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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105127
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】流量計用の衛生的なマニホールド
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20220705BHJP
【FI】
G01F1/84
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022074642
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2020026580の分割
【原出願日】2015-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケーシー, ミーガン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流量計のための衛生的なマニホールドを提供する。
【解決手段】流量計のマニホールド100は、第1のオリフィス108及び第2のオリフィス110を備えた第1の面104と、第3及び第4のオリフィスを備えた対向する第2の面204とを有する本体120であって、第1及び第3のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第1の流路を規定し、第2及び第4のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第2の流路を規定し、第3及び第4のオリフィスは夫々、流量計の第1及び第2の流れチューブと流体が行き来するように構成された本体と、第1の面から突出して第1及び第2のオリフィスを囲む非円形の壁部106'を含む非円形の分岐した流れ開口112を備え、非円形の壁部は第1及び第2のオリフィスを出る流体流路の断面を変えるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計(5)のマニホールド(100)であって、
第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備えた第1の面(104)と、第3の
オリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備えた対向する第2の面(204)とを有する
本体(120)であって、第1のオリフィス(108)と第3のオリフィス(114)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第1の流路(170)を規定し、第2のオリフィス(110)と第4のオリフィス(116)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第2の流路(180)を規定し、第3のオリフィス(114)と第4のオリフィス(116)は夫々
、流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')と流体が行き来するように構成され
た本体(120)と、
第1の面(104)から突出して第1のオリフィス(108)と第2のオリフィス(110)を囲む非
円形の壁部(106,106')を含む非円形の分岐した流れ開口(112)を備え、
非円形の壁部(106,106')は第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を出る流体流路の断面を変えるように構成されている、マニホールド(100)。
【請求項2】
壁部(106)は楕円形の断面を有する、請求項1に記載のマニホールド(100)。
【請求項3】
壁部(106')は収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた断面を有する、請求項1に
記載のマニホールド(100)。
【請求項4】
更に、アダプタ要素(160)を含み、前記アダプタ要素(160)は、非円形の接続面(162)と
、対向して配置された流通開口(164)とを含み、前記接続面(162)は、前記壁部(106,106')に同心に取り付けられるように構成される、請求項1に記載のマニホールド(100)。
【請求項5】
流量計(5)のマニホールド(100)であって、
第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備えた第1の面(104)と、第3の
オリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備えた対向する第2の面(204)とを有する
