(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104858
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
A47B 88/57 20170101AFI20220705BHJP
A47B 88/53 20170101ALI20220705BHJP
【FI】
A47B88/57
A47B88/53
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097744
(22)【出願日】2021-06-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】109147232
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 子承
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA00
3B160AB48
3B160EA13
3B160EA14
3B160EA52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2つのスライドレールの間の相互にブロックする関係を解除する新規な方法を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体は、第1レール22,第2レール24及び作動部材を含む。第1レールは位置決め部材を含む。第2レールは第1レールに対して変位が可能であり、所定の特徴部を有する。第2レールが第1レールに対して、第1伸長位置E1から第2伸長位置へ後退方向に変位されたときに、第2レールは所定の特徴部を介して位置決め部材と係合し、これにより第2レールが第2伸長位置から離れることを防止する。第2作動位置P2から第1作動位置P1へ操作で移動された作動部材を介して、位置決め部材は駆動され、第2レールが第2伸長位置から離れることを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置決め部材を含む第1レールと、
前記第1レールに対して変位可能な第2レールであり、所定の特徴部を含む第2レールと、
作動部材とを備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して、後退方向に第1伸長位置から第2伸長位置へ変位されたときに、前記第2レールは前記所定の特徴部を介して前記位置決め部材に係合し、前記第2レールが前記第2伸長位置から離れることを防止し、
前記位置決め部材は、第2作動位置から第1作動位置へ移動される前記作動部材を介して駆動され、これにより前記所定の特徴部は前記位置決め部材にもはや係合せず、前記第2レールが前記第2伸長位置から離れることを可能にする、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記第1レールはさらにブロック部材を含み、
前記第2レールが前記第1レールに対して前記第1伸長位置にあるときに、前記ブロック部材は前記第2レールをブロックして、前記第2レールが前記後退方向に前記第1伸長位置から変位することを防止し、
前記ブロック部材は、前記第1作動位置から前記第2作動位置へ移動される前記作動部材を介して駆動され、これにより前記ブロック部材は、前記第2レールをブロックすることが不能で、前記第2レールが前記後退方向に前記第1伸長位置から変位することを可能にする、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
さらに、前記第2レールに取り付けられている機能部材を備え、
前記第2レールが前記第1レールに対して前記第1伸長位置にあるときに、前記ブロック部材は前記機能部材のブロックが可能なブロック状態にあり、前記第2レールが前記後退方向に前記第1伸長位置から変位することを防止し、
前記ブロック部材を駆動して前記ブロック状態でなくするために、前記作動部材が作動されて前記第1作動位置から前記第2作動位置へ移動することが可能であり、これにより、前記ブロック部材は前記機能部材をブロックすることが不能で、前記第2レールが前記後退方向に前記第1伸長位置から変位することを可能にする、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記ブロック部材と前記位置決め部材とのそれぞれが弾性材料を含む、請求項2又は3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記位置決め部材は位置決め部分を含み、
