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  • 特開-エチレンのオリゴマー化方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105017
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】エチレンのオリゴマー化方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 2/32 20060101AFI20220705BHJP
   C07C 9/00 20060101ALI20220705BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220705BHJP
【FI】
C07C2/32
C07C9/00
C07B61/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022064422
(22)【出願日】2022-04-08
(62)【分割の表示】P 2019534964の分割
【原出願日】2017-12-22
(31)【優先権主張番号】15/394,411
(32)【優先日】2016-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502303175
【氏名又は名称】シェブロン フィリップス ケミカル カンパニー エルピー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビショッフ、スティーヴン エム.
(72)【発明者】
【氏名】スモール、ブルック エル.
(57)【要約】
【課題】エチレンのオリゴマー化方法を提供する。
【解決手段】A)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が、i)5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの範囲内の鉄塩の鉄濃度、ii)300:1~800:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、ii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、iv)0.8~4.5の範囲内のエチレン対有機反応媒体の質量比、v)75℃~95℃の範囲内の温度、および任意にvi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)
i)エチレン、
ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、
iii)有機アルミニウム化合物、および
iv)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体、を連続的に反応帯域に導入することと、
B)前記反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、前記反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、方法。
【請求項2】
A)
i)エチレン、
ii)鉄塩、
iii)ピリジンビスイミン、
iv)有機アルミニウム化合物、および
v)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体、を連続的に反応帯域に導入することと、
B)前記反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、前記反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、方法。
【請求項3】
前記反応帯域が、0.8:1~1.2:1の範囲内の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応帯域が、5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、300:1~800:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム対前記鉄塩の鉄もしくは前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、750:1psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、0.8:1~4.5:1のエチレン対有機反応媒体の質量比、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kgの範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、またはこれらの任意の組み合わせを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
水素が連続的に前記反応帯域に導入され、前記反応帯域が少なくとも5psiの水素分圧を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記有機反応媒体が、1種以上のC~C16オレフィン系脂肪族炭化水素を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
A)
i)エチレン、
ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、
iii)有機アルミニウム化合物、および
iv)有機反応媒体、を連続的に反応帯域に導入することと、
B)前記反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、前記反応帯域が、
i)5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの範囲内の前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、
ii)300:1~800:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム対前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、
iii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、
iv)0.8:1~4.5:1のエチレン対有機反応媒体の質量比、および
v)75℃~95℃の範囲内の平均温度、および任意に
vi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含む、方法。
【請求項8】
A)
i)エチレン、
ii)鉄塩、
iii)ピリジンビスイミン、
iv)有機アルミニウム化合物、および
v)有機反応媒体、を連続的に反応帯域に導入することと、
B)前記反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、前記反応帯域が、
i)5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの範囲内の前記鉄塩の鉄濃度、
ii)300:1~800:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム対前記鉄塩の鉄のモル比、
ii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、
iv)0.8:1~4.5:1の範囲内のエチレン対有機反応媒体の質量比、
v)75℃~95℃の範囲内の温度、および任意に
vi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記反応帯域が、0.8:1~1.2:1の範囲内の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記反応帯域が、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kgの範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度を有する、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機反応媒体が、1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記反応帯域が、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kgの範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、300:1~500:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物の前記アルミニウム対前記鉄塩の鉄のモル比、750~1000psiの範囲内の前記エチレン分圧、および80℃~90℃の範囲内の前記温度、を有し、前記反応帯域内で形成された前記オリゴマー生成物が、0.4~0.9の範囲内のSchultz-Flory K値を有し、前記有機反応媒体が、1種以上のC~C16オレフィン系脂肪族炭化水素から本質的になる、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ピリジンビスイミン、または前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の前記ピリジンビスイミンが、i)アリール基が同じであっても異なっていてもよい、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ii)置換アリール基が同じであっても異なっていてもよい、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、またはiii)[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
1)前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、2つ、もしくは3つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり、かつ前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、
2)前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの1つが、第三級炭素原子基であり、前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、もしくは2つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基ではなく、かつ前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、
3)前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの2つが、独立して、第三級炭素原子基であり、前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの1つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基ではなく、かつ前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、
4)前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、もしくは2つが、独立して、第三級炭素原子基(複数可)であり、かつ前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、
5)前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、もしくは2つが、第四級炭素原子基であり、かつ前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記アリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、または
6)前記イミン窒素に結合している前記炭素原子に対して前記置換アリール基のオルソ位のうちの4つ全てが、フッ素である、請求項13に記載の方法。
[請求項14]
前記ピリジンビスイミン、または前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の前記ピリジンビスイミンが、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
1)前記鉄塩ピリジンビスイミン錯体もしくは前記鉄塩および前記ピリジンビスイミン化合物、または2)前記エチレンを前記反応帯域に導入する前に、前記有機反応媒体を前記反応帯域に導入することをさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
エチレンを前記反応帯域に導入する前に、1)前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体、または2)前記鉄塩および前記ピリジンビスイミンを前記反応帯域に導入することをさらに含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記有機反応媒体が、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記有機反応媒体が、ハロゲン化化合物を実質的に含まない、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルファオレフィンの製造方法に関する。より具体的には、本開示は、改善されたエチレンのオリゴマー化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルファオレフィンは商業上の重要な品目である。それらの多くの用途は、洗剤の製造における中間体としての、より環境に優しい精製油の前駆体としての、モノマーとしての、および他の多くの種類の生成物の前駆体としての使用を含む。アルファオレフィンを作製する1つの方法は、様々な種類の触媒および/または触媒系を伴う触媒反応におけるエチレンのオリゴマー化によるものである。アルファオレフィンを製造するために商業的に使用される触媒および触媒系の例としては、アルキルアルミニウム化合物、ある種のニッケル-ホスフィン錯体、ルイス酸を有するハロゲン化チタン(例えば塩化ジエチルアルミニウム)、アルキルアルミニウム化合物を有するハロゲン化ジルコニウムおよび/またはジルコニウムアルコキシドが挙げられる。さらに、クロム含有化合物(例えば、カルボン酸クロム)、窒素含有リガンド(例えば、ピロール)、および金属アルキル(例えば、アルキルアルミニウム化合物)を使用する、1-ヘキセンを製造するための選択的エチレン三量化および/または四量化触媒系がある。
【0003】
アルファオレフィンを製造するためのいくつかの非市販のオリゴマー化触媒系は、ピリジンビスイミンの金属錯体、金属錯化基を有するα-ジイミン化合物の金属錯体、ならびにジホスフィニルアミン、ホスフィニルホルムアミジン、ホスフィニルアミジン、またはホスフィニルグアニジンの金属化合物(例えば、クロム化合物)錯体を用いる選択的三量体化および/または四量体化触媒系に基づく。これらの触媒系は、通常オレフィンオリゴマー化のための触媒系の構成要素として有機アルミニウム化合物(例えば、アルミノキサン)を使用する。
【0004】
オレフィン(例えば、アルファオレフィン)の用途および需要は増え続けており、それに応じてそれらを供給する競争が激化している。したがって、オレフィンオリゴマー化のためのさらなる新規かつ改善された触媒系およびプロセスが望まれる。
【発明の概要】
【0005】
A)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が、i)5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの範囲内の鉄塩の鉄濃度、ii)300:1~800:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、iii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、iv)0.8~4.5の範囲内のエチレン対有機反応媒体の質量比、v)75℃~95℃の範囲内の温度、および任意にvi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含む、方法が、本明細書に開示される。
【0006】
A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が、i)5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの範囲内のピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、ii)300:1~800:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、iii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、iv)0.8~4.5のエチレン対有機反応媒体の質量比、およびv)75℃~95℃の範囲内の平均温度、および任意にvi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含む、方法もまた、本明細書に開示される。
【0007】
A)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、方法もまた、本明細書に開示される。
【0008】
A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、方法もまた、本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例で利用されるオリゴマー化反応系の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において使用される用語をより明確に定義するために、以下の定義が提供される。別段の指示がない限り、以下の定義が本開示に適用される。ある用語が本開示にて用いられるが、本明細書にて具体的に定義されていない場合、適用される定義が、本明細書に適用される他の開示または定義のいずれかに矛盾しない限り、あるいは定義が適用されるいずれの特許請求項も不明瞭または不可能にしない限り、IUPAC Compendium of Chemical Terminology、2nd Ed(1997)からの定義が適用され得る。参照により本明細書に組み込まれるいずれかの文書によって提供される任意の定義または使用が、本明細書において提供される定義または使用と矛盾する限りにおいて、本明細書において提供される定義または使用が優先する。
【0011】
周期表の元素の族は、Chemical and Engineering News,63(5),27,1985において公表された元素の周期表のバージョンにおいて示された付番方式を使用して示される。いくつかの場合において、元素の族は、族に割り当てられた一般名、例えば、1族元素についてはアルカリ金属、2族元素についてはアルカリ土類金属、3~12族元素については遷移金属、および17族元素についてはハロゲンを使用して示され得る。
【0012】
特許請求項の移行用語または句に関して、「含む(including)」、「含有する」、「有する」、または「を特徴とする」と同義である「含む(comprising)」という移行用語は、包括的かつ非制限的であり、引用されていないさらなる要素または方法工程を排除しない。「からなる」という移行句は、その特許請求項で指定されていないいかなる要素、工程、または成分も排除する。「から本質的になる」という移行句は、特許請求項の範囲を、指定された材料または工程、ならびに特許請求される発明の基本的および新規の特徴(複数可)に重大な影響を及ぼさないものに制限する。「から本質的になる」特許請求項は、「からなる」形式で記載された排他的な特許請求項と、「含む」形式で起草された完全に非制限的な特許請求項との間の、中間領域を占める。矛盾する指示がない場合、「から本質的になる」化合物または組成物を記載する場合、「含む」と解釈されるものではなく、該用語が適用された組成物または方法を有意に改変しない材料を含む、列挙された構成要素を記載するものと意図される。例えば、材料Aから本質的になる供給原料は、列挙された化合物または組成物の商業的に製造されたかまたは市販されている試料中に通常存在する不純物を含み得る。特許請求項が異なる特徴および/または特徴の種類(例えば、他の可能性の中でも、方法工程、供給原料の特徴、および/または生成物の特徴)を含む場合、含む、から本質的になる、およびからなるという移行用語は、利用される特徴の種類に対してのみ適用され、特許請求項内の異なる特徴については、異なる移行用語または句を用いることが可能である。例えば、ある方法は、いくつかの列挙された工程(および他の列挙されていない工程)を含み得るが、特定または代替の工程からなる、特定の工程からなる、触媒系調製物を利用し得、かつ/または列挙された構成要素および他の列挙されていない構成要素を含む触媒系を利用し得る。別の例では、aの特定の材料を使用する開示は、特定の材料のうちの少なくとも1種を含む(から本質的になる、またはからなる)と解釈され得るか、または特定の材料のうちの1種以上を含む(から本質的になる、またはからなる)と解釈され得る。例えば、一般的に、「C~C16の化合物から本質的になる」と詳述する特許請求項の特徴は、「少なくとも1種のC~C16の化合物から本質的になる」または「1種以上のC~C16の化合物から本質的になる」と解釈され得るか、または詳述するために書き直され得る。
【0013】
組成物および方法は、様々な構成要素または工程を「含む」として記載されるが、組成物および方法はまた、様々な構成要素または工程「から本質的になる」かまたは「からなる」こともできる。
【0014】
本明細書および特許請求の範囲において、別段明記されない限り、「a」、「an」、および「the」という用語は、複数の代替案、例えば、少なくとも1つ、または1つ以上を含むことが意図される。例えば、「トリアルキルアルミニウム化合物」の開示は、別段指定されない限り、1つのトリアルキルアルミニウム化合物、または2つ以上のトリアルキルアルミニウム化合物の混合物もしくは組み合わせを包含することを意味する。別の例では、特定の材料を使用する開示は、特定の材料のうちの少なくとも1種を含む(から本質的になる、またはからなる)と解釈され得るか、または特定の材料のうちの1種以上を含む(から本質的になる、またはからなる)と解釈され得る。例えば、一般的に、「C~C16の化合物から本質的になる」と詳述する特許請求項の特徴は、「少なくとも1種のC~C16の化合物から本質的になる」または「1種以上のC~C16の化合物から本質的になる」と解釈され得るか、または詳述するために書き直され得る。
【0015】
本開示では、中でも、第1、第2、および第3という用語は、類似の要素の複数の出現を区別するために利用され得る。例えば、ある方法は、方法の異なる工程において2種以上の溶媒、または代替的には混合物中の2種の異なる溶媒を利用し得る。区別用語は、区別を示すために必要な場合、本明細書に記載される任意の要素に適用され得る。区別用語の数字またはアルファベットの優先順位は、特に明記しない限り、本明細書に記載される方法または化合物における要素の特定の順序または優先を意味するものではないことを理解されたい。
【0016】
本開示では、あるプロセスは、複数の工程を有し得るか、またはいくつかの異なる要素(例えば、他の特徴の中でも、触媒系中の構成要素、またはオレフィンオリゴマー化プロセス中の構成要素)を有する特徴を含み得る。これらの工程および/または要素は、一連のa)、b)、c)など、i)、ii)、iii)など、(a)、(b)、(c)など、および/または(i)、(ii)、(iii)など(他の一連の指定の中でも)を、必要に応じて利用して指定されて、各プロセス工程および/または要素の指定を示し得る。一連の指定内の指定の数字またはアルファベットの優先順位は、特に明記しない限り、または他のプロセス工程、要素、および/または要素の特徴によって必要とされない限り、本明細書に記載されるプロセスにおけるプロセス工程の特定の順序または優先、本明細書に記載される特徴(複数可)、および/または特徴の要素(複数可)を意味するものではないことを理解されたい。さらに、これらの一連の指定は、異なるプロセス工程および/または特徴内の要素を区別するために提供され、必要に応じて、かつ一連の指定が、異なる特徴、異なるプロセス工程、および/または異なる特徴の要素を一貫して区別する限り、この記載内で利用される特定の工程、要素、または特徴に利用される一連の指定に関係なく利用され得る。
【0017】
本明細書に開示される任意の特定の化合物について、別段示されない限り、提示される一般構造または名称は、特定の置換基のセットから生じ得る全ての構造異性体、配座異性体、および立体異性体を包含することも意図される。したがって、化合物への一般的な言及は、他に明示的に示されていない限り、全ての構造異性体を含む。例えば、ペンタンへの一般的言及は、n-ペンタン、2-メチル-ブタン、および2,2-ジメチルプロパンを含み、ブチル基への一般的言及は、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソ-ブチル基、およびtert-ブチル基を含む。さらに、一般構造または名称への言及は、エナンチオマーまたはラセミ体であるかどうかにかかわらず、文脈が許容または要求するように、全てのエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の光学異性体、ならびに立体異性体の混合物を包含する。提示される任意の特定の式または名称について、提示される任意の一般式または名称もまた、特定の置換基のセットから生じ得る全ての配座異性体、位置異性体、および立体異性体を包含する。したがって、化合物への一般的な言及は、他に明示的に示されていない限り、全ての構造異性体を含む。例えば、C炭化水素への一般的言及は、6個の炭素原子を有する全ての炭化水素を指し、ペンタンへの一般的言及は、n-ペンタン、2-メチル-ブタン、および2,2-ジメチルプロパンを含み、ブチル基への一般的言及は、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソ-ブチル基、およびtert-ブチル基を含む。
【0018】
化学的「基」は、その基がこの様式で文字通り合成されていない場合であっても、その基が参照または「親」化合物からどのように形式的に誘導されるかに従って、例えば、その基を生成するために親化合物から形式的に除去された水素原子の数によって記載される。これらの基は、置換基として利用され得るか、または金属原子に配位もしくは結合され得る。例として、「アルキル基」は、アルカンから1個の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができ、「アルキレン基」は、アルカンから2個の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができる。さらに、親化合物から任意の数(「1個以上」)の水素原子を除去することによって形式的に誘導することができる多様な基を包含するためにより一般的な用語を使用することができ、この例では「アルカン基」として記載することができ、これは「アルキル基」、「アルキレン基」、および状況に応じて3個以上の水素原子がアルカンから除去された材料を包含する。全般にわたって、置換基、リガンド、または他の化学的部分が、特定の「基」を構成し得ることの開示は、その基が記載されるように用いられる場合、化学構造および結合の周知の規則に従うことを意味する。ある基が「によって誘導される」、「から誘導される」、「によって形成される」、または「から形成される」と記載する場合、そのような用語は形式的な意味で使用され、別段指定されない限り、あるいは文脈が別段必要としない限り、任意の特定の合成方法または手順を反映することを意図しない。
【0019】
「置換された」という用語は、ある基を説明するために使用される場合、例えば、特定の基の置換類似体を指す場合、その基中の水素を形式的に置換する任意の非水素部分を説明することを意図し、非限定的であることが意図される。1つまたは複数の基はまた、本明細書において、「非置換(unsubstituted)」として、または非水素部分がその基内の水素を置換しない元の基を指す「非置換(non-substituted)」などの同等の用語によって表すこともできる。「置換された」とは、非限定的であることが意図され、無機置換基または有機置換基が含まれる。
【0020】