本体(120)であって、第1のオリフィス(108)と第3のオリフィス(114)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第1の流路(170)を規定し、第2のオリフィス(110)と第4のオリフィス(116)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第2の流路(180)を規定し、第3のオリフィス(114)と第4のオリフィス(116)は夫々
、流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')と流体が行き来するように構成され
た本体(120)と、
第1の面(104)から突出して第1のオリフィス(108)と第2のオリフィス(110)を囲む非
円形の壁部(106,106')を含み、非円形の壁部(106,106')は第1のオリフィス(108)及び第
2のオリフィス(110)を出る流体流路の断面を変えるように構成されている非円形の分岐
した流れ開口(112)と、
非円形の接続面(162)と、対向して配置された流通開口(164)とを含み、前記接続面(162)は、前記壁部(106,106')に同心に取り付けられるように構成された、アダプタ要素(160)を備える、流量計(5)のマニホールド(100)。
【請求項6】
壁部(106)は楕円形の断面を有する、請求項5に記載のマニホールド(100)。
【請求項7】
壁部(106')は収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた断面を有する、請求項5に
記載のマニホールド(100)。
【請求項8】
流量計(5)のマニホールド(100)であって、
第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備えた第1の面(104)と、第3の
オリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備えた対向する第2の面(204)とを有する
本体(120)であって、第1のオリフィス(108)と第3のオリフィス(114)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第1の流路(170)を規定し、第2のオリフィス(110)と第4のオリフィス(116)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第2の流路(180)を規定し、第3のオリフィス(114)と第4のオリフィス(116)は夫々
、流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')と流体が行き来するように構成され
た本体(120)と、
第1の面(104)から突出して第1のオリフィス(108)と第2のオリフィス(110)を囲む壁
部(106')を含み、壁部(106')は収縮された周辺部分を有する長く延びた楕円形を有し、壁部(106')は第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を出る流体流路の断面を変えるように構成された、分岐した流れ開口(112)を備える、流量計(5)のマニホールド(100)。
【請求項9】
更に、アダプタ要素(160')を含み、該アダプタ要素(160')は収縮された周辺領域(300)
を有して長く延びた楕円形を有する接続面(162')と対向して配置された流通開口(164')を有し、接続面は壁部(106')に同心に取り付けられるように構成された、請求項8に記載のマニホールド(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載された実施形態は、振動計に関し、より詳細には、コンパクトな流量計のための改善された衛生的な吸入及び排出マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
コリオリ質量流量計及び振動式デンシトメータなどの振動式流量計又は導管センサは、一般的には、流れ材料を含む振動導管の運動を検出することによって動作する。導管内の物質に関連する質量流量、密度などの特性は、導管に関連するトランスデューサから受信した測定信号を処理することによって決定することができる。振動材料が充填されたシステムの振動モードは、一般に、導管及びその中に含まれる材料の質量、剛性、及び減衰特性の組み合わせによって影響される。
【0003】
材料は、振動計の入口側に接続されたパイプラインから流量計に流入する。次いで、材料は、流体チューブを通って向けられ、流量計から出口側に接続されたパイプラインに流出する。
【0004】
