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特開2022-105155多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む多価肺炎球菌ワクチン組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105155
(43)【公開日】2022-07-12
(54)【発明の名称】多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む多価肺炎球菌ワクチン組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/09 20060101AFI20220705BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20220705BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20220705BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20220705BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220705BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20220705BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220705BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220705BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
A61K39/09
A61K39/39
A61K47/02
A61K47/18
A61K47/64
A61P11/00
A61P25/00
A61P27/16
A61P29/00
A61P31/04
A61P37/04
【審査請求】有
【請求項の数】44
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022076109
(22)【出願日】2022-05-02
(62)【分割の表示】P 2019517383の分割
【原出願日】2017-09-29
(31)【優先権主張番号】201641033563
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】517176375
【氏名又は名称】バイオロジカル イー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】マトゥール,ラメシュ ヴェンカト
(72)【発明者】
【氏名】マンテナ,ナレンダー デーヴ
(72)【発明者】
【氏名】スリラマン,ラジャン
(72)【発明者】
【氏名】チャッカ,デビプラサンナ
(72)【発明者】
【氏名】スレッディ,サティヤム・ナイドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ブルキ,ラジェンダー
(72)【発明者】
【氏名】ガンティ,スリーニバサ・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ダトラ,マヒマ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多価肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【解決手段】それぞれ個別にキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている肺炎球菌莢膜多糖類血清型を含む多価肺炎球菌ワクチン組成物に関する。肺炎球菌ワクチン組成物はさらに下記のうち1種類以上を含むことができる;医薬的に許容できるキャリヤー、医薬的に許容できる希釈剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、アジュバント、および/または凍結乾燥用賦形剤。肺炎球菌ワクチン組成物を製造および投与する方法をも提供する。
【選択図】図1-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類血清型を含み、それぞれが個別に、キャリヤータンパク質である肺炎球菌表面接着タンパク質A(PsaA)またはキャリヤータンパク質としてのPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートしている、肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項2】
肺炎球菌ワクチン組成物が10価、13価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の肺炎球菌ワクチン組成物である、請求項1に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項3】
それぞれの肺炎球菌多糖類が、1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される1種類以上の血清型を含む、請求項1または2に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項4】
約0.5~約2.0のキャリヤータンパク質-対-肺炎球菌多糖類パーセント比(タンパク質/PS)を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項5】
肺炎球菌ワクチン組成物がさらに、医薬的に許容できるキャリヤーを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項6】
肺炎球菌多糖類が少なくとも10種類の肺炎球菌多糖類を含み、それぞれの肺炎球菌多糖類が血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、キャリヤータンパク質がPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項7】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも14種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項8】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも17種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項9】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも19種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項10】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも20種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項11】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも22種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項12】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも24種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項13】
それぞれの肺炎球菌多糖類が血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8
、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、キャリヤータンパク質がPsAである、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項14】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項15】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3および6AはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項16】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む15価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項17】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類を含む17価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項18】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類を含む20価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項19】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワ
クチン組成物。
【請求項20】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、血清型1、3、6A、10A、12F、15A、15B、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型14、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項21】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A,12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項22】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、血清型1、3、6A、8、10A、12F、15A、15B、16F、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型14、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項23】
2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含み、その際、血清型が1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19F、19Aおよび22Fから選択され、キャリヤータンパク質がPsaAである、肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項24】
2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含み、その際、血清型が1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19F、19A、22F、23F、33F、34、35、38および45から選択され、キャリヤータンパク質がPsaAである、肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項25】
肺炎球菌ワクチン組成物が投与単位に配合されている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項26】
投与単位が約0.1μg~約50μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類、約0.1μg~約10μgまたは約1μg~約5μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類を含み、その際、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にキャリヤータンパク質に、約1.5μgから約5μgまでのキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項27】
さらに、医薬的に許容できる希釈剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、アジュバント、および/または凍結乾燥用賦形剤を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項28】
投与単位が単回量バイアル、多数回量バイアル、またはプレフィルドシリンジとして供給される、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項29】
肺炎球菌ワクチン組成物が、下記のものを含む0.5mLの単回量である:
約2.2~4.4μgの1種類以上の肺炎球菌多糖類;
1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのPsaA;
1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのCRM197
約0.2mg~約1mgのリン酸アルミニウムアジュバント;および
賦形剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項30】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む13価肺炎球菌ワクチン組成物であり、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約25μg~約30μgのPsaAおよびCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム:および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項31】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約20μg~約35μgのPsaAおよびCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項32】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2~4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約20μg~約35μgのPsaAおよびCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項33】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む15価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約40μgのCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項34】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類を含む17価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F、14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM197にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約40μgのCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項35】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類を含む20価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM197にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項36】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項37】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM197にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項38】
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物をその必要がある対象に投与することを含む、その必要がある対象を処置する方法。
【請求項39】
対象が肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)により媒介される疾患を伴なう、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)により媒介される疾患が侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
対象がヒトである、請求項38~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
ヒトが乳児(約1歳未満)、幼児(約12か月齢~約24か月齢)、小児(約2歳~約5歳)、より年上の子供(約5歳~約13歳)、青少年(約13歳~約18歳)、成人(約18歳~約65歳)、または高齢者(約65歳を超える)である、請求項41に記載の
方法。
【請求項43】
免疫学的有効量の請求項1~37のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物を、その必要がある対象に投与することを含む、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘導する方法。
【請求項44】
さらに、多糖類-タンパク質コンジュゲートを配合して、アジュバント、賦形剤および緩衝剤を含有する肺炎球菌ワクチン組成物にすることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
アジュバントがリン酸アルミニウムである、請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願はIndian Provisional Application No. 201641033563, 2016年9月30日出願に基づく優先権を主張し、それの全体を本明細書に援用する。
【0002】
[0002] 本開示は、1種類以上のキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている1種類以上の肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型の肺炎球菌莢膜多糖類を含む、多価肺炎球菌ワクチン組成物に関する。コンジュゲートした状態で、肺炎球菌莢膜多糖類とキャリヤーを本明細書中で多糖類-タンパク質コンジュゲートと呼ぶ。
【背景技術】
【0003】
[0003] 肺炎連鎖球菌(“肺炎球菌”)は、侵襲性疾患、たとえば肺炎、菌血症および髄膜炎、ならびにコロニー形成に関連する疾患、たとえば急性中耳炎(たとえば、中耳におけるコロニー形成)を引き起こす、グラム陽性細菌である。これらの肺炎球菌誘発性疾患は、特に24か月未満の者および60歳を超える者において罹患および死亡を生じる。米国における60歳を超える者についての肺炎球菌性肺炎の割合は100,000人当たり3~8人と推定される。20%の症例で肺炎球菌性肺炎は菌血症および髄膜炎に至り、合わせると抗生物質治療にもかかわらず30%近い死亡率をもつ。
【0004】
[0004] ニューモリシン(pneumolysin)および肺炎球菌表面タンパク質A(pneumococcal
surface protein A)(PspA)などのタンパク質が、肺炎球菌ワクチンにおけるキャ
リヤータンパク質候補としてのそれらの適性について評価がなされた。両方ともマウスにおいて部分的に保護性がある(Paton et al. “Effect of immunization with pneumolysin on survival time of mice challenged with Streptococcus pneumoniae.” Infect Immun. 1983 May; 40(2): 548-552 およびMcDaniel et al. “PspA, a surface protein of Streptococcus pneumoniae, is capable of eliciting protection against pneumococci of more than one capsular type” Infect Immun. 1991 Jan; 59(1): 222-228)が、ワクチンにおいて免疫原としてそれらを使用するのには欠点がある。ニューモリシンは肺炎球菌間で良好に保存されているが、それの自然状態では毒性がある(AlonsoDeVelasco et al. “Streptococcus pneumoniae: Virulence factors, pathogenesis, and vaccines.” Microbiol Rev. 1995 Dec; 59(4): 591-603.)。他方で、PspAは血清学的および構造的に不均質である(Crain et al. “Pneumococcal surface protein A) is serologically highly variable and is expressed by all clinically important capsular serotypes of Streptococcus pneumoniae.” Infect Immun. 1990 Oct; 58(10): 3293-3299)。それをワクチン配合物中に使用するには多数のPspAタイプが必要であり、よってワクチン製造の複雑さが増す。
【0005】
[0005] 肺炎球菌表面接着A(Pneumococcal surface adhesion A)(“PsaA”)は
多官能性リポタンパク質であり、宿主細胞接着およびコロニー形成に関与する。それは高度に保存された表面タンパク質であり、肺炎連鎖球菌の既知の血清型にわたって97%相同である。PsaAは免疫原であり、肺炎球菌の自然の鼻咽頭コロニー形成に際して抗-PsaA抗体が増加することが知られている。
【0006】
[0006] 肺炎球菌ワクチンを投与して感染を防ぐことができる。現在のワクチンには、多価肺炎球菌多糖類ワクチン(2種類以上の血清型に由来する肺炎球菌多糖類を含む)および肺炎球菌コンジュゲートワクチンが含まれる。肺炎球菌多糖類ワクチンの防御効果は莢膜多糖類に対して産生される抗体の濃度に関係することが知られている。肺炎球菌細胞
は、90種類を超える肺炎球菌血清型を生じる多糖類で被包されている。この莢膜が肺炎球菌の主要な病原性決定因子である-それは細胞の内面を補体仲介による細胞溶解から保護するだけでなく、それは免疫原性にも乏しい。
