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特開2022-104871ウォッチ・ブレスレットのためのクイック・リリース・システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104871
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】ウォッチ・ブレスレットのためのクイック・リリース・システム
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/14 20060101AFI20220705BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
A44C5/14 Z
G04B37/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021171441
(22)【出願日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】20217851.3
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501475413
【氏名又は名称】グラスヒュッテ・ウーレンベトリーブ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・アインホルン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウォッチ・ブレスレットのためのクイック・リリース・システムを提供する。
【解決手段】ウォッチ・ケース1の上にウォッチ・ストラップを固定するためのエンド・リンクであって、エンド・リンクは、ウォッチのためのリストバンドの接続ピース10を含み、ウォッチ・ケース1は少なくとも1つのピン3を含み、長手方向スロットを含み、接続ピース10は横方向面を含み、横方向面はガイディング溝部を含み、ガイディング溝部は相補的な様式でピン3と協働するように配置されており、接続ピース10はロックを含み、ロックはスライド・キャッチを含み、スライド・キャッチはスロットと協働するように配置されており、スライド・キャッチはロッキング位置に向けて移動させられ、接続ピース10はアンロッキング手段を含み、アンロッキング手段はスライド・キャッチを移動させるように配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォッチ・ケースの上にウォッチ・ストラップを固定するためのデバイスであって、前記デバイスは、前記ウォッチ・ケース(1)の上に前記ウォッチ・ストラップを固定するための、ウォッチのためのリストバンドのエンド・リンク(10)を含み、前記ウォッチ・ケース(1)は、少なくとも1つのピン(3)を含み、前記ウォッチ・ケース(1)は、主平面(PP)に対して平行の2つの主支持表面(21、22)によって境界を定められている長手方向スロット(2)を含み、前記接続ピース(10)は、少なくとも1つの横方向面(56)を含み、前記少なくとも1つの横方向面(56)自体は、前記ケース(1)へのその固定のために、少なくとも1つのガイディング溝部(30)を含み、前記少なくとも1つのガイディング溝部(30)は、相補的な様式で前記ピン(3)と協働するように配置されており、前記エンド・リンク(10)は、少なくとも1つのロック(5)を含み、前記ロック(5)は、スライド・キャッチ(51)を含み、前記スライド・キャッチ(51)は、ロッキング位置において前記スロット(2)と協働するように配置されており、前記スライド・キャッチ(51)は、前記ロック(5)に属する弾性的な戻り手段(50)によって、前記ロッキング位置に向けて移動させられ、前記エンド・リンク(10)は、アンロッキング手段を含み、前記アンロッキング手段は、ユーザーによって直接的に動作され、前記ケース(1)の前記スロット(2)から離れるように前記スライド・キャッチ(51)を移動させるように配置されている、デバイスにおいて、前記ガイディング溝部は、前記スライド・キャッチ(51)が、ロッキング位置において前記長手方向スロット(2)の2つの前記主表面(21、22)のうちの一方に対してしっかりと維持されるように湾曲したガイディング溝部であることを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記湾曲したガイディング溝部は、前記エンド・リンクのフロント面の上に開口する第1の真っ直ぐな部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載のウォッチ・ケース(2)の上にウォッチ・ストラップを固定するためのデバイス。
【請求項3】
前記ケース(1)の2つの前記主支持表面(21、22)は、上側支持表面(21)および下側支持表面(22)を含み、前記上側支持表面は、前記下側支持表面よりも長くなっていることを特徴とする、請求項1または2に記載のウォッチ・ケース(2)の上にウォッチ・ストラップを固定するためのデバイス。
【請求項4】
