(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022105231
(43)【公開日】2022-07-13
(54)【発明の名称】接続補助具
(51)【国際特許分類】
H01R 4/50 20060101AFI20220706BHJP
【FI】
H01R4/50 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020219952
(22)【出願日】2020-12-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】000112646
【氏名又は名称】フジコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】大島右京
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡便な操作で、一つの端子盤の挿入口からワンタッチで2系統に電線を引き出すことができる接続補助具を提供する。
【解決手段】挿通孔を通してケース本体に導入される第1の圧着端子と第2の圧着端子の間に介在する導電性の平板接触部と、前記平板接触部から延在し前記端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグと、基部により片持ち梁的に支持され、所定の離隔で対向する弾性体の第1バネ部と第2バネ部と、前記第1バネ部と前記第2バネ部の略中央に前記平板接触部が収容された状態において、前記第1バネ部を押圧することで前記第1の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第1のレバーと、前記第2バネ部を押圧することで前記第2の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第2のレバーとを備える接続補助具。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に圧着端子が挿通される挿通孔が2つ形成されるケース本体と、
前記挿通孔を通して前記ケース本体に導入される第1の圧着端子と第2の圧着端子の間に介在する導電性の平板接触部と、前記平板接触部から延在し前記端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグと
基部により片持ち梁的に支持され、所定の離隔で対向する弾性体の第1バネ部と第2バネ部と、前記第1バネ部と前記第2バネ部の略中央に前記平板接触部が収容された状態において、前記第1の圧着端子を抜き差し可能とする第1の隙間、及び前記第2の圧着端子を抜き差し可能とする第2の隙間とが形成され、前記ケース本体に収容される板バネと、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第1バネ部を押圧することで前記第1の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第1のレバーと、
前記第2バネ部を押圧することで前記第2の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第2のレバー
とを備えたことを特徴とする接続補助具。
【請求項2】
前記圧着端子を挿入する前記ケース本体の圧着端子の挿入面に開口する前記第1の隙間と、前記第2の隙間以外の開口に、前記圧着端子の誤挿入を防止するストッパーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接続補助具。
【請求項3】
前記第1バネ部及び前記第2バネ部の各端部には、前記圧第1の着端子の切欠け部及び前記第2の圧着端子の切欠け部に嵌合する係止爪が、それぞれ形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接続補助具。
【請求項4】
前記係止爪は略三角柱であって、いずれかの側面が前記第1バネ部、及び/又は前記第2バネ部に接合している形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の接続補助具。
【請求項5】
前記第1のレバー、及び前記第2のレバーは、それぞれ回転軸と、前記回転軸の回動に伴い、前記第1のレバーは前記第1バネ部を押圧する突起を有し、前記第2のレバーは前記第2バネ部を押圧する突起を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の接続補助具。
【請求項6】
前記第1のレバー、前記第2のレバーをそれぞれ回動可能に前記ケース本体に係合させる取付け枠部を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の接続補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線を収容する端子盤とこれに挿入される圧着端子との間に設けられ、端子盤と圧着端子とを接続する接続補助具に関し、特に、既存の端子盤を改造することなく、標準的な端子盤に対して、簡便な操作で、一つの挿入口から圧着端子が接続された電線を2系統引き出すことができる圧着端子の接続補助具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
