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特開2022-104901意図しない運動の防止のための入力機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022104901
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】意図しない運動の防止のための入力機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20220705BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021210858
(22)【出願日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】63/132,120
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/545,798
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】ワン チャールズ ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴久
(57)【要約】      (修正有)
【課題】意図しない運動を防止するための医療装置、方法及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】医用装置は、患者内で操縦可能な医用デバイスと、ユーザの手によって操作されるように構成された入力デバイスと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するための1つ以上のセンサ302、304と、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していることを1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定し、コントローラ300が、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないことを1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、医用デバイスの作動を防止するように構成されたコントローラと、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内で操縦可能な医用デバイスと、
ユーザの手によって操作されるように構成された入力デバイスと、
前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するための1つ以上のセンサと、
コントローラであって、
前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していることを前記1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定し、
前記コントローラが、前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していないことを前記1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、前記医用デバイスの作動を防止するように構成されたコントローラと、
を備える医用装置。
【請求項2】
前記医用デバイスはカテーテルである、請求項1に記載の医用装置。
【請求項3】
前記入力デバイスは1つ以上のアクチュエータを有し、前記1つ以上のアクチュエータは、前記1つ以上のアクチュエータの動作時に1つ以上の信号を前記コントローラに送信するように構成され、
前記コントローラは、前記1つ以上の信号に基づいて前記医用デバイスを作動させるように更に構成される、
請求項1に記載の医用装置。
【請求項4】
前記1つ以上のアクチュエータは、1つ以上のレバー及び/又は1つ以上のボタンを有する、
請求項3に記載の医用装置。
【請求項5】
前記1つ以上のセンサは、前記1つ以上のアクチュエータの表面上に設けられる、
請求項3に記載の医用装置。
【請求項6】
前記1つ以上のセンサは光学センサである、請求項1に記載の医用装置。
【請求項7】
前記1つ以上のセンサはメカニカルセンサである、請求項1に記載の医用装置。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサは電気センサである、請求項1に記載の医用装置。
【請求項9】
前記コントローラが、前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していることを前記1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、前記コントローラは、前記入力デバイスによって受け取られた入力に基づいて、前記医用デバイスの作動を許可するように更に構成される、
請求項1に記載の医用装置。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサは、前記入力デバイスが落下した結果として、前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していないかどうかを検知するように更に構成される、 請求項1に記載の医用装置。
【請求項11】
前記1つ以上のセンサは、前記入力デバイスの加速又は減速を検出するように構成された加速度計を有する、
請求項10に記載の医用装置。
【請求項12】
前記1つ以上のセンサは、前記入力デバイスの相対的垂直落下を測定するように構成された気圧センサを有する、
請求項10に記載の医用装置。
【請求項13】
1つ以上のセンサは、前記入力デバイスの第1の位置に配置された第1のセンサと、前記入力デバイスの第2の位置に配置された第2のセンサとを含む、
請求項10に記載の医用装置。
【請求項14】
前記第1の位置は、前記ユーザが前記入力デバイスを操作しているときの前記ユーザの前記手の手のひらに対応し、前記第2の位置は、前記ユーザが前記入力デバイスを操作しているときの前記ユーザの前記手の1本以上の指に対応する、
請求項13に記載の医用装置。
【請求項15】
前記第1のセンサが、前記ユーザの前記手のひらが前記入力デバイスと相互作用していることを検出すると同時に、前記第2のセンサが、前記ユーザの前記1本以上の指が前記入力デバイスと相互作用していることを検出したときに、前記コントローラは、前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していると決定する、
請求項14に記載の医用装置。
【請求項16】
