(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104895
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】フォトレジストトップコート組成物及びパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20220705BHJP
G03F 7/095 20060101ALI20220705BHJP
G03F 7/039 20060101ALI20220705BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20220705BHJP
C08F 220/56 20060101ALI20220705BHJP
C08F 220/34 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
G03F7/11 501
G03F7/095
G03F7/039 601
G03F7/20 521
G03F7/20 501
C08F220/56
C08F220/34
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209660
(22)【出願日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】63/131,910
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(71)【出願人】
【識別番号】519372065
【氏名又は名称】デュポン エレクトロニクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・カイツ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・マルブレヒト
(72)【発明者】
【氏名】テヤン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ヘンリー・ハワード・ジュニア
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4J100
【Fターム(参考)】
2H197AA09
2H197AA12
2H197BA17
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA03
2H197JA24
2H225AF18P
2H225AF23P
2H225AF44P
2H225AF63P
2H225AH11
2H225AH12
2H225AH19
2H225AH32
2H225AJ12
2H225AJ13
2H225AJ52
2H225AJ53
2H225AN11P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN56P
2H225BA02P
2H225CA12
2H225CB06
2H225CC03
2H225CC15
4J100AL02Q
4J100AL03Q
4J100AL04Q
4J100AL08P
4J100AM15P
4J100BA30P
4J100BA34P
4J100BA38P
4J100BA58P
4J100BB18P
4J100BC03P
4J100BC03Q
4J100BC08P
4J100BC66P
4J100CA04
4J100DA01
4J100FA03
4J100FA19
4J100GC35
4J100JA38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フォトレジストトップコート組成物及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】式(I)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含むポリマーと;溶媒とを含む、トップコート組成物であって、
式中、Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、単結合或いは置換若しくは無置換C
1~30アルキレン、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキレン、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C
6~30アリーレン、-O-、-C(O)-、-N(R
3)-、-S-、又は-S(O)
2-等;R
1及びR
2は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
6~30アリール等;Lは、単結合又は多価連結基;Pは、重合性基であるトップコート組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含むポリマーと;
溶媒と
を含む、トップコート組成物であって、
【化1】
式(I)において、
Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、単結合或いは置換若しくは無置換C
1~30アルキレン、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキレン、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは無置換C
6~30アリーレン、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリーレン、-O-、-C(O)-、-N(R
3)-、-S-、又は-S(O)
2-の1つ以上を含む二価連結基であり、ここで、R
3は、水素、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C
6~30アリール、置換若しくは無置換C
7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリール、又は置換若しくは無置換C
2~30ヘテロアリールアルキルであり、
任意選択的に、Z
1及びZ
2は、一緒に、Z
1とZ
2との間の単結合又は二重結合を介して環を形成し、
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~30アルケニル、置換若しくは無置換C
6~30アリール、置換若しくは無置換C
7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C
7~30アルキルアリール、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリール、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロアリールアルキル、置換若しくは無置換C
2~30アルキルヘテロアリール、-OR
4、又は-N(R
5)
2であり、ここで、R
4及びR
5は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C
6~30アリール、置換若しくは無置換C
7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C
7~30アルキルアリール、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリール、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロアリールアルキル、又は置換若しくは無置換C
2~30アルキルヘテロアリールであり、
任意選択的に、R
1及びR
2は、一緒に、単結合又は二価連結基を介して環を形成し、
Lは、単結合又は多価連結基であり、
任意選択的に、Lは、式:
【化2】
の追加の基を更に含む多価連結基であり、
Pは、重合性基である、
トップコート組成物。
【請求項2】
前記ポリマーは、式(1a):
【化3】
(式中、
R
aは、水素、フッ素、シアノ、置換若しくは無置換C
1~10アルキル、又は置換若しくは無置換C
1~10フルオロアルキルであり;
Lは、単結合又は多価連結基であり;
任意選択的に、Lは、式:
【化4】
の追加の基を更に含む多価連結基であり;
Z
1及びZ
2は同じものであり、ここで、Z
1及びZ
2は、単結合、-O-、式-C(O)-の基を含む二価連結基、又は式-C(O)-O-の基を含む二価連結基から選択され;
R
1及びR
2は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C
1~30アルキルであり;
任意選択的に、R
1及びR
2は、一緒に、単結合又は二価連結基を介して環を形成する)
の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含む、請求項1に記載のトップコート組成物。
【請求項3】
Lは、単結合或いは置換若しくは無置換C1~30アルキレン、置換若しくは無置換C3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C2~30ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは無置換C6~30アリーレン、置換若しくは無置換二価C7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアリーレン、又は置換若しくは無置換二価C2~30ヘテロアリールアルキル、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R2b)-、-S-、-S(O)2-、又は-N(R2b)-S(O)2-の1つ以上から選択される二価連結基であり、ここで、R2bは、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルである、
請求項1又は2に記載のトップコート組成物。
【請求項4】
Lは、式-C(O)-C1~10アルキレン-O-の基であり;
Z1及びZ2は、それぞれ-O-であり;
R1及びR2は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C1~30アルキルである、
請求項1~3のいずれか一項に記載のトップコート組成物。
【請求項5】
式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)、又は(2e):
【化5】
(式中、
R
aは、水素、フッ素、シアノ、置換若しくは無置換C
1~10アルキル、又は置換若しくは無置換C
1~10フルオロアルキルであり;
R
7~R
12は、それぞれ独立して、水素、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキル、直鎖若しくは分岐C
2~20アルケニル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C
3~20ヘテロシクロアルケニル、単環式若しくは多環式C
6~20アリール、又は単環式若しくは多環式C
1~20ヘテロアリールであり、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換であり;
但し、R
7~R
9の1つのみは、水素であることができ、R
10~R
12の1つのみは、水素であることができ;
R
7~R
9のいずれか2つは、一緒に任意選択的に環を形成し、R
7~R
9のそれぞれは、任意選択的に、構造の一部として、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-S-、-S(O)
2-、及び-N(R
19)-S(O)
2-から選択される1つ以上の基を更に含み、ここで、R
19は、水素、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキルであり;
R
10~R
12のいずれか2つは、一緒に任意選択的に環を形成し、R
10~R
12のそれぞれは、任意選択的に、構造の一部として、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-S-、-S(O)
2-、及び-N(R
20)-S(O)
2-から選択される1つ以上の基を更に含み、ここで、R
20は、水素、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキルであり;
L
1は、少なくとも1個の炭素原子、少なくとも1個のヘテロ原子、又はそれらの組み合わせを含む二価連結基であり;
R
13~R
14は、それぞれ独立して、水素、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキル、単環式若しくは多環式C
6~20アリール、又は単環式若しくは多環式C
1~20ヘテロアリールであり、水素を除いてそれらのそれぞれは、置換若しくは無置換であり;
R
15は、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキルであり、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換であり、ここで、R
13又はR
14の1つは、任意選択的に、R
15と一緒に複素環を形成し;
R
16~R
18は、それぞれ独立して、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキル、単環式若しくは多環式C
6~20アリール、又は単環式若しくは多環式C
1~20ヘテロアリールであり、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換であり;
R
16~R
18のいずれか2つは、一緒に任意選択的に環を形成し、R
16~R
18のそれぞれは、任意選択的に、それらの構造の一部として、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-S-、-S(O)
2-、及び-N(R
21)-S(O)
2-から選択される1つ以上の基を更に含み、ここで、R
21は、水素、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキルであり;
X
aは、ノルボルニル及びビニルから選択される重合性基であり;
nは、0又は1であり;
L
2は、単結合又は二価の連結基であり、但し、X
aがビニル基である場合、L
2は、単結合ではない)
の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を有するポリマーを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のトップコート組成物。
【請求項6】
前記ポリマーは、式(III)のモノマー、式(IV)のモノマー、又はそれらの組み合わせ:
【化6】
(式中、
R
aは、水素、フッ素、シアノ、置換若しくは無置換C
1~10アルキル、又は置換若しくは無置換C
1~10フルオロアルキルであり;
R
200は、置換若しくは無置換C
1~20アルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、又は置換若しくは無置換ポリ(C