端子盤は、電線の端部を接続する台であって、複数の電力線又は信号線相互を、電気的に接続する目的で用いられる。そのため、端子盤には入力ポートと出力ポートとが設けられ、両者が導電性金属のベースで接続されている。
【0003】
端子盤に取り付けられる電線の端部は、裸線で用いられることは少なく、通常は電線の端部に圧着端子を取り付けて、この圧着端子を端子盤で接続する。代表的な圧着端子の形状として、丸形端子(R型端子)と先端開放型端子(Y型端子)がある。R型端子は、中央に円孔を有するワッシャー状の環状薄板よりなり、その一部の外側にネック部を設けて、電線を接続する。Y型端子は、前方が開放された馬蹄形薄板の後方にネック部を設けて、電線を接続する。
【0004】
これらの圧着端子を接続する端子盤の代表的な構造としては、ねじ締め式端子盤とねじなし端子盤がある。旧来からの基本的な端子盤の使用方法は、R型端子をねじ締め式端子盤に接続する方法である。これは、円孔を有する圧接板を用い、R型端子の円孔と圧接板の円孔の位置が合致するようにして、ねじにより圧接板を締め付けてR型端子を固定するものである。
【0005】
このねじ締め式端子盤でR型端子を固定する方法は、ねじを緩め、ねじを取り外し、ねじ穴にR型端子を差し込み、再度ねじを締め付ける等、その作業の手間が非常に大きい、という問題がある。そのため、R型端子に代えてY型端子を用いることが考えられる。Y型端子の場合は、上下2枚の圧接板のすき間に端子盤を滑り込ませることが可能な程度に、ねじを緩めれば良く、圧着端子着脱の作業の手間はかなり軽減される。
【0006】
しかし、端子盤への圧着端子の挿入は、多くの場合端子盤内の電線を上下方向に配線することから、また、スペース的にも、配線を整理する上でも好適なことから、下側からとなる。このためY型端子が落下したり、圧着端子が左右に動き、斜めにねじ締めされる等の問題がときに発生する。
【0007】
また、Y型端子の場合には丸型端子に比較し、端子を拘束する力が弱く、電線に強い引き抜き力が作用するときには、余程ねじを強く締め付けなければ、電線が脱落してしまうという問題がある。さらに、ねじ式端子盤100は、そのねじ径に適合する圧着端子しか接続できない、という問題がある。
【0008】
このため、近年、端子盤におけるねじ締めの手間を完全に省略するため、ねじなし端子盤の提案がなされるようになり、例えば、特許文献1には、カムレバーにより端子金具を下方に押圧して、端子金具の上下片間に圧着端子を挟圧するレバー式端子装置が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、レバーの押圧力により圧着端子を押圧する端子台(及び端子台の製造方法)が開示されている。この端子台は、端子と電気的に接続するベースと、このベースに向かって端子を付勢する板ばねからなる第1付勢部材と、初期位置と待機位置の間で回動可能で、待機位置で第1付勢部材を押し上げるレバーを備えている。
【0010】
特許文献1、特許文献2に記載の技術は、いずれも端子盤のある箇所(一つの挿入口)に一つの圧着端子を挿入し電線を引き出すものである。しかし、端子盤の一つの挿入口から複数本の電線を引き出し、複数の系統に配線したい場合がある。かかる場合において、ネジ締め式端子盤では、それぞれの電線に圧着端子を接続し、それらの圧着端子を重ね合わせて端子台に締結するようにしている。そのため、配線本数が増えると圧着端子も多く必要とされるばかりでなく、端子台の狭いスペースに複数の圧着端子を取付けることは困難であるという問題があった。
【0011】
そこで、特許文献3に記載の技術は、
図8(a)に示すように、圧着端子の端子台へ締結される締結部の側部から分岐して形成された複数の圧着部を備える圧着端子を開示している。複数の圧着部は、それぞれ、締結部の側部から分岐する複数の突出部に横向きに形成されている。締結部に複数の圧着部を分岐形成することにより、1個の圧着端子で複数の配線を行うことが可能となり、実装密度を向上させることができる、というものである。
【0012】
また、特許文献4に記載の技術は、
図8(b)に示すように、端子台に固定するための貫通穴1cが形成された単一の取付部1aと、電線を圧着する複数の接続部1bが、前記取付1aから分岐するように一体に形成されている圧着端子1を開示している。
【0013】
特許文献4に記載の技術によれば、端子台の一つの接続位置に複数本の電線を接続するための圧着端子の種類を減らすことができる。また、管理が容易化される共に、作業性の低下を防ぐことができる。
【0014】
このようにネジ締め式端子盤については、一つの挿入口から複数本の電線を引き出し、複数の系統に配線する技術が開示されている。しかし、レバーの押圧力により圧着端子を押圧する端子盤(レバー式端子盤)、いわゆる瞬間接線式端子盤について、ある箇所(一つの挿入口)から複数本の電線を引き出す技術は、現在のところ開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】実開昭63-63968号公報
