(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104857
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】HTTP/HTTPSを介したサーバファームウェアのデータ転送方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 13/10 20060101AFI20220705BHJP
G06F 13/12 20060101ALI20220705BHJP
G06F 13/38 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
G06F13/10 330Z
G06F13/12 330Z
G06F13/38 340C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097496
(22)【出願日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】109146761
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】502361706
【氏名又は名称】技嘉科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Giga-Byte Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.6,Bau Chiang Rd.Hsin-Tien,Taipei 231,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】カイ チン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ヘン ピン シュー
(72)【発明者】
【氏名】タイ リ リン
【テーマコード(参考)】
5B077
【Fターム(参考)】
5B077BA01
(57)【要約】
【課題】サーバファームウェアのデータ転送方法及びサーバファームウェアのデータ転送装置を提供する。
【解決手段】リクエストエンドファームウェア装置と、サーバエンドファームウェア装置と、共有メモリとを有するサーバに適合されたサーバファームウェアのデータ転送方法であって、リクエストエンドファームウェア装置によってHTTP/HTTPSを介してリクエストを共有メモリに入力することと、サーバエンドファームウェア装置によって共有メモリからリクエストを取得することと、サーバエンドファームウェア装置によってリクエストがリクエスト規則に一致すると判断された場合、サーバエンドファームウェア装置によるリクエストに従って、HTTP/HTTPSを介してリクエストされたデータファイルと完了通知とを共有メモリに格納することと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リクエストエンドファームウェア装置によってハイパーテキストトランスファープロトコル/ハイパーテキストトランスファープロトコルセキュア(HTTP/HTTPS)を介してリクエストコンテンツを共有メモリへ格納し、
サーバエンドファームウェア装置によって前記共有メモリから前記リクエストコンテンツを取得し、
前記サーバエンドファームウェア装置によって前記リクエストコンテンツがリクエスト規則に一致するか否かを判断し、
前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致する場合、前記サーバエンドファームウェア装置による前記リクエストコンテンツに従って、HTTP/HTTPSを介してリクエスト情報と完了通知とを前記共有メモリに格納し、前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致する場合、前記完了通知は成功としてマークされ、
前記完了通知を受信し、前記リクエストエンドファームウェア装置によって前記完了通知が成功か否かを判断し、
前記リクエストエンドファームウェア装置によって前記完了通知が成功と判断された場合、前記共有メモリから前記リクエスト情報を取得することを含む、リクエストエンドファームウェア装置と、サーバエンドファームウェア装置と、共有メモリとを有するサーバに適合されたサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項2】
前記サーバエンドファームウェア装置によって前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致するか否かを判断することは、前記リクエストコンテンツが関連するリクエスト情報を含むか否かを判断すること含む、請求項1に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項3】
前記リクエストエンドファームウェア装置によってイベントリクエストをHTTP/HTTPSを介して前記共有メモリへ格納し、
前記サーバエンドファームウェア装置によって前記共有メモリから前記イベントリクエストを取得することをさらに含み、
