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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010509
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】内径測定装置及び内径測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 13/10 20060101AFI20220107BHJP
   B23Q 17/20 20060101ALI20220107BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G01B13/10
B23Q17/20 A
B25J13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020111142
(22)【出願日】2020-06-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)株式会社A-techにおける試験,令和2年5月26日 (2)日産工機株式会社への販売,令和2年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】516243951
【氏名又は名称】株式会社A-tech
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰典
【テーマコード(参考)】
2F066
3C029
3C707
【Fターム(参考)】
2F066AA23
2F066BB07
2F066DD11
2F066DD13
2F066FF08
2F066FF09
2F066HH02
2F066HH16
2F066LL02
3C029BB04
3C707AS14
3C707BS15
3C707KV15
3C707MT02
3C707MT04
(57)【要約】
【課題】
ワークに形成された穴の内径を、高精度かつ短時間で測定することができる内径測定装置を提供する。
【解決手段】
ワーク2に形成された被測定穴の内径を測定する内径測定装置1を、ワーク2を支持するワーク支持手段10と、被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズル21を有し、エアノズル21から噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータ20と、エアノズル21を三次元的に移動させるロボットアーム20と、エアノズル21とロボットアーム20との間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズル21の変位を許容するフローティングユニット22とを備えたものとした。これにより、高い測定精度を維持しながら、エアノズル21を被測定穴の内部に迅速に移動させることができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに形成された穴(以下、「被測定穴」という。)の内径を測定する内径測定装置であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備えたことを特徴とする内径測定装置。
【請求項2】
ロボットアームが、
略水平方向に揺動する第一アームと、
第一アームの先端部に接続され、略水平方向に揺動する第二アームと、
第二アームの先端部に取り付けられ、略鉛直方向に昇降する昇降体と
を備えた水平多関節ロボットとされた
請求項1記載の内径測定装置。
【請求項3】
ワーク支持手段が、ワークに接触しながらも、少なくとも略水平方向におけるワークの変位を許容する状態でワークを支持するものである請求項1又は2記載の内径測定装置。
【請求項4】