ボイスコイル式ドライバなどのドライバは、1つまたは複数の流体チューブに力を加える。力により1以上の流体チューブは振動する。流量計を通って流れる材料が無ければ、流体チューブに沿った全ての点は同一の位相で振動する。材料が流体チューブを通って流れ始めると、コリオリの加速度によって、流体チューブに沿った各点が、流体チューブに沿った他の点に対して異なる位相を有するようになる。流体チューブの入口側の位相はドライバに対して遅延するが、出口側の位相はドライバよりも先行する。流体チューブの2つの異なる点にセンサを配置して、2点における流体チューブの動きを表す正弦波信号を生成する。センサから受信した2つの信号の位相差は、時間を単位として計算される。
【0005】
2つのセンサ信号間の位相差は、流体チューブを通って流れる材料の質量流量に比例する。材料の質量流量は位相差に流量較正係数を乗算することによって決定される。流量較正係数は、流体チューブの材料特性及び断面特性に依存する。流量較正係数に影響を与える流体チューブの主な特性の1つは、流体チューブの剛性である。流量計をパイプラインに取り付ける前に、流量較正係数は較正プロセスによって決定される。較正プロセスでは、流体が所定の流量で流体チューブを通過し、位相差と流量との間の比率が計算される。流体チューブの剛性及び減衰特性もまた、当技術分野で一般的に知られているように、較正プロセスの間に決定される。
【0006】
コリオリ流量計の利点の1つは、測定された質量流量の精度は、振動する流体チューブに可動部品がないため、流量計内の可動部品の摩耗の影響を受けないことである。流量は、流体チューブ上の2点間の位相差と流量較正係数とを掛け合わせることによって決定される。唯一の入力は、流体チューブ上の2点の振動を示すセンサからの正弦波信号である。位相差は、正弦波信号から計算される。流量較正係数は流体チューブの材料特性および断面特性に比例するので、位相差測定および流量較正係数は、流量計内の可動部品の摩耗の影響を受けない。
【0007】
一般的なコリオリ流量計は、一般的には、流れ導管(単数または複数)の振動応答を測定するために使用される1つまたは複数のトランスデューサ(またはピックオフセンサ)を含み、通常、アクチュエータの上流及び下流の位置に配置される。ピックオフセンサは電子機器に接続される。電子機器は、2つのピックオフセンサからの信号を受け取り、信号を処理して、とりわけ質量流量測定を導出する。
【0008】
一般的なコリオリ流量計はピックオフセンサとしてのコイルと磁石の使用によって、流量及び/又は密度を測定して、流量計の振動する流れチューブの動きを測定する。流量計
を通る質量流量は、流量計の流れチューブの入口及び出口付近に位置する複数のピックオフ信号間の位相差から決定される。しかし、コイル/磁石センサの代わりにひずみゲージ
を使用して流量を測定することは可能である。2つのセンサタイプの基本的な違いは、コイル/磁石センサが流れチューブの速度を測定し、ひずみゲージが流れチューブのひずみ
を測定することである。
【0009】
一般的には、マニホールドは、流れチューブを通る材料の流入及び流出のための入口及び出口経路を提供し、これらは一般に、外部導管に取り付けるフランジに結合される。マニホールドは流れチューブ及びケース部に結合される。多くの状況において、流体チューブの一部は、ケースから延び、マニホールドのようなパイプラインインターフェースに接合される。流体チューブは、一般に溶接によってマニホールドに接合される。
【0010】
流量計はまた、高圧、低温及び衛生システムなどの特殊用途にも使用されている。定置洗浄(CIP)及び定置滅菌(SIP)システムは、大規模な分解や組立作業をせずに自動洗浄及
び消毒を行うように構成されたシステムである。洗浄は、自動システム又は手動システムで行うことができ、食品、乳製品、バイオテクノロジー、製薬業界が要求する厳しい衛生規則を満たす、信頼性が高く繰り返し可能なプロセスである。CIP及びSIPは、衛生的または無菌環境で処理が行われなければならない食品、酪農、飲料、栄養補助食品、バイオテクノロジー、医薬品、化粧品、健康及びパーソナルケア産業を含む多くの産業にとって重要である。食品加工装置は、多くの場合、装置によって処理される製品の各ロット間で清掃する必要がある。しかし、タンク、ポンプ、弁及びパイプは洗浄が難しい、何故なら種々の要素はアクセスし難く、洗浄の為に分解できないからである。これらの洗浄の困難さのために、多くの食品加工工場は、食品加工設備のタンク、ポンプ、弁及びパイプが物理的に組み立てられたままで定置洗浄システムを使用し、様々な洗浄、消毒及びすすぎ用の溶液が、定置洗浄システムによって高速度で食品加工装置を通って循環して洗浄プロセスに影響を及ぼす。
【0011】
CIP処理中に、処理ラインを洗浄するために、洗浄流体が高速度で処理ラインを通る。CIP処理用の流量は、ライン内に存在する最大の面積によって決定され、これは最小の速度を有する領域に対応する。CIP処理の最小速度は、関連する業界標準によって設定され得るが、効果的な洗浄結果を得るには、一般的に5フィート/秒の最小速度が推奨される(例えば、EHEDG(ヨーロッパ衛生技術&デザイングループ)のガイドラインを参照)。
【0012】