前記第1のセンサが、前記入力デバイスと相互作用している前記ユーザの前記手のひらを検出しないときか、或いは、前記第2のセンサが、前記入力デバイスと相互作用している前記ユーザの前記1本以上の指を検出しないときのいずれかにおいて、前記コントローラは、前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していないと決定する、
請求項14に記載の医用装置。
【請求項17】
前記入力デバイスはレバーを有し、
前記第2の位置は前記レバー上である、
請求項14に記載の医用装置。
【請求項18】
前記入力デバイスは、前記ユーザの前記1本以上の指が前記第2のセンサにアクセスすることを可能にしながら前記第2のセンサを覆うように構成された保護構造を有する、
請求項14に記載の医用装置。
【請求項19】
医用装置の方法であって、
患者内で医用デバイスを操縦するステップと、
ユーザの手によって入力デバイスを操作するステップと、
1つ以上のセンサを用いて、前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するステップと、
前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していることを前記1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定するステップと、
前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していないことを前記1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、前記医用デバイスの作動を防止するステップと、
を含む方法。
【請求項20】
コンピュータに医用装置の方法を実行させるプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記方法は、
患者内で医用デバイスを操縦するステップと、
ユーザの手によって入力デバイスを操作するステップと、
1つ以上のセンサを用いて、前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するステップと、
前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していることを前記1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定するステップと、
前記ユーザの前記手が前記入力デバイスと相互作用していないことを前記1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、前記医用デバイスの作動を防止するステップと、
を含む、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2020年12月30日に出願された米国仮特許出願第63/132,120号(その全体が参照により本明細書に援用される)からの優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して医療機器に関し、より詳細には、意図しない運動を防止するための装置、方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ロボットカテーテルシステムや他のタイプの機器等の医療機器は、不用意な又は意図しない運動を受けやすい。例えば、インテュイティブ・イオン・システムは、末梢肺病変の低侵襲生検用のロボット支援プラットフォームであり、インテュイティヴ・サージカル社によって製造されている。図8にインテュイティブ・イオン・システムを示し、図9にシステムのコンソールを示す。システムには、いくつかの方向制御部を有するコンソールによって制御されるロボットカテーテルが含まれる(Baileyに対する米国特許第10,512,515号を参照)。制御カートが転倒した場合等の不用意なカテーテル動作の可能性を低減するために、ユーザの手首を検出するセンサがある。ユーザの手首がリストレスト上で検出されない限り、カテーテル動作コマンドは無視される。
【0004】
一般の安全装置は、図10に示されるような安全フットペダルである。ユーザがフットペダルを踏み込むまで、機器の操作は無効にされる。
【0005】
特開2004-326713号は、力検出型ジョイスティック(図11に示す)を開示しており、ジョイスティックの操作端部に接触センサが設けられる。力検出型ジョイスティックは、指の位置に応じて様々な機能がどのように有効化されるかを示し、例えば、ある指の位置では、ジョイスティックによってカーソルが動かされる。別の位置では、ページがスクロールされる。
【0006】
外科用ロボットは、その性質上、医学的に敏感な体の部分へ進むので、エラーの余地はほとんどない。患者の安全にとって重要なことは、ロボットカテーテルの不用意な動作を防止することである。制御カートが倒されたり、ハンドルヘルドコントローラが落とされたりした場合等。
【0007】
しかしながら、ユーザがカテーテル動作を指示できる使いやすさと速度も重要である。ロック機構が、デバイス使用の通常のワークフローの変更を最小限にする必要がある場合、ユーザの効率は制限される。
【0008】
インテュイティブ・イオン・システムには、意図しない運動コマンドのリスクを最小限に抑えるために手首検出を備えた、スタンドアロンの床置きコントローラが含まれる。しかしながら、医師の手首は、この位置にあることを余儀なくされる。これにより、医師がコントローラを使用している間、医師が生検ツールの操作等の他のタスクを実行する効率が制限される。
【0009】
上記で特定された欠点を克服する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、より良好な作業効率をユーザに提供しながら意図しない運動を防止するための装置、方法及び記憶媒体を有利に提供する。
【0011】
本開示の態様によれば、医用装置は、患者内で操縦可能な医用デバイスと、ユーザの手によって操作されるように構成された入力デバイスと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するための1つ以上のセンサと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していることを1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定し、コントローラが、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないことを1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、医用デバイスの作動を防止するように構成されたコントローラと、を有する。
【0012】