前記第2レールが前記後退方向に前記第1伸長位置から前記第2伸長位置へ変位する過程の間に、前記第2レールは前記所定の特徴部を介して前記位置決め部材を駆動して、第1所定状態から第2所定状態へ移動させ、これにより前記位置決め部材は弾性力を蓄積し、
前記第2レールが前記第2伸長位置に達したときに、前記位置決め部材は弾性力の解放に応答して、前記第2所定状態から前記第1所定状態にもどり、これにより前記位置決め部材は前記位置決め部分を介して前記所定の特徴部に係合し、前記第2レールが前記第2伸長位置から離れることを防止する、請求項4記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
前記第2作動位置から前記第1作動位置へ移動される前記作動部材を介して、前記位置決め部材は駆動されて前記第1所定状態でなくなり、
これにより、前記位置決め部材の前記位置決め部分は前記所定の特徴部にもはや係合せず、前記第2レールが前記後退方向に前記第2伸長位置から変位することを可能にする、請求項5記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
さらに第3レールを備え、前記第2レールは前記第1レールと前記第3レールとの間に可動に取り付けられ、
前記第2レールが前記第2伸長位置にあるときに、前記第3レールは前記第2レールに対して開放方向に変位が可能であり、前記第2レールの通路から取り外される、請求項5記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記第3レールが前記第2レールの前記通路へ前記後退方向に前記第2レールの前記通路の外から再び挿入されたときに、前記第3レールは前記作動部材を駆動して前記第2レールに対して前記第2作動位置から前記第1作動位置へ移動させ、前記位置決め部材を前記第1所定状態でなくなるように駆動し、
これにより、前記位置決め部材の前記位置決め部分は前記所定の特徴部にもはや係合せず、前記第2レールが前記後退方向に前記第2伸長位置から変位することを可能にする、請求項7記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
スライドレール組立体はX軸方向とZ軸方向とを規定し、前記X軸方向は前記第1レールの長手方向であり、前記Z軸方向は前記第1レールの高さ方向であり、
前記ブロック部材と前記位置決め部材とは、前記X軸方向に所定の距離離間され、前記ブロック部材は、前記位置決め部材よりも前記第1レールの前端部に近く、前記ブロック部材と前記位置決め部材とは、前記Z軸方向に所定の距離離間されている、請求項4ないし8のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
前記第2レールが前記第1レールに対して前記第1伸長位置にあるときに、スライドレール組立体は第1長さを有し、
前記第2レールが前記第1レールに対して前記第2伸長位置にあるときに、スライドレール組立体は前記第1長さよりも小さい第2長さを有する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのスライドレールの間の相互にブロックする関係が、作動部材を介して解除できる、スライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、第1レール,第2レール,第3レール,ロック部材及び作動部材を含むスライドレール組立体が開示されている。第2レールは第1レールに対して、第1位置から第2位置へ移動できる。第3レールは第2レールに対して移動できる。ロック部材は、第2レールが第2位置にあるときに第1レールの一部をロックするために、第2レールに取り付けられている。これにより、第2レールは第1レールに対して、第2位置から第1位置へ移動が不能である。ユーザーは、作動部材が第2レールに対して第1所定位置から第2所定位置へ変位することを可能にするように、作動部材に力を加えてよい。これにより、ロック部材は第1レールの一部をロックすることから解除される。
【0003】
特許文献2に記載されるように、第1レール,第2レール,ブロック部材,位置決め部材及び作動部材を含むスライドレール組立体が開示されている。ブロック部材は第1レールに取り付けられている。位置決め部材は第2レールに配置されている。第2レールが第1レールに対して伸長位置に変位されたときに、ブロック部材によりブロックされた位置決め部材を介して、第2レールは、後退方向に伸長位置から後退することが防止される。作動部材は、ユーザーが加えた力によって初期位置から所定位置に変位されることができる。作動部材が所定位置に変位される過程の間に、作動部材は第1レールのブロック部材を駆動する。これによりブロック部材は、位置決め部材をブロックすることがもはや不能であるブロック解除状態となる。第2レールは、後退方向に伸長位置から後退することが可能にされる。