【0007】
[0007] MerckのPneumovax(登録商標)23は多価肺炎球菌多糖類ワクチンであり、血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19F、19A、20、22F、23Fおよび33Fを含む23の肺炎球菌血清型に由来するコンジュゲートしていない莢膜多糖類を含有する。Pneumovax(登録商標)23のほかに、これまでに認可された多価肺炎球菌多糖類ワクチンは、成人、特に高齢者、および高リスクの者において肺炎球菌疾患を阻止するのに有用であることが証明された。しかし、乳児および小児はこれらの非コンジュゲート肺炎球菌多糖類ワクチンに対する応答が乏しい。
【0008】
[0008] Prevnar(登録商標)-7は肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンであり、7種類の最も頻繁に分離される多糖類血清型(たとえば、4、6B、9V、14、18C、19F、および23F;CRM197にコンジュゲートしたもの)を含有する。Prevnar(登録商標)-7の使用が米国で2000年に開始されて以来、小児における侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease)(IPD)が
著しく低減した。世界の特定地域でPrevnar(登録商標)-7による血清型網羅範囲に限界があるため、CRM197にコンジュゲートした13種類の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含有する13価コンジュゲートワクチンPrevenar-13(登録商標)が開発され、承認された。
【0009】
[0009] Synflorix(登録商標)は10種類の血清型を含有する肺炎球菌ワクチンである-プロテインD(protein D)(PD)にコンジュゲートした血清型1、4、5
、6B、7、9、14、23F、破傷風トキソイド(tetanus toxoid)(TT)にコンジュゲートした血清型18C、およびジフテリアトキソイド(diphtheria toxoid)(DT)に
コンジュゲートした血清型19F。それぞれの血清型の多糖類は、1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウム テトラフルオロボレート(CDAP)を用いてpH制御下でカップリングされる。
【0010】
[0010] これらのワクチンにもかかわらず、別の多糖類血清型およびキャリヤータンパク質を含むさらに他の多価肺炎球菌ワクチン、ならびにその簡単かつ効率的な製造に対するニーズがある。
【0011】
[0011] 肺炎球菌ワクチンはさらに他の文献に記載されている。たとえば、U.S. Patent No. 5,360,897には、細菌性病原体である肺炎連鎖球菌の少なくとも2つのカルボニル基をもつ無傷の莢膜高分子の還元アミノ化生成物、および細菌性トキシンまたはトキソイドを含む、免疫原コンジュゲートが開示され、そのコンジュゲートは莢膜高分子とトキシンまたはトキソイドとの間に直接共有結合がある架橋コンジュゲートを含む。
【0012】
[0012] U.S. Patent No. 5,693,326は、コンジュゲートワクチンを製造するための一
般法を提供し、その際、ウイルス、真菌または細菌の多糖類を活性化するために1-シアノ-4-(ジメチルアミノ)-ピリジニウム テトラフルオロボレート、N-シアノトリエチル-アンモニウム テトラフルオロボレート、およびp-ニトロフェニルシアネートの群から選択される有機シアニル化剤を用いて活性化された炭水化物を形成し、その後、タンパク質またはキャリヤータンパク質にカップリングさせている。
【0013】
[0013] U.S. Patent No. 5,854,416には、PsaA(肺炎球菌表面接着A)として知
られる肺炎連鎖球菌由来の37-kDaのタンパク質のアミノ酸およびDNAの配列が開示され、U.S. Patent No. 7,862,823には、肺炎球菌莢膜多糖類を少なくとも2種類の異
なるキャリヤータンパク質、たとえばDTおよびTTと共に含む多価コンジュゲートワクチン組成物が開示されている。
【0014】
[0014] U.S. Patent No. 7,955,605には、19Aから構成される免疫原コンジュゲー
トを作製する方法が記載され、その際、活性化された血清型19A多糖類およびキャリヤータンパク質をジメチルスルホキシド(DMSO)に共懸濁してコンジュゲートを形成している。
【0015】
[0015] U.S. Patent No. 8,192,746には、CRM197にコンジュゲートした血清型
1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F、および33Fに由来する莢膜多糖類を含む15価の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物が開示されている。
【0016】
[0016] U.S. Patent No. 8,465,749は、特定のpH範囲で多糖類をCDAPと反応さ
せ、タンパク質をヒドラジンまたはアジピン酸ジヒドラジドと反応させることにより、コンジュゲートワクチンを製造するための方法を提供する。
【0017】
[0017] U.S. Patent No. 8,557,250 B2には、複数のシアネート活性化した免疫原性の異なる多糖類の混合物を少なくとも1種類のヒドラジド活性化タンパク質と接触させることを含む方法が開示されている。
【0018】
[0018] U.S. Patent No. 8,808,708、7,955,605およびU.S. Patent No. 8,603,484に
は、多糖類-タンパク質コンジュゲートから構成される13価の免疫原組成物が記載され、その際、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fからなり、キャリヤータンパク質はCRM197である。
【0019】
[0019] U.S. Patent Publication No. 2009/0017059 A1には、血清型19Aおよび1
9Fを、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、百日咳トキソイド、細菌サイトリシン(cytolysin)および/またはニューモリシンを含めた種々の細菌トキソイドにコンジュ
ゲートさせた免疫原組成物が開示されている。
【0020】
[0020] U.S. Patent Publication No. 2010/0074922 A1には、10種類以上の血清型
を含有する免疫原組成物が開示され、その際、19F莢膜多糖類はDTにコンジュゲートし、血清型18C莢膜多糖類は破傷風トキソイドにコンジュゲートし、血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F莢膜多糖類はインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)から分離したプロテインDにコンジュゲートしている。
【0021】
[0021] U.S. Patent Publication No. 2010/0239604には、血清型19Aおよび19Fに由来する多価肺炎連鎖球菌莢膜多糖類コンジュゲートを含む免疫原組成物が記載され、その際、血清型19Aは第1の細菌トキソイドにコンジュゲートし、19Fは第2の細菌トキソイドにコンジュゲートし、2~9種類の肺炎連鎖球菌莢膜多糖類がプロテインDにコンジュゲートしている。
【0022】
[0022] U.S. Patent Publication No. 2012/321658 A1には、免疫原組成物が開示され、その際、血清型1、3、19Aおよび19Fはタンパク質キャリヤー(類)に直接に、または還元アミノ化以外の化学的様式で間接的に連結し、1種類以上の異なる糖類は血清型4、5、6A、6B、7F、9V、14、18Cおよび23Fからなる第2グループから選択され、それ(それら)は還元アミノ化によりタンパク質キャリヤー(類)に連結している。
【0023】
[0023] IN 140/DEL/2011は、DT、ジフテリアトキソイド、CRM197、および破
傷風トキソイドからなる群から選択される少なくとも2種類またはそれより多いキャリヤータンパク質にコンジュゲートした、異なる血清型に由来する(a)7種類以上、(b)10種類以上のいずれかの多糖類を含む肺炎連鎖球菌ワクチンを提供する。
【0024】
[0024] WO Publication No. 2013/191459 A1には、CRM197にコンジュゲートし
た莢膜多糖類1、2、3、4、5、6A、6B、7F、9N、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fに由来する肺炎連鎖球菌の異なる血清型を含むコンジュゲート15価組成物が開示されている。
【0025】
[0025] WO Publication No. 2014/092377 A1には、13価組成物が開示され、その際
、12種類の血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから選択され、最後の血清型はCRM197にコンジュゲートした12または9Nのいずれかである。
【0026】
[0026] WO Publication No. 2014/092378 A1には、免疫原コンジュゲート組成物が開
示され、その際、12の血清型はは1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fから選択され、残りの1種類はCRM197にコンジュゲートした22Fまたは33Fから選択される。
【0027】
[0027] WO 2016207905 A2には、下記のものを含む多価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(Pneumococcal conjugate vaccine)(PCV)組成物が開示されている:1)CDAPで活性化され、キャリヤータンパク質CRM197にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌の血清型1、3、4、5、6B、7F、9N、9V、15B、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される少なくとも12種類の莢膜多糖類、ならびに2)医薬的に許容できるキャリヤー;その際、組成物は血清型6Aに由来する莢膜多糖類を含有しない。
【0028】
[0028] Chinese Patent Application Publication No. CN 101590224には、CRM
97にコンジュゲートした血清型1、2、4、5、6A、6B、7F、9N、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含有する14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンが記載されている。
【0029】
[0029] Chinese Patent Application Publication No. CN 103623401には、14多価
肺炎球菌莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物が開示され、その際、それら14種類の異なる血清型はCRM197にコンジュゲートした1、3、4、5、6A、6B、9V、14,18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fである。
【0030】
[0030] Chinese Patent Application Publication No. CN 103656632には、血清型6
A、ならびにCRM197にコンジュゲートした1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33Fからなる群から選択される少なくとも1種類の他の血清型を含有する多価肺炎球菌莢膜多糖類組成物が開示されている。
【0031】
[0031] Chinese Patent Application Publication No. CN 103656631は、多価肺炎球
菌莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物およびその製造方法を提供する。そのコンジュゲート組成物は、24種類の異なる血清型の肺炎球菌の莢膜多糖類およびキャリヤータンパク質から共有結合様式で製造され、その際、24種類の異なる血清型はCRM197にコンジュゲートした1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33Fである。
【0032】
[0032] Chinese Patent Application Publication No. CN 104069488には、14種類
の異なる血清型の多価肺炎球菌莢膜多糖類およびキャリヤータンパク質が開示され、その際、14種類の血清型にはCRM197にコンジュゲートした1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fが含まれる。
【0033】
[0033] Deborah et al, (1996, Volume 21, Issue 1, Pages 17-22)には、PsaAが線毛接着タンパク質(fimbrial adhesion protein)との著しい相同性をもつものとして記
載されている。CBA/CaHNJ Xidマウスを、完全フロイントまたはTiterMax(商標)のいずれかのアジュバントを用いてPsaAで免疫化すると、マウスはLD50の45倍に及ぶ用量の3型肺炎球菌株WU2によるヘテロロガス静脈内攻撃に対して有意に保護された。
【0034】
[0034] Miyaji E N et al, (2001, Vaccine; 20 (5-6): 805-12)には、肺炎連鎖球菌
が最も重要なヒト病原体のひとつとして開示されている。全長PsaAまたはトランケート型PspAのいずれかの遺伝子を収容したDNAワクチンベクターが構築された。両方の構築体が脊椎動物細胞において抗原の一過性発現を示し、BALB/cマウスにおいて筋肉内注射した肺炎球菌抗原に対する有意の抗体応答を誘導した。
【0035】
[0035] Wuorimaa et al. (2001, The Paediatric Infectious Disease Journal, Volume 20(3), pp 272-277)には、健康な幼児(toddler)におけるTTおよびDTの両方をキャリヤーとして用いる11価肺炎球菌コンジュゲートワクチンの耐容性および免疫原性を査定する研究が開示されている。
【0036】
[0036] Gatchalian et al. (2001, 17th Annual Meeting of the Eur. Soc. Paed. Inf. Dis (ESPID), poster number 4, P1A Poster Session 1, Istanbul Turkey)には、11価ワクチンの投与を受けた乳児からのオプソニン食作用アッセイ(opsanophagocytic assay)(OPA)結果が開示され、血清型3については他の被験血清型に匹敵するレベルの抗体応答を示すことができなかった。
【0037】
[0037] Anderson P et al, (2003, Vaccine; 21 (13-14):1554-9)には、それぞれの多糖類型6A、14、19F、および23Fが別個に破傷風トキソイドまたはジフテリアCRM197にカップリングし、あるいは半量の多糖類型6A、14、19F、および23Fの混合物が別個に破傷風トキソイドおよびジフテリアCRM197にカップリングした4価コンジュゲートワクチンの比較試験が開示されている。
【0038】
[0038] Nurkka et al. (2004, Ped. Inf. Dis. J., 23:1008-1014)には、11価肺炎
球菌-プロテインDコンジュゲートワクチンの免疫原性および安全性の試験が開示され、その際、そのワクチンの投与を3回受けた後に同じワクチンまたは肺炎球菌多糖類ワクチンのいずれかのブースター投与を受けた乳児において血清型3についてはプライミング効果は観察されなかった。
【0039】
[0039] 前記に述べた参考文献には、他の組成物、方法などのうち特に、1種類以上の血清型に由来する多糖類およびこれらの多糖類がキャリヤータンパク質、たとえばCRM197、プロテインD、DT、およびTTとコンジュゲーションしたものを含む、多価肺炎球菌ワクチンが開示されている。種々の血清型が様々な地域に存在することからみて、多糖類血清型の新規コンジュゲートを含む、改善された免疫応答を備えた、さらに他の多
価肺炎球菌ワクチン、およびその簡単かつ効率的な製造に対するニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0040】
【特許文献1】U.S. Patent No. 5,360,897
【特許文献2】U.S. Patent No. 5,693,326
【特許文献3】U.S. Patent No. 5,854,416
【特許文献4】U.S. Patent No. 7,862,823
【特許文献5】U.S. Patent No. 7,955,605
【特許文献6】U.S. Patent No. 8,192,746
【特許文献7】U.S. Patent No. 8,465,749
【特許文献8】U.S. Patent No. 8,557,250 B2
【特許文献9】U.S. Patent No. 8,808,708
【特許文献10】U.S. Patent No. 8,603,484
【特許文献11】U.S. Patent Publication No. 2009/0017059 A1
【特許文献12】U.S. Patent Publication No. 2010/0074922 A1
【特許文献13】U.S. Patent Publication No. 2010/0239604
【特許文献14】U.S. Patent Publication No. 2012/321658 A1
【特許文献15】IN 140/DEL/2011
【特許文献16】WO Publication No. 2013/191459 A1
【特許文献17】WO Publication No. 2014/092377 A1
【特許文献18】WO Publication No. 2014/092378 A1
【特許文献19】WO 2016207905 A2
【特許文献20】Chinese Patent Application Publication No. CN 101590224
【特許文献21】Chinese Patent Application Publication No. CN 103623401
【特許文献22】Chinese Patent Application Publication No. CN 103656632
【特許文献23】Chinese Patent Application Publication No. CN 103656631
【特許文献24】Chinese Patent Application Publication No. CN 104069488
【非特許文献】
【0041】
【非特許文献1】Paton et al. “Effect of immunization with pneumolysin on survival time of mice challenged with Streptococcus pneumoniae.” Infect Immun. 1983 May; 40(2): 548-552
【非特許文献2】McDaniel et al. “PspA, a surface protein of Streptococcus pneumoniae, is capable of eliciting protection against 肺炎球菌 of more than one capsular type” Infect Immun. 1991 Jan; 59(1): 222-228
【非特許文献3】AlonsoDeVelasco et al. “Streptococcus pneumoniae: Virulence factors, pathogenesis, andワクチンs.”Microbiol Rev. 1995 Dec; 59(4): 591-603
【非特許文献4】Crain et al. “Pneumococcal surface protein A) is serologically highly variable and is expressed by all clinically important capsular serotypes of Streptococcus pneumoniae.” Infect Immun. 1990 Oct; 58(10): 3293-3299
【非特許文献5】Deborah et al, (1996, Volume 21, Issue 1, Pages 17-22)
【非特許文献6】Miyaji E N et al, (2001, Vaccine; 20 (5-6): 805-12)
【非特許文献7】Wuorimaa et al. (2001, The Paediatric Infectious Disease Journal, Volume 20(3), pp 272-277)
【非特許文献8】Gatchalian et al. (2001, 17th Annual Meeting of the Eur. Soc. Paed. Inf. Dis (ESPID), poster number 4, P1A Poster Session 1, Istanbul Turkey)
【非特許文献9】Anderson P et al, (2003, Vaccine; 21 (13-14):1554-9)
【非特許文献10】Nurkka et al. (2004, Ped. Inf. Dis. J., 23:1008-1014)
【発明の概要】
【0042】
[0040] 幾つかの態様において、本開示は肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その組成物はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質としての肺炎球菌表面接着タンパク質A(pneumococcal surface adhesion protein A)(PsaA)、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした2種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類血清型を含む。
【0043】
[0041] 一態様において、本開示は10価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価、または25価の肺炎球菌ワクチン組成物である肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0044】