「オルガニル基」という用語は、本明細書において、IUPACによって指定された定義に従って使用され、官能基の種類にかかわらず、炭素原子において1つの自由原子価を有する有機置換基である。同様に、「オルガニレン基」とは、官能基の種類にかかわらず、1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子のいずれかで2個の水素原子を有機化合物から除去することによって誘導された有機基を指す。「有機基」とは、有機化合物の炭素原子から1個以上の水素原子を除去することによって形成された一般化された基を指す。したがって、「オルガニル基」、「オルガニレン基」、および「有機基」は、炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)を含有することができ、すなわち、有機基は、炭素および水素に加えて官能基および/または原子を含み得る。例えば、炭素および水素以外の原子の非限定的な例としては、ハロゲン、酸素、窒素、リンなどが挙げられる。官能基の非限定的な例としては、エーテル、アルデヒド、ケトン、エステル、スルフィド、アミン、ホスフィンなどが挙げられる。
【0021】
本出願の目的のために、「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語またはその用語の変形は、有機官能基(複数可)および/または官能基に存在する炭素および水素以外の原子(複数可)が、金属化合物と錯体を形成せず、かつ/または本明細書に定義されるプロセス条件下で不活性である、それらの官能基(複数可)および/または炭素および水素以外の原子(複数可)に制限される、(炭素原子の自由原子価を有する)オルガニル基を指す。したがって、「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語またはその用語の変形は、不活性官能基から本質的になるオルガニル基内に存在し得る特定のオルガニル基をさらに定義する。さらに、「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語は、オルガニル基内の1つ以上の不活性官能基の存在を指し得る。「不活性官能基から本質的になるオルガニル基」という用語またはその用語の変形の定義は、(他の基の中でも)ヒドロカルビル基を一員として含む。同様に、「不活性官能基から本質的になるオルガニレン基」とは、不活性官能基からなる有機化合物の1個または2個の炭素原子から2個の水素原子を除去することによって形成される有機基を指し、「不活性官能基から本質的になる有機基」とは、不活性官能基からなる有機化合物の1個以上の炭素原子から1個以上の水素原子を除去することによって形成される不活性官能基から本質的になる一般化された有機基を指す。
【0022】
本出願の目的のために、「不活性官能基」は、不活性官能基を有する材料が関与し、かつ/または金属錯体の金属化合物と錯体を形成しない、本明細書に記載されるプロセスに実質的に干渉しない、ヘテロ原子の自由原子価を有する基である。「金属化合物と錯体を形成しない」という用語は、金属化合物と錯体を形成することができる基を含み得るが、本明細書に記載される特定の分子においてリガンド内のその位置関係により金属化合物と錯体を形成し得ない。例えば、ヒドロカルボキシ基は金属化合物と錯体を形成し得るが、単一の金属化合物分子は、同じ金属錯体分子内のピリジンビスイミンリガンドおよびパラヒドロカルボキシ基の3個の窒素原子と錯体を形成し得ないので、置換ピリジン環または置換イミンフェニル基のパラ位に位置するヒドロカルボキシ基は不活性官能基であり得る。したがって、特定の官能基の不活性は、官能基が本質的に金属化合物と錯体を形成することができないことに関連するだけでなく、金属錯体内の官能基の位置にも関連し得る。本明細書に記載されるプロセスに実質的に干渉しない不活性官能基の非限定的な例としては、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ニトロ、ヒドロカルボキシ基(例えば、中でも、アルコキシおよび/またはアロキシ)、および/または中でも、ヒドロカルボスルフィジル基(例えば、RS-)を挙げることができる。
【0023】
本明細書および特許請求の範囲にて用いられる場合は、常に、用語「炭化水素」は、炭素および水素のみを含有する化合物を意味する。炭化水素中の特定の基の存在を示すために他の識別子が利用され得る(例えば、ハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の同等の数の水素原子を置換する1個以上のハロゲン原子の存在を示す)。「ヒドロカルビル基」という用語は、本明細書において、IUPACによって指定された定義に従って使用され、炭化水素から水素原子を除去することによって形成された1価の基である。同様に、「ヒドロカルビレン基」とは、1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子の各々から1個の水素原子のいずれかで2個の水素原子を炭化水素から除去することによって形成された基を指す。したがって、本明細書で使用される用語法に従い、「炭化水素基」とは、炭化水素から1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された一般化された基を指す。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、非環式もしくは環式基であり得、かつ/または直鎖または分岐鎖であり得る。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」は、炭素および水素のみを含有する環、環系、芳香族環、および芳香族環系を含むことができる。「ヒドロカルビル基」、「ヒドロカルビレン基」、および「炭化水素基」には、例として、他の基の中でも、アリール、アリーレン、アレーン、アルキル、アルキレン、アルカン、シクロアルキル、シクロアルキレン、シクロアルカン、アラルキル、アラルキレン、およびアラルカン基が員として含まれる。
【0024】
「アルカン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、飽和炭化水素化合物を指す。アルカン中の特定の基の存在を示すために他の識別子が利用され得る(例えば、ハロゲン化アルカンは、アルカン中の同等の数の水素原子を置換する1個以上のハロゲン原子の存在を示す)。用語「アルキル基」は、IUPACによって定められた定義に従って本明細書において使用され、アルカンから水素原子を除去することによって形成される1価の基である。同様に、「アルキレン基」とは、(1個の炭素原子から2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子から1個の水素原子のいずれかで)2個の水素原子をアルカンから除去することによって形成された基を指す。「アルカン基」とは、アルカンから1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された基を指す一般用語である。「アルキル基」、「アルキレン基」、および「アルカン基」は、別段指定されない限り、非環式もしくは環式基であり得、かつ/または直鎖または分岐鎖であり得る。
【0025】
シクロアルカンは、側鎖を有するまたは有さない飽和環式炭化水素、例えば、シクロブタンである。1個以上の環内二重結合または1個の三重結合を有する不飽和環式炭化水素は、それぞれシクロアルケンおよびシクロアルキンと称される。1つのみ、2つのみ、3つのみなどの環内二重結合または三重結合をそれぞれ有するシクロアルケンまたはシクロアルキンは、シクロアルケンおよびシクロアルキンの名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」などの用語を使用することによって識別され得る。シクロアルケンおよびシクロアルキンは、環内二重結合または三重結合の位置をさらに識別し得る。
【0026】
「シクロアルキル基」は、シクロアルカンの環炭素原子から水素原子を除去することによって誘導される1価の基である。例えば、1-メチルシクロプロピル基、および2-メチルシクロプロピル基は、以下の通り例示される。
【化1】

同様に、「シクロアルキレン基」とは、シクロアルカンから2個の水素原子を除去することによって誘導される基を指し、そのうちの少なくとも1個は環炭素である。したがって、「シクロアルキレン基」は、同一の環炭素から2個の水素原子が形式的に除去されるシクロアルカンから誘導される基、2個の異なる環炭素から2個の水素原子が形式的に除去されるシクロアルカンから誘導される基の両方を含み、かつ環炭素から第1の水素原子が形式的に除去され、環炭素ではない炭素原子から第2の水素原子が形式的に除去されるシクロアルカンから誘導される基を含む。「シクロアルカン基」とは、シクロアルカンから1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて、そのうちの少なくとも1個は環炭素である)を除去することによって形成される一般化された基を指す。本明細書で提供される定義によれば、一般的なシクロアルカン基(シクロアルキル基およびシクロアルキレン基を含む)は、シクロアルカン環炭素原子に結合している0、1、または2個以上のヒドロカルビル置換基を有するもの(例えば、メチルシクロプロピル基)を含み、炭化水素基の群の一員であることに留意されたい。しかしながら、特定数のシクロアルカン環炭素原子を有するシクロアルカン基(例えば、中でも、シクロペンタン基またはシクロヘキサン基)を指す場合、定義された数のシクロアルカン環炭素原子を有するシクロアルカン基の基本名称は、(シクロアルカン基環炭素原子上に位置するヒドロカルビル基を有さないことを含む)非置換シクロアルカン基を指す。結果として、特定数の環炭素原子を有する置換シクロアルカン基(例えば、中でも、置換シクロペンタンまたは置換シクロヘキサン)とは、シクロアルカン基環炭素原子に結合している1つ以上の置換基(他の置換基の中でも、ハロゲン、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基を含む)を有するそれぞれの基を指す。定義された数のシクロアルカン環炭素原子を有する置換シクロアルカン基が炭化水素基の群の一員(またはシクロアルカン基の一般群の一員)である場合、定義された数のシクロアルカン環炭素原子を有する置換シクロアルカン基の各置換基はヒドロカルビル置換基に限定される。炭化水素基の一員(またはシクロアルカンの一般群の一員)として利用され得る特定数の環炭素原子を有する一般基、特定基、および/または個々の置換シクロアルカン基(複数可)を容易に見分けて選択し得る。
【0027】
「オレフィン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、芳香族環または芳香族環系の一部ではない少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する炭化水素化合物を指す。別段に具体的に示されない限り、「オレフィン」という用語は、芳香族環または環系の一部ではない少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する脂肪族および芳香族、環式および環式、ならびに/または直鎖および分岐鎖の化合物を含む。1つのみ、2つのみ、3つのみなどの炭素-炭素二重結合を有するオレフィンは、オレフィンの名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」などの用語を使用することによって識別され得る。オレフィンは、炭素-炭素二重結合(複数可)の位置によってさらに識別され得る。
【0028】
「アルケン」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合は常に、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素オレフィンを指す。1つのみ、2つのみ、3つのみなどの、このような多重結合を有するアルケンは、名称内で「モノ」、「ジ」、「トリ」などの用語を使用することによって識別され得る。アルケンは、炭素-炭素二重結合(複数可)の位置によってさらに識別され得る。アルケン中の特定の基の存在または不在を示すために他の識別子を利用してもよい。例えば、ハロアルケンとは、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたアルケンを指す。
【0029】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「アルファオレフィン」という用語は、炭素原子の最も長い連続する鎖の第1の炭素原子と第2の炭素原子との間に炭素-炭素二重結合を有するオレフィンを指す。別段明記されない限り、「アルファオレフィン」という用語には、直鎖および分岐鎖アルファオレフィンが含まれる。分岐鎖アルファオレフィンの場合、分岐は、オレフィン二重結合に対して2位(ビニリデン)および/または3位以上にあり得る。本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「ビニリデン」という用語は、オレフィン二重結合に対して2位に分岐を有するアルファオレフィンを指す。別段明示されない限り、「アルファオレフィン」という用語自体では、他の炭素-炭素二重結合の存在または不在を示さない。
【0030】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「ノルマルアルファオレフィン」という用語は、第1の炭素原子と第2の炭素原子との間に炭素-炭素二重結合を有する直鎖脂肪族モノオレフィンを指す。「直鎖アルファオレフィン」という用語は、第1の炭素原子と第2の炭素原子との間の二重結合および追加の二重結合を有する直鎖オレフィン化合物を含み得るので、「ノルマルアルファオレフィン」は、「直鎖アルファオレフィン」と同義ではないことに留意されたい。
【0031】
脂肪族化合物は、芳香族化合物を除いた、非環式または環式の、飽和または不飽和炭素化合物である。「脂肪族基」とは、脂肪族化合物の炭素原子から1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて)を除去することによって形成された一般化された基である。脂肪族化合物、およびしたがって脂肪族基は、炭素および水素以外の有機官能基(複数可)および/または原子(複数可)を含有することができる。
【0032】
芳香族化合物は、ヒュッケル(4n+2)則に従い、かつ(4n+2)のπ電子を含む(式中、nは1~5の整数である)環状共役二重結合系を含む化合物である。芳香族化合物は、「アレーン」(炭化水素芳香族化合物)、および「ヘタレン」とも称される「ヘテロアレーン」(環式共役二重結合系のうちの1個以上のメチン(-C=)炭素原子を、芳香族系の連続パイ電子系特性およびヒュッケル則(4n+2)に対応するいくつかの面外パイ電子を維持するような方法で、三価または二価のヘテロ原子で置換することによってアレーンから形式的に誘導されるヘテロ芳香族化合物)を含む。アレーン化合物およびヘテロアレーン化合物は、芳香族化合物の群の相互に排他的な一員であるが、アレーン基およびヘテロアレーン基の両方を有する化合物は、一般に、ヘテロアレーン化合物と考えられる。芳香族化合物、アレーン、およびヘテロアレーンは、別段指定されない限り、単環式(例えば、ベンゼン、トルエン、フラン、ピリジン、メチルピリジン)または多環式であり得る。多環式芳香族化合物、アレーン、およびヘテロアレーンには、別段指定されない限り、芳香族環が縮合化合物であり得る化合物(例えば、ナフタレン、ベンゾフラン、およびインドール)、芳香族基が分離され結合により接合され得る化合物(例えば、ビフェニルまたは4-フェニルピリジン)、または芳香族基が結合原子を含有する基(例えば、他の結合基の中でも、ジフェニルメタン中の炭素-メチレン基、酸素-ジフェニルエーテル、窒素-トリフェニルアミン)によって接合される化合物が含まれる。本明細書に開示されるように、「置換された」という用語は、芳香族基、アレーン、またはヘテロアレーンを説明するために使用され得、非水素部分は、形式的に化合物中の水素を置換し、非限定的であることが意図される。
【0033】
「芳香族基」とは、芳香族化合物から1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて、そのうちの少なくとも1個は芳香族環炭素原子である)を除去することによって形成される一般化された基を指す。一価の「芳香族基」については、除去された水素原子は芳香族環炭素からのものでなければならない。芳香族化合物から2個以上の水素原子を除去することによって形成される「芳香族基」については、少なくとも1個の水素原子は芳香族炭化水素環炭素からのものでなければならない。さらに、「芳香族基」は、芳香族環または環系の同じ環(例えば、フェン-1,4-イレン、ピリジン-2,3-イレン、ナフト-1,2-イレン、およびベンゾフラン-2,3-イレン)から除去される水素原子、環系の2つの異なる環(例えば、ナフト-1,8-イレンおよびベンゾフラン-2,7-イレン)から除去される水素原子、または2つの孤立した芳香族環または環系(例えば、ビス(フェン-4-イレン)メタン)から除去される水素原子を有し得る。
【0034】
アレーンは、側鎖を有するまたは有さない芳香族炭化水素(例えば、中でも、ベンゼン、トルエン、またはキシレン)である。「アリール基」は、アレーンの芳香族環炭素からの水素原子の形式的な除去から誘導される基である。アレーンは、単一の芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼンまたはトルエン)を含有し得、縮合芳香族環(例えば、ナフタレンまたはアントラセン)を含有し得、結合を介して共有結合的に結合している1つ以上の孤立した芳香族環(例えば、ビフェニル)または非芳香族炭化水素基(複数可)(例えば、ジフェニルメタン)を含有し得ることに留意されたい。
【0035】
同様に、「アリーレン基」とは、アレーンから2個の水素原子(そのうちの少なくとも1個は芳香族環炭素からである)を除去することによって形成される基を指す。「アレーン基」とは、アレーンから1個以上の水素原子(特定の基のために必要に応じて、そのうちの少なくとも1個は芳香族環炭素である)を除去することによって形成される一般化された基を指す。本明細書で提供される定義によれば、一般的なアレーン基(アリール基およびアリーレン基を含む)は、芳香族炭化水素環または環系炭素原子上に位置する0、1、または2個以上のヒドロカルビル置換基を有するもの(例えば、中でも、トルエン基またはキシレン基)を含み、炭化水素基の群の一員であることに留意されたい。しかしながら、フェニル基(またはフェニレン基)および/またはナフチル基(またはナフチレン基)とは、特定の非置換アレーン基を指す(芳香族炭化水素環または環系炭素原子上に位置するヒドロカルビル基を含まない)。結果として、置換フェニル基または置換ナフチル基とは、芳香族炭化水素環または環系炭素原子上に位置する1つ以上の置換基(中でも、ハロゲン、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基を含む)を有するそれぞれのアレーン基を指す。置換フェニル基および/または置換ナフチル基が炭化水素基の群の一員(またはアレーン基の一般群の一員)である場合、各置換基はヒドロカルビル置換基に限定される。当業者は、一般的なフェニルおよび/またはナフチル基、特定のフェニルおよび/またはナフチル基、および/または個々の置換フェニルまたは置換ナフチル基を容易に見分けて選択し得、これらは炭化水素基の群の一員(またはアレーン基の一般群の一員)として利用され得る。
【0036】
「アラルキル基」は、非芳香族炭素原子に自由バランスを有するアリール置換アルキル基(例えば、中でも、ベンジル基、または2-フェニルエト-1-イル基)である。同様に、「アラルキレン基」は、1個の非芳香族炭素原子に2つの自由原子価、または2個の非芳香族炭素原子に1つの自由原子価を有するアリール置換アルキレン基であり、「アラルカン基」は、非芳香族炭素原子(複数可)に1つ以上の自由原子価を有する一般化されたアリール置換アルカン基である。本明細書で提供される定義によれば、一般的なアラルカン基は、アラルカン芳香族炭化水素環または環系炭素原子上に位置する0、1、または2個以上のヒドロカルビル置換基を有するものを含み、炭化水素基の群の一員であることに留意されたい。しかしながら、特定のアリール基を特定する特定のアラルカン基(例えば、中でも、ベンジル基または2-フェニルエチル基中のフェニル基)とは、特定の非置換アラルカン基(アラルカン芳香族炭化水素環または環系炭素原子上に位置するヒドロカルビル基を含まない)を指す。結果として、特定のアリール基を特定する置換アラルカン基とは、1つ以上の置換基(中でも、ハロゲン、ヒドロカルビル基、またはヒドロカルボキシ基を含む)を有するそれぞれのアラルカン基を指す。特定のアリール基を特定する置換アラルカン基が炭化水素基の群の一員(またはアラルカン基の一般群の一員)である場合、各置換基はヒドロカルビル置換基に限定される。炭化水素基の群の一員(またはアラルカン基の一般群の一員)として利用され得る特定のアリール基を特定する置換アラルカン基を容易に見分けて選択し得る。
【0037】
「第一級炭素原子基」、「第二級炭素原子基」、「第三級炭素原子基」、および「第四級炭素原子基」は、基が基本構造に結合している場合に作成される炭素原子の種類を説明する。「第一級炭素原子基」は、基本構造に結合している炭素原子が、基本構造に加えて3つの一価原子(例えば、水素またはハロゲン化物)にも結合している基である。基本構造に結合している(他の基の中でも)メチル基、トリフルオロメチル基は、潜在的な「第一級炭素原子基」を表す。「第二級炭素原子基」は、基本構造に結合している炭素原子が他の非一価原子(例えば、中でも、炭素、窒素、または酸素)および2つの一価原子と互いに結合している基である。基本構造に結合している(中でも)エチル基、1-クロロエト-1-イル基、およびメトキシメチル基は、潜在的な「第二級炭素原子基」を表す。「第三級炭素基」は、基本構造に結合している炭素原子が2個の他の非一価原子および1個の一価原子に結合している基である。基本構造に結合している(中でも)イソプロピル基、2-クロロプロプ-1-イル基、フェニル基、および1-メトキシエチル-1-イル基は、潜在的な「第三級炭素基」を表す。「第四級炭素基」も、基本構造に結合している炭素原子が3個の他の非一価原子にも結合している基である。基本構造に結合している(中でも)tert-ブチル基および2-メトキシプロプ-2-イル基は、潜在的な「第四級炭素基」を表す。
【0038】
「ハロゲン化物」はその通常の意味を有する。したがって、ハロゲン化物の例としては、フッ化物、塩化物、臭化物、およびヨウ化物が挙げられる。
【0039】
本開示内では、有機命名法の通常の規則が優先される。例えば、置換化合物または基に言及する場合、置換パターンへの言及は、示される基(複数可)が示された位置に位置し、全ての他の示されていない位置が水素であることを示す。例えば、4-置換フェニル基への言及は、4位に位置する非水素置換基、ならびに2、3、5、および6位に位置する水素が存在することを示す。別の例として、3-置換ナフト-2-イルへの言及は、3位に位置する非水素置換基、ならびに1、4、5、6、7および8位に位置する水素が存在することを示す。示された位置に加えた位置に置換基を有する化合物または基への言及は、含むまたはいくつかの他の代替言語を使用して参照される。例えば、4位に置換基を含むフェニル基への言及は、4位に非水素原子を有し、2、3、5、および6位に水素または任意の他の非水素基を有する基を指す。
【0040】
「反応帯域流出物」という用語およびその派生語(例えば、オリゴマー化反応帯域流出物)は、一般に、反応帯域を出る全ての材料を指す。「反応帯域流出物」という用語およびその派生語はまた、言及されている反応帯域流出物の部分を限定する他の記述子で前置きし得る。例えば、「反応帯域流出物」という用語は、反応帯域を出る全ての物質(例えば、中でも、生成物、および溶媒、または希釈剤)を指す一方、「オレフィン反応帯域流出物」という用語は、反応帯域流出物内のオレフィンのみを指し、「オリゴマー生成物反応器流出物」という用語は、反応帯域流出物内のオリゴマー生成物を指す。
【0041】
「オリゴマー化」という用語およびその派生語は、2~30個のモノマー単位を含有する生成物を少なくとも70重量%含有する生成物の混合物を製造するプロセスを指す。同様に、「オリゴマー」は、2~30個のモノマー単位を含有する生成物である一方、「オリゴマー生成物」または「オリゴマー化生成物」は、「オリゴマー」および「オリゴマー」ではない生成物(例えば、30個超のモノマー単位を含有する生成物)を含む「オリゴマー化」プロセスによって作製される全ての生成物を含む。「オリゴマー」または「オリゴマー化生成物」中のモノマー単位は同じである必要はないことに留意されたい。例えば、モノマーとしてエチレンおよびプロピレンを使用する「オリゴマー化」プロセスの「オリゴマー」、「オリゴマー生成物」、または「オリゴマー化生成物」は、エチレンおよび/またはプロピレン単位の両方を含有し得る。
【0042】
「K値」(Schulz-Flory連鎖成長因子、K、またはSchulz-Flory K値と称されることもある)は、等式K=Xq+1/Xで定義され得、式中、Xq+1は、q+1モノマー(例えば、エチレン)単位を有する製造されたオリゴマー生成物のモル数であり、Xは、qモノマー(例えば、エチレン)単位を有する製造されたオリゴマー生成物のモル数である。一般に、K値は、モノマー単位の数が1だけ異なるオリゴマー生成物の任意の2つのオリゴマーを使用して決定され得る。しかしながら、生成物の単離および分析は、特定のオリゴマーを使用して決定されたオリゴマー生成物の分布において不正確さをもたらし得ることを理解するであろう(例えば、生成物単離中の気体生成物および/または固体生成物の不完全回収)。当業者は、そのような問題を認識しており、オリゴマー生成物の分布K値の決定の基礎となる適切なオリゴマーを選択し得る。
【0043】
「触媒系生産性」は、オリゴマー化に利用される触媒系中の金属1グラム(または1モル)当たりに製造される生成物のグラム数として定義される。触媒系活性は、オリゴマー化の単位時間(例えば、1時間)当たりの金属1グラム(または1モル)当たりに製造される生成物のグラムとして定義される。触媒系の生産性および/または活性は、オリゴマー化の様々な生成物および/または触媒系の構成要素に関して述べられ得る。例えば、鉄塩錯体および有機アルミニウム化合物を含む触媒系を利用するエチレンオリゴマー化プロセスにおいて、利用可能な触媒系生産性は、他の生産性の中でも、(オリゴマー生成物のg)/(Feのg)を含む。
【0044】
別段指定されない限り、接触され、組み合わされ、そして「の存在下で」という用語は、列挙された2種以上の構成要素を接触させるまたは組み合わせるための任意の添加順序、順序、または濃度を指す。本明細書に記載される様々な方法に従って、構成要素の組み合わせるまたは接触させることは、温度、圧力、接触時間、流量などの、好適な接触条件下で、1つ以上の反応帯域において実施され得る。接触帯域は、別段指定されない限り、容器(例えば、貯蔵タンク、トート、容器、混合容器、反応器など)、ある長さの管(例えばティー、入口、注入口、または構成要素供給ラインを通常ラインに組み合わせるためのヘッダー)、または構成要素を接触させるための任意の他の好適な装置に配置され得る。別段指定されない限り、このプロセスは、所与の実施形態に好適であるようにバッチまたは連続プロセスで実施され得る。
【0045】