【0004】
しかし、異なる市場の需要に依存して、2つのスライドレールの間の相互にブロックする関係を解除するために、上記の2件の特許の方法を使用することが望ましくないことがある。従って、さまざまな市場の需要を満たす異なる製品を開発することは、無視できない問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許10041535号明細書
【特許文献2】米国特許9681749号明細書
【特許文献3】米国特許10736422号明細書
【特許文献4】米国特許10716398号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2つのスライドレールの間の相互にブロックする関係を解除する新規な方法を提供する。
【0007】
これを念頭において、本発明はスライドレール組立体を提供することを意図する。
【0008】
請求項1に係るスライドレール組立体によって課題は達成される。従属する請求項は、対応して一層の発展と改良とに関連する。
【0009】
後述する詳細な説明から一層明確に理解されるように、請求項に記載したスライドレール組立体は、第1レール,第2レール及び作動部材を備えている。スライドレール組立体は、位置決め部材を含む第1レールと、第1レールに対して変位可能な第2レールであり、所定の特徴部を含む第2レールとを備え、第2レールが第1レールに対して、後退方向に第1伸長位置から第2伸長位置へ変位されたときに、第2レールは所定の特徴部を介して位置決め部材に係合し、第2レールが第2伸長位置から離れることを防止し、位置決め部材は、第2作動位置から第1作動位置へ作動可能に移動される作動部材を介して駆動され、これにより所定の特徴部は位置決め部材にもはや係合せず、第2レールが第2伸長位置から離れることを可能にする。
【0010】
ブロック部材又は位置決め部材を作動させる作動部材を介して、第2レールと第1レールとの間の相互にブロックする関係が解除できる
【0011】
第2レールが第1レールに対して、後退方向に第1伸長位置から第2伸長位置へ変位されたときに、第2レールは、所定の特徴部を介して位置決め部材と係合し、これにより第2レールが第2伸長位置から離れることを防止する。作動部材が作動位置から別の作動位置に操作で移動され、位置決め部材を駆動すると、所定の特徴部は、位置決め部材から係合解除することが可能にされ、第2レールが第2伸長位置から変位することを可能にする。
【0012】
下記の添付の図面を参照しつつ、以下では本発明を例としてさらに具体的に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係り、ラックに適合可能であり、第1レール,第2レール及び第3レールを含むスライドレール組立体を示す三次元的な図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体を示す概略図である。
【
図3】本発明の実施形態に係り、第1視角での第2レールを示す三次元的な図である。
【
図4】本発明の実施形態に係り、第2視角での第2レールと一つの位置での作動部材とを示す三次元的な図である。
【
図5】本発明の実施形態に係り、第2視角での第2レールと別の位置での作動部材とを示す三次元的な図である。
【
図6】本発明の実施形態に係り、限定された空間を伴う環境に適合したスライドレール組立体、及び伸長状態でのスライドレール組立体を示す概略図である。
【
図8】本発明の実施形態に係り、限定された空間を伴う環境に適合したスライドレール組立体、及び伸長状態でのスライドレール組立体を示す概略図である。
【
図10】本発明の実施形態に係り、限定された空間を伴う環境に適合したスライドレール組立体、及び第2レールを介して第1レールに対して後退方向に変位できるスライドレール組立体の第3レールを示す概略図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して後退方向に継続的に変位されることが可能なスライドレール組立体の第2レールを示す概略図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、第1レールに対して後退方向にさらに変位できるスライドレール組立体の第2レールを示す概略図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、限定された空間を伴う環境に適合したスライドレール組立体、及び別の伸長状態でのスライドレール組立体を示す概略図である。