1~3アルキレンオキシド)であり;
R
201は、線状、分岐、又は環状C
1~20フルオロアルキルであり;
L
201は、単結合又は多価連結基であり;
mは、1~5の整数である)
に由来する繰り返し単位を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のトップコート組成物。
【請求項7】
マトリックスポリマーは、式(I)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含み;
表面活性ポリマーは、式(I)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含み;
又はそれらの組み合わせである、
請求項1~6のいずれか一項に記載のトップコート組成物。
【請求項8】
光酸発生剤又は熱酸発生剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のトップコート組成物。
【請求項9】
基板上のフォトレジスト層と;
前記フォトレジスト層上に形成されたトップコート層であって、前記トップコート層が、請求項1~8のいずれか一項に記載のトップコート組成物に由来するトップコート層と
を含む、コートされた基板。
【請求項10】
パターン形成方法であって、
フォトレジスト層を基板一面に形成する工程と;
トップコート層を前記フォトレジスト層一面に形成する工程であって、前記トップコート層が、請求項1~8のいずれか一項に記載のトップコート組成物から形成される工程と;
前記トップコート層及び前記フォトレジスト層を活性化放射線にパターン様露光する工程と;
前記露光されたトップコート層及び前記露光されたフォトレジスト層を現像液と接触させてレジストパターンを形成する工程とを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトレジスト組成物の上に塗布されてもよいフォトレジストトップコート組成物に関する。本発明は、半導体デバイスの形成のための液浸リソグラフィープロセスにおいてトップコート層への特定の適用可能性を見出す。
【背景技術】
【0002】
フォトレジスト材料は、半導体基板上に配置された金属、半導体又は誘電体層などの1つ以上の下位層に画像を転写するために典型的に使用される感光性組成物である。半導体デバイスの集積密度を高める及びナノメートル範囲の寸法を有する構造の形成を可能にするために、高解像能力を有するフォトレジスト及びフォトリソグラフィー加工ツールが開発されてきたし、開発され続けている。
【0003】
半導体デバイスにおいてナノメートル(nm)スケールの形状を達成するための1つのアプローチは、フォトレジスト露光中に、短波長、例えば193nm以下の光を使用することである。リソグラフィー性能を更に改善するために、画像形成デバイスのレンズの開口数(NA)を効果的に増加させるための液浸リソグラフィーツール、例えば、KrF(248nm)又はArF(193nm)光源を有するスキャナーが開発されてきた。これは、画像形成デバイスの最終面と、半導体ウェハーの上面との間に、高屈折率流体、典型的には水を使用することによって達成される。ArF液浸ツールは、現在、多重(二重又はより高次)パターン形成を使って、40nmよりも下の寸法までリソグラフィーの限界を押し上げている。
【0004】
液浸リソグラフィーにおいて、液浸流体とフォトレジスト層との間の直接接触は、フォトレジストから液浸流体への成分の浸出をもたらすことができる。この浸出は、光学レンズを汚染することがあり、液浸流体の有効な屈折率及び透過特性を変化させることがある。液浸流体へのフォトレジスト材料の移動を阻止するという課題に対処する努力において、フォトレジストトップコート層が液浸流体と下位フォトレジスト層との間のバリア層として導入されている。好ましくは、トップコート層は、液浸液体に可溶性ではなく、露光波長において光を透過させ、フォトレジスト層と混ざらない。加えて、トップコート層及びフォトレジスト層が同時に除去され得ないように、トップコート層が塩基性現像液に容易に溶解することが好ましい。
【0005】
液浸流体界面における疎水性の増加は、典型的には、フッ素化ポリマーの使用によって典型的に達成される。高疎水性材料の使用は、特定の欠陥タイプ、例えば、コーティング欠陥及びパターン形成欠陥に悪影響を与える場合がある。そのような欠陥は、レジストパターンの適切な形成及び下位層へのパターン転写を妨げ得、それによってデバイス収率に悪影響を与え得る。これらの欠陥は、例えば、マイクロブリッジング、コンタクトホールの欠失、ラインピンチング、又はCDシフトの1つ以上の形態をとる場合がある。良好な疎水性と低いコーティング欠陥及びパターン形成欠陥レベルとのバランスを有するトップコート層がそれ故望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,474,054号明細書
【特許文献2】米国特許第4,200,729号明細書
【特許文献3】米国特許第4.251,665号明細書
【特許文献4】米国特許第5,187,019号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第930542A1号明細書
【特許文献6】米国特許第6,692,888号明細書
【特許文献7】米国特許第6,680,159号明細書
【特許文献8】米国特許第6,057,083号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第01008913A1号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第00930542A1号明細書
【特許文献11】米国特許第6,136,501号明細書
【特許文献12】米国特許第5,843,624号明細書
【特許文献13】米国特許第6,048,664号明細書
【特許文献14】米国特許第6,048,662号明細書
【特許文献15】PCT/US01/14914号明細書
【特許文献16】米国特許第6,306,554号明細書
【特許文献17】米国特許第7,244,542号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最新技術と関連する1つ以上の問題に対処する、改善されたフォトレジストトップコート組成物が当技術分野において継続して必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
式(I)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含むポリマーと;溶媒とを含むトップコート組成物であって、
【化1】
式(I)において、Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、単結合或いは置換若しくは無置換C
1~30アルキレン、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキレン、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは無置換C
6~30アリーレン、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリーレン、-O-、-C(O)-、-N(R
3)-、-S-、又は-S(O)
2-の1つ以上を含む二価連結基であり、ここで、R
3は、水素、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C
6~30アリール、置換若しくは無置換C
7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリール、又は置換若しくは無置換C
2~30ヘテロアリールアルキルであり、任意選択的に、Z
1及びZ
2は、一緒に、Z
1とZ
2との間の単結合又は二重結合を介して環を形成し、R
1及びR
2は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~30アルケニル、置換若しくは無置換C
6~30アリール、置換若しくは無置換C
7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C
7~30アルキルアリール、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリール、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロアリールアルキル、置換若しくは無置換C
2~30アルキルヘテロアリール、-OR
4、又は-N(R
5)
2であり、ここで、R
4及びR
5は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C
6~30アリール、置換若しくは無置換C
7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C
7~30アルキルアリール、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリール、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロアリールアルキル、又は置換若しくは無置換C
2~30アルキルヘテロアリールであり、任意選択的に、R
1及びR
2は、一緒に、単結合又は二価連結基を介して環を形成し、Lは、単結合又は多価連結基であり、任意選択的に、Lは、式:
【化2】
の追加の基を更に含む多価連結基であり、
Pは、重合性基である、
トップコート組成物が提供される。
【0009】
基板上のフォトレジスト層と;フォトレジスト層上に形成されたトップコート層とを含むコートされた基板であって、トップコート層が本発明のトップコート組成物に由来する基板もまた提供される。
【0010】
パターン形成方法であって、フォトレジスト層を基板一面に形成する工程と;トップコート層をフォトレジスト層一面に形成する工程であって、トップコート層が、本発明のトップコート組成物から形成される工程と;トップコート層及びフォトレジスト層を活性化放射線にパターン様露光する工程と;露光されたトップコート層及び露光されたフォトレジスト層を現像液と接触させてレジストパターンを形成する工程とを含む方法が更に提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態がこれから詳細に言及され、それらの例が本記載で例示される。これに関連して、本例示的な実施形態は、異なる形態を有し得、本明細書に明記される記載に限定されると解釈されるべきではない。したがって、例示的な実施形態は、本記載の態様を説明するために、図に言及することによって、以下に記載されるにすぎない。本明細書で用いるところでは、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを包含する。「の少なくとも1つ」などの表現は、要素のリストに先立つ場合、要素の全リストを修飾し、リストの個々の要素を修飾しない。
【0012】
本明細書で用いるところでは、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、量の制限を意味せず、本明細書で特に示さないか又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。「又は」は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。量に関連して用いられる修飾語句「約」は、表明値を含み、前後関係(例えば、特定の量の測定と関連したエラーの度合いを含む)によって決定される意味を有する。本明細書で開示される全ての範囲は、終点を含み、終点は、独立して、互いに合体できる。接尾辞「(s)」は、それが修飾する用語の単数形及び複数形の両方を含み、それによってその用語の少なくとも1つを含むことを意図する。「任意選択の」又は「任意選択的に」は、その後に記載される事象又は状況が起こり得るか又は起こり得ないこと、及びその記載は、事象が起こる場合及び事象が起こらない場合を含むことを意味する。用語「第1」、「第2」等は、本明細書では、順番、量、又は重要性を意味せず、むしろ1つの要素を別の要素から区別するために用いられる。要素が別の要素「上」にあると言われる場合、それは、他の要素と直接に接触し得るか、又は介在要素がそれらの間に存在し得る。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」あると言われる場合、介在要素は、存在しない。態様の記載される成分、要素、制限、及び/又は特徴は、様々な態様では任意の適切な方法で組み合わされ得ることが理解されるべきである。
【0013】
別に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に使用される辞書において定義されるものなどの、用語は、関連技術分野及び本開示との関連でそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明確にそのように定義しない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈されないことが更に理解されるであろう。
【0014】
本明細書で用いるところでは、用語「炭化水素基」は、示される場合に1つ以上の置換基で任意選択的に置換された、少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも1個の水素原子を有する有機化合物を言い;「アルキル基」は、明記された数の炭素原子を有し、且つ、1の価数を有する直鎖若しくは分岐鎖の飽和炭化水素を言い;「アルキレン基」は、2の価数を有するアルキル基を言い;「ヒドロキシアルキル基」は、少なくとも1個のヒドロキシル基(-OH)で置換されたアルキル基を言い;「アルコキシ基」は、「アルキル-O-」を言い;「カルボン酸基」は、式「-C(=O)-OH」を有する基を言い;「シクロアルキル基」は、全ての環員が炭素である1つ以上の飽和環を有する一価基を言い;「シクロアルキレン基」は、2の価数を有するシクロアルキル基を言い;「アルケニル基」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖若しくは分岐鎖の、一価炭化水素基を言い;「アルケノキシ基」は、「アルケニル-O-」を言い;「アルケニレン基」は、2の価数を有するアルケニル基を言い;「シクロアルケニル基」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を持った、少なくとも3個の炭素原子を有する非芳香族環状炭化水素基を言い;「アルキニル基」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有する一価炭化水素基を言い;用語「芳香族基」は、Huckel則を満たし、環中に炭素を含み、環中の炭素原子の代わりに、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を任意選択的に含んでいてもよい単環式若しくは多環式環系を言い;「アリール基」は、あらゆる環員が炭素である一価の芳香族単環式若しくは多環式環系を言い、少なくとも1つのシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル環に縮合した芳香環を持った基を含んでいてもよく;「アリーレン基」は、2の価数を有するアリール基を言い;「アルキルアリール基」は、アルキル基で置換されているアリール基を言い;「アリールアルキル基」は、アリール基で置換されているアルキル基を言い;「アリールオキシ基」は、「アリール-O-」を言い;「アリールチオ基」は、「アリール-S-」を言う。