請求項1~3いずれか記載の内径測定装置を用いて被測定穴の内径を測定する内径測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに形成された穴の内径を測定する内径測定装置と、この内径測定装置を用いた内径測定方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車部品等の機械部品には、穴が加工されたものも多く、その穴に高い寸法精度が要求されることも多い。このような実状に鑑みて、これまでには、ワークに形成された穴の内径を測定する種々の装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1の図2等には、機械部品に形成された細穴の内径を測定するための内径非接触測定装置1が記載されている。この内径非接触測定装置1は、同図に示されるように、ワークを固定するテーブル50と、測定ステーション32とを備えている。測定ステーション32には、同文献の図6に示されるように、エアマイクロメータ362が設けられている。このエアマイクロメータ362のエアノズルを、同文献の図7に示されるように、ワーク80の穴84に挿入し、エアノズルから穴84の径方向(同図の矢印Pの方向)にエアを噴出したときのエアの流量や背圧を測定することで、穴84の内径を判別する。これにより、穴84の内径を高い精度で判別することが可能になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-155794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の内径非接触測定装置1には、測定に長時間を要するという欠点があった。というのも、この内径非接触測定装置1では、テーブル50やエアマイクロメータ362のエアノズルを移動させるための手段として、ボールねじ式のリニアガイド(同文献の図2における第一のリニアガイド51、同文献の図3における第二のリニアガイド53、リニアガイドレール310及びボールネジ332を参照。)を採用しているところ、ボールねじは、その機械的な特性上、移動速度が遅いからである。
【0006】
特に、特許文献1の内径非接触測定装置1においては、移動速度の遅さが問題となりやすい。というのも、同文献の内径非接触測定装置1では、1つのワークの測定が終了し、ワークを別のものに交換する度に、テーブル50を大きく移動させる必要があるからである。すなわち、同装置においては、同文献の図4に示されるように、テーブル(図4では省略)に積載されたワーク取付ヘッド530に対してワーク80を上側から嵌合して取り付けるようになっている。このため、ワーク交換の際には、ワーク80を上方に引き抜く必要がある。ところが、同文献の図3に示されるように、テーブル50の上方には測定ステーション31,32,33が配されている。したがって、ワーク交換の際には、測定ステーション31,32,33が邪魔にならない位置までテーブル50を大きく移動させる必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、ワークに形成された穴の内径を、高精度かつ短時間で測定することができる内径測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、
ワークに形成された穴(以下、「被測定穴」という。)の内径を測定する内径測定装置であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備えたことを特徴とする内径測定装置
を提供することによって解決される。
【0009】
これにより、ワークに形成された穴の内径を、高精度かつ短時間で測定することができる。すなわち、本発明の内径測定装置においては、エアマイクロメータのエアノズルをロボットアームで移動させるため、ボールねじ式のリニアガイドを用いた場合に比べて短時間でエアノズルを被測定穴の内部に移動させることができる。また、エアノズルを、フローティングユニットを介してロボットアームに取り付けたことによって、エアノズルから放射状に噴出されるエアの圧力によってエアノズルの中心が被測定穴の中心に重なるようにエアノズルの位置が自動的に補正される。このため、ロボットアームによるエアノズルの位置決め精度が低かったとしても、高い精度で測定を行うことが可能になる。
【0010】
本発明の内径測定装置においては、ロボットアームとして、略水平方向に揺動する第一アームと、第一アームの先端部に接続され、略水平方向に揺動する第二アームと、第二アームの先端部に取り付けられ、略鉛直方向に昇降する昇降体とを備えた水平多関節ロボットを採用すると好ましい。これにより、測定精度をより高めることができる。というのも、被測定穴に対してエアノズルが傾いて挿入される(鉛直方向に対して傾斜して挿入される)と、測定精度が低下するところ、水平多関節ロボットにおける第一アームや第二アームは、略水平方向での移動のみが許容されていて、鉛直方向での動きが拘束されているため、第一アームや第二アームが高精度で水平を維持し、第二アームの先端部に取り付けた昇降体の移動方向を鉛直方向に維持できるからである。水平多関節ロボットは、「Selective Compliance Assembly Robot Arm」と英語表記され、その頭文字を取って「SCARAロボット」や「スカラロボット」と表記されることもある。
