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特開2022-105116支援システム、支援方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105116
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】支援システム、支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20220705BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074070
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2018564711の分割
【原出願日】2018-01-29
(31)【優先権主張番号】P 2017025423
(32)【優先日】2017-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522174052
【氏名又は名称】株式会社efit
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 仁
(72)【発明者】
【氏名】宮原 勝利
(57)【要約】      (修正有)
【課題】価値が変化する売買対象の売買における、売買のタイミングを抽出するルール等、時系列データに関する有意義な情報を提供する時点の抽出ルールの生成を支援するシステム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】方法は、時系列データに関する有意義な情報を提供する時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する手段と、ユーザからの入力情報に基づき、少なくとも2つの判定条件の組み合わせからなる第1のルールを生成する手段と、さらに別の判定条件を追加すること、第1のルールに含まれる判定条件の少なくとも1つを削除すること及び当該第1のルールに含まれる判定条件に用いられるパラメータの値を変更すること、の少なくともいずれかを、第1のルールに対する評価およびユーザの特徴の少なくともいずれかに基づいて行うことにより第2のルールを生成する手段と、第2のルールに関する情報を出力する手段と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールを生成するシステムであって、
前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段と、
ユーザからの入力情報に基づき、前記記憶手段に記憶された前記判定条件の中から少なくとも2つの前記判定条件を抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを第1のルールとして生成する第1ルール生成手段と、
前記第1のルールに対し、さらに別の前記判定条件を前記記憶手段から抽出して追加すること、当該第1のルールに含まれる前記判定条件の少なくとも1つを削除すること、および当該第1のルールに含まれる前記判定条件に用いられるパラメータの値を変更すること、の少なくともいずれかを、前記第1のルールに対する評価およびユーザの特徴の少なくともいずれかに基づいて行うことにより、第2のルールを生成する第2ルール生成手段と、
生成された前記第2のルールに関する情報を出力する出力手段と、
を備える支援システム。
【請求項2】
ユーザの性別、年齢、性格、資金力、嗜好、および思考の傾向の少なくともいずれかを、前記ユーザの特徴として特定する特徴特定手段をさらに備え、
前記第2ルール生成手段は、前記特徴特定手段により特定された前記ユーザの特徴に基づいて前記第2のルールを生成する
請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記特徴特定手段は、入出力可能なデバイスを介して、前記ユーザの特徴に関する質問を提示し、ユーザからの回答の入力を受け付け、受け付けた回答に基づいて、前記ユーザの特徴を特定する
請求項2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記第1のルールと前記第2のルールの評価を、前記時系列データのデータ値の増減と前記第1のルールまたは前記第2のルールにより抽出される前記時点との関係に基づいて行う評価手段をさらに備え、
前記第2ルール生成手段は、前記第1のルールの評価よりも高い評価の前記第2のルールが生成するように、前記第2ルールを生成する、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項5】
前記時系列データは、売買が可能な物の価値の変動データであり、
前記評価は、前記第1のルールに基づいて抽出される前記時点で前記物の売買を行った場合の損得の指標、および、生成された抽出ルールに基づき点が抽出される頻度の、少なくともいずれかである、
請求項4に記載の支援システム。
【請求項6】
時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールを生成し、生成された前記ルールに関する情報を出力する方法であって、
前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段の中から、ユーザからの入力情報に基づき、少なくとも2つの前記判定条件を抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを第1のルールとして生成し、
前記第1のルールに対し、さらに別の前記判定条件を前記記憶手段から抽出して追加すること、当該第1のルールに含まれる前記判定条件の少なくとも1つを削除すること、および当該第1のルールに含まれる前記判定条件に用いられるパラメータの値を変更すること、の少なくともいずれかを、前記第1のルールに対する評価およびユーザの特徴の少なくともいずれかに基づいて行うことにより、第2のルールを生成し、
生成された前記第2のルールに関する情報を出力する、
支援方法。
【請求項7】
時系列データに含まれる時点をコンピュータシステムが抽出するルールを、一のコンピュータに生成させるプログラムであって、
前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段から、少なくとも2つの前記判定条件を、ユーザからの入力情報に基づいて抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを第1のルールとして生成する第1ルール生成処理と、
前記第1のルールに対し、さらに別の前記判定条件を前記記憶手段から抽出して追加すること、当該第1のルールに含まれる前記判定条件の少なくとも1つを削除すること、および当該第1のルールに含まれる前記判定条件に用いられるパラメータの値を変更すること、の少なくともいずれかを、前記第1のルールに対する評価およびユーザの特徴の少なくともいずれかに基づいて行うことにより、第2のルールを生成する第2ルール生成処理と、
生成された前記第2のルールに関する情報を出力する出力処理と、
を、前記一のコンピュータに実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時系列データを扱うユーザに対する支援に関する。
【背景技術】
【0002】
株式の売買を行う投資家は、株価等の、時間的推移(すなわち時系列)のデータに基づいて売買のタイミングを見極めることがある。「このような時は株価が上がりやすい/下がりやすい」というように、過去のデータから今が「買うべき/売るべきタイミング」であるか、あるいは様子を見るべきか、といった判断が、多くの投資家によって行われている。
投資家(証券会社等の機関投資家を含む)の中には、独自の理論に基づいて「買うべき/売るべき」と判断されたタイミングを、コンピュータに抽出させる投資家が存在する。このような売買の方法は「アルゴリズム取引」「システムトレード」などと呼ばれることがある。この方法では、投資家は、独自の理論に基づいて「買うべき/売るべき」と判断される点をコンピュータが抽出できるよう、アルゴリズム(取引アルゴリズム)を構築する。そして、投資家は、構築されたアルゴリズムをプログラミングによって記述することで、コンピュータに売買のタイミングの抽出を実行させる。
非特許文献1は、売買のタイミングを決める基になる複数の指標を用いて有効性の高い取引アルゴリズムを生成する例を開示している。
特許文献1は、アルゴリズム取引システムによる株式の取引のシミュレーションを行う約定シミュレーションシステムに関する発明を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-26225号公報