【0015】
接頭辞「ヘテロ」は、化合物又は基が、炭素原子の代わりに、ヘテロ原子である少なくとも1つのメンバー(例えば、1、2、3、又は4個以上のヘテロ原子)を含むことを意味し、ここで、ヘテロ原子は、それぞれ独立して、N、O、S、Si、又はPであり;「ヘテロ原子含有基」は、少なくとも1個のヘテロ原子を含む置換基を言い;「ヘテロアルキル基」は、炭素の代わりに1~4個以上のヘテロ原子を有するアルキル基を言い;「ヘテロシクロアルキル基」は、炭素の代わりに1~4個以上のヘテロ原子を環員として有するシクロアルキル基を言い;「ヘテロシクロアルキレン基」は、2の価数を有するヘテロシクロアルキル基を言い;「ヘテロアリール基」は、炭素の代わりに1~4個以上のヘテロ原子を環員として有するアリール基を言い;「ヘテロアリーレン基」は、2の価数を有するヘテロアリール基を言う。
【0016】
用語「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ)、塩素(クロロ)、臭素(ブロモ)、又はヨウ素(ヨード)である一価置換基を意味する。接頭辞「ハロ」は、水素原子の代わりにフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード置換基の1つ以上を含む基を意味する。ハロ基の組み合わせ(例えば、ブロモ及びフルオロ)、又はフルオロ基のみが存在していてもよい。
【0017】
「フッ素化」は、基中へ組み込まれた1個以上のフッ素原子を有することを意味すると理解されるものとする。例えば、C1~18フルオロアルキル基が示されている場合、そのフルオロアルキル基は、1個以上のフッ素原子、例えば、単一のフッ素原子、2個のフッ素原子(例えば、1,1-ジフルオロエチル基のような)、3個のフッ素原子(例えば、2,2,2-トリフルオロエチル基のような)、又は炭素の各自由原子価におけるフッ素原子(例えば-CF3、-C2F5、-C3F7、又は-C4F9などのペルフルオロ基のような)を含むことができる。「置換フルオロアルキル基」は、追加の置換基によって更に置換されているフルオロアルキル基を意味すると理解されるものとする。
【0018】
本明細書で用いるところでは、「酸不安定基」は、酸の触媒作用によって、任意選択的に及び典型的には熱処理を伴って、結合が開裂し、カルボン酸基又はアルコール基などの、極性基をもたらす基を言い、ポリマー上に形成され、任意選択的に及び典型的には、開裂した結合につながった部分はポリマーから切り離される。そのような酸は、典型的には、露光後のベーキング中に起こる結合開裂を伴う、光発生る酸である。適切な酸不安定基には、例えば、三級アルキルエステル基、二級又は三級アリールエステル基、アルキル基とアリール基との組み合わせを有する二級又は三級エステル基、三級アルコキシ基、二級又は三級エーテル基、アセタール基、又はケタール基が含まれる。酸不安定基はまた一般に、当技術分野において、「酸開裂可能基」、「酸開裂可能保護基」、「酸不安定保護基」、「酸脱離基」、「酸分解可能基」、及び「酸感受性基」とも言われる。
【0019】
本明細書で用いるところでは、用語「液浸流体」は、液浸リソグラフィーを行なうために露光ツールのレンズとフォトレジストがコートされた基板との間に挟まれた流体、典型的に水を意味する。
【0020】
「置換された」は、指定された原子の通常の価数を超えないという条件で、基上の少なくとも1個の水素原子が別の基で置き換えられていることを意味する。置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、炭素原子上の2個の水素が置き換えられている。置換基又は変数の組み合わせが許容される。「置換」位置に存在し得る例示的な基には、ニトロ(-NO2)、シアノ(-CN)、ヒドロキシ(-OH)、オキソ(=O)、アミノ(-NH2)、モノ-若しくはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アルカノイル(アシルなどのC2~6アルカノイル基など)、ホルミル(-C(=O)H)、カルボン酸又はそれらのアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩;C2~6アルキルエステル(-C(=O)O-アルキル又は-OC(=O)-アルキル)及びC7~13アリールエステル(-C(=O)O-アリール又は-OC(=O)-アリール)などのエステル(アクリレート、メタクリレート、及びラクトンを含む)、アミド(-C(=O)NR2(ここで、Rは、水素又はC1~6アルキルである)、カルボキサミド(-CH2C(=O)NR2(ここで、Rは、水素又はC1~6アルキルである)、ハロゲン、チオール(-SH)、C1~6アルキルチオ(-S-アルキル)、チオシアノ(-SCN)、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、C1~9アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~12シクロアルキル、C5~18シクロアルケニル、少なくとも1つの芳香環を有するC6~12アリール(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル等、各環は、置換芳香族か無置換芳香族かのどちらか)、1~3つの分離又は縮合環及び6~18個の環炭素原子を有するC7~19アリールアルキル、1~3つの分離又は縮合環及び6~18個の環炭素原子を有するアリールアルコキシ、C7~12アルキルアリール、C2~12ヘテロシクロアルキル、C1~12ヘテロアリール、C1~6アルキルスルホニル(-S(=O)2-アルキル)、C6~12アリールスルホニル(-S(=O)2-アリール)、又はトシル(CH3C6H4SO2-)が含まれるが、それらに限定されない。基が置換されている場合、炭素原子の示されている数は、任意の置換基の炭素原子を除いた、基における炭素原子の総数である。例えば、基-CH2CH2CNは、シアノ基で置換されたC2アルキル基である。
【0021】
本発明のトップコート組成物は、マトリックスポリマー、表面活性ポリマー、及び溶媒混合物を含み、1つ以上の追加の、任意選択の成分を含むことができる。フォトレジスト層の上に塗布される本発明の好ましいトップコート組成物は、液浸リソグラフィープロセスにおいて用いられる液浸流体中へのフォトレジスト層の成分の移動を最小限にする又は防止することができる。本発明の好ましいトップコート組成物において、表面活性ポリマーは自己分離性である。本明細書で用いるところでは、用語「液浸流体」は、液浸リソグラフィーを行うために露光ツールのレンズとフォトレジストがコートされた基板との間に挟まれた、流体、典型的に水を意味する。
【0022】
本明細書で用いるところでは、同じ方法で、しかしトップコート組成物層の不在で加工される同じフォトレジストシステムに対してトップコート組成物を使用した時に減少量の酸又は有機材料が液浸流体中に検出される場合、トップコート層は、液浸流体中へのフォトレジスト材料の移動を抑制すると考えられるであろう。液浸流体中のフォトレジスト材料の検出は、(オーバーコートされたトップコート組成物層あり及びなしの)フォトレジストの露光前に及び次いで液浸流体を通しての露光で(オーバーコートされたトップコート組成物層あり及びなしの)フォトレジスト層のリソグラフィー加工後に液浸流体の質量分光分析(MS)によって行うことができる。典型的には、トップコート組成物は、トップコート層を含まない(すなわち、液浸流体がフォトレジスト層と直接に接触する)同じフォトレジストに対して液浸流体中に存在するフォトレジスト材料(例えば、MSによって検出される酸又は有機化合物)の少なくとも10%低減を提供し、より好ましくはトップコート組成物は、トップコート層を含まない同じフォトレジストに対して液浸流体中のフォトレジスト材料の量と比べて液浸流体中のフォトレジスト材料の量の少なくとも20%、又は50%、又は90%、又は99%、又は100%低減を提供する。
【0023】
本発明の好ましいトップコート組成物は、液浸リソグラフィープロセスにおいて重要である様々な水接触角特性、例えば、液浸流体界面での静的接触角、後退接触角、前進接触角及び滑落角の1つ以上の改善を可能にすることができる。トップコート組成物は、例えば、水性塩基現像液中で、層の露光領域及び非露光領域の両方について優れた現像液溶解性を有するトップコート層を提供する。好ましいトップコート組成物は、有益なパターン欠陥レベルを示すことができる。
【0024】
本組成物は、乾式リソグラフィーにおいて又はより典型的には液浸リソグラフィープロセスにおいて使用することができる。加えて、本組成物は、ボイド形成及び/又は欠陥の発生を考慮して有害であり得る、ガス放出の発生を最小限にする又は防止する観点から有益であることができる。露光波長は、フォトレジスト組成物を除いて特に限定されないが、300nm未満、例えば、248nm、193nmの波長又はEUV波長(例えば、13.4nm)が典型的である。193nm液浸リソグラフィープロセスでの組成物の使用が特に好ましい。
【0025】
本発明において有用なポリマーは、水性アルカリ現像液、例えば、水酸化第四級アンモニウム溶液、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、典型的には0.26Nの水性TMAHを使用するレジスト現像工程において、組成物から形成されたトップコート層を除去できるように水性アルカリに可溶性である。異なるポリマーが、好適には、様々な相対量で存在していてもよい。
【0026】
重合アクリレート基、ポリエステル、又は、例えば、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、重合芳香族(メタ)アクリレート、及び重合ビニル芳香族モノマーによって提供されるなどの、他の繰り返し単位及び/若しくはポリマー主鎖構造を含むポリマーなどの、様々なポリマーが、本発明のトップコート組成物に用いられ得る。典型的には、ポリマーは、少なくとも2つの異なる繰り返し単位を含む。異なるポリマーが、好適には、様々な相対量で存在していてもよい。
【0027】
本発明のトップコート組成物のポリマーは、例えば、1つ以上の、疎水性基;弱酸基;強酸基;分岐状の任意選択的に置換されたアルキル若しくはシクロアルキル基;フルオロアルキル基;又はエステル、エーテル、カルボキシ、若しくはスルホニル基などの、極性基などの、様々な繰り返し単位を含有していてもよい。ポリマーの繰り返し単位上の特定の官能基の存在は、例えば、ポリマーの意図される官能性に依存するであろう。
【0028】
特定の好ましい態様では、コーティング組成物の1種以上のポリマーは、リソグラフィー加工中によく反応する1つ以上の基、例えば、酸及び熱の存在下で開裂反応を受けることができる1つ以上の光酸-酸不安定基、例えば、酸不安定エステル基(例えば、t-ブチルアクリレート若しくはt-ブチルメタクリレート、アダマンチルアクリレートの重合によって提供されるなどのt-ブチルエステル基)及び/又はビニルエーテル化合物の重合によって提供されるなどのアセタール基を含むであろう。そのような基の存在は、関連ポリマーを現像剤溶液中により可溶性にすることができ、それによって現像プロセス中の現像性及びトップコート層の除去を支援する。
【0029】
ポリマーは、有利には、トップコート層の特性を調整するように選択することができ、それぞれは一般的に1つ以上の目的又は機能を果たす。そのような機能には、例えば、フォトレジストプロファイル調整、トップコート表面調整、欠陥の低減及びトップコートとフォトレジスト層との間の界面混合の低減の1つ以上が含まれる。
【0030】
トップコート組成物は、1つ以上の、好ましくは2つ以上の異なるタイプの繰り返し単位(2つ又は3つの異なる繰り返し単位が典型的である)を含んでいてもよい、1つ以上の、好ましくは2つ以上の(2つが典型的である)、マトリックスポリマーを含む。マトリックスポリマーは、例えば、マイクロブリッジングによる、全体欠陥を低減するための十分に高い現像剤溶解速度を提供するべきである。マトリックスポリマーは、ポリマー現像剤溶解速度を高めるために、例えば、スルホンアミド含有モノマーを含んでいてもよい。マトリックスポリマーについての典型的な現像剤溶解速度は、300nm/秒より大きく、好ましくは500nm/秒より大きく、より好ましくは1000nm/秒より大きく、更により好ましくは3000nm/秒より大きい。マトリックスポリマーは、フッ素化又は非フッ素化であることができる。いくつかのフォトレジスト材料について、フッ素化トップコートマトリックスポリマーは、トップコート層と下にあるフォトレジスト層との間の界面混合を低減する又は最小限にすることができる。したがって、マトリックスポリマーの1つ以上の繰り返し単位は、例えば、C1~4フルオロアルキル基、典型的にフルオロメチルなどのフルオロアルキル基でフッ素化されていることができ、例えば、スルホンアミド基(例えば、-NHSO2CF3)又はフルオロアルコール基(例えば、-C(CF3)2OH)として存在していてもよい。
【0031】
マトリックスポリマーは、表面活性ポリマーのそれよりも高い表面エネルギーを有し、表面活性ポリマーと好ましくは不混和性であり、表面活性ポリマーがマトリックスポリマーから相分離し、トップコートフォトレジスト界面から離れてトップコート層の上部表面に移動することを可能にする。マトリックスポリマーの表面エネルギーは、典型的には、1メートル当たり30~60ミリニュートン(mN/m)である。
【0032】
式(I)及び(II)の例示的なモノマーが、マトリックスポリマーを調製するために使用され得るが、他のモノマーも、本明細書で記載されるように及び当技術分野において一般に使用されるように使用され得る。
【化3】
【0033】
式(I)及び(II)において、Raは、水素、フッ素、シアノ、置換若しくは無置換C1~10アルキル、又は置換若しくは無置換C1~10フルオロアルキル、典型的にはH又はメチルである。
【0034】
式(I)において、R100は、置換若しくは無置換C1~100若しくはC1~20アルキル、典型的にはC1~12アルキル;置換若しくは無置換C3~30若しくはC3~20シクロアルキル;又は置換若しくは無置換ポリ(C1~3アルキレンオキシド)を表す。好ましくは、置換C1~100若しくはC1~20アルキル、置換C3~30若しくはC3~20シクロアルキル、及び置換ポリ(C1~3アルキレンオキシド)は、ハロゲン、C1~4フルオロアルキル基、典型的にはフルオロメチルなどのフルオロアルキル基、スルホンアミド基-NH-S(O)2-Y1(ここで、Y1は、F又はC1~4ペルフルオロアルキルである)(例えば、-NHSO2CF3)、又はフルオロアルコール基(例えば、-C(CF3)2OH)の1つ以上で置換されている。
【0035】