【0011】
本発明の内径測定装置においては、ワーク支持手段を、ワークに接触しながらも、少なくとも略水平方向におけるワークの変位を許容する状態でワークを支持するものとすると好ましい。従来、被測定穴の内径の測定を行う場合には、ワークを高精度で位置決めすることが技術常識であった。しかし、本発明の発明者は、これとは逆の発想で、ワークの変位を許容した状態で測定を行うことによって、むしろ測定精度を高めることができることを見出した。この点については、後で詳しく説明する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によって、ワークに形成された穴の内径を、高精度かつ短時間で測定することができる内径測定装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る内径測定装置を示した側面図である。
図2図1の内径測定装置を、同図における破線囲み部Pで抜き出して拡大した図であって、エアマイクロメータのエアノズルがワークの被測定穴に挿入される前の状態を示した図である。
図3図1の内径測定装置を、同図における破線囲み部Pで抜き出して拡大した図であって、エアマイクロメータのエアノズルがワークの被測定穴に挿入された状態を示した図である。
図4】本発明に係る内径測定装置のテーブルにワークを搬入するワーク搬入手段、及び、テーブルからワークを搬出するワーク搬出手段の動作を説明する図である。
図5】本発明に係る内径測定装置におけるワーク支持手段の他の例を示した斜視図である。
図6図5のワーク支持手段を、同図におけるA-A面で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明に係る内径測定装置1を示した側面図である。図2及び図3は、図1の内径測定装置1を、同図における破線囲み部Pで抜き出して拡大した図である。図2は、エアマイクロメータ20のエアノズル21がワーク2の被測定穴2aに挿入される前の状態を示しており、図3は、エアマイクロメータ20のエアノズル21がワーク2の被測定穴2aに挿入された状態を示している。図2及び図3においては、ワーク2及びテーブル30を、ワーク2の中心軸を通る平面で切断した断面で示している。各図面に表示しているx軸、y軸、z軸は、異なる図面間においても一致させている。以下においては、説明の便宜上、z軸方向正側を「上」、負側を「下」と表現することがある。
【0015】
本実施態様の内径測定装置1は、円筒状のワーク2に形成された被測定穴2a(図2を参照。)の内径Dを測定するためのものである。以下においては、この内径Dの仕様値が45mm程度であるとして説明する。
【0016】
内径測定装置1は、図1に示すように、ロボットアーム10と、エアマイクロメータ20と、テーブル30(ワーク支持手段)とを備えている。本実施態様の内径測定装置1では、ロボットアーム10として、シャフト11と、第一アーム12と、第一アーム12の先端部に取り付けられた第二アーム13と、第二アーム13の先端部に取り付けられた昇降体14とを備えた水平多関節ロボット(スカラロボット)を採用している。第一アーム12は、シャフト11に対して水平方向(z軸に垂直な方向)に揺動可能となっており、第二アーム13は、第一アーム12に対して水平方向に揺動可能となっている。昇降体14は、第二アーム13に対して鉛直方向(z軸方向に平行な方向)に昇降移動するようになっている。昇降体14の先端部には、エアマイクロメータ20のエアノズル21が取り付けられている。このように、本実施態様の内径測定装置1においては、エアマイクロメータ20のエアノズル21を移動させる手段としてロボットアーム10を採用しているため、エアノズル21を高速で3次元的に移動させることができる。
【0017】
昇降体14とエアノズル21との間には、フローティングユニット22が介在している。これにより、エアノズル21は、水平方向(x-y平面に平行な方向)への変位が許容された状態となっている。本実施態様においては、±0.25mm以内の変位を許容するフローティングユニット22を採用している。
【0018】
エアノズル21は、図2に示すように、円筒形を為しており、その外周部には複数個のエア噴出口21aが設けられている。これらのエア噴出口21aは、エアノズル21に放射状に(エアノズル21の中心軸Cの周りに回転対称に)設けられる。エア噴出口21aは、通常3個以上とされる。本実施態様においては、90度の回転対称に配した4個のエア噴出孔21aを上下2段に配している。このため、エアノズル21には計8個のエア噴出口21aが設けられている。
