクチュエータ10の位置を検出するセンサ30が提供される。アクチュエータ10の位置に基づいて、コンピューティングシステム4は、アクチュエータ10の速度を決定するように構成されている。一般に、アクチュエータ10のスピード又は速度が大きいほど、電極ワイヤ21が経験する、結果として生じるノイズ又は干渉は大きくなる。
【0033】
本明細書に開示される配置のいずれか1つにおいて、センサ30は、加速度計からなり得るか、又は加速度計の形態の二次センサを含み得る。
図3に示すように、加速度計40は、プローブ1に提供され、アクチュエータ10の運動を検出するように構成されている。当業者は、アクチュエータ10の運動又は電極ワイヤ21の動きを追跡するために、追加の検知構成要素がプローブ1に実装され得ることを理解されよう。
【0034】
本明細書に開示される構成のいずれか1つにおいて、センサ30は、プローブ1の遠位先端1bに提供される電極20の偏向又は屈曲を制御する、プローブ1のアクチュエータ10の変位に関する情報を提供する。次いで、この情報は、アクチュエータ10の速度を決定するために、コンピューティングシステム4によって使用され得る。この情報を使用して、コンピューティングシステム4は、次いで、アクチュエータ10が閾値速度を超えて変位している期間を識別し得る。アクチュエータ10が所定の閾値速度を上回って移動している場合、それらの時間間隔中に取得されたデータ又は情報はノイズ又は干渉を受ける可能性が高いため、コンピューティングシステム4は、それらの時間間隔中に取得された信号又はデータをフィルタ処理し得る。一態様では、比較的速い閾値速度は、毎秒10cmであり、比較的遅い閾値速度は、毎秒0.5~1.0cmである。速い動きの間に検出された信号は、無効化され得るか、又は更に処理され得る。当業者は、これらの値が、カテーテルの設計及び並進移動、並びに張力に応じて変わり得ることを理解されよう。このノイズ又は干渉は、外科医がプローブ1の遠位先端1b内の電極20によって検出される正確な電気生理学信号を確認することを困難にする。他の態様では、センサ30は、アクチュエータ10の加速度を検出するように構成されている。
【0035】
図7は、プローブ1の遠位先端1bを偏向又は屈曲させるアクチュエータ10の衝撃を識別するための別の態様を示す。
図7は、センサ30が2つの検知ワイヤ38a、38bからなるプローブ1の簡略化された概略図を示す。これらの検知ワイヤ38a、38bは、プローブ1の遠位先端1b内の電極に接続されたワイヤ21に隣接して位置付けられる。一態様では、検知ワイヤ38a、38bは、リード又はアンテナとして作用する。言い換えれば、検知ワイヤ38a、38bは、電極ワイヤ21が経験する電圧変動又は他の変化を検出するように構成されている。
【0036】
図7にケーブルシース1eを示し、
図8にケーブルシース1eをより詳細に示す。ケーブルシース1eの内部には、複数の電極ワイヤ21並びに検知ワイヤ38a、38bが一緒に束ねられる。
図8に明確に注釈されていないシース1eの内側にある残りのワイヤの全ては、電極ワイヤ21である。一態様では、ワイヤ21、38a、38bは、電極ワイヤ21が経験する任意の張力又は運動が検知ワイヤ38a、38bでも経験されるように、しっかりと束にして詰め込まれる。当業者は、ワイヤ21、38a、38bを一緒に束ねる必要がなく、検知ワイヤ38a、38bが電極ワイヤ21と近接しているか、ないしは別の方法で係合される他の配置も可能であることを理解されよう。更に、
図8のワイヤの束は、特定の形状及び配置で示されているが、当業者は、形状及び配置が変更され得ることを理解されよう。
【0037】
ワイヤ21、38a、38bの全ては、通常、
図7に概略的に示される電気回路15に接続される。電気回路15は、コンピューティングシステム4に接続される。電気回路15は、任意の他の構成要素に接続され得、一般に、ワイヤ21、38a、38bへの信号及びワイヤ21、38a、38bからの信号を受信、処理、及び/又は送信するように構成され得る。
図7の要素17として概略的に示されるレジスタは、電気回路15内の検知ワイヤ38aと38bとの間に実装され得る。一態様では、レジスタは、プローブ1のハンドル内に位置付けられる。別の実施形態では、レジスタは、ワイヤ38a、38bのうちの1つの中に位置付けられる。電気回路15は、レジスタ、導電体、コンデンサ、電圧源などの任意の電気構成要素を含み得、電気回路15は、ワイヤ21、38a、38bからの負荷、インパルス、力、張力、又は任意の他の信号が検出されるような任意の構成に配置され得る。
【0038】
検知ワイヤ38a、38bは、プローブ1の遠位先端1bによって画定される電極20のいずれにも接続されず、電極20から絶縁される。代わりに、検知ワイヤ38a、38bは、電極20及びアーム22の先端部の手前のある領域(