式(II)において、L101は、単結合或いは、例えば、C1~6アルキレン若しくはC3~20シクロアルキレンなどの、任意選択的に置換された脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素、並びにそれらの組み合わせから選択される多価連結基を表し、任意選択的に、1つ以上の連結部分は、-O-、-S-、-C(O)-、及び-NR102-(ここで、R102は、水素及び任意選択的に置換されたC1~10アルキルから選択される)から選択され;nは、1~5の整数、典型的には1である。例えば、マトリックスポリマーは、式(II)(式中、L101は、単結合或いは置換若しくは無置換C1~20アルキレン、典型的にはC1~6アルキレン;置換若しくは無置換C3~20シクロアルキレン、典型的にはC3~10シクロアルキレン;及び置換若しくは無置換C6~24アリーレンから選択される多価連結基であり、nは、1、2、又は3である)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含むことができる。
【0036】
式(I)のモノマーに由来する単位はトップコート組成物において使用される溶媒へのマトリックスポリマーの良好な溶解性を可能にすると考えられる。それらの高極性性質のために、式(II)のモノマーに由来する単位は、水性塩基現像液における所望の溶解性特性をマトリックスポリマーに付与することができる。これは、フォトレジスト現像中の有効な除去を可能にする。
【0037】
一般式(I)の単位は、典型的には、マトリックスポリマーの総重合単位を基準として、0~100モル%、より典型的には20~80モル%又は30~70モル%の量でマトリックスポリマー中に存在する。一般式(II)の単位は、典型的には、マトリックスポリマーの総重合単位を基準として、0~50モル%、より典型的には5~40モル%又は15~30モル%の量でマトリックスポリマー中に存在する。
【0038】
一般式(I)の単位についてのモノマーの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:
【化4】
【化5】
【化6】
【0039】
一般式(II)の単位についてのモノマーの非限定的な例としては、以下のもの:
【化7】
(式中、R
aは、上記で定義された通りである)
が挙げられる。
【0040】
他の例示的なマトリックスポリマーは、(アルキル)アクリレート、好ましくは、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、エチルフェンキルアクリレート、エチルフェンキルメタクリレート等、並びに他の非環状アルキル及び脂環式(アルキル)アクリレートなどの、酸不安定(アルキル)アクリレートなどのモノマーから調製することができる。他の適切なマトリックスポリマーには、例えば、任意選択的に置換されたノルボルネンなどの非芳香族環状オレフィン(環内二重結合)の重合単位を含有するもの、重合した酸無水物単位、特に重合した無水マレイン酸及び/又はイタコン酸無水物単位を含有するもの、並びにスチレンなどの、ビニル基を含有するものが含まれる。
【0041】
マトリックスポリマーの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:
【化8】
【0042】
マトリックスポリマーの非限定的な例としては、以下のものが更に挙げられる:
【化9】
【化10】
【0043】
1種以上のマトリックスポリマーが、典型的には、トップコート組成物の全固形分を基準として、70~99.9重量%、又は70~99重量%、より典型的に85~95重量%の総計量で組成物中に存在する。マトリックスポリマーの重量平均分子量(Mw)は、典型的には400,000ダルトン(Da)未満、例えば、1000~50,000Da、2000~25,000Da、又は5000~25,000Daである。
【0044】
表面活性ポリマーは、トップコート/液浸流体界面での有益な表面特性をもたらすためにトップコート組成物中に提供される。特に、表面活性ポリマーは、有益にも、水に対して望ましい表面特性、例えば、トップコート/液浸流体界面での改善された静的接触角(SCA)、後退接触角(RCA)、前進接触角(ACA)又は滑落角(SA)の1つ以上を提供することができる。特に、表面活性ポリマーは、より高いRCAを可能にすることができ、それは、より速い走査速度及び増加したプロセス処理量を可能にすることができる。乾燥状態のトップコート組成物の層は、典型的には、60~95°、典型的に75~93°、75~85°又は75~80°の水後退接触角を有する。語句「乾燥状態の」は、全組成物を基準として、8重量%以下の溶媒を含有することを意味する。
【0045】
表面活性ポリマーは、好ましくは、水性アルカリ可溶性である。表面活性ポリマーは、好ましくは、マトリックスポリマーよりも低い表面エネルギーを有する。好ましくは、表面活性ポリマーは、マトリックスポリマー、並びにトップコート組成物中に存在する任意の他のポリマーよりも著しく低い表面エネルギーを有し、それらと実質的に不混和性である。このようにして、トップコート組成物は、自己分離性であることができ、ここで、表面活性ポリマーは、コーティング中に他のポリマーから離れてトップコート層の上部表面に移動する。得られたトップコート層は、それによって液浸リソグラフィープロセスの場合に、液浸リソグラフィープロセスの場合にトップコート/液浸流体界面である、トップコート層の上部表面において表面活性ポリマーが豊富である。
【0046】
表面活性ポリマーの所望の表面エネルギーは、選択されたマトリックスポリマー及びその表面エネルギーに依存するであろうが、表面活性ポリマーの表面エネルギーは、典型的には15~35mN/m、好ましくは18~30mN/mである。表面活性ポリマーの表面エネルギーは、典型的には、マトリックスポリマーの表面エネルギーよりも5~25mN/m少なく、好ましくはマトリックスポリマーの表面エネルギーよりも5~15mN/m少ない。
【0047】
表面活性ポリマーのための適切な重合単位には、例えば、酸不安定基、塩基不安定基、スルホンアミド基、アルキル基及びエステル基から選択される1つ以上の基を含有するものが含まれる。好ましくは、そのような酸不安定基、塩基不安定基、スルホンアミド基、アルキル基及びエステル基はフッ素化されている。
【0048】
例示的な表面活性ポリマーには、例えば、式(III)のモノマー、式(IV)のモノマー、又はそれらの組み合わせに由来する繰り返し単位を含むポリマーが含まれることができ:
【化11】
ここで、式(III)及び(IV)において、各R
aは、独立して、水素、ハロゲン、C
1~3アルキル、典型的にはH又はメチルを表し;R
200は、置換若しくは無置換C
1~100若しくはC
1~20アルキル、典型的にはC
1~12アルキル;置換若しくは無置換C
3~30若しくはC
3~20シクロアルキル;又は置換若しくは無置換ポリ(C
1~3アルキレンオキシド)を表し;R
201は、線状、分岐若しくは環状C
1~20フルオロアルキル、典型的にはC
1~12フルオロアルキルを表す。好ましくは、置換C
1~100若しくはC
1~20アルキル、置換C
3~30若しくはC
3~20シクロアルキル、及び置換ポリ(C
1~3アルキレンオキシド)は、ハロゲン、C
1~4フルオロアルキル基、典型的にはフルオロメチルなどのフルオロアルキル基、スルホンアミド基-NH-S(O)
2-Y
1(ここで、Y
1は、F若しくはC
1~4ペルフルオロアルキルである)(例えば、-NHSO
2CF
3)、又はフルオロアルコール基(例えば、-C(CF
3)
2OH)の1つ以上で置換されている。
【0049】
L201は、単結合或いは、例えば、C1~6アルキレン又はC3~20シクロアルキレンなどの、任意選択的に置換された脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水素、並びにそれらと、任意選択的に、-O-、-S-、-C(O)-、及び-NR102-(ここで、R102は、水素及び任意選択的に置換されたC1~10アルキルから選択される)から選択される1つ以上の連結部分との組み合わせから選択される多価連結基を表し;mは、1~5の整数、典型的には1である。例えば、マトリックスポリマーは、式(IV)(式中、L201は、単結合或いは置換若しくは無置換C1~20アルキレン、典型的にはC1~6アルキレン;置換若しくは無置換C3~20シクロアルキレン;典型的にはC3~10シクロアルキレン;及び置換若しくは無置換C6~24アリーレンから選択される多価連結基であり、mは、1、2、又は3である)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含むことができる。
【0050】
式(III)の例示的なモノマーには、式(I)に関して上で記載されたものが含まれる。式(III)のモノマーに由来する単位は、組成物中の他のポリマーからの表面活性ポリマーの効果的な相分離、高められた動的接触角、例えば、増加した後退角及び低下した滑落角を可能にすると考えられる。式(IV)のモノマーに由来する単位は、相分離に及び高められた動的接触角特性に、並びに有益なヒストリシス特性及び水性塩基現像液への改善された溶解性を表面活性ポリマーに付与することに寄与すると考えられる。
【0051】
一般式(III)の単位は、典型的には、表面活性ポリマーの総繰り返し単位を基準として、0~90モル%、例えば、10~40モル%の量で表面活性ポリマー中に存在する。一般式(IV)の単位は、典型的には、表面活性ポリマーの総繰り返し単位を基準として、0~90モル%、例えば、50~80モル%の量で表面活性ポリマー中に存在する。
【0052】
表面活性ポリマーに使用するための繰り返し単位の非限定的な例としては、以下のモノマーの1つ以上の重合単位が挙げられる:
【化12】
【0053】
表面活性ポリマーは、1つ以上の追加のタイプの単位を含んでいてもよい。表面活性ポリマーは、例えば、フッ素化スルホンアミド基、フッ素化アルコール基、フッ素化エステル基、若しくはそれらの組み合わせなどの、フッ素含有基、又は酸不安定脱離基、或いはそれらの組み合わせを含む1つ以上の追加の単位を含むことができる。フルオロアルコール基含有単位は、現像液溶解性を高める目的のために、又は高められた動的接触角、例えば、増加した後退角及び減少した滑落角を可能にするために、並びに現像液親和性及び溶解性を改善するために表面活性ポリマー中に存在することができる。使用される場合、追加のタイプの単位は、典型的には、表面活性ポリマーを基準として1~70モル%の量で表面活性ポリマー中に存在する。
【0054】
液浸リソグラフィーのための表面活性ポリマーの下限は、一般に、フォトレジスト成分の浸出を防止する必要性によって決められる。表面活性ポリマーは、トップコート組成物の全固形分を基準として、0.1~30重量%、より典型的に3~20重量%又は5~15重量%の量で組成物中に存在する。液浸リソグラフィーのための表面活性ポリマーの下限は、一般に、フォトレジスト成分の浸出を防止する必要性によって決められる。付加的ポリマーの重量平均分子量Mwは、典型的には400,000Da未満、好ましくは5000~50,000Da、より好ましくは5000~25,000Daである。
【0055】
トップコート組成物は、式(1):
【化13】
(式中、Z
1及びZ
2は、それぞれ独立して、単結合或いは置換若しくは無置換C
1~30アルキレン、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアルキレン、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは無置換C
6~30アリーレン、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリーレン、-O-、-C(O)-、-N(R
3)-、-S-、又は-S(O)
2-の1つ以上を含む二価連結基であり、ここで、R
3は、水素、置換若しくは無置換C
1~30アルキル、置換若しくは無置換C
3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C
2~30ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C
6~30アリール、置換若しくは無置換C
7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C
1~30ヘテロアリール、又は置換若しくは無置換C
2~30ヘテロアリールアルキルである)
の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位含むポリマーを含む。任意選択的に、Z
1及びZ
2は、一緒に、Z
1とZ
2との間の単結合又は二重結合を介して環を形成する。
【0056】
式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C1~30アルキル、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアルキル、置換若しくは無置換C3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C2~30ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C2~30アルケニル、置換若しくは無置換C6~30アリール、置換若しくは無置換C7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C7~30アルキルアリール、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアリール、置換若しくは無置換C2~30ヘテロアリールアルキル、置換若しくは無置換C2~30アルキルヘテロアリール、-OR4、又は-N(R5)2であってもよく、ここで、R4及びR5は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C1~30アルキル、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアルキル、置換若しくは無置換C3~30シクロアルキル、置換若しくは無置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは無置換C6~30アリール、置換若しくは無置換C7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C7~30アルキルアリール、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアリール、置換若しくは無置換C2~30ヘテロアリールアルキル、又は置換若しくは無置換C2~30アルキルヘテロアリールである。任意選択的に、R1及びR2は、一緒に、単結合或いは置換若しくは無置換C1~30アルキレン、置換若しくは無置換C3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C2~30ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは無置換C6~30アリーレン、置換若しくは無置換二価C7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアリーレン、又は置換若しくは無置換二価C2~30ヘテロアリールアルキル、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-N(R2a)-、-S-、-S(O)2-、又は-N(R2a)-S(O)2-の1つ以上を含む二価連結を介して環を形成し、ここで、R2aは、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルである。