「同時に」、「同時に接触する(simultaneously contact)」、「同時に接触する(contact simultaneously)」という用語、およびそれらの派生語は、接触方法を指す場合、2種以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が、中でも、共通の接合部、ポット、容器、または反応器に、同時に流れ込むことによって接触する接触方法を指す。「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触する(substantially simultaneously contact)」、「実質的に同時に接触する(contact substantially simultaneously)」という用語、およびそれらの派生語は、接触方法を指す場合、接触プロセス中のある期間、2種以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が、共通の接合部、ポット、容器、または反応器に、同時に流れ込むように、2種以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物の接触中、2種以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が接触する、接触方法を指す。「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触する(substantially simultaneously contact)」、「実質的に同時に接触する(contact substantially simultaneously)」という用語、およびそれらの派生語は、2種以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物が、2種以上の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物のそれぞれの添加全体にわたって同時に接触することを意味しない。「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触する(substantially simultaneously contact)」、「実質的に同時に接触する(contact substantially simultaneously)」という用語、およびその派生語は、列挙された化合物、混合物、流れ、および/もしくは組成物のうちの1つ(または全てより少ないもの)の流れは、他のものよりも前に共通の接合部、ポット、容器、または反応器に開始され得、かつ/または共通の接合部、ポット、容器、または反応器への、列挙された化合物、混合物、流れ、および/もしくは組成物のうちの1つ(または全てより少ないもの)の流れは、他の列挙された化合物、混合物、流れ、および/もしくは組成物の前に、完了、停止、または中止され得る概要を含む。本明細書に記載される任意の実施形態または態様では、「同時に」、「同時に接触する(simultaneously contact)」、「同時に接触する(contact simultaneously)」という用語、およびそれらの派生語、これらの用語は、列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物のそれぞれの量を提供する用語を含めることによって修正され得、同時に接触し得ることは、「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触(substantially simultaneously contact)」、「実質的に同時に接触(contact substantially simultaneously)」、およびそれらの派生語の様々な程度の概要を示す。例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%の列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物のそれぞれは、「同時に接触(simultaneously contacted)」または「同時に接触(contacted simultaneously)」し得る。一般に、「同時に接触(simultaneously contacted)」または「同時に接触(contacted simultaneously)」し得る、列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物の百分率は、重量(重量%)、体積(体積%)、モル(モル%)であり得る。別段指定されない限り、「実質的に同時に」、「実質的に同時に接触する(substantially simultaneously contact)」、「実質的に同時に接触する(contact substantially simultaneously)」、およびそれらの派生語である列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物は、列挙された化合物、混合物、流れ、および/または組成物のそれぞれの少なくとも50%が、「同時に接触(simultaneously contacted)」または「同時に接触(contacted simultaneously)」し得ることを意味する。
【0046】
接触方法またはプロセスに関して、「同時に」、「同時に接触する(simultaneously contact)」、「同時に接触する(contact simultaneously)」、「実質的に同時に接触する(substantially simultaneously contact)」、「実質的に同時に接触する(contact substantially simultaneously)」、およびそれらの派生語は、1種以上の第1の材料(例えば、化合物、混合物、流れ、および/または組成物)が既にポット、容器、または反応器に存在し、1種以上の他の化合物、混合物、流れ、および/または組成物がポット、容器、または反応器に添加されるプロセスまたは方法とは異なる。この例では、ポット、容器、または反応器内の第1の材料は、他の化合物、混合物、流れ、および/または組成物、およびポット内の材料と同時にはポット、容器、または反応器に流れ込まない。したがって、第1の材料および他の化合物、混合物、流れ、および/または組成物は、他の構成要素(複数可)と「同時に接触する(simultaneously contacted)」、「同時に接触する(contacted simultaneously)」、「実質的に同時に接触する(substantially simultaneously contacted)」、または「実質的に同時に接触する(contacted substantially simultaneously)」とは言えない。
【0047】
一態様では、本明細書に開示される方法は、A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することと、を含む方法、または代替的にはA)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)少なくとも1種、もしくは1種以上の有機反応媒体(複数可)を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することと、を含む方法に関し得る。任意に、このプロセスは、反応帯域に水素を連続的に導入することをさらに含み得る。水素を利用する実施形態では、オリゴマー生成物は、特定の水素分圧を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域が、それを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、このプロセスは、反応帯域からの反応帯域流出物を連続的に排出することをさらに含み得る。別の実施形態では、本プロセスは、a)鉄塩ピリジンビスイミン錯体(または鉄塩および/またはピリジンビスイミン化合物)もしくはエチレンを反応帯域に導入する前に、少なくとも1種、もしくは1種以上の有機反応媒体を反応帯域に導入すること、および/またはb)エチレンを反応帯域に導入する前に、1)ピリジンビスイミン鉄塩錯体(または代替的には鉄塩およびピリジンビスイミン)を反応帯域に導入すること、をさらに含み得る。一態様では、オリゴマー生成物は、オリゴマー生成物を形成し得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一般に、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、ピリジンビスイミン、鉄塩、有機アルミニウム化合物、少なくとも1種、もしくは1種以上の有機反応媒体(複数可)、反応帯域、オリゴマー生成物が形成され得る条件、反応帯域が有し得る条件、および/または適用できる場合、反応が動作し得る条件は、本明細書に記載されるプロセスの独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。これらの独立して記載されたプロセス要素は、本明細書に提供されるプロセスをさらに記載することを限定することなく、任意の組み合わせで利用され得る。
【0048】
一態様では、本明細書に記載される方法は、A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)1種、少なくとも1種、もしくは1種以上の特定の有機反応媒体(複数可)を含む、もしくはこれらから本質的になる有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が特定の平均温度を有する、形成することと、を含み得るか、または代替的にはi)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)1種、少なくとも1種、もしくは1種以上の特定の有機反応媒体(複数可)を含む、もしくはこれらから本質的になる有機反応媒体、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が特定の平均温度を有する、形成することと、を含み得る。一実施形態では、このプロセスは、反応帯域からの反応帯域流出物を連続的に排出することをさらに含み得る。別の実施形態では、本プロセスは、a)鉄塩ピリジンビスイミン錯体、鉄塩、ピリジンビスイミン化合物、もしくはエチレンを反応帯域に導入する前に、少なくとも1種、もしくは1種以上の有機反応媒体(複数可)を反応帯域に導入すること、および/またはb)エチレンを反応帯域に導入する前に、1)ピリジンビスイミン鉄塩錯体(または代替的には鉄塩およびピリジンビスイミン)を反応帯域に導入すること、をさらに含み得る。鉄塩およびピリジンビスイミンが反応帯域に連続的に導入される一実施形態では、オリゴマー生成物は、特定の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。これらのプロセスの一実施態様では、オリゴマー生成物は、特定のピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、特定のエチレン分圧、特定のエチレン対有機反応媒体の質量比、特定の平均温度、特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、および/または特定のエチレン対有機反応媒体の質量比を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るか、または反応帯域が、それで動作し得る。他の実施形態では、これらのプロセスは、任意に連続的に水素を反応帯域に導入し得る。水素を利用する実施形態では、オリゴマー生成物は、特定の水素分圧を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るか、または反応帯域がそれで動作し得る。一般に、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、ピリジンビスイミン、鉄塩、有機アルミニウム化合物、有機反応媒体、反応帯域、特定のピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、特定の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比、特定のエチレン分圧、特定のエチレン対有機反応媒体の質量比、特定の平均温度、特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、特定のエチレン対有機反応媒体の質量比、特定の水素分圧、および適用される場合特定の有機反応媒体は、本明細書に記載されるプロセスの独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。これらの独立して記載されたプロセス要素は、本明細書に提供されるプロセスをさらに記載することを限定することなく、任意の組み合わせで利用され得る。
【0049】
別の態様では、本明細書に記載される方法は、A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)少なくとも1種、もしくは1種以上の有機反応媒体(複数可)を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、オリゴマー生成物が、i)特定のピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、ii)特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、iii)特定のエチレン分圧で、iv)特定のエチレン対有機反応媒体の質量比、およびv)特定の平均温度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかもしくは反応帯域がそれで動作し得る、形成することと、を含み得、または代替的にはA)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)少なくとも1種、もしくは1種以上の特定の脂肪族炭化水素(複数可)を含む、もしくはこれらから本質的になる有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、オリゴマー生成物が、i)特定のピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、ii)特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、iii)特定のエチレン分圧で、iv)特定のエチレン対有機反応媒体の質量比、およびv)特定の平均温度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかもしくは反応帯域がそれで動作し得る、形成することと、を含み得る。一実施形態では、このプロセスは、反応帯域からの反応帯域流出物を連続的に排出することをさらに含み得る。別の実施形態では、本プロセスは、a)鉄塩ピリジンビスイミン錯体、鉄塩、ピリジンビスイミン化合物、もしくはエチレンを反応帯域に導入する前に、少なくとも1種、もしくは1種以上の有機反応媒体(複数可)を反応帯域に導入すること、および/またはb)エチレンを反応帯域に導入する前に、1)ピリジンビスイミン鉄塩錯体(または代替的には鉄塩およびピリジンビスイミン)を反応帯域に導入すること、をさらに含み得る。一実施形態では、これらのプロセスは、1種、少なくとも1種、または1種以上の特定の有機反応媒体(複数可)を利用し得る。他の実施形態では、オリゴマー生成物が、特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、および/または特定のエチレン対有機反応媒体の質量比を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域がそれで動作し得るように、これらのプロセスは動作し得る。鉄塩およびピリジンビスイミンが反応帯域に連続的に導入される一実施形態では、オリゴマー生成物は、特定の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域がそれで動作し得る。他の実施形態では、これらのプロセスは、任意に連続的に水素を反応帯域に導入し得る。水素を利用する実施形態では、オリゴマー生成物は、特定の水素分圧を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一般に、ピリジンビスイミン鉄塩錯体、ピリジンビスイミン、鉄塩、有機アルミニウム化合物、有機反応媒体、反応帯域、特定のピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、特定の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比、特定のエチレン分圧、特定のエチレン対有機反応媒体の質量比、特定の平均温度、特定の有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、特定のエチレン対有機反応媒体の質量比、特定の水素分圧、および適用される場合特定の有機反応媒体は、本明細書に記載されるプロセスの独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。これらの独立して記載されたプロセス要素は、本明細書に提供されるプロセスをさらに記載することを限定することなく、任意の組み合わせで利用され得る。
【0050】
本明細書に記載されるプロセスの任意の態様または実施形態では、反応帯域で形成されるオリゴマー生成物は、特定のSchultz-Flory K値を有し得、かつ/または反応帯域壁に付着する特定量のオリゴマー生成物が1000g/molを超えるMを有するポリエチレンを含むような分子量分布を有し得る。本明細書に記載されるプロセスの任意の態様または実施形態では、反応帯域は特定の時間稼働中であり得る。
【0051】
様々な態様および実施形態では、ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体は、本明細書に記載されるプロセスで利用され得る。一般に、ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体は、適切な条件下でエチレンおよび任意の他の適切な試薬(複数可)と接触した場合、オリゴマー生成物を形成し得る任意のピリジンビスイミンまたは任意のピリジンビスイミン鉄塩錯体であり得る。一般に、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩は、ピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、本明細書に独立して開示される。ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の独立した説明は、本明細書に記載されるプロセスの態様および/または実施形態に利用され得るピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで使用され得る。一実施形態では、ピリジンビスイミン、またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、1つのみのピリジンビスイミン基を含み得るか、または代替的にはピリジンビスイミンは、2つのみのピリジンビスイミン基を含み得る。
【0052】
一態様では、ピリジンビスイミン、またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、構造PBI Iもしくは構造PBI II、代替的には構造PBI I、または代替的には構造PBI IIを有し得る。一態様では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、構造PBIFe Iもしくは構造PBIFe II、代替的には構造PBIFe I、または代替的には構造PBIFe IIを有し得る。
【化2】

構造PBI Iを有するピリジンビスイミン、または構造PBIFe Iを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、R、R、R、R、およびRは、構造PBI Iを有するピリジンビスイミン、および構造PBIFe Iを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。R、R、R、R、R、R、およびRの独立した説明は、構造PBI Iを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe Iを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。同様に、構造PBI IIを有するピリジンビスイミンまたは構造PBIFe IIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、R、L、およびLは、構造PBI IIを有するピリジンビスイミン、および構造PBIFe IIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。R、R、R、L、およびLの独立した説明は、構造PBI IIを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe IIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。さらに、鉄塩FeXは、本明細書で独立して記載され、R、R、R、R、R、R、R、L、および/またはLを有する本明細書に記載される適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体構造をさらに説明するために、限定することなく、独立して記載されるR、R、R、R、R、R、R、L、およびLと組み合わされ得る。
【0053】
一般に、R、R、および/またはRを有するそれぞれのピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、および/またはRは独立して、水素、不活性官能基、もしくはオルガニル基、代替的には水素、もしくはオルガニル基、代替的には不活性官能基、もしくはオルガニル基、代替的には水素、不活性官能基、もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には水素、もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には不活性官能基、もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には水素、不活性官能基、もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素、もしくはヒドロカルビル基、代替的には不活性官能基、もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素、もしくは不活性官能基、代替的には水素、代替的にはオルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、および/またはRのオルガニル基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cのオルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、および/またはRの不活性官能基から本質的になるオルガニル基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cの不活性官能基から本質的になるオルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、および/またはRのヒドロカルビル基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cのヒドロカルビル基であり得る。
【0054】
本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、および/またはRのヒドロカルビル基は独立して、C~C20、C~C10、またはC~Cのアルキル基であり得る。一実施形態では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、および/またはRのアルキル基は独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの実施形態では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、および/またはRのアルキル基は独立して、メチル基、エチル基、イソ-プロピル(2-プロピル)基、tert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、もしくはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル(1-プロピル)基、代替的にはイソ-プロピル(2-プロピル)基、代替的にはtert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、または代替的にはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基であり得る。
【0055】
特定の態様では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミンのR、R、および/またはRはそれぞれ水素であり得る。これらの態様では、ピリジンビスイミンは、構造PBI IIIもしくは構造PBI IV、代替的には構造PBI III、または代替的には構造PBI IVを有し得る。同様に、特定の態様では、R、R、および/またはR基を有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、およびRはそれぞれ水素であり得る。これらの態様では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、構造PBIFe IIIもしくは構造PBIFe IV、代替的には構造PBIFe III、または代替的には構造PBIFe IVを有し得る。
【化3】

構造PBI IIIを有するピリジンビスイミン、または構造PBIFe IIIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、R、およびRは、構造PBI IIIを有するピリジンビスイミン、および構造PBIFe IIIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。R、R、R、およびRの独立した説明は、構造PBI IIIを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe IIIを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。同様に、構造PBI IVを有するピリジンビスイミン、または構造PBIFe IVを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体のR、R、L、およびLは、構造PBI IVを有するピリジンビスイミン、および構造PBIFe IVを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体の独立した要素であり、本明細書に独立して記載される。R、R、L、およびLの独立した説明は、構造PBI IVを有するピリジンビスイミンおよび/または構造PBIFe IVを有するピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。さらに、鉄塩FeXは、本明細書で独立して記載され、R、R、R、R、L、および/またはLを有する本明細書に記載される適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体構造をさらに説明するために、限定することなく、独立して記載されるR、R、R、R、L、およびLと組み合わされ得る。
【0056】
一般に、Rおよび/またはRを有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRは独立して、水素、もしくはオルガニル基、代替的には水素、もしくは不活性官能基から本質的になるオルガニル基、代替的には水素、およびヒドロカルビル基、代替的には水素、代替的にはオルガニル基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、Rおよび/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRのオルガニル基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cのオルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、Rおよび/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRの不活性官能基から本質的になるオルガニル基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cの不活性官能基から本質的になるオルガニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、Rおよび/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRのヒドロカルビル基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cのヒドロカルビル基であり得る。
【0057】
本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Rおよび/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRのヒドロカルビル基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cのアルキル基であり得る。一実施形態では、Rおよび/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRのアルキル基は独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの実施形態では、Rおよび/またはR基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRのアルキル基は独立して、メチル基、エチル基、イソ-プロピル(2-プロピル)基、tert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、もしくはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル(1-プロピル)基、代替的にはイソ-プロピル(2-プロピル)基、代替的にはtert-ブチル(2-メチル-2-プロピル)基、または代替的にはネオペンチル(2,2-ジメチル-1-プロピル)基であり得る。
【0058】