【特許文献2】特開2017-91729号公報
【特許文献3】特許2010-123291号公報
【特許文献4】特開2001-68180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで本発明課題は、既存の標準的なレバー式端子盤(瞬間結線端子盤)を改造することなく、簡便な操作で、一つの端子盤の挿入口からワンタッチで2系統に電線を引き出すことができる接続補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための本発明は、表面に圧着端子が挿通される挿通孔が2つ形成されるケース本体と、
前記挿通孔を通して前記ケース本体に導入される第1の圧着端子と第2の圧着端子の間に介在する導電性の平板接触部と、前記平板接触部から延在し前記端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグと
基部により片持ち梁的に支持され、所定の離隔で対向する弾性体の第1バネ部と第2バネ部と、前記第1バネ部と前記第2バネ部の略中央に前記平板接触部が収容された状態において、前記第1の圧着端子を抜き差し可能とする第1の隙間、及び前記第2の圧着端子を抜き差し可能とする第2の隙間とが形成され、前記ケース本体に収容される板バネと、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第1バネ部を押圧することで前記第1の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第1のレバーと、
前記第2バネ部を押圧することで前記第2の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第2のレバーとを備えたことを特徴とする接続補助具、である。
【0018】
本発明の接続補助具は、基本構造として上下に2つの圧着端子の挿通孔を備えるとともに、ケース本体に内包される平板接触部と、そこから延在し端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグを備えている。かかるプラグ端子をレバー式端子盤(瞬間結線端子盤)に挿入した状態で、2つの圧着端子をそれぞれ挿通孔に挿入する。なお、挿通孔を左右に形成した場合は、プラグの平板接触部に接続するプラグ端子は90度、捩じられた構造となる。
【0019】
挿通孔から挿通された第1の圧着端子は、板バネの第1バネ部(上側バネ部)と平板接触部との隙間である第1の隙間に挿入され、第2の圧着端子は、板バネの第2バネ部(下側バネ部)と平板接触部との隙間である第2の隙間に挿入される。かかる状態において、第1のレバーにより、上側バネ部を押圧し、第2のレバーにより下側バネ部を押圧すると、第1の圧着端子が平板接触部と電気的に接続し、第2の圧着端子が平板接触部と電気的に接続する。これにより、ワンタッチでレバー式端子盤の一つの挿入口から第1の圧着端子に接続する電線と第2の圧着端子に接続する電線、即ち、2系統の電線を引き出すことができる。
【0020】
前記第1の隙間と前記第2の隙間が形成されている面には、上側バネ部と下側バネ部の反り(上下動)を確保するための空間が必要であり、かかる空間による隙間が生じる。このため、前記第1の隙間と前記第2の隙間が形成されている面の前記挿通孔以外の開口(隙間)に前記圧着端子が誤挿入されるのを防止する必要がある。本発明の補助具には、かかる誤挿入防止のためのストッパーが形成されている。
【0021】
挿入孔から挿入された圧着端子を押圧する上側バネ部と下側バネ部の端部には、圧着端子の切欠け部に嵌合する係止爪が形成されている。かかる係止爪が切欠け部に嵌合することで、圧着端子の抜け(引き抜かれること)を防止できる。
【0022】
かかる係止爪は略三角柱の形状とし、そのいずれかの側面が上側バネ部、下側バネ部と接合すように構成することで、係止爪(突起)の側面が挿通方向に下った傾斜面となる。これより、圧着端子が係止爪に当たっても挿入が阻害されることなく(傾斜に沿って挿入され)、挿入孔への抜き差しを容易に行うことができる。
【0023】
また、第1のレバーと第2のレバーには、回転軸と、回転軸の回動に伴い上側バネ部、下側バネ部を押圧、又は押圧を解除する突起が形成されている。また本接続補助具は、第1のレバー、第2のレバーを回動可能にケース本体に係合させる取付け枠部を備えている。
【発明の効果】
【0024】
本発明の接続補助具によれば、既存の標準的なレバー式端子盤(瞬間結線端子盤)を改造することなく、簡便な操作で、一つの挿入口からワンタッチで少なくとも2系統に電線を引き出すことができる接続補助具を提供することができる。また、本発明の接続補助具を多段に接続することにより、複数の電線を引き出し、多系統に配線すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である圧着端子2が挿入された接続補助具1の斜視図である。接続補助具1は、
