(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104845
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】スピンドルレスターンテーブルの回転中心の標示方法並びにこの標示方法を適用するスピンドルレスターンテーブル及びライトボックス
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20220705BHJP
G03B 15/07 20210101ALI20220705BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20220705BHJP
G03B 15/05 20210101ALI20220705BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
G03B17/56 E
G03B15/07
G03B15/02 G
G03B15/05
H04N5/222
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219938
(22)【出願日】2020-12-30
(71)【出願人】
【識別番号】504267932
【氏名又は名称】萬里科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】頼鵬程
【テーマコード(参考)】
2H053
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H053DA04
2H105CC25
2H105CC29
5C122GD05
5C122HA82
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】本発明は、使用者が被写体を盤面の回転中心に載置できるようにスピンドルレスターンテーブルの回転中心を標示するのに用いられる標示方法並びにこの標示方法を適用するスピンドルレスターンテーブル及びライトボックスを提供する。
【解決手段】本発明の標示方法は、ディスプレイ装置により固定式撮影装置のプレビュー画面を表示し、治具を回転させてプレビュー画面中で治具が形成した移動軌跡に基づいて回転中心を定義し、標示装置の光線の照準を回転中心に合わせる。この標示方法を適用するライトボックス及びそのスピンドルレスターンテーブルは円盤、駆動機構及び標示装置を含む。駆動機構は円盤の周縁から円盤を動かして回転中心を中心にして回転させる。標示装置は円盤周縁に設置され、盤面に向かって光線を照射するのに用いられる。被写体を載置する時、光線は被写体と円盤の間を持続的に通過して盤面上に位置する回転中心に照射される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドルレスターンテーブルの回転中心を標示するのに用いられる標示方法であって、
(a)ディスプレイ装置により固定式撮影装置のプレビュー画面を表示し、前記プレビュー画面は少なくとも前記スピンドルレスターンテーブルの盤面の中心領域及び前記盤面上に載置される治具を含むステップと、
(b)前記スピンドルレスターンテーブルの駆動により前記治具を回転させるとともに、前記プレビュー画面中で前記治具が形成した移動軌跡に基づき、前記プレビュー画面中で前記回転中心に対応する基準中心を定義するステップと、
(c)少なくとも1つの標示装置により前記盤面に向かって光線を照射するとともに、前記プレビュー画面中に表示された前記光線が前記基準中心を通過するようにするステップと、
を含む標示方法。
【請求項2】
前記治具上には少なくとも1つの基準点、少なくとも1つの基準線分又はその組み合わせを有する、請求項1に記載の標示方法。
【請求項3】
前記ステップ(b)は、前記治具の回転過程において少なくとも1回前記プレビュー画面を取り込んで少なくとも1つの取り込み画像を取得するとともに、前記取り込み画像と前記プレビュー画面を重ね合わせることにより重ね合わせた後の前記プレビュー画面中で前記移動軌跡を形成することをさらに含む、請求項1に記載の標示方法。
【請求項4】
前記ステップ(b)は、まず前記プレビュー画面を取り込んで前記治具の前記取り込み画像中における第1位置を取得し、次に前記スピンドルレスターンテーブルの駆動により前記治具を180度回転させて前記治具の前記取り込み画像中における第2位置を取得し、さらに前記第1位置及び前記第2位置の間の中間点に基づいて前記基準中心を定義することを含む、請求項3に記載の標示方法。
【請求項5】
前記ステップ(b)は、まず前記取り込み画像の透明度を調整し、次に半透明状の前記取り込み画像と前記プレビュー画面を重ね合わせることをさらに含む、請求項3に記載の標示方法。
【請求項6】
前記ステップ(b)は、前記治具の回転過程において前記プレビュー画面を複数回取り込んで複数の前記取り込み画像を取得するとともに、これらの前記取り込み画像を重ね合わせて前記移動軌跡を形成することさらに含む、請求項1に記載の標示方法。