【
図14】本発明の実施形態に係り、限定された空間を伴う環境に適合したスライドレール組立体、及び第2レールから開放方向に第3レールを取り外すことを可能にする別の伸長状態にあるスライドレール組立体を示す概略図である。
【
図15】本発明の実施形態に係り、後退方向に第2レールに再び取り付けられるスライドレール組立体の第3レールを示す概略図である。
【
図16】本発明の実施形態に係り、第2レールに対して後退方向に継続的に変位されるスライドレール組立体の第3レールを示す概略図である。
【
図17】本発明の実施形態に係り、別の伸長状態にあるスライドレール組立体と別の位置での作動部材とを示す概略図である。
【
図18】本発明の実施形態に係り、別の伸長状態にあるスライドレール組立体とこの別の位置での作動部材とを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示すように、本発明の実施形態に係り、スライドレール組立体は第1レール22と第2レール24とを含む。好ましくはスライドレール組立体は、第3レール26をさらに備えてよい。第2レール24は、第1レール22と第3レール26との間に可動に取り付けられている。第1レール22は、ラックに取り付けられてよい(その第1柱25aと第2柱25bとによって)。第3レール26は、載せる物体27を載せるように構成されてよい。第1レール22(例えば外レール),第2レール24(例えば中間レール)及び第3レール26(例えば内レール)は、相互の間で長手方向に変位することができる。スライドレール組立体は、フル伸長状態となり得る。さらに実施形態では、X軸方向は長手方向(又はスライドレールの長手方向又は変位方向)であり、Y軸方向は横断方向(又はスライドレールの横方向)であり、Z軸方向は垂直方向(又はスライドレールの高さ方向)である。具体的には、X軸方向は第1レール22の長手方向であってよく、Z軸方向は第1レール22の高さ方向であってよい。第1レール22,第2レール24及び第3レール26のそれぞれがスライドレールである。
【0015】
図2に示すように、第1レール22は、第1壁28aと、第2壁28bと、第1レール22の第1壁28a及び第2壁28bの間に接続されている長手方向壁30とを含む。第1レール22の第1壁28a,第2壁28b及び長手方向壁30は、組み合わさって第1通路31を画定する。第1通路31は第2レール24を収容するのに用いられる。第1レール22は、ブロック部材32と位置決め部材34とを含む。ブロック部材32と位置決め部材34とのうち少なくとも1つが、弾性材料を含む。このブロック部材32と位置決め部材34との両方が、弾性コンポーネント(弾性シート又は板バネなど)である。これは例示的であるに過ぎず、本発明はそれに限定されない。
【0016】
好ましくは、ブロック部材32と位置決め部材34との両方が、第1レール22の長手方向壁30に配置されている。
【0017】
好ましくは、ブロック部材32は第1ガイド部36aと、第2ガイド部36bと、支持構造38とを備えている。第1ガイド部36aの端部と第2ガイド部36bの端部とが、第1レール22の長手方向壁30に接続されている。第1ガイド部36aと第2ガイド部36bとの両方が、例示的には、傾斜面又は湾曲面であってよい。支持構造38が、第1ガイド部36a及び第2ガイド部36bの間に位置する。支持構造38は、ブロック区間40と、ガイド区間42と、長手方向区間44とを含む。このブロック区間40はブロック壁(又は直立壁)である。これは一例であり、本発明は限定されない。長手方向区間44はブロック区間40とガイド区間42との間に位置する。ガイド区間42は、例示的には、傾斜面又は湾曲面であってよい。このブロック部材32は例示的には、弾性シート構造であり、第1レール22の長手方向壁30から突出し、第2レール24に対面する。
【0018】
好ましくは、位置決め部材34は位置決め部分46を含む。ここで位置決め部分46は、スペース(孔など)の端壁である。これは一例であり、本発明は限定されない。
【0019】
好ましくは、さらに位置決め部材34は第1ガイド特徴部48と第2ガイド特徴部50とを含み、位置決め部分46は第1ガイド特徴部48と第2ガイド特徴部50との間に位置する。第1ガイド特徴部48と第2ガイド特徴部50との表面は、例示的には、傾斜面又は湾曲面であってよい。この位置決め部材34は例示的には弾性シート構造であり、第1レール22の長手方向壁30から突出し、第2レール24に対面する。