前記エンド・リンクは、前記スライド・キャッチ(51)のフロント・ガイドのためのカバー(55)を含み、前記エンド・リンクは、弾性的な戻り手段(50)を受け入れるための、前記スライド・キャッチのガイディング・チャンバーを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記カバー(55)は、少なくとも1つのスプリング荷重式のピン(58、59)によって前記エンド・リンク(10)に固定されていることを特徴とする、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記スライド・キャッチ(51)は、前記ガイディング・チャンバー(6)に属する少なくとも1つの第1のガイド(530)の中でガイドされることを特徴とする、請求項4または5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記アンロッキング手段は、プッシュボタン(53)を含み、前記プッシュボタン(53)は、前記カバー(55)に属する相補的な開口部(57)の中で移動するように配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記プッシュボタン(53)は、前記カバー(55)の前記開口部(57)を通り抜けていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記スライド・キャッチ(51)は、前記スロット(2)と協働するヘッドを含み、前記ヘッドは、スロープ(54)を含み、前記スロープ(54)は、2つの前記主支持表面(21、22)のうちの一方と協働するように配置されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記カバー(55)は、前記エンド・リンク(10)に属する第3のガイド(62)の中でガイドされることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイスの少なくとも1つのエンド・リンク(10)を含むリストバンド(9)。
【請求項12】
ウォッチ・ケース(1)を含むウォッチ(100)であって、前記ウォッチ・ケース(1)は、少なくとも1つの前記リンク(10)を受け入れるために、少なくとも1つの2次的な横断方向スロット(3)を含み、前記ケース(1)は、主平面(PP)に対して平行の2つの主支持表面(21、22)によって境界を定められている長手方向スロット(2)を含む、ウォッチ(100)において、前記ウォッチ(100)は、前記ケース(1)への挿入およびロッキングのために協働するように配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイスの少なくとも1つのリストバンドエンド・リンク(10)を含むことを特徴とする、ウォッチ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッチ・ケースの上のウォッチ・ストラップ(とりわけ、金属製のウォッチ・ストラップ、または、たとえば、革もしくはゴム)のためのクイック・リリース・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばEP2229836から、ウォッチ・ケースの上にウォッチ・ストラップを固定するための知られているデバイスが存在しており、EP2229836は、回転可能なレバーと組み合わせてスプリング・バーを使用するクイック・リリース・システムを開示しており、そこでは、接続エレメントが、上方からスプリング・バーの上に押し込まれる。しかし、スプリング・バーの使用は、ロッキング・システムの実装を大幅に制限する。また、クイック・チェンジ・システムが、EP1128237A1およびEP3266333A1から知られており、クイック・チェンジ・システムが、ラグの下側にフライス加工部(milling)を有しており、互換性のある接続ピースが、その中へ押し込まれる。ロッキング・メカニズムは、第1の解決策では、枢動可能なレバーによって実装されており、第2の変形例では、押圧されたときにスライドを移動させるプッシャーを備えている。組み立てのために隙間嵌めが必要であるので、特に、ウォッチを装着しているときの通常の条件のように、ブレスレットが張力下にあるときに、ギャップがブレスレットとケースとの間に生じる可能性がある。また、接続エレメントは、ウォッチの下側から装着され、したがって、ウォッチが着用されているときに生じる通常の荷重方向に装着されるということが留意されるべきである。したがって、ロッキング・エレメントは、生じる力の大部分を吸収しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP2229836
【特許文献2】EP1128237A1
【特許文献3】EP3266333A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ロッキング・エレメントがほとんど応力を受けず、高いレベルの安全性を提供する、接続ピースの比類のない嵌め合いを有するクイック・リリース・システムを提案する際に、これらの欠点を克服することである。