【請求項7】
前記移動軌跡は円形軌跡、弧形軌跡、環状軌跡又はその組み合わせである、請求項1に記載の標示方法。
【請求項8】
前記固定式撮影装置は前記スピンドルレスターンテーブルの一側又は上方から前記プレビュー画面を撮影する、請求項1に記載の標示方法。
【請求項9】
前記標示装置は前記スピンドルレスターンテーブルの少なくとも一側、少なくとも一側の上方及び直上のうち少なくとも1つから前記盤面に向かって前記光線を照射する、請求項1に記載の標示方法。
【請求項10】
被写体を動かして前記スピンドルレスターンテーブルの回転中心を中心にして回転させるのに用いられるスピンドルレスターンテーブルであって、
盤面を有する円盤と、
前記円盤の周縁から前記円盤を動かして前記回転中心を中心にして回転させる駆動機構と、
前記周縁に設置され、前記盤面に向かって光線を照射するのに用いられる少なくとも1つの標示装置であって、前記被写体を前記盤面に載置する過程において、前記光線は前記被写体と前記円盤の間を通過して前記盤面上に位置する前記回転中心に照射する標示装置と、
を含むスピンドルレスターンテーブル。
【請求項11】
前記駆動機構は、
前記周縁の一側から前記円盤に当接する少なくとも1つの従動ユニットと、
前記周縁の別の一側から前記円盤に当接すると同時に、前記円盤を動かして前記回転中心を中心にして回転させる少なくとも1つの駆動ユニットと、
を含む、請求項10に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項12】
前記駆動機構は複数の駆動ユニットを含み、これらの前記駆動ユニットは前記周縁の異なる方向から前記円盤に当接すると同時に、前記円盤を動かして前記回転中心を中心にして回転させる、請求項10に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項13】
前記光線はスポット光線又は十字光線であり、かつ前記スポット光線の中心点又は前記十字光線の交点は前記盤面上に位置する前記回転中心に照射される、請求項10に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項14】
前記標示装置の数量は複数であり、各前記光線は線状光線であり、かつこれらの前記線状光線の交点は前記盤面上に位置する前記回転中心に照射される、請求項10に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項15】
前記標示装置は磁気素子、係合部材、締結部材又はその組み合わせにより前記周縁に固定設置される、請求項10に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項16】
ベース部をさらに含み、前記ベース部は頂面及び前記頂面上に形成される開口を有し、前記標示装置が前記頂面上に設置され、前記円盤が前記開口中に設置される、請求項10に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項17】
ボトムライトをさらに含み、前記円盤は透光円盤であり、かつ前記ボトムライトは前記透光円盤の下方に設置される、請求項10に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項18】
前記透光円盤の材質は半透明ガラス、透明ガラス、半透明プラスチック、透明プラスチック又はその組み合わせである、請求項17に記載のスピンドルレスターンテーブル。
【請求項19】
請求項10に記載の前記スピンドルレスターンテーブルと、
頂面、前記頂面上に形成される開口及びボトムライトを有するベース部であって、前記標示装置が前記頂面上に設置され、前記円盤は透光円盤であるとともに前記開口中に設置され、さらに前記ボトムライトは前記頂面かつ前記透光円盤の下方に設置されるベース部と、
前記円盤の後方に設置されるバックライトと、
を含む、ライトボックス。
【請求項20】
前記ベース部の前方に設置されるフロントライト、前記ベース部の一側に設置されるサイドライト及び前記ベース部の上方に設置されるトップライトのうち少なくとも1つを含む、請求項19に記載のライトボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスピンドルレスターンテーブルの回転中心(rotation center)の標示方法に関し、特に、スピンドルレスターンテーブル及びスピンドルレスターンテーブルを含むライトボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