【0020】
ブロック部材32と位置決め部材34とは、X軸方向に距離をおいていて(所定の距離離間され)、ブロック部材32は、位置決め部材34よりも第1レール22の前端部22aに近い。ブロック部材32と位置決め部材34とは、Z軸方向に距離をおいている。
【0021】
第2レール24は、第1壁52aと、第2壁52bと、第2レール24の第1壁52a及び第2壁52bの間に接続されている長手方向壁54とを含む。第2レール24の第1壁52a,第2壁52b及び長手方向壁54は、組み合わさって第2通路55を画定する。第2通路55は第3レール26を収容するのに用いられる。第3レール26は、第1壁56aと、第2壁56bと、第3レール26の第1壁56a及び第2壁56bの間に接続されている長手方向壁58とを含む。
【0022】
図2~4に示すように、第2レール24は第1面L1と、第1面L1の反対側の第2面L2とを有する。第1面L1は第1レール22と隣接し、第2面L2は第3レール26と隣接する。第2レール24は所定の特徴部61を有する。所定の特徴部61は、第1レール22の位置決め部材34と協働するように構成されている。
【0023】
好ましくは所定の特徴部61は、第2レール24の長手方向壁54の第1面L1に配置された突起である。この所定の特徴部61は、第2レール24の長手方向壁54に接続された固定ピンである。これは例示的であるに過ぎず、本開示はそれに限定されない。例えば、他の実施形態では、所定の特徴部61は第2レール24の長手方向壁54に一体に形成された突出部分であってよい。
【0024】
好ましくはスライドレール組立体は、さらに第2レール24に可動に取り付けられた機能部材60を含む。この機能部材60は、軸部材62を介して第2レール24の長手方向壁54の第2面L2に、揺動可能に接続されている。これは例示的であるに過ぎず、本開示はそれに限定されない。
【0025】
好ましくは、さらにスライドレール組立体は、機能部材60に弾性力を与える弾性部材64を備えている。
【0026】
好ましくは、第2レール24の長手方向壁54は、第2レール24の第1面L1と第2面L2とを通じさせる貫通孔66を有する。機能部材60は、貫通孔66の一部を通過し、第2レール24の第1面L1から突出する延長部68を含む。延長部68は、第1レール22のブロック部材32と協働するように構成されている。
【0027】
スライドレール組立体は、ブロック部材32と位置決め部材34とを作動させる作動部材70を含む。作動部材70は、第2レール24に作動可能に取り付けられている。例えば作動部材70は、第2レール24の長手方向壁54の第1面L1に可動に取り付けられている。作動部材70は、作動部72と、駆動部74と、作動部72及び駆動部74の間に接続されている中間部76とを含む。
【0028】
好ましくは、作動部72は第2レール24の前端部24aと隣接し、駆動部74は第2レール24の後端部24bと隣接する。
【0029】
好ましくは、第2レール24及び作動部材70は、互いに協働する制限用の特徴部を含み、これにより作動部材70は、限定された範囲内で第2レール24に対して長手方向に移動が可能である。この第2レール24と作動部材70とは、少なくとも1つの接続部材80を介して互いに取り付けられ、接続部材80は少なくとも1つの長孔78の一部を通過する。これは例示的であるに過ぎず、本開示はそれに限定されない。即ち本実施形態では、第2レール24及び作動部材70の制限用の特徴部は、少なくとも1つの接続部材80と少なくとも1つの長孔78とである。
【0030】
好ましくは、第1開口82が第2レール24の長手方向壁54に形成されている。第2開口84が作動部材70に形成されている。第2開口84は第1開口82と対応し、第2開口84のサイズは第1開口82のサイズよりも小さい。作動部72は第2開口84と隣接する。第2開口84は、ユーザーの指で通過されることに適合し、力を作動部72に加えることをユーザーに許容し、作動部材70を駆動して動かす。
【0031】
好ましくは、作動部材70の駆動部74は、異なる高さに位置する第1駆動区間86と第2駆動区間88とを含む。第1駆動区間86は、弾性的に動くようにブロック部材32を駆動するのに用いられる。第2駆動区間88は、弾性的に動くように位置決め部材34を駆動するのに用いられる。
【0032】
第1駆動区間86の高さは、ブロック部材32の高さと対応する。第2駆動区間88の高さは、位置決め部材34の高さと対応する。