【0057】
式(1)において、Lは、単結合或いは二価、三価、又は四価連結基などの多価連結基である。例えば、Lは、単結合或いは置換若しくは無置換C1~30アルキレン、置換若しくは無置換C3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C2~30ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは無置換C6~30アリーレン、置換若しくは無置換二価C7~30アリールアルキル、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアリーレン、又は置換若しくは無置換二価C2~30ヘテロアリールアルキル、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-C(O)-、-N(R2b)-、-S-、-S(O)2-、又は-N(R2b)-S(O)2-の1つ以上から選択される二価連結基であることができ、ここで、R2bは、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルである。
【0058】
式(1)において、Pは重合性基である。典型的には、重合性基は、(メタ)アクリル、ビニル、及びノルボルニルから選択される。
【0059】
式(1)において、Lは、任意選択的に、式:
【化14】
(式中、Z
1、Z
2、R
1、及びR
2は、上で記載された通りである)
の追加の基を更に含む二価連結基である。
【0060】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、式(1a)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位を含んでいてもよい:
【化15】
【0061】
式(1a)において、Raは、水素、フッ素、シアノ、置換若しくは無置換C1~10アルキル、又は置換若しくは無置換C1~10フルオロアルキルである。Lは、式(1)に関して定義された通りである。例えば、Lは、単結合或いは置換若しくは無置換C1~30アルキレン、置換若しくは無置換C3~30シクロアルキレン、置換若しくは無置換C2~30ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは無置換C6~30アリーレン、置換若しくは無置換C1~30ヘテロアリーレン、-O-、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-N(R25)-、-S-、又は-S(O)2-から選択される1つ以上の基などの二価連結基であり、ここで、R25は、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルである。
【0062】
式(1a)において、Z1及びZ2は同じものであり、ここで、Z1及びZ2は、単結合、-O-、式-C(O)-の基を含む二価連結基、又は式-C(O)-O-の基を含む二価連結基から選択される。R1及びR2は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換C1~30アルキルであり;任意選択的に、R1及びR2は、一緒に、単結合又は二価連結基を介して環を形成する。
【0063】
式(1)及び/又は(1a)のモノマーの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:
【化16】
【0064】
単一のジ(Boc)アミド部分を含む上記のモノマーは、シングルアームドモノマーと言われ得る。他の例示的なモノマーは、2つ以上のジ(Boc)アミド部分を含み、ダブルアームドモノマーと言われ得る。シングルアームドモノマーに由来する構造単位を含むポリマーについては、1個のカルボキシル官能基が、加水分解時にシングルアームドモノマーに由来する構造単位上に生成し得る。ダブルアームドモノマーに由来する構造単位を含むポリマーについては、2個のカルボキシル官能基が、加水分解時にダブルアームドモノマーに由来する各構造単位に関して生成し得る。同様に、トリプルアームドモノマーに由来する構造単位を含むポリマーについては、3個のカルボキシル官能基が、加水分解時にトリプルアームドモノマーに由来する各構造単位に関して生成し得る。これは、水性アルカリ性現像液との接触時にポリマーをより親水性にするために有益であることができる。
【0065】
本発明のポリマーは、任意選択的に、式(1)の1種以上のモノマーに由来する繰り返し単位とは異なる1つ以上の追加の繰り返し単位を更に含む。本発明のポリマーは、マトリックスポリマー又は表面活性ポリマーであってもよく、ポリマーは、マトリックスポリマー及び表面活性ポリマーに関連して記載された一般式(I)、(II)、(III)、及び(IV)のモノマーの任意の1種以上に例えば由来する1つ以上の追加の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。1つ以上の追加の単位は、ポリマー中に存在する場合、ポリマー中の繰り返し単位の総モルを基準として、90モル%以下、典型的には3~50モル%の量で使用され得る。
【0066】
特定の好ましい態様では、ポリマーは、リソグラフィー加工中によく反応する1つ以上の基、例えば、酸及び熱の存在下で開裂反応を受けることができる1つ以上の光酸-酸不安定基、例えば、酸不安定エステル基(例えば、t-ブチルアクリレート又はt-ブチルメタクリレート、2-メチル-2-アダマンチルメクリレートの重合によって提供されるなどのt-ブチルエステル基)及び/又は1-ブトキシエチルメタクリレートの重合によって提供されるなどのアセタール基を含み得る。そのような基の存在は、関連ポリマーを現像剤溶液中により可溶性にすることができ、それによって現像プロセス中の現像性及びトップコート層の除去を支援する。
【0067】
例えば、本発明のポリマーは、式(2a)、(2b)、(2c)、(2d)、又は(2e)の1種以上のモノマーに由来する酸不安定繰り返し単位を含んでいてもよい:
【化17】
【0068】
式(2a)~(2e)において、Raは、水素、フッ素、シアノ、置換若しくは無置換C1~10アルキル、又は置換若しくは無置換C1~10フルオロアルキルである。好ましくは、Raは、水素、フッ素、又は置換若しくは無置換C1~5アルキル、典型的にはメチルである。
【0069】
式(2a)において、L1は、少なくとも1個の炭素原子、少なくとも1個のヘテロ原子、又はそれらの組み合わせを含む二価連結基である。例えば、L1は、1~10個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい。典型的な例において、L1は、-OCH2-、-OCH2CH2O-又は-N(R1a)-であってもよく、ここで、R1aは、水素又はC1~6アルキルである。
【0070】
式(2a)及び(2b)において、R7~R12は、それぞれ独立して、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキル、直鎖若しくは分岐C2~20アルケニル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C3~20ヘテロシクロアルケニル、単環式若しくは多環式C6~20アリール、又は単環式若しくは多環式C1~20ヘテロアリールであり、それらのそれぞれは置換若しくは無置換であり;但し、R7~R9の1つのみは水素であることができ、R10~R12の1つのみは水素であることができる。好ましくは、R7~R12は、それぞれ独立して、直鎖若しくは分岐C1~6アルキル、又は単環式若しくは多環式C3~10シクロアルキルであり、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換である。
【0071】
式(2a)において、R7~R9のいずれか2つは、一緒に任意選択的に環を形成してもよく、R7~R9のそれぞれは、任意選択的に、それらの構造の一部として、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-S-、-S(O)2-、及び-N(R19)-S(O)2-から選択される1つ以上の基を更に含んでいてもよく、ここで、R19は、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C1~20ヘテロシクロアルキルである。式(2b)において、R10~R12のいずれか2つは、一緒に任意選択的に環を形成してもよく、R10~R12のそれぞれは、任意選択的に、それらの構造の一部として、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-S-、-S(O)2-、及び-N(R20)-S(O)2-から選択される1つ以上の基を更に含んでもよく、ここで、R20は、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルである。例えば、R7~R12のいずれか1つ以上は、独立して、式-CH2C(=O)CH(3-n)Ynの基であることができ、ここで、各Yは、独立して、置換若しくは無置換C2~10ヘテロシクロアルキルであり、nは、1又は2である。例えば、各Yは、独立して、式-O(Ca1)(Ca2)O-の基を含む置換若しくは無置換C2~10ヘテロシクロアルキルであってもよく、ここで、Ca1及びCa2は、それぞれ独立して、水素又は置換若しくは無置換アルキルであり、並びにここで、Ca1及びCa2は、一緒に任意選択的に環を形成する。
【0072】
式(2c)及び(2e)において、R12~R14は、それぞれ独立して、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキル、単環式若しくは多環式C6~20アリール、又は単環式若しくは多環式C1~20ヘテロアリールであってもよく、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換であり;R15は、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルであり、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換である。任意選択的に、R13又はR14の1つは、R15と一緒にヘテロ環を形成する。好ましくは、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルであってもよい。
【0073】
式(2d)において、R16~R18は、それぞれ独立して、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキル、単環式若しくは多環式C6~20アリール、又は単環式若しくは多環式C1~20ヘテロアリールであってもよく、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換であり、R16~R18のいずれか2つは、一緒に任意選択的に環を形成し、R16~R18のそれぞれは、任意選択的に、それらの構造の一部として、-O-、-C(O)-、-C(O)-O-、-S-、-S(O)2-、及び-N(R1b)-S(O)2-から選択される1つ以上の基を含んでいてもよく、ここで、R1bは、水素、直鎖若しくは分岐C1~20アルキル、単環式若しくは多環式C3~20シクロアルキル、又は単環式若しくは多環式C2~20ヘテロシクロアルキルであってもよく;Xaは、ビニル及びノルボルニルから選択される重合性基である。
【0074】
式(2d)及び(2e)において、各L2は、単結合又は二価連結基であり、但し、Xaがビニル基である場合、L2は、単結合ではない。好ましくは、L2は、単環式若しくは多環式C6~30アリーレン又は単環式若しくは多環式C6~30シクロアルキレンであり、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換であることができる。式(2d)及び(2e)において、nは、0又は1である。nが0である場合、L2基は酸素原子に直接結合していることが理解されるべきである。
【0075】
モノマー(2a)の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:
【化18】
【0076】
式(2b)のモノマーの非限定的な例としては:
【化19】
【化20】
(式中、R
dは、R
aに関して上記で定義された通りであり;R’及びR’’は、それぞれ独立して、直鎖若しくは分岐C
1~20アルキル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルキル、単環式若しくは多環式C
2~20ヘテロシクロアルキル、直鎖若しくは分岐C
2~20アルケニル、単環式若しくは多環式C
3~20シクロアルケニル、単環式若しくは多環式C
3~20ヘテロシクロアルケニル、単環式若しくは多環式C
6~20アリール、又は単環式若しくは多環式C
1~20ヘテロアリールであり、それらのそれぞれは、置換若しくは無置換である)が挙げられる。
【0077】
式(2c)のモノマーの非限定的な例としては:
【化21】
(式中、R
dは、R
aに関して上記で定義された通りである)
が挙げられる。
【0078】
モノマー(2d)の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:
【化22】
【0079】
モノマー(2e)の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:
【化23】
【0080】
更に別の例では、第1ポリマーの酸不安定基を有する繰り返し単位は、例えば、式:
【化24】
(式中、R
dは、R
aに関して上記で定義された通りである)
の、環状アセタール基又は環状ケタール基を有する1種以上のモノマーに由来し得る。
【0081】
更に別の例では、第1ポリマーの酸不安定基を有する繰り返し単位は、例えば、以下の式の三級アルコキシ基を有する1種以上のモノマーに由来し得る:
【化25】
【0082】
ポリマーは、典型的には、1,000~50,000ダルトン(Da)、好ましくは2,000~30,000Da、より好ましくは3,000~20,000Da、更により好ましくは3,000~10,000Daの重量平均分子量(Mw)を有する。Mw対数平均分子量(Mn)の比である、ポリマーの多分散指数(PDI)は、典型的には1.1~3、より典型的には1.1~2である。分子量値は、ポリスチレン標準を使用するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。
【0083】
ポリマーは、当技術分野における任意の適切な方法を用いて調製され得る。例えば、本明細書で記載される繰り返し単位に対応する1種以上のモノマーが、適切な溶媒及び開始剤を使用して、組み合わせられるか又は別々に供給され、反応器中で重合させられ得る。例えば、ポリマーは、有効な温度での加熱、有効な波長での化学線照射、又はそれらの組み合わせによるなどの、任意の適切な条件下でのそれぞれのモノマーの重合によって得られ得る。