一態様では、RとRおよび/またはRとRが結合して、ピリジン基の2個の炭素原子とイミン基の炭素原子を含有する環または環系を形成し得る。そのような態様では、Lは結合しているRおよびRを表すと同時に、Lは結合しているRおよびR4を表す。一般に、Lおよび/またはLを独立して有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のLおよび/またはLは、オルガニレン基、代替的には不活性官能基から本質的になるオルガニレン基、または代替的にはヒドロカルビレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Lおよび/またはL基を有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のLおよび/またはLのオルガニレン基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、またはC~Cのオルガニレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Lおよび/またはL基を有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のLおよび/またはLの不活性官能基から本質的になるオルガニレン基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、または代替的にはC~Cの不活性官能基から本質的になるオルガニレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Lおよび/またはL基を有するピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体のLおよび/またはLのヒドロカルビレン基は独立して、C~C20、C~C15、C~C10、あるいはC~Cのヒドロカルビレン基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、Lおよび/またはL基を有するピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のLおよび/またはLのヒドロカルビレン基は独立して、C~C20、C~C10、またはC~Cのアルキレン基であり得る。ピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体が、LおよびL基を有する任意の態様または実施形態では、LおよびLは異なっていてもよく、または代替的にはLおよびLは同じであってもよい。
【0059】
一態様では、Lおよび/またはLは独立して、構造-(C(R11-を有し得る。一般に、R11およびpは、構造-(C(R11-を有するLおよび/またはLの独立した特徴であり、本明細書に独立して記載される。R11およびpの独立した説明は、構造-(CR11-を有するLおよび/またはLを説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得、Lおよび/またはLを有するピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体を説明するために、さらに利用され得る。一実施形態では、各R11は、独立して、水素、不活性官能基、もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素もしくはヒドロカルビル基、代替的には水素、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。一般的および特定の不活性官能基およびヒドロカルビル基は、本明細書中で独立して(例えば、潜在的置換基として)記載され、これらの記載は、Lおよび/またはLをさらに説明するために、限定することなく利用され得る。一態様では、各pは、独立して、2~5の整数、代替的には2~3の整数、代替的には2、または代替的には3であり得る。非限定的な一実施形態では、LおよびLは独立して、-CHCH-、-CHCHCH-、-CH(CH)CH-、-C(CH-、もしくは-CHCHCHCH-、代替的には-CHCH-、もしくは-CHCHCH-、代替的には-CHCH-、または代替的には-CHCHCH-であり得る。一実施形態では、LおよびLは異なっていてもよい。他の実施形態では、LおよびLは同じであってもよい。
【0060】
一般に、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRは独立して、アリール基、置換アリール基、フェニル基、もしくは置換フェニル基、代替的にはアリール基、もしくは置換アリール基、代替的にはフェニル基、もしくは置換フェニル基、代替的にはアリール基、代替的には置換アリール基、代替的にはフェニル基、または代替的には置換フェニル基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRのアリール基は独立して、C~C20、C~C15、またはC~C10のアリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様および/または実施形態では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRの置換アリール基は独立して、C~C20、C~C15、またはC~C10の置換アリール基であり得る。本明細書に開示される任意の態様または実施形態では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRの置換フェニル基は独立して、C~C20、C~C15、またはC~C15の置換フェニル基であり得る。Rおよび/またはRとして利用され得る(一般的または特定の)置換アリール基または(一般的または特定の)置換フェニル基の各置換基は、ハロゲン化物、アルキル基、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲン化物、もしくはアルキル基、代替的にはハロゲン化物、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはアルキル基、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲン化物、代替的にはアルキル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。ハロゲン化物、置換基として利用され得る(一般的および特定の)アルキル基、および(一般的および特定の)ヒドロカルビル基は独立して、本明細書に開示されており、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRをさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。
【0061】
一実施形態では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRとして利用され得る各置換フェニル基は独立して、2位に置換基を含む置換フェニル基、3位に置換基を含む置換フェニル基、4位に置換基を含む置換フェニル基、2位および3位に置換基を含む置換フェニル基、2位および4位に置換基を含む置換フェニル基、2位および5位に置換基を含む置換フェニル基、3位および5位に置換基を含む置換フェニル基、2位および6位に置換基を含む置換フェニル基、2位、4位、および6位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位に置換基を含む置換フェニル基、4位に置換基を含む置換フェニル基、2位および4位に置換基を含む置換フェニル基、2位および6位に置換基を含む置換フェニル基、もしくは2位、4位、および6位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位および6位に置換基を含む置換フェニル基、もしくは2位、4位、および6位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には3位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には4位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位および3位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位および4位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位および5位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には3位および5位に置換基を含む置換フェニル基、代替的には2位および6位に置換基を含む置換フェニル基、または代替的には2位、4位、および6位に置換基を含む置換フェニル基であり得る。いくつかの実施形態では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRとして利用され得る各置換フェニル基は独立して、(1)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つもしくは2つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基のうちの残部が水素であり得る、(2)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つ、もしくは2つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得ず、Rおよび/もしくはRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基のうちの残部が水素であり得る、(3)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの2つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得ず、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の残部が水素であり得る、(4)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つもしくは2つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(5)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つもしくは2つが、第四級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、または(6)RおよびRの置換フェニル基の2位および6位のうちの4つ全てがフッ素であり得るように、選択され得る。Rおよび/またはRとして利用され得る(一般的または特定の)置換アリール基または(一般的または特定の)置換フェニル基の各置換基は、ハロゲン化物、アルキル基、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲン化物、もしくはアルキル基、代替的にはハロゲン化物、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはアルキル基、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲン化物、代替的にはアルキル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。ハロゲン化物、置換基として利用され得る(一般的および特定の)アルキル基、および(一般的および特定の)ヒドロカルビル基は独立して、本明細書に開示されており、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRをさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。さらに、当業者は、置換フェニル基(例えば、他の基準の中でも、第一級、第二級、第三級、および第四級炭素原子基)についての基準を満たす、独立して記載された置換フェニル基(複数可)を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩の置換フェニル基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切な置換フェニル基(複数可)を選択し得る。
【0062】
一実施形態では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRとして利用され得る各置換フェニル基は独立して、2-置換フェニル基、3-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,3-二置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,5-二置換フェニル基、3,5-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、4-置換フェニル基、2,4-二置換フェニル基、2,6-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、もしくは2,4,6-三置換フェニル基、代替的には2-置換フェニル基、代替的には4-置換フェニル基、代替的には2,3-二置換フェニル基、代替的には2,4-二置換フェニル基、代替的には2,5-二置換フェニル基、代替的には3,5-二置換フェニル基、代替的には2,6-二置換フェニル基、または代替的には2,4,6-三置換フェニル基であり得る。いくつかの実施形態では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRとして利用され得る各置換フェニル基は独立して、(1)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つ、2つ、もしくは3つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(2)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つ、もしくは2つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得ず、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(3)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの2つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得ず、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(4)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つもしくは2つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(5)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つもしくは2つが、第四級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、または(6)RおよびRの置換フェニル基の2位および6位のうちの4つ全てがフッ素であり得るように、選択され得る。Rおよび/またはRとして利用され得る(一般的または特定の)置換アリール基または(一般的または特定の)置換フェニル基の各置換基は、ハロゲン化物、アルキル基、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲン化物、もしくはアルキル基、代替的にはハロゲン化物、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはアルキル基、もしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲン化物、代替的にはアルキル基、または代替的にはヒドロカルビル基であり得る。ハロゲン化物、置換基として利用され得る(一般的および特定の)アルキル基、および(一般的および特定の)ヒドロカルビル基は独立して、本明細書に開示されており、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRをさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。さらに、当業者は、置換フェニル基(例えば、他の基準の中でも、第一級、第二級、第三級、および第四級炭素原子基)についての基準を満たす、独立して記載された置換フェニル基(複数可)を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩の置換フェニル基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切な置換フェニル基(複数可)を選択し得る。
【0063】
一実施形態では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRは独立して、フェニル基、2-メチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2-tert-ブチルフェニル基、2-(フェニル)フェニル基、2-トリフルオロメチルフェニル基、2-フルオロフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、4-フルオロフェニル基、4-トリフルオロメチルフェニル基、4-メトキシフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2-フルオロ-3-メチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,4-ジエチルフェニル基、2,4-ジイソプロピルフェニル基、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル基、2-フルオロ-4-メチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジフェニルフェニル基、2-フルオロ-6-メチルフェニル基、2,6-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6-ジフルオロフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、3,5-ジエチルフェニル基、3,5-ジイソプロピルフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、または2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。いくつかの実施形態では、ピリジンビスイミンおよびピリジンビスイミン鉄塩錯体のRおよび/またはRは独立して、(1)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つ、2つ、もしくは3つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(2)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つ、もしくは2つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得ず、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(3)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの2つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、もしくは第二級炭素原子基であり得ず、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(4)RおよびRのフェニル基の2位および6位のうちの1つもしくは2つが、第三級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、(5)RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの1つもしくは2つが、第四級炭素原子基であり得、RおよびRのフェニル基および/もしくは置換フェニル基の2位および6位のうちの残部が水素であり得る、または(6)RおよびRの置換フェニル基の2位および6位のうちの4つ全てがフッ素であり得るように、選択され得る。当業者は、置換フェニル基(例えば、他の基準の中でも、第一級、第二級、および第三級炭素原子基)についての基準を満たす、独立して記載された置換フェニル基(複数可)を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩の置換フェニル基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切な置換フェニル基(複数可)を選択し得る。
【0064】
一態様では、ピリジンビスイミンは、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、もしくは[(アリールイミン)ヒドロカルビル)],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、代替的には2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、代替的にはビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、または代替的には[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンを含み得るか、これらから本質的になるか、またはこれらであり得る。一態様では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、もしくは[(アリールイミン)ヒドロカルビル)],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、代替的には2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、代替的にはビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体、または代替的には[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体を含み得るか、これらから本質的になるか、またはこれらであり得る。いくつかの実施形態では、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンまたは2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体のアリール基は、同じであっても異なっていてもよく、代替的には同じであってもよく、または代替的には異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、2,6-ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンまたは2,6-ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン鉄塩錯体の置換アリール基は、同じであっても異なっていてもよく、代替的には同じであってもよく、または代替的には異なっていてもよい。一実施形態では、ピリジンビスイミン、またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、および/または[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンを含み得るか、これらから本質的になるか、またはこれらであり得、ここで、1)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、2つ、または3つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素であり得る、2)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つが、第三級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、または2つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得ず、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素であり得る、3)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの2つが、独立して、第三級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり得ず、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素であり得る、4)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、または2つが、独立して、第三級炭素原子基(複数可)であり、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素であり得る、5)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、または2つが、第四級炭素原子基であり得、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素であり得る、または6)イミン窒素に結合している炭素原子に対して置換アリール基のオルソ位のうちの4つ全てが、フッ素である。(一般的および特定の)ヒドロカルビル基、(一般的および特定の)アリール基、および(一般的および特定の)置換アリール基は、本明細書に独立して記載される。ヒドロカルビル基、アリール基、および置換アリール基の独立した説明は、本明細書に記載されるプロセスにおいて利用され得るピリジンビスイミンまたはピリジンビスイミン鉄塩錯体として利用され得る、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ビス[(置換アリールイミン)]ヒドロカルビル]ピリジン、または[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジンをさらに説明するために、限定することなく、かつ任意の組み合わせで利用され得る。当業者は、アリール基および/または置換アリール基(例えば、他の基準の中でも、第一級、第二級、および第三級炭素原子基)についての基準を満たす、独立して記載されたアリール基(複数可)および/または置換アリール基(複数可)を認識し得、本明細書に記載されるピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のアリール基(複数可)および/または置換アリール基(複数可)についての任意の特定の基準を満たす適切なアリール基(複数可)および/または置換アリール基(複数可)を選択し得る。さらに、鉄塩FeXは、本明細書で独立して記載され、本明細書で記載されるプロセスにおいて利用され得る適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために、限定することなく、独立して記載されるアリール基(複数可)および置換アリール基(複数可)と組み合わされ得る。
【0065】
一実施形態では、ピリジンビスイミンおよび/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンは、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,6-ジエチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、または2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジンであり得る。鉄塩FeXは、本明細書で独立して記載され、本明細書で記載されるプロセスにおいて利用され得る適切なピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために、限定することなく、ピリジンビスイミン(複数可)と組み合わされ得る。
【0066】
本開示での使用に好適なピリジンビスイミン鉄塩錯体のさらなる説明は、US5,955,555、US6,103,946、US6,291,733、US6,489,497、US6,451,939、US6,455,660、US6,458,739、US6,472,341、US6,545,108、US6,559,091、US6,657,026、US6,683,187、US6,710,006、US6,911,505、US6,911,506、US7,001,964、US7,045,632、US7,056,997、US7,223,893、US7,456,284、US7,683,149、US7,902,415、US7,994,376、およびEP1229020A1において見られ得る。