本開示の更なる特徴は、添付の図面を参照する例示の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。同様の構造は、同様の参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、一部の実施形態に係る、意図しない運動を防止するための例示の装置を示す図である。
図2図2は、図1の装置のブロック図である。
図3図3は、図2のコントローラのブロック図である。
図4図4は、一部の実施形態に係るカテーテルを示す図である。
図5図5は、一部の実施形態に係るコントローラを示す図である。
図6図6は、一部の実施形態に係るコントローラを示す図である。
図7図7は、一部の実施形態に係るコントローラを示す図である。
図8図8は、従来技術のインテュイティブ・イオン・システムを示す図である。
図9図9は、従来技術のインテュイティブ・イオン・システムのコンソールを示す図である。
図10図10は、従来技術の安全フットペダルを示す図である。
図11図11は、特開2004-326713号の従来技術の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、意図しない運動を防止するための装置、方法又は記憶媒体に関する本開示の様々な例示の実施形態、特徴及び態様を、図面を参照して説明するが、図面には、異なる特性、利点、欠点、性能パラメータ等が含まれ得る。
【0015】
本開示では、例えばCT(コンピュータ断層撮影法)、MRI(磁気共鳴画像法)、IVUS(血管内超音波検査)、ポジトロン放出断層撮影(PET)、X線イメージング、血管造影法、光干渉断層撮影法(OCT)、マルチモダリティOCT(MMOCT)、近赤外自家蛍光(NIRAF)、スペクトル符号化内視鏡(SEE)、それらの組合わせ又はハイブリッド等の血管内イメージングモダリティを機能的に実施する、意図しない運動を防止するための医用装置、機器、デバイス又は器具の構成を説明する。本開示は、いかなる特定の構成にも限定されない。
【0016】
図1は、一部の実施形態に係る例示の医用装置100として、ロボットカテーテルアセンブリ又はヘビ型構成を示す。図2は、ロボットカテーテル100のハードウェア構成を示す。
【0017】
ロボットカテーテル100は、ハンドヘルドコントローラ102、医用ツール104、アクチュエータ106、医用デバイス108、トラッキングセンサ110、検出器112、コンソール114、ディスプレイ116及びミニディスプレイ118のうちの1つ以上を含み、また、他の要素又はコンポーネントを含んでよい。本開示を通して、医用ツール104を「生検ツール」と呼び、医用デバイス108を「カテーテル」と呼ぶが、これらは例示である。例えばヘビ型ロボットカテーテル、シース、ガイドワイヤ、針、プローブ、鉗子等の様々な他のタイプのツール、デバイス、構成又は配置の1つ以上も、本開示の範囲に包含される。
【0018】
一部の実施形態に係るロボットカテーテル100は、医療処置中に医師に対してより良好な作業効率を提供しながら意図しない運動を防止できる1つ以上のプロセス、技術、アルゴリズム等を用いて、機能を実施することができる。
【0019】
コントローラ102は、手で掴める細長いハンドル又はハンドルセクションを備えたハウジングと、例えばレバーやボタン等の1つ以上の入力デバイス、或いは、ユーザ(医師等)がカテーテル108を動かすために医用装置100にコマンドを送れるようにする別の入力デバイスとを有する。コントローラ102は、ソフトウェア、コンピュータ命令、アルゴリズム等を実行するので、ユーザは、ハンドヘルドコントローラ102を片手で持つことによって、ハンドヘルドコントローラ102を用いて全ての操作を完了することができる。
【0020】
コントローラ102は、コントローラ102がユーザによって意図的に把持及び操作されたときにのみカテーテル動作が生じることを保証するために、ユーザが意図した操作と意図しない動作を区別するために動作解除センサの形態のセンサを含んでよい。センサは、光学式、電気式、機械式その他のタイプのセンサであってよく、センサがジョイスティック上に指又は親指を検出し、或いはハウジング上に指又は親指を検出したときにのみ、カテーテルが動作する。これにより、コントローラ102が落下した場合の動作が防止される。
【0021】
医用ツール104は、生検ツールその他のタイプのツールであってよい。アクチュエータ106は、1つ以上のモータを含んでよく、カテーテル108の各セクションを駆動する。コントローラ102、医用デバイス108、コンソール114その他の要素は、アクチュエータ106に相互接続される。コントローラ102は、少なくとも1つのプロセッサを含み、アクチュエータ106を介して医用デバイス108を制御するとともに、ユーザによる操作に従ってアクチュエータ106を制御するように構成される。
【0022】
医用デバイス108は、カテーテル又は別のタイプの医用デバイスとして構成されてよい。トラッキングセンサ110は、電磁トラッキングセンサ(EMトラッキングセンサ)であってよく、カテーテル108の先端に取り付けられる。検出器112は、EMトラッキングセンサ110の位置を検出し、検出した位置情報をコントローラ102及び/又はコンソール114に出力する。コントローラ102は、カテーテル先端の位置情報を、トラッキングセンサ110又は検出器112から直接受け取る。
【0023】
コンソール114は、ソフトウェア、コンピュータ命令、アルゴリズム等を実行し、ディスプレイ116上にナビゲーション画面を表示するとともに、ミニディスプレイ118上に他のタイプの画像又は情報を表示するように制御する。コンソール114は、CTやMRI等の医用画像に基づいて、患者の内部分枝構造(例えば、肺や他の内部構造)の3次元(3D)モデルを生成することができる。或いは、3Dモデルは、コンソール114によって別のデバイスから受信される場合がある。
【0024】
コンソール114は、検出器112からカテーテル位置情報を取得する。或いは、コンソール114は、カテーテル位置情報をトラッキングセンサ110から直接取得することができる。
【0025】
コンソール114は、3Dモデル及びカテーテル位置情報に基づいて、ソフトウェアを実行することにより、ナビゲーション画面を生成して、ディスプレイ104に出力する。ナビゲーション画面は、3Dモデル上でカテーテル110の現在位置を示すことができる。ナビゲーション画面により、ユーザは、分枝構造内のカテーテル110の現在位置を認識することができる。
【0026】
コンソール114は、カテーテル位置と3Dモデル上にマップされた進路との間の相違を最小化するように、カテーテル位置情報に基づいて、取得された3Dモデルの修正を実行することができる。
【0027】