【0084】
いくつかの態様では、本発明のポリマーは、マトリックスポリマーであってもよい。他の態様では、本発明のポリマーは、表面活性ポリマーであってもよい。
【0085】
任意選択の追加のポリマーがトップコート組成物中に存在することができる。例えば、任意選択の追加のポリマーは、レジスト特徴プロファイル(resist feature profile)を調整する目的のために及び/又はレジストトップロスを制御するために、マトリックスポリマー及び表面活性ポリマーに加えて提供することができる。追加のポリマーは、典型的には、マトリックスポリマーと混和性であり、表面活性ポリマーと実質的に不混和性であり、その結果、表面活性ポリマーはトップコート/フォトレジスト界面から離れて他のポリマーからトップコート表面に自己分離することができる。
【0086】
トップコート組成物を調合する及びキャストするための典型的な溶媒材料は、トップコート組成物の成分を溶解させる又は分散させるが、トップコート組成物がフォトレジスト層に塗布される場合に下にあるフォトレジスト層を感知できるほど溶解させない任意のものである。好ましくは、全溶媒は、有機系(すなわち、50重量%超の有機溶媒)であり、例えば、全溶媒を基準として、0.05~1重量%の量で存在し得る残留水又は他の汚染物質を含めずに、典型的には90~100重量%、より典型的には99~100重量%、又は100重量%有機溶媒である。好ましくは、異なる溶媒、例えば、2つ、3つ以上の溶媒の混合物を使用して、組成物中の他のポリマーからの分離性の、表面活性ポリマーの有効な相分離を達成することができる。溶媒混合物はまた、分配容積の低減を可能にする、調合物の粘度を低減するのに有効であることができる。
【0087】
例示的な態様では、二溶媒系又は三溶媒系を本発明のトップコート組成物に使用することができる。好ましい溶媒系は、一次溶媒と付加的溶媒とを含み、薄め液溶媒を含んでいてもよい。一次溶媒は、典型的には、トップコート組成物の非溶媒成分に対して優れた溶解性特性を示す。一次溶媒の所望の沸点は、溶媒系の他の成分に依存するであろうが、沸点は、典型的には、付加的溶媒の沸点よりも低く、約130℃などの100~200℃の沸点が典型的である。
【0088】
適切な一次溶媒には、例えば、n-ブタノール、イソブタノール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンタノール、2,3-ジメチル-1-ブタノール、4-メチル-2-ペンタノール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール及び1-デカノール、並びにそれらの混合物などの、C4~10一価アルコールが含まれる。一次溶媒は、典型的には、溶媒系を基準として30~80重量%の量で存在する。
【0089】
付加的溶媒は、トップコート組成物中のポリマー間の相分離を促進することができる。加えて、より高い沸点の付加的溶媒は、コーティング中の先端乾燥影響を低減することができる。付加的溶媒が溶媒系の他の成分よりも高い沸点を有することは典型的である。付加的溶媒の所望の沸点は、溶媒系の他の成分に依存するであろうが、約190℃などの170~250℃の沸点が典型的である。適切な付加的溶媒には、例えば、以下の一般式(V):
R24-O-R25-O-R26-OH (V)
(式中、R24は、任意選択的に置換されたC1~2アルキル基であり、R25及びR26は、それぞれ独立して、任意選択的に置換されたC2~4アルキル基から選択される)
のものなどのヒドロキシアルキルエーテル、及び異性体混合物を含むそのようなヒドロキシアルキルエーテルの混合物が含まれる。例示的なヒドロキシアルキルエーテルには、ジアルキレングリコールモノ-アルキルエーテル及びそれらの異性体、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、それらの異性体及びそれらの混合物が含まれる。付加的溶媒は、典型的には、溶媒系を基準として3~15重量%の量で存在する。
【0090】
薄め液溶媒を使用して粘度を低下させる及びより低い分配容積でコーティング被覆面積を改善することができる。薄め液溶媒は、典型的には、一次溶媒と比べて組成物の非溶媒成分にとってより貧溶媒である。薄め液溶媒の所望の沸点は、溶媒系の他の成分に依存するであろうが、約170℃などの100~200℃の沸点が典型的である。適切な薄め液溶媒には、例えば、C
8~12n-アルカンなどのアルカン、例えば、n-オクタン、n-デカン及びドデカン、それらの異性体及びそれらの異性体の混合物;及び/又は式R
27-O-R
28(式中、R
27及びR
28は、それぞれ独立して、C
2~8アルキル、C
2~6アルキル、及びC
2~4アルキルから選択される)のものなどのアルキルエーテルが含まれる。アルキルエーテル基は、線状若しくは分岐である、及び対称若しくは非対称であることができる。特に適切なアルキルエーテルには、例えば、イソブチルエーテル、イソペンチルエーテル、イソブチルイソヘキシルエーテル、及びそれらの混合物が含まれる。他の適切な薄め液溶媒には、エステル溶媒、例えば、一般式(VI):
【化26】
(式中:R
29及びR
30は、独立して、C
3~8アルキルから選択され;R
29及びR
30中の炭素原子の総数は、総合すれば6個超である)
よって表されるものが含まれる。適切なそのようなエステル溶媒には、例えば、プロピルペンタノエート、イソプロピルペンタノエート、イソプロピル3-メチルブタノエート、イソプロピル2-メチルブタノエート、イソプロピルピバレート、イソブチルイソブチレート、2-メチルブチルイソブチレート、2-メチルブチル2-メチルブタノエート、2-メチルブチル2-メチルヘキサノエート、2-メチルブチルへプタノエート、ヘキシルへプタノエート、n-ブチルn-ブチレート、イソアミルn-ブチレート及びイソアミルイソバレレートが含まれる。使用される場合、薄め液溶媒は、典型的には、溶媒系を基準として10~70重量%の量で存在する。
【0091】
特に好ましい溶媒系には、4-メチル-2-ペンタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテル及びイソブチルイソブチレートが含まれる。例示的な溶媒系が二成分系及び三成分系に関して説明されているが、追加の溶媒を使用してもよいことは明らかであるはずである。例えば、1つ以上の追加の一次溶媒、薄め液溶媒、付加的溶媒、及び/又は他の溶媒が用いられてもよい。
【0092】
トップコート組成物は、1種以上の他の任意選択の成分を含んでいてもよい。例えば、組成物は、反射防止特性を強化するための化学線染料及び造影剤、ストリエーション防止剤等の1つ以上を含むことができる。使用される場合、そのような任意選択の添加剤は、典型的には、トップコート組成物の全固形分を基準として0.1~10重量%などの少量で組成物中に存在する。
【0093】
光酸発生剤(PAG)及び/又は熱酸発生剤(TAG)化合物などの酸発生剤化合物をトップコート組成物中に含めることが有益である場合がある。適切な光酸発生剤は、化学増幅型フォトレジストの技術分野において公知であり、例えば:オニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p-tert-ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(p-tert-ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート;ニトロベンジル誘導体、例えば、2-ニトロベンジル-p-トルエンスルホネート、2,6-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネート、及び2,4-ジニトロベンジル-p-トルエンスルホネート;スルホン酸エステル、例えば、1,2,3-トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、及び1,2,3-トリス(p-トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン;ジアゾメタン誘導体、例えば、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン;グリオキシム誘導体、例えば、ビス-O-(p-トルエンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム、及びビス-O-(n-ブタンスルホニル)-α-ジメチルグリオキシム;N-ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル;並びにハロゲン含有トリアジン化合物、例えば、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、及び2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジンを含む。そのようなPAGの1つ以上を使用することができる。
【0094】
適切な熱酸発生剤には、例えば、2-ニトロベンジルトシレート、2,4-ジニトロベンジルトシレート、2,6-ジニトロベンジルトシレート、4-ニトロベンジルトシレートなどの、ニトロベンジルトシレート;2-トリフルオロメチル-6-ニトロベンジル4-クロロベンゼンスルホネート、2-トリフルオロメチル-6-ニトロベンジル4-ニトロベンゼンスルホネートなどのベンゼンスルホネート;フェニル,4-メトキシベンゼンスルホネートなどのフェノールスルホネートエステル;10-カンファースルホン酸、トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸のトリエチルアンモニウム塩などの、有機酸のアルキルアンモニウム塩;及び特定のオニウム塩が含まれる。(特許文献1)、(特許文献2)、(特許文献3)及び(特許文献4)に開示されているものなどの、様々な芳香族(アントラセン、ナフタレン、又はベンゼン誘導体)スルホン酸アミン塩をTAGとして用いることができる。TAGの例としては、NACURETM、CDXTM及びK-PURETM名で、例えば、NACURE 5225、CDX-2168E、K-PURETM 2678及びKPURETM 2700でKing Industries,Norwalk,Conn.USAによって販売されているものが挙げられる。そのようなTAGの1つ以上を使用することができる。
【0095】
用いられる場合、1つ以上の酸発生剤がトップコート組成物中に比較的少量で、例えば、組成物の全固形分を基準として、0.1重量%~8重量%で利用され得る。1つ以上の酸発生剤化合物のそのような使用は、下にあるレジスト層においてパターン化される現像画像の、リソグラフィー性能、特に解像度に有利に影響を与える場合がある。
【0096】
組成物から形成されるトップコート層は、典型的には、193nmにおいて1.4以上、好ましくは193nmにおいて1.47以上の屈折率を有する。屈折率は、オーバーコート組成物のマトリックスポリマー、表面活性ポリマー、付加的ポリマー、又は他の成分の組成を変化させることによって調整することができる。例えば、オーバーコート組成物中の有機物含有量の相対量の増加は、層の屈折率の増加を提供し得る。好ましいオーバーコート組成物層は、目標露光波長において液浸流体及びフォトレジストの屈折率の間の屈折率を有するであろう。
【0097】
フォトレジストトップコート組成物は、公知の手順に従って調製することができる。例えば、組成物は、組成物の固形成分を溶媒成分中に溶解させることによって調製することができる。組成物の所望の全固形分は、組成物中の特定のポリマー及び所望の最終層厚さなどの要因に依存するであろう。好ましくは、オーバーコート組成物の固形分は、組成物の総重量を基準として、1~10重量%、より好ましくは1~5重量%である。全組成物の粘度は、典型的には1.5~2センチポアズ(cP)である。
【0098】
本発明の方法において有用なフォトレジスト組成物には、フォトレジスト組成物の層の一部として、ポリマー及び組成物層が、ソフトベーク、活性化放射線への露光及び露光後ベークの後に光酸発生剤によって生成した酸との反応の結果として現像液への溶解性の変化を受けることを意味する、酸感受性であるマトリックスポリマーを含む化学増幅型フォトレジスト組成物が含まれる。レジスト調合物は、ポジ型又はネガ型であることができるが、典型的にはポジ型である。ポジ型フォトレジストでは、マトリックスポリマー中の光酸不安定エステル又はアセタール基などの酸不安定基が活性化放射線への露光及び熱処理時に光酸促進脱保護反応を受けるとき溶解性の変化が典型的にはもたらされる。本発明のために有用な適切なフォトレジスト組成物は市販されている。
【0099】
193nmなどの波長で画像形成するために、マトリックスポリマーは、典型的には、フェニル、ベンジル、又は他の芳香族基を実質的に含まない(例えば、15モル%未満)又は完全に含まず、ここで、そのような基は、放射線を高度に吸収する。芳香族基を実質的に又は完全に含まない適切なポリマーは、全てShipley Companyの(特許文献5)並びに(特許文献6)及び(特許文献7)に開示されている。好ましい酸不安定基には、例えば、アセタール基、又はマトリックスポリマーのエステルのカルボキシル酸素に共有結合している三級非環状アルキル炭素(例えば、t-ブチル)又は三級脂環式炭素(例えば、メチルアダマンチル)を含有するエステル基が含まれる。
【0100】
適切なマトリックスポリマーには、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、エチルフェンキルアクリレート、エチルフェンキルメタクリレート等、並びに他の非環状アルキル及び脂環式(アルキル)アクリレートなどの、酸不安定(アルキル)アクリレート単位を好ましくは含む、(アルキル)アクリレート単位を含有するポリマーが更に含まれる。そのようなポリマーは、例えば、(特許文献8)、(特許文献9)及び(特許文献10)、並びに(特許文献11)に記載されている。他の適切なマトリックスポリマーには、例えば、任意選択的に置換されたノルボルネンなどの非芳香族環状オレフィン(環内二重結合)の重合単位を含有するもの、例えば、(特許文献12)及び(特許文献13)に記載されているポリマーが含まれる。更に他の適切なマトリックスポリマーには、(特許文献9)及び(特許文献14)に開示されているなどの、重合した酸無水物単位、特に重合無水マレイン酸及び/又はイタコン酸無水物単位を含有するポリマーが含まれる。
【0101】
ヘテロ原子、特に酸素及び/又は硫黄を含有する繰り返し単位(しかし酸無水物以外の、すなわち、単位はケト環原子を含有しない)を含有する樹脂もまた、マトリックスポリマーとして適している。ヘテロ脂環式単位は、ポリマーの主鎖に縮合することができ、ノルボルネン基の重合によって提供されるなどの縮合炭素脂環式単位及び/又は無水マレイン酸若しくはイタコン酸無水物の重合によって提供されるなどの酸無水物単位を含むことができる。そのようなポリマーは、(特許文献15)及び(特許文献16)に開示されている。他の適切なヘテロ原子基含有マトリックスポリマーには、(特許文献17)に開示されているなどの、1個以上のヘテロ原子(例えば、酸素又は硫黄)含有基、例えば、ヒドロキシナフチル基で置換された重合炭素環アリール単位を含有するポリマーが含まれる。