【0067】
一般に、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩は、式FeXを有し得る。式FeXを有する鉄塩の式内で、Xはモノアニオン性種を表し、nはモノアニオン性種の数(または鉄酸化状態)を表す。一般に、モノアニオン性種X、およびアニオン性種の数(または鉄酸化状態)nは、鉄塩の独立した元素であり、本明細書に独立して記載される。式FeXを有する鉄塩は、本明細書に記載されるモノアニオン性種の任意の態様または実施形態、ならびに本明細書に記載されるモノアニオン性種の数(または鉄酸化状態)の任意の態様および/または実施形態を利用して説明され得る。
【0068】
一般に、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン性種(または鉄酸化状態)の数は、鉄原子に利用可能である酸化状態に対応する任意の正の値であり得る。一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン性種の数nは、1、2、もしくは3、代替的には2、もしくは3、代替的には1、代替的には2、または代替的には3であり得る。
【0069】
一般に、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン性種Xは、任意のモノアニオン性種であり得る。一実施形態では、モノアニオン性種Xは、ハロゲン化物、カルボン酸塩、β-ジケトネート、ヒドロカルボン酸塩、硝酸塩、または塩素酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン性種Xは、ハロゲン化物、カルボン酸塩、β-ジケトネート、もしくはヒドロカルボン酸塩、または代替的にはハロゲン化物、カルボン酸塩、もしくはβ-ジケトネートであり得る。任意の態様および/または実施形態では、ヒドロカルボン酸塩は、アルコキシド、アリールオキシド、またはアラルコキシドであり得る。一般に、ヒドロカルボン酸塩(およびヒドロカルボン酸塩の副区分)は、ヒドロカルボキシ基のアニオン類似体である。他の実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン性種Xは、ハロゲン化物、カルボン酸塩、β-ジケトネート、またはアルコキシドであり得る。他の実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩のモノアニオン性種Xは、ハロゲン化物、代替的にはカルボン酸塩、代替的にはβ-ジケトネート、代替的にはヒドロカルボン酸塩、代替的にはアルコキシド、または代替的にはアリールオキシドであり得る。
【0070】
一般に、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ハロゲン化物モノアニオン性種Xは独立して、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素、または代替的には塩素、臭素、もしくはヨウ素であり得る。一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ハロゲン化物モノアニオン性種Xは、塩素、代替的には臭素、または代替的にはヨウ素であり得る。
【0071】
一般に、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各カルボン酸塩モノアニオン性種Xは、C~C20のカルボン酸塩、または代替的にはC~C10のカルボン酸塩であり得る。一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各カルボン酸塩は独立して、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、ペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、デカン酸塩、ウンデカン酸塩、もしくはドデカン酸塩、または代替的にはペンタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩、オクタン酸塩、ノナン酸塩、もしくはデカン酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各カルボン酸塩モノアニオン性種Xは独立して、酢酸塩、プロピオン酸塩、n-酪酸塩、吉草酸塩(n-ペンタン酸塩)、ネオ-ペンタン酸塩、カプロン酸塩(n-ヘキサン酸塩)、n-ヘプタン酸塩、カプリル酸塩(n-オクタン酸塩)、2-エチルヘキサン酸塩、n-ノナン酸塩、カプリン酸塩(n-デカン酸塩)、n-ウンデカン酸塩、もしくはラウリン酸塩(n-ドデカン酸塩)、代替的には吉草酸塩(n-ペンタン酸塩)、ネオ-ペンタン酸塩、カプロン酸塩(n-ヘキサン酸塩)、n-ヘプタン酸塩、カプリル酸塩(n-オクタン酸塩)、2-エチルヘキサン酸塩、n-ノナン酸塩、カプリン酸塩(n-デカン酸塩)、代替的にはn-ヘプタン酸塩、代替的にはカプリル酸塩(n-オクタン酸塩)、または代替的には2-エチルヘキサン酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、カルボン酸塩は、トリフラート(トリフルオロ酢酸塩)であり得る。
【0072】
一般に、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各β-ジケトネートモノアニオン性種Xは、C~C20のβ-ジケトネート、または代替的にはC~C10のβ-ジケトネートであり得る。一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各β-ジケトネートモノアニオン性種Xは独立して、アセチルアセトネート(すなわち、2,4-ペンタンジオネート)、ヘキサフルオロアセチルアセトネート(すなわち、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオネート)、もしくはベンゾイルアセトネート、代替的にはアセチルアセトネート、代替的にはヘキサフルオロアセチルアセトン、または代替的にはベンゾイルアセトネートであり得る。
【0073】
一般に、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ヒドロカルボン酸塩モノアニオン性種Xは、任意のC~C20のヒドロカルボン酸塩、または代替的には任意のC~C10のヒドロカルボン酸塩であり得る。一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各ヒドロカルボン酸塩モノアニオン性種Xは、C~C20のアルコキシド、代替的にはC~C10のアルコキシド、代替的にはC~C20アリールオキシド、または代替的にはC~C10アリールオキシドであり得る。一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各アルコキシドモノアニオン性種Xは独立して、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、またはブトキシドであり得る。いくつかの実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各アルコキシドモノアニオン性種Xは独立して、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、もしくはtert-ブトキシド、代替的にはメトキシド、代替的にはエトキシド、代替的にはイソ-プロポキシド、または代替的にはtert-ブトキシドであり得る。一態様では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩の各アリールオキシドモノアニオン性種Xは独立して、フェノキシドであり得る。
【0074】
一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩は、ハロゲン化鉄、アセチルアセトネート鉄、カルボン酸鉄、またはこれらの任意の組み合わせを含み得るか、またはこれらから本質的になるか、またはこれらであり得る。いくつかの実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄塩は、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、アセチルアセトネート鉄(II)、アセチルアセトネート鉄(III)、2-エチルヘキサノエート鉄(II))、2-エチルヘキサノエート鉄(III)、トリフレート鉄(II)、トリフレート鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、アセチルアセトネート鉄(II)、アセチルアセトネート鉄(III)、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、アセチルアセトネート鉄(II)、アセチルアセトネート鉄(III)、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には塩化鉄(II)、代替的には塩化鉄(III)、または代替的にはアセチルアセトネート鉄(II)を含み得るか、これらから本質的になるか、またはこれらであり得る。
【0075】
一実施形態では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン鉄塩錯体、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄塩錯体、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄塩錯体、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄塩錯体、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄塩錯体、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄塩錯体、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン鉄塩錯体からなる群から選択され得る。別の実施形態では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン二塩化鉄錯体、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン二塩化鉄錯体、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン二塩化鉄錯体、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン二塩化鉄錯体、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン二塩化鉄錯体、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン二塩化鉄錯体、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン二塩化鉄錯体からなる群から選択され得る。別の実施形態では、ピリジンビスイミン鉄塩錯体は、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジンジアセチルアセトネート鉄錯体、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジンジアセチルアセトネート鉄錯体、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジンジアセチルアセトネート鉄錯体、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジンジアセチルアセトネート鉄錯体、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジンジアセチルアセトネート鉄錯体、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジンジアセチルアセトネート鉄錯体、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジンジアセチルアセトネート鉄錯体からなる群から選択され得る。
【0076】
明確に示されまたは述べられていないが、鉄塩および/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体は中性リガンドをさらに含み得ることに留意されたい。鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のための非ピリジンビスイミン中性リガンドは、本明細書に提供される構造または式には示されていないが、鉄塩および/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の記述は、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体を、非ピリジンビスイミン中性リガンドを有さないものに限定しないと理解されたい。実際、本明細書に開示される任意の態様または本明細書に開示される任意の実施形態で利用され得る鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体は、非ピリジンビスイミン中性リガンドを含み得、本明細書に提供されるこれらの記述は、鉄錯体を、鉄錯体を説明するのに利用される言葉にかかわらず、非ピリジンビスイミン中性リガンドを含まないものに限定しない。非ピリジンビスイミン中性リガンドが本明細書に提供され、鉄塩および/またはピリジンビスイミン鉄塩錯体をさらに説明するために限定することなく利用され得る。
【0077】
一般に、存在する場合、中性リガンドは、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体と単離可能な化合物を形成する任意の中性リガンドであり得る。一態様では、各中性リガンドは、独立して、ニトリル、エーテル、もしくはアミン、代替的にはニトリル、代替的にはエーテル、または代替的にはアミンであり得る。鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の中性リガンドの数は、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体と単離可能な化合物を形成する任意の数であり得る。一実施形態では、鉄塩またはピリジンビスイミン鉄塩錯体が非ピリジンビスイミン中性リガンドを有する場合、中性リガンドの数は、1、2、3、4、5、もしくは6、代替的には1、代替的には2、代替的には3、代替的には4、代替的には5、または代替的には6であり得る。
【0078】
一般に、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各ニトリルリガンドは独立して、C~C20ニトリル、または代替的にはC~C10ニトリルであり得る。一実施形態では、各ニトリルリガンドは独立して、C~C20脂肪族ニトリル、C~C20芳香族ニトリル、C~C20アラルカンニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはC~C20脂肪族ニトリル、代替的にはC~C20芳香族ニトリル、または代替的にはC~C20アラルカンニトリルであり得る。いくつかの実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各ニトリルリガンドは独立して、C~C10脂肪族ニトリル、C~C10芳香族ニトリル、C~C10アラルカンニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはC~C10脂肪族ニトリル、代替的にはC~C10芳香族ニトリル、または代替的にはC~C10アラルカンニトリルであり得る。一実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各脂肪族ニトリルは独立して、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはアセトニトリル、代替的にはプロピオニトリル、代替的にはブチロニトリル、または代替的にはベンゾニトリルであり得る。
【0079】
一般に、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各エーテルリガンドは独立して、C~C40エーテル、代替的にはC~C30エーテル、または代替的にはC~C20エーテルであり得る。一実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各エーテルリガンドは独立して、C~C40脂肪族エーテル、C~C40脂肪族環式エーテル、C~C40芳香族環式エーテル、代替的にはC~C40脂肪族非環式エーテルもしくはC~C40脂肪族環式エーテル、代替的にはC~C40脂肪族非環式エーテル、代替的にはC~C40脂肪族環式エーテル、または代替的にはC~C40芳香族環式エーテルであり得る。いくつかの実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各エーテルリガンドは独立して、C~C30脂肪族エーテル、C~C30脂肪族環式エーテル、C~C30芳香族環式エーテル、代替的にはC~C30脂肪族非環式エーテルもしくはC~C30脂肪族環式エーテル、代替的にはC~C30脂肪族非環式エーテル、代替的にはC~C30脂肪族環式エーテル、または代替的にはC~C30芳香族環式エーテルであり得る。他の実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る、各エーテルリガンドは独立して、C~C20脂肪族エーテル、C~C20脂肪族環式エーテル、C~C20芳香族環式エーテル、代替的にはC~C20脂肪族非環式エーテルもしくはC~C20脂肪族環式エーテル、代替的にはC~C20脂肪族非環式エーテル、代替的にはC~C20脂肪族環式エーテル、または代替的にはC~C20芳香族環式エーテルであり得る。いくつかの実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各エーテルリガンドは独立して、ジメチルエーテル、ジエチルーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ピラン、ジオキサン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルエーテル、代替的にはジエチルエーテル、代替的にはジプロピルエーテル、代替的にはジブチルエーテル、代替的にはメチルエチルエーテル、代替的にはメチルプロピルエーテル、代替的にはメチルブチルエーテル、代替的にはテトラヒドロフラン、代替的にはジヒドロフラン、代替的には1,3-ジオキソラン、代替的にはテトラヒドロピラン、代替的にはジヒドロピラン、代替的にはピラン、代替的にはジオキサン、代替的にはフラン、代替的にはベンゾフラン、代替的にはイソベンゾフラン、代替的にはイソベンゾフラン、代替的にはジベンゾフラン、代替的にはジフェニルエーテル、または代替的にはジトリルエーテルであり得る。
【0080】
一実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得る各アミンは独立して、モノヒドロカルビルアミン、ジヒドロカルビルアミン、もしくはトリヒドロカルビルアミン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはモノヒドロカルビルアミン、代替的にはジヒドロカルビルアミン、または代替的にはトリヒドロカルビルアミンであり得る。非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得るモノヒドロカルビルアミンは、C~C30、C~C20、C~C10、またはC~Cのモノヒドロカルビルアミンであり得る。非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得るジヒドロカルビルアミンは、C~C30、C~C20、C~C10、またはC~Cのジヒドロカルビルアミンであり得る。非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得るトリヒドロカルビルアミンは、C~C30、C~C20、またはC~C10のジヒドロカルビルアミンであり得る。(一般的および特定の)ヒドロカルビル基は、(例えば、他の場所の中でも、置換基として)本明細書に開示され、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得るモノヒドロカルビルアミン、ジヒドロカルビルアミン、および/またはトリヒドロカルビルアミンをさらに説明するために限定することなく利用され得る。一般に、ジヒドロカルビルアミン(またはトリヒドロカルビルアミン)の各ヒドロカルビル基は互いに独立しており、同じであってもよく、または代替的には異なっていてもよい。非限定的な実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得るモノヒドロカルビルアミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはメチルアミン、代替的にはエチルアミン、代替的にはプロピルアミン、または代替的にはブチルアミンであり得るか、これらを含み得るか、またはこれらから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得るジヒドロカルビルアミンは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはジメチルアミン、代替的にはジエチルアミン、代替的にはジプロピルアミン、または代替的にはジブチルアミンであり得るか、これらを含み得るか、またはこれらから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、非ピリジンビスイミン中性リガンドとして利用され得るトリヒドロカルビルアミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはトリメチルアミン、代替的にはトリエチルアミン、代替的にはトリプロピルアミン、または代替的にはトリブチルアミンであり得るか、これらを含み得るか、またはこれらから本質的になり得る。
【0081】
一実施形態では、本明細書に記載されるプロセスにおいて利用され得る有機アルミニウム化合物は、アルミノキサン、アルキルアルミニウム化合物、もしくはこれらの組み合わせ、代替的にはアルミノキサン、または代替的にはアルキルアルミニウム化合物を含み得る。一実施形態では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはトリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、もしくはこれらの任意の組み合わせ、または代替的にはトリアルキルアルミニウムであり得る。他の実施形態では、アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム、代替的にはハロゲン化アルキルアルミニウム、代替的にはアルキルアルミニウムアルコキシドであり得る。
【0082】
一態様では、本明細書に開示される任意の有機アルミニウム化合物または任意のアルキルアルミニウム化合物(例えば、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、またはアルミノキサン)の各アルキル基は独立して、C~C20、C~C10、またはC~Cアルキル基であり得る。一実施形態では、本明細書に開示される任意の有機アルミニウム化合物または任意のアルキルアルミニウム化合物(例えば、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、またはアルミノキサン)の各アルキル基は独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、またはオクチル基、代替的にはメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、またはオクチル基であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の有機アルミニウム化合物または任意のアルキルアルミニウム化合物(例えば、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、またはアルミノキサン)の各アルキル基は独立して、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソ-ブチル基、n-ヘキシル基、もしくはn-オクチル基、代替的にはメチル基、エチル基、n-ブチル基、もしくはイソ-ブチル基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはn-プロピル基、代替的にはn-ブチル基、代替的にはイソ-ブチル基、代替的にはn-ヘキシル基、または代替的にはn-オクチル基であり得る。
【0083】
一態様では、本明細書に開示されている任意のハロゲン化アルキルアルミニウムの各ハロゲン化物は独立して、塩化物、臭化物、またはヨウ化物であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている任意のハロゲン化アルキルアルミニウムの各ハロゲン化物は、塩化物もしくは臭化物、または代替的には塩化物であり得る。
【0084】
一態様では、本明細書に開示されている任意のアルキルアルミニウムアルコキシドの各アルコキシド基は独立して、C~C20、C~C10、またはC~Cアルコキシ基であり得る。一実施形態では、本明細書に開示される任意のアルキルアルミニウムアルコキシドの各アルコキシド基は独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、またはオクトキシ基、代替的にはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキソキシ基、またはオクトキシ基であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意のアルキルアルミニウムアルコキシドの各アルコキシド基は独立して、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、n-ヘキソキシ基、もしくはn-オクトキシ基、代替的にはメトキシ基、エトキシ基、n-ブトキシ基、もしくはイソブトキシ基、代替的にはメトキシ基、代替的にはエトキシ基、代替的にはn-プロポキシ基、代替的にはn-ブトキシ基、代替的にはイソブトキシ基、代替的にはn-ヘキソキシ基、または代替的にはn-オクトキシ基であり得る。
【0085】
非限定的な実施形態では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、またはこれらの混合物を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物、代替的にはトリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物、代替的にはトリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、またはこれらの混合物を含むか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。他の非限定的な実施形態では、トリアルキルアルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、代替的にはトリエチルアルミニウム、代替的にはトリプロピルアルミニウム、代替的にはトリ-n-ブチルアルミニウム、代替的にはトリ-イソブチルアルミニウム、代替的にはトリヘキシルアルミニウム、または代替的にはトリ-n-オクチルアルミニウムを含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。
【0086】
非限定的な実施形態では、ハロゲン化アルキルアルミニウムは、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、およびこれらの混合物を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、ハロゲン化アルキルアルミニウムは、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、およびこれらの混合物、または代替的には塩化ジエチルアルミニウム、代替的には臭化ジエチルアルミニウム、代替的には二塩化エチルアルミニウム、または代替的にはエチルアルミニウムセスキクロリドを含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。
【0087】
非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、式Iによって特徴づけられる繰返し単位を有し、