図6の領域1dなど)で終端する。一実施形態では、2つの検知ワイヤ38a、38bが提供される。当業者は、単一の検知ワイヤ38a又は3つ以上の検知ワイヤ38a、38bが使用され得ることを理解されよう。別の構成では、ある地面に対する電位を測定するように構成された単一の検知ワイヤが実装され得る。
【0039】
例示目的で、図面を簡略化するために、1つの電極ワイヤ21のみが
図7に示されているが、当業者は、複数の検知ワイヤ21が提供されることを理解されよう。一実施形態では、プローブ1の遠位先端1b内のそれぞれの電極20は、対応の電極ワイヤ21に接続され、したがって、電極ワイヤ21の数は、プローブ1の遠位先端1bの構成に応じて大きく変わり得る。
【0040】
検知ワイヤ38a、38bによって形成されたセンサ30は、摩擦によって引き起こされるノイズ、より具体的には、電極ワイヤ21に関連付けられた静電摩擦によって引き起こされるノイズを追跡し、識別するように構成されている。検知ワイヤ38a、38bは、ハンドル1a、遠位先端1b(電極20の手前)、又は近位部分1cを含む、プローブ1の任意の領域に提供され得る。検知ワイヤ38a、38bは電極に接続しないため、検知ワイヤ38a、38bは、患者の組織に関するいかなる局所信号測定も生成しない。代わりに、検知ワイヤ38a、38bは、具体的には、電極ワイヤ21によって生成されるノイズの影響を受けるように構成されている。偏向中の電極ワイヤ21の動きによって静電が発生すると、検知ワイヤ38a、38bの電位が変更され、静電放電の存在を検出するために測定及び使用され得る電圧変化が生じる。したがって、この態様では、検知ワイヤ38a、38bは、センサとして機能及び動作する。
【0041】
一態様では、コンピューティングシステム4は、センサ30から信号を受信し(どのように実装又は具現化されているか、すなわち、変位センサとしてか、検知ワイヤとしてか、又は任意の他の構成としてかは関係なく)、アクチュエータ10が係合される一方で、電極ワイヤ21が張力下にあるか、移動されるか、ないしは別の方法で影響されることによるノイズ又は干渉を識別するように構成されている。
【0042】
コンピューティングシステム4は、ノイズが所定のノイズ閾値を超える期間中に電極ワイヤ21によって生成された信号の間隔をフィルタ処理又は無効化するように構成され得る。言い換えれば、コンピューティングシステム4は、許容できないレベルのノイズが存在する間に特定のエピソードを識別するように構成されており、それらのエピソードを自動的にフィルタ処理し得る。当業者が本出願に基づいて理解するように、ノイズの量は回路設計に基づいて変わり得る。
【0043】
一態様では、比較的低い抵抗(すなわち、1Ω)を有するレジスタが使用される場合、結果として検出される電圧も一般に低くなる。別の態様では、比較的高い抵抗(すなわち、10MΩ)を有するレジスタが使用される場合、レジスタは、電力出口からはるかに大きいノイズを検出する。したがって、一態様では、比較的中程度の抵抗(すなわち、5KΩ~50KΩ)を有するレジスタが一般に好ましい。検知構成を本質的に較正するために、臨床設定又は臨床現場でプローブ1を使用することによって、ノイズのベースラインレベルが確立され得る。このプロセスは、手動操作又は移動速度閾値超過のいずれかによって、ノイズを意図的に発生させることにより、ノイズの事象を識別することを伴う。次いで、検知ワイヤ38a、38bによって測定されたノイズを比較することができ、特定のノイズ事象を分析して、特に高いノイズエピソードを拒否又は無効化することができるベースライン又はカットオフ閾値を確立することができる。これらの検知ステップ及びポストフィルタ処理に関連付けられたデータを
図9A及び
図9Bに示す。
図9A及び
図9Bは、試験データを表し、1つの電極は30KΩのレジスタに接続されている。
図9Aは、2本の検知ワイヤ38a、38bから記録された信号を示す。破線は、検知ワイヤ38a、38bからの偏向検知に対応し、実線は、電極からの心電計(ECG)信号を示す。両方の線がほとんどの活動を示しているチャートの中間領域は、ECG信号がエネルギー(すなわち、偏向ノイズ)を有する期間に対応する。この通電状態の間、検知ワイヤ38a、38bからの信号を表す破線も活動を示している。
図9Bは、偏向ノイズエネルギーの領域(破線)を識別するために、破線(検知ワイヤ38a、38bの信号に対応する)がどのようにフィルタ処理されるかを示すために提供される。
【0044】