また、組み立てられた状態で見ることができない締結、および、低い高さ要件も可能にされることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、ウォッチ・ケースの上にウォッチ・ストラップを固定するためのデバイスであって、デバイスは、ウォッチのためのリストバンドの接続ピースを含む、ウォッチ・ケースの上にウォッチ・ストラップを固定するためのエンド・リンクを含み、前記ウォッチ・ケースは、少なくとも1つのピンを含み、前記ウォッチ・ケースは、主平面PPに対して平行の2つの主支持表面によって境界を定められている長手方向スロットを含み、前記接続ピースは、少なくとも1つの横方向面を含み、少なくとも1つの横方向面自体は、前記ケースへのその固定のために、少なくとも1つのガイディング溝部を含み、少なくとも1つのガイディング溝部は、相補的な様式で前記ピンと協働するように配置されており、前記接続ピースは、少なくとも1つのロックを含み、前記ロックは、スライド・キャッチを含み、スライド・キャッチは、ロッキング位置において前記スロットと協働するように配置されており、前記スライド・キャッチは、前記ロックに属する弾性的な戻り手段によって、ロッキング位置に向けて移動させられ、前記接続ピースは、アンロッキング手段を含み、アンロッキング手段は、ユーザーによって直接的に動作され、前記ケースの前記スロットから離れるように前記スライド・キャッチを移動させるように配置されている、デバイスにおいて、前記ガイディング溝部は、湾曲したガイディング溝部であり、スライド・キャッチが、ロッキング位置において長手方向スロットの2つの主表面のうちの一方に対してしっかりと維持されるようになっていることを特徴とする、デバイスに関する。
【0006】
本発明の他の特徴によれば、
- 湾曲したガイディング溝部は、エンド・リンクのフロント面の上に開口する第1の真っ直ぐな部分を含む;
- 前記ケースの2つの主支持表面は、上側支持表面および下側支持表面を含み、上側支持表面は、下側支持表面よりも長くなっている;
- エンド・リンクは、前記スライド・キャッチのフロント・ガイドのためのカバーを含み、エンド・リンクは、その中に、弾性的な戻り手段を受け入れるための、前記スライド・キャッチのガイディング・チャンバーを含む;
- カバーは、少なくとも1つのスプリング荷重式のピンによって前記エンド・リンクに固定されている;
- スライド・キャッチは、前記ガイディング・チャンバーに属する少なくとも1つの第1のガイドの中でガイドされる;
- アンロッキング手段は、プッシュボタンを含み、プッシュボタンは、前記カバーに属する相補的な開口部の中で移動するように配置されている;
- プッシュボタンは、カバーの前記開口部を通り抜けている;
- スライド・キャッチは、前記スロットと協働するヘッドを含み、前記ヘッドは、スロープを含み、スロープは、2つの主支持表面のうちの一方と協働するように配置されている;
- カバーは、前記エンド・リンクに属する第3のガイドの中でガイドされる。
【0007】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的なものとして与えられている添付の図面を参照して作製された、以下の詳細な説明を読むとより明確に明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1a】本発明によるクイック・リリース・システムを装備しているウォッチの上部からの斜視図である。
図1b】本発明によるクイック・リリース・システムを装備しているウォッチの底部からの斜視図である。
図1c】本発明によるクイック・リリース・システムがない状態のウォッチの斜視図である。
図2a】本発明によるクイック・リリース・システムの斜視図である。
図2b】本発明によるクイック・リリース・システムの分解図である。
図3a】本発明によるクイック・リリース・システムの断面図である。
図3b】本発明によるクイック・リリース・システムの断面図である。
図4a】本発明によるクイック・リリース・システムを装備しているウォッチの断面図である。
図4b】本発明によるクイック・リリース・システムを装備しているウォッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ウォッチのフロント面およびリムの外観を保つために、それぞれのコレクションからのウォッチ・ケースに対する最小限の変更を伴って、ユーザーのウォッチに嵌るリストバンドを容易かつ安全に変更する可能性をユーザーに与えることを提案しており、また、可能な限り低い生産コストの差異のために、互換性のあるリストバンドを備えたウォッチを提案している。
【0010】
たとえば、革のリストバンドとリンク接続された金属リストバンドとの間の高速の変更を可能にしながら、または、ウォッチの使用の状況にしたがって、ユーザーによって着用されている衣類および/もしくは宝石に、または、ユーザーの肌の色に、リストバンドがマッチされることを可能にしながら、任意のツールなしで、および、繊細なハンドリングなしで、リストバンドを変更することが可能でなければならない。また、互換性のあるリストバンドは、また、異なる長さのリストバンドが瞬間的に交換されることを可能にし、それは、小売業者および販売業者が完全に適したウォッチをその顧客に即座に供給することを可能にする。
【0011】
また、本発明は、一方では、ウォッチ・ケース、および、とりわけ、それに限定されないが、中間パーツと、他方では、リストバンドの端部との間のインターフェース接続を使用することに本質がある。本発明は、ウォッチ・バンド・エンド・リンクの好適なケースに関して、より正確に説明されており、それは、管理可能なコストで連続して生産され得、リストバンド本体部に接合されることのみを必要とし、しかし、別個のエンド・リンクなしで、ならびに、良好な機能のために必要な互換性およびロッキングの機能性を含む、単一のピースのリストバンドの構成を選ぶことも可能であるが、それは、当然ながら、より高いコスト価格になる。当業者は、エンド・リンクに関して下記に説明されている配置を、最小限の問題なしにリストバンド全体にどのように適合させるかということを知ることとなる。