ディスプレイ116及び/又はミニディスプレイ118は、例えば、モニタ、LCD(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオード)ディスプレイ、OLED(有機LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスパネル等として構成された表示装置であってよい。装置の制御に基づいて、キャプチャされている1つ以上の画像、キャプチャされた画像、記憶装置に記録されたキャプチャされた動画等を示すディスプレイ116上に、ナビゲーション画面が表示されてよい。ミニディスプレイ118はディスプレイ116よりも小さく、それらは、類似又は他のタイプの画像及び/又は情報をそれぞれ表示することができる。
【0028】
コントローラ102及び/又はコンソール114は、装置100の要素を制御するためにレバー、キー、ボタン、スイッチ、マウス、キーボード等のうちの1つ以上又は組合わせを含んでよく、また、各々、プロセッサ201、メモリ202、センサ203、入出力(I/O)インタフェース204、通信インタフェース205、ディスプレイ206、電源207のうちの1つ以上又は組合わせを含む構成要素200(図3に示される)を有し、また、他の要素又はコンポーネントを含むことができる。装置100は、医療機器や様々な他のデバイスと相互接続されてよく、また、コントローラ102及び/又はコンソール114によって独立して、或いは外部から、或いは遠隔で制御することができる。
【0029】
プロセッサ201は、医用装置100の全体制御を実行するための制御回路又は回路構成として構成されてよく、また、メモリ202に格納されたプログラム、命令、コード又はソフトウェアを実行して、医用装置100の各種データ処理、計算、アルゴリズムタスクその他の機能を実行することができる。メモリ202は、プログラム、ソフトウェア、コンピュータ命令、情報、他のデータ、又はそれらの組合わせを格納することができる。メモリ202は、作業メモリとして用いられる。プロセッサ201(1つ以上のプロセッサ、回路構成、又はそれらの組合わせを含み得る)は、メモリ202に展開されたソフトウェアを実行する。
【0030】
センサ203は、医用装置100の様々なタイプのデータをモニタリング、測定又は検出することができ、ネットワークを介してホストにセンサ示度又はデータを伝送又は送信することができる。I/Oインタフェース204は、医用装置100とデータ又は情報をやり取りするために、各種コンポーネントを医用装置100と相互接続することができる。I/Oインタフェース204は、カテーテル位置情報をコンソール114に入力することができ、ナビゲーション画面を表示するための情報をディスプレイ116に出力することができる。通信インタフェース205は、医用装置100との通信を促進するために、各種コンポーネントを医用装置100と相互接続することができる。
【0031】
ディスプレイ206は、ディスプレイ116及び/又はディスプレイ118に対応し、ユーザに対して、画像、データその他の情報を見るための表示を提示することができ、また、LCDその他のタイプのディスプレイとして構成されてよい。コントローラ102及び/又はコンソール114は、ディスプレイ206の表示制御と、入出力インタフェース204及び通信インタフェース205によって設定された各種の設定又はデフォルト情報の入力の制御とを実行することができ、医用装置100に入力を提供することができる。
【0032】
電源207は、医用装置100に電力を供給して、医用装置100への調整された電力供給を維持し、また、電源オンモード、電源オフモードで動作することができ、他のモードで動作することができる。電源107は、医用装置100に収められた電池を含んでよく、また、電源コンセントからのライン電源やAC電源等の外部電源を含んでよく、当該電源は、電源からの電力電圧を、医用装置100のコンポーネントによって使用される1つ以上の電圧に適合させるために、AC/DCアダプタ及びDC/DCコンバータ、又はAC/DCコンバータを介して医用装置100と相互接続することができる。
【0033】
コンポーネントは、コンポーネントが互いに通信できるように、バス208によって互いに接続される。バス208は、入力デバイス、出力デバイス、通信デバイスその他のデバイスに医用装置100を接続する。入力デバイスは、ユーザが情報を伝送し医用装置100に対するコマンドを選択することを可能にするように構成され、また、英数字、アイコン、絵文字その他のタイプの記号の付いたキー又はボタンを備えたマウス、キーボード、タッチスクリーン等のうちの1つ以上又は組合わせを含んでよい。出力デバイスは、医用装置100によって生成されたデータ又は画像を表示するように構成され、プリンタ、表示装置その他の出力構成を含んでよい。
【0034】
バス208は、互いに接続されたこれらのハードウェア間でデータを送受信し、或いは、プロセッサ201から他のハードウェアへコマンドを送信する。コンポーネントは、通信チャネルを通してプロセッサ201に結合できる1つ以上の物理的デバイスによって実装されてよい。例えば、コントローラ102及び/又はコンソール114は、ASIC(特定用途向け集積回路)等の形態の回路構成を用いて実装されてよい。或いは、コントローラ102及び/又はコンソール114は、ハードウェアとソフトウェアの組合わせとして実装されてよく、この場合ソフトウェアは、メモリから、或いはネットワーク接続を介して、プロセッサにロードされる。コントローラ102及び/又はコンソール114の機能は記憶媒体に格納されてよく、記憶媒体としては、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、磁気ディスク又は光ディスク、ディスケット、クラウドストレージ等が挙げられる。
【0035】
センサ203は、コントローラ102がユーザによって意図的に把持及び操作されたときにのみカテーテル動作が生じることを保証するために、ユーザが意図した操作と意図しない動作を区別するために動作解除センサの形態であってよい。センサ203は、プロセッサ、検出回路構成、メモリ、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアのうちの1つ以上又は組合わせを含んでよく、他の回路構成、要素又はコンポーネントを含んでよい。センサ203は複数のセンサであってよく、医用装置100と相互接続されたコンポーネントの運動、現在位置及び動作を検出する1つ以上のセンサから出力されたセンサ情報を取得する。センサ103は、多軸の加速センサ又は加速度計センサと多軸のジャイロスコープセンサを含んでよく、加速センサとジャイロスコープセンサの組合わせであってよく、他のセンサを含んでよく、また、圧電変換器、メカニカルスイッチ、単軸加速度計、多軸加速度計その他のタイプの構成を用いて構成されてよい。センサ103は、多軸、多次元での、x軸、y軸、z軸又はそれらの任意の組合わせに沿った、医用装置100の衝突、衝撃、落下、降下、動作、加速、減速、速度、回転、温度、圧力位置、向き、運動、その他のタイプのデータのうちの1つ以上又は組合わせを含む、医用装置100の物理データ、動作データ、定量化データその他の特性パラメータをモニタリング、検出、測定、記録又は格納することができ、また、センサ示度、情報、データ、デジタル信号、電気信号、又は、検出された状態に対応する他のタイプの情報を生成することができる。