(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105113
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】アンテナを集積したディスプレイ、表示装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01Q 5/321 20150101AFI20220705BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220705BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220705BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20220705BHJP
H01Q 21/08 20060101ALI20220705BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
H01Q5/321
G09F9/30 349Z
G09F9/00 366A
G09F9/00 348Z
H01Q1/38
H01Q21/08
G06F3/041 420
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022073956
(22)【出願日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】202210135134.9
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】318017899
【氏名又は名称】ユング(グアン)テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ファン-チュ
(72)【発明者】
【氏名】クイ シュアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー ジェ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アンテナを集積したディスプレイ、表示装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器1において、アンテナ2は、ディスプレイ100に集積され、ミリ波アンテナ21を含む。ミリ波アンテナは、複数のミリ波アンテナユニット211を含む。少なくとも2つのミリ波アンテナユニットは、互いに接続されて接続構造を形成する。接続構造は、多重化されて少なくとも非ミリ波アンテナの第1部分221を構成する。
【効果】アンテナを集積したディスプレイ、表示装置及び電子機器は、アンテナのサイズを有効的に小さくし、ディスプレイの視覚的光学効果及びタッチ効果へのアンテナの影響を低減させて、ディスプレイの機能及び価値を高めるとともに、ユーザの視覚的及び触覚的体験も保障することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを集積したディスプレイであって、
前記アンテナは、複数のミリ波アンテナユニットを含むミリ波アンテナを含み、
少なくとも2つの前記ミリ波アンテナユニットは互いに接続されて接続構造を形成し、前記接続構造は、多重化されて少なくとも非ミリ波アンテナの第1部分を構成する、ことを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
前記ディスプレイは、導電性グリッド層を含み、前記アンテナは、前記導電性グリッド層の少なくとも一部のパターンから構成され、前記ミリ波アンテナユニットは、第1方向に延びる複数の第1導線と、第2方向に延びる複数の第2導線とが交差して形成された導電性グリッドを含み、
前記第1方向は前記第2方向と相交わる、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記導電性グリッド層はタッチ層として構成され、前記アンテナは、前記タッチ層のうちの少なくとも一部のパターンから構成され、
前記非ミリ波アンテナは第1接続線を更に含み、
前記接続構造において少なくとも2つの前記ミリ波アンテナユニットの間は、少なくとも1つの前記第1接続線によって接続されている、ことを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記第1接続線の線幅は、前記第1導線又は前記第2導線の線幅以下である、ことを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記接続構造において少なくとも2つの前記ミリ波アンテナユニットの間は複数の前記第1接続線によって接続され、且つ、当該複数の前記第1接続線の線幅の合計は第1サイズとし、前記ミリ波アンテナユニットと当該複数の前記第1接続線とが対応して接続された側辺の長さは第2サイズとし、前記第1サイズは前記第2サイズの1/4以下である、ことを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記非ミリ波アンテナは、第2部分、第1接続線及び第2接続線を更に含み、前記第2部分は前記ミリ波アンテナに隣接し、
前記接続構造において少なくとも2つの前記ミリ波アンテナユニットの間は、少なくとも1つの前記第1接続線によって接続され、前記第2部分は、前記第2接続線により前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットと接続されており、
或いは、前記接続構造における各前記ミリ波アンテナユニットは別々設置され、それぞれ前記第2接続線により前記第2部分と接続されており、
前記第2部分は、前記ミリ波アンテナの一側に位置し、又は前記ミリ波アンテナを囲むように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記アンテナはグラウンド部をさらに含み、
前記グラウンド部は、前記ミリ波アンテナから離れた前記第2部分の側に位置し、前記第2部分と接続され、
或いは、前記グラウンド部は、前記第2部分から離れた前記ミリ波アンテナの側に位置し、前記第2接続線により前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットと接続され、
或いは、前記グラウンド部は、前記ミリ波アンテナと前記第2部分との間に位置し、前記第2接続線により前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットと接続され、
或いは、前記非ミリ波アンテナは、少なくとも2つ含み、前記グラウンド部は、隣接する2つの前記非ミリ波アンテナの間に位置している、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記第1部分は延伸部を更に含み、前記延伸部は、前記第2部分から離れた前記ミリ波アンテナの側に位置し、又は、前記延伸部は前記第2部分と前記ミリ波アンテナとの間に位置しており、
前記延伸部は、一端が前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットと接続され、他端が吊られており、
前記延伸部は、一端が吊られた少なくとも1つの前記第1接続線から構成される、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記第2部分は、頭段、尾段、及び前記頭段と前記尾段との間に接続された中段を含み、前記頭段は、非ミリ波無線周波数集積回路に接続されるように構成され、
前記頭段は、前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットと接続され、
或いは、前記頭段と前記尾段は、それぞれ前記ミリ波アンテナの両側に位置し、前記尾段は、前記接続構造において当該前記尾段に最も近い前記ミリ波アンテナユニットと接続されている、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記非ミリ波アンテナは少なくとも2つ含み、異なる前記非ミリ波アンテナにおける前記第2部分の構造が異なる、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記非ミリ波アンテナは少なくとも2つ含み、前記アンテナは、隣接する2つの前記非ミリ波アンテナの間に位置する分離部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記分離部は、隣接する2つの前記非ミリ波アンテナとそれぞれ接続されており、
前記アンテナは第3接続線を更に含み、前記分離部は、前記第3接続線により隣接する前記非ミリ波アンテナのうち当該前記分離部に最も近い前記ミリ波アンテナユニットと接続されている、ことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
表示装置であって、請求項1~12のいずれか一項に記載のアンテナを集積したディスプレイを含み、
フレキシブル回路基板、及び前記フレキシブル回路基板に設けられたミリ波無線周波数集積回路と接続台を更に含み、前記ミリ波無線周波数集積回路は、前記フレキシブル回路基板により前記ミリ波アンテナユニット及び前記接続台と接続され、前記接続台は、前記フレキシブル回路基板により前記非ミリ波アンテナと接続されているとともに、非ミリ波無線周波数集積回路に接続されるように構成され、
或いは、フレキシブル回路基板、及びそれぞれ前記フレキシブル回路基板に設けられたミリ波無線周波数集積回路と非ミリ波無線周波数集積回路を更に含み、前記ミリ波無線周波数集積回路は、前記フレキシブル回路基板により前記ミリ波アンテナユニットと接続され、前記非ミリ波無線周波数集積回路は、前記フレキシブル回路基板により前記非ミリ波アンテナと接続されている、ことを特徴とする表示装置。
【請求項14】
電子機器であって、請求項13に記載の表示装置を含み、
前記非ミリ波アンテナをチューニングするための非ミリ波チューニングデバイスを更に含み、前記非ミリ波チューニングデバイスは、前記フレキシブル回路基板に設けられており、
或いは、前記フレキシブル回路基板に接続されたプリント回路基板を更に含み、前記非ミリ波チューニングデバイスは、前記プリント回路基板に設けられている、ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特にアンテナを集積したディスプレイ、表示装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術及び通信技術の発展に伴い、無線通信機能を持つ電子機器において表示装置のスクリーン対ボディ比(screen-to-body ratio)はしばしば増加し、電子機器においてアンテナの種類及び数も多くなっている。例えば、5G無線移動通信(the 5th generation mobile communications)の時代に、無線通信の周波数スペクトルは、ミリ波(millimeter-wave,mm-wave)波帯及び非ミリ波(non-mm-wave)波帯をカバーするとともに、5G時代に、4G(非ミリ波)の周波数スペクトルは依然として継続している。故に、5Gミリ波機能を有する電子機器、例えば携帯電話は、その中に動作周波数帯域がミリ波帯をカバー可能な第1タイプアンテナが設けられるほかに、一般的に動作周波数帯域が非ミリ波帯(例えば5G又は4G)をカバー可能な第2タイプアンテナも設けられる。
【0003】
しかし、電子機器において表示装置のスクリーン対ボディ比が高くなるほど、アンテナの配置可能な位置が限られ、且つ、アンテナは、一般的には、使用時(例えば手で握ったり金属製のテーブル上に置いたりする)に、より遮蔽されやすくて、アンテナの性能が著しく低下し、ユーザのワイヤレスエクスペリエンスに影響を与えるおそれがある。これに鑑みて、電子機器の表示装置にアンテナを集積することが考えられ、例えば、アンテナオンディスプレイ(Antenna-on-Display,AoDと略称する)という設計方式を採用することは、電子機器におけるアンテナの設計の発展傾向になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、アンテナを電子機器における表示装置のディスプレイに集積するとともに、当該アンテナの動作周波数帯域がミリ波帯と非ミリ波帯との両方を同時にカバーできるアンテナを集積したディスプレイ、表示装置及び電子機器を提供する必要がある。本発明は、アンテナのサイズを有効的に小さくし(即ち、前記2種類のアンテナオンディスプレイが別々設置された場合のサイズの合計よりも小さくなる)、ディスプレイの視覚的光学効果とタッチ効果への影響を低減させて、ディスプレイの機能及び価値を高めるとともに、ユーザの視覚的及び触覚的体験も保障することができるアンテナを集積したディスプレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一様態によれば、アンテナを集積したディスプレイが提供される。当該アンテナはミリ波アンテナを含む。ミリ波アンテナは複数のミリ波アンテナユニットを含む。ここで、少なくとも2つのミリ波アンテナユニットは互いに接続されて接続構造を形成し、当該接続構造は多重化されて少なくとも非ミリ波アンテナの第1部分を構成する。
【0006】
本発明では、少なくとも2つのミリ波アンテナユニットが互いに接続された接続構造を多重化して、少なくとも非ミリ波アンテナの第1部分を構成し、即ち、当該接続構造は、非ミリ波アンテナと同等である機能を有し、ミリ波アンテナ又はその一部に非ミリ波アンテナと同等である機能を具備させることができる。このように、導電性グリッド層においてカットされてアンテナを形成するための領域の数及び導電性グリッド層において異なるカット領域のカットパターンの間の相違の低減に寄与して、ディスプレイの視覚的光学効果及びタッチ効果が確保される。
【0007】
いくつかの実施例において、ディスプレイは導電性グリッド層を含み、アンテナは導電性グリッド層の少なくとも一部のパターンから構成され、ミリ波アンテナユニットは、第1方向に延びる複数の第1導線と第2方向に延びる複数の第2導線とが交差して形成された導電性グリッドを含む。
【0008】
好ましくは、第1方向は第2方向と相交わる。
【0009】
好ましくは、第1方向は第2方向と直交する。
【0010】
好ましくは、導電性グリッド層はタッチ層として構成される。アンテナはタッチ層の少なくとも一部のパターンから構成される。
【0011】
いくつかの実施例において、非ミリ波アンテナは少なくとも1つの第1接続線を更に含む。前記接続構造において少なくとも2つのミリ波アンテナユニットの間は、少なくとも1つの第1接続線によって接続され、この第1接続線は、前記少なくとも2つのミリ波アンテナユニットの間のミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成される。