[0042] 他の態様において、本開示は、それぞれ肺炎球菌血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39、および45から選択される血清型である肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0045】
[0043] 他の態様において、本開示は、キャリヤータンパク質としての肺炎球菌表面接着タンパク質A(PsaA)とコンジュゲートした肺炎球菌血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39、および45から選択されるそれぞれの血清型に由来する肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0046】
[0044] 他の態様において、本開示は、キャリヤータンパク質としての肺炎球菌表面接着タンパク質A(PsaA)、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39、および45から選択される血清型に由来する肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0047】
[0045] 他の態様において、本開示は、1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39、および45から選択される血清型に由来する肺炎球菌多糖類を含み、その際、少なくとも3種類の肺炎球菌多糖類は肺炎球菌表面接着タンパク質A(PsaA)とコンジュゲートしている、肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0048】
[0046] 他の態様において、本開示は、肺炎球菌表面接着タンパク質A(PsaA)とコンジュゲートした血清型3、6A、6Bに由来する肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0049】
[0047] 他の態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される少なくとも10種類の肺炎球菌多糖類を含み、キャリヤータンパク質がPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせを含む、肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0050】
[0048] 他の態様において、本開示は少なくとも14種類の肺炎球菌多糖類コンジュゲートを含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
[0049] 他の態様において、本開示は少なくとも17種類の肺炎球菌多糖類コンジュゲートを含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0051】
[0050] 他の態様において、本開示は少なくとも19種類の肺炎球菌多糖類コンジュゲートを含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
[0051] 他の態様において、本開示は少なくとも20種類の肺炎球菌多糖類コンジュゲートを含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0052】
[0052] 他の態様において、本開示は少なくとも22種類の肺炎球菌多糖類コンジュゲートを含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
[0053] 他の態様において、本開示は少なくとも24種類の肺炎球菌多糖類コンジュゲートを含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0053】
[0054] 他の態様において、本開示は2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、血清型は3、5、6A、6B、9Vおよび18Cから選択され、キャリヤータンパク質はPsaAである。
【0054】
[0055] 他の態様において、本開示は2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19F、19Aおよび22Fから選択され、キャリヤータンパク質はPsaAである。
【0055】
[0056] 他の態様において、本開示は2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、血清型は1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19F、19A、22F、23F、33F、34、35、38および45から選択され、キャリヤータンパク質はPsaAである。
【0056】
[0057] 他の態様において、本開示は1種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、血清型は1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45であり、キャリヤータンパク質はPsAである。
【0057】
[0058] 他の態様において、本開示は1種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、肺炎球菌多糖類はそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートしている。
【0058】
[0059] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にPsaAにコンジュゲートした少なくとも6種類の肺炎球菌多糖類、およびそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートした1種類以上の肺炎球菌多糖類を含む、肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0059】
[0060] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にPsaAにコンジュゲートした少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類、およびそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートした少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類を含む、肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0060】
[0061] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にPsaAにコンジュゲートした少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類、およびそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートした少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類を含む、14価肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0061】
[0062] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にPsaAにコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類、およびそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類を含む、17価肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0062】
[0063] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にPsaAにコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類、およびそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類を含む、20価肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0063】
[0064] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にPsaAにコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類、およびそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類を含む、22価肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0064】
[0065] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にPsaAにコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類、およびそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートした少なくとも5種類の血清型の肺炎球菌多糖類を含む、24価肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0065】
[0066] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む14価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。
【0066】
[0067] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む14価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3および6AはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。
【0067】
[0068] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む15価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。
【0068】
[0069] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよ
び35Bを含む17価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F、14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM197にコンジュゲートしている。
【0069】
[0070] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45を含む20価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM197にコンジュゲートしている。
【0070】
[0071] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38を含む22価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしている。
【0071】
[0072] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38を含む22価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、血清型1、3、6A、10A、12F、15A、15B、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型14、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。
【0072】
[0073] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38を含む24価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしている。
【0073】
[0074] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38を含む24価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、血清型1、3、6A、8、10A、12F、15A、15B、16F、22F、34、35、38はPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型14、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。
【0074】
[0075] 他の態様において、本開示は投与単位に配合された肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
[0076] 他の態様において、本開示は投与単位に配合された肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、投与単位は約0.1μg~約50μgのそれぞれの多糖類、約0.1μg~約10μg、または約1μg~約5μgのそれぞれの多糖類を含み、その際、それぞ
れの多糖類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質、すなわち約1.5μgから約5μgまでのキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている。
【0075】
[0077] 他の態様において、本開示は、医薬的に許容できる希釈剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、アジュバント、および/または凍結乾燥用賦形剤を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0076】
[0078] 他の態様において、本開示は投与単位に配合された肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、それは単回量バイアル、多数回量バイアル、またはプレフィルドシリンジとして供給される。
【0077】
[0079] 他の態様において、本開示は肺炎球菌ワクチン組成物を0.5mLの単回量として提供し、その単回量は約2.2~4.4μgの1種類以上の肺炎球菌多糖類;1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのPsaA;1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのCRM197;約0.2mg~約1mgのリン酸アルミニウムアジュバント;および賦形剤を含む。
【0078】
[0080] 他の態様において、本開示はそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22Fおよび33Fを含む13価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約25μg~約30μgのPsaAおよびCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0079】
[0081] 他の態様において、本開示はそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む14価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約30μg~約35μgのPsaAおよびCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0080】
[0082] 他の態様において、本開示はそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む14価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2~4.4μgのそれぞれの多糖類、約30μg~約35μgのPsaAおよびCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0081】
[0083] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fを含む15価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしており、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~約40μgのCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0082】
[0084] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bを含む17価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM197にコンジュゲートしており、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~約40μgのCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0083】
[0085] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45を含む20価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM197にコンジュゲートしており、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~約50μgのCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0084】
[0086] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38を含む22価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしており、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~約50μgのCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0085】
[0087] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38を含む22価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、血清型1、3、6A、10A、12F、15A、15B、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型14、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしており、その際、肺炎球菌ワクチン組成物は、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約20μg~約40μgのPsaA、約20μg~約40μgのCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【0086】
[0088] 他の態様において、本開示は肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38を含む24価肺炎球菌ワクチンを提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしており、その際、肺炎球菌ワクチン組成物はり、約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの多糖類、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~約50μgのCRM197、約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図1-1】[0089] 図1:SEC-HPLCクロマトグラムは、血清型7F(A)、血清型14(B)、血清型19F(C)、血清型3(D)、血清型6A(E)、および血清型6B(F)のコンジュゲーション反応動態を示す。
図1-2】[0089] 図1:SEC-HPLCクロマトグラムは、血清型7F(A)、血清型14(B)、血清型19F(C)、血清型3(D)、血清型6A(E)、および血清型6B(F)のコンジュゲーション反応動態を示す。
図2-1】[0090] 図2:SEC-HPLCクロマトグラムは、血清型5(A)、血清型9V(B)、血清型18C(C)、血清型3(D)、血清型6A(E)、および血清型6B(F)のコンジュゲーション反応動態を示す。
図2-2】[0090] 図2:SEC-HPLCクロマトグラムは、血清型5(A)、血清型9V(B)、血清型18C(C)、血清型3(D)、血清型6A(E)、および血清型6B(F)のコンジュゲーション反応動態を示す。
図3】[0091] 図3:実施例3に記載する本開示の組成物で免疫化したウサギにおける種々の血清型に対する免疫応答。
図4】[0092] 図4:Prevnar 13(登録商標)で免疫化したウサギにおける種々の血清型に対する免疫応答。
図5】[0093] 図5:実施例4に記載する本開示の他の組成物で免疫化したウサギにおける種々の血清型に対する免疫応答。
【発明を実施するための形態】
【0088】
[0094] ある態様において、本開示は肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、1種類以上の肺炎球菌多糖類が天然の肺炎球菌多糖類である。
[0095] 他の態様において、本開示は、肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、1種類以上の肺炎球菌多糖類がフラグメント化され、それぞれのフラグメント化された肺炎球菌多糖類は天然の肺炎球菌多糖類のものより小さい平均分子量をもつ。
【0089】
[0096] 他の態様において、本開示は、肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、それぞれの肺炎球菌多糖類がキャリヤータンパク質へのコンジュゲーションの前に1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウム テトラフルオロボレート(CDAP)で活性化されてシアネートエステルを形成している。
【0090】
[0097] 他の態様において、本開示は、肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、1種類以上の肺炎球菌多糖類がキャリヤータンパク質のアミノ基に直接カップリングするかまたはスペーサーによりアミノ基にカップリングしている。