医用装置100は、無線又は有線方式で、遠隔のホスト又はサーバにセンサ示度データを伝送又は送信することができる。センサ203は問合わせすることができ、リアルタイムでの処理、保存、後処理又はそれらの組合わせが可能なセンサ示度信号又は情報を生成することができる。センサ203によって生成された情報又はデータには、ノイズその他のタイプの信号を除去するために、処理、復調、フィルタリング又は調整が行われてよい。センサ203は、加速センサ、減速センサ又は加速度計センサ、ジャイロスコープセンサ、電力センサ、電池センサ、近接センサ、運動センサ、位置センサ、回転センサ、磁気センサ、気圧センサ、照明センサ、圧力センサ、角度位置センサ、温度センサ、高度計センサ、赤外線センサ、音波センサ、空気モニタリングセンサ、圧電センサ、ひずみゲージセンサ、音波センサ、振動センサ、深度センサのうちの1つ以上又は組合わせを含んでよく、他のタイプのセンサを含んでもよい。
【0036】
例えば加速センサは、医用装置100のコンポーネントの質量の移動を位置によって検知又は測定することができ、或いは、医用装置100のコンポーネントの運動の速さを検知することができる。ジャイロスコープセンサは、運動の角速度又は角度を検知又は測定することができ、デカルトx、y、z座標に沿った3つの並進自由度と、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸及び水平軸の1つ以上に沿った回転による当該軸間の向きの変化等、3次元空間で最大6自由度まで医用装置100の動きを測定することができる。ヨーは、医用装置100のコンポーネントが垂直軸上で左又は右に回るときである。前後軸上の回転はロールと呼ばれる。左右への回転はピッチと呼ばれる。センサ203は、低い電力消費、ダイナミックレンジ及び帯域幅によって衝撃又は落下衝突をモニタリングして、衝撃事象を正確に検出及び捕捉し、センサ示度を追加又は後の処理のためにデジタル信号に変換することができる。衝撃プロファイル全体は、更なる分析のために、そのピーク振幅及びパルス幅によって特徴付けることができる。医用装置100のコンポーネントのプロセッサ201は、電源の容量を問い合わせることもでき、電池容量の値が所定の閾値量を下回った時に、ユーザに対して、電池を交換するように警告することができる。
【0037】
加速センサは、例えば重力センサ、落下検知センサ等を含んでよい。ジャイロスコープセンサは、角速度センサ、手振れ補正センサ、地磁気センサ等を含んでよい。位置センサは、GPSから出力されたデータを受け取るグローバル・ポジショニング・システム(GPS)センサであってよい。現在位置の経度及び緯度は、無線周波数認識装置(RFID)及びWiFiデバイスのアクセスポイントと、無線基地局から出力される情報から得ることができるので、例えば、それらの検出は位置センサとして用いることができる。このようなセンサは、医用装置100の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。
【0038】
医用装置100のコンポーネントが動いたとき、加速変化、減速変化、又は重力軸周りの回転を検出することができ、センサ203は、検出された変化又は回転についての情報を出力することができる。医用装置100のコンポーネントは、センサ103から出力された変化又は回転についての情報をセンサ情報として取得することができる。医用装置100のコンポーネントの動作に反応して、センサ203は、医用装置100のコンポーネントの位置する場所(現在位置)を示す位置情報(例えば経度及び緯度)を得ることができる。
【0039】
一部の実施形態に係る医用デバイス108は、カテーテル108として構成されてよい。図4に示されるように、カテーテル108は、近位セクション、中間セクション及び遠位セクションを含む。各セクションは、駆動バックボーンとしての複数の駆動ワイヤ(駆動線状部材)によって曲げることができる。カテーテル108の姿勢は、受動スライドバックボーンとしての支持ワイヤ(支持線状部材)によって維持することができる。駆動ワイヤは、アクチュエータ106に接続される。アクチュエータ106は、1つ以上のモータを含んでよく、駆動ワイヤを押す及び/又は引くことによってカテーテル108の各セクションを駆動する。
【0040】
コントローラ102は、フォローザリーダー(FTL)アルゴリズムとして知られるアルゴリズムに基づいて、カテーテル108を制御することができる。FTLアルゴリズムを適用することにより、カテーテル108の中間セクションと近位セクション(追従セクション)は、第1の位置において、遠位セクションが第1の位置又は第1の位置付近の第2の位置で動いたのと同じように動く。
【0041】
コントローラ102がユーザによって意図的に把持及び操作されたときにのみカテーテル動作が生じることを保証するために、ハンドヘルドコントローラ102は、ユーザによる意図的な操作を意図しない操作と区別するために動作解除センサ203を含んでよい。
【0042】
ユーザがコントローラ102を持っていることを動作解除センサ203が検出するまで、カテーテル動作はシステムによってロックされる。動作解除センサ203がユーザの把持を検出すると、コントローラ102は、ユーザがコントローラ102を用いてカテーテル108を制御できるように、カテーテル動作を解除する。
【0043】
動作解除センサ203として、以下のセンサと位置の任意の組合わせを用いることができる。
【0044】
センサ203は、ユーザの指、親指又は手のひらとの接触を検出するハンドヘルドコントローラのユーザインタフェース面上にあってよい。
【0045】
センサ203は、光学的にユーザを検出することができ、光検出器等を含んでよい。
【0046】
センサ203は機械式であってよく、例えば、ばね仕掛けのジョイスティックをわずかに押下することによって、ジョイスティックを機械的に解放して動かすことができる。
【0047】
センサ203は電気式であってよく、例えば、ユーザの皮膚によって電気回路を完成させることができ、或いは、ジョイスティックをわずかに押下することによって電気回路を開閉して、動作を有効化することができる。
【0048】
センサ203は、体温を測定することができる。
【0049】
センサ203は、ユーザの手のひら又は指を検出するように、コントローラ102の裏側に配置されてよい。センサ203は、上記の光学センサ/メカニカルセンサ/電気センサのうちの1つ以上又は組合わせであってよい。
【0050】
カテーテル動作制御を達成する代替の方法は、カテーテル動作をデフォルトとして制御する一方、コントローラ102が落下したことをロボットカテーテル100が検出した場合に動作をロックすることである。
【0051】