図1(a)に示すように2つの圧着端子2を挿入できる挿入口を有し、圧着端子2と接触・押圧着する平板接触部と、そこから延在し、レバー式端子盤3に挿入されるプラグ端子とを有するプラグとを備える。
図1(b)は本接続補助具の使い方を示した図であり、レバー式端子盤3のある箇所(一つの挿入口)に接続補助具1のプラグ端子を挿入することで、レバー式端子盤3からワンタッチで2系統に電線を引き出した状態を示している。
【0026】
図2は、本発明の一実施の形態である接続補助具1の分解斜視図である。
図2において、接続補助具1は、プラグ15を中央に挟持し、プラグ15を挟持した状態において、その上下に圧着端子2が挿入される隙間133(
図3参照)のベース(底板)となる板バネ13、板バネ13の上側バネ部131a(
図3参照)を押圧し、圧着端子2とプラグ15とを接触導通させる、又は押圧を解除する上側レバー11a、板バネ13の下側バネ部131b(
図3参照)を押圧し、圧着端子2とプラグ15とを接触導通させる、又は押圧を解除する下側レバー11b、これらを収納するケース本体12、そしてレバー11を回動可能にケース本体12に係止する取付け枠部14とから構成される。レバー11は、把手部112、把手部112の端部に形成されている回転軸111、そして回転軸111の回動により板バネのバネ部131を押圧する突起113とから構成されている。
【0027】
図3は、ケース本体12を透視した本発明の一実施例である接続補助具1の内部構造を示した斜視図である。レバー11は、取付け枠部14によりケース本体12に回動可能の係止されている。板バネ13の上側バネ部131aとプラグ15の平板接触部152との間には隙間133aが形成され、下側バネ部131bと平板接触部152との間には隙間133bが形成されている。隙間133aと隙間133bに圧着端子2が挿入される。
【0028】
図3(a)において、圧着端子2が挿入されるケース本体12の面には、隙間133a、隙間133bの他に、上側バネ部131aとケース本体12の側面との間、及び下側バネ部131bとケース本体12の側面との間に、所定の隙間が必要であり、かかる隙間が圧着端子2の挿入面に開口としてあらわれる。かかる隙間は、圧着端子2を抜き差しすることに伴う板バネ131の上下動に必要となる空間として生じるものである。圧着端子2をかかる開口に誤挿入されるのを防ぐのが上側ストッパー132a、下側ストッパー132bである。
【0029】
図4は、本発明の一実施の形態である接続補助具1を構成する板バネ13の詳細図である。
図4(a)は板バネ13の側面図であり、
図4(b)は板バネ13の斜視図である。
図4(a)に示すように、板バネ13は、基部135(上側基部135a、下側基部135b)を支点とし、平板の上側バネ部131a、平板の下側バネ部131bを有する。上側バネ部131a、下側バネ部131bとの間には隙間133が形成され、基部135の片側側面には隙間134が形成されている。
【0030】
上側バネ部131aと下側バネ部131bはいずれも、その端部に圧着端子2の誤挿入を防止する上側のストッパー132aと下側のストッパー132bとを有する。また、その端部には、略三角柱の上側の係止爪136aと下側の係止爪136bとを有する。係止爪136はプラグ15の切欠け部154(
図5参照)に嵌合し、圧着端子2の抜けを防止する。
【0031】
図5はプラグ15が板バネ13に挟持される構造を示した図である。プラグ15は、
図5(a)に示すように、端子盤3の挿入口に挿入されるプラグ端子151、板バネ13の係止爪136が嵌合する切欠け部154、圧着端子2と接触し導通させる平板接触部152、そして板バネ13の隙間134の奥に設けられ基部135の一部であって、上側バネ部131aと下側バネ部131bとを接合する接合柱に嵌合する切欠け部153を有する。
図5(b)は板バネ13にプラグ15が嵌合した状態の接続補助具1を示した図である。プラグ15は隙間133、隙間134から挿入され、プラグ15の切欠け部153は板バネ13の基部135の一部である接合柱に嵌合し固定される。
【0032】
図6は、本発明の一実施例である接続補助具1に圧着端子2が挿入されるケース本体12の背面(圧着端子挿入面)の拡大斜視図である。上側バネ部131aと平板接触部152との隙間133aと、下側バネ部131bとの隙間133bに圧着端子が挿入される。上側バネ部131aの上、及び下側バネ部131bの下には開口ができるが、かかる開口に圧着端子の誤挿入を防止するのがストッパー132a、ストッパー132bである。
【0033】
図7は、圧着端子2が本発明の一実施例である接続補助具1の挿入された状態の拡大斜視図である。圧着端子2a、2bの端子20a、20bが、平板接触部152の上下に挿入されている。
図7においては、レバー11aは、押圧を解除する状態であるが、レバー11aを時計回り方向(
図7においては右方向)に倒すことで、回転軸111aの回転により突起113aが時計回り方向に回転し、バネ部131aを押圧し端子20aと平板接触部152とを接触・導通させる。突起113aの押圧によりレバー11には上方向の力が働くが、取付け枠部14aにより、その浮き上がりが防止される。
【0034】