【0004】
【非特許文献1】森茂男、外2名、「Genetic Network Programmingによる株価予測と売買モデル」、電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌)、2005年、第125巻、第4号、p.631-636
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
取引アルゴリズムを構築して実装することは、知識や慣れを要し、手間もかかる。特に初心者にとっては、アルゴリズムをプログラミング言語に落とし込むのが難しいという障壁だけでなく、どのようなことが起きた時に取引を行うのが有効であるかがわからない、という障壁もある。これらの障壁が、初心者が投資家として参入することを難しくしている。
熟練者にとっても、複雑な売買を行うタイミングを抽出するルールを容易に手軽に作ることができることは、より良いアルゴリズムを作る上で価値がある。
このように、売買のタイミングを抽出するルールを容易に作ることが可能なサービスが求められる。
本発明は、価値が変化する売買対象の売買における、売買のタイミングを抽出するルール等、時系列データに関する有意義な情報を提供しうる点の抽出ルールの、生成を支援する装置等を提供することを、目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、下記(1)~(7)の構成の本発明による支援システム、支援方法、およびプログラムによって解決される。
(1)
時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールを生成するシステムであって、
前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段と、
ユーザからの入力情報に基づき、前記記憶手段に記憶された前記判定条件の中から少なくとも2つの前記判定条件を抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを第1のルールとして生成する第1ルール生成手段と、
前記第1のルールに対し、さらに別の前記判定条件を前記記憶手段から抽出して追加すること、当該第1のルールに含まれる前記判定条件の少なくとも1つを削除すること、および当該第1のルールに含まれる前記判定条件に用いられるパラメータの値を変更すること、の少なくともいずれかを、前記第1のルールに対する評価およびユーザの特徴の少なくともいずれかに基づいて行うことにより、第2のルールを生成する第2ルール生成手段と、
生成された前記第2のルールに関する情報を出力する出力手段と、
を備える支援システム。
(2)
ユーザの性別、年齢、性格、資金力、嗜好、および思考の傾向の少なくともいずれかを、前記ユーザの特徴として特定する特徴特定手段をさらに備え、
前記第2ルール生成手段は、前記特徴特定手段により特定された前記ユーザの特徴に基づいて前記第2のルールを生成する
前記(1)に記載の支援システム。
(3)
前記特徴特定手段は、入出力可能なデバイスを介して、前記ユーザの特徴に関する質問を提示し、ユーザからの回答の入力を受け付け、受け付けた回答に基づいて、前記ユーザの特徴を特定する
前記(2)に記載の支援システム。
(4)
前記第1のルールと前記第2のルールの評価を、前記時系列データのデータ値の増減と前記第1のルールまたは前記第2のルールにより抽出される前記時点との関係に基づいて行う評価手段をさらに備え、
前記第2ルール生成手段は、前記第1のルールの評価よりも高い評価の前記第2のルールが生成するように、前記第2ルールを生成する、
前記(1)に記載の支援システム。
(5)
前記時系列データは、売買が可能な物の価値の変動データであり、
前記評価は、前記第1のルールに基づいて抽出される前記時点で前記物の売買を行った場合の損得の指標、および、生成された抽出ルールに基づき点が抽出される頻度の、少なくともいずれかである、
前記(4)に記載の支援システム。
(6)
時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールを生成し、生成された前記ルールに関する情報を出力する方法であって、
前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段の中から、ユーザからの入力情報に基づき、少なくとも2つの前記判定条件を抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを第1のルールとして生成し、
前記第1のルールに対し、さらに別の前記判定条件を前記記憶手段から抽出して追加すること、当該第1のルールに含まれる前記判定条件の少なくとも1つを削除すること、および当該第1のルールに含まれる前記判定条件に用いられるパラメータの値を変更すること、の少なくともいずれかを、前記第1のルールに対する評価およびユーザの特徴の少なくともいずれかに基づいて行うことにより、第2のルールを生成し、
生成された前記第2のルールに関する情報を出力する、
支援方法。
(7)
時系列データに含まれる時点をコンピュータシステムが抽出するルールを、一のコンピュータに生成させるプログラムであって、
前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段から、少なくとも2つの前記判定条件を、ユーザからの入力情報に基づいて抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを第1のルールとして生成する第1ルール生成処理と、
前記第1のルールに対し、さらに別の前記判定条件を前記記憶手段から抽出して追加すること、当該第1のルールに含まれる前記判定条件の少なくとも1つを削除すること、および当該第1のルールに含まれる前記判定条件に用いられるパラメータの値を変更すること、の少なくともいずれかを、前記第1のルールに対する評価およびユーザの特徴の少なくともいずれかに基づいて行うことにより、第2のルールを生成する第2ルール生成処理と、
生成された前記第2のルールに関する情報を出力する出力処理と、
を、前記一のコンピュータに実行させるプログラム。
本発明の一実施態様に係る支援システムは、時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールを生成するシステムであって、前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段と、ユーザからの入力情報に基づき、前記記憶手段に記憶された前記判定条件の中から少なくとも2つの前記判定条件を抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを生成する生成手段と、生成された前記ルールに関する情報を出力する出力手段と、を備える。
本発明の一実施態様に係る支援方法は、時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールを装置が生成する方法であって、時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールを装置が生成する方法であって、前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段から、少なくとも2つの前記判定条件を、ユーザからの入力情報に基づいて抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを生成し、生成された前記ルールに関する情報を出力する。
本発明の一実施態様に係る記憶媒体は、時系列データに含まれる時点をコンピュータシステムが抽出するルールを、一のコンピュータに生成させるプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前期プログラムは、前記時点を抽出するか否かの判断に用いられる判定条件を複数記憶する記憶手段から、少なくとも2つの前記判定条件を、ユーザからの入力情報に基づいて抽出し、抽出された前記判定条件の組み合わせからなる前記ルールを生成する生成処理と、生成された前記ルールに関する情報を出力する出力処理とを、前記一のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、価値が変化する売買対象の売買における、売買のタイミングを抽出するルール等、時系列データに関する有意義な情報を提供しうる点の抽出ルールを、容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
図2図2は条件データの具体例を示すテーブルを示す図である。
図3図3は第1の実施形態に係る支援システムおよびユーザ端末の処理の流れを示すシーケンス図である。