eコマースの目覚ましい進歩に伴い、既存のウェブサイト製作プラットフォームの多くは360度インタラクティブ動画(interactive animation)の再生をサポートでき、ウェブサイト閲覧者が優れたユーザー体験を得られるようになっている。例えば、オークションサイトについていえば、訪問者が商品の特徴をより明確に理解できるようにするため、広告文に商品の様々な角度からの精巧で美しい写真を付すのが常態となっている。事業者がさらに360度のインタラクティブ動画を提供し、ウェブサイト訪問者が商品を見たい角度まで自由に回転させて商品の様々な特徴を事細かに見られるようにすることにより、ウェブサイト訪問者は商品をより理解できるため、オンラインショッピングのトラブルを効果的に低減することもできる。透明背景(transparent background)の360度インタラクティブ動画を迅速に作製するため、スピンドルレスターンテーブルを備えるライトボックスは時運に応じて現れたのである。
【0003】
スピンドルレスターンテーブルは通常駆動機構(driving mechanism)により側縁から底部のスピンドルを備えない透光盤面(transparent round platter)を動かして回転させるため、透光盤面上の商品を撮影するとき、ボトムライトを利用して透光盤面上で形成される商品の影を消せるだけでなく、スピンドルがレンズに入り込む問題を心配する必要もない。また、透光盤面の下方及び後方にボトムライト及びバックライトをさらに設置し、ボトムライト及びバックライトのオン・オフを利用して商品画像の色は同じであるが背景の色が異なる2枚の写真を撮影し、さらに背景の色の差を利用して透明背景を有する商品画像を自動的に生成することができる。撮影時に透光盤面と商品を一緒に回転させる場合は、透明背景を有する360度インタラクティブ動画を自動的に生成することもできる。しかし、透光盤面はスピンドルを備えていないので、撮影時に使用者がその回転中心を判断することは難しい。このため、現在の市場では透光盤面を備えるターンテーブルやライトボックスは一般的であるが、通常は固定式の標示装置を使用して使用者が見てわかるように盤面の中心を標示する。
【0004】
図1及び
図2はそれぞれ先行技術における標示装置の使用状態を示す図である。
図1に示すように、1つ目は、十字光線22aを発射できる標示装置20aを透光盤面10の直上に設置し、光線22aの交点を透光盤面10の回転中心に当たるように合わせる標示方式である。しかし、被写体30が載置されると光線22aの伝搬経路が遮られ、光線22aの交点が透光盤面10上にうまく照射されないことがよくある。
図2に示すように、2つ目は、線状光線22bを発射できる標示装置20bを透光盤面10の前上方及び左側又は右側上方にそれぞれ設置し、2本の光線の透光盤面10上の交点を透光盤面10の回転中心に当たるように合わせる標示方式である。これも同様に、被写体30が載置されると光線22bの伝搬経路が遮られ、2本の光線22bが透光盤面10上でうまく交点を形成できないことがよくある。さらに、目視では透光盤面10の回転中心が見えなく、また通常透光盤面10は製造公差により正円を形成できない。このため、透光盤面10と標示装置20aの相対位置を一度変更したり、駆動機構が透光盤面10に当接して押す力の強さを一度変更したりすると、使用者は回転中心を再び見つけることが難しくなる。したがって、スピンドルレスターンテーブルの回転中心を標示する方法と、被写体載置過程において回転中心を持続的に見つけ出せるターンテーブル及びライトボックスを早急に提案する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の問題を解決するために、使用者が被写体を盤面の回転中心に載置できるようにスピンドルレスターンテーブルの回転中心を標示するのに用いられる標示方法を提供する。
【0006】
上述の問題を解決するために、本発明は、使用者が被写体を盤面に載置する過程において盤面上の回転中心を持続的に見つけられるようにする、スピンドルレスターンテーブル又はスピンドルレスターンテーブルを備えるライトボックスをさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が提供する標示方法は、スピンドルレスターンテーブルの回転中心を標示するのに用いられ、(a)ディスプレイ装置により固定式撮影装置のプレビュー画面を表示し、そのプレビュー画面は少なくともスピンドルレスターンテーブルの盤面の中心領域及び盤面上に載置される治具を含むステップと、(b)スピンドルレスターンテーブルの駆動により治具を回転させるとともに、プレビュー画面中で治具が形成した移動軌跡に基づき、プレビュー画面中で回転中心に対応する基準中心を定義するステップと、(c)少なくとも1つの標示装置により盤面に向かって光線を照射するとともに、プレビュー画面中に表示された光線が基準中心を通過するようにするステップと、を含む。
【0008】
本発明の一実施形態において、上述の治具上には少なくとも1つの基準点、少なくとも1つの基準線分又はその組み合わせを有する。
【0009】