更なる処理ステップは、アルゴリズム、プロセス、又はコンピューティングシステム4にプログラムされた他の機能によって実行され得る。一態様では、センサによって検出された不要なノイズに対処することは、処理を使用して、例えば二乗平均平方根(RMS)関数を介して、検出された信号を整流することを更に含み得る。検出された信号は、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタを使用してフィルタ処理され得る。ハイパスフィルタ処理は、局所的な成分を除去し得る。言い換えれば、信号が「浮遊」している(すなわち、零線上にない)場合、ベースラインは除去され得る。ローパスフィルタ処理は、
図9A及び
図9Bの「偏向検知」データとして示される高周波成分を除去することによって信号を平滑にする。
【0045】
プロセス1000を一般に示したフロー図を
図10Aに示す。
図10B~
図10Dは、電極(実線)及び/又はセンサ(破線)からのECG信号を示す。
【0046】
図10Aに示すように、ステップ1010は、センサ(すなわち、センサ30)から信号をサンプリングすることを含む。一態様では、センサは、2つの検知ワイヤ(すなわち、ワイヤ38a、38b)を含む。当業者は、センサが本明細書に開示される他の構成のいずれかを含み得ることを理解するであろう。ステップ1010からのデータを
図10Bに表す。
【0047】
ステップ1020は、フィルタ処理ステップを含む。一態様では、フィルタ処理ステップは、電力線ノイズをフィルタ処理することを含む。フィルタは、50Hz及び/又は60Hzのエネルギー及び関連する高調波を減衰させるように構成された櫛形フィルタタイプであり得る。このステップは、偏向に敏感であるように構成及び較正される。ステップ1030は、ステップ1020からの信号に絶対フィルタを適用する。ステップ1040は、ハイパス(すなわち、0.5Hz)及び/又は局所平均信号を減算するか、若しくはベースラインを除去する局在化フィルタなどの追加のフィルタを適用することを含む。
図10Cは、ステップ1020、1030、及び1040の後の残りの信号を示す。
図10Cは、1mVの振幅ベースラインを示すが、当業者は、ベースラインが0mVに近くなり得ることを理解されよう。
【0048】
ステップ1050は、1秒間の実行平均などの所定の設定を有するローパスフィルタを適用することを含む。このプロセスは、
図10Dの信号によって示されるように、本質的に小さいスパイクを平滑にし、平均エネルギー値を提示する。センサ信号(破線で示される)は、ECG信号(実線)にエネルギーがない中間期間で低くなっている。
【0049】
ステップ1060は、ノイズの閾値を設定することを含む。当業者は、ステップ1060が、本明細書に記載のステップのうちのいずれか1つ以上の前に実行され得ることを理解されよう。ステップ1070は、検出された信号が閾値を超えているかどうかをチェックすることを含む。ステップ1070において検出された信号が閾値を超えていると判定された場合、ステップ1080は、偏向を検出することを含む。一実施形態では、センサによって検出された閾値信号が所定の期間(すなわち、100ms)を超えたときに警告がトリガされ得る。当業者は、本明細書に開示される概念を使用して、異なる警告システム又は監視システムが実装され得ることを理解されよう。
【0050】
一態様では、開示された主題は、電極ワイヤ21からの生信号にフィルタを適用するだけでなく、代わりに、センサ30によって収集された追加の情報又は信号を使用して、アクチュエータ10によって引き起こされるノイズ及び電極ワイヤ21のその偏向が考慮されるように電極ワイヤ信号を分析する。
【0051】
一態様では、センサ30がアクチュエータ10の変位及び速度を検出するように構成されている場合、コンピューティングシステム4は、具体的に、アクチュエータ10が所定の速度閾値を超えて移動している間隔中に生成された信号を無効化又はフィルタ処理するように構成され得る。コンピューティングシステム4はまた、電極20及びセンサ30によって受信された信号に、ハイパス若しくはローパスフィルタ又は平滑化フィルタ若しくは機能を適用するように構成され得る。一態様では、センサ30によって検出された信号は、モニタ3又は他の表示手段を介して外科医又は医師に提供され得、フィルタ処理又は無効化は必要とされない。
【0052】
本明細書に開示される主題は、本質的に電極ワイヤ21が影響を受ける原因となる、プローブ1の遠位先端1bを偏向又は屈曲させることによって生じる問題に対処する。アクチュエータ10又は電極ワイヤ21を監視することにより、開示された主題に従ってプローブ1の遠位先端1bの偏向又は屈曲の影響を受けるモーメント及び信号を特定することが可能である。
【0053】