以下のセンサのうちの1つ以上又は組合わせによって、落下状態を検出することができる。
【0052】
落下したコントローラの重力による加速又は減速を検出する加速度計。所定の閾値を上回る加速又は減速が検出された場合に、カテーテル動作をロックすることができる。
【0053】
相対的垂直落下を測定する気圧センサ。例えば、コントローラ102は通常の使用高さにあり、それが落下した場合、垂直位置の変化によって動作ロックをトリガすることができる。
【0054】
参考として、インフィニオン・テクノロジーズ社のDPS310気圧センサは、±5cm以内の相対垂直位置を測定することができる。
【0055】
更に代替の方法は、ユーザの把持を動作解除センサの偽アクティブ化と区別することである。例えば、センサは、コントローラ102が机の上に置かれたときや床に落下したときに、誤って環境と相互作用する場合がある。
【0056】
ハンドヘルドコントローラ102の2箇所に、少なくとも2つのセンサが搭載されてよい。
【0057】
一部の実施形態に係る医用装置は、患者内で操縦可能な医用デバイスと、ユーザの手によって操作されるように構成された入力デバイスと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するための1つ以上のセンサと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していることを1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定し、コントローラが、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないことを1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、医用デバイスの作動を防止するように構成されたコントローラと、を有する。
【0058】
医用デバイスは、カテーテルであってよい。入力デバイスは、1つ以上のアクチュエータの動作時に1つ以上の信号をコントローラに送信するように構成された1つ以上のアクチュエータであってよい。コントローラは、1つ以上の信号に基づいて医用デバイスを作動させることができる。1つ以上のアクチュエータは、1つ以上のレバー及び/又は1つ以上のボタンを含んでよい。1つ以上のセンサは、1つ以上のアクチュエータの表面上に設けられてよい。1つ以上のセンサは、光学センサ、メカニカルセンサ又は電気センサであってよい。
【0059】
コントローラが、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していることを1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、コントローラは、入力デバイスによって受け取られた入力に基づいて、医用デバイスの作動を許可することができる。1つ以上のセンサは、入力デバイスが落下した結果として、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないかどうかを検知するように更に構成されてよい。1つ以上のセンサは、入力デバイスの加速又は減速を検出するように構成された加速度計を含んでよい。1つ以上のセンサは、入力デバイスの相対的垂直落下を測定するように構成された気圧センサを含んでよい。1つ以上のセンサは、入力デバイスの第1の位置に配置された第1のセンサと、入力デバイスの第2の位置に配置された第2のセンサとを含んでよい。第1の位置は、ユーザが入力デバイスを操作しているときのユーザの手の手のひらに対応し、第2の位置は、ユーザが入力デバイスを操作しているときのユーザの手の1本以上の指に対応する。
【0060】
第1のセンサが、ユーザの手のひらが入力デバイスと相互作用していることを検出すると同時に、第2のセンサが、ユーザの1本以上の指が入力デバイスと相互作用していることを検出したときに、コントローラは、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していると決定することができる。第1のセンサが、入力デバイスと相互作用しているユーザの手のひらを検出しないときか、或いは、第2のセンサが、入力デバイスと相互作用しているユーザの1本以上の指を検出しないときのいずれかにおいて、コントローラは、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないと決定することができる。入力デバイスはレバーを含んでよく、第2の位置はレバー上である。入力デバイスは、ユーザの1本以上の指が第2のセンサにアクセスすることを可能にしながら第2のセンサを覆うように構成された保護構造を含んでよい。
【0061】
図5は、コントローラ300の第1の実施形態を示し、コントローラ300は、コントローラ300がユーザによって意図的に把持及び操作されたときにのみカテーテル動作が生じることを保証するために、ユーザが意図した操作と意図しない動作を区別するために動作解除センサの形態のセンサを含む。コントローラ300はコントローラ102に対応し、図1及び図2のロボットカテーテル100は、第1の実施形態を実施することができる。
【0062】
図5のハンドヘルドコントローラ300は、手のひら光学センサ302、指光学センサ304、グリップ306、レバー308、トリガ310のうちの1つ以上を有してよく、他の要素又はコンポーネントを含んでよい。手のひら光学センサ302及び指光学センサ304は、動作解除センサである。手のひら光学センサ302と指光学センサ304は、ユーザの手のひらと指の異なる位置によって当該センサをアクティブ化できるように、グリップ306の異なる位置に配置される。ユーザがグリップ306を握ってレバー308及びトリガ310を操作すると、手のひら光学センサ302と指光学センサ304は、それぞれ手のひらと指によってアクティブ化され、カテーテル動作を解除することができる。この解除作用は、手のひら光学センサ302と指光学センサ304の両方のアクティブ化によってのみ生じるものである。
【0063】
したがって、ハンドヘルドコントローラ300が床に落下したり机の上に置かれたりしたとき、手のひら光学センサ302と指光学センサ304は同時にアクティブ化されることができないので、誤ってカテーテル運動を解除することを回避することができる。
【0064】
図6は、コントローラ400の第2の実施形態を示し、コントローラ400は、コントローラ400がユーザによって意図的に保持及び操作されたときにのみカテーテル動作が生じることを保証するために、ユーザが意図した操作と意図しない動作を区別するために動作解除センサの形態のセンサを含む。コントローラ400はコントローラ102に対応し、図1及び図2のロボットカテーテル100は、第2の実施形態を実施することができる。
【0065】