本発明の一実施形態において、上述のステップ(b)は、治具の回転過程において少なくとも1回プレビュー画面を取り込んで少なくとも1つの取り込み画像を取得するとともに、取り込み画像とプレビュー画面を重ね合わせることにより重ね合わせた後のプレビュー画面中で移動軌跡を形成することをさらに含む。本発明の特定の一実施形態において、上述のステップ(b)は、まずプレビュー画面を取り込んで治具の取り込み画像中における第1位置を取得し、次にスピンドルレスターンテーブルの駆動により治具を180度回転させて治具の取り込み画像中における第2位置を取得し、さらに第1位置及び第2位置の間の中間点に基づいて基準中心を定義することを含む。本発明の別の特定の実施形態において、上述のステップ(b)は、まず取り込み画像の透明度(transparency)を調整し、次に半透明状の取り込み画像とプレビュー画面を重ね合わせることをさらに含む。
【0010】
本発明の一実施形態において、上述のステップ(b)は、治具の回転過程においてプレビュー画面を複数回取り込んで複数の取り込み画像を取得するとともに、これらの取り込み画像を重ね合わせて移動軌跡を形成することさらに含む。
【0011】
本発明の一実施形態において、上述の移動軌跡は円形軌跡、弧形軌跡、環状軌跡又はその組み合わせである。
【0012】
本発明の一実施形態において、上述の固定式撮影装置はスピンドルレスターンテーブルの一側又は上方からプレビュー画面を撮影する。
【0013】
本発明の一実施形態において、上述の標示装置はスピンドルレスターンテーブルの少なくとも一側、少なくとも一側の上方及び直上のうち少なくとも1つから盤面に向かって光線を照射する。本発明の特定の一実施形態において、上述のスピンドルレスターンテーブルはベース部及び円盤を含み、ベース部は頂面及び頂面上に形成される開口を有し、円盤は盤面を有するとともに開口中に設置される。標示装置は頂面上に設置され、盤面に向かって光線を照射する。本発明の別の特定の実施形態において、上述のスピンドルレスターンテーブルはライトボックス内に設置され、かつ標示装置はライトボックスの天井板の中心又は側縁に設置されるとともに、盤面に向かって光線を照射する。本発明のさらに別の特定の実施形態において、上述のスピンドルレスターンテーブルはライトボックス内に設置され、かつ標示装置はライトボックスの側板の下縁又は上縁に設置されるとともに、盤面に向かって光線を照射する。
【0014】
本発明の一実施形態において、上述の光線はスポット光線(spot beam)、線状光線、円形光線、環状光線、多辺形光線、十字光線(cross beam)又はその組み合わせである。
【0015】
本発明が提供するスピンドルレスターンテーブルはさらに、被写体を動かしてスピンドルレスターンテーブルの回転中心を中心にして回転させるのに用いられ、そのスピンドルレスターンテーブルは円盤、駆動機構及び少なくとも1つの標示装置を含む。円盤は盤面を有し、駆動機構は円盤の周縁から円盤を動かして回転中心を中心にして回転させる。標示装置は周縁に設置され、盤面に向かって光線を照射するのに用いられ、被写体を盤面に載置する過程において、光線は被写体と円盤の間を通過して盤面上に位置する回転中心に照射される。
【0016】
本発明の一実施形態において、上述の駆動機構は少なくとも1つの従動ユニット及び少なくとも1つの駆動ユニットを含み、従動ユニットは周縁の一側から円盤に当接し、駆動ユニットは周縁の別の一側から円盤に当接して円盤を動かして回転中心を中心にして回転させる。
【0017】
本発明の一実施形態において、上述の駆動機構は複数の駆動ユニットを含み、かつこれらの駆動ユニットは周縁の異なる方向から円盤に当接すると同時に、円盤を動かして前記回転中心を中心にして回転させる。
【0018】
本発明の一実施形態において、上述の光線はスポット光線又は十字光線であり、かつスポット光線の中心点又は十字光線の交点は盤面上に位置する回転中心に照射される。
【0019】
本発明の一実施形態において、上述の標示装置の数量は複数であり、各光線は線状光線であり、かつ線状光線の交点は盤面上に位置する前記回転中心に照射される。
【0020】
本発明の一実施形態において、上述の標示装置は磁気素子、係合部材、締結部材又はその組み合わせにより周縁に固定設置される。
【0021】
本発明の一実施形態において、上述のスピンドルレスターンテーブルはベース部をさらに含み、ベース部は頂面及び頂面上に形成される開口を有し、標示装置が頂面上に設置され、円盤が開口中に設置される。
【0022】
本発明の一実施形態において、上述のスピンドルレスターンテーブルはボトムライトをさらに含み、円盤は透光円盤であり、かつボトムライトは透光円盤の下方に設置される。本発明の特定の一実施形態において、透光円盤の材質は半透明(translucent)ガラス、透明(transparent)ガラス、半透明プラスチック、透明プラスチック又はその組み合わせである。
【0023】
本発明が提供するライトボックスは、上述のスピンドルレスターンテーブル、ベース部及び円盤の後方に設置されるバックライトを含む。ベース部は頂面、頂面上に形成される開口及びボトムライトを有し、標示装置が頂面上に設置され、円盤は透光円盤であるとともに開口中に設置され、さらにボトムライトは頂面かつ透光円盤の下方に設置される。本発明の特定の一実施形態において、ライトボックスは、ベース部の前方に設置されるフロントライト、ベース部の一側に設置されるサイドライト及びベース部の上方に設置されるトップライトのうち少なくとも1つをさらに含む。