【0091】
[0098] 他の態様において、本開示は、肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、スペーサーはシスタミン、システアミン、ヘキサンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、EDACまたはEDCである。
【0092】
[0099] 他の態様において、本開示は、1種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、PsaAキャリヤータンパク質は修飾されたPsaAであり、野生型の疎水性N末端リーダーペプチドを含まない。
【0093】
[0100] 他の態様において、本開示は、1種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、PsaAキャリヤータンパク質は290のアミノ酸を含む。
【0094】
[0101] 本開示は、それぞれ個別にキャリヤータンパク質にコンジュゲートした2種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類血清型(本明細書中で、多糖類-タンパク質コンジュゲートおよび/またはコンジュゲート類と呼ばれる)を含む肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。本明細書に記載する肺炎球菌ワクチン組成物に含有される際、肺炎球菌ワクチンは多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンである(本明細書中で、多価コンジュゲートワクチン、コンジュゲートワクチン、および/または多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンとも呼ばれる)。多価コンジュゲートワクチンのほかに、本開示はそれを製造するための方法、および/またはその必要がある対象にそれを投与するための方法を提供する。
【0095】
[0102] ある態様において、肺炎球菌ワクチン組成物は1種類以上のコンジュゲートを含む多価免疫原組成物である。たとえば、コンジュゲートは2種類以上の肺炎球菌多糖類を含むことができ、それぞれの肺炎球菌多糖類は血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39、および45の肺炎球菌多糖類から選択される。
【0096】
[0103] ある態様において、肺炎球菌ワクチン組成物は多価であり、5種類の肺炎球菌多糖類(5価)、10種類の肺炎球菌多糖類(10価)、11種類の肺炎球菌多糖類(11価)、12種類の肺炎球菌多糖類(12価)、13種類の肺炎球菌多糖類(13価)、14種類の肺炎球菌多糖類(14価)、15種類の肺炎球菌多糖類(15価)、16種類の肺炎球菌多糖類(16価)、17種類の肺炎球菌多糖類(17価)、18種類の肺炎球菌多糖類(18価)、19種類の肺炎球菌多糖類(19価)、20種類の肺炎球菌多糖類(20価)、21種類の肺炎球菌多糖類(21価)、22種類の肺炎球菌多糖類(22価)、23種類の肺炎球菌多糖類(23価)、24種類の肺炎球菌多糖類(24価)、25種類の肺炎球菌多糖類(25価)、26種類の肺炎球菌多糖類(26価)、27種類の肺炎球菌多糖類(27価)、28種類の肺炎球菌多糖類(28価)、29種類の肺炎球菌多糖類(29価)、または30種類の肺炎球菌多糖類(30価)を含む。他の態様において、肺炎球菌ワクチン組成物は10価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の肺炎球菌ワクチン組成物である。
【0097】
[0104] 意外にも、本開示の多価肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物は、キャリヤータンパク質にコンジュゲートしていない肺炎球菌多糖類を含む多価肺炎球菌ワクチンと比較して改良された免疫応答をもたらす。より具体的には、本開示の多価肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物は意外にも、肺炎連鎖球菌の1種類以上の血清型に由来する肺炎球菌多糖類がPsaAおよび/またはCRM197にコンジュゲートしている場合に最も有効であった。
【0098】
[0105] キャリヤータンパク質は、十分な量および純度で入手できる無毒性かつ非-反応原性のタンパク質である。ある態様において、本開示は、1種類以上の肺炎連鎖球菌多糖類(本明細書中で“肺炎球菌多糖類”とも呼ばれる)にコンジュゲートした1種類以上のキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌コンジュゲートワクチン組成物を提供する。肺炎球菌多糖類をキャリヤータンパク質にコンジュゲートさせることにより、肺炎球菌多糖類はコンジュゲートしていない肺炎球菌多糖類と比較して増大した免疫原性をもつ。本開示に有用なキャリヤータンパク質は標準的なコンジュゲーション法に適応できるべきである。
【0099】
[0106] CRM197はジフテリアトキシンのバリアントであり、ワクチンにおける使用について無毒性である。CRM197は、カザミノ酸(casamino acid)および酵母エキ
スをベースとする培地で増殖させたジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)株C7
(β197)の培養物から単離することができる。CRM197は、U.S. Pat. No. 5,614,382に記載された方法に従って組換え製造できる。あるいは、CRM197は文献中に知られている方法に従って、またはPCT publication WO 2016/079755に開示された方法に従って、組換え製造できる。CRM197は、限外濾過、硫酸アンモニウム沈殿、およびイオン交換クロマトグラフィー、または当技術分野で周知である他の方法によって精製できる。
【0100】
[0107] ある態様において、本開示の肺炎球菌多糖類は1種類以上のキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている。たとえば、肺炎球菌多糖類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている。他の態様において、1種類より多い肺炎球菌多糖類がキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている。たとえば、2種類の肺炎球菌多糖類、3種類の肺炎球菌多糖類、4種類の肺炎球菌多糖類、5種類の肺炎球菌多糖類、6種類の肺炎球菌多糖類、7種類の肺炎球菌多糖類、8種類の肺炎球菌多糖類、9種類の肺炎球菌多糖類、または10種類の肺炎球菌多糖類がキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている。ある態様において、肺炎球菌多糖類は1種類より多いキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている。たとえば、肺炎球菌多糖類は1種類のキャリヤータンパク質、2種類のキャリヤータンパク質、3種類のキャリヤータンパク質、および/または4種類のキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている。
【0101】
[0108] ある態様において、キャリヤータンパク質はPsaAである。さらに他の態様において、キャリヤータンパク質の組合わせを使用し、それは2種類以上のキャリヤータンパク質、たとえばPsaおよびCRM197を含み、それらはそれぞれ個別にそれぞれの肺炎球菌多糖類にコンジュゲートしている。さらなる態様において、キャリヤータンパク質は2種類のキャリヤータンパク質であり、PsaAおよびCRM197を含む。
【0102】
[0109] ある態様において、キャリヤータンパク質は下記のキャリヤータンパク質のうち1種類以上から選択される:PsaA、CRM197、不活化した細菌トキシン、たとえば破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、コレラトキソイド、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来のエキソトキシンA、細菌外膜タンパク質、たとえば外膜複合体c(outer membrane complex c)(OMPC)、ポーリン(porin)、トランスフェリン(transferrin)結合タンパク質、ニューモリシン(pneumolysin)、PspA、A群もしくはB群連鎖球菌に由来するC5aペプチダーゼ、またはインフルエンザ菌プロテインD、オボアルブミン、キーホールリンペットヘモシニアン(keyhole limpet hemocyanin)(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、およびツベルクリンの精製タンパク質誘導体(purified protein derivative)(PPD)。
【0103】
[0110] さらに、1種類以上のコンジュゲートが天然(たとえば、野生型)キャリヤータンパク質を含むことができ、および/または1種類以上のコンジュゲートがそれらの天然形態から非-天然形態に修飾された(たとえば、1以上のアミノ酸を欠失するように工学操作された)キャリヤータンパク質を含むことができる。ある態様において、キャリヤータンパク質を工学操作して、本開示のコンジュゲートに望ましくない特性をもつ可能性がある1以上のタンパク質ドメイン、たとえばリーダーペプチドまたは他のドメインを排除することができる。たとえば、PsaAはハイドロパシーインデックス(hydropathy index)2.052をもつ疎水性N末端リーダーペプチドを欠如するように工学操作された290アミノ酸のキャリヤータンパク質であってもよい。
【0104】
[0111] ある態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された肺炎球菌多糖類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質PsaAにコンジュゲートしており、あるいは選択された肺炎球菌多糖類のうち第1部分はPsaAにコンジュゲートしており、選択された肺炎球菌多糖類のうち第2部分はCRM197にコンジュゲートしている。これらのいずれかの態様において、肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物、たとえば10価、13価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物である。
【0105】
[0112] ある態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された肺炎球菌多糖類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質PsaAにコンジュゲートしている。他の態様において、選択された肺炎球菌多糖類のうち第1部分はPsaAにコンジュゲートしており、選択された肺炎球菌多糖類のうち第2部分はCRM197にコンジュゲートしている。これらのいずれかの態様において、肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物、たとえば10価、13価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物である。
【0106】
[0113] さらなる態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。これらの態様において、選択された肺炎球菌多糖類のうち少なくとも3種類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質PsaAにコンジュゲートしており、さらに他の肺炎球菌多糖類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質CRM197にコンジュゲートしている。これらのいずれかの態様において、肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物、たとえば10価、13価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物である。
【0107】
[0114] さらなる態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。これらの態様において、選択された肺炎球菌多糖類のうち少なくとも第1の5種類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質PsaAにコンジュゲートしており、第2の5種類の多糖類はそれぞれ個別にキャリヤータンパク質CRM197にコンジュゲートしている。第1の5種類の選択された肺炎球菌多糖類は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、第2の5種類は血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される。他の態様において、選択された肺炎球菌多糖類のうち第1部分はPsaAにコンジュゲートしており、選択された肺炎球菌多糖類のうち第2部分はCRM197にコンジュゲートしている。これらのいずれかの態様において、肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物、たとえば10価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の免疫原性多価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物である。
【0108】
[0115] さらなる態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、PsaAにコンジュゲートしている、少なくとも3種類の肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む、14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。その上、その14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、CRM197にコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類をさらに含む。
【0109】
[0116] さらなる態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、PsaAにコンジュゲートしている、少なくとも3種類の肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む、15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。その上、その15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、CRM197にコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類をさらに含む。
【0110】
[0117] ある態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、PsaAにコンジュゲートしている、少なくとも3種類の肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む、17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。その上、その17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、CRM197にコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類をさらに含む。
【0111】
[0118] 他の態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、PsaAにコンジュゲートしている、少なくとも3種類の肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む、20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。その上、その20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、CRM197にコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類をさらに含む。
【0112】
[0119] さらに他の態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、PsaAにコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む、22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。その上、その22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、CRM197にコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類をさらに含む。
【0113】
[0120] ある態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、PsaAにコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む、24価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。その上、その24価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、CRM197にコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類をさらに含む。
【0114】
[0121] さらなる態様において、本開示は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、PsaAにコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む、25価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。その上、その25価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、CRM197にコンジュゲートしている、少なくとも5種類の肺炎球菌多糖類をさらに含む。
【0115】
[0122] 他の態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、少なくとも血清型3および血清型6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0116】
[0123] 他の態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、少なくとも血清型3および血清型6AはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0117】
[0124] さらに他の態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、少なくとも血清型3、6A、および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0118】
[0125] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9
V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、少なくとも血清型3、6A、および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0119】
[0126] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、少なくとも血清型3、6A、および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0120】
[0127] 他の態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34,35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、少なくとも血清型3、6A、および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0121】
[0128] 他の態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、血清型1、3、6A、10A、12F、15A、15B、22F、34、35、および38はPsaAにコンジュゲートしており、 血清型14、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0122】
[0129] 他の態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類(たとえば、肺炎球菌莢膜多糖類)を含む24価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。選択された血清型のうち、血清型1、3、6A、8、10A、12F、15A、15B、16F、22F、34、35、および38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型14、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはそれぞれCRM197にコンジュゲートしている。
【0123】
[0130] 本開示の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物は、さらに下記のうち1種類以上を含む:医薬的に許容できるキャリヤー、医薬的に許容できる希釈剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、アジュバント、および/または凍結乾燥用賦形剤。たとえば、本開示の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物は医薬的に許容できるキャリヤーを含むことができる。ある態様において、本開示の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物は、血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される少なくとも10種類の肺炎球菌多糖類を含む。選択された血清型はそれぞれ個別に、PsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせ、および医薬的に許容できるキャリヤーにコンジュゲートしている。