【0019】
テーブル30は、測定時にワーク2を支持するものである。テーブル30は、水平方向に略平行な平板状となっている。テーブル30における、測定時にワーク2が配される位置(以下、「測定位置」という。)には、図2に示すように、貫通孔31が設けられている。この貫通孔31は、図3に示すように、エアマイクロメータ20のエアノズル21がワーク2の被測定穴2aに挿入された際に、エアノズル21がテーブル30に干渉しないようにするためのものである。貫通孔31の内径D図2)は、被測定穴2aの内径D図2)よりも1mm程度大きくなっている。
【0020】
以下、被測定穴2aの内径Dの測定手順について説明する。測定の開始に際しては、まず、テーブル30にワーク2を設置する。ワーク2は、後述するワーク搬入手段によって搬入される。このとき、ワーク2は、エアノズル21に対して高精度で位置決めされていなくともよい。具体的には、被測定穴2aの中心軸C図2を参照。)とエアノズル21の中心軸Cとが、±0.1mm程度の誤差範囲内で一致していれば足りる。この理由は後で説明する。
【0021】
ワーク2の設置が完了すると、ロボットアーム10を駆動して、図2に示すように、エアノズル21をワーク2の上方に移動させる。この移動は、ボールねじを使用した場合に比べて、格段に短時間で行うことができる。続いて、図3に示すように、昇降体14が下降し、エアノズル21が被測定穴2aの内部に挿入される。このとき、被測定穴2aに対してエアノズル21が真っ直ぐに挿入されないと、測定精度が低下するところ、本実施態様においては、ロボットアーム10として水平多関節ロボットを採用しているため、エアノズル21を鉛直方向に保ったまま挿入することができる。
【0022】
被測定穴2a内にエアノズル21が挿入されると、エア噴出口21aからエアが放射状に噴出され、被測定穴2aの内径Dの測定が開始される。すなわち、それぞれのエア噴出口21におけるエア流量又はエア背圧が計測され、この計測結果に基づいて被測定穴2aの内径Dが測定される。このとき、被測定穴2aの中心軸C図2)とエアノズル21の中心軸C図2)との位置がずれていると、内径Dを正確に測定することができない。この点、本実施態様においては、フローティングユニット22によってエアノズル21が外力による変位を許容した状態となっているところ、エア噴出口21aから放射状に噴出されるエアの圧力によってエアノズル21が自動的に変位して(エアノズル21の位置が自動的に補正され)、エアノズル21の中心軸Cが被測定穴2aの中心軸Cに高精度で一致するようになっている。このため、前述したようにワーク2の位置決めが低精度であっても、高い繰り返し精度で内径測定を行うことができる。本実施態様の内径測定装置1の繰り返し測定精度は、±0.5μm程度となっている。
【0023】
1つのワーク2の測定が終了すると、図2に示すように、エアノズル21が上昇することによって被測定穴2aから退出し、ワーク2が新たなものに交換されて次の測定が行われる。このように、2回目以降の測定を行う際には、エアノズル21は鉛直方向(z軸方向)に昇降するだけでよく、水平方向(x-y平面方向)へは移動する必要がない。このため、より短時間で多くのワーク2を測定することができる。以上のように、本実施態様の内径測定装置1を用いれば、被測定穴2aの内径Dを高精度かつ短時間で測定することができる。
【0024】
エアノズル21を移動させるロボットアーム10は、ワーク2や被測定穴2aの形状等によって、適宜好適なものを選択して使用することができる。ロボットアームとしては、回転軸(関節)を1箇所だけ有する単軸ロボットを採用してもよいが、回転軸を2箇所以上有する多関節ロボットを採用すると、より高い自由度でエアノズル21を移動させることができるため好ましい。多関節ロボットとしては、水平多関節ロボットと垂直多関節ロボットとが知られており、いずれを採用してもよいが、水平多関節ロボットを採用すると、昇降体14(エアノズル21)の移動方向を鉛直方向に維持しやすいため好ましい。
【0025】
水平多関節ロボットを採用する場合には、ボールねじではなくシリンダによって昇降体14が昇降されるものを選択すると、昇降体14を短時間で昇降させることができるため好ましい。水平多関節ロボットは、可搬重量がエアマイクロメータ20のエアノズル21の1.2倍以上であり、繰り返し位置精度が±20μm以下のものを選択すると好ましい。本実施態様においては、繰り返し位置精度が±10μmであるアイエイアイ社製のIXAシリーズを採用している。