【0033】
好ましくは、さらに作動部材70は、作動部材70の2面を通じさせる第1空間S1と第2空間S2とを有する(例えば、切り欠き)。第1駆動区間86が第1空間S1の後側にあり、第2駆動区間88が第2空間S2の前側にある(
図4に示す)。
【0034】
好ましくは、機能部材60の延長部68は、作動部材70の第1空間S1へ延びている(
図4に示す)。
【0035】
好ましくは、延長孔90が第2レール24の長手方向壁54に形成され、第2レール24の第1面L1と第2面L2とを通じさせる。さらに作動部材70は、少なくとも1つの延長孔90の一部を通って、第2レール24の第2面L2から外へ延びる少なくとも1つの補助部92を備えている。
【0036】
図4及び5に示すように、作動部材70は、第1作動位置P1(
図4に示す)と第2作動位置P2(
図5に示す)との間で移動されることができる。例えば、ユーザーは作動部材70に力Fを加えてよく、作動部材70を第1作動位置P1から第2作動位置P2へ移動することを可能にする。これに代えて、作動部材70は他の力が加えられてよく、作動部材70を第1作動位置P1へ第2作動位置P2からもどることを可能にする。
【0037】
好ましくは、作動部材70が第2レール24に対して第1作動位置P1にあるときに、第2レール24の所定の特徴部61は第2空間S2の中に位置し、第2レール24の所定の特徴部61と作動部材70の第2駆動区間88とは互いに近くなっている(
図4に示す)。その代わりに、作動部材70が第2レール24に対して第2作動位置P2にあるときに、第2レール24の所定の特徴部61は第2空間S2の外に位置し、第2レール24の所定の特徴部61と作動部材70の第2駆動区間88とは互いに遠くなっている(
図5に示す)。
【0038】
図6及び7に示すように、スライドレール組立体は限られた空間を有する環境に適合される。スライドレール組立体がフル伸長状態にあるときに、第2レール24は第1レール22に対して第1伸長位置E1にあり、第3レール26は第2レール24に対して開放位置K(
図6に示す)にある。第2レール24が第1レール22に対して第1伸長位置E1にあるときに、スライドレール組立体は第1長さJ1を有し、第1距離M1が第3レール26の前端部26aと物体93(例えば、ドア又は障害物)との間に規定される。第1距離M1が短すぎるので、第3レール26は開放方向D1に、第2レール24の第2通路55から取り外すことが不能である。
【0039】
第2レール24が第1レール22に対して第1伸長位置E1にあるときに、第1レール22のブロック部材32は、機能部材60をブロックし得るブロック状態Q1にある(即ち、
図7に示すように第2レール24をブロックする)。これにより、第2レール24が後退方向D2に第1伸長位置E1から変位することを防止する。具体的には、ブロック部材32がブロック状態Q1にあるときに、ブロック部材32の支持構造38の上面と第1レール22の長手方向壁30の表面とは、横方向の高さh1をなし、支持構造38のブロック区間40は機能部材60の延長部68をブロックすることができる(
図7に示す)。これにより、第2レール24が後退方向D2に第1伸長位置E1から変位することを防止する。この作動部材70は第2レール24に対して第1作動位置P1にあり、作動部材70の第1駆動区間86はブロック部材32の第1ガイド部36aに隣接する。
【0040】
図8及び9に示すように、作動部材70が操作で第1作動位置P1から第2作動位置P2に移動されると、ブロック部材32は駆動されてブロック状態Q1でなくなり(leave)(例えばブロック部材32はブロック解除状態Q2になり)、これによりブロック部材32は機能部材60をブロックすることが不能で、第2レール24が後退方向D2に第1伸長位置E1から変位することを可能にする。具体的には、作動部材70が第1作動位置P1から第2作動位置P2に移動されたときに、作動部材70は第1駆動区間86を介してブロック部材32の第1ガイド部36aを押し、これによりブロック部材32はブロック状態Q1からブロック解除状態Q2に横断方向に(横に)移動される(
図9に示す)。ブロック部材32がブロック解除状態Q2にあるときに、ブロック部材32の支持構造38の上面と第1レール22の長手方向壁30の表面とは、横方向の高さh1よりも小さい高さをなし、支持構造38のブロック区間40は機能部材60の延長部68に対してずれが生じる(staggered)。これにより支持構造38のブロック区間40は機能部材60の延長部68をブロックすることが不能で(