図6のハンドヘルドコントローラ400は、手のひら光学センサ402、指光学センサ404、グリップ406、レバー408、トリガ410のうちの1つ以上を有してよく、他の要素又はコンポーネントを含んでよい。手のひら光学センサ402及び指光学センサ404は、動作解除センサである。手のひら光学センサ302はグリップ上にあり、指光学センサ404は、レバー408の上部にある。ユーザがグリップ406を握ってレバー408及びトリガ410を操作すると、手のひら光学センサ402と指光学センサ404は、それぞれ手のひらと指によってアクティブ化され、カテーテル動作を解除することができる。この解除作用は、手のひら光学センサ402と指光学センサ404の両方のアクティブ化によってのみ生じるものである。
【0066】
手のひら光学センサ402をグリップ406に配置し、指光学センサ404をレバー408に配置することにより、ハンドヘルドコントローラ400が床に落下したり机の上に置かれたりしたとき、手のひら光学センサ402と指光学センサ404は同時にアクティブ化されることができないので、誤ってカテーテル運動を解除することを回避することができる。
【0067】
図7は、コントローラ500の第3の実施形態を示し、コントローラ500は、コントローラ500がユーザによって意図的に把持及び操作されたときにのみカテーテル動作が生じることを保証するために、ユーザが意図した操作と意図しない動作を区別するために動作解除センサの形態のセンサを含む。コントローラ500はコントローラ102に対応し、図1及び図2のロボットカテーテル100は、第3の実施形態を実施することができる。
【0068】
図7のハンドヘルドコントローラ500は、手のひら光学センサ502、指光学センサ504、グリップ506、レバー508、トリガ510のうちの1つ以上を有してよく、他の要素又はコンポーネントを含んでよい。コントローラ500は、追加の保護構造512を有する。動作解除センサの保護構造512により、環境物質が動作解除センサをアクティブ化することが困難になる。
【0069】
手のひら光学センサ502及び指光学センサ504は、動作解除センサである。コントローラ500は、グリップの異なる位置に2つのセンサ502、504を含むので、当該センサは、ユーザの手のひらと指の異なる位置によってアクティブ化することができる。ユーザがグリップ506を握ってレバー508及びトリガ510を操作すると、手のひら光学センサ502と指光学センサ504は、それぞれ手のひらと指によってアクティブ化され、カテーテル動作を解除することができる。この解除作用は、手のひら光学センサ502と指光学センサ504の両方のアクティブ化によってのみ生じるものである。
【0070】
保護構造512は、ユーザの指を受け入れるのに十分な隙間が設けられるように、指光学センサ502を覆う。したがって、ユーザは、ユーザがハンドヘルドコントローラ500を握っているときでも指で指光学センサ502をアクティブ化することができるが、床や机の表面によって指光学センサ500をアクティブ化することはできない。
【0071】
したがって、ハンドヘルドコントローラ500が床に落下したり机の上に置かれたりしたとき、手のひら光学センサ502と指光学センサ504は同時にアクティブ化されることができないので、誤ってカテーテル運動を解除することを回避することができる。
【0072】
関連技術に優るいくつかの利点がある。
【0073】
インテュイティブ・イオン・システムでは、ユーザがインタフェースをとるために、比較的動かない表面(カート)が必要となる。本開示は、空間内で自由に動けるハンドヘルドコントローラを対象に特別に設計されている。
【0074】
本開示は、フットペダルが床面積を必要とするというフットペダル安全機構の欠点を克服する。ユーザがフット安全スイッチをアクティブにしている間にコントローラが落下するおそれがあるので、フットペダルでは正しい動作停止が保証されない。
【0075】
特開2004-326713号のセンサ構成は、ジョイスティック機能を切り替えるように意図されている(すなわち、ポインティングがスクロールに変更される(逆も同様))。センサ構成は、動作をロック/解除するための安全機構としては記載されていない。
【0076】
本開示の装置は、デフォルト状態は医用デバイスの動作を許可しないことで説明される構成である。
【0077】
ユーザを検出するためのセンサ(又は複数のセンサ)は、コントローラと連絡をとっており、システムを解除してカテーテル動作を許可する。
【0078】
センサは、本質的に、光学式、機械式又は電気式のうちの1つ以上又は組合わせであってよい。
【0079】
或いは、医用装置は、動作を許可するデフォルト状態を有してよい。
【0080】
センサは、コントローラが落下したかどうかを検出することができ、それによって動作ロックをトリガする。センサ(複数のセンサ)は、落下を検出するための加速度計であってよい。又は、気圧センサのような、相対的高さの変化を測定するセンサであってよい。
【0081】
前述したように、一部の実施形態に係る医用装置は、患者内で操縦可能な医用デバイスと、ユーザの手によって操作されるように構成された入力デバイスと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するための1つ以上のセンサと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していることを1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定し、コントローラが、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないことを1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、医用デバイスの作動を防止するように構成されたコントローラと、を有する。
【0082】
一部の実施形態に係る医用装置は、患者内で操縦可能な医用デバイスと、ユーザの手によって操作されるように構成された入力デバイスと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用しているかどうかを検知するための1つ以上のセンサと、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していることを1つ以上のセンサが検知しているかどうかを決定し、コントローラが、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないことを1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、医用デバイスの作動を防止するように構成されたコントローラと、を有する。
【0083】