【0124】
[0131] ある態様において、本開示の組成物に有用な肺炎球菌多糖類は、一般法に従って1種類以上の微生物(たとえば、肺炎連鎖球菌)から抽出できる。たとえば、肺炎球菌多糖類は既知の方法に従って調製できる。さらに、肺炎球菌多糖類の精製はPCT publication WO 2016/174683 A1に記載された方法に従って実施できる。
【0125】
[0132] 抽出した肺炎球菌多糖類を一般法に従って精製することができ、それの天然形態で使用できる。他の態様において、抽出および精製した肺炎球菌多糖類をフラグメント化して肺炎球菌多糖類の1以上の部分を得ることができ、肺炎球菌多糖類のそれぞれの部分は抽出および精製した肺炎球菌多糖類のものより小さい平均分子量をもつ。
【0126】
[0133] 他の態様において、本開示は、それぞれの肺炎球菌多糖類が約150kDa~450kDaの分子量をもつ肺炎球菌多糖類を含む、肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0127】
[0134] 他の態様において、本開示は、それぞれ個別にキャリヤータンパク質にコンジュゲートした1種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類血清型、たとえば多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む、肺炎球菌ワクチン組成物を提供し、その際、それぞれの多糖類-タンパク質コンジュゲートは約1,500kDa~約15,000kDaの分子量をもつ。
【0128】
[0135] 他の態様において、抽出および精製した肺炎球菌多糖類を1種類以上のキャリヤータンパク質へのコンジュゲーションの前に活性化することができる。たとえば、抽出および精製した肺炎球菌多糖類を1種類以上のキャリヤータンパク質へのコンジュゲーションの前に活性化することができる(たとえば、化学的に)。それぞれの活性化された肺炎球菌多糖類をそれぞれ個別にキャリヤータンパク質にコンジュゲートさせて、多糖類-タンパク質コンジュゲート(たとえば、糖コンジュゲート(複合糖質)(glycoconjugate))を形成することができる。他の態様において、1種類以上の活性化された肺炎球菌多糖
類を個別のキャリヤータンパク質にコンジュゲートさせることができ、および/または活性化された肺炎球菌多糖類を個別のキャリヤータンパク質にコンジュゲートさせることができる。コンジュゲートは既知の手法により製造できる。
【0129】
[0136] ある態様において、肺炎球菌多糖類を化学的に活性化し、その後、既知の手法、たとえばU.S. Pat. No. 4,365,170、4,673,574および4,902,506に記載された手法に従ってキャリヤータンパク質にコンジュゲートさせることができる。たとえば、下記により肺炎球菌多糖類を活性化することができる:酸化剤、たとえばペルアイオデート(たとえば、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、または過ヨウ素酸)で末端ヒドロキシル基を酸化してアルデヒドにする;炭水化物の1以上のビシナルヒドロキシル基のランダムな酸化的開裂および1以上の反応性アルデヒド基の形成。
【0130】
[0137] 肺炎球菌多糖類をCDAP(1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウム
テトラフルオロボレート)によって活性化し、その後、1種類以上のキャリヤータンパク質、たとえばPsaA、CRM197、PspA、またはその組み合わせにコンジュゲートさせることもできる。他の態様において、CDAPで活性化してシアネートエステルを形成した肺炎球菌多糖類を1種類以上のキャリヤータンパク質に直接コンジュゲートさせるか、あるいはスペーサー(たとえば、リンカー)を用いてコンジュゲートさせることができる。スペーサーをキャリヤータンパク質上のアミノ基にカップリングさせることができる。ある態様において、スペーサーはシスタミンまたはシステアミンであってもよく、それはチオール化された多糖類を生成し、それをマレイミド活性化キャリヤータンパク質(たとえば、GMBSを使用)またはハロアセチル化キャリヤータンパク質(たとえば、ヨードアセトイミド(iodoacetimide)、エチルヨードアセトイミドHCl、SIAB、SIA、SBAP、および/またはN-スクシンイミジルブロモアセテートを使用)へのチオエーテル結合により、キャリヤータンパク質にカップリングさせることができる。他の態様において、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)を用いてシアネートエステルをカップリングさせ、カルボジイミド(たとえば、EDACまたはEDC)化学を用いてタンパク質キャリヤー上のカルボキシル基を介してアミノ誘導体化した糖をキャリヤータンパク質にカップリングさせる。そのようなコンジュゲートは、International Patent Application Publication No. WO 93/15760、International Patent Application Publication No. WO 95/08348、International Patent Application Publication No. WO 96/29094、およびChu et al., 1983, Infect. Immunity 40:245-256に記載されている。
【0131】
[0138] 本開示の多糖類-タンパク質コンジュゲートおよびワクチン組成物について使用するための他の適切な活性化および/またはカップリングの手法には、カルボジイミド類、ヒドラジド類、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUの使用、およびInternational Patent Application Publication No. WO 98/42721に記載されている他の方法が含まれる。たとえば、コンジュゲーションは糖の遊離ヒドロキシル基とCDIの反応により形成できるカルボニルリンカーを伴ない(参照:Bethell et al., 1979, J. Biol. Chem. 254:2572-4; Hearn et al., 1981, J. Chromatogr. 218:509-18)、続いてタンパク質とカップリングさせてカルバメート結合を形成することができる。ある態様において、アノマー末端を還元して第一級ヒドロキシル基にし、場合によりその第一級ヒドロキシル基を保護/脱保護し、第一級ヒドロキシル基をCDIと反応させてCDIカルバメート中間体を形成し、そのCDIカルバメート中間体をタンパク質上のアミノ基と反応させることができる。
【0132】
[0139] たとえば、本開示の多糖類-タンパク質コンジュゲートおよびワクチン組成物について使用するための他の適切な活性化および/またはカップリングの手法には、下記の方法が含まれる:サイズ調整した(sized)肺炎球菌多糖類(たとえば、約6mLのサイ
ズ調整した多糖類;約10mg/mLの濃度のもの)およびCDAP(たとえば、アセトニトリル中、約100mg/mL(w/v))をガラスバイアル内において約1:約1の比で混合することができる(たとえば、約1分間の攪拌による)。必要に応じて多糖類溶液のpHを調整することができる(たとえば、約0.2Mのトリエチルアミンで約9.25にし、室温で3分間攪拌する)。さらに、PsaA(たとえば、約15mg/mLの濃度をもつ約4mLの溶液)を活性化した肺炎球菌多糖類(たとえば、約1:約1の比(Ps:キャリヤータンパク質))に徐々に添加することができる。反応のpHを調整し(たとえば、0.2Mのトリメチルアミンを用いて約9.05にする)、反応を継続することができる(たとえば、室温で5時間攪拌することによる)。反応混合物を反応停止することができる(たとえば、過剰濃度のグリシンの添加による)。
【0133】
[0140] ある態様において、メンブレン(たとえば、100 K MWCOメンブレン)を用いて反応混合物を透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーによって精製することができる。透析濾過および精製した画分を、SEC-MALLSおよびアンスロン法(anthrone method)を用いて分析することができる。分析したコンジュゲート含有画分をプールし、滅菌濾過することができる(たとえば、0.2μmフィルターを使用)。
【0134】
[0141] 肺炎球菌多糖類を1種類以上のキャリヤータンパク質にコンジュゲートさせた
後、多糖類-タンパク質コンジュゲートを多様な手法によって精製することができる(たとえば、多糖類-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)。これらの手法には濃縮/透析濾過操作、沈殿/溶離、カラムクロマトグラフィー、および深層濾過(depth filtration)が含まれるが、これらに限定されない。たとえば、コンジュゲートを精製した後、コンジュゲートを調合して本開示の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を配合し、それをワクチンとして使用することができる。
【0135】
[0142] ある態様において、本開示は、本明細書に記載する肺炎球菌ワクチン組成物の多糖類-タンパク質コンジュゲートを調製する方法を提供し、その方法はさらにその多糖類-タンパク質コンジュゲートを配合してアジュバント、賦形剤および緩衝剤を含有する肺炎球菌ワクチン組成物にすることを含む。
【0136】
[0143] ある態様において、本開示は、アジュバントがリン酸アルミニウムである本明細書に記載する肺炎球菌ワクチン組成物の多糖類-タンパク質コンジュゲートを調製する方法を提供する。
【0137】
[0144] ある態様において、本開示は、本明細書に記載する肺炎球菌ワクチン組成物をその必要がある対象に投与することを含む、その必要がある対象を処置する方法を提供する。
【0138】
[0145] ある態様において、対象は肺炎連鎖球菌により媒介される疾患、たとえば侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を伴なう。
[0146] 一態様において、対象はヒト、たとえば乳児(約1歳未満)、幼児(約12か月齢~約24か月齢)、小児(約2歳~約5歳)、より年上の子供(約5歳~約13歳)、青少年(adolescent)(約13歳~約18歳)、成人(約18歳~約65歳)、または高齢者(約65歳を超える)である。
【0139】
[0147] ある態様において、本開示は、免疫学的有効量の本明細書に記載する肺炎球菌ワクチン組成物を対象に投与することを含む、肺炎連鎖球菌莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘導する方法を提供する。
【0140】
[0148] 一態様において、肺炎連鎖球菌莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘導する方法は、本明細書に記載する肺炎球菌ワクチン組成物を対象に全身、皮下、および/または粘膜投与することを含む。
【0141】
[0149] ある態様において、本開示のワクチン組成物の投与量中の各コンジュゲートの量は、免疫防御応答、たとえば著しい有害作用を伴なわない免疫防御応答を誘導するのに十分な量である。各コンジュゲートの量は肺炎球菌血清型に応じて異なる可能性があるが、それぞれの用量のワクチン組成物は、約1.5μg~約5μgのキャリヤータンパク質を含む各キャリヤータンパク質にコンジュゲートした、約0.1μg~約50μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類、約0.1μg~約10μg、または約1μg~約5μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類を含むことができる。
【0142】
[0150] 他の態様において、本開示は、肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含む肺炎球菌ワクチン組成物、すなわち約0.5~約2.0のタンパク質-対-多糖類のパーセント比(タンパク質/PS)、好ましくは0.7~1.2のタンパク質/PSをもつ肺炎球菌ワクチン組成物を提供する。
【0143】
[0151] ある態様において、本開示は、約100kDa~約400kDa、約125kDa~約425kDa、約150kDa~約450kDa、約175kDa~約475k
Da、約200kDa~約500kDa、約250kDa~約550kDa、または約300kDa~約600kDaの範囲の分子量をもつ肺炎球菌多糖類を含む肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0144】
[0152] 他の態様において、本開示は、約1,000kDa~約10,000kDa、約1,500kDa~約15,000kDa、約2,000kDa~約20,000kDa、約2,500kDa~約25,000kDa、または約3,000kDa~約30,000kDaの範囲の分子量をもつ1種類以上の多糖類-タンパク質コンジュゲートを含む肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物を提供する。
【0145】
[0153] 本開示の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物は既知の方法を用いて製造できる。たとえば、肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物に医薬的に許容できる希釈剤またはビヒクル、たとえば水または塩類溶液を配合することができる。そのほか、肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物はさらに下記のうち1種類以上を含有することができる:緩衝剤、保存剤または安定剤、ポリソルベート、アジュバント、たとえばアルミニウム化合物、たとえば水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムまたはアルミニウムヒドロキシホスフェート、および/または凍結乾燥用賦形剤。本開示の肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチン組成物中における上記化合物のいずれかの含有は、その必要がある対象への投与の様式および経路に相関するものとして選択することができ、さらに標準的な医薬実施に基づくことができる。
【0146】
[0154] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法を提供し、その際、少なくとも血清型3および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。その14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法は下記の工程を含む;
(a)14種類の肺炎球菌多糖類のうち1種類以上(たとえば、CDAPを用いて活性化したもの)を個別に、免疫原性キャリヤータンパク質、たとえばPsaAおよび/またはCRM197にコンジュゲートさせる;
(b)コンジュゲートを透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製する;
(c)精製した画分をSEC-MALLSを用いて分析し、14種類のコンジュゲートそれぞれを含有する画分をプールし、それらの一価コンジュゲート画分を濾過滅菌する;そして
(d)14種類のコンジュゲート(たとえば、それぞれの血清型について約2.2~4.4μg、約5μg~約10μgのPsaA、および約15μg~約36μgのCRM197)、アジュバント(たとえば、リン酸アルミニウム)、賦形剤、および緩衝剤を配合して、14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物にする。
ある態様において、14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を濾過(たとえば、無菌的に)することができる。
【0147】
[0155] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法を提供し、その際、少なくとも血清型3および6AはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。その14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法は下記の工程を含む;
(a)14種類の肺炎球菌多糖類のうち1種類以上(たとえば、CDAPを用いて活性化したもの)を個別に、免疫原性キャリヤータンパク質、たとえばPsaAおよび/またはCRM197にコンジュゲートさせる;
(b)コンジュゲートを透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製する;
(c)精製した画分をSEC-MALLSを用いて分析し、14種類のコンジュゲートそれぞれを含有する画分をプールし、それらの一価コンジュゲート画分を濾過滅菌する;そして
(d)14種類のコンジュゲート(たとえば、それぞれの血清型について約2.2~4.4μg、約5μg~約10μgのPsaA、および約15μg~約36μgのCRM197)、アジュバント(たとえば、リン酸アルミニウム)、賦形剤、および緩衝剤を配合して、14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物にする。
ある態様において、14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を濾過(たとえば、無菌的に)することができる。
【0148】
[0156] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法を提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM197にコンジュゲートしている。その15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法は下記の工程を含む;
(a)15種類の肺炎球菌多糖類のうち1種類以上(たとえば、CDAPを用いて活性化したもの)を個別に、免疫原性キャリヤータンパク質、たとえばPsaAおよび/またはCRM197にコンジュゲートさせる;
(b)コンジュゲートを透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製する;
(c)精製した画分をSEC-MALLSを用いて分析し、15種類のコンジュゲートそれぞれを含有する画分をプールし、それらの一価コンジュゲート画分を濾過滅菌する;そして
(d)15種類のコンジュゲート(たとえば、それぞれの血清型について約2.2~4.4μg、約5μg~約20μgのPsaA、および約20μg~約40μgのCRM197)、アジュバント(たとえば、リン酸アルミニウム)、賦形剤、および緩衝剤を配合して、15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物にする。
ある態様において、15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を濾過(たとえば、無菌的に)することができる。
【0149】
[0157] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9
V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類を含む17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法を提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM197にコンジュゲートしている。その17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法は下記の工程を含む;
(a)17種類の肺炎球菌多糖類のうち1種類以上(たとえば、CDAPを用いて活性化したもの)を個別に、免疫原性キャリヤータンパク質、たとえばPsaAおよび/またはCRM197にコンジュゲートさせる;
(b)コンジュゲートを透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製する;
(c)精製した画分をSEC-MALLSを用いて分析し、17種類のコンジュゲートそれぞれを含有する画分をプールし、それらの一価コンジュゲート画分を濾過滅菌する;そして
(d)17種類のコンジュゲート(たとえば、それぞれの血清型について約2.2~4.4μg、約5μg~約20μgのPsaA、および約20μg~約40μgのCRM197)、アジュバント(たとえば、リン酸アルミニウム)、賦形剤、および緩衝剤を配合して、17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物にする。
ある態様において、17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を濾過(たとえば、無菌的に)することができる。
【0150】
[0158] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類を含む20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法を提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM197にコンジュゲートしている。その20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法は下記の工程を含む;
(a)20種類の肺炎球菌多糖類のうち1種類以上(たとえば、CDAPを用いて活性化したもの)を個別に、免疫原性キャリヤータンパク質、たとえばPsaAおよび/またはCRM197にコンジュゲートさせる;
(b)コンジュゲートを透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製する;
(c)精製した画分をSEC-MALLSを用いて分析し、20種類のコンジュゲートそれぞれを含有する画分をプールし、それらの一価コンジュゲート画分を濾過滅菌する;そして
(d)20種類のコンジュゲート(たとえば、それぞれの血清型について約2.2~4.4μg、約5μg~約20μgのPsaA、および約20μg~約50μgのCRM197)、アジュバント(たとえば、リン酸アルミニウム)、賦形剤、および緩衝剤を配合して、20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物にする。
ある態様において、20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を濾過(たとえば、無菌的に)することができる。
【0151】