CIP用途では、サイズがコンパクトな流量計システムを使用することが望ましい。CIPシステムを含む衛生用途に使用されるコンパクトな流量計のラインサイズは、コンパクトな流量計及びケースに適合するためには必然的に小さくなければならない。一般的には、マニホールドの面からマニホールドにチューブを溶接して、チューブをケース内でより接近させることができる。ラインサイズが3インチ未満の現行の衛生的な流量計では、チュー
ブはマニホールドの裏側で溶接されているので、溶接のためのアクセスを可能にするためには、チューブをさらに分離する必要がある。このチューブの分離はまた、各サイズのチューブの個々のケースにつながる。例えば、9本のラインを使用する場合、夫々が同じケースを使用する3つのラインサイズで3つのケースが使用される。
【0013】
衛生的な用途では、流量計と共に使用されるラインは、典型的には、「衛生的な範囲」にあると考えられる様々なサイズのものである。ケースに異なるサイズの複数のラインを配置すると、流量計が使用されるラインサイズと比較してマニホールドエリアが過度に大きくなり、流速がCIPが要求する流速5ft/secを下回る結果となる。
【0014】
以下に記載される実施形態は、これらの問題及び他の問題を克服し、当該技術分野における進歩が達成される。以下に説明される実施形態は、マニホールドの領域が増大した問題に対処し、同時にコンパクトなチューブ構成を維持し、CIPシステムで使用する場合の
コンパクトな流量計のための衛生的なマニホールドを提供する。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、より小さい流れ面積を有するマニホールドを提供しながら、ケース内のチューブのコンパクト性を維持することによって、上記問題に対する解決策を提供する。
表1に示すように、マニホールド領域および各センサの流量を使用して、マニホールドを通る速度を計算し、流量計で使用される6つのサイズのパイプのうちの4つのセンサの公称流量で5フィート/秒のCIP限界を十分に下回ることが判明した。
【表1】
【0016】
表1及び表2(下記)に示すように、断面を非円形の形状に変更して流れチューブの周りの面積を減少させることによって、ケース内のチューブのコンパクト性を維持しながら、より小さい流れ面積を有するマニホールドを提供するための解決策が生じた。ケース内の流れチューブ13,13'の距離及び間隔は、マニホールドに関して既に決定されているので、変更可能な唯一の寸法は垂直寸法であり、その結果、垂直方向に圧縮された(または「押
しつぶされた」)流路をもたらす。この流路は、排出要件を維持することにより、マニホ
ールドの衛生的な流れスプリッタ及び輪郭、ならびにマニホールドの衛生的な状態を保持する。従って、マニホールドの面積が大幅に縮小され、より広い流量範囲でCIPの用途が
可能になる。
【表2】
【0017】
表2は、元のマニホールド構成を用いて、CIP用途に不十分な速度を提供した4本のチ
ューブの面積と対応する速度を示す。結果は、現場清掃システムに不十分な速度を以前に提供した4本のチューブが、本出願によるマニホールドを備えたCIPシステムに対して推
奨され、及び/又は必要とされる最低速度5フィート/秒を超える速度を提供することを示
した。
【0018】
本発明に従って、標準的な円形断面を非円形に変化させることによって、流れチューブの周囲の領域を減少させる。チューブ間の間隔はマニホールドの幾何学的形状によって決まるので、流れチューブの周りの流れ領域の垂直寸法を変更することができ、結果として圧縮された流路をもたらす。この流路は、マニホールドの衛生的な流れスプリッタ及び輪郭を維持する。これにより、マニホールドは、排出要件を維持することによって衛生状態に保たれ、マニホールドの面積が大幅に縮小され、より広い流量範囲でCIPが可能になる
【0019】
一態様に従って、流量計のマニホールドは、第1の面と対向する第2の面を有する本体を備える。第1の面は、中央に配置されて、第1の面から突出し、第1のオリフィス及び第1の面に形成された第2のオリフィスを囲む略非円形の壁部を含む。第1及び第2のオリフィスの各々は、マニホールドの本体内を通って延びている。第3及び第4のオリフィスが、対向する第2の面から本体内に延びる。第1及び第3のオリフィスは、合わさって、マニホールドの本体を横断する流体通路を画定する。同様に、第2及び第4のオリフィスは、合わさって、本体を横断する第2の流体通路を画定する。第3及び第4のオリフィスは夫々、流量計の流れチューブに流体が行き来可能に接続されるように構成される。非円形の壁部は、マニホールドの本体を通って流れ第1及び第2のオリフィスを通って出る流体の流路の断面が非円形の壁部によって変更され、好ましくは圧縮され、壁部が設けられていない場合よりも速い速度を有するように構成される。
【0020】
態様