【化4】

式中、R’は、直鎖または分岐鎖アルキル基である。有機アルミニウム化合物のアルキル基は、本明細書に独立して記載され、式Iを有するアルミノキサンをさらに説明するために限定することなく利用され得る。一般に、式Iのnは1より大きく、または代替的には2より大きい。一実施形態では、nは、2~15の範囲、または代替的には3~10の範囲であり得る。
【0088】
非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、n-プロピルアルミノキサン、イソ-プロピル-アルミノキサン、n-ブチルアルミノキサン、sec-ブチルアルミノキサン、イソ-ブチルアルミノキサン、t-ブチルアルミノキサン、1-ペンチル-アルミノキサン、2-エンチルアルミノキサン、3-ペンチル-アルミノキサン、イソ-ペンチル-アルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、またはこれらの混合物を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。いくつかの非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、イソブチルアルミノキサン、t-ブチルアルミノキサン、またはこれらの混合物を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。他の非限定的な実施形態では、アルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)、代替的にはエチルアルミノキサン、代替的には修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、代替的にはn-プロピルアルミノキサン、代替的にはイソ-プロピル-アルミノキサン、代替的にはn-ブチルアルミノキサン、代替的にはsec-ブチルアルミノキサン、代替的にはイソ-ブチルアルミノキサン、代替的にはt-ブチルアルミノキサン、代替的には1-ペンチル-アルミノキサン、代替的には2-ペンチルアルミノキサン、代替的には3-ペンチル-アルミノキサン、代替的にはイソ-ペンチル-アルミノキサン、または代替的にはネオペンチルアルミノキサンであってもよく、これらを含んでもよく、またはこれらから本質的になってもよい。
【0089】
一態様では、本明細書に記載されるプロセスは、有機反応媒体を利用し得る。一般に、有機反応媒体は、本明細書に記載されるプロセスにおいて溶媒および/または希釈剤として作用し得る。一実施形態では、有機反応媒体は、1種、少なくとも1種の、もしくは1種以上の炭化水素(複数可)、または代替的には1種、少なくとも1種の、もしくは1種以上の脂肪族炭化水素(複数可)を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。いくつかの実施形態では、有機反応媒体は、飽和脂肪族炭化水素、オレフィン系脂肪族炭化水素、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には1種、少なくとも1種、もしくは1種以上の飽和脂肪族炭化水素(複数可)、または代替的には1種、少なくとも1種、もしくは1種以上のオレフィン系脂肪族炭化水素(複数可)を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。一般的および特定の炭化水素、脂肪族炭化水素、飽和脂肪族炭化水素、およびオレフィン系脂肪族炭化水素が本明細書に記載され、有機反応媒体として限定することなく利用され得る。
【0090】
一実施形態では、有機反応媒体として利用され得る炭化水素、脂肪族炭化水素、飽和脂肪族炭化水素、またはオレフィン系脂肪族炭化水素は、1種、少なくとも1種、または1種以上のC~C18、C~C16、またはC10~C14の炭化水素(複数可)、脂肪族炭化水素、飽和脂肪族炭化水素、またはオレフィン系脂肪族炭化水素を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。この少なくとも1種、または1種以上の炭化水素(複数可)、脂肪族炭化水素(複数可)、飽和脂肪族炭化水素(複数可)、またはオレフィン系脂肪族炭化水素(複数可)は、別段指定されない限り、環式であっても、非環式であってもよく、かつ/または直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。いくつかの実施形態では、有機反応媒体として利用され得る飽和脂肪族炭化水素は、オクタン(複数可)、デカン(複数可)、ドデカン(複数可)、テトラデカン(複数可)、ヘキサデカン(複数可)、オクタデカン(複数可)、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはデカン(複数可)、ドデカン(複数可)、テトラデカン(複数可)、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的にはオクタン(複数可)、代替的にはデカン(複数可)、代替的にはドデカン(複数可)、代替的にはテトラデカン(複数可)、代替的にはヘキサデカン(複数可)、または代替的にはオクタデカン(複数可)であり得るか、これらを含み得るか、またはこれらから本質的になり得る。一実施形態では、有機反応媒体として利用され得る特定の炭素数の飽和脂肪族炭化水素は、1種、少なくとも1種、または1種以上の特定の炭素数の飽和脂肪族炭化水素(複数可)を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。一実施形態では、有機反応媒体として利用され得るオレフィン系脂肪族炭化水素は、1種、少なくとも1種、または1種以上のC~C18、C~C16、またはC10~C14のオレフィン系脂肪族炭化水素を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。一実施形態では、有機反応媒体として利用され得るオレフィン系脂肪族炭化水素は、1種、少なくとも1種の、もしくは1種以上のアルファオレフィン(複数可)、または代替的には1種、少なくとも1種の、もしくは1種以上のノルマルアルファオレフィン(複数可)を含み得るか、これらから本質的になり得るか、またはこれらであり得る。非限定的な実施形態では、有機反応媒体として利用され得るオレフィン系脂肪族炭化水素は、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には1-デセン、代替的には1-ドデセン、または代替的には1-テトラデセンであり得るか、これらを含み得るか、またはこれらから本質的になり得る。一態様では、有機反応媒体は、ハロゲン化化合物を実質的に含まなくてもよい。本明細書で利用される場合、ハロゲン化化合物を実質的に含まない有機反応媒体とは、有機反応媒体が、有機反応媒体の重量を基準として、1重量%未満、0.9重量%未満、0.8重量%未満、0.7重量%未満、0.6重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、または0.01重量%未満のハロゲン化化合物を含有し得ることを意味する。
【0091】
一態様では、オリゴマー生成物は反応帯域で形成され得る。一実施形態では、本明細書に記載される任意のプロセスの反応帯域は、連続撹拌タンク反応器、プラグフロー反応器、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には連続撹拌タンク反応器、または代替的にはプラグフロー反応器を含み得る。一実施形態では、本明細書に記載される任意のプロセスの反応帯域は、連続撹拌タンク反応器、ループ反応器、溶液反応器、管状反応器、再循環反応器、気泡反応器、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には連続撹拌タンク反応器、代替的にはループ反応器、代替的には溶液反応器、代替的には管状反応器、代替的には再循環反応器、または代替的には気泡反応器を含み得る。いくつかの実施形態では、オリゴマー生成物が形成され得る反応帯域は、複数の反応器、または代替的には唯一の反応器を含み得る。複数の反応器が存在する場合、反応器のそれぞれは、同じであってもよく、異なる種類の反応器であってもよい。さらに、反応帯域が2つ以上の反応器を含み得る場合、各反応器は、独立して、本明細書に記載される任意の反応器であってもよく、反応器は直列、並列、もしくはこれらの任意の組み合わせ、代替的には直列、または代替的に並列で配置され得る。
【0092】
反応帯域が複数の反応器を含み得る場合、各反応器は互いに独立し得る(それらが直列で動作するか並列で動作するかにかかわらず)ことに留意されたい。したがって、接触モード(必要に応じて)、オリゴマー生成物が形成され得る条件、オリゴマー生成物が形成され得るオリゴマー生成物形成パラメータ、および/または反応帯域条件は、各反応器で異なり得る。具体的には、反応帯域が直列の複数の反応器を含む場合、異なる目的を達成するために各反応器を動作させ得る。例えば、第1の反応器を動作させて、i)エチレンと、1種以上のピリジンビスイミン鉄塩錯体、アルキルアルミニウム化合物、および有機反応媒体とを接触させ、ii)いくつかの中間体エチレン転化へのオリゴマー生成物を製造し得る第1の一セットの条件下でオリゴマー生成物の製造を開始し、第1の反応器の流出物が、オリゴマー生成物を製造し得る第2の一セットの条件下で所望のエチレン転化を達成するように動作する第2の反応器に移送される(反応器/反応帯域に添加される、追加のエチレンと、1種以上のピリジンビスイミン鉄塩錯体、アルキルアルミニウム化合物、および有機反応媒体の有無にかかわらず)。
【0093】
任意の態様または実施形態では、オリゴマー生成物は、鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、反応帯域に充填されるピリジンビスイミン対鉄塩の当量比(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、または対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、エチレン分圧、エチレン対有機反応媒体の質量比、温度(または平均温度)、Schultz-Flory K値、水素分圧、または水素対エチレンの質量比を、単独もしくは任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、エチレン分圧、もしくはエチレン対有機反応媒体の質量比、または代替的には鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、エチレン分圧、エチレン対有機反応媒体の質量比、および任意に水素分圧、もしくは水素対エチレンの質量比を、単独もしくは任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。別の実施形態では、オリゴマー生成物は、鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度(利用される触媒系に応じて)、代替的には反応帯域に充填されるピリジンビスイミン対鉄塩の当量比、代替的には有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、代替的には有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、代替的にはエチレン分圧、代替的にはエチレン対有機反応媒体の質量比、代替的には温度(または平均温度)、代替的にはSchultz-Flory K値、代替的には水素分圧、または代替的には水素対エチレンの質量比を、単独もしくは任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。
【0094】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、5×10-4mmol Fe/kg、7×10-4mmol Fe/kg、または9×10-4mmol Fe/kgの鉄塩の最小鉄濃度またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の最小鉄濃度(以下、鉄濃度またはFe濃度)、代替的または追加的には5×10-3mmol Fe/kg、4×10-3mmol Fe/kg、または3×10-3mmol Fe/kgの鉄塩の最大反応帯域鉄濃度またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の最大反応帯域鉄濃度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小鉄濃度から本明細書に開示される任意の最大鉄濃度の範囲内の鉄濃度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、5x10-4mmol Fe/kg~5x10-3mmol Fe/kg、7x10-4mmol Fe/kg~7x10-3mmol Fe/kg、または9x10-4mmol Fe/kg~3x10-3mmol Fe/kgの範囲内の鉄濃度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。利用され得る他の鉄濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。本明細書で利用される場合、「鉄塩の鉄濃度」および「ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度」という句は、鉄塩の鉄またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄にそれぞれ起因する、溶液、流れ、または容器(例えば、反応器)内の鉄濃度を指す。
【0095】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、0.8:1、0.9:1、または0.95:1の反応帯域に充填されるピリジンビスイミン対鉄塩の最小当量比(ピリジンビスイミン対鉄塩の最小当量比とも称される)、代替的または追加的には1.2:1、1.15、1.1:1、または1.05:1の反応帯域に充填されるピリジンビスイミン対鉄塩の最大当量比(ピリジンビスイミン対鉄塩の最大当量比とも称される)を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本発明に開示されるピリジンビスイミン対鉄塩の最大当量比から本発明に開示されるピリジンビスイミン対鉄塩の任意の最大当量比の範囲内の、反応帯域に充填されるピリジンビスイミン対鉄塩の当量比(以下、ピリジンビスイミン対鉄塩の当量比)を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。非限定的な実施形態では、ピリジンビスイミン対鉄塩の当量比は、0.8:1~5:1、0.9:1~4:1、0.90:1~3:1、0.95:1~3:1、または0.95:1~2.5:1の範囲内であり得る。利用され得る他のピリジンビスイミン対鉄塩の当量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0096】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、300:1、350:1、または400:1の反応帯域の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄の最小モル比(最小アルミニウム:鉄のモル比または最小Al:Feのモル比とも称される)、代替的または追加的には800:1、700:1、600:1、または500:1の反応帯域の鉄塩の鉄またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄の最大濃度(最大アルミニウム:鉄のモル比または最大Al:Feのモル比とも称される)を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書で開示される鉄塩の任意の最小鉄濃度またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の任意の最小鉄濃度から本明細書で開示される鉄塩の任意の最大鉄濃度またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の任意の最大鉄濃度の範囲内のアルミニウム:鉄のモル比を有し得る反応帯域、またはそのモル比で動作し得る反応帯域で形成され得る。非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、300:1~800:1、350:1~700:1、350:1~600:1、350:1~500:1、400:1~600:1、または400:1~500:1の範囲内のアルミニウム対鉄のモル比(アルミニウム:鉄またはAl:Feのモル比とも称される)を有し得る反応帯域、またはそのモル比で動作し得る反応帯域で形成され得る。利用され得る他の鉄塩の鉄濃度またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0097】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、0.75mmol Al/kg、0.9mmol Al/kg、または1.1mmol Al/kgの有機アルミニウム化合物の最小アルミニウム濃度(最小アルミニウム濃度とも称される)、代替的または追加的には2.6mmol Al/kg、2.2mmol Al/kg、1.8mmol Al/kg、または1.5mmol Al/kgの有機アルミニウム化合物濃度の最大アルミニウム濃度(最大アルミニウム濃度とも称される)を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小アルミニウム濃度から本明細書に開示される任意の最大アルミニウム濃度の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度(アルミニウム濃度とも称される)を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kg、0.75mmol Al/kg~2.2mmol Al/kg、0.9mmol Al/kg~1.8mmol Al/kg、1.1mmol Al/kg~1.8mmol Al/kg、または1.1mmol Al/kg~1.5mmol Al/kgの範囲内のアルミニウム濃度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。利用され得る他のアルミニウム濃度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。本明細書で利用される場合、「有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度」という句は、有機アルミニウム化合物のアルミニウムに起因する、溶液、流れ、または容器(例えば、反応帯域)内のアルミニウム濃度を指す。
【0098】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、750psi(5.17MPa)、775psi(5.34kPa)、または800psi(5.52kPa)の最小エチレン分圧、代替的または追加的には1,200psi(8.27MPa)、1,100psi(7.58MPa)、または1000psi(6.89MPa)の最大エチレン分圧を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小エチレン分圧から本明細書に開示される任意の最大エチレン分圧の範囲内のエチレン分圧を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。いくつかの非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、750psi(5.17MPa)~1200psi(8.27MPa)、775psi(5.34kPa)~1100psi(7.58MPa)、または800psi(5.52kPa)~1000psi(6.89MPa)の範囲内のエチレン分圧を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。他のエチレン分圧の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0099】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、0.8:1、1:1、1.25:1、または1.5:1のエチレン:有機反応媒体の最小質量比、代替的または追加的には4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、または2.5:1のエチレン:有機反応媒体の最大質量比を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示されるエチレン:有機反応媒体の任意の最小質量比~本明細書に開示されるエチレン:有機反応媒体の任意の最大質量比の範囲内のエチレン:有機反応媒体の質量比を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。いくつかの非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、0.8:1~4.5:1、1:1~4:1、1:1~3.5:1、1.25:1~3:1、または1.5:1~2.5:1の範囲内のエチレン:有機反応媒体の質量比を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。利用され得る他のエチレン:有機反応媒体の質量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0100】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、75℃、77℃、または80℃の最低反応帯域温度、代替的または追加的には95℃、93℃、または90℃の最大反応帯域反応帯域温度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小温度から本明細書に開示される任意の最大温度の範囲内の反応帯域温度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、75℃~95℃、77℃~93℃、または80℃~90℃の範囲内の反応帯域温度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。利用され得る温度の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。温度が反応帯域内で変動し得る実施形態では、本明細書で提供される温度は、代替的には平均温度であり得る。
【0101】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、0.4、0.45、0.5、または0.55の最小Schultz-Flory K値(または少なくともこれらのK値であり得る)、代替的または追加的には0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、または0.65の最大Schultz-Flory K値を有し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小Schultz-Flory K値から本明細書に開示される任意の最大Schultz-Flory K値の範囲内のSchultz-Flory K値を有し得る。例えば、いくつかの非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、0.4~0.9、代替的には0.4~0.8、代替的には0.5~0.8、代替的には0.5~0.7、代替的には0.55~0.7の範囲内のSchultz-Flory K値を有し得る。他のオリゴマー生成物のSchultz-Flory K値の範囲は、本開示から容易に明らかである。
【0102】
任意の態様および/または実施形態では、Schultz-Flory K値は、C、C10、C12、C14、またはC16オリゴマー生成物のうちのいずれか1種以上を使用して決定され得る。一実施形態では、Schultz-Flory K値は、本明細書に記載される製造されたオリゴマーの異なる隣接対を使用した任意の2種以上のSchultz-Flory K値の平均であり得る。いくつかの実施形態では、Schultz-Flory K値は、本明細書に記載される任意の2つのSchultz-Flory K値の平均、代替的には本明細書に記載される任意の3つのSchultz-Flory K値、または代替的には本明細書に記載される任意の4つのSchultz-Flory K値であり得る。例えば、Schultz-Flory K値は、CおよびC10のオリゴマー生成物、代替的にはC10およびC12のオリゴマー生成物、代替的にはC12およびC14のオリゴマー生成物、代替的にはC14およびC16のオリゴマー生成物、代替的にはC、C10、およびC12のオリゴマー生成物を使用して決定され得る。
【0103】
水素が利用される任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、1psi(6.9kPa)、2psi(14kPa)、5psi(34kPa)、10psi(69kPa)、または15psi(103kPa)の最小水素分圧、代替的または追加的には、200psi(1.4MPa)、150psi(1.03MPa)、100psi(689kPa)、75psig(517kPa)、または50psi(345kPa)の最大水素分圧で形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小水素分圧から本明細書に開示される任意の最大水素分圧の範囲内の水素分圧で形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。水素が利用されるいくつかの非限定的な実施形態では、1psi(6.9kPa)~200psi(1.4MPa)、5psi(34kPa)~150psi(1.03MPa)、10psi(69kPa)~100psi(689kPa)、または15psi(100kPa)~75psig(517kPa)の水素分圧で、オリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得る水素分圧の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0104】
水素が利用される任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、(水素0.05g)/(エチレン1kg)、(水素0.1g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)、または(水素0.5g)/(エチレン1kg)の最小水素対エチレン質量比、代替的または追加的には、(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素3g)/(エチレン1kg)、(水素2.5g)/(エチレン1kg)、(水素2g)/(エチレン1kg)、または(水素1.5g)/(エチレン1kg)の最大水素対エチレン質量比で形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小水素対エチレン質量比から本明細書に開示される任意の最大水素対エチレン質量比の範囲内の水素対エチレン質量比で形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。いくつかの非限定的な実施形態では、(水素0.05g)/(エチレン1kg)~(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)~(水素5g)/(エチレン1kg)、(水素0.25g)/(エチレン1kg)~(水素4g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素3g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素2.5g)/(エチレン1kg)、(水素0.4g)/(エチレン1kg)~(水素2g)/(エチレン1kg)、または(水素0.5g)/(エチレン1kg)~(水素2g)/(エチレン1kg)の水素対エチレン質量比で、オリゴマー生成物が形成され得る(または反応帯域が動作し得る)。利用され得る水素対エチレン質量比の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0105】