【0026】
ところで、測定の精度を高めるためには、エアノズル21を被測定穴2aに対して真っ直ぐに挿入する(すなわち、エアノズル21の中心軸C図2)を、被測定穴2aの中心軸C図2)に対して平行に保ったままエアノズル21を下降させる)ことも重要である。フローティングユニット22は、エアノズル21の位置を補正するものであり、傾きまで補正するものではない。したがって、エアノズル21を昇降させる昇降体14の移動方向と、被測定穴2aの中心軸C(すなわち、鉛直方向)との角度差は、1度以下とすることが好ましく、0.7度以下とすることがより好ましく、0.5度以下とすることがさらに好ましい。本実施態様においては、昇降体14の移動方向と、被測定穴2aの中心軸Cとの角度差を、0.3度以下としている。
【0027】
また、エアマイクロメータ20及びエアノズル21は、被測定穴2aの形状や求められる測定精度に合わせて、適宜選択される。本実施態様におけるエアマイクロメータ20は、東京精密社製の計測速度が2μmのものを採用している。
【0028】
ところで、既に述べたように、高い測定精度で内径測定を行う場合には、ワークを高精度で位置決めした状態で(ワークが変位しないようにした状態で)測定を行うことが従来の技術常識であった。しかし、本実施態様の内径測定装置1においては、ワーク2の水平方向における変位を許容した状態で測定を行うようにしている。具体的には、図3に示すように、ワーク2を平板状のテーブル30の上に置いただけの状態で(治具等でワーク2を固定していない状態で)測定を行う。これにより、被測定穴2aに挿入されたエアノズル21のエア噴出口21aからエアが噴出された際には、そのエア圧によってエアノズル21だけでなくワーク2も変位するようになる。すると、フローティングユニット22によるエアノズル21の位置補正が不十分であったとしても、ワーク2側が変位することによって、エアノズル21の中心軸Cと被測定穴2aの中心軸Cとを精度高く一致させることができる。したがって、ワーク2を高精度で位置決めした場合よりも、むしろ高い繰り返し精度で測定を行うことができる。
【0029】
ここで、ワーク2の水平方向への変位を許容することだけを考慮すると、エア圧や磁力等でワーク2をテーブル30から浮かせる方法を採用することもできる。しかし、この場合には、非常に小さな力でもワーク2が大きく変位するようになってしまい、ワーク2の位置がふらついて安定せず、測定精度が低下するおそれがある。このため、本実施態様においては、ワーク2をテーブル30(ワーク支持手段)に接触させた状態で測定を行うようにしている。ただし、ワーク2とテーブル30との摩擦が小さくなるように、テーブル30の上面を、滑らかな平面に形成している。
【0030】
本実施態様の内径測定装置1においては、既に述べたように、ワーク2を高精度で位置決めする必要がない。したがって、ワーク2を測定位置に搬入するワーク搬入手段、及び、ワーク2を測定位置から搬出するワーク搬出手段は、位置決め精度の低いものであっても足りる(すなわち、制約が少ない)。以下、本実施態様の内径測定装置1で採用したワーク搬入手段及びワーク搬出手段について、詳しく説明する。
【0031】
図4は、本発明に係る内径測定装置1のテーブル30にワーク2を搬入するワーク搬入手段、及び、テーブル30からワーク2を搬出するワーク搬出手段の動作を説明する図である。図4は、テーブル30を上方から見た状態を示している。また、図4においては、測定位置にあるワーク2を実線で示しており、搬入途中のワーク2及び搬出途中のワーク2を点線で示している。
【0032】
本実施態様においては、ワーク搬入手段及びワーク搬出手段として、ベルトコンベア(搬入コンベア41、良品搬出コンベア42及び不良品搬出コンベア43)と、プッシャー44とを組み合わせたものを採用している。搬入コンベア41は、ワーク2を搬入するためのものであり、図4に示すように、テーブル30の一側に隣接して設けられている。良品搬出コンベア42は、測定後のワーク2のうち、所定の基準を満たしたものを搬出するためのものであり、テーブル30の他側に隣接して設けられている。不良品搬出コンベア43は、測定後のワーク2のうち、所定の基準を満たさなかったものを搬出するためのものであり、良品搬出コンベア42の他側に隣接して設けられている。プッシャー44は、ワーク2を側方から押して移動させるためのものであり、テーブル30の一側における搬入コンベア41よりも外側に設けられている。プッシャー44は、V字状に形成された先端部44aと、先端部44aをワーク2に向かって進退移動させるシリンダ44bとを備えている。