[0159] ある態様において、本開示は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法を提供し、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM197にコンジュゲートしている。その22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を製造するための方法は下記の工程を含む;
(a)22種類の肺炎球菌多糖類のうち1種類以上(たとえば、CDAPを用いて活性化したもの)を個別に、免疫原性キャリヤータンパク質、たとえばPsaAおよび/またはCRM197にコンジュゲートさせる;
(b)コンジュゲートを透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて精製する;
(c)精製した画分をSEC-MALLSを用いて分析し、22種類のコンジュゲートそれぞれを含有する画分をプールし、それらの一価コンジュゲート画分を濾過滅菌する;そして
(d)22種類のコンジュゲート(たとえば、それぞれの血清型について約2.2~4.4μg、約5μg~約20μgのPsaA、および約20μg~約50μgのCRM197)、アジュバント(たとえば、リン酸アルミニウム)、賦形剤、および緩衝剤を配合して、22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物にする。
ある態様において、22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物を濾過(たとえば、無菌的に)することができる。
【0152】
[0160] 本開示の組成物を、単回量、たとえば単回量バイアル、多数回量、たとえば多数回量バイアル、またはプレフィルドシリンジ中に配合することができる。本開示の組成物は、さらにチオメルサール、2-フェノキシエタノールなどから選択される1種類以上の保存剤を含むことができ、それは約4mg/mLから約20mg/mLまでの範囲の量であってもよい。
【0153】
[0161] ある態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:約2.2~4.4μgの2種類以上の肺炎球菌多糖類血清型、血清型当たり約1μg~約10μgのPsaA、血清型当たり約1μg~約10μgのCRM197、約0.2mg~約1mgのアジュバント(たとえば、リン酸アルミニウム)、および1種類以上の賦形剤(たとえば、塩化ナトリウム、および/または緩衝剤)。
【0154】
[0162] 他の態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の13価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば13価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:それぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22Fおよび33F。
【0155】
[0163] その13価ワクチンをさらに1回量以上の約0.5mL量中に配合することができ、各0.5mL量は約2.2μg~約4.4μgの13種類の血清型それぞれ、約25μg~約30μgのPsaAおよびCRM197、約0.125mgのアジュバント(たとえば、アルミニウム元素、たとえば約0.5mgのリン酸アルミニウム)、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0156】
[0164] ある態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の14価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:それぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F。
【0157】
[0165] ある態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の14価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば14価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:それぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM197の組合わせにコンジュゲートした肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F。
【0158】
[0166] その14価ワクチンをさらに1回量以上の約0.5mL量中に配合することができ、各0.5mL量は約2.2μg~約4.4μgの14種類の血清型それぞれ、約20μg~約35μgのPsaAおよびCRM197、約0.125mgのアジュバント(たとえば、アルミニウム元素、たとえば約0.5mgのリン酸アルミニウム)、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0159】
[0167] 他の態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の15価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば15価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6Bはそれぞれ個別にPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fはそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートしている。
【0160】
[0168] その15価ワクチンをさらに1回量以上の約0.5mL量中に配合することができ、各0.5mL量は約2.2μg~約4.4μgの15種類の血清型それぞれ、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~40μgのCRM197、約0.125mgのアジュバント(たとえば、アルミニウム元素、たとえば約0.5mgのリン酸アルミニウム)、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0161】
[0169] さらに他の態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の17価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば17価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35B、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6Bはそれぞれ個別にPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bはそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートしている。
【0162】
[0170] その17価ワクチンをさらに1回量以上の約0.5mL量中に配合することができ、各0.5mL量は約2.2μg~約4.4μgの17種類の血清型それぞれ、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~40μgのCRM197、約0.125mgのアジュバント(たとえば、アルミニウム元素、たとえば約0.5mgのリン酸アルミニウム)、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0163】
[0171] ある態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の20価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば20価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6Bはそれぞれ個別にPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートしている。
【0164】
[0172] その20価ワクチンをさらに1回量以上の約0.5mL量中に配合することができ、各0.5mL量は約2.2μg~約4.4μgの20種類の血清型それぞれ、約5
μg~約20μgのPsaA、約20μg~50μgのCRM197、約0.125mgのアジュバント(たとえば、アルミニウム元素、たとえば約0.5mgのリン酸アルミニウム)、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0165】
[0173] ある態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の22価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば22価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6Bはそれぞれ個別にPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートしている。
【0166】
[0174] その22価ワクチンをさらに1回量以上の約0.5mL量中に配合することができ、各0.5mL量は約2.2μg~約4.4μgの22種類の血清型それぞれ、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~50μgのCRM197、約0.125mgのアジュバント(たとえば、アルミニウム元素、たとえば約0.5mgのリン酸アルミニウム)、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0167】
[0175] ある態様において、本開示は、少なくとも下記のものを含有するように配合された約0.5mLの単回量として投与される無菌液剤配合物中の24価免疫原組成物(たとえば、ワクチン)、たとえば24価肺炎球菌多糖類-タンパク質コンジュゲート組成物をも提供する:肺炎球菌多糖類血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6Bはそれぞれ個別にPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はそれぞれ個別にCRM197にコンジュゲートしている。
【0168】
[0176] その24価ワクチンをさらに1回量以上の約0.5mL量中に配合することができ、各0.5mL量は約2.2μg~約4.4μgの24種類の血清型それぞれ、約5μg~約20μgのPsaA、約20μg~50μgのCRM197、約0.125mgのアジュバント(たとえば、アルミニウム元素、たとえば約0.5mgのリン酸アルミニウム)、塩化ナトリウム、およびL-ヒスチジン緩衝剤を含む。
【0169】
[0177] 本開示の組成物をその必要がある対象にワクチンの分野で用いられる多数の一般的経路のいずれかにより投与することができる。たとえば、本開示の組成物を全身に、たとえば非経口的(たとえば、皮下、筋肉内、皮内および/または静脈内)または粘膜(たとえば、口腔および/または鼻腔)に投与することができる。
【0170】
[0178] ある態様において、本開示はその必要がある対象において1種類以上のキャリヤータンパク質にコンジュゲートした1種類以上の肺炎連鎖球菌莢膜多糖類に対する免疫応答を誘導する方法をも提供する。免疫応答を誘導するための方法は、免疫学的有効量の本明細書に記載する組成物をその必要がある対象に投与することを含む。
【0171】
[0179] 本開示の方法によれば、本明細書に記載する組成物を投与する対象はヒト、たとえば乳児(約1歳未満)、幼児(約12か月齢~約24か月齢)、小児(約2歳~約5歳)、より年上の子供(約5歳~約13歳)、青少年(約13歳~約18歳)、成人(約
18歳~約65歳)、または高齢者(約65歳を超える)である。
【0172】
[0180] 本明細書中で用いる、本明細書に記載する組成物の“有効量”は、その組成物を投与した対象において免疫応答を誘導するために必要な量を表わす。免疫応答は、その後の攻撃に際して肺炎連鎖球菌の感染の可能性または重症度を有意に軽減する1種類以上の肺炎連鎖球菌抗原特異的な抗体が宿主に存在することを特徴とする。
【実施例0173】
[0181] 以下の例は本開示を具体的に示すために提示され、説明のためのものにすぎず、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1:多糖類-PsaAコンジュゲートを形成するためのキャリヤータンパク質への個別の肺炎球菌多糖類のコンジュゲーション
A)PsaA調製:
[0182] PsaA遺伝子を、それの疎水性リーダーペプチド配列を含まない状態で肺炎連鎖球菌血清型4からPCR増幅した。遺伝子配列を確認し、より高い発現を得るために自社構築したベクター(pBE66)を用いて大腸菌(E. coli)内へクローニングした。
【0174】
[0183] PSaA遺伝子をコードするグリセロール保存培養物を、150mLコニカルフラスコ内において1mLのグリセロール保存培養物を含有する20mLのLB培地で復活させた。培養物を37℃で200rpm下に約6時間、最終OD600nmが3.5 ODになるまでインキュベートした。復活した培養物を5Lコニカルフラスコ内での1Lの種培養に移した。培養物を37℃で200rpm下に約10時間、最終OD600nmが3になるまで増殖させた。
【0175】
[0184] 種培養物を、下記の培地成分を入れた20L発酵槽へ無菌的に移した:HyPeptone 6g/L、酵母エキス12/L、オルトリン酸水素二カリウム13.5g/L、二塩基性リン酸アンモニウム4g/L、クエン酸1.7g/L、MgSO・7HO 1.2g/L、グルコース4g/L、チアミンHCL 10mg/L、および1mL/Lの微量成分(たとえば、組成物100mLについて微量成分FeCl 2.7g、ZnCl 0.2g、CoCl・6HO 0.2g、NaMoO・2H
0.2g、CuSO・5HO 0.1g、ホウ酸0.05g、CaCl・2HO 0.1g、濃HCL 10mL)。最初の発酵をOD600nm 0.2 ODで開始した。発酵全体を通して20%オルトリン酸および12.5%水酸化アンモニウムでpHを7±0.2に維持した。
【0176】
[0185]グルコースレベルが0.5g/L未満に低下した時点で3~4g/L/時の定常速度で供給バッチを開始し、発酵全体を通して酸素富化によりDO%を>20%に維持した。
【0177】
[0186] 細胞を発酵槽内で増殖させ、遠心により細胞ペレットを採集した。細胞破壊デバイス(Panda)を用いて細胞を溶解した。溶解物を10000gで遠心し、澄明化した上清を精製した。
【0178】
[0187] Larentis et.al, 2011 (Protein expression and Purification 78 (2011) 38)に記載された方法と同様にしてPsaA精製を実施した。より高い純度のPsaAを得るために、DEAE後に混合モードクロマトグラフィー(セラミックヒドロキシアパタイト タイプ-II)を用いて精製をさらに最適化した。
【0179】
[0188] アニオン交換クロマトグラフィー:30mLのDEAEセファロース(GE)樹脂をXK16/20カラムに充填した。樹脂を5カラム体積の滅菌蒸留水、続いて10
カラム体積の20mM Tris、1mM EDTA、pH8.0(平衡化緩衝液)で洗浄した。30mLの上清を平衡化緩衝液で100mLに希釈し、カラムに装填し、フロースルーを採集した。カラムを5体積の平衡化緩衝液で洗浄した。PsaAを12体積の直線勾配(0-100%B)で溶離した(緩衝液Aは20mM Tris、1mM EDTAを含有,pH8.0;緩衝液B-20mM Tris、1mM EDTA、250mM
NaCl,pH8.0)。これに続いてカラムを20mM Tris、1mM EDTA、1M NaCl,pH8.0で洗浄した。
【0180】
[0189] 混合モードクロマトグラフィー:25mlのセラミックヒドロキシアパタイト
タイプII(Ceramic Hydroxyapatite Type II)(CHT-II)をカラムに充填した。樹脂を 体積の滅菌蒸留水、続いて10体積の20mM Tris,pH6.8で洗浄した。SDS PAGEでおおよそ37KDの良好な濃度のPsaAの明瞭な主要可視バンドを示したDEAE樹脂からの溶出画分をプールし、CHT-II樹脂に装填した。フロースルーを採集し、カラムを5カラム体積の平衡化緩衝液で洗浄した。タンパク質を5カラム体積のステップ勾配(15%B、20%B、50%Bおよび100%B)で溶離した。緩衝液Aは20mM Tris,pH6.8を含有し、一方、緩衝液Bは250mMリン酸緩衝液pH6.8を含有する。
【0181】
[0190] PsaAの予想サイズに明瞭なバンドを示すすべての溶出画分をプールし、10kDa MWCOカセットで濃縮し、20mMリン酸緩衝液,pH7.5に対して透析濾過した。精製したタンパク質をSDS-PAGEゲルに装填して純度を査定した。
【0182】
B)肺炎球菌多糖類血清型3の活性化およびPsaAへのコンジュゲーション
[0191] サイズ縮小した血清型3の多糖類(濃度5mg/mL)および1.5mLのCDAP(アセトニトリル中、100mg/mL(w/v))をガラスボトル内において1:0.5(PS:CDAP)の比で混合し、1分間攪拌した。多糖類溶液のpHを3.5mLの0.2Mトリエチルアミンで9.0に調整し、室温(RT)で1分間攪拌した。210mgのPsaA(15.0mg/mL濃度のもの14.0mL)を、活性化した多糖類に1:0.7(Ps:キャリヤータンパク質)の比で徐々に添加した。
【0183】
[0192] 反応のpHを0.7mLの0.2Mトリエチルアミンで約9.01に調整し、攪拌下に室温で5時間、反応を継続し、続いて過剰濃度のグリシン(100mM)の添加により反応を停止した。SEC-HPLCを用いて反応1時間毎に反応のコンジュゲーション動態をモニターした。
【0184】
[0193] 100kDa MWCO TFFメンブレンを用いて反応混合物を透析濾過および濃縮した。濃縮物をサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。画分をSEC-MALLS、アンスロン法により分析し、コンジュゲートを含有する画分をプールし、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。
【0185】
C)肺炎球菌多糖類血清型6Aの活性化およびPsaAへのコンジュゲーション
[0194] サイズ縮小した6A型の多糖類(濃度14.6mg/mL)および400μLのCDAP(アセトニトリル中、100mg/mL(w/v))をガラスボトル内において1:1(PS:CDAP)の比で混合し、1分間攪拌した。多糖類溶液のpHを800μLの0.2Mトリエチルアミンで9.5に調整し、室温(RT)で1分間攪拌した。40mgのPsaA(11.0mg/mL濃度のもの3.78mL)を、活性化した多糖類に1:1(Ps:キャリヤータンパク質)の比で徐々に添加した。
【0186】
[0195] 反応のpHを0.7mLの0.2Mトリエチルアミンで約9.01に調整し、攪拌下に室温で5時間、反応を継続し、続いて過剰濃度のグリシン(100mM)の添加
により反応を停止した。SEC-HPLCを用いて反応1時間毎に反応のコンジュゲーション動態をモニターした。
【0187】
[0196] 100kDa MWCO TFFメンブレンを用いて反応混合物を透析濾過および濃縮した。濃縮物をサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。画分をSEC-MALLS、アンスロン法により分析し、コンジュゲートを含有する画分をプールし、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。
【0188】
D)肺炎球菌多糖類血清型6Bの活性化およびPsaAへのコンジュゲーション
[0197] サイズ縮小した6B型の多糖類(濃度14.97mg/mL)および4.0mLのCDAP(アセトニトリル中、100mg/mL(w/v))をガラスボトル内において1:2(PS:CDAP)の比で混合し、1分間攪拌した。多糖類溶液のpHを8.0mLの0.2Mトリエチルアミンで9.1に調整し、室温(RT)で1分間攪拌した。340mgのPsaA(15.0mg/mL濃度のもの22.66mL)を、活性化した多糖類に1:1.7(Ps:キャリヤータンパク質)の比で徐々に添加した。
【0189】
[0198] 反応のpHを0.7mLの0.2Mトリエチルアミンで約9.01に調整し、攪拌下に室温で5時間、反応を継続し、続いて過剰濃度のグリシン(100mM)の添加により反応を停止した。SEC-HPLCを用いて反応1時間毎に反応のコンジュゲーション動態をモニターした。
【0190】
[0199] 100kDa MWCO TFFメンブレンを用いて反応混合物を透析濾過および濃縮した。濃縮物をサイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。画分をSEC-MALLS、アンスロン法により分析し、コンジュゲートを含有する画分をプールし、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。
【0191】
[0200] 血清型3(D)、6A(E)および6B(F)のコンジュゲーション反応動態についてのSEC-HPLCクロマトグラムを作成した。3つすべてのクロマトグラムについて下記の記号を用いた;多糖類(実線)、PsaA(破線)、3または5時間の反応(点線)。すべてのクロマトグラムについて図2に示すように、PsaAに属する約19分の保持時間におけるピークの低減または消失に基づいてPsaAの消費が示される。コンジュゲーションは約13.5分~約14分における新たなピークの形成に基づいて確認される。
【0192】
[0201] 前記のものと同様な方法を用いて血清型 5、9V、12F、10A、15B
、18Cおよび45に由来する肺炎球菌多糖類とPsaAのコンジュゲートを調製した。血清型5(A)、9V(B)および18C(C)のコンジュゲーション反応動態についてのSEC-HPLCクロマトグラムを作成した。図2に示すように、3つすべてのクロマトグラムが多糖類(実線)、PsaA(破線)、3または5時間の反応(点線)である。すべてのクロマトグラムにおいて、PsaAに属する約19分の保持時間におけるピークの低減または消失に基づいてPsaAの消費が示される。コンジュゲーションは約13.5分~約14分における新たなピークの形成に基づいて確認される。
【0193】
実施例2:肺炎球菌莢膜多糖類-CRM 197 コンジュゲートの製造
A)多糖類の活性化およびキャリヤータンパク質とのコンジュゲーション:
[0202] サイズ調整した多糖類(6.0mLのPs,10mg/mLの濃度)およびCDAP(アセトニトリル中、100mg/mL(w/v))をガラスバイアル内において1:1の比で混合し、1分間攪拌した。多糖類溶液のpHを0.2Mトリエチルアミンで9.25に調整し、室温(RT)で3分間攪拌した。CRM197(濃度15.0mg/mLのもの4.0mL)を、活性化した多糖類に1:1(Ps:キャリヤータンパク質)