図4図4は表示部による表示画面の例である。
図5図5は条件の種類が選択された時の、表示部による表示画面の例である。
図6図6は表示部による表示画面の別の例である。
図7図7は生成された抽出ルールに関する情報の表示の例である。
図8図8は第1の実施形態の一変形例の構成を示すブロック図である。
図9図9は第1の実施形態の一変形例の構成を示すブロック図である。
図10図10は第1の実施形態の一変形例の構成を示すブロック図である。
図11図11は本発明の第2の実施形態に係る支援システムの構成を示すブロック図である。
図12図12は第2の実施形態に係る支援システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図13図13は本発明の一実施形態に係る支援システムの構成を示すブロック図である。
図14図14は本発明の一実施形態に係る支援システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図15図15は本発明の各実施形態の各部を構成するハードウェアの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本開示においては、売買のタイミングを抽出するルールのことを、「抽出ルール」と呼ぶ。「抽出ルール」とは、言い換えれば、どのような条件を満たしている点(タイミング)を「買うべき(または売るべき)」タイミングとして抽出するか、を定める判断基準である。
<<第1の実施形態>>
まず、本発明の一つの実施態様1について説明する。
<構成>
図1は、実施態様1の構成を示すブロック図である。実施態様1では、支援システム11とユーザ端末20とがネットワーク30を介して通信可能に接続される。
ネットワーク30は、例えばWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)を含む通信ネットワークであり、通信機能を備える装置等どうしを通信可能に接続する。ネットワーク30は、有線ケーブルでもよい。
ユーザ端末20は、支援システム11によるサービスを受けるユーザが使用する端末である。ユーザ端末20は、送受信部201と、表示部202と、入力受付部203とを備える。ユーザ端末20の具体例は、PC(Personal Computer)やタブレット、スマートフォン等である。
【0010】
送受信部201は、支援システム11とデータのやりとりを行う。
表示部202は、支援システム11から受信したデータを表示する。表示部202は、例えば液晶ディスプレイ等により実現され、画面の表示によってユーザに対して情報を提供する。なお、本実施形態では、ユーザ端末20によるユーザへの情報の出力の形態として「画面の表示」が採用されるが、他の実施形態として、画面の表示以外の情報の出力形態(例えば、音声による提示、触覚による提示等)が採用されてもよい。
【0011】
入力受付部203は、ユーザからの入力を受け付ける。入力受付部203は、例えばキーボードやマウス、あるいはタッチパネル等である。入力受付部203と表示部202とは、タッチパネルのように一体となっていてもよい。
【0012】
支援システム11は、ユーザ端末20に対してサービスを提供する。支援システム11は、送受信部111、出力情報生成部112、抽出ルール生成部113、点抽出部114、および記憶部119を備える。
【0013】
記憶部119は、情報を記憶する。記憶部119は、データベースシステムでもよいし、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)などのストレージ装置でもよい。記憶部119により記憶される情報は、経時変化データ1191、および条件データ1192を含む。
経時変化データ1191は、抽出ルールの生成および点の抽出(後述)に係るデータである。経時変化データ1191として特に想定されるのは、例えば、株式、通貨(仮想通貨を含む)、貴金属、宝石、および不動産等、価値が変動する売買対象物の変動に係るデータである。ただし、支援システム11が扱う経時変化データ1191は、上記に例示したデータに必ずしも限定されない。実際、支援システム11は、気候の変動、地震計の記録、商品の売れ行き、施設の来客数等、分析する価値のある様々な経時変化データに対して適用され得る。説明の便宜のため、以下では、経時変化データ1191の代表例として、株価の変動を表す時系列データを想定する。経時変化データ1191は、例えば、株式のリアルタイムの売買が可能な株式会社(例えば、東京証券取引所第一部に上場する株式会社)の株価の、過去数年分に亘る変動データである。株価の変動データは、例えば、毎日の始値、終値、高値、および安値の情報を含む。日経平均株価も、経時変化データ1191の一例である。また、経時変化データ1191は、株式の売買に関係する時系列データを含んでいてもよい。例えば、経時変化データ1191は、各銘柄の日毎の出来高の記録を含んでいてもよい。経時変化データ1191は、日毎の時系列でなくともよい。例えば、経時変化データ1191は、分刻みのデータでもよいし、週刻みのデータでもよい。また、時系列データは必ずしも等間隔に取得されたデータでなくともよい。
条件データ1192は、判定条件に関するデータである。判定条件は、経時変化データ1191における特定の時点を抽出するための条件である。判定条件は、経時変化データ1191に含まれる時点を抽出するのに用いられる。後述するが、複数の判定条件の組み合わせにより、抽出ルールが生成される。
判定条件は、いわば、いわゆる「If文」による判断における「If」の直後に記述される命題である。判定条件の一例を挙げると、「25日移動平均が75日移動平均に比べ5%以上高い」、「その日の終値が、その日の25日前の終値と比べて5%以上高い」等である。なお、上記の例は便宜のため自然言語であるが、言うまでもなく、判定条件はコンピュータが解釈可能な表現でも記述されうる。
判定条件は、例えば、条件文の骨子とパラメータの値との組み合わせである。パラメータは、抽出するために用いられる値の種類を規定する。条件文の骨子は、パラメータの間に求められる関係(いわば条件式の構成)と、を規定する。例えば、「25日移動平均が75日移動平均に比べ5%以上高い」という判定条件の、骨子は、「(S1)日移動平均が(S2)日移動平均に比べ(T)%以上高い」であり、パラメータは、S1、S2、およびTである。本開示では、条件文の骨子の種類を、判定条件の種類(または「判定条件種」)とも称す。条件文の骨子が同一でありパラメータの値が異なる判定条件は、同一の種類の判定条件である。
判定条件は、株価の推移を対象とする条件に限られない。例えば、出来高の推移を対象とする判定条件があってもよい。他にも、PER(Price Earnings Ratio、株価収益率)や、国のGDP(Gross Domestic Product、国内総生産)を対象とする判定条件があってもよい。
判定条件の中には、パラメータを含まない判定条件があってもよい。
条件データ1192は、例えば、判定条件の種類ごとに、判定条件種の種類名と、判定条件の骨子と、判定条件に用いられるパラメータに関する情報とを記憶する。図2は、条件データ1192の内容を例示する表である。図2には5つの判定条件種に関するデータが例示されているが、記憶される判定条件種の数はもっと多く(例えば数十、数百個)あってよい。
例えば、図2に示すように、種類名が「過去比率」(ROC:Rate Of Change)と名付けられた種類の判定条件の骨子は、「その日の終値が、その日の(S1)日前の終値と比べて(T)%以上高い」である。この判定条件の種類においては、比較対象日(比較される日がその日の何日前の日であるか)S1と、閾値(何%以上下がっていれば抽出するか)Tとが、パラメータである。
記憶部119は、図2のように、判定条件の種類ごとに、その判定条件において用いられるパラメータの範囲を記憶していてもよい。また、記憶部119は、パラメータごとに、そのパラメータの基本的な値(一般的に用いられる値や、効果的と考えられる値など)を、「基本値」として記憶してもよい。基本値は、例えば支援システム11の管理者によって登録される。あるいは、基本値は、支援システム11のサービスを使用するユーザが使用した値の統計に基づいて決定されてもよい。例えば、最も使用される頻度が高い値が、基本値として決定されてもよい。
上記のような条件データ1192に基づくと、膨大な数の判定条件が生成され得る。例えば、判定条件の種類が数百種記憶されているだけでも、各種類とパラメータの値との組み合わせは無数に存在することとなる。したがって、記憶部119は、膨大な数(または無数)の判定条件群を記憶していると解釈されてもよい。
上記の条件データ1192の形態は一例である。変形例として、例えば、記憶部119は、条件データ1192として、骨子とパラメータの値との組が定まっている判定条件を、複数記憶していてもよい。