【発明の効果】
【0024】
上述によれば、本発明の標示装置は円盤の一側に設置されるのであって、先行技術について記載されたように円盤の一側の上方又は直上に設置されるのではない。したがって、使用者が被写体を盤面に載置する過程において、特に被写体が回転中心の直上かつ盤面の非常に近くに位置するとき、光線は被写体と円盤の間を通過して盤面上に照射されることにより、使用者が見てわかるように回転中心を持続的に標示できる。また、スピンドルレスターンテーブルは回転軸を備えないため、円盤や駆動機構を交換又は組み立て直したりすると、回転中心が製造や組立公差によりずれて、標示装置を較正し直す必要が出てくる。したがって、本発明は、スピンドルレスターンテーブルの実際の回転中心を使用者が随時自ら探したり標示装置を利用したりして標示できるようにする標示方法をさらに提供する。
【0025】
本発明の上述の特徴及び利点をさらに明確で分かりやすくするため、以下に複数の実施形態を挙げ、図面を組み合わせて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】先行技術における標示装置の使用状態を示す図である。
【
図2】先行技術における標示装置の使用状態を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に基づくスピンドルレスターンテーブルの構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に基づくライトボックスの構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に基づく標示方法のフローチャートである。
【
図6】
図5に示す標示方法における操作を示す図である。
【
図7】
図5に示す標示方法における操作を示す図である。
【
図6】
図5に示す標示方法における操作を示す図である。
【
図9】
図5に示す標示方法における治具がプレビュー画面で形成する移動軌跡を示す図である。
【
図10】
図5に示す標示方法における治具がプレビュー画面で形成する移動軌跡を示す図である。
【
図11】本発明のもう1つの実施形態に基づくライトボックスの構造を示す図である。
【
図12】本発明のもう1つの実施形態に基づくライトボックスの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図3は本発明の実施形態に基づくスピンドルレスターンテーブルの構造を示す図である。
図3に示すように、スピンドルレスターンテーブル100は例えばベース部210、円盤110、駆動機構120並びに2つの標示装置140a及び140bから成る。この実施形態において、ベース部210は頂面212及び頂面212上に形成される開口214を有することができる。円盤110は例えば半透明ガラス、透明ガラス、半透明プラスチック、透明プラスチック等の材量から成る単層又は多層の透光円盤であってよく、かつ開口214中に設置される。ベース部210内部にはボトムライト(図中未表示)を設置することにより、円盤110の下方から均一な光線を提供できる。ここで、ボトムライトは例えば、アレイ配列の複数の発光ダイオード(LED:light emitting diode)のパッケージ、帯状ライト(strip)、ライトボード又はチューブ状ライトから成る。
【0028】
駆動機構120は例えば2つの保持部122及び124並びにモーター126から成る。ここで、これらの保持部122及び124は円盤110の相対する両側から円盤110の周縁を保持するものであり、モーター126はそのうちの1つの保持部122上に設置され、周縁から円盤110を動かしてスピンドルレスターンテーブル100の回転中心を中心にして回転させるのに用いられる。標示装置140a及び140bは例えば頂面212上に設置されるとともに、それぞれ円盤110の前側及び右側に設置され、直立の線状光線142a及び142bを発射するのに用いられ、かつ光線142a及び142bは円盤110の盤面112上に照射されて交点を形成し、盤面112上に位置する回転中心に重ね合わせられる。また、その他未表示の実施形態において、駆動機構は2つのモーターを含むことができ、各保持部上にモーターが1つずつ設置されてもよい。もしくは、駆動機構は3つ以上の保持部を含むことができ、これらの保持部は例えば周縁の異なる方向から円盤を保持し、かつそのうちの少なくとも1つの保持部上にモーターが設置されてもよい。
【0029】