【0102】
上記のマトリックスポリマーの2種以上のブレンドを好適にはフォトレジスト組成物に使用することができる。
【0103】
フォトレジスト組成物に使用するための適切なマトリックスポリマーは市販されており、当業者によって容易に製造することができる。マトリックスポリマーは、レジストの露光されたコーティング層を適切な現像剤溶液中で現像可能にするのに十分な量でレジスト組成物中に存在する。典型的には、マトリックスポリマーは、レジスト組成物の全固形分を基準として50~95重量%の量で組成物中に存在する。マトリックスポリマーの重量平均分子量Mwは、典型的には、100,000Da未満、例えば、5000~100,000Da、より典型的に5000~15,000Daである。
【0104】
フォトレジスト組成物は、活性化放射線への露光時に組成物のコーティング層に潜像を生み出すのに十分な量で用いられる光酸発生剤(PAG)などの光活性成分を更に含む。例えば、光酸発生剤は、好適には、フォトレジスト組成物の全固形分を基準として約1~20重量%の量で存在するであろう。典型的には、より少ない量のPAGが、非化学増幅型材料と比較して化学増幅型レジストにとって適しているであろう。適切なPAGは、化学増幅型フォトレジストの技術分野において公知であり、例えば、トップコート組成物に関して上で記載されたものを含む。
【0105】
フォトレジスト組成物のための適切な溶媒には、例えば:2-メトキシエチルエーテル(ジグリム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;メチルラクテート及びエチルラクテートなどのラクテート;メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、エチルエトキシプロピオネートなどのプロピオネート、及びメチル-2-ヒドロキシイソブチレート;メチルセロソルブアセテートなどのセロソルブエステル;トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素;並びにアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン及び2-ヘプタノンなどのケトンが含まれる。上で記載された溶媒の2つ、3つ以上のブレンドなどの溶媒のブレンドもまた適している。溶媒は、典型的には、フォトレジスト組成物の総重量を基準として、90~99重量%、より典型的には95~98重量%の量で組成物中に存在する。
【0106】
フォトレジスト組成物はまた、他の任意選択の材料を含むことができる。例えば、組成物は、化学線染料及び造影剤、ストリエーション防止剤、可塑剤、速度向上剤、増感剤等の1つ以上を含むことができる。使用される場合、そのような任意選択の添加剤は、典型的には、フォトレジスト組成物の全固形分を基準として0.1~10重量%などの少量で組成物中に存在する。
【0107】
レジスト組成物の好ましい任意選択の添加剤は、添加塩基である。適切な塩基は、当技術分野において公知であり、例えば、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピバルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N1,N1,N3,N3-テトラブチルマロンアミド、1-メチルアゼパン-2-オン、1-アリルアゼパン-2-オン及びtert-ブチル1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル-)プロパン-2-イルカルバメートなどの線状及び環状アミド及びそれらの誘導体;ピリジン、及びジ-tert-ブチルピリジンなどの芳香族アミン;トリイソプロパノールアミン、n-tert-ブチルジエタノールアミン、トリス(2-アセトキシ-エチル)アミン、2,2’,2’’,2’’’-(エタン-1,2-ジイルビス(アザントリイル))テトラエタノール、2-(ジブチルアミノ)エタノール、2,2’,2’’-ニトリロトリエタノールなどの脂肪族アミン;及び1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピペリジン、1-ピロリジンカルボン酸tert-ブチル、2-エチル-1H-イミダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル、ピペラジン-1,4-ジカルボキン酸ジ-tert-ブチル及びN(2-アセトキシ-エチル)モルホリンなどの環状脂肪族アミンを含む。添加塩基は、好適には、より少ない量で、例えば、フォトレジスト組成物の全固形分を基準として、0.01~5重量%、好ましくは0.1~2重量%で使用される。
【0108】
それに加えて、又はその代わりに、レジスト組成物は、上で記載されたポリマーに加えて及びそれと異なる1種以上の付加的ポリマーを更に含んでいてもよい。例えば、レジスト組成物は、上で記載されたような、しかし組成が異なる追加のポリマーを含んでいてもよい。それに加えて、又はその代わりに、1種以上の追加のポリマーには、フォトレジスト技術において周知のもの、例えば、ポリアクリレート、ポリビニルエーテル、ポリエステル、ポリノルボルネン、ポリアセタール、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリフェノール、ノボラック、スチレン系ポリマー、ポリビニルアルコール、又はそれらの組み合わせから選択されるものが含まれ得る。
【0109】
レジスト組成物は、1種以上の追加の、任意選択の添加剤を更に含んでいてもよい。例えば、任意選択の添加剤には、化学線染料及び造影剤、ストリエーション防止剤、可塑剤、速度促進剤、増感剤、光分解性失活剤(PDQ)(光分解性塩基としても知られる)、塩基性失活剤、熱酸発生剤、界面活性剤等、又はそれらの組み合わせが含まれ得る。存在する場合、任意選択の添加剤は、典型的には、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.01~10重量%の量でレジスト組成物中に存在する。
【0110】
フォトレジストは、公知の手順に従って調製することができる。例えば、レジストは、フォトレジストの固形成分を溶媒成分中に溶解させることによってコーティング組成物として調製することができる。フォトレジストの所望の全固形分は、組成物中の特定のポリマー、最終層厚さ及び露光波長などの要因に依存するであろう。典型的には、フォトレジストの固形分は、フォトレジスト組成物の総重量を基準として、1~10重量%まで、より典型的には2~5重量%まで変化する。
【0111】
本発明の方法において使用されるフォトレジスト組成物は、好適には、フォトレジストを塗布するための従来方法で基板に塗布される。スピンコーティング、浸漬、ローラーコーティング又は他の従来のコーティング技術によるなどで液体フォトレジスト組成物を基板に塗布することができ、スピンコーティングが典型的である。スピンコーティングの場合、利用される特定のスピニング装置、溶液の粘度、スピナーの速度及びスピニングのために考慮される時間量に基づいて所望のフィルムの厚さを提供するためにコーティング溶液の固形分を調節することができる。例えば、フォトレジスト及び/又はトップコートの層の塗布は、コーティングトラックを使用して溶媒中のフォトレジストをスピンコートすることによって達成され得、その場合に、フォトレジストは、回転するウェハー上に分配される。分配中に、ウェハーは、典型的には、1分当たり最大4,000回転(rpm)、例えば、200~3,000rpm、例えば、1,000~2,500rpmの速度で、15~120秒の期間回転して、基板上にフォトレジスト組成物の層を得る。コートされる層の厚さが、スピン速度及び/又は組成物の固形分を変えることによって調節され得ることは、当業者によって十分理解されるであろう。フォトレジスト層は、典型的には、10~500ナノメートル(nm)、好ましくは15~200nm、より好ましくは20~120nmの乾燥層厚さを有する。
【0112】
フォトレジスト組成物をその上にコートすることができる適切な基板には、電子デバイス基板が含まれる。本発明において、半導体ウェハー;多結晶シリコン基板;マルチチップモジュールなどのパッケージング基板;フラットパネルディスプレイ基板;有機発光ダイオード(OLED)などの発光ダイオード(LED)のための基板等などの、多種多様の電子デバイス基板が使用され得、半導体ウェハーが典型的である。そのような基板は、典型的には、シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、オキシ窒化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、アルミニウム、サファイア、タングステン、チタン、チタン-タングステン、ニッケル、銅、及び金の1つ以上から構成される。適切な基板は、集積回路、光センサー、フラットパネルディスプレイ、光集積回路、及びLEDの製造において使用されるものなどのウェハーの形態にあってもよい。そのような基板は、任意の適切なサイズであってもよい。典型的なウェハー基板の直径は、200~300ミリメートル(mm)であるが、本発明によれば、より小さい直径及びより大きい直径を有するウェハーが好適に用いられ得る。基板は、形成されているデバイスの動作中の又は動作可能な部分を任意選択的に含んでいてもよい1つ以上の層又は構造を含んでいてもよい。フォトレジスト組成物は、典型的には、反射防止層、例えば、有機反射防止層一面に塗布される。
【0113】
典型的には、ハードマスク層、例えば、スピンオンカーボン(SOC)、非晶質炭素、若しくは金属ハードマスク層などの1つ以上のリソグラフィー層、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)、若しくはオキシ窒化シリコン(SiON)層などのCVD層、有機若しくは無機下層、又はそれらの組み合わせが、フォトレジスト組成物をコートする前に基板の上表面上に提供される。そのような層は、オーバーコートされたフォトレジスト層と一緒に、リソグラフィー材料スタックを形成する。
【0114】
任意選択的に、接着促進剤の層が、フォトレジストトップコート組成物をコートする前に基板表面に塗布され得る。接着促進剤が望ましい場合、シラン、典型的には、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのオルガノシラン、又はガンマ-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシランカップリング剤などの、ポリマーフィルムのための任意の適切な接着促進剤が使用され得る。特に適切な接着促進剤としては、DuPont Electronics&Imaging(Marlborough,Massachusetts)から入手可能な、AP3000、AP8000、及びAP9000Sの名称で販売されているものが挙げられる。
【0115】
本発明のトップコート組成物は、フォトレジスト組成物に関して上で記載されたものなどの任意の適切な方法によってフォトレジスト組成物一面に塗布することができ、スピンコーティングが典型的である。
【0116】
フォトレジストを表面上にコートした後に、それを加熱して(ソフトベークして)、典型的にはフォトレジストコーティングが不粘着性になるまで溶媒を除去してもよく、又はトップコート組成物が塗布された後にフォトレジスト層が乾燥させられ、フォトレジスト組成物及びトップコート組成物層の両方からの溶媒が単一熱処理工程において実質的に除去されてもよい。ソフトベークは、例えば、ホットプレート上で又はオーブン中で行われ、ホットプレートが典型的である。ソフトベークの温度及び時間は、例えば、特定のフォトレジスト組成物及び厚さに依存するであろう。ソフトベーク温度は、典型的には、90~170℃、より典型的には90~150℃である。ソフトベーク時間は、典型的には、10秒~20分、より典型的には1分~10分、更により典型的には1分~5分である。加熱時間は、組成物の成分に基づいて当業者により容易に決定することができる。
【0117】
オーバーコートされたトップコート層付きのフォトレジスト層は、次に、露光領域と非露光領域との間で溶解性の差を生み出すために活性化放射にパターン様露光される。組成物のために活性化する放射線にフォトレジストトップコート組成物を露光することへの本明細書での言及は、放射線がフォトレジスト組成物に潜像を形成できることを示す。露光は、典型的には、レジスト層の露光領域と非露光領域とにそれぞれ対応する、光学的に透明な領域と光学的に不透明な領域とを有するパターン化フォトマスクを通して行われる。そのような露光は、代わりに、典型的には電子ビームリソグラフィーのために用いられる、直接描画法において、フォトマスクなしで行われ得る。活性化放射線は、典型的には、サブ-400nm、サブ-300nm若しくはサブ-200nmの波長を有し、248nm(KrF)、13.5nm(EUV)の波長、又は電子ビームリソグラフィーが好ましい。この方法は、液浸又は乾式(非液浸)リソグラフィー技術において利用される。露光エネルギーは、典型的には、1平方センチメートル当たり1~200ミリジュール(mJ/cm2)、好ましくは10~100mJ/cm2、より好ましくは20~50mJ/cm2であり、露光ツール及びフォトレジストトップコート組成物の成分に依存する。露光は、典型的には、液浸スキャナーを使って行われるが、代わりに乾式(非液浸)露光ツールを使って行なうことができる。
【0118】
フォトレジスト層(及び感光性の場合トップコート組成物)の露光及び光活性化の後に、露光されたフォトレジスト層の露光後ベーク(PEB)が行われる。PEBは、例えば、ホットプレート上で又はオーブン中で行うことができ、ホットプレートが典型的である。PEBの条件は、例えば、特定のフォトレジストトップコート組成物及び層厚さに依存するであろう。PEBは、典型的には、80~150℃の温度で、及び30~120秒間行われる。極性切り替え(露光領域)及び極性非切り替え領域(非露光領域)によって画定される潜像が、フォトレジスト中に形成される。
【0119】
その後、フィルムは現像される。一般に、現像は、当技術分野において認められている手順に従う。ポジ型現像(PTD)プロセスの場合には、フォトレジスト層及びトップコート層の露光領域が現像中に除去され、非露光領域が残る。逆に、ネガ型現像(NTD)プロセスでは、フォトレジスト層の露光領域が残り、非露光領域及びトップコート層が現像中に除去される。現像液の塗布は、フォトレジストトップコート組成物の塗布に関して上で記載されたなどの任意の適切な方法によって達成され得、スピンコーティングが典型的である。現像時間は、フォトレジストの可溶領域を除去するのに有効な時間であり、5~60秒間が典型的である。現像は、典型的には、室温で行われる。
【0120】