の比で徐々に添加した。
【0194】
[0203] 反応のpHを0.2Mトリエチルアミンで約9.05に調整し、攪拌下に室温で5時間、反応を継続し、最後に過剰濃度のグリシン(100mM)の添加により反応を停止した。
【0195】
[0204] 100 K MWCO TFFメンブレンを用いて反応混合物を透析濾過し、サイズ排除クロマトグラフィーによって精製した。画分をSEC-MALLS、アンスロン法により分析し、コンジュゲートを含有する画分をプールし、0.2μmフィルターで滅菌濾過した。この材料を1価コンジュゲートバルクと呼ぶ。
【0196】
[0205] 血清型7F(A)、14(B)および19F(C)とCRM197から製造したコンジュゲートの反応動態を作成し、図1に示す。3つすべてのクロマトグラムにおいて多糖類(実線)、CRM197(破線)、5時間の反応(点線)である。すべてのクロマトグラムにおいて、CRM197に属する約19分の保持時間におけるピークの低減または消失に基づいてCRM197の消費が示される。コンジュゲーションは約13.5分~約14分における新たなピークの形成に基づいて確認される。
【0197】
[0206] 血清型3(D)、6A(E)および6B(F)とCRM197から製造したコンジュゲートの反応動態を作成し、その反応動態を図1に示す。3つすべてのクロマトグラムにおいて多糖類(実線)、CRM197(破線)、5時間の反応(点線)である。すべてのクロマトグラムにおいて、CRM197に属する約19分の保持時間におけるピークの低減または消失に基づいてCRM197の消費が示される。コンジュゲーションは約13.5分~約14分における新たなピークの形成に基づいて確認される。
【0198】
実施例3:肺炎球菌莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンの配合
[0207] 15価コンジュゲートワクチンを、約28μgのCRM197タンパク質にコンジュゲートした血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来のそれぞれの肺炎球菌多糖類2.2μg、ならびに約7μgのPsaAタンパク質にコンジュゲートした血清型3、6Aおよび6B由来のそれぞれの肺炎球菌多糖類2.2μgを含有する0.5mL量として配合した。すべてのコンジュゲートを、0.5mL量当たり0.5mgのAl3+に相当するリン酸アルミニウムゲルに吸着させた。0.9% W/Vの生理食塩水を配合用の希釈剤およびビヒクルとして用い、1N塩酸を用いて最終配合物pHをpH6に調整した。pH調整後の効率的な吸着のために、配合物を定常攪拌下で2時間混合した。2時間のブレンディングの後、配合したブレンドを無菌的にバイアル当たり0.58mLの充填体積で3mLの滅菌した非シリコン処理バイアルに充填し、滅菌した13mmゴム栓で閉じ、13mmの滅菌したピンク色フリップオフ(flip off)アルミニウムシールでシールし、続いて充填バイアルの光学検査およびラベリングを行なった。このロットからランダムにピックアップした幾つかのバイアルを、外観、pH、モル浸透圧濃度、ポリおよびタンパク質の総含量(μg/SHD)、吸着率%、アルミニウム含量(mg/SHD)の分析へ送った。
【0199】
実施例4:肺炎球菌莢膜多糖類-タンパク質コンジュゲートワクチンの配合
[0208] 15価コンジュゲートワクチンを、約28μgのCRM197タンパク質にコンジュゲートした血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33F由来のそれぞれの肺炎球菌多糖類2.2μg、ならびに約14μgのPsaAタンパク質にコンジュゲートした血清型3、6Aおよび6B由来のそれぞれの肺炎球菌多糖類4.4μgを含有する0.5mL量として配合した。すべてのコンジュゲートを、0.5mL量当たり0.5mgのAl3+に相当するリン酸アルミニウムゲルに吸着させた。0.9% W/Vの生理食塩水を配合用の希釈剤およびビヒクルとして用
い、1N塩酸を用いて最終配合物pHをpH6に調整した。pH調整後の効率的な吸着のために、配合物を定常攪拌下で2時間混合した。2時間のブレンディングの後、配合したブレンドを無菌的にバイアル当たり0.58mLの充填体積で3mLの滅菌した非シリコン処理バイアルに充填し、滅菌した13mmゴム栓で閉じ、13mmの滅菌したピンク色フリップオフアルミニウムシールでシールし、続いて充填バイアルの光学検査およびラベリングを行なった。このロットからランダムにピックアップした幾つかのバイアルを、外観、pH、モル浸透圧濃度、ポリおよびタンパク質の総含量(μg/SHD)、吸着率%、アルミニウム含量(mg/SHD)の分析へ送った。
【0200】
A)配合したワクチンによるウサギの免疫化
[0209] それぞれ1.5~2kgの健康なウサギを特定の病原体を含まない収容施設で繁殖および飼育した。ウサギを前記の配合物で下記の計画により免疫化した。
【0201】
[0210] グループ1は、15価コンジュゲートワクチン(実施例3)で免疫化した7匹のウサギで構成されていた。その15価ワクチンは、CRM197タンパク質にコンジュゲートした血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fの肺炎球菌多糖類それぞれ2.2μg、ならびにのPsaAタンパク質にコンジュゲートした血清型3、6Aおよび6Bの肺炎球菌多糖類それぞれ2.2μgを含んでいた。ウサギを1、15および29日目に免疫化した;0、15および36日目に血液試料を採集した。血液試料から血清を分離し、-80℃で保存した。
【0202】
[0211] グループ2は、13価コンジュゲートワクチン-Prevnar13(登録商標)で免疫化した7匹のウサギで構成されていた。ウサギを1、15および29日目に免疫化した;0、12、26、40日目に血液試料を採集した。12日目および40日目のデータを用いてPsaA試験との比較のためにプロットした(図4)。血液試料から血清を分離し、-80℃で保存した。
【0203】
[0212] グループ3は、15価コンジュゲートワクチン(実施例4)で免疫化した7匹のウサギで構成されていた。その15価ワクチンは、約28μgのCRM197タンパク質にコンジュゲートした血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fそれぞれの多糖類2.2μg、ならびに約14μgのPsaAタンパク質にコンジュゲートした血清型3、6Aおよび6Bそれぞれの多糖類4.4μgを含んでいた。ウサギを1、15および29日目に免疫化した;0、15および36日目に血液試料を採集した。血液試料から血清を分離し、-80℃で保存した。免疫化したウサギから得た血清を血清型特異的免疫応答についてELISAを用いて分析した。
【0204】
[0213] WHOが提唱するプロトコルに従ってELISAを実施した。要約すると、Maxisorp(商標) ELISAプレートを特定の血清型のPnCPSでコーティングした(1μg/50μL/ウェル,PBSを使用;無菌、エンドトキシン不含、0.02%のナトリウムアジドを含有)。プレートを加湿のために湿ったペーパータオルと共に箱に入れ、37℃±2℃で5時間インキュベートし、プレートを使用時まで5℃±3℃で保存した。
【0205】
[0214] 細胞壁多糖類に由来するバックグラウンド反応性を排除するために、被験血清をCWPS Mlti(商標)に予備吸着させた。これを行なうために、2μLの被験血清および陽性対照血清を、998μLの予備吸着溶液(1mL - 1μLのCWPS Multi(商標),PBST中の10% SuperBlock(商標)999μL)を用いて希釈して、1:500の最終希釈度にした。希釈した試料を室温(25℃±5℃)で1時間、連続振とうしながらインキュベートした。プレートを軽く叩くことにより結合していないPnCPSを除去し、ウェル内の空の部位を200μLのブロッカー(20% SuperBlock(商標),PBS中)の添加によりブロックした。プレートを室温(25℃±5℃)で1時間、振とうせずにインキュベートした。
【0206】
B)被験試料および対照の添加
[0215] 50μLの希釈剤(10% SuperBlock(商標),PBST中)をA1~A12以外のすべてのウェルに添加した。これに続いて、100μL/ウェルの予備吸着済み被験血清試料をA1~A10に添加し、対照血清試料をA11およびA12に添加した。50μLを第1から第2へ移すなど、すなわちA1~A10からH1~H10へ移すことにより、被験試料の2倍系列希釈を実施した。同様に、A11および12からE11およびE12へ対照試料(007SP)の系列希釈を実施した。F11およびF12からH11およびH12へ、希釈せずにブランクとして設定した。
【0207】
[0216] プレートを室温(25℃±5℃)で2時間、振とうせずにインキュベートした。インキュベーション工程に続いて、内容物を廃棄し、プレートをPBST(約250μL/ウェル)で3回、手動またはプレート洗浄器で洗浄した。
【0208】
C)一次抗体の添加
[0217] 50μL/ウェルの組換えタンパク質A/Gペルオキシダーゼ(PBST中の10% SuperBlock(商標)を用いて1:20000希釈)をすべてのウェルに添加し、プレートを室温(25℃±5℃)で1時間、振とうせずにインキュベートした。これに続いて、プレートをPBST(250μL/ウェル)で3回、手動またはプレート洗浄器で洗浄した。
【0209】
D)顕色および読取り
[0218] 50μL/ウェルのTMB基質を添加し、室温(25℃±5℃)で15分間、振とうせずにインキュベートすることにより、発色反応を顕色させた。50μL/ウェルの1.25M硫酸の添加により反応を停止した。450nmにおけるODを測定した。
【0210】
E)力価推定
[0219] 免疫化した動物の抗体価を希釈係数の逆関数として査定した。免疫前力価(おおよそ0.2)の2倍のOD450nmを示す最高希釈度を力価としてレポートした。それぞれの血清型に対する血清抗体の力価をプロットし、種々の処理グループと比較した。
【0211】
[0220] グループ1からの動物の免疫応答データは、血清型特異的な血清抗体価の上昇において用量依存性上昇を示す;すなわち、抗体価のレベルはワクチン接種動物においてそれぞれの後続用量に伴なって上昇した。動物を4.4μgの多糖類を含有するPsaAコンジュゲートで免疫化した場合(グループ3)、血清型3に対する免疫応答(図5)は約1:10000であった。さらに、血清型3、6Aおよび6Bに対する血清抗体価は、Prevnar(登録商標)13免疫化ウサギから得られた免疫応答と比較した場合、少なくとも2倍大きかった。ウサギにおいてPrevnar(登録商標)13で初回免疫化した後の血清IgG力価は、本開示の15価配合物についてみられたのと同程度の上昇を示さない(図3および4)。PsaAにコンジュゲートした血清型3の多糖類濃度(図3)と比較した場合、Prevnar(登録商標)13における血清型6Bについての多糖類濃度は2倍(4.4μg)であるけれども、IgG応答のレベルは2倍である。CRM197にコンジュゲートした2.2μgの血清型3を含有する配合物においては、血清型3抗体の力価はかろうじて8000に達する。4.4μgのPsaAにコンジュゲートした場合、この力価は顕著な改善(16000)を示す。これは、血清型3、6Aおよび6B多糖類をPsaAにコンジュゲートさせたことによる免疫応答の改善である。Prevnar(登録商標)13ワクチン接種動物における血清型14に対する血清抗体価は、本開示の配合物と比較した場合、より低かった。他の血清型に達するIgG応答は、本開示のワクチン配合物またはPrevnar(登録商標)13のいずれかを接種した動物において類似していた。血清型3、6Aおよび6Bの力価は2.2μg濃度ですらPsaAにコンジュゲートした際に改善された。
【0212】
[0221] 本出願において特定した数値の使用は、そうではないと明確に指示しない限り、その表記範囲内の最小値から最大値までの概数として表記され、“約”という語が前置される。範囲の開示は、引用した最小値と最大値の間のあらゆる数値を含む連続範囲およびそのような数値により形成される可能性があるいずれかの範囲を意図したものである。本出願に提示する数値は本開示の種々の態様を表わす。
【0213】
[0222] 本開示全体を通して、単数用語“a”、“an”、および“the”は、そうではないことが状況から明確に指示されない限り複数の指示物を含む。同様に、“または(or)”という語は明らかに、2以上の項目のリストに関して他の項目から除かれた単一項目のみを意味することに限定され、よってそのようなリストにおける“または”の使用は下記を含むと解釈すべきである:(a)リスト中のいずれかの単一項目、(b)リスト中のすべての項目、または(c)リスト中のいずれかの項目の組合せ、さらに、用語“含む(comprising)”などは、本開示全体を通して少なくとも引用した特色(単数または複数)を含むことを意味するために用いられ、したがっていずれかのより多い数の同じ特色(単数または複数)および/または1以上の追加タイプの特色が除外されることはない。本明細書中で“一態様”、“ある態様”、またはこれらに類する記述は、その態様と関連して記載された組成物の特定の特色、組成物、方法、または特徴が本技術の少なくとも1つの態様に含まれる可能性があることを意味する。よって、そのような句または記述の出現は必ずしもすべてがその同じ態様を表わすわけではない。さらに、種々の特定の特色、組成物、方法、または特徴を1以上の態様においていずれか適切な様式で組み合わせることができる。
【0214】
[0223] 本開示は、網羅的であること、あるいは本技術を本明細書に開示する厳密な形態に限定することを意図したものではない。説明の目的で具体的態様を本明細書に開示するが、当業者が認識するように、本技術から逸脱することなく種々の均等な改変が可能である。ある場合には、本技術の態様の記載を不必要に不明瞭にするのを避けるために、周知の構造および機能を詳細には提示および/または記載しなかった。方法の工程を本明細書中で特定の順序で提示している場合があるが、別の態様においてそれらの工程は他の適切な順序をもつことができる。同様に、特定の態様に関して開示した本技術の特定の態様を他の態様において結合または除外することができる。さらに、特定の態様に関連する利点がそれらの態様に関して開示されている場合があるけれども、他の態様もそのような利点を示す可能性があり、本技術の範囲に含まれるために必ずしもすべての態様がそのような利点または本明細書に開示する他の利点を示す必要があるわけではない。したがって、この開示および関連技術は、本明細書に明瞭に提示および/または記載していない他の態様を含む可能性がある。
【0215】
[0224] 以上のことから、説明の目的で本開示の特定の態様を本明細書に記載したけれども本開示の範囲から逸脱することなく多様な改変をなしうることは認識されるであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲による以外に限定されることはない。
図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 肺炎球菌表面接着タンパク質A(PsaA)およびCRM 197 とからなるキャリヤータンパク質、並びに
(b) 2種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類血清型を含む、肺炎球菌ワクチン組成物
ここで、
(i)肺炎球菌莢膜多糖類の各々がPsaAおよびCRM 197 から選択されるキャリヤータンパク質に個別にコンジュゲートされており、
(ii)少なくとも1種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類がPsaAにコンジュゲートされており、
(iii)少なくとも1種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類がCRM 197 にコンジュゲートされており、
(iv)PsaAにコンジュゲートされている少なくとも1種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類は、CRM 197 にコンジュゲートされている少なくとも1種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類の血清型と異なる血清型を有する、前記肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項2】
肺炎球菌ワクチン組成物が10価、13価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の肺炎球菌ワクチン組成物である、請求項1に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項3】
それぞれの肺炎球菌多糖類が、1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される1種類以上の血清型を含む、請求項1または2に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項4】
約0.5~約2.0のキャリヤータンパク質-対-肺炎球菌多糖類パーセント比(タンパク質/PS)を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項5】
肺炎球菌ワクチン組成物がさらに、医薬的に許容できるキャリヤーを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項6】
肺炎球菌多糖類が少なくとも10種類の肺炎球菌多糖類を含み、それぞれの肺炎球菌多糖類が血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項7】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも14種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項8】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも17種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項9】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも19種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項10】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも20種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項11】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも22種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項12】
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも24種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項13】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項14】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3および6AはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項15】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む15価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項16】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類を含む17価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項17】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類を含む20価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項18】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項19】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、血清型1、3、6A、10A、12F、15A、15B、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項20】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A,12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項21】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、血清型1、3、6A、8、10A、12F、15A、15B、16F、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項22】
2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含み、その際、血清型が1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19F、19Aおよび22Fから選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項23】
2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含み、その際、血清型が1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19F、19A、22F、23F、33F、34、35、38および45から選択される、請求項1に記載の多価肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項24】
肺炎球菌ワクチン組成物が投与単位に配合されている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項25】
投与単位が約0.1μg~約50μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類、約0.1μg~約10μgまたは約1μg~約5μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類を含み、その際、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にキャリヤータンパク質に、約1.5μgから約5μgまでのキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項26】