この実施形態において、標示装置140a及び140bの底部にはそれぞれマグネットを設け、ベース部210の少なくとも標示装置140a及び140bに対応する取り付け位置は鉄、コバルト、ニッケル、ネオジウム等の強磁性体(ferromagnetic material)から作られ、これにより使用者は磁気吸引力を利用して標示装置140a及び140bを迅速に円盤110の周囲に設置できるだけでなく、その方向及び位置の微調整も簡単にできる。しかし、その他の実施形態において、標示装置140a及び140bは少なくとも1組のマグネット、フック、スナップ及び面ファスナー等のような係合部材、ねじ、ボルト、締結孔、長穴等のような締結部材又はそれらの組み合わせを利用して円盤110の周囲に設置されてもよい。
【0030】
さらに、標示装置140a及び140bが円盤110の周囲に設置されるとき、その高さはいずれも盤面112の高さよりやや高い。このため、被写体300が盤面112上に載置される過程において、標示装置140aの光線142aは被写体300の前表面上に照射されるだけでなく、被写体300と円盤110の間を持続的に通過して盤面112上に照射され、かつ2本の光線142aと142bの交点も回転中心上に持続的に照射される。言い換えれば、被写体300を載置する過程において、使用者は光線140aと140bが盤面112上に照射する交点と、被写体300の前表面及び右側表面上に照射されるマークにより、被写体300が回転中心の位置に合わせられているか否かを繰り返し判断することができる。
【0031】
また、その他未表示の実施形態において、円盤は不透光円盤であってもよく、かつベース部内にはボトムライトを備えなくてもよい。さらに、その他未表示の実施形態において、スピンドルレスターンテーブルはベース部を含まなくてもよい。この場合、駆動機構は机上面又は床面等の設置面上に固定設置され、設置面上方の円盤を動かして回転させることができ、かつ標示装置も併せて設置面上に固定設置される。他にも、スピンドルレスターンテーブルは、1本のスポット光線又は十字光線を照射するのに用いられる1つの標示装置のみを含み、かつスポット光線の中心点又は十字光線の交点は回転中心上に直接照射されて使用者が確認できるようにしてもよい。
【0032】
図4は本発明の実施形態に基づくライトボックスの構造を示す図である。
図4に示すように、簡単にいえば、
図3に示すようなスピンドルレスターンテーブル100はさらに円盤110の後方に設置されるバックライト220と共にライトボックス200aを構成することができる。同様に、バックライト220内部は例えばアレイ配列の複数のLEDのパッケージ、帯状ライト、ライトボード又はチューブ状ライトから成り、円盤110及び被写体300の後方から均一な光線を提供する。また、前の実施形態と同様、この実施形態において、被写体300が盤面112上に載置される工程では、標示装置140aの光線142aは被写体300の前表面上、盤面112上及びバックライト220上に照射され、標示装置140bの光線142bは被写体300の右側表面上及び盤面112上に持続的に照射され、かつ光線142aと142bの交点も回転中心上に持続的に照射される。このため、被写体300を載置する過程において、同じく使用者は光線140aと140bが盤面112上に照射する交点と被写体300の表面上に照射されるマークにより、被写体300が回転中心の位置に合わせられているか否かを繰り返し判断することができる。
【0033】
また、本発明のその他未表示の実施形態において、ライトボックスは、ベース部の真正面、左前方及び/又は右前方に設置されるフロントライトと、ベース部の左右両側に設置されるサイドライトと、ベース部上方に設置されるトップライトをさらに含むことにより、被写体の前方、左右両側及び上方から均一な光線を提供することができる。しかも、ベース部頂面及び円盤はいずれも半透明又は透明であることで、被写体底部からさらに均一な光線を提供することができる。
【0034】
図5は本発明の実施形態に基づく標示方法のフローチャートであり、
図6から
図8は
図5に示す標示方法の操作を示す図であり、かつ
図9から
図10は
図5に示す標示方法における治具がプレビュー画面で形成する移動軌跡を示す図である。まず
図5及び
図6を参照されたい。本発明が提案する標示方法は次のステップを含む。まずステップS100に示すように、ディスプレイ装置500は固定式撮影装置400のプレビュー画面410を標示し、かつプレビュー画面410は少なくとも盤面112の中心領域及び盤面112上に載置された治具600を含む。
【0035】
この実施形態において、固定式撮影装置400は例えばスタンド420によりスピンドルレスターンテーブル100の一側に安定して設置される携帯電話、タブレット端末、デジタルカメラ、ウェブカメラ又はデジタルビデオカメラ等のデジタル画像を撮影できる電子デバイスであり、ディスプレイ装置500は例えば携帯電話、タブレット端末又はコンピューターの画面であり、かつ治具600は例えば基準点である識別マーク610が印刷された白い紙である。しかし、その他未表示の実施形態において、固定式撮影装置はスピンドルレスターンテーブルの直上に安定して設置されてもよく、ディスプレイ装置は固定式撮影装置上のディスプレイ画面であってもよく、治具はそれぞれ線状、円形、弧形、環状又はその他の幾何学形状の複数の基準物体から成り、若しくは1つ又は複数の識別マークを有するその他の基準物体であり、この識別マークは基準点、基準線分、端点、辺縁等の明確な基準マーク又は特徴等を含むがこれらに限定されない。