任意の態様および/または実施形態では、本明細書に記載されるプロセスは、直鎖状アルファオレフィン、または代替的にはノルマルアルファオレフィンに対して高い選択性を有するオリゴマー生成物を製造し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるプロセスは、Cオレフィンオリゴマー生成物が少なくとも98.5重量%、代替的には少なくとも98.75重量%、代替的には少なくとも99.0重量%、または代替的には少なくとも99.25重量%の1-ヘキセン含有量を有する反応器流出物を製造し得る。他の実施形態では、本明細書に記載されるプロセスは、Cオレフィンオリゴマー生成物が少なくとも98重量%、代替的には少なくとも98.25重量%、代替的には少なくとも98.5重量%、代替的には少なくとも98.75重量%、または代替的には少なくとも99.0重量%の1-オクテン含有量を有する反応器流出物を製造し得る。なお他の実施形態では、本明細書に記載されるプロセスは、C10オレフィンオリゴマー生成物が少なくとも97.5重量%、代替的には少なくとも97.75重量%、代替的には少なくとも98重量%、代替的には少なくとも98.25重量%、または代替的には少なくとも98.5重量%の1-デセン含有量を有する反応器流出物を製造し得る。なお他の実施形態では、本明細書に記載されるプロセスは、C12オレフィンオリゴマー生成物が少なくとも96.5重量%、代替的には少なくとも97重量%、代替的には少なくとも97.5重量%、代替的には少なくとも97.75重量%、または代替的には少なくとも98.0重量%の1-ドデセン含有量を有する反応器流出物を製造し得る。なお他の実施形態では、本明細書に記載されるプロセスは、オリゴマー生成物が本明細書に記載される任意の1-ヘキセン含有Cオレフィンオリゴマー生成物、本明細書に記載される任意の1-オクテン含有Cオレフィンオリゴマー生成物、本明細書に記載される任意の1-デセン含有C10オレフィンオリゴマー生成物、および/または本明細書に記載される任意の1-オクテン含有Cオレフィンオリゴマー生成物の任意の組み合わせを含み得る反応器流出物を製造し得る。いくつかの非限定的な例では、本明細書に記載されるプロセスは、少なくとも99重量%の1-ヘキセン含有量のCオレフィンオリゴマー生成物、および少なくとも97.5重量%の1-ドデセン含有量のC12オレフィンオリゴマー生成物、代替的には少なくとも98.5重量%の1-オクテン含有量のCオレフィンオリゴマー生成物、および少なくとも97.5重量%の1-ドデセンオクテン含有量のC12オレフィンオリゴマー生成物、または代替的には少なくとも99重量%の1-ヘキセン含有量のCオレフィンオリゴマー生成物、少なくとも98.5重量%の1-オクテン含有量のCオレフィンオリゴマー生成物、少なくとも98重量%の1-デセン含有量のC10オレフィンオリゴマー生成物、少なくとも97.5重量%の1-ドデセン含有量のC12オレフィンオリゴマー生成物を有する反応器流出物を製造し得る。反応器流出物1-アルケン含有オレフィンオリゴマーの他の組み合わせは、本開示から容易に明らかである。
【0106】
理論に限定されることなく、オリゴマー生成物が形成され得る、反応帯域が有し得る、または反応帯域が動作し得る条件の様々な組み合わせは、反応帯域表面への高分子量オリゴマーおよび/またはポリマーの付着による反応帯域の汚れの低減をもたらし得ると考えられる。伝熱表面などの反応帯域表面へのポリマーの付着は、オリゴマー生成物が形成され得る、反応帯域が有し得る、または反応帯域が動作し得る温度条件を制御する能力を低減させ得る。一態様では、本明細書に記載されるプロセスは、反応帯域(反応器を含む)が、本明細書に開示される任意の最小稼働時間から本明細書に開示される任意の最大稼働時間の範囲の時間稼働中である場合に動作し得る。一実施形態では、反応帯域の最小稼働時間は、少なくとも100時間、150時間、200時間、300時間、400時間、500時間、または600時間であり得る。一実施形態では、反応帯域の最大稼働時間は、9000時間、18000時間、27000時間、36000時間、または45000時間であり得る。非限定的な実施形態では、反応帯域の稼働時間は、100時間~45,000時間、150時間~36,000時間、200時間~36,000時間、300時間~36,000時間、300時間~27,000時間、400時間~27,000時間、400時間~18,000時間、500時間~27,000時間、500時間~18,000時間、または500時間~9,000時間の範囲であり得る。他の反応帯域の稼働時間の範囲は、本開示の助けを借りて当業者には容易に明らかである。
【0107】
理論に限定されることなく、オリゴマー生成物が形成され得る、反応帯域が有し得る、または反応帯域が動作し得る条件の様々な組み合わせは、反応帯域表面(例えば、他の表面の中でも、伝熱表面)へのポリマーの付着をもたらし得るポリマー膨潤を低減させることによって、反応伝熱表面(反応器帯域壁を含む)への高分子量オリゴマーおよび/またはポリマーの付着による反応帯域の汚れの低減を可能にすると考えられる。そこに限定されることなく、反応帯域温度の選択と有機反応媒体の選択との特定の組み合わせは、ポリマーの膨潤を低減し、プロセス反応帯域の操作性(例えば、他の潜在的な反応帯域操作性改善の中でも、反応帯域の稼働時間)の改善をもたらし得ることが見出された。そのような非限定的な実施形態では、本明細書中に開示されるプロセスは、オリゴマー生成物が、本明細書に開示される75℃~約95℃の任意の範囲内および75℃~約95℃を含む温度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得るように、かつ本明細書に開示されるC~C18の脂肪族炭化水素(例えば、飽和脂肪族炭化水素またはオレフィン系脂肪族炭化水素)を含む、またはこれから本質的になる有機反応媒体反応媒体を使用して形成され得るように、操作され得る。さらなる実施形態では、プロセスは、オリゴマー生成物が、本明細書で開示される鉄塩の任意の鉄濃度または本明細書で開示されるピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、本明細書で開示される反応帯域に充填される任意のピリジンビスイミン対鉄塩の当量比、本明細書で開示される有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、または対本明細書で開示されるピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、本明細書で開示されるアルミニウム濃度、本明細書で開示されるエチレン分圧、本明細書で開示される任意のエチレン対有機反応媒体の質量比、本明細書で開示されるSchultz-Flory K値、本明細書で開示される任意の水素分圧、または本明細書で開示される任意の水素対エチレンの質量比を、単独または任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得るように、操作され得る。
【0108】
一態様では、本明細書に記載されるプロセスは、反応帯域流出物のポリマー構成要素が最大15重量%の固体、代替的には最大10重量%の固体、代替的には最大8重量%の固体を含む反応器流出物を製造し得る。一非限定的な態様では、本明細書に記載されるプロセスは、反応帯域流出物のポリマー構成要素が5重量%~15重量%の固体、代替的には7重量%~12重量%の固体、または代替的には7重量%~10重量%の固体を含む反応帯域流出物を製造し得る。
【0109】
一態様では、本明細書に記載されるプロセスは、ポリマー構成要素が90重量%超、92重量%超、94重量%超、96重量%超、98重量%超、または99重量%超の1000g/mol未満の分子量を有するポリマーを含む反応帯域流出物を製造し得る。
【0110】
一態様では、本明細書に記載されるプロセスは、反応帯域壁に付着しているオリゴマー生成物の50重量%未満、60重量%未満、70重量%未満、または75重量%未満が、1000g/molを超えるMを有するポリエチレンを含むように、オリゴマー生成物を製造し得る。
【0111】
本明細書に記載される様々な態様および/または実施形態は、置換基または化合物を指し得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の各置換基は、ハロゲン、ヒドロカルビル基、もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルビル基、代替的にはハロゲンもしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはヒドロカルビル基もしくはヒドロカルボキシ基、代替的にはハロゲン、代替的にはヒドロカルビル基、または代替的にはヒドロカルボキシ基であり得る。一実施形態では、各ヒドロカルビル置換基は、C~C10、またはC~Cのヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の各ヒドロカルビル基または置換基は、C~C10、またはC~Cのヒドロカルビル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のハロゲン化物置換基は、フッ化物、塩化物、臭化物、またはヨウ化物、代替的にはフッ化物または塩化物であり得る。いくつかの実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のハロゲン化物置換基は、フッ化物、代替的には塩化物、代替的には臭化物、または代替的にはヨウ化物であり得る。
【0112】
一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のヒドロカルビル置換基は、アルキル基、アリール基、もしくはアラルキル基、代替的にはアルキル基、代替的にはアリール基、または代替的にはアラルキル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアルキル置換基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-メチル-1-ブチル基、tert-ペンチル基、3-メチル-1-ブチル基、3-メチル-2-ブチル基、もしくはネオ-ペンチル基、代替的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、もしくはネオ-ペンチル基、代替的にはメチル基、代替的にはエチル基、代替的にはイソプロピル基、代替的にはtert-ブチル基、または代替的にはネオ-ペンチル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアリール置換基は、フェニル基、トリル基、キシリル基、もしくは2,4,6-トリメチルフェニル基、代替的にはフェニル基、代替的にはトリル基、代替的にはキシリル基、または代替的には2,4,6-トリメチルフェニル基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアラルキル置換基は、ベンジル基もしくはエチルフェニル基(2-フェニルエチル-1-イルもしくは1-フェニルエチル-1-イル)、代替的にはベンジル基、代替的にはエチルフェニル基、代替的には2-フェニルエチル-1-イル基、または代替的には1-フェニルエチル-1-イル基であり得る。
【0113】
一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のヒドロカルボキシ置換基は、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはアラルコキシ基、代替的にはアルコキシ基、代替的にはアリールオキシ基またはアラルコキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアルコキシ置換基は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、2-ペントキシ基、3-ペントキシ基、2-メチル-1-ブトキシ基、tert-ペントキシ基、3-メチル-1-ブトキシ基、3-メチル-2-ブトキシ基、もしくはネオ-ペントキシ基、代替的にはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基、もしくはネオ-ペントキシ基、代替的にはメトキシ基、代替的にはエトキシ基、代替的にはイソプロポキシ基、代替的にはtert-ブトキシ基、または代替的にはネオ-ペントキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様および/または実施形態の任意のアリールオキシ置換基は、フェノキシ基、トルオキシ(toloxy)基、キシルオキシ(xyloxy)基、もしくは2,4,6-トリメチルフェノキシ基、代替的にはフェノキシ基、代替的にはトルオキシ基、代替的にはキシルオキシ基、または代替的には2,4,6-トリメチルフェノキシ基であり得る。一実施形態では、置換基を必要とする任意の態様または実施形態の任意のアラルコキシ置換基は、ベンゾキシ基であり得る。
【0114】
本出願から出願する米国国内段階の目的のために、本開示に記載されている全ての刊行物および特許は、本開示の方法と関連して使用され得る、それらの刊行物に記載される構成および方法論を記載および開示する目的で、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本文中で議論された刊行物は、本出願の出願日に先行するそれらの開示のみのために提供される。本明細書中のいかなるものも、発明者が先行発明によりそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるものではない。
【0115】
米国特許商標庁より前のいずれの出願においても、本出願の要約は、「米国特許商標庁および一般の人々が、一般的に、簡単な検査から、迅速に技術的開示の性質と要旨を決定できるようにするため」米国特許法施行規則第1.72の要件および米国特許法施行規則第1.72(b)に記載された目的を満たす目的で提供される。したがって、この出願の要約は、特許請求の範囲の範囲を解釈するため、または本明細書に開示される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものではない。さらに、本明細書で使用され得るいかなる見出しもまた、特許請求の範囲の範囲を解釈するために、または本明細書中に開示される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものではない。そうでなければ建設的または予言的として示されている実施例を説明するための過去時制のいかなる使用は、建設的または予言的な実施例が実際に実施されたことを反映することを意図するものではない。
【0116】
本開示は、以下の実施例によってさらに例示されるが、それらは決して本開示の範囲に対して限定を課すと解釈されるべきでない。対照的に、本明細書の記載の読後、その手段は、それらの様々な他の態様、実施形態、変形、および同等物に従うことができ、本発明の趣旨または添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、当業者にそれらを示唆し得ることを理解されたい。
【0117】
以下の実施例に提供されるデータおよび説明は、開示された化合物、触媒系、ならびにオレフィンオリゴマー化および/またはオレフィン重合方法の特定の態様および実施形態を示し、それらのいくつかの実施および利点を実証するために与えられる。実施例は、本明細書に記載される態様および実施形態のいくつかのより詳細な説明として与えられ、決して開示または特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0118】
追加の開示
本開示の以下の列挙された態様は、非限定的な例として提供される。
【0119】
A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含むか、またはこれらから本質的になる有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、プロセスである第1の態様。
【0120】
A)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含むか、またはこれらから本質的になる有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、プロセスである第2の態様。
【0121】
反応帯域が、0.8:1~1.2:1の範囲内の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比を有する、第2の態様のプロセスである第3の態様。
【0122】
反応帯域が、5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgのピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度を有する、第1~第3の態様のいずれか1つのプロセスである第4の態様。
【0123】
反応帯域が、300:1~800:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比を有する、第1~第4の態様のいずれか1つのプロセスである第5の態様。
【0124】
反応帯域が、300:1~500:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比を有する、第5の態様のプロセスである第6の態様。
【0125】
反応帯域が、750:1psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧を有する、第1~第6の態様のいずれか1つのプロセスである第7の態様。
【0126】
反応帯域のエチレン分圧が、750~1000psiの範囲内である、第7の態様のプロセスである第8の態様。
【0127】
反応帯域が、0.8~4.5のエチレン対有機反応媒体の質量比を有する、第1~第8の態様のいずれか1つのプロセスである第9の態様。
【0128】
反応帯域が、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kgの範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度を有する、第1~第9の態様のいずれか1つのプロセスである第10の態様。
【0129】
水素が連続的に反応帯域に導入され、反応帯域が少なくとも5psiの水素分圧を有する、第1~第10の態様のいずれか1つプロセスである第11の態様。
【0130】
A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が、i)5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの範囲内のピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、ii)300:1~800:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、iii)750:1psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、iv)0.8~4.5のエチレン対有機反応媒体の質量比、v)75℃~95℃の範囲内の平均温度、および任意にvi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含む、プロセスである第12の態様。
【0131】
A)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が、i)5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの範囲内の鉄塩の鉄濃度、ii)300:1~800:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、iii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、iv)0.8~4.5の範囲内のエチレン対有機反応媒体の質量比、v)75℃~95℃の範囲内の温度、および任意にvi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含む、プロセスである第13の態様。
【0132】
反応帯域が、0.8:1~1.2:1の範囲内の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比を有する、第13の態様のプロセスである第14の態様。
【0133】
反応帯域が、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kgの範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度を有する、第12~第14の態様のいずれか1つのプロセスである第15の態様。
【0134】
反応帯域が、300:1~500:1の範囲内の有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄またはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比を有する、第12~第15の態様のいずれか1つのプロセスである第16の態様。
【0135】
反応帯域が、750~1000psiの範囲内のエチレン分圧を有する、第12~第16の態様のいずれか1つのプロセスである第17の態様。
【0136】
反応帯域が、0.8:1~4.5:1の範囲内のエチレン対有機反応媒体の質量比を有する、第12~第17の態様のいずれか1つのプロセスである第18の態様。
【0137】
有機反応媒体が、1種以上の脂肪族炭化水素を含むか、またはこれらから本質的になる、第12~第18の態様のいずれか1つのプロセスである第19の態様。
【0138】
有機反応媒体が、1種以上のC~C18の脂肪族炭化水素を含むか、またはこれらから本質的になる、第19の態様のプロセスである第20の態様。
【0139】
有機反応媒体が、1種以上のC~C16の飽和脂肪族炭化水素を含むか、またはこれらから本質的になる、第1~第11の態様のいずれか1つまたは第19の態様のプロセスである第21の態様。
【0140】
有機反応媒体が、1種以上のC~C16のオレフィン系脂肪族炭化水素を含むか、またはこれらから本質的になる、第1~第11の態様のいずれか1つまたは第19の態様のプロセスである第22の態様。
【0141】
有機反応媒体が、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、またはこれらの任意の組み合わせを含むか、またはこれらから本質的になる、第22の態様のプロセスである第23の態様。
【0142】
有機反応媒体が、ハロゲン化化合物を実質的に含まない、第1~第23の態様のいずれか1つのプロセスである第24の態様。
【0143】
反応帯域が、80℃~90℃の範囲内の温度を有する、第1~第24の態様のいずれか1つのプロセスである第25の態様。
【0144】
反応帯域内で形成されるオリゴマー生成物が、0.4~0.9の範囲内(または0.5~0.8の範囲内)のSchultz-Flory K値を有する、第1~第25の態様のいずれか1つのプロセスである第26の態様。
【0145】
反応帯域壁に付着しているオリゴマー生成物の50重量%超が、1000g/molを超えるMを有するポリエチレンを含む、第1~第26の態様のいずれか1つのプロセスである第27の態様。
【0146】
反応帯域が、少なくとも100時間の稼働中である、第1~第27の態様のいずれか1つのプロセスである第28の態様。
【0147】
反応帯域からの反応帯域流出物を連続的に排出することをさらに含む、第1~第28の態様のいずれか1つのプロセスである第29の態様。
【0148】
鉄塩ピリジンビスイミン錯体、鉄塩、ピリジンビスイミン化合物、またはエチレンを反応帯域に導入する前に、有機反応媒体を反応帯域に導入することをさらに含む、第1~第29の態様のいずれか1つのプロセスである第30の態様。
【0149】
エチレンを前記反応帯域に導入する前に、1)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、または2)鉄塩、ピリジンビスイミンを反応帯域に導入することをさらに含む、第1~第30の態様のいずれか1つのプロセスである第31の態様。
【0150】
ピリジンビスイミン、またはピリジンビスイミン鉄塩錯体のピリジンビスイミンが、i)アリール基が同じであっても異なっていてもよい、2,6-ビス[(アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、ii)置換アリール基が同じであっても異なっていてもよい、ビス[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、またはiii)[(アリールイミン)ヒドロカルビル],[(置換アリールイミン)ヒドロカルビル]ピリジン、を含む、第1~第31の態様のいずれか1つのプロセスである第32の態様。
【0151】
1)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、2つ、または3つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基であり、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、2)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つが、第三級炭素原子基であり、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、または2つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基である、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基ではなく、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、3)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの2つが、独立して、第三級炭素原子基であり、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つが、独立して、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基である、もしくはいずれもが、ハロゲン、第一級炭素原子基、または第二級炭素原子基ではなく、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、4)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、または2つが、独立して、第三級炭素原子基(複数可)であり、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、5)イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/または置換アリール基のオルソ位のうちの1つ、または2つが、第四級炭素原子基であり、イミン窒素に結合している炭素原子に対してアリール基および/もしくは置換アリール基のオルソ位のうちの残部が、水素である、または6)イミン窒素に結合している炭素原子に対して置換アリール基のオルソ位のうちの4つ全てが、フッ素である、第32の態様のプロセスである第33の態様。
【0152】
ピリジンビスイミンが、2,6-ビス[(フェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-エチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2-イソプロピルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2,6-ビス[(2,4-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジンからなる群から選択される、第32の態様のプロセスである第34の態様。
【0153】
A)i)エチレン、ii)鉄塩、iii)ピリジンビスイミン、iv)有機アルミニウム化合物、およびv)C~C18脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、プロセスである第35の態様。
【0154】
A)i)エチレン、ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、iii)有機アルミニウム化合物、およびiv)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体を、連続的に反応帯域に導入することと、B)反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含む、プロセスである第36の態様。
【実施例0155】