【0012】
好ましくは、第1接続線の線幅は、第1導線又は第2導線の線幅以下である。第1接続線の線幅とは、表示パネルに平行な平面における第1接続線の正投影の、第1接続線の延伸方向に垂直な方向におけるサイズを指す。このように、第1接続線の線幅は第1導線又は第2導線の線幅と同じであり、アンテナの製造プロセスの成熟性、簡略性及び低コストを確保することができる。
【0013】
好ましくは、接続構造において少なくとも2つのミリ波アンテナユニットの間は複数の第1接続線によって接続され、且つ当該複数の第1接続線の線幅の合計は第1サイズとし、ミリ波アンテナユニットと当該複数の第1接続線とが対応して接続された側辺の長さは第2サイズとし、第1サイズは第2サイズの1/4以下である。
【0014】
好ましくは、第1接続線は直線、折線又はアーク線を呈するように構成される。
【0015】
本発明では、小さい線幅を有する第1接続線は、ミリ波帯のエネルギーに対してフィルタリング遮断をよく行うことができるが、非ミリ波帯に対するエネルギーフィルタリング遮断が少ない。従って、接続構造において、2つのミリ波アンテナユニットの間は、ミリ波帯に対してよいフィルタリング遮断機能を有する第1接続線を採用して接続されることにより、ミリ波アンテナユニットのそれぞれの動作周波数帯域でのアンテナ性能が確保され、両方間の接続によるアンテナ性能への影響の度合いが低減する。そして、当該2つのミリ波アンテナユニットの間の第1接続線は非ミリ波帯のエネルギーに対してフィルタリング遮断をあまり行わないため、複数のミリ波アンテナユニットが接続された接続構造を非ミリ波アンテナ又は非ミリ波アンテナの第1部分として多重化することは、非ミリ波アンテナのアンテナ性能に影響を与えない。
【0016】
いくつかの実施例において、非ミリ波アンテナは、第2部分、第1接続線及び第2接続線をさらに含む。第2部分はミリ波アンテナに隣接している。
【0017】
好ましくは、第2部分は、ミリ波アンテナの一側に位置し、又はミリ波アンテナを囲むように構成される。
【0018】
可能な一実施形態において、接続構造において少なくとも2つのミリ波アンテナユニットの間は、少なくとも1つの第1接続線によって接続されている。第2部分は、第2接続線により接続構造におけるいずれかのミリ波アンテナユニットと接続されている。ここで、第1接続線は、ミリ波アンテナユニットの間でのミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成され、第2接続線は、ミリ波アンテナユニットと非ミリ波アンテナの第2部分との間でのミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成される。
【0019】
例示としては、非ミリ波アンテナの第2部分は、頭段、尾段、頭段と尾段の間に接続された中段を含み、当該頭段は非ミリ波無線周波数集積回路に接続されるように構成される。
【0020】
好ましくは、非ミリ波アンテナの第2部分の頭段は、接続構造におけるいずれかのミリ波アンテナユニットと接続されている。
【0021】
好ましくは、非ミリ波アンテナの第2部分の頭段及び尾段は、それぞれミリ波アンテナの両側に位置し、且つ当該尾段は、接続構造において当該尾段から最も近いミリ波アンテナユニットと接続されている。このように、非ミリ波アンテナの第2部分は、接続構造における複数のミリ波アンテナユニットの直列構造と直列に接続されるとともに、限られた空間範囲で、当該構造を採用した非ミリ波アンテナが長い長さ及び大きい面積を有するように確保して、非ミリ波アンテナの動作周波数及び帯域幅を合理的に制御することができる。
【0022】
別の可能な実施形態において、接続構造における各ミリ波アンテナユニットは別々設置され、それぞれ第2接続線により第2部分と接続されている。第2接続線は、ミリ波アンテナユニットと非ミリ波アンテナの第2部分の間でのミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成される。
【0023】
本発明では、接続構造を多重化して非ミリ波アンテナの第1部分を構成した上で、非ミリ波アンテナの第2部分及びその第2部分と第1部分との間の相対位置関係及び接続関係を設置することによって、非ミリ波アンテナの動作周波数及び帯域幅を合理的に制御することができる。そして、非ミリ波アンテナの第2部分と第1部分とが並列に接続されるいくつかの例示において、非ミリ波アンテナは、複数の異なる共振経路を有して、複数の異なる動作周波数帯域を持って、非ミリ波アンテナのマルチバンド通信を実現するようにしてもよい。
【0024】
本発明では、非ミリ波アンテナは、接続された第1部分及び第2部分を含み、且つ非ミリ波アンテナの第1部分はミリ波アンテナユニットを多重化して構成されたため、非ミリ波アンテナにおいて第1部分におけるミリ波アンテナユニット以外の他の組成部分のサイズ、例えば非ミリ波アンテナの第2部分の長さを小さくすることができる。つまり、同じ動作周波数で、非ミリ波アンテナにおいて多重化されて第1部分を構成するミリ波アンテナユニットが多いほど、非ミリ波アンテナにおいて第1部分以外の他の組成部分の長さは相対的に短くてもよい。このように、導電性グリッド層において非ミリ波アンテナの第2部分を形成するための導電性グリッドのカット長さの低減に寄与して、表示装置の視覚的光学効果及びタッチ効果をさらに確保する。
【0025】
いくつかの実施例において、アンテナは、グラウンド部をさらに含む。
【0026】
好ましくは、グラウンド部は、ミリ波アンテナから離れた非ミリ波アンテナの第2部分の側に位置し、非ミリ波アンテナの第2部分と接続されている。
【0027】
好ましくは、グラウンド部は、非ミリ波アンテナの第2部分から離れたミリ波アンテナの側に位置し、第2接続線により接続構造におけるいずれかのミリ波アンテナユニットと接続されている。
【0028】
好ましくは、グラウンド部、ミリ波アンテナと非ミリ波アンテナの第2部分との間に位置し、第2接続線により接続構造におけるいずれかのミリ波アンテナユニットと接続されている。
【0029】
好ましくは、非ミリ波アンテナは少なくとも2つ含む。グラウンド部は隣接する2つの非ミリ波アンテナの間に位置している。
【0030】
本発明では、アンテナの異なる位置にグラウンド部を設けることで、グラウンド部と非ミリ波アンテナ、ミリ波アンテナとの間の相対位置関係及び接続関係により、非ミリ波アンテナの動作周波数及び帯域幅を合理的に制御することができる。例えば、非ミリ波アンテナとグラウンド部とが直列に接続される場合には、非ミリ波アンテナの長さを長くして、アンテナのより低い動作周波数をカバーすることができる。
【0031】
いくつかの実施例において、非ミリ波アンテナの第1部分は延伸部をさらに含む。延伸部は、非ミリ波アンテナの第2部分から離れたミリ波アンテナの側に位置し、又は、延伸部は非ミリ波アンテナの第2部分とミリ波アンテナとの間に位置している。
【0032】
好ましくは、延伸部は一端が接続構造におけるいずれかのミリ波アンテナユニットと接続され、他端が吊られている。
【0033】
好ましくは、延伸部は一端が吊られた少なくとも1つの第1接続線から構成される。
【0034】
本発明では、非ミリ波アンテナの第1部分内に延伸部を設けることで、延伸部の長さを設定して、非ミリ波アンテナの第1部分の長さを調整することによって、非ミリ波アンテナの第1部分の動作周波数を制御することができる。
【0035】
いくつかの実施例において、アンテナは少なくとも2つの非ミリ波アンテナを含む。異なる非ミリ波アンテナにおいて第2部分の構造は異なる。この場合、同一のミリ波アンテナにおける異なるミリ波アンテナユニットを多重化して、2つ以上の非ミリ波アンテナの第1部分を形成することができる。そして、非ミリ波アンテナの第2部分を異なる輪郭の形状及び延伸長さを有するように設定することによって、非ミリ波アンテナの第2部分を異なる動作周波数及び帯域幅を有するように制御することができる。つまり、アンテナのうち、少なくとも二種類の異なるタイプの非ミリ波アンテナが同時に存在してもよい。
【0036】
いくつかの実施例において、アンテナは少なくとも2つの非ミリ波アンテナを含む。アンテナは、隣接する2つの非ミリ波アンテナの間に位置する分離部をさらに含む。このように、分離部によって隣接する非ミリ波アンテナを有効的に分離して、隣接する非ミリ波アンテナの間に互いに干渉することを避けることができる。よって、各非ミリ波アンテナがよいアンテナ性能を有するように確保される。
【0037】
好ましくは、分離部は隣接する2つの非ミリ波アンテナとそれぞれ接続されている。
【0038】
好ましくは、アンテナは少なくとも2つの第3接続線を更に含む。分離部は、第3接続線により隣接する非ミリ波アンテナのうち当該分離部に最も近いミリ波アンテナユニットと接続されている。
【0039】
本発明の他の一様態によれば、表示装置を提供する。表示装置は、上記のいくつかの実施例に記載のアンテナを集積したディスプレイを含む。
【0040】
好ましくは、表示装置は、フレキシブル回路基板、及びフレキシブル回路基板に設けられたミリ波無線周波数集積回路と接続台をさらに含む。ここで、ミリ波無線周波数集積回路は、フレキシブル回路基板によりミリ波アンテナユニット及び接続台とそれぞれ接続され、接続台は、フレキシブル回路基板により非ミリ波アンテナユニットと接続されているとともに、非ミリ波無線周波数集積回路に接続されるように構成される。
【0041】
本発明では、ミリ波アンテナユニットは、フレキシブル回路基板によりミリ波無線周波数集積回路に接続されてもよい。ミリ波無線周波数集積回路は、フレキシブル回路基板により接続台に接続され、さらに接続台により表示装置のプリント回路基板に接続されてもよい。非ミリ波無線周波数集積回路は、プリント回路基板に設けられてもよい。非ミリ波アンテナは、フレキシブル回路基板により接続台に接続され、さらに接続台により非ミリ波無線周波数集積回路に接続されてもよい。
【0042】
好ましくは、表示装置は、フレキシブル回路基板及びそれぞれ前記フレキシブル回路基板に設けられたミリ波無線周波数集積回路と非ミリ波無線周波数集積回路を更に含み、ここで、ミリ波無線周波数集積回路は、フレキシブル回路基板によりミリ波アンテナユニットと接続され、非ミリ波無線周波数集積回路は、フレキシブル回路基板により非ミリ波アンテナと接続されている。
【0043】
本発明では、ミリ波無線周波数集積回路と非ミリ波無線周波数集積回路は両方もフレキシブル回路基板に集積されてもよい。このように、ミリ波アンテナユニットは、フレキシブル回路基板によりミリ波無線周波数集積回路に接続され、非ミリ波アンテナは、フレキシブル回路基板により非ミリ波無線周波数集積回路に接続されてもよい。
【0044】
上記によれば、アンテナのうちミリ波アンテナと非ミリ波アンテナは両方も別々独立した通信リンクを有し、ミリ波アンテナと非ミリ波アンテナは互いに影響することなく同時に動作することができる。そして、本発明では、ミリ波アンテナと非ミリ波アンテナは、同一のフレキシブル回路基板を共用できるため、表示装置におけるフレキシブル回路基板の総数を減らし、表示装置の組立の複雑さを低減させることができる。これにより、表示装置の生産効率の向上及び表示装置の生産コストの低減に寄与する。
【0045】
本発明の別の一様態によれば、電子機器を提供する。電子機器は上記のいくつかの実施例に記載の表示装置を含む。
【0046】
好ましくは、電子機器は、非ミリ波アンテナをチューニングするための非ミリ波チューニングデバイスをさらに含む。ここで、非ミリ波チューニングデバイスはフレキシブル回路基板に設けられている。或いは、電子機器は、フレキシブル回路基板に接続されたプリント回路基板をさらに含み、非ミリ波チューニングデバイスはプリント回路基板に設けられている。このように、非ミリ波チューニングデバイスにより非ミリ波アンテナをチューニングして、非ミリ波アンテナのアンテナ性能を再構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
下記の好ましい実施形態の詳しい説明を閲覧することで、様々な他の利点及び利益は、当業者にとって明瞭になる。添付した図面は、好ましい実施形態を示すためのものだけであり、本発明を制限するものであると考えられない。さらに、すべての添付した図面では、同一の符号は、同一の部品を表す。
【
図1】本発明の一実施例における電子機器の構造概略図である。
【
図2】本発明の一実施例における他の電子機器の構造概略図である。
【
図3】本発明の一実施例におけるまた他の電子機器の構造概略図である。
【
図4】本発明の一実施例におけるアンテナの構造概略図である。
【
図5】本発明の一実施例における他のアンテナの構造概略図である。
【
図6】本発明の一実施例におけるまた他のアンテナの構造概略図である
【
図7】本発明の一実施例におけるまた他のアンテナの構造概略図である。
【
図8】本発明の一実施例におけるさらに他のアンテナの構造概略図である。
【
図9】本発明の一実施例における表示装置の構造概略図である。
【
図10】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図11】本発明の一実施例におけるまた他の表示装置の構造概略図である。
【
図12】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図13】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図14】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図15】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図16】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図17】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図18】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図19】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図20】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図21】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図22】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図23】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図24】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図25】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図26】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図27】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図28】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図29】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図30】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図31】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図32】本発明の一実施例におけるディスプレイの構造概略図である。