【0033】
以下、ワーク2を測定位置に搬入する手順について説明する。測定に供されるワーク2は、まず、図4の矢印Sで示すように、搬入コンベア41に乗って測定位置の側方まで搬送されてくる。次に、プッシャー44の先端部44aが、同図の矢印αに示すように、搬入コンベア41上のワーク2を側方から測定位置に向かって押す。これにより、同図の矢印Sで示すように、ワーク2が測定位置へと移動する。本実施態様においては、プッシャー44の駆動手段としてシリンダ44bを採用しているため、ボールねじ等を採用した場合に比べて、短時間でワーク2を搬入することができる。以上でワーク2の搬入が完了する。
【0034】
このとき、プッシャー44の先端部44aがV字状に形成されていることにより、ワーク2が先端部44aに対して毎回同じ位置におさまるため、搬入コンベア41によるワーク2の搬送位置(図4におけるy方向の位置)が測定位置に対して多少ずれていたとしても、ある程度の精度でワーク2を測定位置に配することができる。先端部44aの形状は、V字状に限定されず、測定しようとするワーク2の形状に合わせて、多角形状や、アーチ状や、突起状等としてもよい。
【0035】
続いて、ワーク2を測定位置から搬出する手順について説明する。測定を終えたワーク2のうち、内径Dが基準範囲内であったものは、図4の矢印Sに示すように、プッシャー44によって測定位置から良品搬出コンベア42上へと押し動かされ、同図の矢印Sに示すように、良品搬出コンベア42に乗って搬送されていく。一方、測定を終えたワーク2のうち、内径Dが基準範囲外であったものは、同図の矢印Sに示すように、プッシャー44によって測定位置から不良品搬出コンベア43上へと押し動かされ、同図の矢印Sに示すように、不良品搬出コンベア43に乗って搬送されていく。以上でワーク2の搬出が完了する。
【0036】
ところで、ワーク2の搬入及び搬出を行う際には、ワーク2やワーク搬入手段やワーク搬出手段がエアマイクロメータ20のエアノズル21と干渉しないようにする必要がある。この点、本実施態様においては、図2に示すように、エアノズル21を測定位置の上方に上昇させるだけで、ワーク2等がエアノズル21と干渉しないようにすることができる。換言すると、ワーク2を搬入し、測定し、搬出するという一連の過程において、エアノズル21はz軸方向に昇降するだけで足り、x軸方向やy軸方向に移動する必要がない。これにより、エアノズル21の移動に要する時間をより短くすることができる。また、繰り返し精度をより高めることもできる。
【0037】
これは、ワーク搬入手段及びワーク搬出手段として、プッシャー44を採用したことによる効果である。すなわち、プッシャー44は、エアノズル21がワーク2に近づいてくる方向(鉛直方向)に垂直な方向(水平方向)の動作によってワーク2を測定位置に搬入出するものであるため、エアノズル21を測定位置の上方からさらに側方に逃がさなくとも、エアノズル21に干渉することなくワーク2の搬入出を行うことができる。
【0038】
ワーク搬入手段は、上記のものに限定されず、ワーク2の形状等に合わせて種々のものを選択することができる。本発明においては、前述したように、ワーク搬入手段に高い精度は求められない。したがって、幅広い選択肢の中からワーク搬入手段を選択することができる。ワーク搬入手段は、例えば、プッシャー44のほか、移載シリンダや、ロボット(多関節ロボットや、単軸ロボットや、直行ロボット等)や、ピックアンドプレース等であってもよい。ワーク搬出手段も同様の選択肢の中から採用することができる。ワーク搬入手段は、±0.2mm以下の繰り返し誤差でワークを搬入できるものとすると好ましく、±0.1mm以下の繰り返し誤差でワークを搬入できるものとするとより好ましい。
【0039】
以上で説明した本実施態様の内径測定装置1においては、ワーク支持手段としてテーブル30を採用していた。以下、ワーク支持手段の他の例について説明する。なお、以下で述べる構成以外の構成については、先に説明した内径測定装置1と同様のものを採用することができる。
【0040】
図5は、本発明に係る内径測定装置1におけるワーク支持手段の他の例を示した斜視図である。図5に示すワーク支持手段51は、同図に示されるように、被測定穴3aを挟む位置に一対の穴3bを有する略四角柱状のワーク3を支持するためのものである。
【0041】