一態様において、流量計のマニホールドは、第1のオリフィス及び第2のオリフィスを備えた第1の面と、第3のオリフィス及び第4のオリフィスを備えた対向する第2の面とを有する本体を含み、第1のオリフィスと第3のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第1の流路を規定し、第2のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第2の流路を規定し、第3のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、流量計の第1及び第2の流れチューブと流体が行き来するように構成され、更に第1の面から突出して第1のオリフィスと第2のオリフィスを囲む非円形の壁部を含む非円形の分岐した流れ開口を備え、非円形の壁部は第1のオリフィス及び第2のオリフィスを出る流体流路の断面を変えるように構成されている。
【0021】
好ましくは、壁部は楕円形の断面を有する。
好ましくは、壁部は、収縮された周辺部分を有する長く延びた楕円形の断面を有する。
好ましくは、マニホールドは更に、アダプタ要素を含み、前記アダプタ要素は、非円形の接続面と、対向して配置された流通開口とを含み、前記接続面は、前記壁部に同心に取り付けられるように構成される。
【0022】
一態様において、流量計のマニホールドは、第1のオリフィス及び第2のオリフィスを備えた第1の面と、第3のオリフィス及び第4のオリフィスを備えた対向する第2の面とを有する本体を含み、第1のオリフィスと第3のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第1の流路を規定し、、第2のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第2の流路を規定し、第3のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、流量計の第1及び第2の流れチューブと流体が行き来するよう
に構成され、更に第1の面から突出して第1のオリフィスと第2のオリフィスを囲む非円形の壁部を含む非円形の分岐した流れ開口を含み、非円形の壁部は第1のオリフィス及び第2のオリフィスを出る流体流路の断面を変えるように構成され、更に非円形の接続面と、対向して配置された流通開口とを含み、前記接続面は、前記壁部に同心に取り付けられるように構成されるアダプタ要素を含む。
【0023】
好ましくは、壁部は楕円形の断面を有する。
好ましくは、壁部は、収縮された周辺部分を有する長く延びた楕円形の断面を有する。
【0024】
一態様において、流量計のマニホールドは、第1のオリフィス及び第2のオリフィスを備えた第1の面と、第3のオリフィス及び第4のオリフィスを備えた対向する第2の面とを有する本体を含み、第1のオリフィスと第3のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第1の流路を規定し、第2のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、本体内に延びて、合わさって本体を横切る第2の流路を規定し、第3のオリフィスと第4のオリフィスは夫々、流量計の第1及び第2の流れチューブと流体が行き来するように構成され、更に第1の面から突出して第1のオリフィスと第2のオリフィスを囲む壁部を含む分岐した流れ開口を含み、壁部は収縮された周辺部分を有する長く延びた楕円形を有し、壁部は第1のオリフィス及び第2のオリフィスを出る流体流路の断面を変えるように構成されている。
【0025】
好ましくは、マニホールドは更に、アダプタ要素を含み、前記アダプタ要素は、収縮された周辺領域を有する長く延びた楕円形を有し、対向して流通開口に配置され、接続面は壁部に取り付けられるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
全ての図面上で、同じ参照符号は同じ要素を表す。図面は必ずしも、寸法通りではない。
図1】従来技術の流量計を示す。
図2】流量計のマニホールドの一実施形態の前面斜視図である。
図2A図2のマニホールドの後面斜視図である。
図3】マニホールドの更なる実施形態の前面斜視図である。
図4】アダプタ要素の斜視図である。
図4A】マニホールドに溶接されるアダプタ要素の前面図であり、マニホールドとアダプタを通る流路を示す。
図4B】マニホールドに溶接されるアダプタ要素の後面図であり、マニホールドとアダプタを通る流路を示す。
図4C】マニホールドに溶接されるアダプタ要素の側面図であり、マニホールドとアダプタを通る流路を示す。
図4D】マニホールドに溶接されるアダプタ要素の側面図であり、マニホールドとアダプタを通る流路を示す。
図4E】マニホールドに溶接されるアダプタ要素の側面図であり、マニホールドとアダプタを通る流路を示す。
図5図3に示すマニホールドについて用いられるアダプタ要素の更なる実施形態を示す。
図5A図3に示すマニホールドについて用いられるアダプタ要素の更なる実施形態を示す。