前記サーバエンドファームウェア装置によって前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致するか否かを判断することは、前記共有メモリが前記イベントリクエストを格納するか否かを判断することと、前記リクエストエンドファームウェア装置から前記イベントリクエストを転送するか否かを判断することとをさらに含む、請求項2に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項4】
前記サーバエンドファームウェア装置によって前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致するか否かを判断することは、前記リクエストコンテンツに関連する前記リクエスト情報が前記イベントリクエストに関連するリクエスト情報であるか否かを判断することをさらに含む、請求項3に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項5】
前記リクエストエンドファームウェア装置によってHTTP/HTTPSを介してイベントリクエストを前記共有メモリへ格納し、
前記サーバエンドファームウェア装置によって前記共有メモリから前記イベントリクエストを取得することをさらに含み、
前記サーバエンドファームウェア装置によって前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致するか否かを判断することは、前記リクエストコンテンツに関連する前記リクエスト情報が前記イベントリクエストに関連する前記リクエスト情報であるか否かを判断することをさらに含む、請求項2に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項6】
前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致しない場合、前記サーバエンドファームウェア装置によって別の完了通知を前記共有メモリに格納することをさらに含み、前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致しない場合、前記別の完了通知は失敗としてマークされる、請求項1に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項7】
前記リクエストエンドファームウェア装置はベーシックインプット/アウトプットシステムである、請求項1に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項8】
前記サーバエンドファームウェア装置は組み込み処理部である、請求項1に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項9】
前記組み込み処理部はベースボードマネジメントコントローラである、請求項8に記載のサーバファームウェアのデータ転送方法。
【請求項10】
リクエストエンドファームウェア装置とサーバエンドファームウェア装置との間に接続するように構成された共有メモリを備え、前記共有メモリは、前記リクエストエンドファームウェア装置からのリクエストコンテンツ、または前記サーバエンドファームウェア装置からの完了通知を格納し、
前記共有メモリは、2つのファームウェア装置間のHTTP/HTTPSを介するデータ転送をサポートする、サーバファームウェアのデータ転送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバファームウェアのデータ転送方法及びサーバファームウェアのデータ転送装置に関する。より詳細には本開示はサーバファームウェアのデータ転送方法及びHTTP/HTTPSを介したサーバファームウェアのデータ転送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバのアプリケーションでは、サーバのベーシックインプット/アウトプットシステム(BIOS)とベースボードマネジメントコントローラ(BMC)との間のデータ転送方式を、仮想ユニバーサルシリアルバスローカルエリアネットワーク(仮想USBLAN)を介して実現することができ、これによりネットワークの動作をシミュレートしてデータ交換を行うことができる。例えば、上述した仮想USBLANにおいて、イベントリクエスト、リクエストコンテンツ、リクエストコンテンツに関連するリクエスト情報などを、ハイパーテキストトランスファープロトコル(HTTP)又はハイパーテキストトランスファープロトコルセキュア(HTTPS)に従ったパケット形式で転送してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなデータ転送方法はファームウェア間のドライバのインストールが必要とされ、ファームウェアの起動時間が長くなってしまう。また、データのサイズが大きい場合、パケット形式ではデータ転送に遅延が発生しやすいため、遅延によってアクセスタイムアウトや切断などが発生し、データ転送のプロセスが中断される可能性がある。簡単に言えば、サーバのデータ転送について、関連分野におけるより完全なデータ転送方法が必要である。
【0004】