【0014】
送受信部111は、ユーザ端末20とデータのやりとりを行う。
出力情報生成部112は、ユーザ端末20に出力させる情報(出力情報)を生成する。出力情報生成部112は、ユーザ端末20が出力情報を出力するためのデータを、送受信部111を介してユーザ端末20に提供する。以下で説明される、ユーザ端末20による表示画面(図4、5、6および7等)は、出力情報生成部112により生成される情報に基づいて生成・表示されるものである。すなわち、出力情報生成部112は、表示部202の表示を制御するといえる。
【0015】
抽出ルール生成部113は、抽出ルールを生成する。本実施形態における抽出ルールとは、既に述べた通り、どのような条件を満たしている点(経時変化データ1191に含まれる時点)を「買うべき(または売るべき)」タイミングとして抽出するか、を定める判断基準である。すなわち、抽出ルールは、点を抽出するための、判定条件の組み合わせである。
図1に示される通り、抽出ルール生成部113は、条件決定部1131と統合部1132とを含む。
条件決定部113は、抽出ルールの生成に使用される、判定条件を決定する。具体的には、条件決定部113は、例えば、ユーザからの入力情報に基づき、記憶部119により記憶される判定条件群から、判定条件を抽出する。ユーザからの入力情報とは、例えば、ユーザが選択した判定条件種または判定条件の情報等である。ユーザからの入力情報を取得する流れについては、後述する。
【0016】
統合部1132は、条件決定部113により決定された判定条件を統合し、その結果として抽出ルールを生成する。統合とは、判定条件を組み合わせることである。
【0017】
点抽出部114は、抽出ルール生成部113により生成された抽出ルールに基づき、経時変化データ1191から点(経時変化データ1191に含まれる時点)を抽出する。すなわち、点抽出部114は、抽出ルールが示す判定条件の組み合わせを満たす点を、経時変化データ1191から抽出する。
なお、点抽出部114によって抽出される「点」(または「時点」)とは、必ずしも瞬間を意味するのではなく、ある程度の幅を持ってよい。「点」(または「時点」)は、分単位・時間単位・1日単位の期間たり得る。例えば、点抽出部114は、「前の3日間の終値が連続して下落している」という条件に基づいて点を抽出する場合、終値が連続して下落した3日間の翌日にあたる「日」を、点として抽出し得る。あるいは、点抽出部114は、終値が連続して下落した3日間の翌日にあたる日に含まれるある瞬間(朝の9時など)を、点として抽出してもよい。
【0018】
<動作>
支援システム11およびユーザ端末20の処理の流れの例を、図3のシーケンス図を参照しながら説明する。
ユーザ端末20は、例えば、特定のwebサイトにアクセスする。支援システム11は、その特定のwebサイトにアクセスしたユーザ端末20に対し、webサービスとして次の動作を行う。
まず、支援システム11の出力情報生成部112は、判定条件種を提示する画面を表示するためのデータを生成し、ユーザ端末20に対して送信する(ステップS31)。ユーザ端末20の送受信部201がそのデータを受信し(ステップS32)、表示部202がそのデータに基づいて、判定条件種を画面表示により提示する(ステップS33)。なお、判定条件種の提示とは、判定条件種の識別子(種類名その他、判定条件種に依存する文字、記号、画像等を含む)の提示である。出力情報生成部112は、判定条件種を提示するために、各種類の代表的な、具体的な判定条件を提示してもよい。
図4は、表示部202によりユーザ端末20の画面に表示される画像の例である。図4の例では、判定条件種として、「移動平均乖離率」、「過去比率(ROC)」、「ROC変化」、「出来高変化率」および「クロス」が提示されている。判定条件種は、一度に表示されなくてもよい。例えば、画面のスクロールやページ遷移によって数種類ずつ提示されてもよい。それぞれの判定条件種は、選択/選択解除が可能な状態になっている(図4の例では、各種類にチェックボックスが付されている)。表示される画面には、判定条件種の他、任意の株価の推移グラフのサンプルが含まれていてもよい。
表示される判定条件種は、記憶部119に記憶されている全ての種類でもよいし、一部の種類でもよい。出力情報生成部112が、提示する種類をピックアップしてもよい。出力情報生成部112が提示する種類をピックアップする場合、ピックアップされる種類は、ユーザ端末20によらず一定でもよいし、ユーザの特徴に応じて異なっていてもよい。ユーザの特徴に基づき提示する種類をピックアップする例は、<さらなる構成>の説明で後述する。
ユーザ端末20のユーザは、提示された判定条件種のうち、任意の判定条件種を選択する。入力受付部203が、ユーザによる判定条件種の選択を受け付ける(ステップS34)。
図5は、ユーザが「移動平均乖離率」を選択した時の表示画面の例である。選択された判定条件種については、例えばその判定条件種の識別子の横のチェックボックスにチェックマークがつくなど、その判定条件種が選択中であることがわかるような表示がされてもよい。直前に選択された判定条件種は、図5のように他の判定条件種とは異なる色またはスタイル等で強調されてもよい。
ユーザが判定条件種を選択する方法は、上記の形式に限られない。たとえば、選択の形式は、ユーザが判定条件種の識別子を(たとえばドラッグアンドドロップによって)画面上の所定の領域に移動させることによってその判定条件種が選択されたと判定される形式でもよい。そのような構成によれば、同じ判定条件種を複数選択することが容易になる。入力受付部203は、同じ判定条件種の選択を複数回受け付けてもよい。
【0019】
表示部202には、図5のように、選択された判定条件種の説明が表示されてもよい。例えば、表示部202は、選択された判定条件種の骨子を自然言語または条件式により表示してもよい。このとき、それぞれのパラメータの値の例(例えば基本値)も骨子とともに表示されてもよい。この場合において、各パラメータの基本値は、ステップS31の段階において出力情報生成部112から送信されていればよい。あるいは、種類が選択された時に、選択された種類を送受信部201が支援システム11に送信し、支援システム11が受け取った種類の各パラメータの基本値をユーザ端末20に送ることで、選択された種類の各パラメータの基本値をユーザ端末20が取得してもよい。
この時点で必ずしもパラメータの値の例が表示されなくともよい。骨子の表示において、パラメータの値の代わりに、変数を示す文字が表示されていてもよい。
また、表示部202は、サンプルのグラフにおいて、選択された判定条件種に関係するデータをさらに表示してもよい。例えば、選択された判定条件種が「移動平均乖離率」であれば、表示部202には、各時点における直近数日間(例えば25日間)の移動平均値のグラフが重畳表示されてもよい。特に、それぞれのパラメータの値の例が表示されている(判定条件が具体的に提示されている)場合、図5のようにその判定条件に基づいて抽出される時点の例が示されてもよい。判定条件に基づいて時点を抽出する処理は、点抽出部114により行われてもよいし、ユーザ端末20により行われてもよい。
サンプルのグラフにおける、判定条件種に関係するデータの表示は、ユーザが判定条件種を選択する前から、それぞれの判定条件種に対してなされていてもよい。出力情報生成部112は、図6に示されるように、それぞれの種類の判定条件に基づいて点が抽出される様子を示す画像を表示してもよい。ユーザは、サンプルにおいて点が抽出される様子に基づき、画像を選択することにより、判定条件種を選択してもよい。この場合、画像が、種類の識別子である。
このように、判定条件種について様々な表示がされることにより、ユーザにとって、それぞれの判定条件種がどのような種類であるのかを把握しやすくなる。
パラメータの値の例が提示される場合、パラメータの値は、ユーザの入力にしたがって変更されることが可能であってもよい。例えば、ユーザは、表示されたパラメータの値に対して、テキストデータを入力したり、プルダウンによるリストから選択したりすることによってパラメータの値を変更できてもよい。パラメータの値が変更された場合、支援システム11は、変更された値により完成する判定条件を、「選択された判定条件」として扱ってもよい。このとき、出力情報生成部112は、サンプルにおける抽出される点の表示を、変更された値に基づく判定条件に基づいて抽出される点の表示に変更してもよい。
以上のような処理によって、ユーザにより判定条件種が選択される(「判定条件」にまで具体的になっている場合もある)。送受信部201は、入力受付部203により受け付けられた、ユーザが選択した判定条件種(または判定条件)を支援システム11に送信する(ステップS35)。選択された判定条件種に関する情報が送信されるタイミングは、それぞれの選択が行われる直後でもよいし、例えば、ユーザにより「抽出ルール生成へ」のボタンが選択されたタイミングでもよい。なお、「抽出ルール生成へ」のボタンは、ユーザによる種類の選択の段階を終え、抽出ルールの生成の段階に移ることをユーザが支援システム11に指示するためのボタンである。