図5に示す実施態様においては、ワーク3を支持するワーク支持手段として、板状のパレット50上に立設されたワーク支持ピン51を採用している。ワーク支持ピン51は、2本を一組として、1枚のパレット50に4組設けられている。ワーク3は、一対の穴3bに1組のワーク支持ピン51をそれぞれ挿入された状態で支持される。すなわち、一枚のパレット50に、4個のワーク3を積載することができるようになっている。
【0042】
このワーク3は、パレット50ごと測定位置へ搬入出される。すなわち、別の場所でワーク3を積載されたパレット50は、ベルトコンベア等で側方から測定位置へと搬入される。パレット50(ワーク3)の搬入が完了すると、ロボットアーム10(図1を参照。)がエアノズル21を三次元的に移動させて、パレット50に積載された4個のワーク3の被測定穴3aを順に測定する。4個のワーク3全ての測定が終了すると、パレット50ごとワーク3が測定位置から搬出される。これにより、ワーク3を1個ずつ搬入出する場合に比べて、時間を大幅に節約することができる。4個のワーク3の測定に要する時間は、90秒以内となっている。
【0043】
図6は、図5のワーク支持手段を、同図におけるA-A面で切断した断面図である。ワーク支持ピン51の長手方向中間部分には、図6に示すように、フランジ51aが設けられている。ワーク3は、フランジ51a上に乗った状態で支持される。ワーク支持ピン51と、穴3bとの間には、図6の拡大部分に示すように、隙間が設けられている。換言すると、ワーク支持ピン51の直径は、穴3bの内径よりも小さくなっている。また、フランジ51aの上面は、水平方向に略平行で滑らかな平面となっている。この隙間があることと、フランジ51aの上面が滑らかな平面状に形成されていることにより、ワーク3は、水平方向における変位が許容された状態でワーク支持ピン51に支持されている。これにより、ワーク支持手段としてテーブル30を採用した場合と同様に、より高精度で被測定穴3aの内径を測定することができる。この隙間の幅Wは、通常、0.2mm以下とされる。図5に示す実施態様においては、幅Wを0.1mm程度としている。
【0044】
ワーク支持手段は、以上で述べたものに限定されず、ワークの形状等によって適宜選択される。ワーク支持手段としては、テーブル30(図1を参照。)や、ワーク支持ピン51(図6を参照。)のほか、カップ状のものや、ワークに形成された凹部に合わせた形状の凸部を有するもの等を採用することができる。
【0045】
本発明の内径測定装置は、精密測定用の装置として好適に用いることができる。より具体的には、±10μm以下の誤差が要求される精密測定に本発明を用いると、本発明の意義を高めることができるため好ましい。既に述べたように、本発明の内径測定装置は、繰り返し誤差±0.5μm程度という非常に高い測定精度を有するものであるため、要求される誤差範囲が±0.5μmよりも大きい場合であれば好適に用いることができる。すなわち、例えば、±6μm以下の誤差が要求される場合や、±4μm以下の誤差が要求される場合や、±2μm以下の誤差が要求される場合や、±1μm以下の誤差が要求される場合にも用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 内径測定装置
2 ワーク
2a 被測定穴
3 ワーク
3a 被測定穴
3b 穴
10 ロボットアーム
11 シャフト
12 第一アーム
13 第二アーム
14 昇降体
20 エアマイクロメータ
21 エアノズル
21a エア噴出口
22 フローティングユニット
30 テーブル(ワーク支持手段)
31 貫通孔
41 搬入コンベア
42 良品搬出コンベア
43 不良品搬出コンベア
44 プッシャー
44a 先端部
44b シリンダ
50 パレット
51 ワーク支持ピン(ワーク支持手段)
51a フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-01-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに形成された被測定穴の内径を測定する内径測定方法であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備えた内径測定装置を用い、
ワーク支持手段にワークを接触させながらも、少なくとも略水平方向におけるワークの変位を許容した状態で被測定穴の内径を測定する
ことを特徴とする内径測定方法。
【請求項2】
ロボットアームが、
略水平方向に揺動する第一アームと、
第一アームの先端部に接続され、略水平方向に揺動する第二アームと、