したがって、本開示は、サーバファームウェアのデータ転送方法及びサーバファームウェアのデータ転送装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態によれば、リクエストエンドファームウェア装置と、サーバエンドファームウェア装置と、共有メモリとを有するサーバに適合されたサーバファームウェアのデータ転送方法であって、前記リクエストエンドファームウェア装置によってハイパーテキストトランスファープロトコル/ハイパーテキストトランスファープロトコルセキュア(HTTP/HTTPS)を介してリクエストコンテンツを前記共有メモリへ格納し;サーバエンドファームウェア装置によって前記共有メモリから前記リクエストコンテンツを取得し;前記サーバエンドファームウェア装置によって前記リクエストコンテンツがリクエスト規則に一致するか否かを判断し;前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致する場合、前記サーバエンドファームウェア装置による前記リクエストコンテンツに従って、HTTP/HTTPSを介してリクエスト情報と完了通知とを前記共有メモリに格納し、前記リクエストコンテンツが前記リクエスト規則に一致する場合、前記完了通知は成功としてマークされ;前記完了通知を受信し、前記リクエストエンドファームウェア装置によって前記完了通知が成功か否かを判断し;前記リクエストエンドファームウェア装置によって前記完了通知が成功と判断された場合、前記共有メモリから前記リクエスト情報を取得することを含む。
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、サーバファームウェアのデータ転送装置は、リクエストエンドファームウェア装置とサーバエンドファームウェア装置との間に接続するように構成された共有メモリをさらに備え、共有メモリは、リクエストエンドファームウェア装置からのリクエストコンテンツを格納するか、またはサーバエンドファームウェア装置からの完了通知を格納し、共有メモリは2つのファームウェア装置間のHTTP/HTTPSによるデータ転送をサポートする。
【0007】
以上のことから、本開示のサーバファームウェアのデータ転送方法は、サーバのリクエストエンドファームウェア装置とサーバエンドファームウェア装置との間に配置された共有メモリを利用し、イベントリクエスト、リクエストコンテンツ、リクエスト情報、最後に完了通知が、共有メモリを経由して、HTTP/HTTPSを介してリクエストエンドファームウェア装置とサーバエンドファームウェア装置間で転送され、アクセスされる。したがって、本開示のサーバファームウェアのデータ転送方法を実現することにより、ファームウェア間のドライバのインストールが不要になり、ファームウェアの起動時間が短縮され、リクエストエンドファームウェア装置は、引き続き同じHTTP/HTTPSプロトコルで動作することになる。また、データ転送は共有メモリのアクセスを介して行われるため、サーバ内でデータを転送する際の時間コストが大幅に削減され、アクセスタイムアウトによる転送障害の状況を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は以下に記載される詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解され、これらは、単に例示として与えられるものであり、したがって、本開示を限定するものではない。
【
図1】本発明の一実施形態に係るサーバファームウェアのデータ転送装置のブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサーバファームウェアのデータ転送方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明において、説明の目的として、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても、1つまたは複数の実施形態が実施されてもよいことは明らかである。他の例では、図面を簡略化するために、公知の構造及び装置が概略的に示されている。
【0010】
さらに、技術用語及び科学用語など、本開示で使用される用語は、本開示で追加的に定義されない限り、それ自体の意味を有し、当業者によって理解され得る。すなわち、以下の段落で使用される用語は関連分野で一般的に使用される意味で読まれるべきであり、本開示において特定の意味を有さない限り、過度に説明されることはない。
【0011】
本開示は主に、サーバの2つのファームウェアによって一般的にアクセスされ得る共有メモリを利用し、ハイパーテキストトランスファープロトコル/ハイパーテキストトランスファープロトコルセキュア(HTTP/HTTPS)に準拠したデータ転送を動作させる。本開示は現代のサーバ技術分野のHTTP/HTTPS規格とのファームウェア通信の共通性を維持するだけでなく、共有メモリに直接アクセスすることにより、従来技術の仮想LAN転送方法と比較して、データ転送時間を短縮し、転送効率を向上させる。
【0012】
本発明の一実施形態に係るサーバファームウェアのデータ転送装置のブロック図である