図5B図3に示すマニホールドについて用いられるアダプタ要素の更なる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1図5B及び以下の記述は特定の例を記載して、流量計及び関連する方法の実施形態の最良のモードを作り使用する方法を当業者に開示する。進歩性を有する原理を開示する目的で、いくつかの従来の態様は単純化されたか省略された。
当業者は、これらの例示から本発明の範囲内にある変形例を理解するだろう。当業者は、下記に述べられた特徴が種々の方法で組み合わされて、本発明の多数の変形例を形成することを理解するだろう。その結果、本発明は、下記に述べられた特定の例にではなく特許請求の範囲とそれらの等価物によってのみ限定される。
【0028】
図1は、従来技術の流量計5を示す。流量計5は、流量計アセンブリ10とメータ電子機器20を備える。流量計アセンブリ10は、プロセス材料の質量流量及び密度に応答する。メータ電子機器20は、リード線30を介して流量計アセンブリ10に接続され、本発明に関係しない他の情報と同様に、経路26上に密度、質量流量及び温度の情報を提供する。流量計アセンブリ10は、一対のマニホールド15,15'と、フランジネックを有するフランジ11,11'と、一対の平行な流れチューブ13(第1流れチューブ)と13'(第2流れチューブ)と、ボイスコ
イルのようなドライバ機構18と、温度センサ19と、磁石/コイル速度センサ、ひずみゲー
ジ、光センサ、または当該技術分野で知られている他のピックオフタイプのような一対のピックオフ17L、17Rとを含む。流れチューブ13及び13'は夫々、流れチューブ取付ブロッ
ク12及び12'に向かって収束する。流れチューブ13および13'は、それらの長さに沿って少なくとも1つの対称位置にて曲がり、その長さ全体にわたって本質的に平行である。ブレースバー14及び14'は、各流れチューブがそのまわりで振動する軸W及びW’を画定する働きをする。流れチューブ13及び13'は流れチューブ取付ブロック12及び12'に固定して取り付けられ、これらのブロックはマニホールド15及び15'に固定して取り付けられている。これにより、コリオリ流量計アセンブリ10を通る連続的な閉鎖した材料経路が提供される。
【0029】
フランジ11及び11'が測定されるプロセス材料を搬送するプロセスライン(図示せず)に
接続されると、材料はフランジ11のオリフィスを通過し、マニホールド15を通って流れチューブ取付ブロック12に導入される。マニホールド15内で、材料は分割され、流れチューブ13及び13'を通って送られる。流れチューブ13及び13'を出ると、プロセス材料はマニホールド15'内にて単一の流れに再び結合され、その後プロセスライン(図示せず)に接続されたフランジ11’を通って送られる。
【0030】
流れチューブ13及び13'が選択され、曲げ軸W-W及びW’-W’の夫々について実質的
に同じ質量分布、慣性モーメント及びヤング率を有するように流れチューブ取付ブロック12及び12'に適切に取り付けられる。これらの曲げ軸はブレースバー14及び14 'を通過す
る。流れチューブのヤング率が温度によって変化し、この変化が流量と密度の計算に影響を与えるので、抵抗温度検出器(RTD)(図示せず)が流れチューブ13'に取り付けられ、流れチューブの温度を連続的に測定する。流れチューブの温度、ひいてはそこを通過する所定の電流に対するRTDを横切って現れる電圧は、流れチューブを通過する材料の温度によっ
て左右される。RTDを横切って現れる温度依存性の電圧は、メータ電子機器20によって周
知の方法で使用されて、流れチューブの温度の変化による流れチューブ13及び13'の弾性
率の変化を補償する。RTDはリードによってメータ電子機器20に接続される。
【0031】
両方の流れチューブ13及び13'は、夫々の曲げ軸W及びW’の周りで反対方向にドライ
バ機構18によって駆動され、これは、流量計の第1の位相外曲げモードと呼ばれる。この
ドライバ機構18は、流れチューブ13'に取り付けられたマグネットと、流れチューブ13に
取り付けられた対向コイルとのような、多くの周知の構成のうちのいずれか1つを含むこ
とができ、コイルを通って交流が流れ、両流れチューブ13、13'を振動させる。適切なド
ライバ信号がメータ電子機器20によって、リードを通ってドライバ機構18に印加される。
【0032】
メータ電子機器20は、リード線(図示せず)上のRTD温度信号と、リード線を介した左右
速度信号とを受信する。メータ電子機器20は、リードに現れるドライバ機構18への駆動信号を生成し、チューブ13及び13'を振動させる。メータ電子機器20は、左右の速度信号及
びRTD信号を処理して、流量計アセンブリ10を通過する材料の質量流量及び密度を計算す
る。この情報は、他の情報と共に、メータ電子機器20によって経路26を介して利用手段に供給される。
【0033】