第二アームの先端部に取り付けられ、略鉛直方向に昇降する昇降体と
を備えた水平多関節ロボットとされた
請求項1記載の内径測定方法
【請求項3】
ワークに形成された被測定穴の内径を測定する内径測定装置であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備え
ワーク支持手段が、略水平な平面状の上面を有するテーブルとされ、
前記テーブルの上面にワークを載せることによって、略水平方向におけるワークの変位を許容した状態で被測定穴の内径を測定することができるようにした
ことを特徴とする内径測定装置。
【請求項4】
ワークを略水平な方向から押すことによって前記テーブル上の測定位置へと搬入するプッシャーをさらに備えた請求項3記載の内径測定装置。
【請求項5】
ワークに形成された被測定穴の内径を測定する内径測定装置であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備え
ワーク支持手段が、
ワークに形成された被測定穴以外の穴(以下、「支持用穴」という。)に挿通される支持用穴挿通部と、
支持用穴挿通部よりも下方に設けられ、略水平な平面状の上面を有するフランジと
を備えたワーク支持ピンとされ、
前記フランジの上面に、ワークにおける支持用穴の縁部を載せることによって、略水平方向におけるワークの変位を許容した状態で被測定穴の内径を測定することができるようにした
ことを特徴とする内径測定装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
また、エアマイクロメータ20及びエアノズル21は、被測定穴2aの形状や求められる測定精度に合わせて、適宜選択される。本実施態様におけるエアマイクロメータ20は、東京精密社製の計測精度が2μmのものを採用している。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに形成された被測定穴の内径を測定する内径測定方法であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備えた内径測定装置を用い、
ワーク支持手段にワークを接触させた状態で、かつ、少なくとも略水平方向におけるワークの変位であって、被測定穴に挿入されたエアノズルから噴出されるエアの圧力による変位を許容した状態で被測定穴の内径を測定する
ことを特徴とする内径測定方法。
【請求項2】
ロボットアームが、
略水平方向に揺動する第一アームと、
第一アームの先端部に接続され、略水平方向に揺動する第二アームと、
第二アームの先端部に取り付けられ、略鉛直方向に昇降する昇降体と
を備えた水平多関節ロボットとされた
請求項1記載の内径測定方法。
【請求項3】
ワークに形成された被測定穴の内径を測定する内径測定装置であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備え、
ワーク支持手段が、略水平な平面状の上面を有するテーブルとされ、
前記テーブルの上面にワークを載せることによって、略水平方向におけるワークの変位であって、被測定穴に挿入されたエアノズルから噴出されるエアの圧力による変位を許容した状態で被測定穴の内径を測定することができるようにした
ことを特徴とする内径測定装置。
【請求項4】
ワークを略水平な方向から押すことによって前記テーブル上の測定位置へと搬入するプッシャーをさらに備えた請求項3記載の内径測定装置。
【請求項5】
ワークに形成された被測定穴の内径を測定する内径測定装置であって、
ワークを支持するワーク支持手段と、
被測定穴の内部に挿入されて、被測定穴の径方向に放射状にエアを噴出するエアノズルを有し、エアノズルから噴出されるエアの流量又は圧力によって被測定穴の内径を測定するエアマイクロメータと、
エアノズルを三次元的に移動させるロボットアームと、
エアノズルとロボットアームとの間に介在され、被測定穴の径方向におけるエアノズルの変位を許容するフローティングユニットと
を備え、
ワーク支持手段が、
ワークに形成された被測定穴以外の穴(以下、「支持用穴」という。)に挿通される支持用穴挿通部と、
支持用穴挿通部よりも下方に設けられ、略水平な平面状の上面を有するフランジと
を備えたワーク支持ピンとされ、
前記フランジの上面に、ワークにおける支持用穴の縁部を載せることによって、略水平方向におけるワークの変位であって、被測定穴に挿入されたエアノズルから噴出されるエアの圧力による変位を許容した状態で被測定穴の内径を測定することができるようにした
ことを特徴とする内径測定装置。