図1を参照する。サーバファームウェアのデータ転送装置1は共有メモリ11を備えてもよく、共有メモリ11はリクエストエンドファームウェア装置Aとサーバエンドファームウェア装置Bとを接続し、2つのファームウェア装置A、B間でHTTP/HTTPSを介して動作するデータ転送をサポートするものであってもよく、例えば、共有メモリ11はリクエストエンドファームウェア装置Aからのイベントリクエスト及びリクエストコンテンツを格納し、またはサーバエンドファームウェア装置Bからのリクエスト情報及び完了通知を格納する。本開示の一実施形態では、リクエストエンドファームウェア装置Aは、ベーシックインプット/アウトプットシステム(BIOS)であってもよく、サーバエンドファームウェア装置Bは組み込み処理部(embedded processing unit)、より詳細にはベースボードマネジメントコントローラ(BMC)であってもよい。
【0013】
リクエストエンドファームウェア装置Aとサーバエンドファームウェア装置Bとの間の転送路(例えばネットワークケーブル)を介してイベントリクエストと上述のリクエストコンテンツとを転送しなければならない従来のサーバと比較する。本開示のサーバエンドファームウェアのデータ転送装置は、上述した転送路を含まず、代わりにリクエストエンドファームウェア装置Aからのイベントリクエストとリクエストコンテンツとをサーバエンドファームウェア装置Bに転送、または、サーバエンドファームウェア装置Bからのデータ転送の最後のリクエスト情報と完了通知を、共有メモリ11を介してリクエストエンドファームウェア装置Aへ転送する。イベントリクエストはHTTP/HTTPS規格に基づく、リクエストエンドからサーバエンドへの通常の通知であってもよく、例えば、特定のデータに対するリクエストであってもよく、イベントリクエストは、リクエストエンドの位置情報を有してもよい。そして、リクエストコンテンツは、特定のデータの位置とそのアクセス方法であってもよい。特に、サーバエンドファームウェア装置Bは、通常、リクエストエンドファームウェア装置Aからのイベントリクエスト及びリクエストコンテンツが共有メモリ11に格納されているか否かを検出する。イベントリクエスト及びリクエストコンテンツを格納した後、リクエストエンドファームウェア装置Aは、サーバエンドファームウェア装置Bからの完了通知及びリクエスト情報が共有メモリ11に格納されているか否かを継続的に検出する。したがって、共有メモリ11を介してリクエストコンテンツとリクエスト情報のアクセスを行うデータ転送方法は、データ転送の時間や、タイムアウトや切断の発生を効果的に低減することができる。一般的に、HTTP/HTTPSを利用する規格では、リクエストコンテンツがユニバーサルリソースロケータ(URL)によって実装されてもよく、データアドレスをURLサイト形式で格納し、リクエスト情報はURLサイトに関連するアドレスに格納された特定のデータであってもよい。以下、このデータ転送方法について、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0014】
本開示の一実施形態に係るサーバファームウェアのデータ転送方法のフローチャートである
図2を参照すると、前記方法は、リクエストエンドファームウェア装置AによってHTTP/HTTPSを介してイベントリクエストとリクエストコンテンツとを共有メモリ11に格納するステップS1と、サーバエンドファームウェア装置Bによってイベントリクエストとリクエストコンテンツとを取得するステップS2と、サーバエンドファームウェア装置Bによってリクエストコンテンツがリクエスト規則に一致するか否かを判断するステップS3と、を含み、リクエストコンテンツがリクエスト規則に一致する場合、ステップS4に進み、サーバエンドファームウェア装置Bによってリクエストコンテンツに応じてHTTP/HTTPSを介してリクエスト情報と完了通知とを共有メモリ11に格納し、完了通知が成功としてマークされる。逆に、リクエストコンテンツがリクエスト規則に一致しない場合、ステップS41に進み、サーバエンドファームウェア装置Bによって別の完了通知を共有メモリ11へ格納し、別の完了通知は失敗としてマークされる。ステップS5では、完了通知を受信し、リクエストエンドファームウェア装置Aによって完了通知が成功か否かを判断し、最後に、ステップS6では、リクエストエンドファームウェア装置Aによって完了通知が成功と判断された場合、共有メモリ11からリクエスト情報を取得することが実行される。
【0015】
ステップS1では、依然としてイベントリクエストがHTTP/HTTPSを介してリクエストエンドファームウェア装置Aに転送されるので、データ転送の最初のプロセスはデータに関連するURLサイトを出力することであり、同様に、共有メモリ11に追加のドライバをインストールする必要がなく、業界のHTTP/HTTPS規格に準拠している。本開示の一実施形態では、リクエストエンドファームウェア装置Aは、共有メモリ11を経由してイベントリクエスト及びリクエストコンテンツをサーバエンドファームウェア装置Bに転送してもよい。ステップS2において、サーバエンドファームウェア装置Bは通常、共有メモリ11内のコンテンツを検出するため、リクエストエンドファームウェア装置Aからのイベントリクエストとリクエストコンテンツが検出されると、サーバエンドファームウェア装置Bは共有メモリ11を経由してイベントリクエストとリクエストコンテンツを取得してもよい。
【0016】