【0020】
支援システム11の送受信部111は、ユーザ端末20から送られてきた、選択された判定条件種または判定条件を受信する(ステップS36)。なお、ユーザによって選択される種類の数は、ユーザの個性を反映した抽出ルールを生成するという観点からは、2つ以上であることが望ましい。選択された種類の数が1つ以下である時に「抽出ルール生成へ」のボタンが選択された場合、出力情報生成部112は、エラー画面を出力する制御を行ってもよい。
次に、抽出ルール生成部113の条件決定部1131が、ユーザにより選択された判定条件種(および判定条件)に基づき、抽出ルールの生成に使用される判定条件を決定する(ステップS37)。具体的には、まず、条件決定部1131は、ユーザにより選択された判定条件種の各パラメータの値を設定する。条件決定部1131は、既にユーザによりパラメータの値が入力された判定条件種については、入力されたパラメータの値を設定値としてよい。また、判定条件種が選択される画面においてパラメータの値の例が提示されていた場合も、条件決定部1131は、提示されていたパラメータの値を設定値としてもよい。ただし、この値は設定し直されてもよい(値が定まっていないパラメータであると見なされてもよい)。
値が定まっていないパラメータの値を設定する方法は、例えば、次のような方法が挙げられる。
・基本値を設定値として設定する。
・定義された範囲内で、ランダムに決定する。
・用意された複数の値からランダムに決定する。
ランダムに決定する方法によれば、生成される抽出ルールが多様化する、すなわちオリジナリティのある抽出ルールが生成されやすい、という効果がある。定義された範囲内でランダムに決定する方法における「定義された範囲」は、図2で例示される「パラメータの範囲」とは別に定義される範囲でもよい。ランダムによる決定においては、条件決定部1131は、ランダムで決定され得る値のそれぞれの決定されやすさに重みをつけて(例えば基本値に近い値ほど決定されやすいような方法を用いて)もよい。
次に、抽出ルール生成部113の統合部1132が、条件決定部1131により決定された判定条件を組み合わせて、抽出ルールを生成する(ステップS38)。例えば、使用される判定条件として決定された判定条件が、判定条件A、BおよびCであったとする。この場合、抽出ルール生成部113は、例えば、「判定条件AかつBかつCを満たす点を特定(抽出)する」という抽出ルールを生成する。すなわち、抽出ルール生成部113は、選択された判定条件を組み合わせることによって、抽出ルールを生成する。上記抽出ルールの生成は一例である。判定条件の組み合わせはAND条件に限らず、OR条件でも、ANDおよびORを含んだ組み合わせでもよい。
判定条件Aと判定条件BとがAND条件で組み合わせられる場合、「判定条件Aを満たすが判定条件Bを満たさない」ような点が、抽出されなくなる。このことは、抽出される点の条件が厳しくなり、より抽出ルールが精錬され得ることを意味する。
なお、判定条件がどのように組み合わせられるか(AND条件で組み合わさるかOR条件で組み合わさるか)は、判定条件種ごとに予め決まっていてもよいし、ユーザによって選択可能であってもよい。
抽出ルールが生成したら、点抽出部114が、その抽出ルールに基づいて記憶部110の経時変化データ1191から点を抽出する(ステップS39)。すなわち、点抽出部114は、抽出ルールが示す条件を満たす点を抽出する。点が抽出される経時変化データは、予め決められていてもよいし、ユーザに選択されてもよいし、ランダムに選択されてもよい。点抽出部114は、リアルタイムに更新されている経時変化データ1191から点を抽出してもよい。点を抽出する対象となる経時変化データは、複数個の経時変化データでもよい。
そして、出力情報生成部112が、抽出された点に関する情報を生成する(ステップS40)。抽出された点に関する情報は、例えば、点が抽出された経時変化データのグラフにおいて、抽出された点を示す情報である。このような情報によれば、ユーザは、例えば、生成された抽出ルールによって抽出された点の後のグラフの変化の傾向を分析することができる。
抽出された点に関する情報は、例えば、その点から所定の期間のグラフの変化の傾向を示す情報でもよい。例えば、出力情報生成部112は、「上昇点率」なる値を示す情報を生成してもよい。「上昇点率」は、例えば、抽出された点の内の、所定の時間後の時点の株価が高くなっている点の割合で求められてもよい。このような情報によれば、ユーザは生成された抽出ルールの妥当性ないし有効性(見出す価値のある点や特定の傾向を示す点を抽出するための抽出ルールとして適当かどうか)を判断することができる。
リアルタイムに更新されている経時変化データ1191から、「現時点」が抽出ルールを満たす点であるとして抽出された場合、出力情報生成部112は、点が抽出された経時変化データ1191と、現時点が抽出されたことを示す表示(「サインが出ました」という表示等)を行う出力情報を生成してもよい。この場合、ユーザは、自身が生成した抽出ルールに基づいて判定される売買タイミングをリアルタイムで知ることができる。
【0021】
出力情報生成部112は、生成された抽出ルールの構成、すなわち、用いられた判定条件とその組み合わせ方を示す情報を生成してもよい。
送受信部111は、出力情報生成部112により生成された情報をユーザ端末20に送信する(ステップS41)。ユーザ端末20の送受信部201はその情報を受信し(ステップS42)、表示部202がその情報を、表示することによってユーザに提示する(ステップS43)。図7は、ステップS43の処理によって表示部202に表示される画面の例である。図7に示すように、表示部202は、たとえば、抽出ルールの詳細や、抽出された点に基づく評価に関する情報を表示する。
【0022】
<効果>
実施態様1によれば、ユーザ端末20のユーザは、容易にオリジナルの抽出ルールを作成することができる。抽出ルールは、ユーザが選択した判定条件種に基づいて生成されるため、ユーザごとに独自性を持つ。
判定条件種が提示されることにより、ユーザは提示された判定条件種を選択するだけでよく、複雑な条件式を入力する必要がない。また、判定条件種を選択するだけで、パラメータの値が自動的に設定されることにより、ユーザがパラメータを設定する手間も省略できる。ユーザはこの場合、判定条件種を選択する行為と、抽出ルールを生成することを決定するボタンを押す行為のみで、独自の抽出ルールを得ることができる。
ユーザは、得られた抽出ルールを用いて、時系列データに対する分析を行うことができる。また、ユーザは、例えば、抽出ルールを用いて投資を有利に行うことができる。抽出ルールが容易に生成できることから、ユーザは、例えば、複数の抽出ルールを生成し、それらの有効性等を比較することによってより有用な抽出ルールを見出すことが容易になる。
【0023】
<さらなる構成>
実施態様1にさらに追加すると有用と思われるさらなる構成について説明する。
[抽出ルールの分析]
支援システム11が備える構成に加えて、さらに分析部125を備える支援システムを、支援システム12として説明する。図8は、支援システム12の構成を示すブロック図である。
分析部125は、抽出ルール生成部113により生成された抽出ルールに対して分析を行う。分析部125は、その分析の結果を出力情報生成部112に送出する。
例えば、分析部125は、生成された抽出ルールの有効性の指標を算出する。特に株式の変動データを対象とする抽出ルールの場合、有効性の指標は、例えば、生成された抽出ルールに基づいて株式の売買を行う場合の損得の指標である。損得の指標の一つの例は、上述の「上昇点率」である。「上昇点率」がわかることにより、ユーザは、生成された抽出ルールによって抽出された点で株式を買った場合に、所定の期間後に得をする(すなわち、その株式の株価が上がる)場合と、損をする(すなわち、その株式の株価が下がる)場合の、どちらがどの程度起こりやすいか、がわかる。同様に、ユーザは、株式を売った場合の損得も、上昇点率からわかる。
この他、分析部125は様々な損得の指標を算出してもよい。分析部125は、経時変化データ1191を用いて、生成された抽出ルールに基づき抽出される点を点抽出部114から受け取る。そして、その点における株価と、その点から所定の期間後における株価とを比較し、株価が上がるか(または下がるか)、またはどれだけ上がるか(または下がるか)を特定する。例として、基準点から所定の期間後における株価を、基準点における株価で除した値を「上昇率」と定義する。分析部125は、抽出された点のそれぞれの上昇率を計算してもよい。そして、分析部125は、上昇率が計算された点のうち、上昇率の値が所定の値(1.1など)を超える点の割合を「成功率」として算出してもよい。あるいは、分析部125は、複数の経時変化データ1191のそれぞれにおいて、抽出された点の上昇率の平均を算出し、用いられた複数の経時変化データ1191のうち、その平均が所定の値(1.1など)を超える数の割合を「成功率」として算出してもよい。