【
図33】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図34】
図33に示す表示装置のFPCのB-B’における断面概略図である。
【
図35】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図36】本発明の一実施例における他の表示装置の構造概略図である。
【
図37】本発明の一実施例における他の電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明の理解を容易にするために、以下、関連する図面を参照して本発明をより全面的に説明する。図面には、本発明のよい実施例が示される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実現でき、本明細書に記載される実施例に限定されるものではない。逆に、これらの実施例を提供する目的としては、本発明の開示内容をより徹底的且つ全面的に理解することである。
【0049】
なお、本明細書では、用語「第1」、「第2」等を用いて素子を説明することができるが、何ら順次、数又は重要性を表すものではなく、異なる組成部分を区分するためのものにすぎない。「含む」又は「含み」などの用語は、当該用語の前に現れる素子またはオブジェクトが、当該用語の後に現れる例示な素子またはオブジェクトおよびそれらの同等物をカバーし、他の素子またはオブジェクトを除外しないという意味である。
【0050】
特別な定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学的用語は、本発明の当業者が一般的に理解する意味と同じである。本文では、本発明の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的だけであり、本発明を限定するものではない。
【0051】
本明細書で使用される用語「接続されている」、「接続」は、信号伝送を実現する電気的接続であってもよい。「接続されている」、「接続」については、広義に理解すべきものであり、例えば、直接の電気的接続、又は中間媒体を介する間接の電気的接続、例えばカップリングである。
【0052】
本明細書では、「実施例」とは、実施例を参照して説明した特定の特徴、構造又は特性は本発明の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。本明細書の各箇所に当該単語が現れると、必ずしも同一の実施例を指すものではなく、他の実施例と相互に排他的である別個または代替の実施例ではない。当業者は、本明細書に記載される実施例を、他の実施例と組み合わせることができることを、明示的にも暗示的にも理解する。
【0053】
本発明の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」等の技術用語に指示される向き又は位置関係は、添付図面に示したものに基づく向き又は位置関係であり、本発明の説明を容易かつ簡略化するためのものに過ぎず、言及した装置又は素子が特定の向きを有し、特定の向きで構成・操作しなければならないことを指示又は示唆するものではないので、本願を限定すると理解されることができない。
【0054】
また、図面における複数の層及び領域を表すために、図示中の各層の厚さ及び各領域を拡大して、各層間の相対位置及び各領域の分布を明確に示す。層、フィルム、領域、板等として表現される部分は、その他の部分の「上方」又は「上」に位置する場合に、当該表現は、他の部分の上方に「直接」的に位置する状況だけではなく、その中間にその他の層が存在する状況も含む。
【0055】
表示技術及び通信技術の発展に伴い、電子機器において表示装置のスクリーン対ボディ比はしばしば増加し、電子機器においてアンテナの種類及び数も多くなっている。例えば、5G無線移動通信の時代に、無線通信の周波数スペクトルは、ミリ波波帯及び非ミリ波波帯をカバーするとともに、5G時代に、4G(非ミリ波)の周波数スペクトルは依然として継続している。故に、5Gミリ波機能を有する電子機器、例えば携帯電話は、その中に動作周波数帯域がミリ波帯をカバー可能な第1タイプアンテナが設けられるほかに、一般的に動作周波数帯域が非ミリ波帯(例えば5G又は4G)をカバー可能な第2タイプアンテナも設けられる。
【0056】
しかし、電子機器において表示装置のスクリーン対ボディ比が高くなるほど、アンテナの配置可能な位置が限られ、且つ、アンテナは、一般的には、使用時(例えば手で握ったり金属製のテーブル上に置いたりする)に、より遮蔽されやすくて、アンテナの性能が著しく低下し、ユーザのワイヤレスエクスペリエンスに影響を与えるおそれがある。これに鑑みて、電子機器の表示装置にアンテナを集積することが考えられ、例えばアンテナオンディスプレイ(Antenna-on-Display,AoDと略称する)という設計方式を採用することは、電子機器におけるアンテナの設計の発展傾向になる。
【0057】
いくつかの実施例において、
図1を参照すると、電子機器1が携帯電話であることを例として、携帯電話の表示装置10に集積されたアンテナは少なくとも二種類、例えば前述した第1タイプアンテナ01及び第2タイプアンテナ02を含む。ここで、第1タイプアンテナ01と第2タイプアンテナ02は表示装置10のディスプレイ100に集積されてもよい。第1タイプアンテナ(即ちミリ波アンテナ)01は、例えば5Gミリ波アンテナであり、第2タイプアンテナ(即ち非ミリ波アンテナ)02は、例えばWiFi/BTアンテナ021、LTE(Long Term Evolution)アンテナ022、NFC(Near Field Communication)アンテナ023、又は5G非ミリ波アンテナ024のうちの少なくとも一種を含む。本実施例において、第1タイプアンテナ01及び第2タイプアンテナ02は、ディスプレイ100内に集積されてもよいし、ディスプレイ100の外側に集積されてもよい。
【0058】
例示として、
図1に示すように、第1タイプアンテナ01(5Gミリ波アンテナ)、WiFi/BTアンテナ021、LTEアンテナ022、NFCアンテナ023及び5G非ミリ波アンテナ024は、それぞれ独立して表示装置10のディスプレイ100に集積されてもよい。
【0059】
なお、表示装置10のディスプレイ100にアンテナが集積される場合に、一実施形態として、ディスプレイ100に導電性グリッド層101を設けてから、導電性グリッド層101における導電性グリッドをカットすることでアンテナを製造してもよい。即ち、アンテナであるグリッドは、アンテナではないグリッドから切断されている。このように、アンテナの種類及び数が多い場合には、対応するアンテナを形成するために、一般的には、複数の異なる領域の導電性グリッドをカットする必要がある。また、導電性グリッド層101は、ディスプレイ100の表示領域内に位置する部分、及び非表示領域に位置する部分を含むため、導電性グリッドのカット領域の数が多すぎると、又は、複数の異なる領域の導電性グリッドをカットした後、導電性グリッド層101におけるグリッドのパターンに大きい相違又は多いタッチデッドゾーンが発生すると、表示装置10におけるディスプレイ100の視覚的光学効果及びタッチ効果の劣化を引き起こしやすい。
【0060】
これに基づいて、本発明のいくつかの実施例では、動作周波数帯域がミリ波帯及び非ミリ波帯の両方を同時にカバーするとともに、ディスプレイ100の視覚的光学効果及びタッチ効果を有効的に確保することができるディスプレイ100に集積可能なアンテナ2を提供する。
【0061】
図2及び
図3を参照すると、ディスプレイ100は、導電性グリッド層101を含み、アンテナ2は導電性グリッド層101の少なくとも一部のパターンから構成される。アンテナ2はミリ波アンテナ21を含む。ミリ波アンテナ21は複数のミリ波アンテナユニット211を含む。ここで、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211は互いに接続されて接続構造を形成し、当該接続構造は多重化されて少なくとも非ミリ波アンテナ22の第1部分を構成する。
【0062】
ここで、接続構造が多重化されて少なくとも非ミリ波アンテナ22の第1部分を構成することは、接続構造が多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成すること、又は、接続構造が多重化されて非ミリ波アンテナ22を構成することなどを含む。
【0063】
いくつかの実施例において、
図2を参照すると、アンテナ2はミリ波アンテナ21を含む。ミリ波アンテナ21は複数のミリ波アンテナユニット211を含む。ここで、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211は互いに接続されて接続構造を形成し、当該接続構造は多重化されて非ミリ波アンテナ22を構成する。
【0064】
ここで、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211が互いに接続された接続構造は、非ミリ波アンテナと同等である機能を有し、非ミリ波アンテナ22とされてもよい。即ち、ミリ波アンテナ又はその一部に非ミリ波アンテナと同等である機能を具備させることができる。そして、理解されるように、前述した接続構造は、非ミリ波アンテナ22として用いられる場合に、非ミリ波フィーディング部(例えば非ミリ波信号線Ln1)により接続され引き出されることができる。これにより、当該接続構造は、非ミリ波フィーディング部により非ミリ波無線周波数集積回路500に接続して非ミリ波アンテナ22の機能を実現することができる。
【0065】
好ましくは、続いて
図2を参照すると、非ミリ波アンテナ22は第1接続線2210を含む。非ミリ波アンテナ22として多重化された接続構造において、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211の間は少なくとも1つの第1接続線2210により接続されている。例えば、
図2に示す例において、当該第1接続線2210を直接に非ミリ波アンテナ22の非ミリ波フィーディング部とするように、任意の隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は第1接続線2210により接続されているとともに、いずれかのミリ波アンテナユニット211は、第1接続線2210により非ミリ波無線周波数集積回路500と接続されてもよい。
【0066】
他のいくつかの実施例において、
図3を参照すると、アンテナ2はミリ波アンテナ21及び非ミリ波アンテナ22を含む。ミリ波アンテナ21は複数のミリ波アンテナユニット211を含む。非ミリ波アンテナ22は第1部分221と第2部分222を含む。ここで、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211は互いに接続されて接続構造を形成し、当該接続構造は多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する。
【0067】
ここで、非ミリ波アンテナ22の第1部分221は、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211が互いに接続された接続構造を含み、当該接続構造におけるミリ波アンテナユニット211は、非ミリ波アンテナ22の第1部分221の放射部として多重化されてもよい。即ち、当該接続構造は、非ミリ波アンテナ22の第1部分221の放射機能を同等実現することができる。
【0068】
なお、上記のいくつかの実施例における接続構造の各ミリ波アンテナユニット211は、順に接続されてもよく、又は所定のルールに従って接続されてもよい。
【0069】
また、好ましくは、非ミリ波アンテナ22は、WiFi/BTアンテナ021、LTEアンテナ022、NFCアンテナ023、5G非ミリ波アンテナ024、又はGPSアンテナ等として機能してもよい。
【0070】
好ましくは、ミリ波アンテナユニット211は、単一偏波ミリ波アンテナユニット又は二重偏波ミリ波アンテナユニットを含む。
【0071】
なお、非ミリ波帯の信号に比較して、ミリ波帯の信号はより広い帯域幅、より高いチャンネル容量、及びより細かいイメージングの粒度を有するため、より速いデータ伝送及びより細かい画像解像を行って、高い情報レート及び鮮明な映像へのユーザのニーズを満たすことができる。しかし、ミリ波帯の信号は、非ミリ波帯よりも大きい伝播ロスを有するので、本発明の実施例において、複数のミリ波アンテナユニット211が隣接して又はアレイ配置されてミリ波アンテナ21を構成する。これにより、アンテナゲインを向上させて大きい経路損失を補償することができ、ビームスキャンの効果を奏して広い空間をカバーし、無線通信のデッドゾーンを低減して、良いユーザワイヤレス体験を実現することができる。
【0072】
また、前述した接続構造において複数のミリ波アンテナユニット211の間の接続は直列接続又は並列接続であってもよい。そして、当該接続構造において任意の隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間の接続としては、ミリ波帯エネルギー遮断機能を備えた導電性構造、例えば導電性機能を備えた接続線を採用して実現することができる。このように、当該接続構造における各ミリ波アンテナユニット211は、隣接するミリ波アンテナユニット211の間の接続によって悪影響を受けることなく、それぞれのミリ波動作周波数帯域で動作することができる。そして、当該接続構造において隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間の接続で採用された導電性構造は、非ミリ波帯のエネルギーをよく伝送して、当該接続構造が多重化されて構成した非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221が良好な非ミリ波アンテナの機能を備えることを確保することができる。