【0012】
したがって、本発明は、好ましくは、ウォッチ100のケース1の除去可能なフィッティングのためのリストバンド9のためのウォッチ・バンド・エンド・リンク10に関する。
【0013】
そのようなリンク10を受け入れるために、このケース1は、ケース1に属する2つのピン3もしくはスタッドまたは同様のものを含み、2つのピン3は、接着、プレス、またははんだ付けのいずれかによって、対応するボアの中へ挿入されており、ボアは、ホーン11の内側面からケースの6H-12H軸線に対して垂直にドリル穴をあけられている。これらのピン3は、エンド・リンク10の横方向面56の中に機械加工されたガイディング溝部30と相補的な様式で協働するように配置されている。
【0014】
それぞれのピン3は、好ましくは、ケース1の補強ゾーン(とりわけ、ホーン)によって担持されている。それぞれのピン3とそれぞれのホーンとの間の接続は、リストバンドおよびケース1によって経験される応力(とりわけ、牽引、捩じり、および加速)を吸収するのに十分に広い寸法を有さなければならない。このピン3の上へのエンド・リンク10の簡単な挿入(それは、好ましくは、対称面に関して対称になっている)は、ケース1に関してリストバンド9の互換性を保証する。同様に、除去は、障害に遭遇しないように設計されなければならない。
【0015】
ピン3がガイディング溝部30の中で当接位置にあるときに、安全機能およびエンド・リンク10のロッキング・メカニズムの挿入を確実にするために、メカニズムは、ロッキングおよびアンロッキングのためのシステムを含む。
【0016】
このために、エンド・リンク10は、図によって図示されている特定の非限定的な変形例から見られ得るように、特定の機械加工された構造体を有している。
【0017】
この特定の機械加工された構造体は、好ましくは、少なくとも長手方向スロット2を含み、長手方向スロット2は、主平面PPに対して平行な2つの主支持表面21、22によって境界を定められており、2つの主支持表面21、22は、上側支持表面21および下側支持表面22を含み、上側支持表面は、下側支持表面よりも長くなっている。当然のことながら、表面21および22は、スロット2がスライド・キャッチを維持することを妨げることなく、同じ長さを有することが可能である。
【0018】
2つの平行面を有するそのようなスロット2は、旋削加工またはフライス加工によって作製することが非常に容易である。それは、好ましくは、図において見ることができるように、ケース1のホーン11同士の間に位置付けされており、リンク10またはリストバンド9が適切な場所にあるときには見ることができない。したがって、本発明の実装に関して、ケース1がスロット2およびピン3を含むことで十分である。ケース1のレベルにおいて、すべての形状のその純度およびその通常の使用をそのように保つことができる他のコンポーネントは必要ない。
【0019】
有利には、ラグ同士の間の垂直方向面は、接続ピース10が手首の自然な形状に追従するように角度を付けられている。スロット2は、可能な限り製造しやすくするために、PP表面に対して平行にフライス加工されている。
【0020】
ロッキング機能を確実にするために、リンク10は、少なくとも1つのロック5を含む。このロック5は、スライド・キャッチ51を含み、スライド・キャッチ51は、ロッキング位置において相補的な様式でおよび最小の遊びを伴ってスロット2と協働するように配置されており、スライド・キャッチ51は、エンド・リンク10に属する弾性的な復元手段50によって、ロッキング位置に向けて移動させられる。そのうえ、エンド・リンク10は、アンロッキング手段を含み、アンロッキング手段は、ユーザーの指によって直接的に動作され、前記ケース1の前記スロット2から離れるように前記スライド・キャッチ51を移動させるように配置されている。したがって、アンロッキングもしくはロッキングを実施すること、または、ケース1の中へのリンク10の挿入もしくはケース1からのリンク10の除去を実施することのいずれかのために、ツールは必要ない。
【0021】
本発明によれば、ガイディング溝部は、湾曲したガイディング溝部であり、スライド・キャッチ51が、ロッキング位置において長手方向スロット2の2つの主表面21、22のうちの一方に対してしっかりと維持されるようになっている。
【0022】
この点において、本発明は、その好適な形態で説明されており、そこでは、エンド・リンク10が、ケース1のメス型パーツ(スロット2)と協働するオス型パーツ(スライド・キャッチ51)を含むが、逆の構成も、本発明から逸脱することなく可能である。
【0023】
より具体的には、図示されているように、スライド・キャッチ51は、前記スロット2と協働するヘッド54を含み、ヘッド54は、スロープを含み、スロープは、ケース1のスロット2の主支持表面21、22のうちの1つと当接して協働するように配置されており、ヘッド54は、好ましくは、その中で最小の遊びを伴って稼働する。
【0024】
本発明によれば、エンド・リンク10は、前記スライド・キャッチ51を受け入れるための、および、弾性的な戻り手段50を受け入れるためのガイディング・チャンバー6と、前記スライド・キャッチ5のフロント・ガイドを形成するカバー55とを含み、カバーは、その横方向縁部に起因して、ケース1に面する側からエンド・リンク10の中へスライドさせられ、横方向縁部は、前記エンド・リンク10に属する第3のガイド62の中にガイドされる。