抽出ルールに対する分析の種類は、上記の例に限られない。分析部125は、生成された抽出ルールに基づく株取引に関する、様々な統計的な情報を算出してよい。分析部125は、分析結果に応じた、抽出ルールに対する評価を算出してもよい。たとえば、分析部125は、損得の指標の値(上昇点率、成功率等)を評価点として算出してもよい。評価の算出方法は、一般的に有効とされる尺度に基づいて定義されればよい。分析部125は、損得の指標の評価のほか、生成された抽出ルールに基づき点が抽出される頻度や、損害のリスクに関する情報、およびそれらに対する有効性の評価を算出してもよい。
【0024】
出力情報生成部112は、分析部125による分析の結果を出力する情報を生成する。分析の結果は送受信部111および送受信部201を介してユーザ端末20に送られ、ユーザ端末20の表示部202により表示されてもよい。これにより、例えばユーザは、生成された抽出ルールの価値、すなわち有効性等を知ることができる。
ユーザは、分析の結果に基づき、判定条件種を選び直したり、パラメータを変更したりして、抽出ルールを生成し直してもよい。そうすることで、よりユーザはより自分が望む性質を満たす抽出ルールを生成することができる。
[複数の抽出ルールの生成]
抽出ルール生成部113は、複数の抽出ルールを生成してもよい。例えば、抽出ルール生成部113は、「買い時抽出ルール」と「売り時抽出ルール」を生成してもよい。買い時抽出ルールは、ユーザが売買対象を買うべきとされる時点を抽出するルールである。売り時抽出ルールは、ユーザが売買対象を売るべきとされる時点を抽出するルールである。
【0025】
入力受付部203は、ユーザから、買い時抽出ルールの生成に使用される判定条件種と、売り時抽出ルールの生成に使用される判定条件種を、それぞれ別々に(すなわち、区別可能な態様で)受け付ければよい。そして、抽出ルール生成部113は、別々に受け付けられた判定条件種のそれぞれから、「買い時抽出ルール」と「売り時抽出ルール」を生成し得る。
【0026】
[自動取引]
支援システム11に、更に取引の仲介サービスを提供する機能が加わったシステムとして、支援システム13を説明する。支援システム13は、自動取引のサービスを提供する。すなわち、支援システム13は、支援システム13により生成された抽出ルールを実際の株価に適用し、抽出される点において株式の売買を行い得る。
図9は、支援システム13の構成を示すブロック図である。支援システム13は、支援システム11(または支援システム12)の構成に加え、データ取得部136と、取引部137とを備える。また、支援システム13における記憶部139は、経時変化データ1191および条件データ1192に加え、さらにユーザ情報1393を備える。
ユーザ情報1393は、支援システム13のサービスを享受するユーザの情報を記憶する。ユーザの情報は、例えば、ユーザのID(Identifier)、連絡先(メールアドレス等)を含む。ユーザの資金を用いて自動取引を行う場合は、ユーザの情報には、資金額、口座番号等が含まれていてもよい。
【0027】
データ取得部136は、経時変化データ1191を生成するデータを取得する。具体的には、データ取得部136は、随時、更新される株価の情報を取得する。そして、データ取得部136は、経時変化データ1191を、更新し、常に最新の状態に保つ。
【0028】
取引部137は、随時更新される経時変化データ1191において現時点が抽出ルールに基づき抽出された場合、そのデータに係る株式の取引を行う。
【0029】
(自動取引の流れ)
自動取引の流れについて説明する。ユーザは、判定条件種の選択の結果として抽出ルールを得ると、支援システム13に対して、その抽出ルールを用いて自動取引を行うサービスをリクエストすることができる。例えば、生成された抽出ルールを表示する画面において、「自動取引へ」というボタンが表示され、ユーザがそのボタンを選択すればよい。次にユーザは、自動取引に関する設定を行う。画面には、例えば、抽出ルールに基づいて点が抽出された場合にいくら分の株式を買うか(あるいはいくら分の株式を売るか)、株式を買った(または売った)あとにどのような判定条件を満たしたらその株式を売る(買う)か、等の設定画面が表示され得る。設定項目のパラメータにはデフォルトの値が設定されていてもよい。そして、ユーザは、画面操作を通して設定を完了し、自動取引を支援システム13に指示し得る。
【0030】
記憶部139は、ユーザによって依頼された自動取引の設定をユーザ情報1393にひも付けて記憶する。具体的には、ユーザ情報と1393と、使用する抽出ルールと、自動取引の設定とを関連付けて記憶する。
以降、点抽出部114は、データ取得部136が最新のデータを取得する度に、または所定の時間間隔で、最新のデータが得られた時点(現時点)が、抽出ルールが示す条件を満たす時点であるかを判定する。それにより、点抽出部114は、抽出ルールが示す条件を満たす点を抽出する。
点抽出部114が点を抽出した場合、取引部137は、点が抽出されたデータに係る株式を、ユーザの設定に基づき売買する。また、取引部137は、ユーザの設定に従い、売買した株式を、条件が満たされたタイミングでさらに売買してもよい。
【0031】
取引部137は、取引部137の指示に応じてユーザの資金で株の売買を行うシステムに対して取引を指示するだけでもよい。取引部137は、抽出ルールに基づいて抽出された時点において、株式の売買を制御する構成であればよい。
自動取引の構成によれば、ユーザが支援システムを用いて生成した抽出ルールを用いて、実際にユーザの資金を運用することができる。
【0032】
(変形例)
支援システム13は、自動取引を擬似的に行ってもよい。すなわち、取引部137は、架空のマネーを想定し、仮にユーザの抽出ルールに基づいて自動取引を行った場合のマネーの変動をシミュレートしてもよい。支援システム13は、そのシミュレーションの結果をユーザの連絡先に送信してもよい。そうすることにより、ユーザは、自分が生成した抽出ルールの有効性を判断することができる。なお、シミュレーションの結果には、分析部125により算出された評価の情報が含まれていてもよい。
特に、「買い時抽出ルール」と「売り時抽出ルール」が生成される実施態様では、抽出されるそれぞれの時点における取引金額が設定されれば、資産額の増減の様子がわかる。抽出ルール生成部113は、例えば、各時点における売買量(または売買金額)を決定し、取引金額の設定も含めた抽出ルールである「売買ルール」を生成してもよい。抽出ルール生成部113は、売買量を、例えば、予め決められた金額設定ルールに基づいて決定してもよい。例えば、入力受付部203は、任意のタイミングで、ユーザから、ユーザが希望する金額設定ルールの指定を受け付ける。金額設定ルールは、例えば、「購入の場合は手持ち資金(供出可能な金)の30%を限度としてなるべく多く買う。売却は資産額(手持ち資金と保有株式の価格を含む金額)の30%を限度としてなるべく多く売る。」といったものである。抽出ルール生成部113は、この金額設定ルールに従って、各売買における取引量を自動で設定してもよい。
上記のように売買ルールが決定され得る実施態様では、分析部125は、売買ルールに対する評価を算出してもよい。例えば、分析部125は、総資産額がどの程度増えたかを示す値を、評価点として算出してもよい。
【0033】
[抽出ルールの補正]
ユーザによる判定条件種の選択に基づき、複数の抽出ルールが生成されてもよい。例えば、抽出ルール生成部113は、ユーザによる判定条件種の選択に基づき初めに生成される抽出ルールを、補正した抽出ルールを生成してもよい。
抽出ルールを補正することとは、例えば、抽出ルールに含まれる判定条件を抽出ルールから除外すること、抽出ルールにさらに判定条件を含めること、抽出ルールに含まれる判定条件のパラメータを変更すること、などが含まれる。
以下、例として、抽出ルール生成部113が、抽出ルールにさらに判定条件を含める処理を行う例を説明する。
まず、抽出ルール生成部113は、上述のステップS38およびS39の通り、ユーザが選択した判定条件種に基づき決定された判定条件のみに基づく第1の抽出ルールを生成する。そして、抽出ルール生成部113は、抽出ルール生成部113は、記憶部119に含まれる条件データ1192から、1つ以上の判定条件を選択(抽出)し、選択された判定条件を、第1の抽出ルールに追加する。