なお、ステップS3のリクエスト規則は、本発明によって限定されるものではない。リクエスト規則は、リクエストコンテンツ(例えば、URLサイト)が関連するリクエスト情報(例えば、URLサイト(データサイト))ファイルに対応し得る)を有するか否かを判断すること、またはリクエストコンテンツに関連するリクエスト情報が完全にイベントリクエストに関連するリクエスト情報であるか否かを判断すること(逆の例:ファイルD1がリクエストされるが、サイトに関連するファイルは別のファイルD2である)、または同じリクエストエンドファームウェア装置(例えば、リクエストエンドファームウェア装置A)からのイベントリクエスト及びリクエストコンテンツが共有メモリ11内に存在するか否かを判断すること(例えば、イベントリクエストが共有メモリ11内に存在するか否かを判断し、リクエストエンドファームウェア装置Aからイベントリクエストが転送されたか否かを判断すること)などであり得る。より具体的には、リクエスト規則が上記3つの条件を含む場合、以下の状況がリクエスト規則に一致するとみなすことができる。すなわち、リクエストコンテンツがリクエスト情報に関連し、リクエスト情報がイベントリクエストに関連するリクエスト情報と完全に一致し、同一のリクエストエンドファームウェア装置(例えば、リクエストエンドファームウェア装置A)からのイベントリクエストとリクエストコンテンツとが共有メモリ11に存在する場合である。なお、リクエストコンテンツがリクエスト情報に関連しない場合や、リクエスト情報がイベントリクエストに関連するリクエスト情報と完全に一致しない場合や、同一のリクエストエンドファームウェア装置からのイベントリクエストとリクエストコンテンツとが共有メモリ11に存在しない場合(例えば、リクエストエンドファームウェア装置Aからのイベントリクエストとリクエストコンテンツとの両方が共有メモリ11に存在しない場合)は、リクエスト規則に一致しないとみなされる場合がある。しかし、本開示は、リクエスト規則の内容を限定するものではなく、リクエスト規則は上記3つの条件のうちの少なくとも1つであってもよいし、必要に応じて設定される他の条件を含んでもよい。また、リクエスト情報に関連しないリクエストコンテンツを判断する他の条件は、リクエストコンテンツに関連するリクエスト情報がないか否かを繰り返し検索及び判断することでもよい。また、サーバのカウンタでカウントされた「関連なし」の回数が所定回数を超えた場合、他の条件を「このリクエストコンテンツはリクエスト情報に関連しない」とみなしてもよい。
【0017】
ステップS4では、リクエストコンテンツがリクエスト規則に一致するため、成功としてマークされた完了通知と、リクエストコンテンツに関するリクエスト情報とを共有メモリ11に格納し、イベントリクエストとリクエストコンテンツとを格納した後、共有メモリ11内のコンテンツの検出を継続するリクエストエンドファームウェア装置Aが、成功としてマークされた完了通知を取得するようにしてもよい。そして、ステップS5及びS6では、リクエストエンドファームウェア装置Aは、完了通知を成功と判断した場合、共有メモリ11からリクエスト情報を取得してもよい。
【0018】
ステップS41では、リクエストコンテンツがリクエスト規則に一致しないため、共有メモリ11に格納されているリクエスト情報がなくても、失敗としてマークされた完了通知を共有メモリ11に格納してもよい。このとき、リクエストエンドファームウェア装置Aは、失敗としてマークされた完了通知を共有メモリ11から取得してもよい。そして、ステップS5で完了通知が失敗と判断されたことにより、ステップS6の、リクエスト情報取得を取得するプロセスへの継続は実行されない。
【0019】
本開示のサーバファームウェアのデータ転送方法と従来技術との最大の相違点は、本開示のサーバファームウェアのデータ転送方法が、従来技術で利用されている物理ネットワークケーブルや仮想ネットワークケーブルなどの転送チャネルを採用せず、代わりに、共有メモリを利用してHTTP/HTTPS規格下のサーバでデータ転送を行う点である。共有メモリは、通常、サーバの分野のデータ転送ではなく、物理的な装置に関連して使用されるため、当業者が本開示を容易に予測することはできない。
【0020】
以上のことから、本開示のサーバファームウェアのデータ転送方法は、サーバのリクエストエンドファームウェア装置とサーバエンドファームウェア装置との間に配置された共有メモリを利用し、イベントリクエスト、リクエストコンテンツ、リクエスト情報、最後に完了通知が、共有メモリを経由して、HTTP/HTTPSを介してリクエストエンドファームウェア装置とサーバエンドファームウェア装置間で転送され、アクセスされる。したがって、本開示のサーバファームウェアのデータ転送方法を実装することにより、ファームウェア間のドライバのインストールが不要となり、ファームウェアの起動時間が短縮される。また、リクエストエンドファームウェア装置は、引き続き同じHTTP/HTTPSプロトコルで動作する。また、データ転送は共有メモリのアクセスを介して行われるため、サーバ内でデータを転送する際の時間コストが大幅に削減され、アクセスタイムアウトによる転送障害の状況を排除することができる。
【0021】
当業者には、本開示に対して様々な修正及び変形を行うことができることが明らかである。本明細書及び実施例は例示的な実施形態としてのみ考慮されることが意図されており、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲及びそれらの同等物によって示される。
【符号の説明】
【0022】
A:リクエストエンドファームウェア装置、B:サーバエンドファームウェア装置、1:データ転送装置、11:共有メモリ