【0073】
なお、ディスプレイ100に集積されたアンテナ2は、ディスプレイ100における導電性グリッド層101の少なくとも一部の導電性グリッドをカットして得られてもよい。例示として、ミリ波アンテナユニット211は、第1方向に延びる複数の第1導線と、第2方向に延びる複数の第2導線とが交差して形成された導電性グリッドを含む。なお、「交差」とは、投影関係上の交差を指す場合がある。例えば、第1導線と第2導線は、異なる平面に配置されてもよい。
【0074】
好ましくは、
図4~
図8を参照すると、ミリ波アンテナユニット211は、複数の第1導線L1と複数の第2導線L2とが千鳥接続されて構成した導電性グリッドを含む。ここで、第1導線L1は第1方向に延び、第2導線L2は第2方向に延びる。第1方向と第2方向は交差し、例えば、いくつかの実施形態において、第1方向と第2方向は互いに垂直である。
【0075】
好ましくは、
図4、
図5及び
図6に示すように、第1方向は垂直方向、例えばX方向であり、第2方向は水平方向、例えばY方向であるが、これに限定されない。例えば、
図7及び
図8を参照すると、第1方向は垂直方向と第1夾角をなすように設けられてもよく、第1夾角は例えば30°、45°又は60°である。例えば、第2方向は水平方向と第2夾角をなすように設けられてもよく、第2夾角は例えば第1夾角と同じである。
【0076】
同様に、ディスプレイ100における導電性グリッド層101は、複数の第1導線L1の平行線(第1導線L1を含む)と、複数の第2導線L2の平行線(第2導線L2を含む)とが千鳥接続されて構成されてもよい。このように、ミリ波アンテナユニット211は、導電性グリッド層101における対応の導電性グリッドをカットすることで直接得られてもよい。
【0077】
上記のいくつかの実施例において、多重化されて非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する接続構造において複数のミリ波アンテナユニット211の間の接続、及び非ミリ波アンテナ22の第1部分221と第2部分222の間の接続は、それぞれ多種の異なる実施を有してもよい。
【0078】
可能な一実施形態において、前述した接続構造における複数のミリ波アンテナユニット211の間の接続は直列接続であってもよい。
【0079】
好ましくは、続いて
図4~
図8を参照すると、非ミリ波アンテナ22は第1接続線2210をさらに含む。多重化されて非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する接続構造において、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211の間は少なくとも1つの第1接続線2210によって接続され、例えば、任意の隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は少なくとも1つの第1接続線2210によって接続され、この第1接続線2210は、前述した任意の隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間でのミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成される。
【0080】
ここで、第1接続線2210の数、線長及び線幅はいずれも実際の需要に応じて選択的に設定されてもよい。本発明の実施例はこれを限定しない。第1接続線2210の線長とは、第1接続線2210の延伸方向におけるサイズを指す。第1接続線2210の線幅とは、第1接続線2210の延伸方向に垂直な方向におけるサイズを指す。
【0081】
また、好ましくは、第1接続線2210は、導電性グリッド層101における第1導線L1の平行線及び/又は第2導線L2の平行線を用いて構成されてもよい。例えば、第1接続線2210は直線を呈すように構成され、第1接続線2210は、導電性グリッド層101における第1導線L1の平行線又は第2導線L2の平行線を用いて構成されてもよい。例えば、第1接続線2210は折線を呈すように構成され、第1接続線2210は、導電性グリッド層101における第1導線L1の平行線及び接続された第2導線L2の平行線を用いて構成されてもよい。このように、アンテナ2の製造プロセスの成熟性、簡略性及び低コストを確保するために、第1接続線2210の線幅は第1導線L1又は第2導線L2の線幅と同一であってもよい。
【0082】
なお、構成された第1接続線2210の形状は、前述した直線又は折線に限定されず、他の形状であってもよく、例えば第1接続線2210は弧線等を呈するように構成される。そして、第1接続線2210の線幅は、第1導線L1又は第2導線L2の線幅と同一であることに限られず、例えば、第1接続線2210の線幅は、第1導線L1又は第2導線L2の線幅よりも小さくてもよい。本発明の実施例はこれを限定しない。
【0083】
ミリ波帯の周波数は、5G非ミリ波帯及び5G前世代(例えば4G等)の非ミリ波帯の周波数よりも大幅に高いため、ミリ波帯の表皮深さ(skin depth)は、前述した非ミリ波帯の表皮深さよりも大幅に薄くなり、同一の接続線(その厚さがミリ波の表皮深さよりも大きい場合)について、基本的には、ミリ波帯の抵抗値及びインダクタンス値は両方も非ミリ波帯の抵抗値及びインダクタンス値よりも高くなる。そして、同一の線の(且つその厚さがミリ波の表皮深さより大きい)場合に、第1接続線2210の線幅は小さいほど、第1接続線2210のインダクタンス値(inductance)も高くなる。故に、線幅が小さい第1接続線2210は、ミリ波帯に対するインピーダンス(impedance)が5G非ミリ波帯及び5G前世代の非ミリ波帯に対するインピーダンスよりも明らかに高い。つまり、線幅が小さい第1接続線2210は、ミリ波帯のエネルギーに対してよくフィルタリング遮断を行うが、5G非ミリ波帯及び5G前世代の非ミリ波帯のエネルギーに対するフィルタリング遮断は少ない。このように、本発明の実施例において、多重化されて非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211のうち、隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は、ミリ波帯に対してよいフィルタリング遮断機能を備えた第1接続線2210によって接続されることにより、隣接するミリ波アンテナユニット211のそれぞれの動作周波数帯域でのアンテナ性能を確保し、両方間の接続によるアンテナ性能への影響の度合いを低減させることができる。そして、当該隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間の第1接続線2210は、あまり非ミリ波帯のエネルギーに対してフィルタリング遮断を行わないため、複数のミリ波アンテナユニット211が接続された接続構造を非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221として多重化することは、非ミリ波アンテナ22のアンテナ性能に影響を与えない。
【0084】
上記によれば、本発明の実施例において、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211が接続された接続構造を多重化して、非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成することにより、ミリ波アンテナ21又はその一部に非ミリ波アンテナ22の機能を具備させることができる。このように、導電性グリッド層101において導電性グリッドのカット領域の数及び異なる領域おグリッドパターンの間の相違を低減させて、ディスプレイ100の視覚的光学効果及びタッチ効果の確保に寄与する。
【0085】
そして、本発明の実施例におけるアンテナ2は上記のような構造を採用することにより、アンテナ2のサイズを有効的に小さくし(即ち、前述したいくつかの実施例において各タイプのアンテナオンディスプレイが別々設置された場合のサイズの合計よりも小さくする)、ディスプレイ100の視覚的光学効果及びタッチ効果へのアンテナ2の影響を低減させて、ディスプレイ100の機能及び価値を高めるとともに、ユーザの視覚的及び触覚的体験も保障することができる。
【0086】
さらに、多重化されて非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうち、隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は、1つの第1接続線2210により接続されてもよく、並列する複数の第1接続線2210により接続されてもよい。主としては、隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間の第1接続線2210が非ミリ波のエネルギーを遮断せず、ミリ波のエネルギーを有効的に遮断することができると考えられる。
【0087】
例示として、
図6を参照すると、多重化されて非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうち、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211の間は複数の第1接続線2210によって接続され、例えば、任意の隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は複数の第1接続線2210によって接続され、且つ、当該複数の第1接続線2210の線幅の合計は第1サイズとし、ミリ波アンテナユニット211と当該複数の第1接続線2210とが対応して接続された側辺の長さWは第2サイズであるとし、第1サイズは第2サイズの1/4以下である。
【0088】
ここで、ミリ波アンテナユニット211の輪郭は、多角形又は他の形状を呈すように構成されてもよく、本発明の実施例はこれを限定しない。
【0089】
具体的に、
図6に示すように、多重化されて非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうち、隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は、例えば3つの第1接続線2210によって接続されている。ここで、各第1接続線2210の線幅はDである。
【0090】
なお、いくつかの実施例において、
図5~
図8を参照すると、非ミリ波アンテナ22は第1部分221、第2部分222及び第2接続線2220を含む。ここで、第2接続線2220は第1部分221と第2部分222を接続するように構成される。第2接続線2220は、ミリ波アンテナユニット211と非ミリ波アンテナ22の第2部分222の間でのミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成されてもよい。
【0091】
ここで、第2接続線2220の数、線長及び線幅は、いずれも実際の需要に応じて選択的に設定されてもよい。本発明の実施例はこれを限定しない。好ましくは、第2接続線2220は、第1接続線2210の構造を参照して選択的に設定される。
【0092】
また、可能な一実施形態において、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、ミリ波アンテナ21に隣接して設けられてもよいが、これに限定されない。例えば、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、ミリ波アンテナ21を囲むように構成されてもよい。
【0093】
この上で、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する接続構造において、隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は少なくとも1つの第1接続線2210によって接続されている。非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、第2接続線2220により前述した接続構造におけるいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続されている。
【0094】
ここで、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の構造及びその延伸方向に応じて、第2部分222と第1部分221との間の接続は直列接続又は並列接続であってもよい。
【0095】
他の可能な実施形態において、非ミリ波アンテナ22の第2部分222はミリ波アンテナ21を囲むように構成される。多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する接続構造において、各ミリ波アンテナユニット211は別々設置され、それぞれ第2接続線2220により非ミリ波アンテナ22の第2部分222と接続されている。このように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222はその第1部分221における各ミリ波アンテナユニット211に並列接続され、非ミリ波アンテナ22は複数の異なる共振経路を具備し、複数の異なる動作周波数帯域を有して、非ミリ波アンテナ22のマルチバンド通信を実現することができる。
【0096】
また、ミリ波アンテナと非ミリ波アンテナが別々設置された場合に比べると、本発明の実施例において、非ミリ波アンテナ22は接続された第1部分221及び第2部分222を含み、且つ非ミリ波アンテナ22の第1部分221はミリ波アンテナユニット211を多重化して構成されたため、非ミリ波アンテナ22において、第1部分221におけるミリ波アンテナユニット211以外の他の組成部分のサイズ、例えば非ミリ波アンテナ22の第2部分222の長さを小さくすることができる。つまり、同じ動作周波数で、非ミリ波アンテナ22において、多重化されて第1部分221を構成するミリ波アンテナユニット211が多いほど、非ミリ波アンテナ22において第1部分221以外の他の組成部分の長さは相対的に短くなってもよい。よって、導電性グリッド層101において非ミリ波アンテナ22の第2部分222を形成するための導電性グリッドのカット長さの低減に寄与して、ディスプレイ100の視覚的光学効果及びタッチ効果がさらに確保される。
【0097】
また、いくつかの例示において、
図4~
図6を参照すると、ミリ波アンテナユニット211は単一偏波ミリ波アンテナユニットであってもよい。他のいくつかの例示において、
図7及び
図8を参照すると、ミリ波アンテナユニット211は二重偏波ミリ波アンテナユニットであってもよい。好ましくは、
図4~