さらに、医薬的に許容できる希釈剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、アジュバント、および/または凍結乾燥用賦形剤を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項27】
投与単位が単回量バイアル、多数回量バイアル、またはプレフィルドシリンジとして供給される、前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項28】
肺炎球菌ワクチン組成物が、下記のものを含む0.5mLの単回量である:
約2.2~4.4μgの1種類以上の肺炎球菌多糖類;
1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのPsaA;
1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのCRM 197
約0.2mg~約1mgのリン酸アルミニウムアジュバント;および
賦形剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項29】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む13価肺炎球菌ワクチン組成物であり、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約25μg~約30μgのPsaAおよびCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム:および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項30】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約20μg~約35μgのPsaAおよびCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項31】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2~4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約20μg~約35μgのPsaAおよびCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項32】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む15価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約40μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項33】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類を含む17価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F、14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約40μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項34】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類を含む20価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項35】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項36】
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記請求項のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項37】
その必要がある対象を処置するための請求項1から36のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項38】
対象が肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)により媒介される疾患を伴なう、請求項37に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項39】
肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)により媒介される疾患が侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)である、請求項38に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項40】
対象がヒトである、請求項37~39のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項41】
ヒトが乳児(約1歳未満)、幼児(約12か月齢~約24か月齢)、小児(約2歳~約5歳)、より年上の子供(約5歳~約13歳)、青少年(約13歳~約18歳)、成人(約18歳~約65歳)、または高齢者(約65歳を超える)である、請求項40に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項42】
肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘導するための請求項1~36のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項43】
さらに、多糖類-タンパク質コンジュゲート、アジュバント、賦形剤および緩衝剤を含む、求項1~36のいずれか1項に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【請求項44】
アジュバントがリン酸アルミニウムである、請求項43に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0214
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0214】
本発明の態様には、下記も含まれる。
態様1
2種類以上の肺炎球菌莢膜多糖類血清型を含み、それぞれが個別に、キャリヤータンパク質である肺炎球菌表面接着タンパク質A(PsaA)またはキャリヤータンパク質としてのPsaAとCRM 197 の組合わせにコンジュゲートしている、肺炎球菌ワクチン組成物。
態様2
肺炎球菌ワクチン組成物が10価、13価、14価、15価、17価、18価、19価、20価、22価、23価、24価または25価の肺炎球菌ワクチン組成物である、請求項1に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様3
それぞれの肺炎球菌多糖類が、1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択される1種類以上の血清型を含む、態様1または2に記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様4
約0.5~約2.0のキャリヤータンパク質-対-肺炎球菌多糖類パーセント比(タンパク質/PS)を有する、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様5
肺炎球菌ワクチン組成物がさらに、医薬的に許容できるキャリヤーを含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様6
肺炎球菌多糖類が少なくとも10種類の肺炎球菌多糖類を含み、それぞれの肺炎球菌多糖類が血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、キャリヤータンパク質がPsaA、またはPsaAとCRM 197 の組合わせを含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様7
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも14種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様8
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも17種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様9
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも19種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様10
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも20種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様11
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも22種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様12
肺炎球菌ワクチン組成物が少なくとも24種類の肺炎球菌多糖類を含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様13
それぞれの肺炎球菌多糖類が血清型1、2、3、4、5、6A、6B、6C、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15A、15B、15C、16F、17F、18C、19F、19A、20A、20B、22F、23A、23B、23F、24B、24F、31、33F、34、35B、35F、38、39および45から選択され、キャリヤータンパク質がPsAである、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様14
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3および6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様15
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3および6AはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様16
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む15価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様17
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類を含む17価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様18
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類を含む20価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様19
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様20
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、血清型1、3、6A、10A、12F、15A、15B、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様21
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A,12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様22
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、血清型1、3、6A、8、10A、12F、15A、15B、16F、22F、34、35B、38はPsaAにコンジュゲートしており、血清型4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様23
2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含み、その際、血清型が1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19F、19Aおよび22Fから選択され、キャリヤータンパク質がPsaAである、肺炎球菌ワクチン組成物。
態様24
2種類以上の血清型の肺炎球菌多糖類およびキャリヤータンパク質を含み、その際、血清型が1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19F、19A、22F、23F、33F、34、35、38および45から選択され、キャリヤータンパク質がPsaAである、肺炎球菌ワクチン組成物。
態様25
肺炎球菌ワクチン組成物が投与単位に配合されている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様26
投与単位が約0.1μg~約50μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類、約0.1μg~約10μgまたは約1μg~約5μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類を含み、その際、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にキャリヤータンパク質に、約1.5μgから約5μgまでのキャリヤータンパク質にコンジュゲートしている、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様27
さらに、医薬的に許容できる希釈剤、緩衝剤、保存剤、安定剤、アジュバント、および/または凍結乾燥用賦形剤を含む、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様28
投与単位が単回量バイアル、多数回量バイアル、またはプレフィルドシリンジとして供給される、前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様29
肺炎球菌ワクチン組成物が、下記のものを含む0.5mLの単回量である:
約2.2~4.4μgの1種類以上の肺炎球菌多糖類;
1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのPsaA;
1種類以上の肺炎球菌多糖類のそれぞれにコンジュゲートした約1μg~約10μgのCRM 197
約0.2mg~約1mgのリン酸アルミニウムアジュバント;および
賦形剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様30
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む13価肺炎球菌ワクチン組成物であり、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM 197 の組合わせにコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約25μg~約30μgのPsaAおよびCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム:および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様31
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM 197 の組合わせにコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約20μg~約35μgのPsaAおよびCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様32
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む14価肺炎球菌ワクチン組成物であり、それぞれの肺炎球菌多糖類がそれぞれ個別にPsaA、またはPsaAとCRM 197 の組合わせにコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2~4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約20μg~約35μgのPsaAおよびCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様33
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V,14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33Fから選択される肺炎球菌多糖類を含む15価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23Fおよび33FはCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約40μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様34
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、12F,14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35Bから選択される肺炎球菌多糖類を含む17価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、12F、14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fおよび35BはCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約40μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様35
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45から選択される肺炎球菌多糖類を含む20価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、35Bおよび45はCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素、
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様36
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む22価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、9V、10A、12F、14、15A、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様37
肺炎球菌ワクチン組成物が血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38から選択される肺炎球菌多糖類を含む24価肺炎球菌ワクチン組成物であり、その際、少なくとも血清型3、6Aおよび6BはPsaAにコンジュゲートしており、1種類以上の血清型1、4、5、7F、8、9V、10A、12F、14、15A、15B、16F、18C、19A、19F、22F、23F、33F、34、35Bおよび38はCRM 197 にコンジュゲートしており、
その際、肺炎球菌ワクチン組成物が下記のものを含む無菌液剤として配合された約0.5mL量である:
約2.2μg~約4.4μgのそれぞれの肺炎球菌多糖類;
約5μg~約20μgのPsaA;
約20μg~約50μgのCRM 197
約0.5mgのリン酸アルミニウムとしての約0.125mgのアルミニウム元素;
塩化ナトリウム;および
L-ヒスチジン緩衝剤;
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物。
態様38
前記態様のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物をその必要がある対象に投与することを含む、その必要がある対象を処置する方法。
態様39
対象が肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)により媒介される疾患を伴なう、態様38に記載の方法。
態様40
肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)により媒介される疾患が侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)である、態様39に記載の方法。
態様41
対象がヒトである、態様38~40のいずれかに記載の方法。
態様42
ヒトが乳児(約1歳未満)、幼児(約12か月齢~約24か月齢)、小児(約2歳~約5歳)、より年上の子供(約5歳~約13歳)、青少年(約13歳~約18歳)、成人(約18歳~約65歳)、または高齢者(約65歳を超える)である、態様41に記載の方法。
態様43
免疫学的有効量の態様1~37のいずれかに記載の肺炎球菌ワクチン組成物を、その必要がある対象に投与することを含む、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)莢膜多糖類コンジュゲートに対する免疫応答を誘導する方法。
態様44
さらに、多糖類-タンパク質コンジュゲートを配合して、アジュバント、賦形剤および緩衝剤を含有する肺炎球菌ワクチン組成物にすることを含む、態様43に記載の方法。
態様45
アジュバントがリン酸アルミニウムである、態様44に記載の方法。
[0223] 本開示は、網羅的であること、あるいは本技術を本明細書に開示する厳密な形態に限定することを意図したものではない。説明の目的で具体的態様を本明細書に開示するが、当業者が認識するように、本技術から逸脱することなく種々の均等な改変が可能である。ある場合には、本技術の態様の記載を不必要に不明瞭にするのを避けるために、周知の構造および機能を詳細には提示および/または記載しなかった。方法の工程を本明細書中で特定の順序で提示している場合があるが、別の態様においてそれらの工程は他の適切な順序をもつことができる。同様に、特定の態様に関して開示した本技術の特定の態様を他の態様において結合または除外することができる。さらに、特定の態様に関連する利点がそれらの態様に関して開示されている場合があるけれども、他の態様もそのような利点を示す可能性があり、本技術の範囲に含まれるために必ずしもすべての態様がそのような利点または本明細書に開示する他の利点を示す必要があるわけではない。したがって、この開示および関連技術は、本明細書に明瞭に提示および/または記載していない他の態様を含む可能性がある。


【外国語明細書】