【0036】
続いて、ステップS110及び
図7に示すように、スピンドルレスターンテーブル100は治具600を動かして回転させるとともに、治具600がプレビュー画面410中で形成する移動軌跡に基づき、プレビュー画面410中で回転中心に対応する基準中心Cを定義する。本発明の一実施形態において、治具600がプレビュー画面410中で移動軌跡を形成する方式は、治具600の回転過程において、まずコンピューターソフトウェアによりディスプレイ装置500上に表示されたプレビュー画面410を一回又は複数回取り込み、もしくは固定式撮影装置400により1回又は複数回撮影し、1枚又は複数枚の取り込み画像を取得する。そして、さらに1枚又は複数枚の取り込み画像とプレビュー画面410中を重ね合わせるとともにディスプレイ装置500上に表示する。このように、プレビュー画面410中で異なる方向に位置する少なくとも2つの治具の画像を取得できる。その後、これらの治具画像のプレビュー画面410における移動軌跡に基づき、プレビュー画面410中の回転中心に対応する基準中心Cを定義する。
【0037】
例を挙げると、治具600がプレビュー画面410中で移動軌跡を形成する方式は、まず1枚の取り込み画像を取り込み、この時
図6に示すように、治具画像600aは例えばディスプレイ装置500の右上角に表示される。続いて、
図7に示すように、スピンドルレスターンテーブル100は治具600を動かして180度回転させ、かつ前の取り込み画像とこの時のプレビュー画面410を重ね合わせるとともにディスプレイ装置500上に表示する。この時、取り込み画像中の治具画像600aはまだディスプレイ装置500上の右上角に表示されており、プレビュー画面410中の治具画像600bは例えばディスプレイ装置500の左下角に表示される。この時、治具画像600a上の識別マーク610aと治具画像600b上の識別マーク610bの間の中間点は、プレビュー画面410中の回転中心に対応する基準中心Cとなる。
【0038】
簡単にいえば、
図6、
図9及び
図10に示すように、スピンドルレスターンテーブル100は治具600を動かして回転中心を中心にして回転させるため、治具画像及び識別マーク画像上のいかなる基準点も、回転中心との距離、その回転角度及び取り込み画像の数量に基づき、プレビュー画面410中の基準中心Cを中心にして様々な移動軌跡を形成する。
【0039】
例を挙げると、識別マークが円形であり、かつその円心がちょうど回転中心上に位置している場合、識別マーク全体の画像は何度に回転しようとその移動軌跡はいずれも9-1が示すように円形である。それに対し、識別マークが回転中心からずれており、かつ回転角度が360度より小さい場合、識別マーク画像も回転中心を中心に同じ角度回転し、かつ9-2、9-4及び9-6に示すように、識別マークが円形、線状又はその他形状であっても、その任意の基準点Pの移動軌跡はいずれも弧形である。識別マークが中心からずれるとともに360度回転している場合、識別マークは同じく回転中心を中心にして360度回転し、かつ9-3、9-5及び9-7に示すように、識別マークが円形、線状又はその他形状であっても、その任意の基準点Pの移動軌跡はいずれも円形又は環状である。
【0040】
もしくは、その他実施形態において、識別マークは複数の任意形状のマーク又は特徴から成るものでもよく、この場合その移動軌跡は円形、弧形又は環状から成ってよい。他にも、その他の実施形態において、使用者がプレビュー画面中から取り込み画像を見分けられるようにするため、まず取り込み画像の透明度を調整し、その後半透明状の取り込み画像とプレビュー画面を重ね合わせるとともにディスプレイ装置上に表示することをさらに含む。例を挙げると、
図10に示すように、本発明の一実施形態において、治具は大きさが異なる3つのコインから成るものでもよく、もしくは3つの円形識別マークが印刷された白い紙であってもよく、かつ治具は回転中心からずれた位置に置かれる、プレビュー画面中には10-1に示すような基準中心Cからずれた3つの円形識別マーク画像610c、610d及び610eを有する。続いて、スピンドルレスターンテーブルは治具を動かして360度回転させ、かつプレビュー画面を複数回取り込むとともにその透明度を調整し、その後これらの半透明状の取り込み画像とプレビュー画面を重ね合わせるとともにディスプレイ装置上に表示し、これらの識別マーク画像610c、610d及び610eの移動軌跡は10-2に示すように、プレビュー画面中に参考中心Cを中心とした同心円を複数形成する。
【0041】
基準中心Cを定義した後、ステップS120及び
図8に示すように、標示装置140a及び140bは盤面112に向かって光線142a及び142bを照射するとともに、プレビュー画面を通じて410光線142a及び142bの照射方向を調整することにより、光線142a及び142bのプレビュー画面410中における光線画像144a及び144bが基準中心Cを通過するようにする。こうして、