医用デバイスは、カテーテルであってよい。入力デバイスは、1つ以上のアクチュエータの動作時に1つ以上の信号をコントローラに送信するように構成された1つ以上のアクチュエータであってよい。コントローラは、1つ以上の信号に基づいて医用デバイスを作動させることができる。1つ以上のアクチュエータは、1つ以上のレバー及び/又は1つ以上のボタンを含んでよい。1つ以上のセンサは、1つ以上のアクチュエータの表面上に設けられてよい。1つ以上のセンサは、光学センサ、メカニカルセンサ又は電気センサであってよい。
【0084】
コントローラが、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していることを1つ以上のセンサが検知していると決定した場合、コントローラは、入力デバイスによって受け取られた入力に基づいて、医用デバイスの作動を許可することができる。1つ以上のセンサは、入力デバイスが落下した結果として、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないかどうかを検知するように更に構成されてよい。1つ以上のセンサは、入力デバイスの加速又は減速を検出するように構成された加速度計を含んでよい。1つ以上のセンサは、入力デバイスの相対的垂直落下を測定するように構成された気圧センサを含んでよい。1つ以上のセンサは、入力デバイスの第1の位置に配置された第1のセンサと、入力デバイスの第2の位置に配置された第2のセンサとを含んでよい。第1の位置は、ユーザが入力デバイスを操作しているときのユーザの手の手のひらに対応し、第2の位置は、ユーザが入力デバイスを操作しているときのユーザの手の1本以上の指に対応する。
【0085】
第1のセンサが、ユーザの手のひらが入力デバイスと相互作用していることを検出すると同時に、第2のセンサが、ユーザの1本以上の指が入力デバイスと相互作用していることを検出したときに、コントローラは、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していると決定することができる。第1のセンサが、入力デバイスと相互作用しているユーザの手のひらを検出しないときか、或いは、第2のセンサが、入力デバイスと相互作用しているユーザの1本以上の指を検出しないときのいずれかにおいて、コントローラは、ユーザの手が入力デバイスと相互作用していないと決定することができる。入力デバイスはレバーを含んでよく、第2の位置はレバー上である。入力デバイスは、ユーザの1本以上の指が第2のセンサにアクセスすることを可能にしながら第2のセンサを覆うように構成された保護構造を含んでよい。
【0086】
上記の装置、方法及び媒体の少なくとも一部は、少なくとも部分的に、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行するように構成された1つ以上の計算機器に対して上記動作を実現するためのコンピュータ実行可能命令を含む1つ以上のコンピュータ可読媒体を提供することによって実施することができる。システム又はデバイスは、コンピュータ実行可能命令を実行したときに上記の実施形態の動作を実行する。また、1つ以上のシステム又はデバイス上のオペレーティングシステムが、上記実施形態の動作の少なくとも一部を実施する場合がある。
【0087】
更に、一部の実施形態は、上記の装置、方法及び媒体を実装するために1つ以上の機能ユニットを用いる。機能ユニットは、ハードウェア(例えば特注の回路構成)にのみ実装されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組合わせ(例えばソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ)に実装されてもよい。
【0088】
更に、装置、方法及び媒体の一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のうちの2つ以上からの特徴が組み合わされる。また、本明細書で用いられる場合、「又は」という接続詞は、一般に包括的な「又は」を指すが、明示的に示される場合、或いは文脈上「又は」が排他的な「又は」でなければならないことが示される場合、「又は」は排他的な「又は」を指す場合がある。
【0089】
当業者には、本開示に基づく様々な修正及び変更が明らかとなるであろう。また、本開示の特徴は、例えばCT、MRI、IVUS、PET、X線イメージング、それらの組合わせ又はハイブリッド等を含む1つ以上の構成配置に適用することができる。
【0090】
他の実施形態
本開示の実施形態は、記憶媒体(より完全には「非一時的なコンピュータ可読記憶媒体」と呼ぶこともできる)に記録されたコンピュータ実行可能命令(例えば1つ以上のプログラム)を読み出し実行して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行し、かつ/又は、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行するための1つ以上の回路(例えば特定用途向け集積回路(ASIC))を含むシステム又は装置のコンピュータ化構成によって実現することもできるし、また、システム又は装置のコンピュータ化構成が、記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み出し実行して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行すること、及び/又は1つ以上の回路を制御して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行することによって実行される方法によって実現することもできる。コンピュータ化構成は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のメモリ、回路構成又はそれらの組合わせ(例えば中央処理装置(CPU)、マイクロ処理ユニット(MPU)等)を含んでよく、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行するための別個のコンピュータ又は別個のプロセッサのネットワークを含んでよい。コンピュータ実行可能命令は、例えばネットワークク又は記憶媒体から、コンピュータ化構成に提供することができる。記憶媒体は、例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、分散コンピューティングシステムのストレージ、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はBlu-ray Disc(BD)(商標)等)、フラッシュメモリデバイス、メモリカード等のうち1つ以上を含んでよい。
【0091】
本開示は、例示の実施形態を参照して説明されたが、当然のことながら、本開示は、開示された例示の実施形態に限定されない。以下の特許請求の範囲は、そのような変更並びに均等の構造及び機能を全て包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】