一般的に、コリオリ流量計は、しばしば複数の部品の組立体である単純なマニホールドを有する。複数の部品の組立体は、重量及びコストを流量計に付加し、また、組立て誤差及び/又は組立ての不正確さを防止することができない。本明細書に開示された流量計マ
ニホールドは、コンパクトな流量計のための衛生マニホールドを提供する断面構成を備えて構成された流体流領域を少なくとも更なる特徴とする。本発明によるマニホールドは、マニホールドサイズの問題に対処すると同時に、CIPシステムで使用するためのコンパク
トな構成を維持する。
【0034】
図2及び図2Aは、流量計5のマニホールド100の実施形態を示す。図2に示すように、マニホールド100は、主として、第2の面204と対向する第1の面104を有する本体120によって画定される。第1の面上の中央に配置された分岐した流れ開口112は、第1のオリフィス108と第2のオリフィス110とを含み、隆起した実質的に非円形の壁部106が第1の面104から突出して第1及び第2のオリフィス108,110を囲んでいる。図2に示すように、マニホールド100は、主として、第2の面204と対向する第1の面104を有する本体120によって画定される。第1の面上の中央に配置された分岐した流れ開口112は、第1のオリフィス108と第2のオリフィス110とを含み、隆起した実質的に非円形の壁部106が第1の面104から突出して第1及び第2のオリフィス108,110を囲んでいる。図2に示すように、壁部106は、実質的に楕円形であり、第1及び第2のオリフィス108,110の周りに形成されて、第1及び第2のオリフィス108,110を通ってマニホールドから出る流体流れの断面が変更(即ち、圧縮)されて、流速を増加させる。
【0035】
図2Aは、図2に示すマニホールド100の第2の面204を示す。第2の面204は、夫々第
3及び第4のオリフィス114,116を含む。第3のオリフィス114は本体120内に延びる。第
2及び第3のオリフィス110,114の両方は、夫々第1及び第2の面104,204からマニホールド100の本体120を貫通して延在し、第1の流体流通通路を画定し、同様に、第1及び第4のオリフィス108,116は、第1及び第2の面104,204から夫々マニホールド100の本体120を貫通して延在し、第2の流体流通通路を画定する(図4-図4Eを用いて以下に詳細に記載する)。第3及び第4のオリフィス114,116は、上記の先行技術に関して記載したように
、好ましくは溶接によって、流量計の流れチューブに取り付けるように構成されている。
【0036】
マニホールド100の第2の面204は、マニホールド100の流量計ケースへの取付け及び付
着を容易にするために、傾斜した周縁部118及び周縁フランジ又は翼部140を含む。フランジ140は、好ましくは、流量計ケースに溶接される。更に第2の面204は、第3及び第4のオリフィス114,116に隣接して配置された凹部122,124を含み、これらは製造の目的から製造中に形成される。
【0037】
図3は、本発明に従ったマニホールド100の更なる実施形態を示す。この実施形態にて
、マニホールド100の全ての要素及び特徴は、図2図2Aに示す実施形態を参照して上
述したものに対応する。しかし、図3の実施形態において、壁部106'も実質的に非円形の形状を有しており、ここでは、壁部106'は、収縮された中央周辺部を有する長く延びた楕円形に形成されている。図2図2Aに示す実施形態のように、壁部106は、第1及び第
2のオリフィス108,110を囲んで、分岐した流れ開口112を形成する。この構成は、より小さなサイズのチューブ、例えばCIPシステムで一般的に使用される直径1/2インチのチュ
ーブに好適である。
【0038】
図4乃至図4Dは、マニホールド100の分岐した流れ開口112に取り付け可能なアダプタ要素160を示す。アダプタ要素160は、流通開口164を有する流通通路165と、分岐した流れ開口112、特にマニホールド100の壁部106に取り付けるための非円形接続面162とを画定する周壁166を含み、取付けは好ましくは溶接を介して行われる。アダプタ要素160は、壁部106の非円形形状を、円形の流通開口164を介してプロセス接続部の円形面に適合させ、それによって非円形の分岐した流れ開口112が一般的な円形のプロセス接続部に接続するこ
とを可能にする。
【0039】
図4Cは、マニホールド100の側面図を示し、アダプタ要素160がマニホールド100に接
続され、マニホールド100の本体120及びアダプタ要素160を通過する流路170をさらに示しており、ここでは流路170は、第1のオリフィス108及び第3のオリフィス114の間に形成
される。
図4Dは、図4Cの図から90°回転したマニホールド100及びアダプタ要素160の図を示し、上述のように第2のオリフィス110と第4のオリフィス116との間に形成された第2の流路180を示している。図4Eは、マニホールド本体120を通る流路170,180を示しており