図8を参照すると、導電性グリッド層101における導電性グリッドパターンに応じて、ミリ波アンテナユニット211の輪郭の形状は矩形、菱形又はX字形等であってもよく、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の輪郭の形状は、ストリップ状又はL字形等を採用してもよいが、これらに限定されない。本発明の実施例では、ミリ波アンテナユニット211の輪郭の形状及び非ミリ波アンテナ22の第2部分222の輪郭の形状は限定されなく、実際の需要に応じて選択的に設置されてもよい。
【0098】
さらに、
図4~
図8を参照すると、いくつかの例示において、ミリ波アンテナユニット211は、放射体(即ち、
図4~
図6に示す矩形部分又は
図7に示す菱形部分又は
図8に示すX字形部分)、及びミリ波フィーディング部(即ち、
図4~
図8に示すミリ波無線周波数集積回路300を接続するように構成されるストリップ状部分)を含む。ミリ波アンテナユニット211において、ミリ波フィーディング部と対応する放射体との接続箇所での両側は、ミリ波アンテナユニット211の放射体に凹み込むように設けられる。このように、より優れたアンテナ2のインピーダンスマッチングを実現して、アンテナ2のアンテナ性能を向上させることに寄与する。
【0099】
また、
図2及び
図4を参照すると、いくつかの例示において、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211は互いに接続されて接続構造を形成し、且つ当該接続構造は多重化されて非ミリ波アンテナ22を構成する。このように、非ミリ波アンテナ22は、多重化されてそれを構成するいずれかのミリ波アンテナユニット211に接続された非ミリ波フィーディング部(即ち、非ミリ波無線周波数集積回路500を接続するように構成された部分、例えば非ミリ波信号線Ln1)をさらに含む。当該非ミリ波フィーディング部は、例えば第1接続線2210と同一構造を採用したフィーディング導線である。或いは、当該非ミリ波フィーディング部、例えば導電性グリッド層101における一部のグリッドパターン及び当該一部のグリッドパターンと接続されたフィーディング導線を含み、当該フィーディング導線は、第1接続線2210と同一構造を採用し、対応するミリ波アンテナユニット211に接続されてもよく、当該グリッドパターンは、非ミリ波無線周波数集積回路500を接続するように構成される。
【0100】
図5~
図8を参照すると、他の例示において、少なくとも2つのミリ波アンテナユニット211は互いに接続されて接続構造を形成し、且つ、当該接続構造は多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する。そして、非ミリ波アンテナ22は第1部分221に接続された第2部分222をさらに含む。このように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222と第1部分221は、同一の非ミリ波フィーディング部、例えば第2部分222の非ミリ波フィーディング部を共用してもよい(即ち、第1部分221には別に非ミリ波フィーディング部が設けられる必要がない)。第2部分222の非ミリ波フィーディング部は、例えば導電性グリッド層101における一部のグリッドパターンを含む。第2部分222の非ミリ波フィーディング部は、第2接続線2220により第1部分221におけるいずれかのミリ波アンテナユニット211に接続されてもよい。
【0101】
上記によれば、本発明の実施例において、ミリ波アンテナ21の各ミリ波アンテナユニット211は、そのミリ波フィーディング部によりそれぞれミリ波無線周波数集積回路300に接続されて、ミリ波無線周波数集積回路300で伝送されたミリ波無線周波数信号に応答してミリ波アンテナの機能を実現することができる。非ミリ波アンテナ22は、その非ミリ波フィーディング部により非ミリ波無線周波数集積回路500に接続されて、非ミリ波無線周波数集積回路500で伝送された非ミリ波無線周波数信号に応答して非ミリ波アンテナの機能を実現することができる。
【0102】
これにより、ミリ波無線周波数集積回路300と非ミリ波無線周波数集積回路500は、それぞれFPC(Flexible Printed Circuit,フレキシブル回路基板)200に電気的バインディングされて(bonding)、FPC200によりディスプレイ100に集積されたアンテナ2に対応して電気的バインディングされてもよい。或いは、ミリ波無線周波数集積回路300はFPC200に電気的バインディングされ、非ミリ波無線周波数集積回路500はPCB(Printed Circuit Board,プリント回路基板)20に電気的バインディングされ、且つ、FPC200は、それぞれディスプレイ100におけるアンテナ2及びPCB20に対応して電気的バインディングされるようにしてもよい。よって、アンテナ2のうちミリ波アンテナ21と非ミリ波アンテナ22はいずれも別々独立した通信リンクを有し、ミリ波アンテナ21と非ミリ波アンテナ22は互いに影響することなく同時に動作するように確保することができる。
【0103】
本発明をさらに理解するために、下記のいくつかの実施例において、アンテナ2の具体的な構造、特に非ミリ波アンテナ22の具体的な構造を詳しく説明する。なお、非ミリ波アンテナ22の動作周波数及び帯域幅(即ち動作周波数帯域幅)に応じて、非ミリ波アンテナ22の構造は、多種の異なる形態で実施することができる。
【0104】
可能な一実施形態において、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211の間は、直列接続される。
【0105】
いくつかの実施例において、
図9~
図13を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第2部分222はミリ波アンテナ21の一側に位置し、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともに当該第2部分222から最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。このように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222と、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するミリ波アンテナユニット211とは順次に直列接続されて、共に非ミリ波アンテナ22を構成することができる。
【0106】
例示として、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、輪郭の形状が矩形又はL字形である導電性グリッドを採用して構成されてもよい。非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、第2接続線2220により多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともに当該第2部分222から最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。ここで、一実施形態として、第2接続線2220は、例えば、
図9に示すように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の端部(例えば頭段又は尾段)と接続されてもよい。他の一実施形態として、第2接続線2220は、例えば、
図10に示すように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の中段と接続されてもよい。ここ及び下記の説明において、第2部分222の頭段は第2部分222の非ミリ波フィーディング部である。
【0107】
前述したいくつかの実施例の上で、好ましくは、
図11~
図13を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第2部分222はミリ波アンテナ21の一側に位置している。アンテナ2はグラウンド部23をさらに含む。グラウンド部23は、FPC200におけるグラウンド線又はグラウンド面と接続されてもよい。グラウンド部23は、具体的には、以下のいくつかの形態で実施されてもよい。
【0108】
いくつかの例示において、グラウンド部23は、ミリ波アンテナ21から離れた非ミリ波アンテナ22の第2部分222の側に位置し、当該第2部分222と接続されている。ここで、一実施形態として、例えば、
図11に示すように、グラウンド部23は、少なくとも1つの第2接続線2220により非ミリ波アンテナ22の第2部分222と接続されてもよい。他の一実施形態として、例えば、
図12に示すように、グラウンド部23は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222に直接接続されてもよい(即ち、グラウンド部23は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222と一体構造となってもよい)。
【0109】
また、好ましくは、グラウンド部23は、輪郭の形状が矩形又はL字形である導電性グリッドを採用して構成されてもよい。グラウンド部23は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の端部(例えば頭段又は尾段)又は中段と接続されてもよい。そして、一実施形態において、グラウンド部23は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222と同一の輪郭の形状を有してもよい。
【0110】
他のいくつかの例示において、
図13を参照すると、グラウンド部23は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222から離れてミリ波アンテナ21の側に位置し、少なくとも1つの第2接続線2220を介して、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続されている。例えば、グラウンド部23は、1つの第2接続線2220を介して、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともにグラウンド部23から最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。このように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222、第1部分221及びグラウンド部23は順次に直列接続され、グラウンド部23によって非ミリ波アンテナ22に長い長さを具備させて低いアンテナ動作周波数をカバーすることができる。
【0111】
別のいくつかの例示において、
図14を参照すると、グラウンド部23は、ミリ波アンテナ21と非ミリ波アンテナ22の第2部分222との間に位置し、第2接続線2220により非ミリ波アンテナ22の第1部分221のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続され、例えば、非ミリ波アンテナ22の第1部分221のうちグラウンド部23から最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。
【0112】
好ましくは、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、対応するミリ波アンテナ21を囲むように構成されるとともに、少なくとも1つの第2接続線2220を介して、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続されている。非ミリ波アンテナ22の第2部分222の輪郭は、矩形或L字形以外の形状を採用してもよい。
【0113】
例示として、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、対応するミリ波アンテナ21を半分囲む。ここで、半分囲むとは、非ミリ波アンテナ22の第2部分222はミリ波アンテナ21の少なくとも2つの方向に対向して設けられた部分を有するという意味である。例えば、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、頭段2221、尾段2222、及び頭段2221と尾段2222との間に接続された中段2223を含む。ここで、頭段2221は、非ミリ波無線周波数集積回路500、例えばFPC200における非ミリ波伝送線Ln2に接続されるように構成される。尾段2222は、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともに尾段2222から最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。このように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、多重化して構成された非ミリ波アンテナ22の第1部分221に直列接続されるとともに、限られた空間範囲で、当該構造を採用した非ミリ波アンテナ22が長い長さ及び大きい面積を有するように確保して、非ミリ波アンテナ22の動作周波数及び帯域幅を合理的に制御することができる。
【0114】
この上で、続いて
図14を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の頭段2221及び尾段2222は、それぞれミリ波アンテナ21の両側に位置している。グラウンド部23は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の頭段2221とミリ波アンテナ21との間に位置し、少なくとも1つの第2接続線2220を介して、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続され、例えば、1つの第2接続線2220を介して、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともにグラウンド部23から最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。このように、限られた空間範囲で、グラウンド部23が異なる長さ及び面積を有するように設置することで、非ミリ波アンテナ22の長さ及び面積をさらに制御して、非ミリ波アンテナ22の動作周波数及び帯域幅を調節する。
【0115】
別のいくつかの例示において、
図3を参照すると、非ミリ波アンテナ22は少なくとも2つ含み、グラウンド部23は隣接する2つの非ミリ波アンテナ22の間に位置している。このように、グラウンド部23は、隣接する2つの非ミリ波アンテナ22の間に対応する分離部として、隣接する非ミリ波アンテナ22の間に互いに干渉する状況が生じることを避けることができる。よって、各非ミリ波アンテナ22がいずれも良好なアンテナ性能を有するように確保される。