PTDプロセス用の適切な現像液には、水性塩基現像液、例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウム(TMAH)、好ましくは0.26規定(N)THAM、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムなどの水酸化第四級アンモニウム溶液、エチルアミン、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、又はメチルジエチルアミンなどのアミン溶液;ジエタノールアミン又はトリエチルアミンなどのアルコールアミン;及びピロール又はピリジンなどの環状アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が含まれる。NTDプロセス用の適切な現像液は、現像液中の有機溶媒の累積含有量が、現像液の総重量を基準として、50重量%以上、典型的には95重量%以上、98重量%以上、又は100重量%であることを意味する、有機溶媒系である。NTD現像液用に適切な有機溶媒には、例えば、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、及びそれらの混合物から選択されるものが含まれる。現像液は、典型的には、2-ヘプタノン又は酢酸n-ブチルである。
【0121】
フォトレジスト層の現像後に、現像された基板は、当技術分野において公知の手順に従ってレジストの露出された基板領域を、例えば化学的にエッチングする又はめっきすることによって、レジストの露出されたそれらの領域で選択的に加工され得る。そのような加工の後に、基板上に残っているレジストは、公知のストリッピング手順の使用で除去することができる。
【0122】
コートされた基板は、本発明のトップコート組成物から形成され得る。そのようなコートされた基板は、(a)基板上のフォトレジスト層と、(b)フォトレジスト層上に形成されたトップコート層とを含み、ここで、トップコート層は、トップコート組成物に由来する。
【0123】
フォトレジストパターンは、例えば、エッチマスクとして使用され得、それによって公知のエッチング技術により、典型的には反応性イオンエッチングなどの乾式エッチングにより、パターンが1つ以上の連続した下位層に転写されることを可能にし得る。フォトレジストパターンは、例えば、下位ハードマスク層へのパターン転写のために使用され得、それは、順繰りに、ハードマスク層の下の1つ以上の層へのパターン転写のためのエッチマスクとして使用される。フォトレジストパターンがパターン転写中に消費されない場合、それは、公知の技術、例えば、酸素プラズマ灰化によって基板から除去され得る。フォトレジストトップコート組成物は、1つ以上のそのようなパターン形成プロセスにおいて使用される場合、メモリデバイス、プロセッサチップ(CPU)、グラフィックチップ、オプトエレクトロニックチップ、LED、OLEDなどの半導体デバイス、並びに他の電子デバイスを製造するために使用され得る。
【0124】
本発明は、以下の実施例によって更に例証される。
【実施例0125】
モノマー1の合成:メタクリルアミド(10.0g、1.0当量)及びジメチルアミノピリジン(1.45g、0.1当量)を250mLのジクロロメタンに溶解させる。ジ-tert-ブチルジカーボネート(53.9g、2.1当量)をゆっくりと添加し、反応物を室温で16時間一晩撹拌するままにする。反応混合物を次いで飽和重炭酸ナトリウム、水、及び塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を減圧下で除去してモノマー1を得る。
【化27】
【0126】
モノマー2の合成:N-ヒドロキシ-5-ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸イミド(15.8g、1.0当量)及びトリエチルアミン(13.2g、1.5当量)を200mLのジクロロメタン中に溶解させる。反応混合物を0℃まで冷却し、塩化メタクリロイル(10.0g、1.1当量)をそれにゆっくりと添加する。反応混合物を23~25℃で16時間撹拌し続ける。反応混合物を次いで飽和重炭酸ナトリウム、水、及び塩水で洗浄し、次いで硫酸マグネシウム上で乾燥させる。溶媒を減圧下で除去してモノマー2を得る。
【化28】
【0127】
モノマー13A、13B、13C、及び13Dの合成:モノマー13Aをスキーム1:
【化29】
(ここで、R=CH
3、n=2であり、(Boc)
2Oは、ジ-tert-ブチルジカーボネートであり、DMAPは、4-ジメチルアミノピリジンである)
に示されるように調製した。
【0128】
同様に、モノマー13B(R=CH3、n=1である)、モノマー13C(R=H、n=2である)、及びモノマー13D(R=H、n=1である)をスキーム1に示されるように調製し、ここで、(Boc)2O及びDMAPは上で定義された通りである。
【0129】
5-ヒドロキシペンタンアミドの合成:2Lのオートクレーブに、エタノール(200mL、2.5容積)中のテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン(80.0g、799.04mmol)を装入し、オートクレーブの内容物を-30℃よりも下に冷却し、液体アンモニア(400mL、5容積)をそれに添加した。オートクレーブを密封し、反応混合物を90~100℃に500~575psiで24時間加熱した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、得られた固体を混合物から濾過した。得られた固体のウェットケーキを酢酸エチル(300mL、3.75容積)で洗浄し、真空下で乾燥させて5-ヒドロキシペンタンアミド(64.0g、68%)を白色固体として得た。
1H NMR δ(ppm):7.20(bs,1H),6.67(bs,1H),4.36(t,J=8.0Hz,1H);3.39(t,J=12Hz,2H),1.53-1.47(m,2H),及び1.46-1.39(m,2H);FT-IR:3400.56 cm
-1(-OH ,強),1643.3 cm
-1(-C=O,アミド),及び
3183.57 cm
-1(-N-H,アミド)
;UPLC-ELSD:99.84%純度(1.49 RTで);MS:m/z=118.13[M+H]
+.
【化30】
【0130】
5-アミノ-5-オキソペンチルメタクリレートの合成:磁気攪拌棒、内部温度計、及び窒素バブラーを備えた250mLの3口丸底フラスコに、室温で乾燥ジクロロメタン(100mL)中の5-ヒドロキシペンタンアミド(5.0g、42.68mmol)を装入した。N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(521mg、4.27mmol)及びトリエチルアミン(11.9mL、85.36mmol)をそれに添加し、得られた懸濁液を15分間撹拌した。塩化メタクリロイル(5mL、51.21mmol)を次いで滴加し、得られた混合物を室温で16h撹拌した。反応生成物混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、冷水(100mL)及び塩水液(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質を、ヘキサン中の10%ジクロロメタンでトリチュレーションして5-アミノ-5-オキソペンチルメタクリレート(6.0g、75%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR δ(ppm):7.25(bs,1H),6.71(bs,1H),6.02-6.01(m,1H),5.67-5.66(m,1H);4.13-4.07(m,2H),1.88(s,3H),1.64-1.57(m,4H);FT-IR:2955.0 cm
-1(-C=C-H 伸縮)1649.17 cm
-1(-C=O,アミド)
,1717.64 cm
-1(-C=O,エステル)及び3193.21 cm
-1(-N-H,アミド)
;LCMS-ELSD:92.7%純度(1.40 RTで);MS:m/z=186.23 [M+H]
+.
【化31】
【0131】
[5-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-オキソ-ペンチル]2-メチルプロパ-2-エノアート(モノマー13A)の合成:磁気攪拌棒及び窒素バブラーを備えた25mLの3口丸底フラスコに、室温で5-アミノ-5-オキソペンチルメタクリレート(200mg、1.08mmol)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(26.5mg、0.21mmol)、及びアセトニトリル(4mL)を装入した。(Boc)
2O(0.99mL、4.32mmol)をそれに添加し、得られた混合物を室温で16h撹拌し、酢酸エチル(4mL)で希釈し、水(2mL)及び塩水(2mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質を、ヘキサン中の0~3容積%の酢酸エチルの溶離勾配を用いるシリカゲル(100~200メッシュ)上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して[5-[ビス(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-5-オキソ-ペンチル]2-メチルプロパ-2-エノアート(13.50mg、12%)を淡黄色液体として得た。
1H NMR δ(ppm):6.02(t,J=1.6Hz,1H),5.67(t,J=3.2Hz,1H),4.11(t,J=12Hz,2H),2.82(t,J=14Hz,2H),1.88(s,3H),1.66-1.61(m,4H),1.60(s,18H);FT-IR:2982.9 cm
-1(-C=C-H 伸縮),1711.8 cm
-1(-C=O,アミド),1787.0 cm
-1(-C-C=O,エステル);UPLC-ELSD:99.55%純度(2.85 RTで).LCMS又は GCMSのいずれにおいてもイオン化は観察されなかった。モノマー13Aの構造は、2D NMRによって確認された。
【化32】
【0132】
モノマー17の合成:ダブルアームドモノマー17をスキーム2:
【化33】
に示されるように調製した。
【0133】
ポリマー合成、プロトコル1:例示的なポリマーA2を次の通り調製する。モノマー供給溶液を、23.4gのプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、10.0gのモノマー1、及び1.6gのモノマー4を使用して調製する。別に、開始剤供給溶液を、8.3gのPGMEA及び0.84gのV-601を使用して調製する。反応器において、9.4gのPGMEAを80℃まで温め、次いでモノマー供給溶液を240分にわたって滴加し、開始剤供給溶液を90分にわたって滴加する。4時間後に、反応混合物を1℃/分で室温まで冷却し、次いで1Lの9/1メタノール/水(v/v)に直接添加することによってポリマーを沈殿させる。ポリマーを濾過によって集め、真空下で乾燥させてポリマーA2を得る。
【0134】
ポリマー合成、プロトコル2:例示的なポリマーB2を次の通り調製した。モノマー供給溶液を、10gのプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、7.0gのモノマー-6、3.0gのモノマー-7、及び0.50gのV-601開始剤を容器中で組み合わせ、混合物をかき混ぜて成分を溶解させることによって調製した。次に、8.6gのPGMEを反応容器に導入し、容器を窒素で30分間パージした。次いで、反応容器を攪拌しながら95℃に加熱した。次いで、供給溶液を反応容器に導入し、1.5時間にわたって供給した。反応容器を攪拌しながら更に3時間95℃に維持し、次いで室温まで放冷した。1/5メタノール/水(v/v)への反応混合物の滴加によってポリマーを沈殿させ、濾過によって集め、真空下で乾燥させた。ポリマーB2を白色固体粉末として得た。Mw=12640Da、PDI=1.8
【0135】
表1のポリマーのそれぞれを、合成プロトコルを用いて調製する。表1の「A」及び「CA」ポリマーは合成プロトコル1に従って調製されることが留意されるべきである。「B」ポリマーは、一般的な合成プロトコル2に従って調製される。表1の量は、ポリマーの繰り返し単位の総モルを基準とする、各指定モノマーに由来する繰り返し単位のモルパーセント(モル%)である。
【0136】
【0137】
モノマー1~7及び13の構造は次の通りである:
【化34】
【0138】
化合物C1及びD1の化学構造を以下に示す。
【化35】
【0139】
トップコート組成物。調合物T1~T6(トップコート組成物)を、表2に示される成分及び量で調製する。表2において、括弧内の数字は、トップコート組成物の100重量%を基準とする、各成分の重量比を示す。コーティングの前に、各混合物を0.2μmのPTFEフィルターを通して濾過する。溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(S1)、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート(S2)、及びジプロピレングリコールメチルエーテル(S3)である。
【0140】
【0141】
コーティングの欠陥検査。トップコート組成物を300mm無被覆シリコンウェハー上にTEL Lithiusウェハートラックによりコートすることによってコーティングの欠陥検査を行う。2.6秒の分配時間及び90℃で60秒間のソフトベークを用いて組成物を385Åの厚さにコートする。コートされたトップコート層を、60nm以上の粒子の検出のためのKLA-Tencor Surfscan SP2ウェハー表面検査ツールで検査する。
【0142】
パターンの欠陥検査。300mm無被覆シリコンウェハーをTEL Lithius 300mmウェハートラックによりARTM 40A下部反射防止コーティング(BARC)材料(DuPont Electronics&Imaging)でコートし、205℃で60秒間硬化させて800Åの第1BARC層を形成する。ARTM 104BARC材料(DuPont Electronics&Imaging)を第1BARC層一面にコートし、205℃で60秒間硬化させて400Åの第2BARC層を形成する。EPICTM 2099フォトレジスト(DuPont Electronics&Imaging)をBARC層積層体一面にコートし、95℃で60秒間ソフトベークして950Åフォトレジスト層を形成する。表2に示されるトップコート組成物をフォトレジスト層一面にコートし、90℃で60秒間ソフトベークして385Åトップコート層を形成する。ウェハーを、フォトマスクを通して、1.35NA、0.85/0.75インナー/アウターシグマ、X-偏光のダイポール35Y照明でのASML 1900i液浸スキャナーで露光して45nmの1:1ライン/スペースパターンを形成する。ウェハーを95℃で60秒間露光後ベークする(PEB)。ウェハーを0.26N水性TMAH現像液で現像し、蒸留水でリンスし、スピン乾燥させてフォトレジストパターンを形成する。パターン化ウェハーをパターンの欠陥についてKLA-Tencor 2800欠陥検査ツールで検査する。
【0143】
本発明のフォトレジストトップコート組成物T1~T6は、より低いパターン欠陥密度及び減少したコーティング欠陥密度を達成すると期待される。
【0144】
本開示は、実用的で例示的な実施形態であると現在考えられるものと併せて記載されてきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる様々な修正及び同等な取り決めを包含することを意図することが理解されるべきである。