全ての操作を、窒素充填Vacuum Atmospheresドライボックス、およびオーブン乾燥ガラス器具を使用した標準シュレンク技術(真空下、-30mmHg、110℃で1時間超)を使用して行った。ジクロロメタン(DCM)は、ドライボックス内で利用され、分子ふるい上で貯蔵されたFisherからの無水グレードであった。トルエンは、ドライボックス内で利用され、分子ふるい上で貯蔵されたSigma-Aldrichからの無水グレードであった。有機反応媒体であるシクロヘキサンおよび1-ドデセンを、Chevron Phillips Chemical Company,LPから入手した。次いで、有機反応媒体を、N脱気供給タンク(10または20ガロン)に充填し、さらにNで脱気し、分子ふるい、活性アルミナ、および還元銅床を使用してさらに精製して、水、酸素/極性化合物、および溶存酸素を除去した。MMAO-3A(通常6~8重量%のアルミニウム)を、AkzoNobel Chemicals Companyから入手し、N充填ドライボックス内に保存した。メタキシレンを、Sigma-Aldrichから入手し、N下で脱気し、ドライボックス内で分子ふるい上で保管した。ピリジンビスイミンリガンド(2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン)、およびピリジンビスイミン鉄錯体([2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン]FeCl)を既知の手順に従って調整した。
【0156】
図1に例示される反応系を使用してエチレンのオリゴマー化を実施した。反応システム200は、1)a)オーバーヘッド磁気撹拌器20、b)内部TIプローブ30で制御されるオイル充填外部ジャケット加熱システム、c)i)エチレン45、ii)ピリジンビスイミンおよび鉄塩、またはピリジンビスイミン鉄塩錯体(PBFe)55、およびiii)有機アルミニウム化合物(OAC)65および有機反応媒体(ORM)75の別個の供給ライン、d)135℃の皮膚温度を維持するために熱追跡される(図示されていない反応器流出物試料ポートを含む)オートクレーブ反応器流出物出口ライン85、e)有機反応媒体希釈剤供給タンク70、f)有機アルミニウム化合物および有機反応媒体入口を介して有機反応媒体を反応帯域に提供するための、有機反応媒体供給ポンプ80、g)有機アルミニウム化合物を有機反応媒体供給ポンプの吸い込み側に供給するために有機アルミニウム化合物充填器101に連結されたISCOポンプ105、h)ピリジンビスイミンおよび鉄塩溶液、またはピリジンビスイミン鉄塩錯体溶液をピリジンビスイミンおよび鉄塩供給ラインを介して反応帯域に供給するために充填器112に連結されたOISCOポンプ115、i)反応帯域エチレン供給入口を介してエチレンを供給するための調節された(0~600g/時)エチレン供給120、j)反応帯域出口ラインから反応帯域流出物を受け入れるための(約90℃の温度を維持するための)熱追跡生成物タンク130、k)生成物タンクおよび反応帯域上の圧力を維持する、生成物の(最低200psig~最大1200psigの圧力を維持する能力を有する)Badger研究制御弁140、およびl)反応帯域および生成物タンク上の窒素雰囲気を維持するための窒素供給ライン150を有する500mLオートクレーブ反応器10を含む反応帯域を有する。
【0157】
ドライボックス内で、清潔で乾燥した250mLガラス充填フラスコを所望の溶媒/希釈剤で洗浄した。次いで、250mLのガラス製充填フラスコを排液し、所望量の所望のピリジンビスイミン、所望量の所望の鉄塩、および所望量の溶媒/希釈剤(または所望量のピリジンビスイミン鉄塩錯体および所望量の溶媒/希釈剤)で充填した。次いで、250mLの充填フラスコを密封し、ドライボックスから取り出した。次いで、250mLの充填フラスコの内容物を、約15mLのピリジンビスイミン/鉄塩溶液(またはピリジンビスイミン鉄塩錯体溶液)でフラシュされたピリジンビスイミン/鉄塩溶液(またはピリジンビスイミン鉄塩錯体溶液)ISCOポンプ、およびピリジンビスイミン/鉄塩溶液(またはピリジンビスイミン鉄塩錯体溶液)充填ラインに充填した。
【0158】
ドライボックス内で、清潔で乾燥した250mLガラス充填フラスコを所望の溶媒/希釈剤で洗浄した。次いで、250mLのガラス充填フラスコを排水し、そして所望量のノナン(内部標準として使用される)および所望量の有機アルミニウム溶液で充填して、体積比で10:1のノナン対有機アルミニウム化合物溶液を得た。所望量の有機アルミニウム化合物溶液。次いで、250mLの充填フラスコを密封し、ドライボックスから取り出した。次いで、250mLの充填フラスコの内容物を、約15mLの有機アルミニウム溶液でフラッシュされた、有機アルミニウムISCOポンプ、および有機アルミニウム充填ラインに充填した。
【0159】
オートクレーブ反応器を乾燥窒素で800psigで3回充填し、次いでオートクレーブ反応器を排気して、500mLオートクレーブ反応器をエチレンオリゴマー化用に調製した。次いで、生成物タンクを乾燥窒素で充填し、所望の動作温度にした。次いで、クイックコネクト移送ラインを使用して、有機反応媒体供給タンクをオートクレーブ反応器に接続した。次いで、オートクレーブ反応器を窒素圧を使用して有機反応媒体で充填した。次いで、クイックコネクト移送ラインをオートクレーブ反応器から切り離した。次いで、有機反応媒体ポンプを始動させ、オートクレーブ反応器を所望のオリゴマー化圧力にした。オリゴマー化圧力が達成されたら、オーバーヘッド磁気撹拌器のスイッチを入れ、約1200rpmの速度で撹拌設定した。次いで、外部加熱を始動させ、オートクレーブ反応器を所望のオリゴマー化圧力に上げた。有機アルミニウム化合物ならびにピリジンビスイミンおよび鉄塩溶液(またはピリジンビスイミン鉄塩溶液)用のISCOポンプを作動させ、所望の供給速度に設定した。有機アルミニウム化合物供給ならびにピリジンビスイミンおよび鉄塩溶液(またはピリジンビスイミン鉄塩溶液)供給を開始してから30分後に、エチレンを約250g/時の速度でオートクレーブ反応器に導入した。1時間後、反応帯域流出物試料ポートを数分間反応器流出物でパージし、反応流出物試料を取り出し、低熱質量ガスクロマトグラフィー(LTM-GC)によって分析し、触媒系生産性の推定値を決定した。エチレン転化率および触媒系生産性が許容範囲内であると判定された場合、次いで、エチレン流量を100g/時の速度でゆっくりと増加させることによってエチレン流量を所望の流量に増加させた。次いで、反応帯域試料ポートを数分間パージし、次いで反応帯域流出物試料を捕集することによって、反応帯域流出物試料を30分ごとに採取した。次いで、反応帯域流出物試料を、水素炎イオン化検出器と共に動作する30mAgilent DB1カラムを使用するLTM-GC、または水素炎イオン化検出器と共に動作する50mHP5もしくはDB5カラムを使用するAgilent 6890ガスクロマトグラフによって分析した。
【0160】
オリゴマー化反応が完了した後、オートクレーブ反応器への圧力を解放し、反応器本体およびヘッドからの液体および固体を捕集した。捕集された固体を乾燥し、秤量した。次いで、反応器の固体をRx固体/NAO生成物kgとして報告した。
【0161】
生成物タンクの内容物を均質化し、次いで生成物タンクの内容物250gを採取することによって分析した。均質化された試料を、100℃および-30インチHgで1時間回転式蒸発にかけて、液体を効果的に除去した。残存している固体(ワックスおよびポリエチレン)の質量を記録し、固体の一部を熱重量分析(TGA)によって分析した。固体試料中の材料の種類の量は、A)液体<-175℃、B)ワックス-175℃~420℃、およびC)ポリエチレン(PE)>420℃のTGA温度範囲を使用して決定した。次いで、製造されたポリエチレンの量を、ポリエチレンに対するC%として報告する。
【0162】
実施例1~14
エチレンオリゴマー化手順を使用して、3種の異なる触媒系を利用するエチレンオリゴマー化を実施した。触媒系1は、([2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン]FeCl)、およびMMAO-3Aを含んでいた。触媒系2は、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン)、アセチルアセトネート鉄(III)(以下、Fe(acac))、およびMMAO-3Aを含んでいた。触媒系3は、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジン、アセチルアセトネート鉄(III)(以下、Fe(acac))、およびMMAO-3Aを含んでいた。表1は、エチレンオリゴマー化において触媒系に利用される鉄化合物およびMMAO-3A溶液の調製に関する情報を提供する。表2は、エチレンオリゴマー化実験条件に関する情報を提供する。表3は、エチレンオリゴマー化の性能に関する情報を提供する。
【表1】

【表2】

【表3】
【0163】
エチレンオリゴマー化の結果の考察
エチレンオリゴマー化の実施例1および2を、([2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン]FeCl)を利用して、それぞれシクロヘキサンおよび1-ドデセン中で実施した。([[2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン]FeCl)は炭化水素溶媒に可溶性ではなかったので、ジクロロメタンを[2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-t-ブチルフェニルイミン)メチル]ピリジン]FeCl)用溶媒として利用した。金属錯体をその場で生成できるかどうかを試験するため、またハロゲン化炭化水素の不在下でエチレンオリゴマー化が実施され得るかを決定するために、実施例3および4を、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン)およびFe(acac)のトルエン溶液を調製することによって、それぞれシクロヘキサンおよび1-ドデセン中で実施した。これらの実施例は、エチレンオリゴマー化がピリジンビスイミン鉄錯体またはその場で調製されたピリジンビスイミン鉄錯体を使用する触媒系で実施し得ること、また両方の方法が匹敵する生産性を有するエチレンオリゴマー化触媒を提供することを示す。実施例1と2を比較すると、有機反応媒体として1-ドデセンを使用するエチレンのオリゴマー化は、生産性の向上をもたらしたが、C14およびC16生成物留分中の1-アルケン純度の低下をもたらしたことを示す。さらに、1-ドデセンの使用は、下流の汚れを低減させ、ポリマーの取扱いを助けた。
【0164】
エチレンオリゴマー化の実施例5~7および実施例8~10を、有機反応媒体としてシクロヘキサンおよび1-ドデセンをそれぞれ使用して実施して、触媒系の生産性、ポリマー製造、および生成物品質に対する温度および有機反応媒体の影響を決定した。さらに、これらの実施例は、エチレンのオリゴマー化の間にオートクレーブ反応器内に捕集されるポリマーの量および種類の定性的決定を提供するための、オートクレーブ反応器本体およびオートクレーブヘッドの目視観察を含んだ。これらの定性的結果を表4にまとめる。
【表4】
【0165】
シクロヘキサン中でのエチレンのオリゴマー化についての生産性データは、80℃のエチレンオリゴマー化温度の周辺に生産性のためのスイートスポットがあるように思われることを示している。シクロヘキサンエチレンオリゴマー化データはまた、エチレンオリゴマー化温度を上昇させると生成物タンクの固体を低減させ得、低いエチレンオリゴマー化温度は、炭素数アルケン純度の低下を介してオレフィン品質に悪影響を及ぼし得ることも示している。オートクレーブ反応器内に残存している固体の定性的観察は、有機反応媒体としてシクロヘキサンを用いてエチレンオリゴマー化を増加させることが、エチレンオリゴマー化反応器内に保持される固体の量を低減させ得ることを示している。
【0166】
1-ドデセン中のエチレンオリゴマー化についての生産性データは、エチレンオリゴマー化データを増加させると生産性をわずかに低下させ、生成物タンク固体を低減させ得ることを示している。1-ドデセンエチレンオリゴマー化データはまた、エチレンオリゴマー化温度を上昇させると炭素数アルケン純度の低下を介してオレフィン品質に悪影響を及ぼし得ることも示している。オートクレーブ反応器内に残存している固体の定性的観察は、有機反応媒体として1-ドデセンを用いてエチレンオリゴマー化を増加させることが、エチレンオリゴマー化反応器内に保持される固体の量を増加させ得ることを示している。
【0167】
シクロヘキサンエチレンオリゴマー化と1-ドデセンエチレンオリゴマー化実験との間のオートクレーブ反応器内に残存している固体の定性的観察を比較すると、より高い炭素数の炭化水素有機反応媒体を使用することは、反応器内に残存する固体の量を低減させ得るようである。さらに、より高い炭素数の炭化水素有機反応媒体の使用は、反応器内に残存する固体の種類を変え得るようである。特に、より高い炭素数の炭化水素有機反応媒体を使用することは、反応器の固体の種類を、反応器動作を急速に損ない得るワックス状の繊維状の固体から、通常の動作中に反応器からより簡単に洗い流し得るほこり状のフィルム状の固体に変え得るようである。
【0168】
実施例8~14は、温度、有機反応媒体(1-ドデセン)対エチレンの流量比がエチレンオリゴマー化に及ぼし得る影響に関する情報を示している。実験は、1)温度が約85℃~90℃の温度でK価に大きな影響を及ぼさないこと、2)約85℃~90℃の温度で空時収量が高いレベルに維持され得ること、および/または3)有機反応媒体(1-ドデセン)対エチレンの流量を増加させると、C14およびC16の炭素数留分の直鎖状1-アルケン含有量に悪影響を及ぼし得ることを示している。
【0169】
実施例13および14は、2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(4-メチルフェニルイミン)メチル]ピリジンリガンド、および2-[(2,4,6-トリメチルフェニルイミン)メチル]-6-[(3,5-ジメチルフェニルイミン)メチル]ピリジン)リガンドを使用する触媒系が、1)同様の生産性を有し得ること、2)同様の量の反応器および/または総生成物固体を提供し得ること、および/または3)C14およびC16炭素数留分数について同様の直鎖状1-アルケン含有量を有し得るオリゴマー生成物を製造し得ることを示している。
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-05-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)
i)エチレン、
ii)a)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、またはb)鉄塩およびピリジンビスイミン
iii)有機アルミニウム化合物、および
iv)1種以上のC~C18脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体、を連続的に反応帯域に導入することと、
B)前記反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、前記反応帯域が75℃~95℃の範囲内の平均温度を有する、形成することと、を含み、
前記反応帯域の壁に付着している前記オリゴマー生成物の50重量%超が、1000g/molを超えるM を有するポリエチレンを含む、方法。
【請求項2】
前記反応帯域が、0.8:1~1.2:1の範囲内の鉄塩対ピリジンビスイミンの当量比を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応帯域が、5×10-4mmol/kg~5×10-3mmol/kgの前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度もしくは前記鉄塩の鉄濃度、300:1~800:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム対前記鉄塩の鉄もしくは前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、750:1psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、0.8:1~4.5:1のエチレン対有機反応媒体の質量比、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kgの範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、またはこれらの任意の組み合わせを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
水素が連続的に前記反応帯域に導入され、前記反応帯域が少なくとも5psiの水素分圧を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記有機反応媒体が、1種以上のC~C16オレフィン系脂肪族炭化水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記反応帯域が、0.75mmol Al/kg~2.6mmol Al/kgの範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、300:1~500:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物の前記アルミニウム対前記鉄塩の鉄のモル比、750~1000psiの範囲内の前記エチレン分圧、および80℃~90℃の範囲内の前記温度、を有し、前記反応帯域内で形成された前記オリゴマー生成物が、0.4~0.9の範囲内のSchulz-Flory K値を有し、前記有機反応媒体が、1種以上のC~C16オレフィン系脂肪族炭化水素から本質的になる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
1)前記鉄塩ピリジンビスイミン錯体もしくは前記鉄塩および前記ピリジンビスイミン化合物、または2)前記エチレンを前記反応帯域に導入する前に、前記有機反応媒体を前記反応帯域に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
エチレンを前記反応帯域に導入する前に、1)前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体、または2)前記鉄塩および前記ピリジンビスイミンを前記反応帯域に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記有機反応媒体が、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記有機反応媒体が、前記有機反応媒体の重量に対して1重量%未満のハロゲン化化合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
A)
i)エチレン、
ii)鉄塩、
iii)ピリジンビスイミン、
iv)有機アルミニウム化合物、および
v)1種以上のC ~C 18 脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体、を連続的に反応帯域に導入することと、
B)前記反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、前記反応帯域が、
i)5×10 -4 mmol/kg~5×10 -3 mmol/kgの範囲内の前記鉄塩の鉄濃度、
ii)300:1~800:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム対前記鉄塩の鉄のモル比、
iii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、
iv)0.8~4.5の範囲内のエチレン対有機反応媒体の質量比、
v)75℃~95℃の範囲内の平均温度、および任意選択に
vi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含み、
前記反応帯域の壁に付着している前記オリゴマー生成物の50重量%超が、1000g/molを超えるM を有するポリエチレンを含む、方法。
【請求項12】
前記有機反応媒体が、1種以上のC ~C 16 オレフィン系脂肪族炭化水素を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記有機反応媒体が、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
A)
i)エチレン、
ii)ピリジンビスイミン鉄塩錯体、
iii)有機アルミニウム化合物、および
iv)1種以上のC ~C 18 脂肪族炭化水素を含む有機反応媒体、を連続的に反応帯域に導入することと、
B)前記反応帯域内でオリゴマー生成物を形成することであって、前記反応帯域が、
i)5×10 -4 mmol/kg~5×10 -3 mmol/kgの範囲内の前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、
ii)300:1~800:1の範囲内の前記有機アルミニウム化合物のアルミニウム対前記ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、
iii)750psig~1200psigの範囲内のエチレン分圧、
iv)0.8~4.5のエチレン対有機反応媒体の質量比、
v)75℃~95℃の範囲内の平均温度、および任意選択で
vi)少なくとも5psiの水素分圧を有する、形成することと、を含み、
前記反応帯域の壁に付着している前記オリゴマー生成物の50重量%超が、1000g/molを超えるM を有するポリエチレンを含む、方法。
【請求項15】
前記有機反応媒体が、1種以上のC ~C 16 オレフィン系脂肪族炭化水素を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記有機反応媒体が、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
本明細書に記載されるプロセスの任意の態様または実施形態では、反応帯域で形成されるオリゴマー生成物は、特定のSchulz-Flory K値を有し得、かつ/または反応帯域壁に付着する特定量のオリゴマー生成物が1000g/molを超えるMを有するポリエチレンを含むような分子量分布を有し得る。本明細書に記載されるプロセスの任意の態様または実施形態では、反応帯域は特定の時間稼働中であり得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
任意の態様または実施形態では、オリゴマー生成物は、鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、反応帯域に充填されるピリジンビスイミン対鉄塩の当量比(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、または対ピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、エチレン分圧、エチレン対有機反応媒体の質量比、温度(または平均温度)、Schulz-Flory K値、水素分圧、または水素対エチレンの質量比を、単独もしくは任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、エチレン分圧、もしくはエチレン対有機反応媒体の質量比、または代替的には鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度(利用される触媒系に応じて)、有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、エチレン分圧、エチレン対有機反応媒体の質量比、および任意に水素分圧、もしくは水素対エチレンの質量比を、単独もしくは任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。別の実施形態では、オリゴマー生成物は、鉄塩の鉄濃度もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度(利用される触媒系に応じて)、代替的には反応帯域に充填されるピリジンビスイミン対鉄塩の当量比、代替的には有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄もしくはピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比(利用される触媒系に応じて)、代替的には有機アルミニウム化合物のアルミニウム濃度、代替的にはエチレン分圧、代替的にはエチレン対有機反応媒体の質量比、代替的には温度(または平均温度)、代替的にはSchulz-Flory K値、代替的には水素分圧、または代替的には水素対エチレンの質量比を、単独もしくは任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
任意の態様および/または実施形態では、オリゴマー生成物は、0.4、0.45、0.5、または0.55の最小Schulz-Flory K値(または少なくともこれらのK値であり得る)、代替的または追加的には0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、または0.65の最大Schulz-Flory K値を有し得る。一実施形態では、オリゴマー生成物は、本明細書に開示される任意の最小Schulz-Flory K値から本明細書に開示される任意の最大Schulz-Flory K値の範囲内のSchulz-Flory K値を有し得る。例えば、いくつかの非限定的な実施形態では、オリゴマー生成物は、0.4~0.9、代替的には0.4~0.8、代替的には0.5~0.8、代替的には0.5~0.7、代替的には0.55~0.7の範囲内のSchulz-Flory K値を有し得る。他のオリゴマー生成物のSchulz-Flory K値の範囲は、本開示から容易に明らかである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
任意の態様および/または実施形態では、Schulz-Flory K値は、C、C10、C12、C14、またはC16オリゴマー生成物のうちのいずれか1種以上を使用して決定され得る。一実施形態では、Schulz-Flory K値は、本明細書に記載される製造されたオリゴマーの異なる隣接対を使用した任意の2種以上のSchulz-Flory K値の平均であり得る。いくつかの実施形態では、Schulz-Flory K値は、本明細書に記載される任意の2つのSchulz-Flory K値の平均、代替的には本明細書に記載される任意の3つのSchulz-Flory K値、または代替的には本明細書に記載される任意の4つのSchulz-Flory K値であり得る。例えば、Schulz-Flory K値は、CおよびC10のオリゴマー生成物、代替的にはC10およびC12のオリゴマー生成物、代替的にはC12およびC14のオリゴマー生成物、代替的にはC14およびC16のオリゴマー生成物、代替的にはC、C10、およびC12のオリゴマー生成物を使用して決定され得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
理論に限定されることなく、オリゴマー生成物が形成され得る、反応帯域が有し得る、または反応帯域が動作し得る条件の様々な組み合わせは、反応帯域表面(例えば、他の表面の中でも、伝熱表面)へのポリマーの付着をもたらし得るポリマー膨潤を低減させることによって、反応伝熱表面(反応器帯域壁を含む)への高分子量オリゴマーおよび/またはポリマーの付着による反応帯域の汚れの低減を可能にすると考えられる。そこに限定されることなく、反応帯域温度の選択と有機反応媒体の選択との特定の組み合わせは、ポリマーの膨潤を低減し、プロセス反応帯域の操作性(例えば、他の潜在的な反応帯域操作性改善の中でも、反応帯域の稼働時間)の改善をもたらし得ることが見出された。そのような非限定的な実施形態では、本明細書中に開示されるプロセスは、オリゴマー生成物が、本明細書に開示される75℃~約95℃の任意の範囲内および75℃~約95℃を含む温度を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得るように、かつ本明細書に開示されるC~C18の脂肪族炭化水素(例えば、飽和脂肪族炭化水素またはオレフィン系脂肪族炭化水素)を含む、またはこれから本質的になる有機反応媒体反応媒体を使用して形成され得るように、操作され得る。さらなる実施形態では、プロセスは、オリゴマー生成物が、本明細書で開示される鉄塩の任意の鉄濃度または本明細書で開示されるピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄濃度、本明細書で開示される反応帯域に充填される任意のピリジンビスイミン対鉄塩の当量比、本明細書で開示される有機アルミニウム化合物のアルミニウム対鉄塩の鉄のモル比、または対本明細書で開示されるピリジンビスイミン鉄塩錯体の鉄のモル比、本明細書で開示されるアルミニウム濃度、本明細書で開示されるエチレン分圧、本明細書で開示される任意のエチレン対有機反応媒体の質量比、本明細書で開示されるSchulz-Flory K値、本明細書で開示される任意の水素分圧、または本明細書で開示される任意の水素対エチレンの質量比を、単独または任意の組み合わせのいずれかで含み得る条件を有し得る反応帯域で形成され得るか、反応帯域がそれを有し得るかまたは反応帯域が、それで動作し得るように、操作され得る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
反応帯域内で形成されるオリゴマー生成物が、0.4~0.9の範囲内(または0.5~0.8の範囲内)のSchulz-Flory K値を有する、第1~第25の態様のいずれか1つのプロセスである第26の態様。
【外国語明細書】