【0116】
前述したいくつかの実施例において、好ましくは、
図15を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第1部分221は延伸部2211をさらに含む。延伸部2211は、一端が多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続され、他端が吊られている。
【0117】
上記延伸部2211は、具体的には、下記のいくつかの形態で実施されてもよい。
【0118】
いくつかの例示において、続いて
図15を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、ミリ波アンテナ21の一側に位置している。延伸部2211は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222から離れたミリ波アンテナ21の側に位置し、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続されている。例えば、延伸部2211は、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともに延伸部2211から最も近いミリ波アンテナユニット211と直接接続されている。
【0119】
別のいくつかの例示において、
図16及び
図17を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、対応するミリ波アンテナ21を囲むように構成されるとともに、少なくとも1つの第2接続線2220を介して、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続されている。
【0120】
好ましくは、
図16に示すように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、頭段2221、尾段2222、及び頭段2221と尾段2222との間に接続された中段2223を含む。ここで、頭段2221は、非ミリ波無線周波数集積回路500、例えばFPC200における非ミリ波伝送線Ln2に接続されるように構成される。尾段2222は、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともに尾段2222から最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。このように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、多重化して構成された非ミリ波アンテナ22の第1部分221に直列接続されるとともに、限られた空間範囲で、当該構造を採用した非ミリ波アンテナ22が長い長さ及び大きい面積を有するように確保して、非ミリ波アンテナ22の動作周波数及び帯域幅を合理的に制御することができる。
【0121】
この上で、
図17を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の頭段2221及び尾段2222は、それぞれミリ波アンテナ21の両側に位置している。延伸部2211は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の頭段2221とミリ波アンテナ21の間に位置し、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続されている。例えば、延伸部2211は、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともに延伸部2211から最も近いミリ波アンテナユニット211と直接接続されている。
【0122】
好ましくは、上記の延伸部2211は、一端が吊られる少なくとも1つの第1接続線2210を採用して構成されてもよい。このように、延伸部2211が異なる長さを有するように設置することで、非ミリ波アンテナ22の第1部分221に異なる長さを具備させて、非ミリ波アンテナ22の第1部分221の動作周波数を制御することができる。例えば、非ミリ波アンテナ22の第1部分221は、長さが長いほど、カバー可能な動作周波数が低くなる。また、延伸部2211は、インピーダンスの最適化にも寄与し、アンテナ性能を向上させる。
【0123】
さらに、複数のミリ波アンテナユニット211の間は直列接続されて、多重化して非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するいくつかの実施例において、非ミリ波アンテナ22における第2部分222は、上記のいくつかの実施例以外の設置を有してもよい。
【0124】
例示として、
図18を参照すると、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、頭段2221、尾段2222、及び頭段2221と尾段2222との間に接続された中段2223を含む。ここで、頭段2221は、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちのいずれかのミリ波アンテナユニット211と接続されているとともに、非ミリ波無線周波数集積回路500、例えばFPC200における非ミリ波伝送線Ln2に接続されるように構成される。尾段2222は、ミリ波アンテナ21から離れた頭段2221の側に位置している。例えば、ミリ波アンテナ21は、非ミリ波アンテナ22の第2部分222の右側に位置し、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は左側へ延びている。このように、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、その第1部分221に並列接続されることにより、非ミリ波アンテナ22の共振経路を増やし、非ミリ波アンテナ22のアンテナ性能を増加し、例えば非ミリ波アンテナ22がより多い動作周波数帯域をカバーできるようにすることができる。
【0125】
例示として、
図19及び
図20を参照すると、非ミリ波アンテナ22は、第2部分222及び複数の第2接続線2220をさらに含む。
図19において、ミリ波アンテナユニット211は単一偏波ミリ波アンテナユニットである。
図20において、ミリ波アンテナユニット211は二重偏波ミリ波アンテナユニットである。非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、対応するミリ波アンテナ21を囲むように構成される。ここで、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちの隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間は、少なくとも1つの第1接続線2210によって接続され、この第1接続線2210は、当該隣接する2つのミリ波アンテナユニット211の間でのミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成される。そして、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、非ミリ波無線周波数集積回路500に接続されるように構成された頭段2221を含み、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成するとともに前述した頭段2221から最も近いミリ波アンテナユニット211は、少なくとも1つの第2接続線2220(例えば、1つの第2接続線2220)により当該頭段2221と接続されてもよく、当該第2接続線2220は、ミリ波アンテナユニット211と、非ミリ波アンテナ22の第2部分222との間でのミリ波のエネルギーの伝送を遮断するように構成される。そして、非ミリ波アンテナ22の第1部分221は第2部分222と同じ延伸方向を有し、例えば、第1部分221と第2部分222とが接続された部分を基点とすると、両方も左から右へ延びるとともに、並列接続される。このように、非ミリ波アンテナ22は、異なる共振経路を有するため、異なる動作周波数帯域を有し、非ミリ波アンテナ22のマルチバンド通信を実現することができる。
【0126】
前述したいくつかの実施例において、好ましくは、
図21を参照すると、アンテナ2は、少なくとも2つの非ミリ波アンテナ22を含む。これにより、異なる非ミリ波アンテナ22における第2部分222の構造は同じでも異なってもよい。このように、同一のミリ波アンテナ21における異なるミリ波アンテナユニット211を多重化して、2つ以上の非ミリ波アンテナ22、又は2つ以上の非ミリ波アンテナ22の第1部分221を形成することができる。
【0127】
例えば、非ミリ波アンテナ22の数は2つであり、且つ、2つの非ミリ波アンテナ22は、互いに鏡像の関係となっているように構成される。
【0128】
例えば、
図21に示すように、異なる非ミリ波アンテナ22における第2部分222の構造は異なってもよい。例えば、非ミリ波アンテナ22の第2部分222を異なる輪郭の形状及び延伸長さを有するように設定することによって、非ミリ波アンテナ22を異なる動作周波数及び帯域幅を有するように制御することができる。つまり、アンテナ2は、少なくとも2つの異なるタイプの非ミリ波アンテナ22を同時に持ってもよい。
【0129】
また、
図19~
図22を参照すると、好ましくは、ミリ波アンテナユニット211の輪郭の形状は矩形、菱形又はX字形等であってもよい。このように、ミリ波アンテナユニット211を異なる輪郭の形状を有するように設置することによって、多重化して構成された非ミリ波アンテナ22の第1部分221を異なる動作周波数帯域を有するように対応して制御することができる。例えば、ミリ波アンテナユニット211の面積が大きいほど、一般的には、その多重化して構成された非ミリ波アンテナ22の第1部分221の動作周波数帯域を低くし又は帯域幅を広くすることができる。
【0130】
また、好ましくは、
図23を参照すると、複数の非ミリ波アンテナ22のうち、少なくとも1つの非ミリ波アンテナ22は、グラウンド部23にも接続されている。グラウンド部23は、FPC200におけるグラウンド線又はグラウンド面と接続されてもよい。グラウンド部23の設置は、前述したいくつかの実施例における関連記載を参照してもよいが、ここで詳しく説明しない。
【0131】
なお、いくつかの実施例において、
図24~
図26を参照すると、アンテナ2は少なくとも2つの非ミリ波アンテナ22を含む。アンテナ2は、隣接する2つの非ミリ波アンテナ22の間に位置する分離部24をさらに含む。このように、分離部24により隣接する非ミリ波アンテナ22を有効的に分離して、隣接する非ミリ波アンテナ22の間の相互結合の程度及び電子ノイズによる影響の程度を低減させ、各非ミリ波アンテナ22がいずれもより優れたアンテナ性能とより優れた無線通信品質を備えることを確保することができる。
【0132】
好ましくは、
図24に示すように、分離部24は、表示装置10におけるグラウンドエリアに接続されるように構成される。例えば、分離部24は、FPC200におけるグラウンド線又はグラウンド面と接続されてもよい。
【0133】
好ましくは、
図25及び
図26を参照すると、分離部24は、隣接する2つの非ミリ波アンテナ22とそれぞれ接続されている。例えば、アンテナ2は、第3接続線2230をさらに含む。分離部24は、少なくとも1つの第3接続線2230により隣接する非ミリ波アンテナ22のうち最も近いミリ波アンテナユニット211と接続されている。
図25において、ミリ波アンテナユニット211は、二重偏波ミリ波アンテナユニットである。
図26において、ミリ波アンテナユニット211は、単一偏波ミリ波アンテナユニットである。
【0134】
ここで、第3接続線2230の数、線長及び線幅はいずれも実際の需要に応じて選択的に設定されてもよい。本発明の実施例はこれを限定しない。好ましくは、第3接続線2230は、第1接続線2210の構造を参照して選択的に設定される。
【0135】
好ましくは、分離部24は輪郭の形状が矩形である導電性グリッドを採用して構成されてもよい。
【0136】
さらに、別の可能な一実施形態において、多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211の間は、並列接続されてもよい。
【0137】
例示として、
図27及び
図28を参照すると、非ミリ波アンテナ22は、第2部分222及び複数の第2接続線2220をさらに含む。多重化されて非ミリ波アンテナ22の第1部分221を構成する複数のミリ波アンテナユニット211のうちの各ミリ波アンテナユニット211は、それぞれ少なくとも1つの第2接続線2220により非ミリ波アンテナ22の第2部分222と接続され、例えば1つの第2接続線2220により非ミリ波アンテナ22の第2部分222と接続されている。このように、非ミリ波アンテナ22は、複数の異なる共振経路を有して、複数の異なる動作周波数帯域を有して、非ミリ波アンテナ22のマルチバンド通信を実現することができる。例示として、非ミリ波アンテナ22の第2部分222は、対応するミリ波アンテナ21を囲むように構成される。
図25において、ミリ波アンテナユニット211は単一偏波ミリ波アンテナユニットである。
図26において、ミリ波アンテナユニット211は二重偏波ミリ波アンテナユニットであり、二重偏波は、無線通信信号のトランシーバー機能を強化して(例えば、多入力多出力、即ちMIMOの操作を実現し、又は無線通信の切断率及び無線通信のデッドゾーンを低減する)、無線通信品質及びユーザのワイヤレスエクスペリエンスを向上させることができる。
【0138】
なお、当該実施形態において、前述したいくつかの実施例で言及されたグラウンド部23、延伸部2211及び分離部24の関連設定は、いずれも当該実施形態のアンテナ2に適用されてもよいが、ここで繰り返して説明しない。
【0139】
上記によれば、本発明の実施例において、ミリ波アンテナユニット211を非ミリ波アンテナ22の第1部分221として多重化した上で、非ミリ波アンテナ22の第2部分222、非ミリ波アンテナ22の第1部分221における延伸部2211及びグラウンド部23等のアンテナ2の各組成部分の輪郭の形状及び平面面積を設定することによって、非ミリ波アンテナ22の動作周波数及び帯域幅を合理的に制御することができる。例えば、非ミリ波アンテナ22の動作周波数帯域が低周波数帯域、中周波数帯域、高周波数帯域等をカバーするようにするとともに、非ミリ波アンテナ22の帯域幅を広くすることができる。よって、非ミリ波アンテナ22が使用需要を満たすアンテナ性能を具備するように確保され、製品の競争力及びユーザのワイヤレスエクスペリエンスを向上させる。
【0140】
本発明の実施例は、表示装置10をさらに提供する。