抽出ルール生成部113は、追加する判定条件を、第1の抽出ルールに基づいて選択してもよい。具体的には、例えば、抽出ルール生成部113は、第1の抽出ルールに追加することによって第1の抽出ルールよりも有効性(分析部125により算出される評価)が高い抽出ルールを生成できるような判定条件を選択してもよい。そのためには、例えば、抽出ルール生成部113は、条件データ1192に含まれる判定条件のそれぞれを、仮に第1の抽出ルールに追加した場合に生成する抽出ルールの評価と、第1の抽出ルールの評価とを比較すればよい。パラメータを含む判定条件を追加する場合には、抽出ルール生成部113は、評価がより良くなるパラメータの値を特定し、その特定されたパラメータを用いた判定条件を追加してもよい。
抽出ルール生成部113は、以上のようにして、第1の抽出ルールにさらに判定条件を追加した抽出ルールを生成する。補正された抽出ルールを第2の抽出ルールとする。
抽出ルールに含まれる判定条件を除外する場合も、抽出ルール生成部113は、抽出ルールの評価がより良くなるように判定条件を除外すればよい。例えば、抽出ルール生成部113は、第1の抽出ルールに含まれる判定条件の、それぞれを除外した場合の抽出ルールを生成し、それぞれの抽出ルールの評価を分析部125に計算させる。生成した抽出ルールのうち、第1の抽出ルールよりも評価が高い抽出ルールがある場合は、抽出ルール生成部113は、その抽出ルールを第2の抽出ルールとして決定する。
抽出ルールに含まれる判定条件のパラメータを変更する場合も、抽出ルール生成部113は、抽出ルールの評価がより良くなるようにパラメータを変更すればよい。例えば、抽出ルール生成部113は、第1の抽出ルールに含まれる判定条件の1つを選択し、選択された判定条件に含まれるパラメータを1つ特定し、そのパラメータの値を変更した場合の抽出ルールの評価を分析部125に計算させる。そのパラメータの値を変更した場合の抽出ルールの評価が元の抽出ルールの評価よりも良い場合は、抽出ルール生成部113は、そのパラメータの値を変更した抽出ルールを第2の抽出ルールとして決定する。
抽出ルール生成部113は、第2の抽出ルールに対して、さらに補正を行い、第3の抽出ルール、第4の抽出ルールを生成してもよい。
【0034】
出力情報生成部112は、補正された抽出ルールが生成できたことをユーザ端末20に送信してもよい。支援システムが分析部125を備える場合は、補正された抽出ルールに関する分析の結果を送信してもよい。
【0035】
記憶部139は、補正された抽出ルールを、元になった抽出ルールを生成したユーザにひも付けて記憶してもよい。
抽出ルールを補正する構成によれば、ユーザはさらに好みの抽出ルールを得る機会が提供される。特に成功率など損得の指標に関する評価を向上するような補正が行われる場合は、より質の良い(利益が期待できる、有効性が高い)抽出ルールを得ることができる。
【0036】
出力情報生成部112は、補正された抽出ルールの中身(条件の組み合わせ)を出力情報に含めなくてもよい。補正された抽出ルールの詳細が表示されなくても、生成された抽出ルールの分析結果が表示されたり、生成された抽出ルールを「抽出ルールA」などとして自動取引等において使用できたりすれば、ユーザにとっては十分である。
以上で説明した抽出ルール生成部113の処理の一部(判定条件の追加、削除、パラメータ変更)は、条件決定部1131により行われてもよい。また、抽出ルール生成部113は、ステップS37の段階で、ユーザが選択した判定条件の種類(または判定条件)に対する判定条件の追加、削除、パラメータ変更を行ってもよい。
【0037】
[ユーザの特徴を利用した処理]
上記した各部の処理において、ユーザの特徴を利用した処理が行われてもよい。以下に、ユーザの特徴を利用した処理を行う支援システム14について説明する。
図10は、支援システム14の構成を示すブロック図である。支援システム14は、支援システム11~13と同様の構成要素に加え、特徴特定部148を備える。
特徴特定部148は、ユーザの特徴を特定する。ユーザの特徴とは、ユーザの性別、年齢、資産等の定量的な特徴のほか、ユーザの性格、嗜好といった、定性的な特徴を含んでもよい。例えば、支援システム14の出力情報生成部112は、ユーザに対して、性格や資金力、嗜好、思考の傾向等に関する質問を提示する。質問の一例としては、「あと何年働くつもりでいますか」、「このようなケースであなたはどうしますか」等がある。そして、その質問に対するユーザの回答に基づき、特徴特定部148は、ユーザの特徴を特定する。特徴特定部148は、ユーザの登録された情報(性齢等)と、その情報と性格・資金力・嗜好との関係性を示す情報とに基づいて、ユーザの性格・資金力・嗜好を類推してもよい。
ユーザの特徴が特定された場合、ユーザの特徴を利用した様々な処理が実行可能である。以下にその具体例を提示する。
1.条件の種類の提示時
出力情報生成部112は、ユーザの特徴に合った判定条件が優先的に提示されるように、出力情報を調整してもよい。例えば、出力情報生成部112は、ユーザの好みに合った判定条件の種類を抽出し、抽出された種類を、抽出されなかった種類よりも高い位置に表示するよう、種類の選択画面における種類の表示順を設定してもよい。出力情報生成部112は、抽出された種類に「お勧め」を示す表示等を付してもよい。これにより、ユーザの個性に合った抽出ルールが生成されやすくなる。
2.パラメータの値の決定
条件決定部1131は、ユーザの特徴に応じてパラメータの値を設定してもよい。一例として、条件決定部1131は、目標金額が高いほど、高い閾値が設定されやすくなるように、値の決定方法を変更してもよい。これにより、ユーザの個性に合った抽出ルールが生成されやすくなる。
3.抽出ルールの補正
抽出ルール生成部113は、ユーザの特徴に応じて抽出ルールを補正してもよい。例えば、抽出ルール生成部113は、第1の抽出ルールよりもユーザが好む特徴を持つ抽出ルールになるように、第2の抽出ルールを生成してもよい。
4.評価の算出
分析部125は、ユーザの嗜好に対する適合度の評価を算出してもよい。分析部125は、ユーザの資金額がわかっている場合、破産確率を算出してもよい。
5.売買ルールの生成
抽出ルール生成部113は、ユーザの特徴に応じて売買ルールを生成してもよい。
以上のように、支援システム14によれば、ユーザごとに満足度の高いサービスを提供することができる。
以上の追加構成は、自由に組み合わされてもよい。例えば、一実施形態に係る支援システムは、送受信部111、出力情報生成部112、抽出ルールを補正する機能を持つ抽出ルール生成部113、点抽出部114、分析部125、データ取得部136、取引部137、特徴特定部148、および記憶部139を備えていてもよい。
【0038】
<<第2の実施形態>>
本発明の第2の実施形態について説明する。
実施態様2では、支援システムが入出力インタフェースを有している。ユーザは、支援システムの入出力インタフェースを介して条件の選択等を行い、抽出ルールの生成に関するサービスを受ける。
図11は、第2の実施形態に係る支援システム40の構成を示すブロック図である。支援システム40は、送受信部111以外の、実施態様1の支援システム11~14と同様の構成要素を備え(図11においては、支援システム40は支援システム11と同様の構成要素を備える)、送受信部111の代わりに、入出力インタフェース401を備える。
支援システム11と同様の構成要素については説明を省略する。
入出力インタフェース401は、出力情報生成部112により生成された画面情報の出力(表示)、および、ユーザからの入力の受付を行う。入出力インタフェース401は、例えば、タッチパネルである。入出力インタフェース401は、入力インタフェース(マウス、キーボード等)と出力インタフェース(ディスプレイ等)との組み合わせでもよい。
なお、支援システム40は、例えば、各部の各機能を、プログラムをメモリにロードすることにより実現する。当該プログラムは、インターネット等により外部の装置から取得されてもよいし、プログラムが記録された記憶媒体を読み取り装置等によって読み込まれてもよい。一部の機能が外部の装置から提供されてもよい。例えば、記憶部119が記憶する諸々の情報は、外部の装置が保持しておき、支援システム40が必要に応じて読み出してもよい。
図12は支援システムの処理の流れを示すフローチャートである。処理の内容は図3のシーケンス図に記載される処理と同様に理解される。まず、入出力インタフェース401が、出力情報生成部112により生成された出力情報を出力することで、ユーザに対して判定条件の種類を提示する(ステップS121)。そして、入出力インタフェース401は、判定条件の種類の選択をユーザから受け付ける(ステップS122)。抽出ルール生成部113は、選択された種類に基づいて、抽出ルールに使用する条件を決定する(ステップS123)。そして、抽出ルール生成部113は、決定された条件を組み合わせて抽出ルールを生成する(ステップS124)。次に、点抽出部114が、生成された抽出ルールに基づいて点を抽出する(ステップS125)。そして、出力情報生成部112は、抽出された点に関する情報を生成する(ステップS126)。そして、入出力インタフェース401が、生成した情報を出力により提示する(ステップS127)。