本明細書において開示されている主題は、以下のBiosense Webster,Incのコンポーネント又はインターフェース:CARTO(登録商標)3 System Qmode+Software、Qdot Catheter、nMARQ(商標)RF発生器及びクールフローポンプ、VISITAG(登録商標)モジュール、及びPentaray Nav Catheterのうちのいずれか1つ以上を使用して実行することができる。当業者は、開示されている主題は、様々な他の構成要素及びインターフェースを用いて実装され得ることを理解されよう。
【0054】
開示されている主題は、ヒト患者、又は患者の心臓と関連して使用することに限定されない。開示されている主題は、腔などの任意のタイプの対象物の特徴を解析するために、様々な用途に使用することができる。更に、検知構成は、非医療用途で使用することができる。
【0055】
本明細書に記載される機能及び方法はいずれも、汎用コンピュータ、プロセッサ、又はプロセッサコアに実装されることができる。好適なプロセッサとしては、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)回路、任意のその他のタイプの集積回路(integrated circuit、IC)、及び/又は状態機械が挙げられる。
【0056】
そのようなプロセッサは、処理されたハードウェア記述言語(hardware description language、HDL)命令及びネットリストなどのその他の中間データ(そのような命令は、コンピュータ可読媒体に記憶させることが可能である)の結果を使用して製造プロセスを構成することにより、製造することが可能である。そのような処理の結果はマスクワークであり得、このマスクワークをその後半導体製造プロセスにおいて使用して、本開示の特徴を実装するプロセッサを製造する。
【0057】
本明細書に記載される機能及び方法はいずれも、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装されて、汎用コンピュータ又はプロセッサによって実行されることができる。
【0058】
非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体の例としては、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、磁気媒体、例えば、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスク、磁気光学媒体、並びに光学媒体、例えば、CD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)が挙げられる。
【0059】
本明細書の開示に基づいて多くの変更例が可能であることを理解されたい。特徴及び要素が特定の組み合わせで上に説明されているが、各特徴又は要素は、他の特徴及び要素を用いずに単独で、又は他の特徴及び要素を用いて若しくは用いずに他の特徴及び要素との様々な組み合わせで使用されてもよい。
【0060】
〔実施の態様〕
(1) プローブアセンブリであって、
複数の電極ワイヤに接続された複数の電極を有する遠位先端、及び前記遠位先端を変位させるように構成されたアクチュエータを含むプローブと、
センサであって、
(i)前記遠位先端の変位中の前記アクチュエータの位置、又は
(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成されたノイズ、のうちの少なくとも1つを検出するように構成されたセンサと、を備える、プローブアセンブリ。
(2) 前記センサは、前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズを検出するように構成された少なくとも1本の検知ワイヤを含む、実施態様1に記載のプローブアセンブリ。
(3) 前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記プローブアセンブリのハンドル本体内に位置付けられている、実施態様2に記載のプローブアセンブリ。
(4) 前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極ワイヤも含むプローブケーブルアセンブリ束内に位置付けられ、前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記遠位先端の前で終端し、前記少なくとも1本の検知ワイヤ及び前記複数の電極ワイヤは、共通の電気回路に接続されている、実施態様2に記載のプローブアセンブリ。
(5) 前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極から絶縁されている、実施態様2に記載のプローブアセンブリ。
【0061】
(6) 前記アクチュエータの前記位置に基づいて、前記アクチュエータの速度を決定するように構成されたプロセッサを更に備える、実施態様1に記載のプローブアセンブリ。