図29を参照すると、表示装置10は、上記のいくつかの実施例に記載のアンテナ2を集積したディスプレイ100を含む。アンテナ2の構造は上記のいくつかの実施例に記述した通りである。ディスプレイ100は、表示パネル110を含み、アンテナ2は、表示パネル110中に集積され、又は表示パネル110上に集積されてもよい。
【0141】
いくつかの実施例において、
図29に示すように、ディスプレイ100は導電性グリッド層101を含み、導電性グリッド層101は表示パネル110の表示側に設けられる。表示パネル110の表示側とは、表示パネル110の発光側を指し、即ち、画像を表示するための表示パネル110の一側である。
【0142】
好ましくは、表示パネル110は、フレキシブル表示パネル、例えばOLED(Organic Light-Emitting Diode,有機発光ダイオード)表示パネル、QLED(Quantum Dot Light Emitting Diodes,量子ドット発光ダイオード)表示パネル又はLED(Light-Emitting Diode,発光ダイオード)表示パネル等であってもよい。ただし、これらに限定されなく、例えば、表示パネル110は液晶表示パネル等であってもよい。
【0143】
好ましくは、導電性グリッド層101は導電性材料を採用してパターン化して形成されてもよい。導電性グリッド層101、例えば金属グリッド層又は透明導電性材料グリッド層である。金属グリッド層は、電気特性の良い金属、例えば銅、銀、金、ニッケル、又はチタンなどの金属またはそれらの合金を採用して形成されてもよい。透明導電性材料グリッド層は、可視光透過率が高く導電性が強い透明導電性材料、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、カドミウムスズ酸化物(CTO)、インジウム酸化物(InO)、インジウム(In)ドープ酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム(Al)ドープ酸化亜鉛(ZnO)、またはガリウム(Ga)ドープ酸化亜鉛(ZnO)等を採用して形成されてもよい。
【0144】
好ましくは、導電性グリッド層101の厚さは、実際の需要に応じて選択的に設定されてもよい。導電性グリッド層101の厚さ範囲は、100nm~1μmであってもよく、例えば100nm、200nm、500nm、800nm又は1μmである。
【0145】
好ましくは、導電性グリッド層101は、表示パネル110の表示側に設けられる。具体的な実施形態において、導電性グリッド層101は、表示パネル110の表面に直接設けられ、或いは、ディスプレイ100における表示パネル110の表示側に位置する他の構造に設けられてもよい。例示として、
図30を参照すると、ディスプレイ100は、表示パネル110の表示側に設けられた蓋板120をさらに含み、導電性グリッド層101は、蓋板120の一側の表面上に設けられる。例えば、
図30(a)に示すように、導電性グリッド層101は、表示パネル110に近い蓋板120の表面上に設けられる。或いは、例えば、
図30(b)に示すように、導電性グリッド層101は、表示パネル110から離れた蓋板120の表面上に設けられる。
【0146】
また、好ましくは、導電性グリッド層101は、表示パネル110の表示側に製造されて形成されてもよく、独立して製造されてから表示パネル110の表示側に貼り付けられてもよい。本発明の実施例は、導電性グリッド層101の製造プロセスを限定しない。
【0147】
層101のディスプレイ100における上記導電性グリッドの具体的な位置については、表示パネル110における導電性グリッド層101の正投影が表示パネル110の表示領域を少なくとも完全にカバーする限り、実際の需要に応じて選択的に設定してもよい。このように、表示パネル110上の導電性グリッド層101の少なくとも一部のパターンから構成されたアンテナ2の正投影は、表示領域AAに位置する。ディスプレイ100におけるアンテナ2は、使用中(例えば手で握ったり金属製のテーブル上に置いたりする)の遮蔽によってアンテナ2性能が顕著に劣化し且つユーザのワイヤレスエクスペリエンスに影響する問題が生じやすいことなく、つまり、アンテナ2の通信性能が確保される。
【0148】
好ましくは、
図31を参照すると、ディスプレイ100は、タッチスクリーンであり、タッチ層102を含む。タッチ層102は、タッチ操作を実行するためのものであり、例えば、タッチ電極と金属ブリッジワイヤーが交互に接続されて構成されてもよい。本発明の実施例は、タッチ層102の具体的な構造を限定しない。例えば、タッチ層102は、表示パネル110の表示側の表面上に設けられてもよく、表示パネル110中に集積されてもよい。一実施形態において、
図31(a)に示すように、導電性グリッド層101は表示パネル110の表示側に設けられる一方、タッチ層102は表示パネル110中に集積される。他の一実施形態において、
図31中(b)に示すように、導電性グリッド層101は表示パネル110の表示側に設けられ、タッチ層102として配置されてもよく、即ち、タッチ層102は、表示パネル110の表示側に設けられる。別の一実施形態において、
図31(c)を参照すると、導電性グリッド層101はタッチ層102と独立し、導電性グリッド層101とタッチ層102は両方も表示パネル110の表示側に設けられる。例えば、導電性グリッド層101は、表示パネル110から離れたタッチ層102の側に設けられるとともに、タッチ層102と互いに絶縁し、或いは、導電性グリッド層101は、タッチ層102と表示パネル110との間に設けられるとともに、タッチ層102と互いに絶縁する。
【0149】
一例示において、
図31(c)を参照すると、導電性グリッド層101は、表示パネル110から離れたタッチ層102の側、即ちタッチ層102の上方に設けられる。導電性グリッド層101とタッチ層102の電気的性質は互いに影響しないように、導電性グリッド層101とタッチ層102との間には絶縁層1011が設けられている。
【0150】
一例示において、
図31(b)を参照すると、導電性グリッド層101はタッチ層102として配置される。アンテナ2は、タッチ層102においてタッチデッドゾーンに位置する一部のパターンから構成されてもよい。つまり、タッチ層102においてタッチデッドゾーンに位置する少なくとも一部のパターンをアンテナ2としてカットして使用してもよい。ここで、タッチデッドゾーンとは、タッチ機能なしの領域を指す。このように、導電性グリッド層101における導電性グリッドのカット領域の数及び異なる領域のグリッドパターンの間の相違を低減させて、タッチスクリーンの視覚的光学効果及びタッチ効果の確保に寄与する。
【0151】
他のいくつかの実施例において、
図32に示すように、ディスプレイ100は導電性グリッド層101を含み、導電性グリッド層101は表示パネル110中に集積される。理解されるように、表示パネル110には一般的に少なくとも一層の導電層が設けられ、当該導電層は、例えば金属導電層又は透明導電層であり、当該導電層は例えばアレイ金属層、配線層、電極層(陰極、陽極)等である。例示として、当該導電層は、例えば透明でソリッドの導電性シート状構造である。表示パネル110におけるアンテナ2の集積を実現するために、アンテナ2は、表示パネル110におけるいずれかの導電層の一部のパターン(例えばグリッドパターン)により形成されてもよい。
【0152】
本発明の実施例をより明確に説明するために、以下、アンテナ2が表示パネル110の表示側に設けられることを例として、表示装置10の構造を詳しく説明する。
【0153】
図33を参照すると、いくつかの実施例において、表示装置10はFPC(Flexible Printed Circuit,フレキシブル回路基板)200をさらに含む。FPC200は、表示パネル110にいて信号線と外部(例えば電子機器11中)のPCB(Printed Circuit Board,プリント回路基板)20との接続を実現するために、表示パネル110に電気的バインディングされてもよい。PCB20は、電子機器1のケース内に取り付けられてもよい。また、FPC200は、アンテナ2とミリ波無線周波数集積回路(mm-waveRFIC)300及び非ミリ波無線周波数集積回路500との接続を実現するために、アンテナ2に電気的バインディングされてもよい。
【0154】
理解されるように、表示装置10のディスプレイ100にはアンテナ2が集積されており、アンテナ2は、ミリ波アンテナ21と非ミリ波アンテナ22を含む。それに応じて、表示装置10は、ミリ波アンテナ21における各ミリ波アンテナユニット211にそれぞれ接続されるように構成されるミリ波無線周波数集積回路と、非ミリ波アンテナ22に接続されるように構成される非ミリ波無線周波数集積回路500とをさらに含む。ミリ波無線周波数集積回路300及び非ミリ波無線周波数集積回路500は両方もFPC200に電気的バインディングされてもよく、或いは選択的に一方がFPC200に電気的バインディングされ、他方が外部のPCB20に電気的バインディングされてもよい。
【0155】
一実施形態において、続きて
図33を参照すると、表示装置10は、それぞれFPC200にバインディングされたミリ波無線周波数集積回路300及び接続台400をさらに含む。ここで、ミリ波無線周波数集積回路300は、FPC200における回路によりミリ波アンテナユニット211に対応して接続されてもよい。接続台400は、FPC200における回路により非ミリ波アンテナ22に対応して接続されてもよい。接続台400は、FPC200における貫通孔によりミリ波無線周波数集積回路300に直接接続され、或いは、FPC200における回路によりミリ波無線周波数集積回路300に接続されてもよい。
【0156】
そして、接続台400は、外部のPCB20を接続するように構成され、FPC200とPCB20との間の接続ハブとされてもよい。このように、接続台400は、ミリ波無線周波数集積回路300とPCB20との間の接続を実現するために用いられてもよい。また、非ミリ波無線周波数集積回路500はPCB20中に設けられてもよく、接続台400は、非ミリ波アンテナ22と非ミリ波無線周波数集積回路500との間の接続を実現するために用いられてもよい。
【0157】
図29、
図33及び
図34を合わせて理解されるように、いくつかの例示において、アンテナ2はディスプレイ100の表示領域AAに位置しているが、これに限定されない。例えば、アンテナ2はディスプレイ100の周辺領域に設けられてもよい。そして、ミリ波アンテナ21における各ミリ波アンテナユニット211は、それぞれ、そのミリ波フィーディング部(例えばミリ波信号線Lm1)により周辺領域まで引き出されるとともに、FPC200に電気的バインディングされる。非ミリ波アンテナ22は、その非ミリ波フィーディング部(例えば非ミリ波信号線Ln1)により周辺領域まで引き出されるとともに、FPC200に電気的バインディングされる。
【0158】
ここで、周辺領域とは、ディスプレイ100において表示領域AAの周辺に位置する領域を指す。ミリ波信号線Lm1及び非ミリ波信号線Ln1は、単一導線又はグリッド線であってもよい(即ち、導電性グリッド層101の一部のグリッドパターンから構成される)。
【0159】
図33及び
図34を参照すると、好ましくは、FPC200内には、ミリ波信号線Lm1と対応して接続されたミリ波伝送線Lm2、及び非ミリ波信号線Ln1と対応して接続された非ミリ波伝送線Ln2がそれぞれ設けられている。理解されるように、アンテナ2は、導電性グリッド層101の一部のパターンから構成される。導電性グリッド層101の厚さは、FPC200におけるミリ波伝送線Lm2及び非ミリ波伝送線Ln2の厚さと同じ又は異なってもよい。導電性グリッド層101において第1導線L1の平行線(第1導線L1を含む)及び第2導線L2の平行線(第2導線L2を含む)の線幅は、FPC200におけるミリ波伝送線Lm2及び非ミリ波伝送線Ln2の線幅と同じ又は異なってもよい。
【0160】
これにより、ミリ波無線周波数集積回路300は、COF(Chip On Film,チップオンフィルム)の方式でFPC200にバインディングされてもよく、或いは、導体600によりFPC200における対応するミリ波伝送線Lm2に電気的に接続されてもよい。接続台400は、導体600によりFPC200における対応する非ミリ波伝送線Ln2に電気的に接続されてもよく、且つ、導体600によりFPC200におけるミリ波無線周波数集積回路300を接続するリードアウト回路に電気的に接続されてもよい。導体600は、例えばはんだボールまたはパッド等である。このように、本発明の実施例において、ミリ波アンテナ21は、FPC200によりミリ波無線周波数集積回路300に接続されてもよい。ミリ波無線周波数集積回路300は、FPC200により接続台400に接続されて、さらに接続台400によりPCB20に接続されてもよい。非ミリ波アンテナ22は、FPC200により接続台400に接続されて、さらに接続台400により非ミリ波無線周波数集積回路500に接続されてもよい。
【0161】
別の一実施形態において、
図35を参照すると、表示装置10は、FPC200上にそれぞれ設けられたミリ波無線周波数集積回路300及び非ミリ波無線周波数集積回路500をさらに含む。ここで、ミリ波無線周波数集積回路300は、FPC200における回路によりミリ波アンテナユニット211に対応して接続される。非ミリ波無線周波数集積回路500は、FPC200における回路により非ミリ波アンテナ22に対応して接続される。この上で、好ましくは、表示装置10は、FPC200にバインディングされた接続台400をさらに含み、接続台400は、外部のPCB20を接続するように構成され、FPC200とPCB20との間の接続ハブとされてもよい。このように、接続台400は、ミリ波無線周波数集積回路300及び非ミリ波無線周波数集積回路500の両方とPCB20との間の接続を実現するように構成されてもよい。
【0162】
これにより、ミリ波無線周波数集積回路300は、COF(即ちチップオンフィルム)の方式でFPC200にバインディングされてもよく、或いは、導体600によりFPC200における対応するミリ波伝送線Lm2に電気的に接続されてもよい。非ミリ波無線周波数集積回路500は、COF(即ちチップオンフィルム)の方式でFPC200にバインディングされてもよく、或いは、導体600によりFPC200における対応する非ミリ波伝送線Ln2に電気的に接続されてもよい。接続台400は、導体600によりFPC200においてミリ波無線周波数集積回路300を接続するリードアウト回路、及び非ミリ波無線周波数集積回路500を接続するリードアウト回路にそれぞれ電気的に接続されてもよい。導体600は、例えばはんだボールまたはパッド等である。このように、本発明の実施例において、ミリ波アンテナ21は、FPC200によりミリ波無線周波数集積回路300に接続されてもよく、非ミリ波アンテナ22は、FPC200により非ミリ波無線周波数集積回路500に接続されてもよい。ミリ波無線周波数集積回路300と非ミリ波無線周波数集積回路500は、それぞれFPC200により接続台400に接続されて、さらに接続台400によりPCB20に接続されてもよい。