第2の実施形態によっても、実施態様1と同様の効果が得られる。
【0039】
<<一実施形態>>
本発明の一実施形態に係る支援システム10について説明する。
図13は、支援システム10の構成を示すブロック図である。支援システム10は、生成部101と、出力部102、記憶部103とを備える。生成部101および出力部102は、例えば、サーバ、又は所与のプログラムをインストールした端末である。記憶部103は、例えば、データベースシステムである。
記憶部103は、複数の判定条件を記憶する。判定条件は、時系列データに含まれる時点のそれぞれについて、その時点を抽出するか否かの判断に用いられる条件である。
生成部101は、ユーザからの入力情報に基づき、複数の判定条件の中から、少なくとも2つの判定条件を抽出する。
生成部101は、抽出された判定条件の組み合わせからなるルールを生成する。このルールは、時系列データに含まれる時点をコンピュータが抽出するルールである。時系列データは、分析する価値のある時系列データであれば何でもよいが、例えば、株価変動データや為替変動データなど、取引物の価値に関する時間変化のデータが想定される。上記各実施形態の抽出ルール生成部113は、生成部101の一例である。
出力部102は、生成されたルールに関する情報を出力する。たとえば、出力部102は、生成されたルールに基づき抽出される点に関する情報を出力する。上記各実施形態の出力情報生成部112および送受信部111、ならびに入出力インタフェース401は、出力部102の一例である。
図14は、支援システム10の各部の処理の流れを示すフローチャートである。まず、生成部101は、ユーザからの入力情報に基づき、記憶部103に記憶された複数の判定条件の中から、少なくとも2つの判定条件を抽出する(ステップS141)。次に、生成部101は、抽出された判定条件の組み合わせからなるルールを生成する(ステップS142)。そして、出力部102は、生成されたルールに関する情報を出力する(ステップS143)。
本実施形態に係る支援システム10によれば、価値が変化する売買対象の売買における、売買のタイミングを抽出するルール等、時系列データに関する有意義な情報を提供しうる点の抽出ルールを、容易に得ることができる。
生成部101がユーザの入力に基づいて判定条件を抽出することにより、ユーザは判定条件に関する複雑な入力が必要ない。そして、抽出された判定条件からなるルールが生成されることから、ユーザは容易にルールを得ることができる。
少なくとも2つの判定条件からルールが生成されることにより、生成され得るルールは多様化する。ユーザの入力に基づく判定条件が用いられることにより、得られるルールはユーザの入力情報に依存する、すなわちユーザ本位のルールである。ユーザは、いわば、オリジナリティのあるルールを得ることができる。
ユーザの入力情報が、ユーザに対して提示された判定条件の種類からユーザが任意の種類を選択することにより得られる態様であれば、ユーザは、たかだか種類を選択することのみによって、ルールを得ることができる。
【0040】
<実施形態の各部を実現するハードウェアの構成>
以上、説明した本発明の各実施形態において、各装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。
各構成要素の処理は、たとえば、コンピュータシステムが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体により記憶された、その処理をコンピュータシステムに実行させるプログラムを、読み込み、実行することによって、実現されてもよい。「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、たとえば、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、および不揮発性半導体メモリ等の可搬媒体、ならびに、コンピュータシステムに内蔵されるROM(Read Only Memory)およびハードディスク等の記憶装置である。「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントにあたるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、プログラムを一時的に保持しているものも含む。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した機能をコンピュータシステムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
「コンピュータシステム」とは、一例として、図15に示されるようなコンピュータ900を含むシステムである。コンピュータ900は、以下のような構成を含む。
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903へロードされるプログラム904Aおよび記憶情報904B
・プログラム904Aおよび記憶情報904Bを格納する記憶装置905
・記憶媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インタフェース908
・データの入出力を行う入出力インタフェース910
・各構成要素を接続するバス911
たとえば、各実施形態における各装置の各構成要素は、その構成要素の機能を実現するプログラム904AをCPU901がRAM903にロードして実行することで実現される。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム904Aは、例えば、予め、記憶装置905やROM902に格納される。そして、必要に応じてCPU901がプログラム904Aを読み出す。記憶装置905は、たとえば、ハードディスクである。プログラム904Aは、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記憶媒体906に格納されており、ドライブ装置907に読み出され、CPU901に供給されてもよい。なお、記憶媒体906は、たとえば、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、および不揮発性半導体メモリ等の、可搬媒体である。
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個のコンピュータ900とプログラムとの可能な組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータ900とプログラムとの可能な組み合わせにより実現されてもよい。
また、各装置の各構成要素の一部または全部は、その他の汎用または専用の回路、コンピュータ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合には、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、コンピュータや回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0041】
本願発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。以上に説明した実施形態の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2017年1月28日に出願された日本出願特願2017―25423を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0042】
10~14、40 支援システム
20 ユーザ端末
30 通信ネットワーク
101 生成部
102 出力部
103 記憶部
111 送受信部
112 出力情報生成部
113 抽出ルール生成部
1131 条件決定部
1132 統合部
114 点抽出部
119、139 記憶部
125 分析部
136 データ取得部
137 取引部
148 特徴特定部
201 送受信部
202 表示部
203 入力受付部
401 入出力インタフェース
1191 経時変化データ
1192 条件データ
1393 ユーザ情報
900 コンピュータ
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904A プログラム
904B 記憶情報
905 記憶装置
906 記憶媒体
907 ドライブ装置
908 通信インタフェース
909 通信ネットワーク
910 入出力インタフェース
911 バス

図1
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図15