図3及び
図4に示すように、以後は標示装置140a及び140bを起動するだけで、使用者は被写体300を載置する過程において、光線142a及び142bが盤面112上に照射する交点と、被写体300前表面及び右側表面上に照射するマークにより、被写体300が回転中心に合わせられているか否かを繰り返し判断することができる。
【0042】
しかし、
図5に示す標示方法は、
図6から
図8に示すようなスピンドルレスターンテーブル100の回転中心を標示するのに用いられるだけでなく、
図4に示すライトボックス200a中のスピンドルレスターンテーブル100の回転中心を標示するのにも用いられる。そして、その他の実施形態において、標示装置の数量は1つでも複数でもよく、ライトボックス内の円盤周囲に設置され、異なる方向から盤面に向かって光線を照射し、かつこれらの光線は盤面上に照射されて交点を形成し、盤面上に位置する回転中心と重なり合う。ここで、これらの標示装置が照射する光線はそれぞれ、スポット光線、線状光線、円形光線、環状光線、多辺形光線、十字光線又はその組み合わせであってよい。
【0043】
図11及び
図12はそれぞれ本発明のもう1つの実施形態に基づくライトボックスの構造を示す図である。ここでは前側板、左側板及び天井板はいずれも破線で描写することにより、ライトボックス内部の構造を表示する。簡単にいえば、
図4に示すライトボックス200aと比較して、
図11に示すライトボックス200bは前側板230、左側板240、右側板250及び天井板260をさらに含むが、標示装置140a及び140bは前縁及び右側縁にそれぞれ設置されることにより、もしくは前側板230及び右側板250の上縁にそれぞれ設置されることにより、それぞれが前上方及び右上方から盤面112に向かって直立する線形光線142a及び142bを発射する。もしくは、標示装置140a及び140bは前側板230及び右側板250の下縁にそれぞれ設置されてもよく、
図4と同様、それぞれ前方及び右方から盤面112に向かって直立する線形光線142a及び142bを発射する。同様に、この実施形態において、光線142aと142bは盤面112上に照射されて交点を形成し、盤面112上に位置する回転中心と重なり合う。他にも、
図11中に示すライトボックス200bと比較して、
図12に示すライトボックス200cは標示装置140cのみ含むことができ、かつ標示装置140cが天井板260の中心に設置されることにより、スピンドルレスターンテーブル100の直上から盤面112に向かって十字光線142を照射する。
【0044】
上述の内容をまとめると、本発明が提供するスピンドルレスターンテーブル及びこのスピンドルレスターンテーブルのライトボックスについて、標示装置は円盤の一側に設置されるのであって、先行技術について述べたような円盤の直上又は前上方及び右上方に設置されるのではない。したがって、被写体を載置する過程において、特に被写体が回転中心直上に位置し、かつ盤面に非常に近いとき、光線は依然として被写体と円盤の間を通過して盤面上に照射されることにより、使用者が見てわかるように回転中心が持続的に表示される。このことから、使用者は被写体を載置する時に回転中心が見つからない問題を心配する必要がなくなる。また、本発明が提供する標示方法について、スピンドルレスターンテーブルが円盤を動かして回転させる時、盤面上の治具は回転中心を中心にして回転する必要があるので、治具上の任意の特徴を利用してプレビュー画面中の移動軌跡により回転中心を正確に標示できる。しかも、このような標示方式は市場の様々な標示装置に応用できるだけでなく、標示装置の取り付け位置が制限されることもない。
【0045】
本発明は上述のとおり実施形態を開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変更や潤色を加えることができる。したがって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0046】
10 透光盤面
20a、20b、140a、140b、140c 標示装置
22a、22b、142a、142b、142c 光線
144a、144b 光線画像
30、300 被写体
100 スピンドルレスターンテーブル
110 円盤
112 盤面
120 駆動機構
122、124 保持部
126 モーター
200a、200b、200c ライトボックス
210 ベース部
212 頂面
214 開口
220 バックライト
230 前側板
240 左側板
250 右側板
260 天井板
400 固定式撮影装置
410 プレビュー画面
420 スタンド
500 ディスプレイ装置
600 治具
600a、600b 治具画像
610 識別マーク
610a、610b、610c、610d、610e 識別マーク画像
S100、S110、S120、S130 フローチャート
C 基準中心
P 基準点