(7) 前記プロセッサは、前記アクチュエータの前記速度が所定の速度閾値を超える間隔を識別するように更に構成されている、実施態様6に記載のプローブアセンブリ。
(8) (i)前記アクチュエータの速度が所定の速度閾値を超えるか、又は(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズが所定のノイズ閾値を超える期間中に取得された信号を無効化するか又は該信号をフィルタ処理するように構成されたプロセッサを更に備える、実施態様1に記載のプローブアセンブリ。
(9) 前記センサは、前記アクチュエータに取り付けられた第1のセンサ構成要素と、前記プローブの本体に取り付けられた第2のセンサ構成要素とを含み、そのため、前記第1のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して移動可能であり、前記第2のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して静止している、実施態様1に記載のプローブアセンブリ。
(10) 前記センサは、容量式変位センサ、加速度計、ホール効果センサ、光センサ、レジスタ変位センサ、又は磁気センサのうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載のプローブアセンブリ。
【0062】
(11) プローブ内の電極ワイヤノイズを検出する方法であって、前記方法は、
複数の電極ワイヤに接続された複数の電極を有する遠位先端を含むプローブ内にセンサを配置することであって、前記プローブは、前記遠位先端を変位させるように構成されたアクチュエータを含む、ことと、
前記センサを介して、
(i)前記遠位先端の変位中の前記アクチュエータの位置、又は
(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成されたノイズ、のうちの少なくとも1つを検出することと、を含む、方法。
(12) 前記センサは、前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズを検出するように構成された少なくとも1本の検知ワイヤを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記プローブアセンブリのハンドル本体内に位置付けられている、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極ワイヤも含むプローブケーブルアセンブリ束内に位置付けられており、前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記遠位先端の前で終端し、前記少なくとも1本の検知ワイヤ及び前記複数の電極ワイヤは、共通の電気回路に接続されている、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記少なくとも1本の検知ワイヤは、前記複数の電極から絶縁されている、実施態様12に記載の方法。
【0063】
(16) プロセッサを介して、(i)前記アクチュエータの速度が所定の速度閾値を超えるか、又は(ii)前記遠位先端の変位中に前記複数の電極ワイヤによって生成された前記ノイズが所定のノイズ閾値を超える期間中に取得された信号を無効化するか、又は該信号をフィルタ処理することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(17) プロセッサを介して、前記アクチュエータの前記位置に基づいて、前記アクチュエータの速度を決定することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記プロセッサを介して、前記アクチュエータの前記速度が所定の速度閾値を超える間隔を識別することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記センサは、前記アクチュエータに取り付けられた第1のセンサ構成要素と、前記プローブの本体に取り付けられた第2のセンサ構成要素とを含み、そのため、前記第1のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して移動可能であり、前記第2のセンサ構成要素は、前記プローブの前記本体に対して静止している、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記センサは、容量式変位センサ、加速度計、ホール効果センサ、光センサ、レジスタ変位センサ、又は磁気センサのうちの少なくとも1つを含む、実施態様11に記載の方法。
【外国語明細書】