、アダプタ要素160が無い。
【0040】
図5及び図5Aは、図3に示すマニホールド100とともに使用するように構成されたア
ダプタ要素160'のさらなる実施形態を示す。アダプタ要素160と同様に、アダプタ要素160'は、マニホールド100の分岐した流れ開口112に取り付け可能である。アダプタ要素160'は、流通開口164'を有する流通通路165'と、壁部106'の形状に対応するように構成された非円形接続面162'とを画定する周壁166'を含み、溶接によって取り付けられている。壁部106'と同様に、接続面162'は、収縮された周辺領域300を含む。アダプタ要素160'は、壁部106'の非円形形状を、円形の流通開口164'を介してプロセス接続部の円形面に適合させることにより、非円形の分岐した流れ開口112を一般的な円形のプロセス接続部に接続することを可能にする。
【0041】
図5Bは、マニホールド100、特に壁部106'に溶接されたアダプタ要素160'を示す。
マニホールド100が形成される好ましい材料は金属である。しかし、セラミック、プラ
スチック、複合材料、及び当該技術分野で知られている他の材料もまた意図される。好ましい金属はステンレス鋼及びチタンである。
【0042】
上記の実施形態の詳細な記述は、本発明の範囲内にある発明者によって熟考された全ての実施形態の完全な記述ではない。実際に当業者は、さらに実施形態を作成するために上記実施形態のある要素が種々に組み合わせられるかもしれないし除去されるかもしれないことを認識している、そしてそのような、さらなる実施形態は現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある。現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある追加の実施形態を作成するために、上記実施形態の全部或いは一部が組み合わせられるかもしれないことも当業者には明白である。
【0043】
このように、発明の特定の実施形態と例がここに説明の目的から記載されているが、関連技術の当業者が理解するように、出願の範囲内で種々の均等な修正が可能である。ここに付与された開示は他のデバイス及び方法に適用され、上記及び添付の図面に示された実施形態のみではない。従って、上記の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
図2A
図3
図4
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図5A
図5B
【手続補正書】
【提出日】2022-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計(5)のマニホールド(100)であって、
第1のオリフィス(108)及び第2のオリフィス(110)を備えた第1の面(104)と、第3のオリフィス(114)及び第4のオリフィス(116)を備えた対向する第2の面(204)とを有するマニホールド(100)の本体(120)であって、第1のオリフィス(108)と第3のオリフィス(114)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第1の流路(170)を規定し、第2のオリフィス(110)と第4のオリフィス(116)は夫々、本体(120)内に延びて、合わさって本体(120)を横切る第2の流路(180)を規定し、第3のオリフィス(114)と第4のオリフィス(116)は夫々、流量計(5)の第1及び第2の流れチューブ(13,13')と流体が行き来するように構成されたマニホールド(100)の本体(120)と、
第1の面(104)から突出して第1のオリフィス(108)と第2のオリフィス(110)を囲む非円形の壁部(106,106')を含む非円形の分岐した流れ開口(112)であって、ここで前記非円形の壁部(106,106')は、流体流路の断面を変えるように構成され、前記壁部(106')は収縮された周辺部分(190)を有する長く延びた楕円形の断面を有している、開口(112)と、
非円形の接続面(162)と、対向して配置された流通開口(164)とを含み、前記接続面(162)は、前記壁部(106,106')の突出方向外側部分に同心に取り付けられるように構成される、アダプタ要素(160)と
を備える、流量計(5)のマニホールド(100)。
【請求項2】
前記収縮された周辺部分(190)は、壁部の内側と外側の両方の収縮された部分である、請求項1に記載のマニホールド(100)。
【請求項3】
前記非円形の接続面(162)は、少なくとも一カ所において内部断面と外部断面を備え、前記内部断面と前記外部断面の両方が収縮された周辺領域(300)を有し、前記非円形の接続面(162)に対向して配置された前記流通開口(164)は円形の断面を有する、請求項1に記載のマニホールド(100)。
【外国語明細書】