図9に示す)、第2レール24が後退方向D2に第1伸長位置E1から変位することを可能にする。言い換えれば、ブロック部材32が第1駆動区間86によって第1レール22の長手方向壁30に向けて押されたときに、ブロック部材32はブロック状態Q1からブロック解除状態Q2に変化される。さらに、作動部材70が第1作動位置P1から第2作動位置P2に移動されたときに、作動部材70は第2レール24に対して開放方向D1に移動される。
【0041】
図10~13に示すように、第2レール24が第1レール22に対して、後退方向D2に第1伸長位置E1から第2伸長位置E2へ変位したときに(
図12及び13に示す)、第2レール24は所定の特徴部61を介して位置決め部材34と係合し、第2レール24が第2伸長位置E2から離れることを防止する。
【0042】
具体的には、第2レール24が後退方向D2に第1伸長位置E1から第2伸長位置E2へ変位される過程の間に、第2レール24は、所定の特徴部61を介して位置決め部材34の第1ガイド特徴部48に当接し、位置決め部材34を第1所定状態W1(
図10に示す)から第2所定状態W2へ移動させるように駆動し、これにより位置決め部材34は弾性力F’を蓄積する(
図11に示す)。第2レール24が第2伸長位置E2に達したときに、位置決め部材34は弾性力F’の解除に応答して、第2所定状態W2から第1所定状態W1にもどり(
図12に示す)、位置決め部材34は位置決め部分46を介して所定の特徴部61と係合し、第2レール24が第2伸長位置E2から離れることを防止する(
図12及び13に示す)。より具体的には、位置決め部材34が第1所定状態W1にあるときに、位置決め部材34は、位置決め部分46の第1壁46a及び第2壁46b(第1縁及び第2縁)をそれぞれ介して、所定の特徴部61の前端と後端とをブロックする。このように、第2レール24は、開放方向D1又は後退方向D2に第2伸長位置E2から変位が不能である(
図12及び13に示す)。言い換えれば、位置決め部材34が所定の特徴部61によって第1レール22の長手方向壁30に向けて押されたときに、位置決め部材34は第1所定状態W1から第2所定状態W2に変更される。
【0043】
図13及び14に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第2伸長位置E2にあるときに、スライドレール組立体は第1長さJ1よりも小さい第2長さJ2を有する。これにより第1距離M1よりも大きい第2距離M2(
図6に示す)が、第3レール26の前端部26aと物体93との間に規定される。従って、第3レール26が開放方向D1に変位することが好ましい。これにより第2レール24の第2通路55から取り外される(
図14に示す)。
【0044】
図2及び14~16に示すように、接触部94(例えば突起であるが、例示に過ぎない)が第3レール26の長手方向壁58に配置され、作動部材70の少なくとも1つの補助部92と協働する。
【0045】
第2レール24を第1レール22に対して、後退方向D2に第2伸長位置E2から後退位置(例えばフル後退位置)に変位させたいときには、第3レール26は、第2レール24の第2通路55の外から(
図14に示す)第2レール24の第2通路55内へ(
図15に示す)再び挿入されてよい。この過程の間に、第3レール26は、接触部94を介して作動部材70の補助部92に当接することができ、作動部材70を駆動して、第2レール24に対して第2作動位置P2(
図14及び15に示す)から第1作動位置P1(
図16に示す)に移動させる。これにより作動部材70の第2駆動区間88は、位置決め部材34の第1ガイド特徴部48に当接して位置決め部材34を駆動する。即ち、位置決め部材34は最初は、第1レール22の長手方向壁30に対して所定高さh2を有する(
図10に示す)。位置決め部材34は作動部材70の第2駆動区間88に押され、これにより所定高さh2は減少し、又は位置決め部材34は第1レール22の長手方向壁30に突き当たるように押される。このように、位置決め部材34はもはや第1所定状態W1でなく(例えば位置決め部材34は
図16に示す第2所定状態W2になっている)位置決め部材34の位置決め部分46はもはや所定の特徴部61と係合していない。これにより、第2レール24が後退方向D2に第2伸長位置E2から変位することを可能にし、又は第2レール24が開放方向D1に第2伸長位置E2から変位することを可能にする。作動部材70が第2作動位置P2から第1作動位置P1へ移動されたときに、作動部材70は第2レール24に対して後退方向D2に移動される。
【0046】