押圧状態(倒した状態)にあるレバー11aを解除状態(倒立した状態)にすると、基部135から張り出しているバネ部131aの復元力(板バネ)により押圧状態が解除され、圧着端子2を容易に引く抜くことができる。なお、圧着端子2bについても同様の操作で同様に動作する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施例である接続補助具1の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態である接続補助具の分解斜視図である。
【
図3】ケース本体12を透視した本発明の一実施例である接続補助具1の内部構造を示した斜視図である。
【
図4】発明の一実施の形態である接続補助具1を構成する板バネの詳細図である。
【
図5】プラグ15が板バネ13に挟持される構造を示した図である。
【
図6】本発明の一実施例である接続補助具1に圧着端子2が挿入されるケース本体12の背面(圧着端子挿入面)の拡大斜視図である。
【
図7】圧着端子2が本発明の一実施例である接続補助具1の挿入された状態の拡大斜視図である。
【
図8】端子盤の挿入口に複数の圧着端子を接続する従来技術を示した図である。
【符号の説明】
【0036】
1:接続補助具
2:圧着端子
3:レバー式端子盤
11:レバー
11a:上側レバー 11b:下側レバー
12:ケース本体
13:板バネ
14:取付け枠部
15:プラグ
111:回転軸
112:把手部
113:突起
131:バネ部
132:ストッパー
133 134:隙間
135:基部
136:係止爪
151:プラグ端子
152:平板接触部
153 154:切欠け部
【手続補正書】
【提出日】2021-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の圧着端子と第2の圧着端子とが挿通されるケース本体と、
基部により片持ち梁的に支持され、所定の離隔で対向する弾性体の第1バネ部と第2バネ部とを有し、前記ケース本体に収容される板バネと、
前記第1バネ部と前記第2バネ部との間に介設される平板接触部と前記平板接触部から延在し端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグと、
前記第1バネ部と前記第2バネ部と、その間に介設された前記平板接触部とにより、前記第1の圧着端子と前記第2の圧着端子をそれぞれ抜き差し可能とする、前記ケース本体に形成される第1の隙間と第2の隙間と、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第1バネ部を押圧することで前記第1の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第1のレバーと、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第2バネ部を押圧することで前記第2の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第2のレバー
とを備えたことを特徴とする接続補助具。
【請求項2】
前記第1の圧着端子と前記第2の圧着端子が挿通される前記ケース本体の圧着端子の挿入面に開口する前記第1の隙間と、前記第2の隙間以外の開口に、前記圧着端子の誤挿入を防止するストッパーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接続補助具。
【請求項3】
前記第1バネ部及び前記第2バネ部の各端部には、圧着端子の切欠け部に嵌合する係止爪が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の接続補助具。
【請求項4】
前記係止爪は略三角柱の形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の接続補助具。
【請求項5】
前記第1のレバー、及び前記第2のレバーは、それぞれ回転軸と、前記回転軸の回動に伴い、前記第1のレバーは前記第1バネ部を押圧する突起を有し、前記第2のレバーは前記第2バネ部を押圧する突起を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の接続補助具。
【請求項6】
前記第1のレバー、前記第2のレバーをそれぞれ回動可能に前記本体ケースに係合させる取付け枠部を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の接続補助具
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
上記課題を解決するため本発明は、第1の圧着端子と第2の圧着端子とが挿通されるケース本体と、
基部により片持ち梁的に支持され、所定の離隔で対向する弾性体の第1バネ部と第2バネ部とを有し、前記ケース本体に収容される板バネと、
前記第1バネ部と前記第2バネ部との間に介設される平板接触部と前記平板接触部から延在し端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグと、