【0025】
図において、スライド・キャッチ51は、主ガイド530と、エンド・リンクに属しており、スライド・キャッチ51の2つのガイディング表面52と協働する2つの2次的な溝部60との上でガイドされる。スライド・キャッチ51は、フロントにおいてそれをガイディング・チャンバーの中へ押し込むことによって、ケースに面する側から据え付けられる。
【0026】
カバー55は、スライド・キャッチ51を保護し、それは外側からほとんど見ることができないので、エンド・リンク10を形成する材料よりも耐摩耗性に優れたより貴重性の低い材料(たとえば、スチールまたは同様のものなど)から作製され得、エンド・リンク10は、ケース1のデザインと調和したデザインを有し、多くの場合に、同じ材料からできており、同じ仕上げを有する、外観パーツであり、このエンド・リンク10は、たとえば、金合金または同様のものから作製され得る。
【0027】
また、エンド・リンク10、または、実際には、ロッキング手段は、バック・ガイド・チャンバー61を有しており、バック・ガイド・チャンバー61は、螺旋スプリングによって非限定的な様式で図示されている弾性的な復元手段50の受け入れを確実にする。
【0028】
より具体的には、カバー55は、少なくとも1つのスプリング荷重式のピン58によってエンド・リンク10に固定されており、カバーの隠れた側にあるカウンターボアの中のそのスプリングは、したがって、最後の自由度を排除する。クリーニングの目的のために、2つのピンのヘッドを単に押圧することによって、カバーを分解することが可能である。
【0029】
その動作に関して、本発明によれば、ロック5は、好ましくは、プッシュボタン53を含み、プッシュボタン53は、ユーザーの指によって動作されるように配置されており、このプッシュボタン53に圧力を印加することによるスライド・キャッチ51の後退によって、ロッキング手段のアンロッキングを制御する。
【0030】
有利な構成において、カバー55は、開口部57を含み、開口部57は、プッシュボタン53を受け入れるように配置されており、前記プッシュボタンは、カバー55の前記開口部57を通り抜けてその中でスライドする。
【0031】
図4aおよび図4bに図示されているように、エンド・リンクは、スロープ54を有しており、スロープ54は、ケース1の上側支持表面22に対して平行になっている。スプリング50のスプリング力F1に起因して、スライド・キャッチのヘッドのスロープ54は、表面22に押し付けられ、したがって、適切な場所に嵌まり込む。スロープの結果として、力F2が、スライド・キャッチ51に作用し、したがって、ケース1の下側の方向にエンド・リンク10を押圧することによって、エンド・リンク10自体に作用する。接続ピースは、力F3によってケース1に押し付けられ、それによって、ギャップなしの嵌め合いが可能である。
【0032】
システムの分解は、プッシュボタン53を引っ張ることによって行われ、スライド・キャッチ51のヘッドは、ケースの中のスロット2からスライドして外れ、したがって、湾曲したガイディング溝部4に沿ってピン3をガイドし、ケース1からエンド・リンク10を取り外すことを可能にする。組み立ては、スライド・キャッチのヘッドがスロット2の中へ嵌まり込むまで、および、初期状態が復元され、エンド・リンクがケース1に取り付けられるまで、湾曲したガイディング溝部に沿ってピン3を再びガイドすることによって実施される。
【0033】
また、本発明は、ウォッチ・ケース1を含むウォッチ100であって、ウォッチ・ケース1は、少なくとも1つの前記リンク10を受け入れるために、少なくとも1つの2次的な横断方向スロット3を含み、前記ケース1は、主平面PPに対して平行の2つの主支持表面21、22によって境界を定められている長手方向スロット2を含む、ウォッチ100において、前記ウォッチ100は、前記ケース(1)への挿入およびロッキングのために協働するように配置されている少なくとも1つのリストバンドエンド・リンク10を含むことを特徴とする、ウォッチ100に関する。
【0034】
より具体的には、ウォッチ100は、少なくとも1つの除去可能なリストバンド9を含み、少なくとも1つの除去可能なリストバンド9は、その2つの端部のそれぞれにおいて、そのような除去可能なエンド・リンク10を有しており、リンク10は、ウォッチ・ケースまたは宝石台枠1の両側に配置されている。
【0035】
より具体的には、ウォッチ100は、複数のそのような互換性のある除去可能なリストバンド9を含む。
【符号の説明】
【0036】
1 ウォッチ・ケース
2 長手方向スロット
3 ピン
4 湾曲したガイディング溝部
6 ガイディング・チャンバー
9 リストバンド
10 エンド・リンク
11 ホーン
21 主支持表面、上側支持表面
22 主支持表面、下側支持表面
30 ガイディング溝部
50 弾性的な復元手段、弾性的な戻り手段
51 スライド・キャッチ
52 ガイディング表面
53 プッシュボタン
54 スロープ、ヘッド
55 カバー
56 横方向面
57 開口部
58 スプリング荷重式のピン
60 2次的な溝部
61 バック・ガイド・チャンバー
62 第3のガイド
100 ウォッチ
530 主ガイド
PP 主平面
F1 力
F2 力
F3 力
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
【外国語明細書】