図17及び18に示すように、第2レール24が第1レール22に対して第2伸長位置E2にあるときに、第2レール24と第1レール22との係合関係は、第3レール26を介して係合解除できる(
図16に示す)のみならず、さらに作動部材70を直接操作するユーザーによって係合解除できる。具体的には、第2作動位置P2から第1作動位置P1へ操作で移動される作動部材70を介して、位置決め部材34は、第1所定状態W1でなくなる(leave)ように駆動されてよく(例えば、
図18に示すように位置決め部材34が第2所定状態W2にある)、これにより、位置決め部材34の位置決め部分46はもはや所定の特徴部61に係合せず、位置決め部材34は、第2レール24をブロックすることが不能なので、第2レール24が後退方向D2に第2伸長位置E2から変位することを可能にし、又は第2レール24が開放方向D1に第2伸長位置E2から変位することを可能にする。
【0047】
さらに、第2レール24が、開放方向D1に後退位置(例えばフル後退位置)から第1伸長位置E1へ変位する過程の間で、機能部材60の延長部68は、第1レール22のブロック部材32のガイド区間42と長手方向区間44とに沿って移動でき、ブロック区間40へガイドされるようになる(
図2も参照可能)。これにより、ブロック部材32のブロック区間40は、機能部材60の延長部68がブロックでき、第2レール24が第1レール22に対して、後退方向D2に第1伸長位置E1から変位することを防止する(
図6及び7に示す)。これは本分野で周知であり、簡潔にするために詳細には述べない。
【0048】
要約すれば、本発明の実施形態に係るスライドレール組立体は、下記の特徴を有する。
【0049】
第1に、第2レール24と第1レール22との間のブロックする関係は、ブロック部材32又は位置決め部材34を作動させる作動部材70を介して、解除が可能である。これにより、第2レール24は、第1レール22に対して後退方向D2に伸長位置(例えば第1伸長位置E1又は第2伸長位置E2)から変位することが可能にされる。
【0050】
第2に、第2レール24が第1レール22に対して、後退方向D2に第1伸長位置E1から第2伸長位置E2へ変位されたときに、第2レール24は所定の特徴部61を介して位置決め部材34と係合され、第2レール24が第2伸長位置E2から離れることを防止する。作動部材70が操作により一つの作動位置から別の作動位置に移動され、位置決め部材34を駆動すると、所定の特徴部61は位置決め部材34からの係合解除が可能にされ、第2レール24を第2伸長位置E2から変位させることを可能にする。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上記実施形態は、例示であり、本発明を上記形態に限定することを意図するものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、2つのスライドレールの間の相互のブロックする関係を解除し、またいろいろな市場需要を満たす新しい方法を使用するスライドレール組立体を提供する。
【符号の説明】
【0053】
22 第1レール
22a 前端部
24 第2レール
24a 前端部
24b 後端部
25a 第1柱
25b 第2柱
26 第3レール
26a 前端部
26b 後端部
27 載せる物体
28a 第1壁
28b 第2壁
30 長手方向壁
31 第1通路
32 ブロック部材
34 位置決め部材
36a 第1ガイド部
36b 第2ガイド部
38 支持構造
40 ブロック区間
42 ガイド区間
44 長手方向区間
46 位置決め部分
46a 第1壁
46b 第2壁
48 第1ガイド特徴部
50 第2ガイド特徴部
52a 第1壁
52b 第2壁
54 長手方向壁
55 第2通路
56a 第1壁
56b 第2壁
58 長手方向壁
60 機能部材
61 所定の特徴部
62 軸部材
64 弾性部材
66 貫通孔
68 延長部
70 作動部材
72 作動部
74 駆動部
76 中間部
78 長孔
80 接続部材
82 第1開口
84 第2開口
86 第1駆動区間
88 第2駆動区間
90 延長孔
92 補助部
93 物体
94 接触部
A 領域
D1 開放方向
D2 後退方向
E1 第1伸長位置
E2 第2伸長位置
F 力
F’ 弾性力
h1 横方向の高さ
h2 所定高さ
J1 第1長さ
J2 第2長さ
K 解放位置
L1 第1面
L2 第2面
M1 第1距離
M2 第2距離
P1 第1作動位置
P2 第2作動位置
Q1 ブロック状態
Q2 ブロック解除状態
S1 第1空間
S2 第2空間
W1 第1所定状態
W2 第2所定状態