前記第1バネ部と前記第2バネ部と、その間に介設された前記平板接触部とにより、前記第1の圧着端子と前記第2の圧着端子をそれぞれ抜き差し可能とする、前記ケース本体に形成される第1の隙間と第2の隙間と、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第1バネ部を押圧することで前記第1の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第1のレバーと、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第2バネ部を押圧することで前記第2の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第2のレバー
とを備えたことを特徴とする接続補助具、である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の接続補助具は、基本構造として上下に2つの圧着端子の挿通孔を備えるとともに、ケース本体に内包される平板接触部と、そこから延在し端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグを備えている。かかるプラグ端子を、例えば、レバー式端子盤(瞬間結線端子盤)に挿入した状態で、2つの圧着端子をそれぞれ挿通孔に挿入する。なお、挿通孔を左右に形成した場合は、プラグの平板接触部に接続するプラグ端子は90度、捩じられた構造となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
図2は、本発明の一実施の形態である接続補助具1の分解斜視図である。
図2において、接続補助具1は、プラグ15を中央に挟持し、プラグ15を挟持した状態において、その上下に圧着端子2が挿入される
隙間133a、133b(図3参照)を形成する板バネ13、板バネ13の上側バネ部131a(
図3参照)を押圧し、圧着端子2とプラグ15とを接触導通させる、又は押圧を解除する上側レバー11a、板バネ13の下側バネ部131b(
図3参照)を押圧し、圧着端子2とプラグ15とを接触導通させる、又は押圧を解除する下側レバー11b、これらを収納するケース本体12、そしてレバー11を回動可能にケース本体12に係止する取付け枠部14とから構成される。レバー11は、把手部112、把手部112の端部に形成されている回転軸111、そして回転軸111の回動により板バネのバネ部131を押圧する突起113とから構成されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2021-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の圧着端子と第2の圧着端子とが挿通されるケース本体と、
基部により片持ち梁的に支持され、所定の離隔で対向する弾性体の第1バネ部と第2バネ部とを有し、前記ケース本体に収容される板バネと、
前記第1バネ部と前記第2バネ部との間に介設される平板接触部と前記平板接触部から延在し端子盤の挿入口に挿入されるプラグ端子とを有するプラグと、
前記第1バネ部と前記第2バネ部と、その間に介設された前記平板接触部とにより、前記第1の圧着端子と前記第2の圧着端子をそれぞれ抜き差し可能とする、前記ケース本体に形成される第1の隙間と第2の隙間と、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第1バネ部を押圧することで前記第1の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第1のレバーと、
前記ケース本体に回動可能に係合し、前記第2バネ部を押圧することで前記第2の圧着端子と前記平板接触部とを導通させ、又は押圧を解除することで非導通させる第2のレバー
とを備えたことを特徴とする接続補助具。
【請求項2】
前記第1の圧着端子と前記第2の圧着端子が挿通される前記ケース本体の圧着端子の挿入面に開口する前記第1の隙間と、前記第2の隙間以外の開口に、前記圧着端子の誤挿入を防止するストッパーが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接続補助具。
【請求項3】
前記第1のレバー、及び前記第2のレバーは、それぞれ回転軸と、前記回転軸の回動に伴い、前記第1のレバーは前記第1バネ部を押圧する突起を有し、前記第2のレバーは前記第2バネ部を押圧する突起を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の接続補助具。
【請求項4】
前記第1のレバー、前記第2のレバーをそれぞれ回動可能に前記ケース本体に係合させる取付け枠部を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の接続補助具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
上側バネ部131aと下側バネ部131bはいずれも、その端部に圧着端子2の誤挿入を防止する上側のストッパー132aと下側のストッパー132bとを有する。また、その端部には、略三角柱の上側の係止爪136aと下側の係止爪136bとを有する。