【0163】
上記によれば、アンテナ2のうちミリ波アンテナ21と非ミリ波アンテナ22は両方も別々独立した通信リンクを有してもよく、ミリ波アンテナ21と非ミリ波アンテナ22は互いに影響せず、同時に動作することができる。
【0164】
なお、ミリ波無線周波数集積回路300におけるデバイスは、非ミリ波帯のエネルギーをフィルタリング及びブロッキングすることができるので、ミリ波無線周波数集積回路300は、ミリ波アンテナユニット211を多重化して構成された非ミリ波アンテナ22又は非ミリ波アンテナ22の第1部分221と接続されても、非ミリ波アンテナ22の性能及びミリ波無線周波数集積回路300の性能に影響を与えない。
【0165】
また、アンテナ2がディスプレイ100の表示領域AA内に位置する例示において、好ましくは、ミリ波アンテナ21における各ミリ波アンテナユニット211は、ディスプレイ100の周辺領域まで延びてFPC200に直接電気的バインディングされてもよい。非ミリ波アンテナ22における第2部分222は、ディスプレイ100の周辺領域まで延びてFPC200に直接電気的バインディングされてもよい。本発明の実施例はこれを限定しない。
【0166】
好ましくは、FPC200は、ミリ波伝送線Lm2及び非ミリ波伝送線Ln2をキャリングすることができる他のキャリアとして置換えられてもよい。
【0167】
本発明の実施例において、ミリ波アンテナ21と非ミリ波アンテナ22は、表示装置10内のFPCの総数及び表示装置10の組み立ての複雑さを低減させて、表示装置10の生産効率の向上、及び表示装置10の生産コストの低下に寄与するように、同一のFPC200を共用してもよい。
【0168】
本発明の実施例は、上記のいくつかの実施例における表示装置10を含む電子機器1をさらに提供する。表示装置10の構造については、前述したいくつかの実施例の関連記載を参照するが、ここで繰り返して説明しない。
【0169】
好ましくは、電子機器1は、表示装置10に接続されたPCB20をさらに含む。また、好ましくは、PCB20には、アンテナ2の使用需要を満たすために、IFデバイスやベースバンドプラットフォーム等のような機能的デバイスが設けられてもよい。
【0170】
さらに、いくつかの実施例において、
図36及び
図37を参照すると、電子機器1は、非ミリ波アンテナ22をチューニングするための非ミリ波チューニングデバイス30をさらに含む。
【0171】
好ましくは、
図36に示すように、非ミリ波チューニングデバイス30は、FPC200により非ミリ波アンテナ22に接続されるように、表示装置10のFPC200上に設けられている。
【0172】
好ましくは、
図37に示すように、非ミリ波チューニングデバイス30はPCB20上に設けられている。FPC200上に電気的バインディングされた接続台400は、PCB20に電気的バインディングされる。このように、非ミリ波チューニングデバイス30は、FPC200により非ミリ波アンテナ22に接続されてもよい。
【0173】
また、非ミリ波チューニングデバイス30は、電気的に調整可能なデバイス、例えば可変コンデンサ、可変インダクタンス、またはスイッチングデバイス等のデバイスを採用して構成されてもよい。
【0174】
上記によれば、前述したいくつかの実施例における非ミリ波アンテナ22の通信リンクに関する説明を合わせて、非ミリ波チューニングデバイス30は、非ミリ波アンテナ22との接続(直列又は並列を含む)を実現して、非ミリ波アンテナ22をチューニングすることで、非ミリ波アンテナ22のアンテナ性能を再構築することができる。
【0175】
本発明の実施例において、電子機器1及び表示装置10によって実現できる有益な効果は、上記のいくつかの実施例で提供されたアンテナ2を集積したディスプレイ100によって実現できる有益な効果と同じであるが、ここで繰り返して説明しない。
【0176】
本発明のいくつかの実施例で提供される上記電子機器1は、動的(例えばビデオ)または静的(例えば静止画像)、テキスト又は絵文字である画像の表示分野に適用される無線通信を行う任意の装置であってもよい。より具体的には、前記実施例は、多種の無線通信表示装置に実施され得ることが期待される。
【0177】
本発明のいくつかの実施例で提供される上記電子機器1は、携帯電話、無線装置、携帯情報端末(Portable Android Device,PADと略記)、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、GPS(Global Positioning System,グローバルポジショニングシステム)レシーバー/ナビゲーター、カメラ、MP4(フルネームMPEG-4Part14)ビデオプレーヤー、ビデオカメラ、TVモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピューターモニター、美的構造(例えば、宝飾品の画像を表示するディスプレイ)等の無線通信及び表示性能を備えた機器を含むが、これらに限定されない。
【0178】
本明細書に記載された「含む」、「有する」、及び「備える」を使用する場合、例えば「のみ」、「...から構成される」などの明確な限定用語を使用しない限り、別の構成要素を追加することができる場合がある。逆に言及しない限り、単数形の用語は複数形を含む場合があり、その数が1つであると理解されるべきではない。
【0179】
上記の実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせについて説明しないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載の範囲であると考えられるべきである。
【0180】
上記の実施例は本発明のいくつかの実施形態のみを示し、その説明は具体的で詳細であるが、これによって本発明の特許の範囲を限定するものと理解されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の概念から逸脱することなく、さらにいくつかの変形及び改良を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0181】
01 第1タイプアンテナ、02 第2タイプアンテナ、021 WiFi/BTアンテナ、022 LTEアンテナ、023 NFCアンテナ、024 5G非ミリ波アンテナ、1 電子機器、10 表示装置、20 PCB、30 非ミリ波チューニングデバイス、100 ディスプレイ、200 FPC、300 ミリ波無線周波数集積回路、400 接続台、500 非ミリ波無線周波数集積回路、600 導体、101 導電性グリッド層、102 タッチ層、110 表示パネル、120 蓋板、10111 絶縁層、2 アンテナ、21 ミリ波アンテナ、22 非ミリ波アンテナ、23 グラウンド部、24 分離部、221 第1部分、222 第2部分、211 ミリ波アンテナユニット、2210 第1接続線、2211 延伸部、2220 第2接続線、2221 頭段、2222 尾段、2223 中段、2230 第3接続線、Lm1 ミリ波信号線、Ln1 非ミリ波信号線、Lm2 ミリ波伝送線、Ln2 非ミリ波伝送線。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナを集積したディスプレイであって、導電性グリッド層を含み、
前記アンテナは、前記導電性グリッド層の少なくとも一部のパターンから構成され、複数のミリ波アンテナユニットを含むミリ波アンテナを含み、前記ミリ波アンテナユニットは、放射部を含み、
少なくとも2つの前記ミリ波アンテナユニットの放射部は、導電性構造により互いに接続されて、非ミリ波のエネルギーを伝送するとともに、ミリ波のエネルギーを遮断するように構成される接続構造を形成し、前記接続構造は、多重化されて少なくとも非ミリ波アンテナの第1部分の放射部を構成する、ことを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
前記ミリ波アンテナユニットは、第1方向に延びる複数の第1導線と、第2方向に延びる複数の第2導線とが交差して形成された導電性グリッドを含み、
前記第1方向は前記第2方向と相交わる、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記導電性グリッド層はタッチ層として構成され、前記アンテナは、前記タッチ層のうちの少なくとも一部のパターンから構成され、
前記導電性構造は第1接続線を含み、
前記接続構造において任意の隣接する2つの前記ミリ波アンテナユニットの放射部の間は、少なくとも1つの前記第1接続線によって接続されている、ことを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記第1接続線の線幅は、前記第1導線又は前記第2導線の線幅以下である、ことを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記接続構造において任意の隣接する2つの前記ミリ波アンテナユニットの放射部の間は複数の前記第1接続線によって接続され、且つ、当該複数の前記第1接続線の線幅の合計は第1サイズとし、前記ミリ波アンテナユニットの放射部と当該複数の前記第1接続線とが対応して接続された側辺の長さは第2サイズとし、前記第1サイズは前記第2サイズの1/4以下である、ことを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記非ミリ波アンテナは、第2部分を更に含み、前記第2部分は前記ミリ波アンテナに隣接し、
前記導電性構造は、第1接続線及び第2接続線を含み、前記接続構造において任意の隣接する2つの前記ミリ波アンテナユニットの放射部の間は、少なくとも1つの前記第1接続線によって接続され、前記第2部分は、前記第2接続線により前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットの放射部と接続されており、
或いは、前記導電性構造は、第2接続線を含み、前記接続構造における各前記ミリ波アンテナユニットの放射部は別々設置され、それぞれ前記第2接続線により前記第2部分と接続されており、
前記第2部分は、前記ミリ波アンテナの一側に位置し、又は前記ミリ波アンテナを囲むように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記アンテナはグラウンド部をさらに含み、
前記グラウンド部は、前記ミリ波アンテナから離れた前記第2部分の側に位置し、前記第2部分と接続され、
或いは、前記グラウンド部は、前記第2部分から離れた前記ミリ波アンテナの側に位置し、前記第2接続線により前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットの放射部と接続され、
或いは、前記グラウンド部は、前記ミリ波アンテナと前記第2部分との間に位置し、前記第2接続線により前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットの放射部と接続され、
或いは、前記非ミリ波アンテナは、少なくとも2つ含み、前記グラウンド部は、隣接する2つの前記非ミリ波アンテナの間に位置している、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記第1部分は延伸部を更に含み、前記延伸部は、前記第2部分から離れた前記ミリ波アンテナの側に位置し、又は、前記延伸部は前記第2部分と前記ミリ波アンテナとの間に位置しており、
前記延伸部は、一端が前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットの放射部と接続され、他端が吊られており、
前記延伸部は、一端が吊られた少なくとも1つの前記第1接続線から構成される、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記第2部分は、頭段、尾段、及び前記頭段と前記尾段との間に接続された中段を含み、前記頭段は、非ミリ波無線周波数集積回路に接続されるように構成され、
前記頭段は、前記接続構造におけるいずれかの前記ミリ波アンテナユニットの放射部と接続され、
或いは、前記頭段と前記尾段は、それぞれ前記ミリ波アンテナの両側に位置し、前記尾段は、前記接続構造において当該前記尾段に最も近い前記ミリ波アンテナユニットの放射部と接続されている、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記非ミリ波アンテナは少なくとも2つ含み、異なる前記非ミリ波アンテナにおける前記第2部分の構造が異なる、ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記非ミリ波アンテナは少なくとも2つ含み、前記アンテナは、任意の隣接する2つの前記非ミリ波アンテナの間に位置する分離部をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記分離部は、隣接する2つの前記非ミリ波アンテナとそれぞれ接続されており、
前記アンテナは第3接続線を更に含み、前記分離部は、前記第3接続線により隣接する前記非ミリ波アンテナのうち当該前記分離部に最も近い前記ミリ波アンテナユニットの放射部と接続されている、ことを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
表示装置であって、請求項1~12のいずれか一項に記載のアンテナを集積したディスプレイを含み、
フレキシブル回路基板、及び前記フレキシブル回路基板に設けられたミリ波無線周波数集積回路と接続台を更に含み、前記ミリ波無線周波数集積回路は、前記フレキシブル回路基板により前記ミリ波アンテナユニット及び前記接続台と接続され、前記接続台は、前記フレキシブル回路基板により前記非ミリ波アンテナと接続されているとともに、非ミリ波無線周波数集積回路に接続されるように構成され、
或いは、フレキシブル回路基板、及びそれぞれ前記フレキシブル回路基板に設けられたミリ波無線周波数集積回路と非ミリ波無線周波数集積回路を更に含み、前記ミリ波無線周波数集積回路は、前記フレキシブル回路基板により前記ミリ波アンテナユニットと接続され、前記非ミリ波無線周波数集積回路は、前記フレキシブル回路基板により前記非ミリ波アンテナと接続されている、ことを特徴とする表示装置。
【請求項14】
電子機器であって、請求項13に記載の表示装置を含み、
前記非ミリ波アンテナをチューニングするための非ミリ波チューニングデバイスを更に含み、前記非ミリ波チューニングデバイスは、前記フレキシブル回路基板に設けられており、
或いは、前記フレキシブル回路基板に接続されたプリント回路基板を更に含み、前記非ミリ波チューニングデバイスは、前記プリント回路基板に設けられている、ことを特徴とする電子機器。